JPH0586105A - マレイミド系共重合体の製造方法 - Google Patents

マレイミド系共重合体の製造方法

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JPH0586105A
JPH0586105A JP24791591A JP24791591A JPH0586105A JP H0586105 A JPH0586105 A JP H0586105A JP 24791591 A JP24791591 A JP 24791591A JP 24791591 A JP24791591 A JP 24791591A JP H0586105 A JPH0586105 A JP H0586105A
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maleimide
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copolymer
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JP24791591A
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English (en)
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Kazuhide Kuroda
一秀 黒田
Minoru Yamaguchi
稔 山口
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マレイミド系共重合体の重合反応終了時にお
ける、残留マレイミド系単量体(b)の含有量を十分に
低減させ、マレイミド系共重合体の耐熱性の低下、マレ
イミド系共重合体を用いた成形品の着色およびマレイミ
ド系共重合体を用いて成形する時の金型の汚染を防ぐ。 【構成】 芳香族ビニル系単量体(a)、マレイミド系
単量体(b)およびこれらと共重合可能な他のビニル系
単量体(c)のうちの少なくとも一部の単量体を反応系
に仕込んでおき、残部の単量体を徐々に反応系に供給し
ながら共重合させ、前記残部の単量体をすべて反応系に
供給し終えた後、反応系に重合禁止剤を添加して熟成反
応を行うことにより、単量体(a)の重合を抑えながら
単量体(b)の残留量を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱性、耐衝撃性が
高く、熱安定性に優れたマレイミド系共重合体の製造方
法に関する。さらに詳しくは、この発明は、成形材料、
熱可塑性樹脂に配合して耐熱性等の諸性質を改良するた
めの材料などとして有効であり、未反応マレイミド系単
量体の残留が非常に少ないマレイミド系共重合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単
量体を共重合して得られるマレイミド系共重合体は、高
い熱変形温度と熱分解温度を有する熱可塑性樹脂である
ことが知られている。マレイミド系単量体と芳香族ビニ
ル系単量体とのラジカル重合を行う場合、交互共重合性
が高いため先ずマレイミド系単量体単位と芳香族ビニル
系単量体単位のモル比が1:1である交互共重合体が優
先的に得られ、その後、過剰な単量体の単独重合体が得
られることになる。1:1交互共重合体は、高い熱変形
温度を有しているため溶融成形に極めて高い温度を必要
とする上、もろいという欠点がある。また、1:1交互
共重合体と単独重合体が混在している不均質な共重合体
は強靱性に劣るという欠点がある。
【0003】これまで、均質な組成を有する共重合体を
得るために種々の提案がなされている。たとえば、米国
特許第2971939号では、ビニル系単量体を反応系
に仕込んで重合を開始した後、マレイミド系単量体をビ
ニル系単量体の重合速度より遅い速度で均一に反応系に
添加して重合する方法が提案されている。また、特開昭
58−162616号公報によれば、芳香族ビニル系単
量体を主体とするビニル系単量体を仕込んだ反応系へマ
レイミド系単量体をビニル系単量体の消費速度よりも遅
い速度で供給して重合する方法が提案されている。さら
に、特開平2−51514号公報によると、特定の組成
を有するマレイミド系共重合体を得るために、反応系に
芳香族ビニル系単量体およびメタクリル酸エステル系単
量体のうちの少なくとも1種と有機溶媒とを仕込み、マ
レイミド系単量体と他のビニル系単量体のうちの少なく
ともマレイミド系単量体を特定の比率で連続滴下供給し
て重合させ、溶媒の使用比率、重合転化率等を特定範囲
内でコントロールするとともに、マレイミド系単量体の
滴下終了後にさらに後重合することにより残存マレイミ
ド系単量体の量を低減することが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許および特
開昭58−162616号公報記載の方法によれば、マ
レイミド系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位を1
対1のモル比で含む共重合体は得られにくくなるもの
の、共重合体中のマレイミド系単量体単位の含有率が反
