JPH0598342A - 熱処理治具 - Google Patents

熱処理治具

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JPH0598342A
JPH0598342A JP25666191A JP25666191A JPH0598342A JP H0598342 A JPH0598342 A JP H0598342A JP 25666191 A JP25666191 A JP 25666191A JP 25666191 A JP25666191 A JP 25666191A JP H0598342 A JPH0598342 A JP H0598342A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内周面の硬度、はだ焼深さ及び内径寸法精度の
要求値が高い被熱処理品についても、被熱処理品のセッ
トを短時間で行え、被熱処理品の遊嵌数の減少を伴うこ
となく、管理する治具の増加を招来しない熱処理治具を
提供する。 【構成】立棒2の被係合突起21がトレイ1における隣
接する4個の係合穴11と同時に係合すべく構成されて
おり、遊嵌部22の中心軸Oがトレイ1の編目の内部に
位置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理治具に関し、詳
しくは、歯車等のように環状の被熱処理品を同時に複数
個熱処理する際に使用される治具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、トランスミッション用歯車等
のように環状の被熱処理品を浸炭焼入れ等の熱処理に処
する場合、図8〜10に示すように、編目状のトレイ8
と、このトレイ8に立設される立棒9とからなる熱処理
治具を使用することが行われている(熱処理30巻6号
302〜303頁)。図9に示すトレイ8は、編目が正
方形の板状であって、各正方形の各頂点位置に円形の係
合穴81をもち、図示しない柱によって支持されるもの
である。また、立棒9は、図8に示すように、Y字状の
台部90と、この台部90の中央から裏側に円柱状に突
出しトレイ8の1個の係合穴81と係合する1本の被係
合突起91と、台部90から被係合突起91と反対側、
つまり編目と略直角方向に延びつつ水平方向でY字状の
骨格93が適所に連結された遊嵌部92とをもつもので
ある。
【0003】被熱処理品Wは立棒9の台部90上に積み
重ねられることにより遊嵌部92に複数個遊嵌され、被
熱処理品Wを遊嵌させた複数の立棒9の被係合突起91
が台車等に装備されたトレイ8の係合穴81に係合さ
れ、図9に示すセット完了の状態で熱処理に供される。
そして、被熱処理品Wの外周面側には周囲のガスや焼入
油等の焼入媒体Mが直接作用し、図10に示すように、
トレイ8が下方から編目内に焼入媒体Mを流入させ、編
目内の焼入媒体Mが台部90、遊嵌部92、骨格93の
間隙を介して被熱処理品Wの内周面側に作用し、被熱処
理品Wの熱処理が行われる。この場合、それぞれの立棒
9の遊嵌部92に被熱処理品Wを複数個遊嵌させている
ことから、一度に数多くの被熱処理品Wの熱処理が可能
であり、この熱処理治具はコスト面で有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の熱
処理治具では、立棒9の被係合突起91がトレイ8にお
ける単一の係合穴81と係合する単一の円柱状のもので
あり、立棒9における遊嵌部92の中心軸Oがトレイ8
の係合穴81と一致しているため、被熱処理品Wの内周
面側がトレイ8の編目と狭い間隙でしか連通しておら
ず、トレイ8の編目内に流入した焼入媒体Mは、被熱処
理品Wの外周面側に大量に流出してしまい、被熱処理品
Wの内周面側へは焼入媒体Mが流入しにくくなってい
る。この傾向は、内径の小さい環状の被熱処理品ほど強
くなる。このため、かかる熱処理治具を採用した被熱処
理品Wの内周面側は、外周面側と比較して、硬度やはだ
焼深さが低くなりやすい。また、被熱処理品Wは、同一
立棒9の遊嵌部92に遊嵌される場合であっても、焼入
媒体Mの内周面側への流入量が少ないことから遊嵌され
