JPH0598901A - 回転型スクロール流体機械 - Google Patents

回転型スクロール流体機械

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Publication number
JPH0598901A
JPH0598901A JP26389391A JP26389391A JPH0598901A JP H0598901 A JPH0598901 A JP H0598901A JP 26389391 A JP26389391 A JP 26389391A JP 26389391 A JP26389391 A JP 26389391A JP H0598901 A JPH0598901 A JP H0598901A
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JP
Japan
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scroll
members
end plate
rotary
fluid machine
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Pending
Application number
JP26389391A
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English (en)
Inventor
Isamu Tsubono
勇 坪野
Hiroshi Iwata
博 岩田
Shigeru Machida
茂 町田
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール流体機械のうちで、回転可能に軸
支された第一及びそれに偏心して組合わされた第二のス
クロール部材が両者共に同一方向に同一速度で回転する
回転型スクロール流体機械において、二個のスクロール
ラップ部材間の不適切なクリアランスの解消を目的とす
る。 【構成】 第一スクロール部材1及び第二スクロール部
材2の各々に、スラスト方向のうちで二つのスクロール
部材1、2が互いに離れる向きの変位を抑制する手段を
有すること、及びスラスト方向のうちで二つのスクロー
ル部材1、2が互いに接近する向きの変位を抑制する手
段のうちでスクロールラップ1b、2bの先端とそれに
対向する鏡板1a、2aの摺接による手段以外の手段を
有するような構成とした。 【効果】 二個のスクロール部材間のクリアランスを常
に適性に保持できるため、高いエネルギ−効率で運転可
能な回転速度範囲を、低速及び高速回転側へ大幅に拡大
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転型スクロール流体機
械に係り、特にスクロールラップのそれぞれの回転中心
である幾何学的中心を互いにずらせて配置した二個のス
クロール部材間のクリアランスを保持するのに好適な回
転型スクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回転型スクロール流体機械は、特
開昭64−302号公報に記載のように、第一のスクロ
ール部材の鏡板の反対向面に第二のスクロール部材の鏡
板に固定された部材が摺動するように配置されるが、第
一のスクロール部材の鏡板の対向面にはスクロールラッ
プ以外のものは立設させないタイプ、または、特開平1
−267379号公報に記載のように、第一のスクロー
ル部材の鏡板の対向面にスクロールラップ以外に第二の
スクロール部材の鏡板に固定された部材が摺動するよう
に配置されるが、第一のスクロール部材の鏡板の反対向
面には回転軸以外のものは立設させないタイプであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、かみ
合っている二つのスクロール部材間のスラスト方向のク
リアランスを適切に保持する点について配慮がされてい
なかった。その結果、そのクリアランスが小さくなり過
ぎた場合には、部品精度または組立て精度の低下や、振
動や変形により一方のスクロールラップ先端と他方の鏡
板おもて面が接触するクリアランス零の状態が一時的に
現れ、そこでの摩擦損失の発生またはスクロールラップ
の損傷が生じるという問題を生じた。また、逆にクリア