応の進行とともに変化し、最終的には、芳香族ビニル系
単量体単位に富んでいる分子からマレイミド系単量体単
位に富んでいる分子まで広い分布を持つ共重合体とな
り、マレイミド系単量体単位の含有率が平均値とほぼ等
しくなる分子の割合が非常に低くなる。このような共重
合体は、耐熱性、成形性、耐衝撃性をすべて満足するも
のではない。
【0005】マレイミド系共重合体にマレイミド系単量
体が残留していると、耐熱性の低下、成形品の着色、金
型の汚染の原因となり易いという問題点がある。マレイ
ミド系単量体は、一般に常温で固体であったり、沸点が
非常に高かったりするため、蒸発除去しにくいのであ
る。このため、特開平2−51514号公報の発明で
は、滴下終了後に後重合を行うことによりマレイミド系
単量体の含有量を低減させている。しかし、滴下終了時
に残留しているマレイミド系単量体の量が非常に多いた
め、後重合を行ってもマレイミド系単量体含有量の低減
は不十分である上、重合開始剤が存在する状態で後重合
を行っているため、過剰に存在する芳香族ビニル系単量
体の反応も進行し、芳香族ビニル系単量体の単独重合体
あるいは芳香族ビニル系単量体を多量に含む共重合体が
生成し、得られる共重合体の平均組成が変動するという
別の問題を引き起こしている。
【0006】また、特開昭63−90557号公報に記
載された実施例では、重合禁止剤の添加と共に冷却し、
重合反応を停止させることにより共重合体の組成変動を
少なくしている。しかし、このような方法ではマレイミ
ド系単量体の残留量が多いという問題があった。この発
明は、重合反応終了時における残留マレイミド系単量体
の含有量を十分に低減させることができ、マレイミド系
単量体の残留により生じる上記問題点を防ぐことができ
ると共に共重合体の組成分布を狭くできるマレイミド系
共重合体の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、芳香族ビニル系単量体(a)、マレイ
ミド系単量体(b)およびこれらと共重合可能な他のビ
ニル系単量体(c)のうちの少なくとも一部の単量体を
反応系に仕込んでおき、残部の単量体を徐々に反応系に
供給しながら共重合させるマレイミド系共重合体の製造
方法において、前記残部の単量体をすべて反応系に供給
し終えた後、反応系に重合禁止剤を添加して、熟成反応
を行うことにより単量体(a)の重合を抑えながら単量
体(b)の残留量を少なくすることを特徴とするマレイ
ミド系共重合体の製造方法を提供する。
【0008】この発明で用いられる単量体(b)は、下
式化1:
【0009】
【化1】
【0010】で表される化合物であり、たとえば、マレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイ
ミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミ
ド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキ
シルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロル
フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、
N−ブロモフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミ
ド、N−ラウリルマレイミド、2−ヒドロキシエチルマ
レイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メ
トキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマ
レイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等を挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上を使用す
ることができる。
【0011】この発明で用いられる単量体(a)は、下
式化2:
【0012】
【化2】
【0013】で表される化合物であり、たとえば、スチ
レン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン(o−,m−,p−メチルスチレンをビ
ニルトルエンとも言う)、1,3−ジメチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−第3
級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン;α−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン;ビニルナフタレン;o−クロロスチレン、
m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジ
ブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン;2−メチル
−4−クロロスチレンなどのハロゲン化アルキルスチレ
ン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を