る位置によって処理程度が異なり、硬度やはだ焼深さが
位置によって異なって熱処理の品質がばらつくととも
に、内径寸法のばらつきをも生じてしまう。したがっ
て、内周面の硬度やはだ焼深さ、あるいは内径寸法の精
度の要求値が高い被熱処理品については、これらの不具
合を無くすべく、各被熱処理品の間にスペーサと呼ばれ
る仕切り治具を挿入して遊嵌部に遊嵌する方法、トレイ
に支持される横棒を用意し、この横棒に各被熱処理品を
横掛けする方法が採用されるが、これらの方法では、被
熱処理品のセットに長時間を要し、被熱処理品間のスペ
ーサによる空間が無駄になることから遊嵌数が減少し、
管理する治具の増加をも招来し、コスト高になるという
不具合がある。また、これらの方法では、スペーサの挿
入や横棒の支持が困難なため、自動化にも難点を伴う。
【0005】本発明は、上記従来の不具合に鑑みてなさ
れたものであって、内周面の硬度、はだ焼深さ及び内径
寸法精度の要求値が高い被熱処理品についても、被熱処
理品のセットを短時間で行え、被熱処理品の遊嵌数の減
少を伴うことなく、管理する治具の増加を招来しない熱
処理治具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱処理治具は、
編目が多角形の編目状であって、該多角形の各頂点位置
に係合部をもち、該編目内に焼入媒体を流入させるトレ
イと、該トレイの該係合部と係合する被係合部と、該被
係合部から該編目と略直角方向に延び環状の被熱処理品
が複数個遊嵌される遊嵌部と、をもつ立棒とからなる熱
処理治具において、前記立棒は、隣接する少なくとも3
個の前記係合部と同時に係合すべく前記被係合部が構成
され、前記遊嵌部の中心軸が前記トレイの前記編目の内
部に位置していることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の熱処理治具では、立棒の被係合部がト
レイにおける隣接する少なくとも3個の係合部と同時に
係合すべく構成されており、遊嵌部の中心軸がトレイの
編目の内部に位置しているため、被熱処理品の内周面側
が遊嵌部を介してトレイの編目に広い間隙で連通してお
り、トレイの編目内に流入した焼入媒体が被熱処理品の
内周面側へ流入しやすくなっている。このため、かかる
熱処理治具を採用した被熱処理品の内周面側は、外周面
側と同様の硬度やはだ焼深さに処理される。また、焼入
媒体の内周面側への流入量が多いことから、かかる熱処
理治具を採用した被熱処理品は、遊嵌される立棒の同一
・不同一を問わず、かつ遊嵌される位置によらずに均一
に処理され、位置による硬度、はだ焼深さ、内径寸法の
ばらつきがない。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図
面を参照しつつ説明する。 (実施例1)この熱処理治具は、図1〜4に示すよう
に、編目状のトレイ1と、このトレイ1に立設される立
棒2とからなる。
【0009】トレイ1は、図2に示すように、従来のも
のと同一のものである。すなわち、このトレイ1は、編
目が正方形の板状であって、各正方形の各頂点位置に円
形の係合穴11をもち、かつ図示しない柱によって支持
されるものである。立棒2は、図1(a)、(b)に示
すように、十字状の台部20と、この台部20の各先端
からそれぞれ正方形の頂点位置で裏側に扇状に突出しト
レイ1における隣接する4個の係合穴11と係合する4
本の被係合突起21と、台部20から各被係合突起21
と反対側、つまり編目と略直角方向に延びつつ水平方向
で十字状の骨格23が適所に連結された遊嵌部22とを
もつものである。
【0010】被熱処理品Wは立棒2の台部20上に積み
重ねられることにより遊嵌部22に複数個遊嵌され、被
熱処理品Wを遊嵌させた複数の立棒2の4本の被係合突
起21が台車等に装備されたトレイ1の隣接する4個の
係合穴11に係合され、図3に示すセット完了の状態で
熱処理に供される。そして、立棒2の外周面側には周囲
のガスや焼入油等の焼入媒体Mが直接作用し、図4に示
すように、トレイ1は下方から編目内に焼入媒体Mを流
入させ、編目内の焼入媒体Mが立棒2の内周面側に作用