ランスが大きくなり過ぎた場合には、圧力の高い圧縮室
または膨張室からそれと隣接した圧力の低い圧縮室また
は膨張室へ作動流体が漏れるという問題を生じた。
【0004】本発明の第一の目的は、上記問題点を解決
するため、かみ合っている二つのスクロール部材間のス
ラスト方向のクリアランスを好適に保持する回転型スク
ロール流体機械を提供することにある。
【0005】本発明の第二の目的は、上記問題点を解決
し、かつ、鏡板の変形を抑制可能とすることで、それに
より生じていたスクロール部材間のスラスト方向のクリ
アランスおよびスクロールラップ側面間のクリアランス
の適性値からのずれを抑制できる回転型スクロール流体
機械を提供することにある。
【0006】本発明の第三の目的は、第二の目的に加え
て、摩擦ロスの小さいスクロール部材接近抑制手段を有
する回転型スクロール流体機械を提供することにある。
【0007】本発明の第四の目的は、第三の目的に加え
て、鏡板の曲げ剛性を高めることで、スクロール部材間
のスラスト方向のクリアランスおよびスクロールラップ
側面間のクリアランスの適性値からのずれを抑制する回
転型スクロール流体機械を提供することにある。
【0008】本発明の第五の目的は、第三の目的に加え
て、スクロール部材接近抑制手段にかかる遠心力の作用
点の位置の観点から鏡板の変形を極力抑制することで、
スクロール部材間のスラスト方向のクリアランスおよび
スクロールラップ側面間のクリアランスの適性値からの
ずれを一層抑制する回転型スクロール流体機械を提供す
ることにある。
【0009】本発明の第六の目的は、第五の目的に加え
て、鏡板の曲げ剛性を高めることで、スクロール部材間
のスラスト方向のクリアランスおよびスクロールラップ
側面間のクリアランスの適性値からのずれをさらに一層
抑制する回転型スクロール流体機械を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第七の目的は、第五または第六の
目的に加えて、スクロールラップ部のロ−タ釣り合わせ
に好適な回転型スクロール流体機械を提供することにあ
る。
【0011】本発明の第八の目的は、第二の目的に加え
て、より一層摩擦ロスの小さいスクロール部材接近抑制
手段を有する回転型スクロール流体機械を提供すること
にある。
【0012】本発明の第九の目的は、第三ないし第八の
目的に加えて、スクロールラップにかかる遠心力により
そのスクロールラップの根本で鏡板にモ−メントがかか
って起こるその鏡板のスクロールラップ側を凸面とする
変形を主因とする、スクロール部材間のスラスト方向の
クリアランスおよびスクロールラップ側面間のクリアラ
ンスの適性値からのずれを抑制できる回転型スクロール
流体機械を提供することにある。
【0013】本発明の第十の目的は、第三ないし第九の
目的に加えて、作動流体の体積変化に伴う温度変化によ
るスクロールラップの寸法変化を原因とする、スクロー
ル部材間のスラスト方向のクリアランスおよびスクロー
ルラップ側面間のクリアランスの適性値からのずれを抑
制できる回転型スクロール流体機械を提供することにあ
る。
【0014】本発明の第十一の目的は、第一ないし第十
の目的に加えて、回転力の伝達系を単純化した回転型ス
クロール流体機械を提供することにある。
【0015】本発明の第十二の目的は、第十一の目的に
加えて、第一のスクロール部材と第二のスクロール部材
との回転の同期ずれを原因とする、スクロールラップ側
面間のクリアランスの適性値からのずれを抑制する回転
型スクロール流体機械を提供することにある。
【0016】本発明の第十三の目的は、第十二の目的に
加えて、部品点数の少ない回転型スクロール流体機械を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために本発明は、第一の鏡板とそれに立設する第一の
スクロールラップで形成され、軸受要素によって回転可
能に支持されて回転駆動部から回転駆動力を供給される
第一のスクロール部材と、第二の鏡板とそれに立設する
第二のスクロールラップで形成され、前記第一のスクロ
ール部材の回転軸心から偏心して軸受要素によって回転
可能に支持されて回転駆動部から回転駆動力を供給され
る第二のスクロール部材とが、それらのスクロールラッ
プ間およびそのスクロールラップの先端とそれに対向す
る鏡板の間に微小なクリアランスを保ちながら配置さ
