JPH05986B2 - - Google Patents
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- JPH05986B2 JPH05986B2 JP58112687A JP11268783A JPH05986B2 JP H05986 B2 JPH05986 B2 JP H05986B2 JP 58112687 A JP58112687 A JP 58112687A JP 11268783 A JP11268783 A JP 11268783A JP H05986 B2 JPH05986 B2 JP H05986B2
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Description
本発明は、香辛料抽出物に関し、香味(香気及
び呈味)変調ないし変質を伴うことなしに天然香
辛料に特徴的な且つ優れた嗜好性を有する香味を
強く保有し、且つその優れた香味バランスを優れ
た保香性、呈味持続性及び保存安定性をもつて維
持できる顕著に改善された香辛料抽出物に関す
る。 更に詳しくは、本発明は、水又は水分含量約20
重量%以上の水混和性有機溶媒で天然香辛料を抽
出して得られた水もしくは水性抽出物であつて、
該抽出をサイクロデキストリンの存在下に行うこ
とにより得られた水もしくは水性抽出物であるこ
とを特徴とする天然香辛料抽出物に関する。 天然香辛料はその風味に天然物特有の好ましい
香味、辛味のバランスを有し、食肉水産加工、ミ
ート様フレーバー及びシーズニングフレーバーに
不可欠の素材であるが、天然物の宿命として、微
生物や不純物の混入、或いは品質、価格の不安定
などの問題がある。 かかる欠点を解決する方法として、従来、天然
香辛料を水蒸気蒸留して香気成分である精油(エ
ツセンシヤルオイル)を採取して利用する方法、
或いは、天然香辛料から有機溶剤を使用して、辛
味、呈味成分を抽出し、次いで溶剤を回収して、
あとに残つた樹脂状物質(オレオレジン)を採取
し、これをそのまま、或いは糊料を用いて乳状物
とするか、もしくは更に該乳状物をスプレードラ
イングによつて粉末化することが公知であり、広
く利用されている。 しかしながら、従来の水蒸気蒸留法による天然
香辛料精油の採取方法によれば、水蒸気蒸留中の
熱、光、酸素などの天然香辛料の香味変調ないし
変質因子による影響に高い感受性を有し、香味の
不都合な変化が回避できず、使用簡便さの利点が
ある反面その香味に難点を生じ、到底、満足し難
いのが実情である。 また、有機溶剤抽出によつて得られるオレオレ
ジンの場合にあつても、加熱抽出処理に際して、
天然香辛料と抽出有機溶媒の比率、加熱温度及び
時間などの処理条件の微妙な変化が、抽出物の香
味に無視し得ない大きな影響を及ぼすため、品質
再現性良く所望の抽出物を得ることは困難であ
る。更に、該抽出処理系から不溶物を除去するた
めの過、遠心分離などの操作に際しての空気に
よる酸化、得られた抽出液の濃縮や粉末化処理に
際しての軽い揮発性香気成分の逃散などの不都合
を回避できず、その結果、天然香辛料の特徴的な
好ましい香気が失われ且つ香味バランスが劣化す
るトラブルを伴なう。 かかる天然香辛料の熱および光による劣化を防
止する方法として多くの提案がなされており、例
えば、香辛料のオレオレジン又はエツセンシヤル
オイルと環状デキストリンとを水の存在下に接触
せしめ、該オレオレジン又はエツセンシヤルオイ
ルを環状デキストリンへの包接化合物とする提案
(特公昭52−18782号)がなされている。 また例えば、溶液状シクロデキストリン好まし
くはα−,β−またはγ−シクロデキストリンも
しくはこれらの混合物を天然または合成の香料お
よび/又は香味料もしくはこれらの溶液と反応さ
せるか、またはシクロデキストリンの製造過程で
得られるシクロデキストリンの粗製発酵ブロスを
香料および/又は香味料もしくはこれらの溶液と
反応させるか、または不完全に予備加水分解され
たでんぷん溶液を香料および/又は香味料の存在
下にシクロデキストリン・トランスグリコシラー
ゼを用いて発酵させ、生成した包接錯体を反応混
合物から分離する方法が提案されている(特開昭
54−35251)。 しかしながら、上記例示した如き提案における