使用することができる。生産性および物性のバランスの
点からは、特に、スチレン、ビニルトルエンおよびα−
メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種
を用いるのが望ましい。なお、芳香族ビニル系単量体を
用いずに、脂肪族ビニル系単量体を用いると、単量体の
反応性が低く、また得られた共重合体の耐熱性が低く、
かつ吸湿性が大きいという問題がある。
【0014】この発明では、必要に応じて、単量体
(a)および単量体(b)と共重合可能なその他のビニ
ル系単量体(c)を用いることができる。単量体(c)
は、単量体(a)および単量体(b)以外の、エチレン
性不飽和結合を持つ化合物であり、たとえば、耐衝撃
性、耐溶剤性、相溶性を向上させるという目的で使用さ
れる。単量体(c)としては、たとえば、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェ
ニルアクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;シクロア
ルキル基およびベンジル基を含む、炭素数1〜18のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(たとえ
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブチル、
(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソア
ミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等);エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン等のオ
レフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル
等のハロゲン化ビニル類;メチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等の飽和モノカルボン酸のビニルエ
ステル類;酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の飽和脂
肪族モノカルボン酸のアリルエステル類またはメタリル
エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
ビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物
のジメタクリレート、ハロゲン化ビスフェノールAのエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物の
ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートのトリ(メ
タ)アクリレート、イソシアヌレートのエチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド付加物のジまたはトリ
(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート
類;トリアリルイソシアヌレート等の多価アリレート
類;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸あるいはこれらの半エステル化物等が挙
げられ、目的に応じて1種または2種以上が用いられる
が、それらの種類および使用量はこの発明の目的を逸脱
しない範囲で選択すればよい。
【0015】芳香族ビニル系単量体(a)の使用量は、
40〜70wt%の範囲が好ましい。マレイミド系単量体
(b)の使用量は、30〜60wt%の範囲が好ましい。
単量体(c)の使用量は、0〜20wt%の範囲が好まし
い。ただし、単量体(a)、(b)および(c)の合計
量は100wt%である。単量体(a)の使用量が上記範
囲を上回ると、生成するマレイミド系共重合体の耐熱性
が低下するとともに、熱可塑性樹脂と配合する際の相溶
性が低下するおそれがあり、下回ると加工性および/ま
たは耐衝撃性が低下するおそれがある。単量体(b)の
使用量が上記範囲を上回ると生成するマレイミド系共重
合体の成形加工性が悪くなるとともに耐衝撃性が低下す
るおそれがあり、下回るとマレイミド系共重合体が樹脂
組成物に充分な耐熱性を付与することができないおそれ
がある。単量体(c)の使用量が上記範囲を上回ると、
生成するマレイミド系共重合体の加工性や耐衝撃性等に
おける物性のバランスが得られにくくなるおそれがあ
る。
【0016】この発明では、重合は次のように行う。反
応容器などの反応系に、芳香族ビニル系単量体(a)、
マレイミド系単量体(b)およびこれらと共重合可能な
他のビニル系単量体(c)のうちの少なくとも一部の単
量体を仕込む。この反応系に対してそれら単量体の残部
を徐々に反応系に供給しながら共重合させるのである。
ここで、単量体を徐々に供給する方法は特に制限はな
く、たとえば、均一速度で滴下したり、反応系中の単量
体組成をモニタリングしながら滴下速度をコントロール