れ、それらのスクロール部材が同じ方向にほぼ同じ速度
で回転することによってそれらのスクロールラップとそ
れらの鏡板で形成されるほぼ閉じた空間の体積を縮小す
る動作を行うか、または、前記第一の鏡板とそれに立設
する第一のスクロールラップで形成され、軸受要素によ
って回転可能に支持されて回転受動部へ回転力を供給す
る第一のスクロール部材と、第二の鏡板とそれに立設す
る第二のスクロールラップで形成され、前記第一のスク
ロール部材の回転軸心から偏心して軸受要素によって回
転可能に支持されて回転受動部へ回転力を供給する第二
のスクロール部材とが、それらのスクロールラップ間お
よびそのスクロールラップの先端とそれに対向する鏡板
の間に微小なクリアランスを保ちながら配置され、それ
らのスクロール部材が同じ方向にほぼ同じ速度で回転す
ることによってそれらのスクロールラップとそれらの鏡
板で形成されるほぼ閉じた空間の体積を拡大する動作を
行う回転型スクロール流体機械において、前記第一およ
び第二のスクロール部材の各々に、スラスト方向のうち
で二つのスクロール部材が互いに離れる向きの変位を抑
制する手段を有すること、および、スラスト方向のうち
で二つのスクロール部材が互いに接近する向きの変位を
抑制する手段を有することを特徴とするものである。
【0018】また、上記第二の目的を達成するために本
発明は、前記スラスト二方向の変位を抑制する手段を、
少なくとも前記第一および第二の鏡板のスクロールラッ
プが立設しない面(鏡板裏面)側、またはスクロールラ
ップが立設する面(鏡板おもて面)側に有することを特
徴とするものである。
【0019】また、上記第三の目的を達成するために本
発明は、前記二つのスクロール部材が互いに接近する向
きの変位を抑制する手段が、前記第一の鏡板のおもて面
に第一突出部を立設するか、または前記第二の鏡板のお
もて面に第二突出部を立設するかのどちらか一方を行
い、その突出部の先端部とそれに対向する鏡板おもて面
を摺接させる手段により実現されるものである。
【0020】また、上記第四の目的を達成するために本
発明は、前記突出部が環状に形成されたものである。
【0021】また、上記第五の目的を達成するために本
発明は、前記二つのスクロール部材が互いに接近する向
きの変位を抑制する手段が、前記第一の鏡板のおもて面
に第一突出部、および前記第二の鏡板のおもて面に第二
突出部を立設し、それら突出部の先端面を互いに摺接さ
せることにより実現されるものである。
【0022】また、上記第六の目的を達成するために本
発明は、少なくとも前記第一または第二突出部が環状に
形成されたものである。
【0023】また、上記第七の目的を達成するために本
発明は、前記第一および第二突出部がほぼ同一の高さを
有するものである。
【0024】また、上記第八の目的を達成するために本
発明は、前記二つのスクロール部材が互いに接近する向
きの変位を抑制する手段が、前記第一の鏡板のおもて面
側の面および前記第二の鏡板のおもて面側の面およびそ
れらの面と摺接可能な状態ではさまれる可動部材を設け
ることで実現されるものである。
【0025】また、上記第九の目的を達成するために本
発明は、前記突出部または可動部材における摺接部の少
なくとも一部が、前記二つのスクロール部材が互いに離
れる向きの変位を抑制する二つの鏡板裏面側に有する手
段のそれら二箇所での各々の設置範囲の最外周よりも内
側にくるようにしたものである。
【0026】また、上記第十の目的を達成するために本
発明は、前記スクロール部材の少なくとも一方の突出部
の全てまたは可動部材の全てが、前記スクロールラップ
を形成する材料よりも大きな熱膨張率を有する異組成ま
たは異組織の材料で形成されたものである。
【0027】また、上記第十一の目的を達成するために
本発明は、前記回転駆動部が、前記第一のスクロール部
材に回転駆動力を供給する第一の回転駆動部と前記第二
のスクロール部材に回転駆動力を供給する第二の回転駆
動部の二個の回転駆動部から成るか、または、前記回転
受動部が、前記第一のスクロール部材から回転力を供給
される第一の回転受動部と前記第二のスクロール部材か
ら回転力を供給される第二の回転受動部の二個の回転受
動部から成るものである。
【0028】また、上記第十二の目的を達成するために
本発明は、前記第一のスクロール部材と前記第二のスク
ロール部材の回転位相差を一定範囲内に留めるための回
