JPH0592208A - 高強度、高靭性及び低線膨脹係数のインバー線製法 - Google Patents

高強度、高靭性及び低線膨脹係数のインバー線製法

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JPH0592208A
JPH0592208A JP14265291A JP14265291A JPH0592208A JP H0592208 A JPH0592208 A JP H0592208A JP 14265291 A JP14265291 A JP 14265291A JP 14265291 A JP14265291 A JP 14265291A JP H0592208 A JPH0592208 A JP H0592208A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インバー線(Fe−Ni系合金)製造に際
し、その歪み取り焼鈍後に、製線技術による特性の仕上
加工をして、強度、線膨脹係数を焼鈍前のレベルに戻
し、さらに靭性を回復するとともに、各特性の調整を容
易にして、加工性、製品精度、信頼性を向上した高強
度、高靭性及び低線膨脹係数のインバー線製法を提供す
るにある。 【構成】 Fe−Ni系合金aを伸線加工して所定径の
線材a2(又はa1)とし、歪み焼鈍9(又は5)した
後、線材a2(又はa1)を軽い減面率で伸線加工12
し、さらに整直ロール20により軽度の歪み取り加工1
3することに特徴を有し、また、上記インバー線製法に
おいて、歪み取り焼鈍後の線材a2(又はa1)を減面
率2.0〜8.0%で伸線加工12し、さらに整直ロー
ル20によりロール径D/ワイヤ径d=9.0〜16.
0で歪み取り加工13することに特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線(ACS
R)の芯線等として好適な高強度、高靭性及び低線膨脹
係数のインバー線製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記架空送電線の芯線には、7本
撚りの高炭素鋼線が使用されているが、高炭素鋼線は温
度上昇により比較的に大きく膨脹し、大きな垂れ下がり
を生じる傾向があり、最近では、低線膨脹係数のインバ
ー線(Fe−Ni系合金)を前記芯線として使用する試
みがなされている。しかし、Fe−Ni系合金は、低線
膨脹係数の特性を有しているが、その引張強さは90K
gf/mm2以下であつて、架空送電線の芯線としては
その強度、靭性がともに不十分であり、その高強度化、
高靭性化が図られている。
【0003】従来の上記インバー線(Fe−Ni系合
金)の高強度化、高靭性化の対策としては、例えば、F
e−Ni系合金をベースにして、Mo、Cr、Si等の
種々の元素を微量に添加して、その低線膨脹係数の特性
を保持したままで高強度化し、また、その線製造の中間
工程あるいは最終工程、又は、中間工程と最終工程の両
方において、歪み取りの焼鈍を行なつて靭性レベルを高
めるなど、高強度、高靭性及び低線膨脹係数のインバー
線製法が開発されて提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記インバー線
製法は、Fe−Ni系合金をベースとし、微量成分(M
o、Cr、Si等)の添加によつて、仕上り製品の各特
性が高められ、基本的に大きく規制されているととも
に、微妙な配合変化により各特性が影響を受け易く、そ
の製造の中間あるいは最終の工程、又は、中間工程と最
終工程の両方で行われる歪み取り焼鈍は、靭性の回復に
効果的があるが、逆にその線材の高強度、低線膨脹係数
が加工前の値に戻る傾向があり、各特性の調整が非常に
難しく、諸々の製品特性の要望に対応し難いなどの問題
点がある。
【0005】本発明は、上記のような課題に対処するた
めに開発されたものであつて、その目的とする処は、イ
ンバー線(Fe−Ni系合金)製造に際し、その歪み取
り焼鈍後に、製線技術による特性の仕上加工をして、強