環状デキストリンの利用は、環状デキストリンと
香気・香味成分を反応させて包接化合物となし、
香気成分の揮散抑制効果を得ようとするものであ
つて、前記香辛料から精油(エツセンシヤルオイ
ル)もしくはオレオレジン採取時の不都合な変化
についてのべた従来の香辛料抽出物における欠点
を本質的に解決するのには役立たない。 本発明者等は、天然香辛料抽出物における上述
の如き技術的欠陥乃至不利益を克服できる天然香
辛料抽出物を提供すべく研究を進めてきた。 その結果、天然香辛料を水又は水分含量約20重
量%以上の水混和性有機溶媒で抽出して得られた
水もしくは水性抽出物であつて、該抽出をサイク
ロデキストリンの存在下に行うことにより得られ
た水もしくは水性抽出物が、粉砕したての天然香
辛料に特徴的な且つ優れた嗜好性を有する香味を
強く保有し、且つその優れた香味バランスを優れ
た保香性、呈味持続性及び保存安定性をもつて維
持できる顕著に改善された香辛料抽出物となり、
香味変調ないし変質を伴うことなしに、天然香辛
料の本来有する特徴的な好ましい風味バランスを
有する香気成分及び呈味成分を高収率で且つ品質
再現性良く含有する香辛料抽出物となることを発
見した。 更に又、上記本発明によるサイクロデキストリ
ン存在下に抽出して得られた香辛料抽出液は減圧
濃縮、噴霧乾燥、凍結乾燥などの手段で濃縮もし
くは乾燥しても、風味の揮散、変調ないし変質、
バランス変化などの不都合を伴うことなしに、優
れた香味持続性及び保存安定性を有する濃縮物も
しくは乾燥物を与えることがわかつた。後に、実
施例3及び比較例2の香辛料抽出物について、参
考例3に示すように、本発明香辛料抽出物は、サ
イクロデキストリンの代りにデキストリンを用い
るほかは同様にして得られた比較抽出物に比し
て、予想外の優れた効果を発揮することがわかつ
た。 従つて、本発明の目的は卓越した改善諸性質を
示す天然香辛料抽出物を提供するにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明の香辛料抽出物の製造に利用できる天然
香辛料類は、一般に香辛料植物として利用されて
いる。辛味もしくは特有の香味及び香味と色を主
としたスパイス類及びハーブ類を包含してなり、
例えば、セージ、タイム、マジヨラム、オレガ
ノ、バジル、ペパーミント、スペアミント、シ
ソ、バルム、セーボリー、ローズマリーなどのシ
ソ科植物:レツドペツパー、パプリカなどのナス
科植物:ゴマ(ゴマ科):タラゴン(キク科):ペ
ツパーナガコシヨウ(コシヨウ科):メースナツ
メグ(ニクズク科):ベイリーフ、サツサフラス、
シンナモン、カツシヤ、などのクスノキ科植物:
スターアニス(モクレン科):ワサビ、西洋ワサ
ビ、ミズガラシ、マスタードなどのアブラナ科植
物:トンカ豆、フエヌグリーフ(マメ科):サン
シヨウ、レモンなどのミカン科植物:オールスパ
イス、クローブなどのフトモモ科植物:セリ、ア
ンゲリカ、チヤービル、パセリ、セロリ、アニ
ス、フエンネル、ボウフウ、コリアンダー、クミ
ン、デイル、キヤラウエーなどのセリ科植物:ガ
ーリツク、ラツキヨウ、オニオン、サルサパリ
ラ、などのユリ科植物:サフラン(アヤメ科):
ガランガ、カルダモン、ジンジヤー、サンナ、ガ
ジユツ、ターメリツクなどのシヨウガ科植物、バ
ニラ(ラン科)、アーモンド(バラ科)、ジユニパ
ー(ヒノキ科)、ウインターグリーン(ツツジ
科)、セザム(ゴマ科)、及びこれらの任意の混合
物を例示することができ、これら天然香辛料類
は、例えば切削物、破砕物、切断物、粉砕物、粉
末などの任意の細分化物の形で利用することがで
きるし、小形の場合にはそのまま利用することも
できる。 また本発明の香辛料抽出物の製造に利用できる
水混和性有機溶剤としては、例えばメタノール、
エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、ソルビツト、マルチツト、キシリツトなど
のアルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン
及びこれらの任意の混合物などの如き水混和性有
機溶媒を例示することができる。これらの中で、
エタノール、プロピレングリコール、グリセリン
及びこれらの任意の混合物をより好ましく例示で
きる。 また、本発明の香辛料抽出物の製造に利用でき