転位相差規制手段を設けたものである。
【0029】また、上記第十三の目的を達成するために
本発明は、前記回転位相差規制手段の全部または一部
が、少なくとも前記二つのスクロール部材が互いに離れ
る向きの変位を抑制する手段または前記二つのスクロー
ル部材が互いに接近する向きの変位を抑制する手段を兼
ねたものである。
【0030】
【作用】上記第一の構成によれば、二つのスクロール部
材のスラスト方向における相対的位置関係が変動しな
い。その結果、スクロール部材間のスラスト方向のクリ
アランスは常に好適な大きさに保持される。
【0031】また、上記第二の構成によれば、鏡板の変
位と同時に変形をも抑制することができるので、スクロ
ール部材間のスラスト方向のクリアランスを一層好適に
保持しうるとともに、かみあっている二つのスクロール
ラップ側面間のクリアランスを好適に保持することがで
きる。すなわち、スクロール部材は剛体でないため変形
を生じ、鏡板は板状であることより、主として鏡板おも
て面のある部分が出っ張ったり(そのちょうど裏側の鏡
板裏面の部分はへこむ)、へこんだり(そのちょうど裏
側の鏡板裏面の部分は出っ張る)する形式の変形とな
る。この鏡板変形によって、スクロール部材間のスラス
ト方向のクリアランスの適性値からのずれと同時にスク
ロールラップの倒れによるスクロールラップ側面間のク
リアランスの適性値からのずれが生じる。本構成によれ
ばこれを防止することができる。
【0032】また、上記第三の構成によれば、突出部の
摺接部における滑り速度をこれら二つのスクロール部材
の相対速度まで大幅に小さくできる。摩擦ロスの小さい
スクロール部材接近抑制手段を実現できる。
【0033】また、上記第四の構成によれば、環状の突
出部が鏡板のリブとして作用するため、その鏡板のいろ
いろな軸に関する曲げ剛性が増大する。その結果、スク
ロール部材間のスラスト方向のクリアランスおよびかみ
あっているスクロールラップ側面間のクリアランスをさ
らに一層好適に保持することができる。
【0034】また、上記第五の構成によれば、二つのス
クロール部材の両方に突出部を設けるので突出部自体を
低くすることができる。そのため、スクロール部材間の
スラスト方向のクリアランスおよびかみあっているスク
ロールラップ側面間のクリアランスをさらに一層好適に
保持することができる。すなわち、スクロール部材の回
転により突出部には遠心力がかかり、そのため、その突
出部の根本において鏡板はおもて面が凸となるような曲
げモ−メントを受ける。その突出部の断面形状が根本と
先端で概略同一である場合を考えると、この遠心力は、
突出部の体積に比例するので、その高さに概略比例す
る。また、その遠心力の合力の作用点は、突出部のほぼ
中央である。よって、モ−メントは突出部高さの二乗に
概略比例する。ところで、鏡板の撓み量および撓み角は
モ−メントに概略比例するので、鏡板の撓み量および撓
み角は、それを原因とするスクロール部材間のクリアラ
ンスの適性値からのずれ量にほぼ比例する。これらよ
り、突出部にかかる遠心力を原因とするスクロール部材
間のクリアランスの適性値からのずれ量は、突出部高さ
の二乗に概略比例することがわかる。つまり、その突出
部の高さを大きくするにつれ、それによるクリアランス
のずれは加速度的に増大する。本構成によれば、このよ
うなクリアランスのずれが増大するのを防止することが
できる。
【0035】また、上記第六の構成によれば、環状の突
出部が鏡板のリブとして作用するため、それらの鏡板の
種々の軸に関する曲げ剛性が増大する。その結果、スク
ロール部材間のスラスト方向のクリアランスおよびかみ
あっているスクロールラップ側面間のクリアランスをさ
らに一層好適に保持することができる。
【0036】また、上記第七の構成によれば、二つの突
出部の先端面はスクロールラップの高さ方向のほぼ中央
面となる。その結果、その突出部の先端面を釣り合わせ
面とすることにより、発生する偶不釣り合いを極力抑制
できるので、スクロール部材のロ−タ釣り合わせを容易
に行なうことができる。すなわち、スクロール部材の回
転軸まわりの不釣り合い量の大部分は、その鏡板に立設
したスクロールラップの横断面の図心の回転軸からのず
れにより生じる。そのため、傾斜角度の大きな台形状ス
クロール歯形の場合を除いて、そのスクロール部材の不
釣り合い量の合計した量は、そのスクロールラップの高
さ方向のほぼ中央面にくるのでこれを極力抑制すること