度、線膨脹係数を焼鈍前のレベルに戻し、さらに靭性を
回復するとともに、各特性の調整を容易にして、加工
性、製品精度、信頼性を向上した高強度、高靭性及び低
線膨脹係数のインバー線製法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe−Ni系
合金を伸線加工して所定径の線材とし、歪み取り焼鈍し
た後、前記線材を軽い減面率で伸線加工し、さらに整直
ロールにより軽度の歪み取り加工することにより、前記
線材の強度、線膨脹係数を焼鈍前のレベルに戻し、靭性
を回復するとともに、前記各特性の調整を容易にしてい
る。
【0007】また、歪み取り焼鈍後の前記線材を減面率
2.0〜8.0%で伸線加工し、整直ロールによりロー
ル径/ワイヤ径=9.0〜16.0で歪み取り加工する
ことより、さらに前記各特性を高めるとともに、各特性
の調整を容易にしている。
【0008】
【作用】Fe−Ni系合金を伸線加工して所定径の線材
とし、その線材は、歪み取り焼鈍により伸び、ねじり、
巻き取り巻き戻し等の靭性が回復され、その焼鈍により
若干強度が低下し、線膨脹係数が上昇するが、その焼鈍
後に行われる軽い減面率の伸線加工により、強度、線膨
脹係数が焼鈍前のレベル程度まで戻され、さらに整直ロ
ールによる軽度の歪み取り加工により、その靭性が実用
的に問題のないレベルまで回復され、焼鈍後の前記軽い
減面率の伸線加工、及び前記整直ロールによる軽度の歪
み取り加工は、機械的な製線技術による仕上工程とな
り、その製品特性が容易に高精度で、かつ微調整されて
種々の製品特性を得ることができる。
【0009】また、上記インバー線製法において、歪み
取り焼鈍後の伸線加工における線材の減面率を2.0〜
8.0%とし、前記整直ロールによる軽度の歪み取り加
工におけるロール径/ワイヤ径を9.0〜16.0の範
囲にすることより、前記各特性がさらに高められ、信頼
性が向上される。
【0010】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す工程図、図2
に同実施例に適用される整直ロールの機構図、図3ない
し図9に同実施例の特性説明図を示し、本発明の合金組
成は、例えば、表1に示すような重量比で、Fe−Ni
系合金をベースとし、C,Cr,Mo,Nb等を添加し
て構成とされる。
【0011】
【表1】 本発明のインバー線は、表1に示すような配合成分から
なるFe−Ni系合金aを、図1に示すよう鋳造1、鍛
造2、伸線3、皮剥ぎ4等の各工程を経て、例えば6.
5mmφの線材a1に伸線加工し、その線材a1を歪み
取り焼鈍5する中間加工工程と、その線材a1を伸線前
処理6、伸線7、洗浄8、所定径の線材a2に伸線加工
し、その線材a2を歪み取り焼鈍9する従来の最終工程
と、さらに、所定径に形成され歪み取り焼鈍9(又は
5)されている前記線材a2(又はa1)を、伸線前処
理11して、軽い減面率で伸線加工12(以下スキンパ
ス加工と言う)し、さらに整直ロール20により軽度の
歪み取り加工13する高強度、高靭性及び低線膨脹係数
のインバー線製法になつている。また、上記インバー線
製法において、前記伸線加工12の減面率を2.0〜
8.0%とし、整直ロール20による前記歪み取り加工
13のロール径/ワイヤ径を9.0〜16.0とした高
強度、高靭性及び低線膨脹係数のインバー線製法になつ
ている。
【0012】前記鋳造1ないし歪み取り焼鈍9等の各工
程は、インバー線を製造する従来製法の一例を示すもの
であつて、本発明では前記工程に限定されるものではな
く、各種の従来製法において、その最終工程の歪み取り
焼鈍9後、あるいは、必要に応じて中間工程の歪み取り
焼鈍5後に、その線材a2を伸線前処理11、軽い減面
率の伸線加工12(スキンパス加工)、さらに整直ロー
ル20による軽度の歪み取り加工13の工程からなる仕
上加工をする点に特徴を有する。
【0013】本発明の上記高強度、高靭性及び低線膨脹
係数のインバー線製法は、図示のようにスキンパス加工
12前に、従来の適宜手段による伸線前処理11が行わ