し、被熱処理品Wの熱処理が行われる。
【0011】このとき、この熱処理治具では、立棒2の
被係合突起21がトレイ1における隣接する4個の係合
穴11と同時に係合しており、遊嵌部22の中心軸Oが
トレイ1の編目の内部に位置している。このため、被熱
処理品Wの内周面側が台部20、遊嵌部22及び骨格2
3の間隙を介してトレイ1の編目に広い間隙で連通して
おり、トレイ1の編目内に流入した焼入媒体Mが被熱処
理品Wの内周面側へ流入しやすくなっている。したがっ
て、この熱処理治具を採用した被熱処理品Wの内周面側
は、外周面側と同様の硬度やはだ焼深さに処理される。
また、焼入媒体Mの内周面側への流入量が多いことか
ら、かかる熱処理治具を採用した被熱処理品Wは、遊嵌
される立棒2の同一・不同一を問わず、かつ遊嵌される
位置によらずに均一に処理され、位置による硬度、はだ
焼深さ、内径寸法のばらつきがない。 (実施例2)この熱処理治具は、図5及び図6に示すよ
うに、編目状のトレイ3と、このトレイ3に立設される
立棒4とからなる。
【0012】トレイ3は、図6に示すように、編目が菱
形の板状であって、各菱形の各頂点位置に円形の係合穴
31をもち、かつ図示しない柱によって支持されるもの
である。立棒4は、図5(a)、(b)に示すように、
Y字状の台部40と、この台部40の各先端からそれぞ
れ正三角形の頂点位置で裏側に扇状に突出しトレイ3に
おける隣接する3個の係合穴31と係合する3本の被係
合突起41と、台部40から各被係合突起41と反対
側、つまり編目と略直角方向に延びつつ水平方向でY字
状の骨格43が適所に連結された遊嵌部42とをもつも
のである。
【0013】この熱処理治具では、立棒4の3本の被係
合突起41がトレイ3の隣接する3個の係合穴31に係
合され、図6に示すセット完了の状態で熱処理に供され
る。この熱処理治具を採用した場合も実施例1と同様の
作用及び効果得ることができる。 (実施例3)この熱処理治具は、図7(a)、(b)に
示す立棒5を採用したものである。トレイは実施例1の
ものと同一であるため、実施例1と同一符号を付し、詳
説を省略する。
【0014】立棒5は、中央に円形穴をもつ略正方形状
の台部50と、この台部50の各先端からそれぞれ正方
形の頂点位置で裏側に扇状に突出しトレイ1における隣
接する4個の係合穴11と係合する4本の被係合突起5
1と、台部50から各被係合突起51と反対側、つまり
編目と略直角方向に延びつつ水平方向で十字状の骨格5
3が適所に連結された遊嵌部52と、台部50から各被
係合突起51と同一側に突出する円筒状のガイド部53
とをもつものである。
【0015】この熱処理治具では、トレイ1の編目内の
焼入媒体Mが立棒5のガイド部53によって被熱処理品
Wの内周面側により一層流入され、被熱処理品Wの内周
面側をより一層好適に熱処理することができる。他の作
用及び効果は実施例1と同様に奏することができる。な
お、上記実施例1〜3の熱処理治具では、立棒2、4、
5の被係合突起21、41、51が3本又は4本である
ため、立棒2、4、5のみで立てることが可能であり、
熱処理前後の取り回しやストックを容易に行なうことが
できる。
【0016】また、これら実施例1〜3の熱処理治具に
おける立棒2、4、5は、3本又は4本の被係合突起2
1、41、51により中心軸Oの位置決めがなされる。
このため、位置決めが容易になされるため、仮に自動化
を図る場合であっても位置決め機構を省略することがで
きる。また、これらの立棒2、4、5の頂部には、図8
に示す従来の立棒9のように頂部に振れ止めの受け部9
4を設ける必要がなく、この受け部94を支える振れ止
め治具(図示せず)を設ける必要がない。よって、一つ
の立棒2、4、5に従来よりも多数の被熱処理品Wを遊
嵌させることができ、作業性を向上させることができ
る。
【0017】さらに、図8に示す従来の熱処理治具にお
ける立棒9では、トレイ8への立設時、被係合突起91
に全荷重が作用し、かつ被係合突起91と係合穴81と
の微小な間隙により被係合突起91に常時曲げ応力が加
わるため、被係合突起91の金属疲労から立棒9の寿命
が短かったが、これら実施例1〜3の熱処理治具におけ