ができる。
【0037】また、上記第八構成によれば、突出部の摺
接部が第一の鏡板と可動部材の間および第二の鏡板と可
動部材の間の二箇所に増加する。その結果、運転時には
そのうちの摺接時の抵抗が小さい部分で摺接が生じるた
め、一層摩擦ロスの小さいスクロール部材接近抑制手段
を実現できる。
【0038】また、上記第九の構成によれば次のような
作用がある。通常、物質は体積が変化すると、それが置
かれている熱力学的条件を満たすように(ただし、等温
条件は除く)その温度も変化する。スクロール流体機械
における作動流体の体積変化は通常速い変化であるため
に断熱変化に近く、等温変化とはみなしがたい。そのた
め、スクロール部材のうちで体積変化した作動流体と接
する部分の温度と接しない部分の温度は異なることにな
る。よって、体積変化した作動流体に接する部分と接し
ない部分の熱膨張率が同一であるとそれらの熱膨張量が
異なることになる。スクロールラップは体積変化した作
動流体と接するが、突出部は体積変化した作動流体と接
しないため、それらの熱膨張率が同一であると、二つの
スクロール部材間の回転軸方向のクリアランスを温度差
によらず常に好適に保持することは困難である。ここ
で、上記第九の構成によれば、ガスの体積変化に伴う温
度変化によるスクロールラップおよび突出部のスラスト
方向の寸法変化の差を常に小さくできるため、スクロー
ル部材間のスラスト方向のクリアランスをさらに一層好
適に保持することができる。
【0039】また、上記第十の構成によれば次のような
作用がある。スクロールラップにかかる遠心力で生じる
鏡板おもて面側を凸面とする鏡板の変形のうち、それら
の鏡板が互いに離れる向きの変位成分は、二つのスクロ
ール部材が互いに離れる向きの変位を抑制する手段によ
り抑制できるが、しかし、それらの鏡板が互いに接近す
る向きでは、二つのスクロール部材が互いに接近する向
きの変位を抑制する手段の設置域の最外周よりも内側に
おいて、逆に変位が増大しようとする。本構成によれ
ば、二つの鏡板が互いに接近しようとする箇所には必ず
摺接部が存在することになる結果、スクロールラップに
かかる遠心力で生じる鏡板の変形を抑制できるので、ス
クロール部材間のクリアランスを好適に保持することが
できる。
【0040】また、上記第十一の構成によれば、スクロ
ール部材と回転駆動部または回転受動部を直結に近付け
ることができるので、回転力の伝達系が単純になる。
【0041】また、上記第十二の構成によれば、第一の
スクロール部材と第二のスクロール部材との回転の同期
ずれを抑制することができるので、スクロールラップ側
面間のクリアランスを好適に保持することができる。
【0042】また、上記第十三の構成によれば、部品点
数の減少を図ることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を
参照して説明する。
【0044】(第1実施例)本発明の第一の実施例を図
1、図2および図3に従って説明する。本実施例は、本
発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合であ
り、図1はその縦断面図、図2および図3は各々第1ス
クロール部材および第2スクロール部材の斜視図であ
る。
【0045】まずこの実施例の構成の説明として、初め
に、各々の構成部分の説明を行う。最初に第一のスクロ
ール部材側の構成部分を説明する。第一のスクロール部
材1は、主として円板形状の鏡板1aと、それに立設す
るスクロールラップ1bからなる。鏡板1aの側面には
鏡板溝1yがあるが、それは、その側面の角を切り欠い
たおもて鏡板1a1と同じく側面の角を切り欠いたうら
鏡板1a2の二枚の円板をネジ止めすることで形成され
る。また、鏡板1aのスクロールラップ立設面(鏡板お
もて面)には、ピン台(A)1cとそれに挿入固定され
たピン(A)1dが設けられ、さらに、ピン台(B)1
eとそれに挿入固定されたピン(B)1fが設けられ
る。また、鏡板1aの中央付近には、流出口1tが開口
している。
【0046】回転軸11は、鏡板1aの鏡板おもて面の
反対面(鏡板裏面)に立設されている。その回転軸11
には、バランスリング(A)11aが一体形成され、さ
らに、ロ−タ7bとバランスリング(B)11bが圧入
される。そして、これら二個のバランスリング11a、