れ、スキンパス加工12は、従来の適宜の伸線加工手段
により非常に軽い減面率で行われ、歪み取り加工13に
は、図2に示すような複数段に形成された整直ロール2
0により十分な効果が得られる。
【0014】さらに詳述すると、Fe−Ni系合金は、
図3のように伸線加工を施すと、線膨脹係数は小さく、
強度は徐々に高くなる特性があるが、逆に伸び、ねじ
り、巻き付け巻き戻し等の靭性は低下傾向となる。よつ
て、従来のインバー線製造においては、その靭性回復の
手段として、中間加工、あるいは最終加工の工程まで伸
線加工し、又は、その前記工程後に歪み取り焼鈍5,9
して、その線材の伸び、ねじり、巻き付け巻き戻し等の
靭性を矢示点線のように回復させているが、該焼鈍は、
低くなつている線膨脹係数、高くなつている強度が矢示
点線のように逆に加工前に戻される傾向がある。また、
高強度で低線膨脹係数の線材を得るために加工度(減面
率を大きく)を大きく取る必要があるが、加工度を大き
く取ると靭性劣化の度合いが大きくなつて、後の歪み取
り焼鈍による靭性回復が難しくなり、その靭性回復に
は、焼鈍の程度を上げる即ち焼鈍温度を高く、焼鈍時間
を長くする必要があるが、これも所定の線膨脹係数、強
度を保つ範囲内に規制される。
【0015】従って、高強度、低線膨脹係数化の加工程
度は、焼鈍で靭性が回復し、強度、線膨脹係数が保たれ
る範囲が限界であり、これにより得られる強度、線膨脹
係数が最大、最低の値となる。以上のように従来は、イ
ンバー線の高強度、高靭性、低線膨脹係数化のために、
伸線等の加工と歪み取り焼鈍を行い、その加工限界を上
げるために、種々の前記元素を微量添加し、その成分調
整により改善が図られてきた。これに対し、本発明は、
焼鈍後のFe−Ni系合金製の線材に、非常に軽い減面
率の伸線等の加工12と、軽度の歪み取りのための整直
ロール加工13を行うことにより、高強度、高靭性及び
低線膨脹係数のFe−Ni系合金製の線材、即ちインバ
ー線a3を得るものである。
【0016】焼鈍後における伸線等の加工度と強度及び
線膨脹係数は、図4,5に示すような関係があり、加工
初期に強度は急激に上昇し(図4)、線膨脹係数は急激
に低下する(図5)。また、焼鈍後の伸線等の加工度と
伸び、ねじり、巻き付け巻き戻し等の靭性は、図4に示
すような関係があり、加工初期に靭性が急激に低下する
が、加工初期の該靭性低下は、整直ロール加工13によ
り実用的に問題ない程度まで回復され、この整直ロール
加工で若干の強度低下を生じるが、線膨脹係数には殆ど
影響なく、加工初期の靭性回復に有効な手段となる。
【0017】よつて、本発明の上記実施例では、Fe−
Ni系合金を先ず所定の径まで圧延加工して形成された
線材a2(又はa1)を、中間加工の工程で焼鈍5し、
あるいは焼鈍せずに所定の径まで伸線等で加工して、高
強度、低線膨脹係数化する。次に、歪み取り焼鈍9によ
り、伸び、ねじり、巻き付け巻き戻し等の靭性を回復さ
せる。この時、靭性の回復に伴い若干の強度低下及び線
膨脹係数の上昇が生じるが、前記歪み取り焼鈍後に、非
常に軽い減面率の伸線等の加工(スキンパス加工)12
を行うことにより、強度、線膨脹係数が焼鈍前と同等の
レベルまで戻される。スキンパス加工12で再度の靭性
低下が生じるが、さらに、整直ロール加工13を行い、
実用的に問題ないレベルまで靭性が回復される。
【0018】前記表1に示す組成のFe−Ni系合金
を、鋳造、鍛造、伸線、皮剥ぎの各工程により6.5m
mφの線材とし、この線材を図1に示す工程で加工し
て、2.48mmφ、3.38mmφのインバー線を製
造した。なお、前記加工において、焼鈍は500℃以上
の適当な温度で行い、スキンパス加工は減面率2.0〜
8.0%程度で行い、さらに、整直ロール加工は、D/
d=9.0〜16.0(整直ロールの直径D、インバー
線の直径d)で行い、2.48mmφと3.38mmφ
のインバー線に製造して、図6ないし図9のような特性
図が得られた。
【0019】図4,5に示すようにスキンパス加工12
は減面率2.0〜8.0%程度で行うのが好ましく、ま