るサイクロデキストリンとしては、D−グルコー
スが6〜8unit環状にα−1,4結合した環状デ
キストリンを例示することができる。例えば構成
単位が6ケのα−サイクロデキストリン、7ケの
β−サイクロデキストリン、8ケのγ−サイクロ
デキストリン及びこれらの混合物を例示すること
ができる。 本発明の香辛料抽出物を得るための抽出操作及
び抽出条件は、所望に応じて適宜に選択できる
が、例えば、前記例示の如き天然香辛料1重量部
に対して約1〜約200倍重量部の水又は水分含量
約20重量%以上の水混和性有機溶媒、及び該水又
は水性溶媒に対し例えば約0.05〜約30重量%、好
ましくは、約0.5〜約5重量%のサイクロデキス
トリンを添加し、攪拌もしくは静置条件下で抽出
処理することができる。抽出温度及び時間は適宜
変更選択することができ、例えば、大気圧条件下
に室温乃至使用した溶媒の沸点温度、或いは、密
閉容器中で自然発生圧乃至加圧条件に室温乃至約
150℃で、たとえば、約1分乃至約72時間の如き
温度及び時間を例示することができる。 このようにして抽出処理を行つた後、必要に応
じ、例えば遠心分離、過、圧搾その他の任意の
固液分離手段を利用して、不溶性固型物残渣を除
去することにより、水又は水性水混和性有機溶媒
抽出液を得ることができる。所望により、不溶性
固形物残渣に更に水もしくは水性水混和性有機溶
媒及びサイクロデキストリンを添加して、同様の
操作をくり返し、抽出することができる。 上記の如き抽出処理は、バツチ方式、連続方
式、多段方式など任意の方式及びそれらの適宜な
組合せ方式で行うことができる。例えば天然香辛
料類を抽出カラムに充填してカラム上部もしくは
下部より、サイクロデキストリンを溶解した水又
は水分含量約20重量%以上の水混和性有機溶媒を
連続的もしくは間欠的に送入して、一段もしくは
多段抽出するカラム抽出方式を採用することがで
きる。 本発明においては、所望により、上記の如くし
て得た抽出液を、例えば蒸留処理、凍結濃縮など
の如き任意の手段により濃縮することもできる。
蒸留は、常圧下、減圧条件下のいずれの条件下で
も実施できるが、減圧条件下での低温における実
施がより好ましく、例えば、約5〜約750mmHgの
減圧下で約50℃以下の条件を例示することができ
る。 更に本発明においては、上記の如くして得られ
た香辛料抽出液に所望により、糖類、デキストリ
ン、殿粉、アラビアガム、ゼラチン、カゼイン、
植物蛋白及びこれらの混合物の如き任意の賦形剤
を添加することができ、かかる賦形剤を含有した
香辛料抽出物を、例えばホモジナイザーを用いて
均質化処理して乳状液として利用することがで
き、更に該乳状液を噴霧乾燥、凍結乾燥の如き任
意の乾燥手段により、粉末状もしくは顆粒状とす
ることができる。 本発明によつて得られた香辛料抽出物は、例え
ば、シーズニングフレーバー、ミート様フレーバ
ー、スパイスフレーバなどのフレーバー調合素材
として効果的に利用することができるほか、例え
ば、ウースターソース、トマトケチヤツプ、ドレ
ツシング、風味調味料、たれ類、液体調味料、即
席カレー、練りからし、練りわさび、スパイスビ
ネガーなどの調味料類;ハム、ソーセージ、かま
ぼこなどの食肉水産加工品類;キヤンデイー、チ
ユーインガム、焼菓子、スナツクなどの菓子類;
乳製品;スープ類:調理食品、冷凍食品、レトル
ト食品などの調理食品類;リキユール類、エー
ル、トニツク、コーラなどの飲料類:口腔組成
物、飼料、脱臭剤、室内芳香剤、保健衛生医薬品
などの広い分野において利用することができる。 以下実施例によつて本発明の数態様を更に詳し
く説明する。 実施例 1 剥皮して粉砕したタマネギ(1〜5mm)600g
を予めβ−サイクロデキストリン18gを水900g
に溶解した水溶液に加え、30〜35℃にて1時間攪
拌して抽出した。次いで遠心分離機で不溶物を除
去し、更にケイソウ土を用いて過し、Bx.3.7°
の液1180gを得た。この液を殺菌後、内温40
−50℃、減圧度30〜40mmHgにて減圧濃縮し、
Bx.65°のタマネギ抽出物66gを得た。得られたタ
マネギ抽出濃縮物は、剥皮粉砕直後のタマネギ特
有のフレツシユな香味がバランス良く保持され、
保存安定性に優れていた。 比較例 1 実施例1において、β−サイクロデキストリン