11bにより、回転部であるスクロール部材1と回転軸
11の二面釣り合いを行う。また、回転軸11の中央に
は貫通孔11dが通っている。この実施例では、回転軸
11とスクロール部材1が一体となっているが、各々を
別々に加工した後、焼きばめまたは冷やしばめによりそ
れらを結合させる構造としても良い。
【0047】また、円筒形状のケ−シング3は、主とし
てガイド3oとその両側の吸込み室形成部(スクロール
室形成部)3aとモ−タ室形成部3dとからなる。スク
ロール室形成部3aの側面には吸入口3b、さらに、ス
クロール室形成部3aの一端にはフランジ(A)3cを
設ける。一方、モ−タ室形成部3dの外側面には、吐出
口3eとフランジ(B)3fとフランジ(C)3g、さ
らに、それらフランジ(B)3fとフランジ(C)3g
の間にフィン3hを設ける。また、モ−タ室形成部3d
の内側面には、ステ−タ7aが圧入される。
【0048】また、モ−タ室形成部3dの一端には、フ
ランジ(D)3iを設ける。さらに、外周面に冷却水流
入口5aと冷却水流出口5b、一端にフランジ5cを設
けた円筒5を被せ、Oリング5d、5eをはさんだ状態
でフランジ5cにおいてフランジ(B)3fをネジ止め
し、ウォ−タジャケット5fを形成する。
【0049】また、支持板9は、その中央にころがり軸
受9aが軸受おさえ9dにより固定配置される。また、
側壁13は、端子13bが設けられている。この実施例
では、端子13bが側壁13に設けられているが、ステ
−タ7aを圧入したケ−シング3に設けることもでき
る。
【0050】次に、第二のスクロール部材側の構成部分
を説明する。第二のスクロール部材2は、第一のスクロ
ール部材1とほぼ同様に以下の如く構成される。主とし
て、円板形状の鏡板2aとそれに立設するスクロールラ
ップ2bからなる。鏡板2aの側面には鏡板溝2yがあ
るが、それは、その側面の角を切り欠いたおもて鏡板2
1と、同じく側面の角を切り欠いたうら鏡板2a2との
二枚の円板をネジ止めすることで形成される。また、鏡
板2aのスクロールラップ立設面(鏡板おもて面)に
は、ピン穴(A)2pとピン穴(B)2qが設けられ
る。
【0051】一方、鏡板2aの鏡板おもて面の反対面
(鏡板裏面)には、回転軸12が立設されている。ま
た、鏡板2aの中央付近には、流出口2tが開口してい
る。回転軸12は、鏡板2aの鏡板おもて面の反対面
(鏡板裏面)に立設されている。その回転軸12には、
バランスリング(A)12aが一体形成され、さらに、
ロ−タ8bとバランスリング(B)12bが圧入され
る。そして、これら二個のバランスリング12a、12
bにより、回転部であるスクロール部材2と回転軸12
の二面釣り合いを行う。
【0052】また、回転軸12の中央には貫通孔12d
が通っている。この実施例では、回転軸12とスクロー
ル部材2が一体となっているが、各々を別々に加工した
後、焼きばめまたは冷やしばめによりそれらを結合させ
る構造としても良い。また、円筒形状のケ−シング4
は、主としてガイド4oとその両側のスクロール室形成
部4aとモ−タ室形成部4dとからなる。スクロール室
形成部4aの側面には吸入口4b、さらに、スクロール
室形成部4aの一端にはフランジ(A)4cを設ける。
一方、モ−タ室形成部4dの外側面には、吐出口4eと
フランジ(B)4fとフランジ(C)4g、さらに、そ
れらフランジ(B)4fとフランジ(C)4gの間にフ
ィン4hを設ける。
【0053】また、モ−タ室形成部4dの内側面には、
ステ−タ8aが圧入される。また、モ−タ室形成部4d
の一端には、フランジ(D)4iを設ける。さらに、外
周面に冷却水流入口6aと冷却水流出口6b、一端にフ
ランジ6cを設けた円筒6を被せ、Oリング6d、6e
をはさんだ状態でフランジ6cにおいてフランジ(B)
4fをネジ止めし、ウォ−タジャケット6fを形成す
る。
【0054】また、支持板10は、その中央にころがり
軸受10aが軸受おさえ10dにより固定配置される。
また、側壁14は、端子14bが設けられている。この
実施例では、端子14bが側壁14に設けられている
が、ステ−タ8aを圧入したケ−シング4に設けること
もできる。
【0055】以上で各々の構成部分の説明を終わり、次
にそれら構成部分の組合せを説明する。おもて鏡板1a
1をうら鏡板1a2から一旦分離し、ケ−シング3のスク
ロール室形成部3a側よりおもて鏡板1a1、モ−タ室