た、図6,7に示すように整直ロールの直径Dとインバ
ー線の直径dの比、D/dは9.0〜16.0の範囲で
歪み取り加工するのが好ましく、前記インバー線2.4
8mmφの各線材特性の測定結果は図7、インバー線
3.38mmφの各線材特性の測定結果は図8に示さ
れ、図7,8から明らかなように本発明では、強度は約
5Kgf/mm2上昇し、線膨脹係数は0.5×10
−6/℃低下し、伸びは1.0%以上の上昇となり、ね
じりも同等又はそれ以上となり、バラツキも小さくなつ
て、強度、靭性、線膨脹係数のいずれについても顕著な
好結果が確認されている。
【0020】
【発明の効果】本発明は、前述のような構成になつてお
り、Fe−Ni系合金を従来の適宜加工手段で所定径の
線材に伸線加工し、線材を歪み取り焼鈍してその伸び、
ねじり、巻き取り巻き戻し等の靭性を回復するととも
に、焼鈍後の軽い減面率の伸線加工により、強度、線膨
脹係数が焼鈍前のレベル程度まで戻され、さらに整直ロ
ールによる軽度の歪み取り加工により、靭性が実用的に
問題のないレベルまで回復されて、前記焼鈍に伴つて生
じる若干の強度低下、線膨脹係数の上昇が前記のような
仕上工程で容易、効果的に解消され、前記焼鈍後の軽い
減面率の伸線加工、及び前記整直ロールによる軽度の歪
み取り加工は、機械的な製線技術による効果的な仕上工
程となり、高強度、高靭性及び低線膨脹係数の各特性が
容易に高精度で得られ、微調整されるなど、加工性、製
品精度、信頼性が著しく向上されている。また、歪み取
り焼鈍後の伸線加工における線材の減面率を2.0〜
8.0%とし、整直ロールによる軽度の歪み取り加工に
おけるロール径/ワイヤ径を9.0〜16.0にするこ
とより、前記各特性がさらに高められ、優れた製品精
度、信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図
【図2】実施例に適用される整直ロールの側視機構図
(A)とX−X視機構図(B)
【図3】伸線加工によるインバー線の機械的特性図
【図4】伸線加工初期のインバー線の機械的な変化を示
す特性図
【図5】伸線加工初期のインバー線の線膨脹係数の変化
を示す特性図
【図6】整直ロールのD/dと整直ロール加工後の伸び
特性図
【図7】整直ロールによる伸び改善の特性図
【図8】実施例(2.48mmφ)の各工程特性図
【図9】実施例(2.38mmφ)の各工程特性図であ
る。
【符号の説明】
a Fe−Ni系合金 D ロール径(整直ロール) d ワイヤ径 a1,2 線材 5,9 歪み取り焼鈍 12 軽い減面率の伸線加工(スキンパス加工) 13 整直ロールによる軽度の歪み取り加工(整
直ロール加工) 20 整直ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe−Ni系合金を伸線加工して所定径
    の線材とし、歪み取り焼鈍した後、前記線材を軽い減面
    率で伸線加工し、さらに整直ロールにより軽度の歪み取
    り加工することを特徴とする高強度、高靭性及び低線膨
    脹係数のインバー線製法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高強度、高靭性及び低線
    膨脹係数のインバー線製法において、歪み取り焼鈍後の
    前記線材を減面率2.0〜8.0%で伸線加工し、さら
    に整直ロールによりロール径/ワイヤ径=9.0〜1
    6.0で歪み取り加工することを特徴とする高強度、高
    靭性及び低線膨脹係数のインバー線製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100448605C (zh) * 2005-06-27 2009-01-07 赵兵 铁镍合金包无氧铜低阻封装引线的制造方法
CN110352258A (zh) * 2017-03-21 2019-10-18 杰富意钢铁株式会社 轨道及其制造方法

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