を除いたほかは、同一原料を同量用い、同一条件
によつて、Bx.65°のタマネギ抽出物45gを得た。
実施例1及び比較例1で得られたタマネギ抽出物
をそれぞれ10gとり、温水で500倍に希釈し、こ
の希釈液について、良く訓練された官能検査員20
名による官能検査を行い、その結果を表1に示し
た。表1の結果から明かな通り、実施例1の本発
明品は香味、嗜好性、保存安定性全ての点で、有
意水準0.1%で、比較例1の水抽出のものより優
れていた。
び呈味)変調ないし変質を伴うことなしに天然香
辛料に特徴的な且つ優れた嗜好性を有する香味を
強く保有し、且つその優れた香味バランスを優れ
た保香性、呈味持続性及び保存安定性をもつて維
持できる顕著に改善された香辛料抽出物に関す
る。 更に詳しくは、本発明は、水又は水分含量約20
重量%以上の水混和性有機溶媒で天然香辛料を抽
出して得られた水もしくは水性抽出物であつて、
該抽出をサイクロデキストリンの存在下に行うこ
とにより得られた水もしくは水性抽出物であるこ
とを特徴とする天然香辛料抽出物に関する。 天然香辛料はその風味に天然物特有の好ましい
香味、辛味のバランスを有し、食肉水産加工、ミ
ート様フレーバー及びシーズニングフレーバーに
不可欠の素材であるが、天然物の宿命として、微
生物や不純物の混入、或いは品質、価格の不安定
などの問題がある。 かかる欠点を解決する方法として、従来、天然
香辛料を水蒸気蒸留して香気成分である精油(エ
ツセンシヤルオイル)を採取して利用する方法、
或いは、天然香辛料から有機溶剤を使用して、辛
味、呈味成分を抽出し、次いで溶剤を回収して、
あとに残つた樹脂状物質(オレオレジン)を採取
し、これをそのまま、或いは糊料を用いて乳状物
とするか、もしくは更に該乳状物をスプレードラ
イングによつて粉末化することが公知であり、広
く利用されている。 しかしながら、従来の水蒸気蒸留法による天然
香辛料精油の採取方法によれば、水蒸気蒸留中の
熱、光、酸素などの天然香辛料の香味変調ないし
変質因子による影響に高い感受性を有し、香味の
不都合な変化が回避できず、使用簡便さの利点が
ある反面その香味に難点を生じ、到底、満足し難
いのが実情である。 また、有機溶剤抽出によつて得られるオレオレ
ジンの場合にあつても、加熱抽出処理に際して、
天然香辛料と抽出有機溶媒の比率、加熱温度及び
時間などの処理条件の微妙な変化が、抽出物の香
味に無視し得ない大きな影響を及ぼすため、品質
再現性良く所望の抽出物を得ることは困難であ
る。更に、該抽出処理系から不溶物を除去するた
めの過、遠心分離などの操作に際しての空気に
よる酸化、得られた抽出液の濃縮や粉末化処理に
際しての軽い揮発性香気成分の逃散などの不都合
を回避できず、その結果、天然香辛料の特徴的な
好ましい香気が失われ且つ香味バランスが劣化す
るトラブルを伴なう。 かかる天然香辛料の熱および光による劣化を防
止する方法として多くの提案がなされており、例
えば、香辛料のオレオレジン又はエツセンシヤル
オイルと環状デキストリンとを水の存在下に接触
せしめ、該オレオレジン又はエツセンシヤルオイ
ルを環状デキストリンへの包接化合物とする提案
(特公昭52−18782号)がなされている。 また例えば、溶液状シクロデキストリン好まし
くはα−,β−またはγ−シクロデキストリンも
しくはこれらの混合物を天然または合成の香料お
よび/又は香味料もしくはこれらの溶液と反応さ
せるか、またはシクロデキストリンの製造過程で
得られるシクロデキストリンの粗製発酵ブロスを
香料および/又は香味料もしくはこれらの溶液と
反応させるか、または不完全に予備加水分解され
たでんぷん溶液を香料および/又は香味料の存在
下にシクロデキストリン・トランスグリコシラー
ゼを用いて発酵させ、生成した包接錯体を反応混
合物から分離する方法が提案されている(特開昭
54−35251)。 しかしながら、上記例示した如き提案における
環状デキストリンの利用は、環状デキストリンと
香気・香味成分を反応させて包接化合物となし、
香気成分の揮散抑制効果を得ようとするものであ
つて、前記香辛料から精油(エツセンシヤルオイ
ル)もしくはオレオレジン採取時の不都合な変化
についてのべた従来の香辛料抽出物における欠点
を本質的に解決するのには役立たない。 本発明者等は、天然香辛料抽出物における上述