る立棒2、4、5では、3本又は4本の被係合突起2
1、41、51により荷重が分散され、かつ被係合突起
21、41、51と係合穴11、31との微小な間隙を
3本又は4本の被係合突起21、41、51が吸収し
て、被係合突起21、41、51に曲げ応力が作用せ
ず、延命化さてている。
【0018】なお、上記実施例1〜3ではトレイ1、3
の係合部として係合穴11、31を採用し、立棒2、
4、5の被係合部として被係合突起21、41、51を
採用したが、トレイ1の係合部として係合突起を採用
し、立棒2の被係合部として被係合穴を採用することも
できる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の熱処理治
具では、立棒の被係合部がトレイにおける隣接する少な
くとも3個の係合部と同時に係合すべく構成され、立棒
の遊嵌部の中心軸がトレイの編目の内部に位置してい
る。このため、この熱処理治具を採用すれば、従来のよ
うな方法を採用することなく、被熱処理品の内周面側を
外周面側と同様の硬度やはだ焼深さに処理することがで
きる。また、この熱処理治具を採用した被熱処理品は、
従来のような方法を採用することなく、遊嵌される立棒
の同一・不同一を問わず、かつ遊嵌される位置によらず
に均一に処理され、位置による硬度、はだ焼深さ、内径
寸法のばらつきがない。
【0020】したがって、この熱処理治具を採用すれ
ば、従来のような方法を採用する必要がないので、被熱
処理品のセットを短時間で行なうことができ、被熱処理
品の遊嵌数の減少を伴うことがなく、管理する治具の増
加を招来することもない。よって、この熱処理治具を採
用することにより、内周面の硬度、はだ焼深さ及び内径
寸法精度の要求値が高い被熱処理品についても、安価に
熱処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の熱処理治具における立棒に係り、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図2】実施例1の熱処理治具におけるトレイの平面図
である。
【図3】実施例1の熱処理治具におけるトレイに立棒を
立設した状態を示す平面図である。
【図4】実施例1の熱処理治具におけるトレイに立棒を
立設した状態を示し、図3のA−A矢視断面図である。
【図5】実施例2の熱処理治具における立棒に係り、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図6】実施例2の熱処理治具におけるトレイに立棒を
立設した状態を示す平面図である。
【図7】実施例3の熱処理治具における立棒に係り、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】従来の熱処理治具における立棒の側面図であ
る。
【図9】従来の熱処理治具におけるトレイに立棒を立設
した状態を示す平面図である。
【図10】従来の熱処理治具におけるトレイに立棒を立
設した状態を示し、図9のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
1、3…トレイ 11、31…係合穴(係
合部) 2、4、5…立棒 21、41、51…被係
合突起(被係合部) 22、42、52…遊嵌部 O…中心軸 M…焼入媒体 W…被熱処理品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】編目が多角形の編目状であって、該多角形
    の各頂点位置に係合部をもち、該編目内に焼入媒体を流
    入させるトレイと、 該トレイの該係合部と係合する被係合部と、該被係合部
    から該編目と略直角方向に延び環状の被熱処理品が複数
    個遊嵌される遊嵌部と、をもつ立棒とからなる熱処理治
    具において、 前記立棒は、隣接する少なくとも3個の前記係合部と同
    時に係合すべく前記被係合部が構成され、前記遊嵌部の
    中心軸が前記トレイの前記編目の内部に位置しているこ
    とを特徴とする熱処理治具。
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