形成部3d側よりうら鏡板1a2をケ−シング3に挿入
し、鏡板溝1yがガイド3oにはまった状態で、おもて
鏡板1a1とうら鏡板1a2とが再びネジ止めされる。こ
こで、鏡板溝1yとガイド3oの隙間は、このスクロー
ル形圧縮機が運転状態のとき、潤滑油が入って、滑り軸
受の機能を果たす程度の大きさにする。また、ステ−タ
7aとロ−タ7bとがギャップ7dをはさんで対向する
結果、スクロール部材1の回転駆動部であるモ−タ7を
形成する。一方、回転軸11の端はころがり軸受9aに
緩く圧入し、支持板9をフランジ(D)3iにOリング
9bをはさんでネジ止めし、第一スクロール部材側を組
み立てる。
【0056】同様にして、もう一方の第二スクロール部
材側を組み立てる。おもて鏡板2a1をうら鏡板2a2
ら一旦分離し、ケ−シング4のスクロール室形成部4a
側よりおもて鏡板2a1、モ−タ室形成部4d側よりう
ら鏡板2a2をケ−シング4に挿入し、鏡板溝2yにガ
イド4oがはめ合う状態で、おもて鏡板2a1とうら鏡
板2a2とが再びネジ止めされる。ここで、鏡板溝2y
とガイド4oの隙間は、このスクロール形圧縮機が運転
状態のとき、潤滑油が入って、滑り軸受の機能を果たす
程度の大きさにする。また、ステ−タ8aとロ−タ8b
とがギャップ8dをはさんで対向する結果、スクロール
部材2の回転駆動部であるモ−タ8を形成する。一方、
回転軸12の端はころがり軸受10aに緩く圧入し、支
持板10をフランジ(D)4iにOリング10bをはさ
んでネジ止めし、第二スクロール部材側を組み立てる。
【0057】このようにして構成された第一スクロール
部材側と第二スクロール部材側の二個の部分を、Oリン
グ4oをはさんでフランジ(A)3cとフランジ(A)
4cをネジ止めすることにより、連結し、吸込み室19
を形成する。このとき、スクロールラップ1bとスクロ
ールラップ2bが噛み合い、さらに、ピン穴(A)2p
にピン(A)1d、ピン穴(B)2qにピン(B)1f
が接する程度の状態で入るように、回転軸11または回
転軸12を、外部に出ているそれらの端を回すことによ
って回し、吸込み室19内にガスの圧縮室と回転位相差
規制機構を形成する。ここで、スクロールラップの先端
とそれに対向する鏡板おもて面の間は隙間を開けるよう
にする。そして、その隙間は、このスクロール形圧縮機
が運転状態のとき、潤滑油が入って圧縮室がほぼ閉空間
を保ちうる大きさにする。
【0058】この実施例では、回転位相差規制手段が二
個のピン穴とピンの組合せより形成されているが、二個
以上の数でも良い。次に、穴9cの開いた側壁13を、
Oリング13aをはさんでフランジ(D)3iとネジ止
めすることにより、吐出室15を形成する。このとき、
側壁13に設定された端子13bを介してモ−タ7に電
流を供給する電線7cを外部電源(図示せず)に接続す
る。同様に、穴10cの開いた側壁14を、Oリング1
4aをはさんでフランジ(D)4iとネジ止めすること
により、吐出室16を形成する。このときも、側壁14
に設定された端子14bを介してモ−タ8に電流を供給
する電線8cを外部電源(図示せず)に接続する。最後
に、潤滑油17を吐出口3eより吐出室15に、潤滑油
18を吐出口4eより吐出室16に入れる。
【0059】次にこの実施例の動作を説明する。二個の
モ−タ7、8が同一方向にほぼ同一速度で回転するよう
に電線7c、8cに電流を流す。それらのモ−タにはス
クロール部材1、2が各々直結しているため、非常に単
純な駆動力の伝達系によりスクロール部材1、2を回転
できる。鏡板溝1y、2yは、ガイド3o、4oにはま
っているので、鏡板のスラスト方向の変位は、そこでの
ガタの大きさまでに抑制される。よって、スクロール部
材1、2のスラスト方向の変位は、鏡板溝とガイド間の
ガタの大きさ程度までに抑制できる。実際には、それら
のスクロール部材1、2が回転することにより、潤滑油
17、18が鏡板溝1y、2yとガイド3o、4oの間
に入るため、ガタの大きさ程度よりも一層抑制される。
それと同時に、スクロール部材1、2の回転支持の役割
も果たす。また、それにより、そこでの摩擦ロスの低減
と吐出室15、16から吸込み室19へのガス漏れの抑
制も行う。
【0060】ここで、それら二つのスクロール部材間の
回転位相差は、ピン穴とピンによる回転位相差規制手段
があるため、そのピン穴とピンとの間のガタのレベルま
で強制的に抑制される。これにより、常に、スクロール