の如き技術的欠陥乃至不利益を克服できる天然香
辛料抽出物を提供すべく研究を進めてきた。 その結果、天然香辛料を水又は水分含量約20重
量%以上の水混和性有機溶媒で抽出して得られた
水もしくは水性抽出物であつて、該抽出をサイク
ロデキストリンの存在下に行うことにより得られ
た水もしくは水性抽出物が、粉砕したての天然香
辛料に特徴的な且つ優れた嗜好性を有する香味を
強く保有し、且つその優れた香味バランスを優れ
た保香性、呈味持続性及び保存安定性をもつて維
持できる顕著に改善された香辛料抽出物となり、
香味変調ないし変質を伴うことなしに、天然香辛
料の本来有する特徴的な好ましい風味バランスを
有する香気成分及び呈味成分を高収率で且つ品質
再現性良く含有する香辛料抽出物となることを発
見した。 更に又、上記本発明によるサイクロデキストリ
ン存在下に抽出して得られた香辛料抽出液は減圧
濃縮、噴霧乾燥、凍結乾燥などの手段で濃縮もし
くは乾燥しても、風味の揮散、変調ないし変質、
バランス変化などの不都合を伴うことなしに、優
れた香味持続性及び保存安定性を有する濃縮物も
しくは乾燥物を与えることがわかつた。後に、実
施例3及び比較例2の香辛料抽出物について、参
考例3に示すように、本発明香辛料抽出物は、サ
イクロデキストリンの代りにデキストリンを用い
るほかは同様にして得られた比較抽出物に比し
て、予想外の優れた効果を発揮することがわかつ
た。 従つて、本発明の目的は卓越した改善諸性質を
示す天然香辛料抽出物を提供するにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明の香辛料抽出物の製造に利用できる天然
香辛料類は、一般に香辛料植物として利用されて
いる。辛味もしくは特有の香味及び香味と色を主
としたスパイス類及びハーブ類を包含してなり、
例えば、セージ、タイム、マジヨラム、オレガ
ノ、バジル、ペパーミント、スペアミント、シ
ソ、バルム、セーボリー、ローズマリーなどのシ
ソ科植物:レツドペツパー、パプリカなどのナス
科植物:ゴマ(ゴマ科):タラゴン(キク科):ペ
ツパーナガコシヨウ(コシヨウ科):メースナツ
メグ(ニクズク科):ベイリーフ、サツサフラス、
シンナモン、カツシヤ、などのクスノキ科植物:
スターアニス(モクレン科):ワサビ、西洋ワサ
ビ、ミズガラシ、マスタードなどのアブラナ科植
物:トンカ豆、フエヌグリーフ(マメ科):サン
シヨウ、レモンなどのミカン科植物:オールスパ
イス、クローブなどのフトモモ科植物:セリ、ア
ンゲリカ、チヤービル、パセリ、セロリ、アニ
ス、フエンネル、ボウフウ、コリアンダー、クミ
ン、デイル、キヤラウエーなどのセリ科植物:ガ
ーリツク、ラツキヨウ、オニオン、サルサパリ
ラ、などのユリ科植物:サフラン(アヤメ科):
ガランガ、カルダモン、ジンジヤー、サンナ、ガ
ジユツ、ターメリツクなどのシヨウガ科植物、バ
ニラ(ラン科)、アーモンド(バラ科)、ジユニパ
ー(ヒノキ科)、ウインターグリーン(ツツジ
科)、セザム(ゴマ科)、及びこれらの任意の混合
物を例示することができ、これら天然香辛料類
は、例えば切削物、破砕物、切断物、粉砕物、粉
末などの任意の細分化物の形で利用することがで
きるし、小形の場合にはそのまま利用することも
できる。 また本発明の香辛料抽出物の製造に利用できる
水混和性有機溶剤としては、例えばメタノール、
エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、ソルビツト、マルチツト、キシリツトなど
のアルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン
及びこれらの任意の混合物などの如き水混和性有
機溶媒を例示することができる。これらの中で、
エタノール、プロピレングリコール、グリセリン
及びこれらの任意の混合物をより好ましく例示で
きる。 また、本発明の香辛料抽出物の製造に利用でき
るサイクロデキストリンとしては、D−グルコー
スが6〜8unit環状にα−1,4結合した環状デ
キストリンを例示することができる。例えば構成
単位が6ケのα−サイクロデキストリン、7ケの
β−サイクロデキストリン、8ケのγ−サイクロ
デキストリン及びこれらの混合物を例示すること