したりするなどのやり方が採用される。単量体(a)、
(b)および(c)を徐々に供給する場合、すべて別々
に供給してもよいし、少なくとも2つを混合して供給し
てもよく、特に限定はない。
【0017】なお、単量体を徐々に供給しながら共重合
を行い、単量体(a)と単量体(b)の反応系での濃度
比を一定にすることにより、生成するマレイミド系共重
合体の組成が均質になるようにコントロールすることが
できる。このようにするには、たとえば、使用する芳香
族ビニル系単量体(a)の全量のうち10〜80wt%を
反応系に仕込み、この反応系に対してマレイミド系単量
体(b)の全量と芳香族ビニル系単量体(a)の残量を
徐々に供給するのが好ましい。芳香族ビニル系単量体
(a)の仕込み量が全量の10wt%未満の場合には未反
応芳香族ビニル系単量体の比率が低すぎるため、重合速
度が遅くなり、生産性が低下するおそれがある。芳香族
ビニル系単量体(a)の初期仕込み量を増大させていく
につれて反応系中の未反応芳香族ビニル系単量体濃度が
高くなるため、マレイミド系単量体(b)の供給速度を
速くすることによって、生成する共重合体の組成が均一
になるようにコントロールすることができるが、芳香族
ビニル系単量体(a)の初期仕込み量が全量の80wt%
を越えて多くなった場合、滴下液などとして徐々に供給
する液中のマレイミド系単量体(b)の割合が大きくな
りマレイミド系単量体(b)の供給速度が速くなりすぎ
るので、初期重合における発熱量が大きくなる。このた
め、工業的生産においては過大な冷却能力が必要となる
とともに、重合開始時点での内部の温度の調整が複雑に
なる。
【0018】芳香族ビニル系単量体(a)およびマレイ
ミド系単量体(b)を徐々に供給する場合、芳香族ビニ
ル系単量体とマレイミド系単量体を別々にまたは混合し
て供給したり、マレイミド系単量体を芳香族ビニル系単
量体または有機溶媒に溶解もしくは分散させて供給した
りする方法が採用される。徐々に供給する、芳香族ビニ
ル系単量体とマレイミド系単量体との比率は、たとえば
芳香族ビニル系単量体(a)10〜70wt%、マレイミ
ド系単量体(b)30〜90wt%とされる。また、有機
溶媒を使用するときには、供給液中の全単量体の重量に
対して、たとえば、有機溶媒0〜50wt%とされる。
【0019】この発明では、重合反応時は不活性ガス
(通常、窒素ガス)により反応系内の溶存酸素を除去し
て重合を行う。これは、酸素が重合禁止剤として作用す
るからである。反応系には、芳香族ビニル系単量体
(a)だけを仕込んでおいてもよいし、必要に応じて単
量体(a)と有機溶媒を仕込んでおいてもよい。この場
合、有機溶媒の量は、有機溶媒/〔有機溶媒+芳香族ビ
ニル系単量体(a)〕の重量比が0.40〜0.98と
なるようにするのがよい。これは、マレイミド系単量体
単位(B)の含有率が40.0〜65.0wt%であるマ
レイミド系共重合体を得るのに好都合だからである。こ
のようなマレイミド系共重合体は、耐熱性に特にすぐれ
ており、熱可塑性樹脂と配合することによって樹脂組成
物の耐熱性を効果的に改良することができるという利点
がある。有機溶媒/〔有機溶媒+芳香族ビニル系単量体
(a)〕の重量比が0.40を下回ると反応系の溶液粘
度が上昇したり、攪拌不良が生じることにより組成分布
が広くなったりするおそれがあり、0.98を上回ると
芳香族ビニル系単量体の比率が低くなるため反応速度が
低下するおそれがある。
【0020】マレイミド系共重合体の組成は、反応系に
おける単量体モル比(b)/(a)によって決定され
る。すなわち、この単量体モル比が大きいほどマレイミ
ド系単量体単位(B)の含有量が高いマレイミド系共重
合体が生成する。このため、単量体単位(B)の含有量
の大きい共重合体を製造する場合、残留する単量体
(b)の量も多くなる。このような場合には、有機溶媒
を多く用いることにより、単量体の供給終了時点での単
量体(b)の残留量を低下させて、熟成で除去すべき単
量体(b)を予め低減しておくのがよい。
【0021】有機溶媒としては、たとえば、トルエン、
キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族溶媒;メチルエ
チルケトン(MEKと略す)、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジメチルフォルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシ
ドなどの極性溶媒等が使用される。有機溶媒の使用は、
たとえば、マレイミド系共重合体の溶解性を高め、反応
液の粘度低下および重合中のゲル化を防ぐことを目的と
して行われる。
【0022】共重合可能な単量体(c)の添加方法は特
に制限はない。使用する単量体(c)の共重合性を考慮
して初期仕込み分と徐々に供給する分との割り振りを設
定すれば共重合体中に均質に存在させることができる。
なお、この発明では、反応系に重合開始剤、連鎖移動剤
などを存在させてもよい。重合開始剤としては、たとえ
ば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
ピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネートなどの過酸化物;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾ
ビス−1−シクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化
合物など、マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体
の重合に通常用いられる化合物が、通常の使用量で使用
される。重合開始剤は、その全量を反応系に予め仕込ん
でおいてもよいし、反応時に供給するようにしてもよ
い。
【0023】この発明は、たとえば、溶液重合、バルク
重合、乳化重合等の重合方法を採用することができる
が、特に溶液重合において有効である。重合は、たとえ
ば、温度60〜200℃で1〜20時間行う。反応系に
入れた全単量体の重合転化率は、たとえば50〜95wt
%となるようにするのが好ましい。単量体のすべてを徐
々に供給し終わった後、熟成反応を行う。
【0024】この発明において、すべての単量体の供給
終了後に行う熟成反応は、反応系に重合禁止剤を添加し
て行われる。この熟成反応は、単量体(a)の重合を抑
えながら単量体(b)の残留量を少なくするものであ
る。特にマレイミド系単量体(b)の残留量を、熟成し
ない時の1/10程度以下、たとえば単量体(b)の残
留量0.1wt%以下にするのが好ましい。単量体(b)
の残留量が0.1wt%よりも多いと得られたマレイミド
系共重合体が着色しやすいものになるおそれがある。
【0025】分子構造中のマレイミド系単量体単位含有
量の高いマレイミド系共重合体を得ようとすると、反応
系中に残存するマレイミド系単量体量が増加しやすい。
この発明は、このような場合に特に有効である。この発
明で使用される重合禁止剤は、たとえば、ジフェニルピ
クリルヒドラジル、ジ−p−フルオルフェニルアミン、
トリ−p−ニトロフェニルメチル、p−ベンゾキノン、
メチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−p−ベ
ンゾキノン、メトキシ−p−ベンゾキノン、クロラニ
ル、p−t−ブチルカテコール、3−フェニルカテコー
ル、ヒドロキノン、m−ジニトロベンゼン、p−フェニ
ルジアミン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、
ジクロルニトロフェノール、ハイドロキノンモノメチル
エーテルなどが挙げられ、それぞれ単独で使用された
り、2種以上併用されたりする。重合禁止剤の添加量
は、たとえば、徐々に供給した単量体のその供給終了時
に残存する単量体の100重量部に対して0.001〜
1重量部が好ましく、0.002〜0.5重量部がより
好ましい。この範囲を外れて少ないと、この発明の効果
が十分に得られないことがあり、逆に多いと着色の原因
となるおそれがある。
【0026】熟成反応を行う温度は、たとえば、80〜
180℃の温度範囲、好ましくは重合温度と同等の温度
で行われる。この温度範囲よりも高温に加熱しすぎる
と、熱重合反応等別の反応が進行するためこの反応も防
ぐために重合禁止剤の量を多くしなければならず、生成
物の物性に悪影響を与えることがある。前記温度範囲よ
りも低い温度だと、マレイミド系単量体(b)の減少に
時間がかかり残留量が多くなると共に重合体溶液の粘度
が上昇し操作が困難となる。熟成反応を行う時間は、た
とえば、10分〜10時間が好ましく、15分〜5時間
がより好ましい。この範囲を外れるとこの発明の効果を
十分に発揮できないおそれがある。
【0027】スチレン、フェニルマレイミドなどの重合
禁止剤として使用されているカテコール類およびヒドロ
キノン類は酸素の共存下で十分な重合禁止効果を発揮す
ることが知られており、特に着色を少なくするうえでカ
テコール類が好ましい。このため、この発明では、酸素
存在下に熟成反応を行うことが好ましく、そのときの酸
素量は、気相中の酸素濃度0.1〜10容積%が好まし
く、0.3〜5容積%がより好ましい。酸素濃度が低す
ぎると、単量体(a)の重合を抑える効果が小さいこと
があり、高すぎると、溶媒との引火、爆発の危険性が増
大する。酸素としては、分子状酸素のみを供給してもよ
いが、空気などの分子状酸素を含む混合気体を供給して
もよい。通常は、N2 と空気の混合気体を重合液中にバ
ブリングすることにより酸素が供給される。
【0028】熟成反応を終えた後、冷却し、反応液をメ
タノール等の溶媒中に添加して重合体を析出させ、濾過
などにより液と分離した後、真空乾燥等によって溶媒等
を除去し、マレイミド系共重合体を得ることができる。
また、通常の脱溶媒方法により未反応単量体および溶媒
等は除去可能であり、熟成反応工程においてマレイミド
系単量体(b)の残留量を十分低減しておくことによ
り、脱揮工程において温度、真空度や滞留時間等を適切
に制御することによって着色の原因となる残余の単量体
成分が除去されたマレイミド系共重合体を得ることがで
きる。
【0029】上記のようにして製造されたマレイミド系
共重合体は、好ましくは、芳香族ビニル系単量体単位
(A)35.0〜60.0wt%、マレイミド系単量体単
位(B)40.0〜65.0wt%、および、その他のビ