ができる。 本発明の香辛料抽出物を得るための抽出操作及
び抽出条件は、所望に応じて適宜に選択できる
が、例えば、前記例示の如き天然香辛料1重量部
に対して約1〜約200倍重量部の水又は水分含量
約20重量%以上の水混和性有機溶媒、及び該水又
は水性溶媒に対し例えば約0.05〜約30重量%、好
ましくは、約0.5〜約5重量%のサイクロデキス
トリンを添加し、攪拌もしくは静置条件下で抽出
処理することができる。抽出温度及び時間は適宜
変更選択することができ、例えば、大気圧条件下
に室温乃至使用した溶媒の沸点温度、或いは、密
閉容器中で自然発生圧乃至加圧条件に室温乃至約
150℃で、たとえば、約1分乃至約72時間の如き
温度及び時間を例示することができる。 このようにして抽出処理を行つた後、必要に応
じ、例えば遠心分離、過、圧搾その他の任意の
固液分離手段を利用して、不溶性固型物残渣を除
去することにより、水又は水性水混和性有機溶媒
抽出液を得ることができる。所望により、不溶性
固形物残渣に更に水もしくは水性水混和性有機溶
媒及びサイクロデキストリンを添加して、同様の
操作をくり返し、抽出することができる。 上記の如き抽出処理は、バツチ方式、連続方
式、多段方式など任意の方式及びそれらの適宜な
組合せ方式で行うことができる。例えば天然香辛
料類を抽出カラムに充填してカラム上部もしくは
下部より、サイクロデキストリンを溶解した水又
は水分含量約20重量%以上の水混和性有機溶媒を
連続的もしくは間欠的に送入して、一段もしくは
多段抽出するカラム抽出方式を採用することがで
きる。 本発明においては、所望により、上記の如くし
て得た抽出液を、例えば蒸留処理、凍結濃縮など
の如き任意の手段により濃縮することもできる。
蒸留は、常圧下、減圧条件下のいずれの条件下で
も実施できるが、減圧条件下での低温における実
施がより好ましく、例えば、約5〜約750mmHgの
減圧下で約50℃以下の条件を例示することができ
る。 更に本発明においては、上記の如くして得られ
た香辛料抽出液に所望により、糖類、デキストリ
ン、殿粉、アラビアガム、ゼラチン、カゼイン、
植物蛋白及びこれらの混合物の如き任意の賦形剤
を添加することができ、かかる賦形剤を含有した
香辛料抽出物を、例えばホモジナイザーを用いて
均質化処理して乳状液として利用することがで
き、更に該乳状液を噴霧乾燥、凍結乾燥の如き任
意の乾燥手段により、粉末状もしくは顆粒状とす
ることができる。 本発明によつて得られた香辛料抽出物は、例え
ば、シーズニングフレーバー、ミート様フレーバ
ー、スパイスフレーバなどのフレーバー調合素材
として効果的に利用することができるほか、例え
ば、ウースターソース、トマトケチヤツプ、ドレ
ツシング、風味調味料、たれ類、液体調味料、即
席カレー、練りからし、練りわさび、スパイスビ
ネガーなどの調味料類;ハム、ソーセージ、かま
ぼこなどの食肉水産加工品類;キヤンデイー、チ
ユーインガム、焼菓子、スナツクなどの菓子類;
乳製品;スープ類:調理食品、冷凍食品、レトル
ト食品などの調理食品類;リキユール類、エー
ル、トニツク、コーラなどの飲料類:口腔組成
物、飼料、脱臭剤、室内芳香剤、保健衛生医薬品
などの広い分野において利用することができる。 以下実施例によつて本発明の数態様を更に詳し
く説明する。 実施例 1 剥皮して粉砕したタマネギ(1〜5mm)600g
を予めβ−サイクロデキストリン18gを水900g
に溶解した水溶液に加え、30〜35℃にて1時間攪
拌して抽出した。次いで遠心分離機で不溶物を除
去し、更にケイソウ土を用いて過し、Bx.3.7°
の液1180gを得た。この液を殺菌後、内温40
−50℃、減圧度30〜40mmHgにて減圧濃縮し、
Bx.65°のタマネギ抽出物66gを得た。得られたタ
マネギ抽出濃縮物は、剥皮粉砕直後のタマネギ特
有のフレツシユな香味がバランス良く保持され、
保存安定性に優れていた。 比較例 1 実施例1において、β−サイクロデキストリン
を除いたほかは、同一原料を同量用い、同一条件
によつて、Bx.65°のタマネギ抽出物45gを得た。
実施例1及び比較例1で得られたタマネギ抽出物
をそれぞれ10gとり、温水で500倍に希釈し、こ
の希釈液について、良く訓練された官能検査員20
名による官能検査を行い、その結果を表1に示し
た。表1の結果から明かな通り、実施例1の本発
明品は香味、嗜好性、保存安定性全ての点で、有
意水準0.1%で、比較例1の水抽出のものより優
れていた。
【表】
【表】
実施例 2
粉砕したしようが(1〜5mm)200gに水80g、
95%エタノール360g及びβ−サイクロデキスト
リン6gを加え、45〜50℃で1時間攪拌して抽出
処理し、次いで遠心分離によつて、不溶固形物を
除去し、抽出液540gを得た。 得られたしようが抽出物は、おろしたてのしよ
うが特有のフレツシユな香味をバランス良く保持
しており、経時変化が無く、保存安定性に優れて
いた。 実施例 3 粉砕したブラツクペツパー200gに水80g、95
%エタノール400g及びトヨデリンL(成品名、東
洋醸造KK.固形分20.8%;固形分中α−CD31.5
%、β−CD13.4%,γ−CD7.8%、その他のデキ
ストリン49.9%)100gを加え35℃で1時間攪拌
して抽出した。次いで遠心分離機で不溶物を除去
し分離液480gを得た。この分離液を内温40〜50
℃、減圧度30〜40mmHgにて減圧濃縮し、Bx.60°
のブラツクペツパー抽出物50gを得た。得られた
ブラツクペツパー抽出濃縮物は、粉砕直後のブラ
ツクペツパー特有のフレツシユな香味がバランス
よく保持され、保存安定性に優れていた。 比較例 2 実施例3で用いたものと同じブラツクペツパー
200gに水80g、95%エタノール400gを加えて、
実施例3と同一操作、条件によつて抽出し、得ら
れた分離液を、内温40〜50℃、減圧度30〜40mm
Hgにて濃縮し、ブラツクペツパー・オレオレジ
ン20gを得た。 次いで、該オレオレジンにトヨデリンL(商品
名)100gを加え、室温にて約1時間攪拌後、上
記と同一条件にて再度濃縮し、Bx.60°の濃縮物48
gを得た。 参考例 3 実施例3及び比較例2で得られたブラツクペツ
パー抽出物をそれぞれ10gとり、温水で500倍に
希釈し、この希釈液について良く訓練された官能
検査員20名による官能検査を行い、その結果を表
−2に示した。表−2の結果から明らかな通り、
実施例3の本発明品は、香味嗜好性、保存、安定
性、全ての点で、有意水準0.1%で比較例2の抽
出物よりも優れていた。
95%エタノール360g及びβ−サイクロデキスト
リン6gを加え、45〜50℃で1時間攪拌して抽出
処理し、次いで遠心分離によつて、不溶固形物を
除去し、抽出液540gを得た。 得られたしようが抽出物は、おろしたてのしよ
うが特有のフレツシユな香味をバランス良く保持
しており、経時変化が無く、保存安定性に優れて
いた。 実施例 3 粉砕したブラツクペツパー200gに水80g、95
%エタノール400g及びトヨデリンL(成品名、東
洋醸造KK.固形分20.8%;固形分中α−CD31.5
%、β−CD13.4%,γ−CD7.8%、その他のデキ
ストリン49.9%)100gを加え35℃で1時間攪拌
して抽出した。次いで遠心分離機で不溶物を除去
し分離液480gを得た。この分離液を内温40〜50
℃、減圧度30〜40mmHgにて減圧濃縮し、Bx.60°
のブラツクペツパー抽出物50gを得た。得られた
ブラツクペツパー抽出濃縮物は、粉砕直後のブラ
ツクペツパー特有のフレツシユな香味がバランス
よく保持され、保存安定性に優れていた。 比較例 2 実施例3で用いたものと同じブラツクペツパー
200gに水80g、95%エタノール400gを加えて、
実施例3と同一操作、条件によつて抽出し、得ら
れた分離液を、内温40〜50℃、減圧度30〜40mm
Hgにて濃縮し、ブラツクペツパー・オレオレジ
ン20gを得た。 次いで、該オレオレジンにトヨデリンL(商品
名)100gを加え、室温にて約1時間攪拌後、上
記と同一条件にて再度濃縮し、Bx.60°の濃縮物48
gを得た。 参考例 3 実施例3及び比較例2で得られたブラツクペツ
パー抽出物をそれぞれ10gとり、温水で500倍に
希釈し、この希釈液について良く訓練された官能
検査員20名による官能検査を行い、その結果を表
−2に示した。表−2の結果から明らかな通り、
実施例3の本発明品は、香味嗜好性、保存、安定
性、全ての点で、有意水準0.1%で比較例2の抽
出物よりも優れていた。
【表】
な風味が強い方
Claims (1)