ニル系単量体単位(C)0〜20wt%から構成されてお
り、芳香族ビニル系単量体(a)の残留量が0.1wt%
以下、好ましくは0.05wt%以下、マレイミド系単量
体(b)の残留量が0.1wt%以下、好ましくは0.0
2wt%以下、ビニル系単量体(c)の残留量が0.1wt
%以下、好ましくは0.05wt%以下である。芳香族ビ
ニル系単量体単位(A)は、上記芳香族ビニル系単量体
(a)から、マレイミド系単量体単位(B)は上記マレ
イミド系単量体(b)から、ビニル系単量体単位(C)
は上記ビニル系単量体(c)からそれぞれ導かれる。芳
香族ビニル系単量体単位(A)、マレイミド系単量体単
位(B)およびビニル系単量体単位(C)の配列は、ラ
ンダムであっても、ブロック部分を有していてもかまわ
ない。
【0030】この発明の製造方法により得られたマレイ
ミド系共重合体は、たとえば、重量平均分子量5万〜1
00万、数平均分子量2万〜30万、温度260℃にお
ける粘度200〜1,000,000ポイズ、ガラス転
移温度130〜220℃という物性を有する。この発明
の製造方法により得られるマレイミド系共重合体は、成
形性が良いとともに耐熱性と耐衝撃性に優れており、さ
らに、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン樹脂)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブ
タジエン−スチレン樹脂)などに代表されるゴム変性樹
脂との混和性にも優れている。このため、この発明によ
り得られるマレイミド系共重合体は、ゴム変性樹脂とブ
レンドすることによって熱変形温度が高く、さらに高い
耐衝撃性を有する耐熱耐衝撃性樹脂を製造することがで
きる。このマレイミド系共重合体をゴム変性樹脂とブレ
ンドする場合、2軸押出機などの装置を用い、通常の作
動条件でゴム変性樹脂100重量部に対してマレイミド
系共重合体10〜100重量部の割合でブレンドする。
また、この発明により得られるマレイミド系共重合体
は、高い耐熱性を持つとともに優れた成形性(流動性)
も持っていることから、改質剤として用いることもでき
る。たとえば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタ
クリレート−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ス
チレン樹脂、アクリロニトリル−メチルメタクリレート
樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−メタク
リル酸−アクリロニトリル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂などの改質剤として用いると、耐熱性が向上する。特
に、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の結晶性樹脂と
の混和性に優れており、これらの樹脂の特徴を損なうこ
となく耐熱性が向上し、しかも成形加工性も改良できる
ので好ましい。上述のように改質剤として用いる場合に
は、2軸押出機などの装置を用い、通常の作動条件で、
上述の改質される樹脂100重量部に対してマレイミド
系共重合体10〜100重量部の割合で混合される。
【0031】
【作用】単量体(a)、(b)および(c)のすべてを
反応系に徐々に供給し終えた後、反応系に重合禁止剤を
添加して、熟成反応を行うことにより単量体(a)の重
合を抑えながら、重合反応で残留しているマレイミド系
単量体(b)の量が低減するとともに、共重合体の組成
分布を狭くすることができる。
【0032】単量体(a)および単量体(c)のうちの
少なくとも単量体(a)の全量のうち10〜80wt%を
反応系に仕込んでおき、単量体(a)および単量体
(c)の残量と単量体(b)の全量とを反応系に供給し
ながら重合させることにより、マレイミド系単量体の残
留量が少なくなるようにして、組成の均質なマレイミド
系共重合体を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
なお、特に断らない限り「部」は「重量部」、「%」は
「重量%」である。 −実施例1〜6− コンデンサー、攪拌機および2つの滴下ロートを備えた
重合反応槽に表1に示した組成の初期仕込み単量体およ
び溶媒を仕込み、十分溶解し、内部を窒素で置換した。
重合反応槽内部を表1に示した温度に昇温し、初期重合
開始剤を加え、反応を開始すると共に表1に示した2つ
の組成の滴下原料混合物IおよびIIを別々の滴下ロート
から表1に示す時間にわたって均一に滴下して、重合を
行った。滴下終了時の反応液組成、重合転化率と共重合
体構造を表2に示した。滴下終了後、表3に示した条件
で熟成を行って、マレイミド系共重合体を含む反応液を
得た。表3中、酸素の有無欄が「有」の場合には、空気
と窒素を体積比1:4の割合で混合した混合気体を毎
分、反応槽の1/5の体積量で反応液中にバブリングし
た。熟成終了時の反応液組成、重合転化率、共重合体の
構造、および、熟成前後のマレイミド系単量体単位
(B)(ここではN−フェニルマレイミド単位)含有量