- 1 水又は水分含量約20重量%以上の水混和性有
機溶媒で天然香辛料を抽出するに際して、該抽出
をサイクロデキストリンの存在下に行うことを特
徴とする香辛料抽出物の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58112687A JPS606176A (ja) | 1983-06-24 | 1983-06-24 | 香辛料抽出物の製造方法 |
| AU29551/84A AU2955184A (en) | 1983-06-24 | 1984-06-20 | Substituted phenyl-sulfonyl guanidine derivatives |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58112687A JPS606176A (ja) | 1983-06-24 | 1983-06-24 | 香辛料抽出物の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS606176A JPS606176A (ja) | 1985-01-12 |
| JPH05986B2 true JPH05986B2 (ja) | 1993-01-07 |
Family
ID=14592961
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58112687A Granted JPS606176A (ja) | 1983-06-24 | 1983-06-24 | 香辛料抽出物の製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS606176A (ja) |
| AU (1) | AU2955184A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5016168B2 (ja) * | 2001-04-09 | 2012-09-05 | 株式会社四国総合研究所 | 植物の処理方法 |
| JP4528903B2 (ja) * | 2002-03-11 | 2010-08-25 | 石川県 | 植物含有有効成分のサイクロデキストリン包接物の製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| HU174699B (hu) * | 1977-07-01 | 1980-03-28 | Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet | Sposob poluchenija natural'nykh i sinteticheskikh ciklodektrinnykh okkluzionnykh kompleksov prjaznostej, aromatov i vkusnykh vehhestv |
| JPS56113273A (en) * | 1980-02-08 | 1981-09-07 | Nakano Vinegar Co Ltd | Flavoring and its production |
| HU180556B (hu) * | 1980-02-18 | 1983-03-28 | Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet | Teák aromásítására szolgáló granulátumok, és eljárás ezek előállítására |
-
1983
- 1983-06-24 JP JP58112687A patent/JPS606176A/ja active Granted
-
1984
- 1984-06-20 AU AU29551/84A patent/AU2955184A/en not_active Abandoned
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU2955184A (en) | 1985-01-03 |
| JPS606176A (ja) | 1985-01-12 |
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