変化率(数1による)を表4に示した。
【0034】得られた反応液は、44mm径のベント付2
軸押出機を用い、共重合体の温度が270〜300℃、
真空度が20Torrで操作し、ペレット状のマレイミド系
共重合体を得た。
【0035】
【数1】
【0036】−比較例1− 実施例1において、滴下終了後、熟成を行わないこと以
外は実施例1と同様にしてペレット状のマレイミド系共
重合体を得た。 −比較例2− 実施例1において、滴下終了後、重合禁止剤を添加せず
に熟成を行ったこと以外は実施例1と同様にしてペレッ
ト状のマレイミド系共重合体を得た。
【0037】上記実施例および比較例で得られた各ペレ
ットを表1に示す溶媒に溶解し、ガスクロマトグラフィ
ーで揮発分を測定したところ、揮発分はペレット中に
0.5重量%以下に低減していた。滴下終了時および熟
成終了時の反応液組成は、反応液の一部をサンプリング
し、ガスクロマトグラフィーにより未反応単量体量と溶
媒量を測定した。共重合体の組成は、単量体の仕込量と
未反応の単量体量から算出した。
【0038】なお、表1中の化合物の略号は、次のとお
りである。 ST:スチレン AN:アクリロニトリル PMI:N−フェニルマレイミド CHMI:N−シクロヘキシルマレイミド MEK:メチルエチルケトン Tol:トルエン PBO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート BIC:t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト PHM:1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】表1〜4にみるように、実施例1〜6で
は、いずれも熟成によりマレイミド系単量体は、0.1
%以下に低減され、熟成の前後で共重合体の組成の変動
も小さかった。比較例1では、熟成を行わないためマレ
イミド系単量体が多く残存した。比較例2では、マレイ
ミド系単量体は0.1%以下に減少したが、熟成前後の
共重合体の組成の変動が大きいものであった。
【0044】実施例および比較例で得られた各共重合体
のガラス転移温度、着色性および透明性を次のようにし
て調べた。ガラス転移温度は、理学電気株式会社製のD
SC−8230を用い、窒素気流下でα−アルミナをリ
ファレンスとして昇温速度5℃/分で測定したDSC曲
線から中点法で求めた。着色性および透明性は、得られ
たペレットを目視によって評価した。評価基準は次のと
おりである。結果を表5に示した。着色性 ◎…微黄色 ○…淡黄色 ×…カッ色透明性 ○…透明 ×…濁り
【0045】
【表5】
【0046】実施例1〜6では、いずれもガラス転移温
度、透明性が高く、着色の少ないペレットが得られた。
比較例1では、ガラス転移温度が低く着色したペレット
が得られ、比較例2では、ガラス転移温度が低く、透明
性の悪いペレットが得られた。
【0047】
【発明の効果】この発明のマレイミド系共重合体の製造
方法によれば、重合反応終了時における残留マレイミド
系単量体の含有量を十分に低減させることができ、組成
が均質であるマレイミド系共重合体を得ることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル系単量体(a)、マレイミ
    ド系単量体(b)およびこれらと共重合可能な他のビニ
    ル系単量体(c)のうちの少なくとも一部の単量体を反
    応系に仕込んでおき、残部の単量体を徐々に反応系に供
    給しながら共重合させるマレイミド系共重合体の製造方
    法において、前記残部の単量体をすべて反応系に供給し
    終えた後、反応系に重合禁止剤を添加して、熟成反応を
    行うことにより単量体(a)の重合を抑えながら単量体
    (b)の残留量を少なくすることを特徴とするマレイミ
    ド系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体(a)と(c)のうちの少なくと
    も単量体(a)の全量の10〜80wt%を反応系に仕込
    んでおき、単量体(a)および(c)の残量と単量体
    (b)の全量とを徐々に反応系に供給しながら重合させ
    る請求項1記載のマレイミド系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸素存在下に熟成反応を行う請求項1ま
    たは2記載のマレイミド系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合禁止剤としてカテコール類を用いる
    請求項3記載のマレイミド系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 単量体(a)40〜70wt%、単量体
    (b)30〜60wt%、および、単量体(c)0〜20
    wt%の比率(ただし、(a)、(b)および(c)の合
    計は100wt%である)で用いる請求項1から4までの
    いずれかに記載のマレイミド系共重合体の製造方法。
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