ラップ1b、2bの側面間のクリアランスを好適に保持
できる。この結果、ガスは、圧縮機の外部より吸入口3
bを通って吸入み室19へ入り、スクロール部材1、2
によって形成される圧縮室へ入る。その圧縮室は体積を
減少させながら回転中心へ移動するため、ガスは、圧縮
されて流出口1t、2tへ導かれる。そして、ガスは、
ロ−タ7b、8bを冷却しながら貫通孔11d、12d
を通り吐出室15、16へ入る。さらに、ガスは、ロ−
タ7b、8bとステ−タ7a、8aを冷却しながらギャ
ップ7d、8dを通り、吐出口3e、4eから圧縮機の
外部へ出る。また、ステ−タ7a、8a冷却のため、ウ
ォ−タジャケット5f、6fに冷却水、または、冷却ガ
スを流す。
【0061】本実施例によれば、バランスリング11
a、12aを鏡板1a、2aに一体に形成したので、鏡
板1a、2aの曲げ剛性が増大し、それら鏡板の曲がり
が抑制されるので、スクロール部材間のクリアランスを
一層好適に保持できるという、特有の効果がある。さら
に、スクロール部材のスラスト方向の変位の抑制手段と
回転支持手段を共通としたので、部品点数の削減を図れ
るという特有の効果もある。さらに、スクロール部材の
スラスト方向の変位の抑制手段を鏡板の外周全域に設け
たので、鏡板の変形を抑制でき、スクロール部材間のク
リアランスをより一層好適に保持できるという特有の効
果もある。
【0062】本実施例では、スクロール部材のスラスト
方向の変位の抑制手段である鏡板溝1y、2yを鏡板の
最外周に設けたが、周速の小さい回転軸11、12に設
けても良い。この場合には、その位置での摩擦ロスを大
幅に低減できるという特有の効果がある。
【0063】(第2実施例)次に、本発明の第二の実施
例を図4に従って説明する。本実施例は、本発明を密閉
型のスクロール形圧縮機に適用した場合であり、図4
は、この実施例の第一スクロール部材側の縦断面図であ
る。
【0064】まずこの実施例の構成を説明する。深溝玉
軸受1zは、スクロール部材1を回転可能に支持すると
ともに、スクロール部材1のスラスト方向の変位を抑制
する手段となっている。また、ガス遮断壁3pであり、
それに、ポンプインタイプのグル−ブ板3qが固定され
ている。そのグル−ブ板3qは、鏡板1aの鏡板裏面と
のクリアランスが接触しない最小のレベルに保持され
る。第一の実施例の支持板9にあった穴9cはなくし、
さらに、端子板(側壁)13にあった端子13bはケ−
シング3の側面に設ける。また、ケ−シング3にあった
吐出口3eは端子板13に設ける。さらに、吐出ガスが
通る穴の開いたポンプインタイプのグル−ブ板9dは支
持板9にネジ止めされる。そのグル−ブ板9dは、回転
軸11の端面とのクリアランスが接触しない最小のレベ
ルに保持される。
【0065】同様にして、第二スクロール側において、
深溝玉軸受2z、ガス遮断壁4p、ポンプインタイプの
グル−ブ板4qを設ける。また、図示しないが、第一の
実施例の支持板10にあった穴10cはなくし、さら
に、端子板14にあった端子14bはケ−シング4の側
面に設ける。また、ケ−シング4にあった吐出口4eは
端子板14に設ける。さらに、吐出ガスが通る穴の開い
たポンプインタイプのグル−ブ板10dを支持板10に
ネジ止めする。その他の部分の構成は第一の実施例と同
一であるので、以下、構成説明は省略する。
【0066】次にこの実施例の動作を説明する。二個の
モ−タ7、8が同一方向にほぼ同一速度で回転するよう
に電線7c、8cに電流を流す。それらのモ−タにはス
クロール部材1、2が各々直結しているため、非常に単
純な駆動力の伝達系によりスクロール部材1、2を回転
できる。第一スクロール側では、深溝玉軸受1zによ
り、スクロール部材1が軸支されるとともにスラスト方
向の変位が抑制される。同様に、第二スクロール側で
は、深溝玉軸受2zにより、スクロール部材2が軸支さ
れるとともにスラスト方向の変位が抑制される。
【0067】スクロール部材1が回転しているとき、グ
ル−ブ板3qのガス圧縮作用により吐出室15とモ−タ
室3rは概略遮断され、グル−ブ板9dのガス圧縮作用
によりモ−タ室3rと吸込み室19は概略遮断される結
果、吐出室15と吸込み室19はほぼ完全に遮断され
る。同様に、スクロール部材2が回転しているとき、グ
ル−ブ板4qのガス圧縮作用により吐出室16とモ−タ
室4rは概略遮断され、グル−ブ板10dのガス圧縮作
用によりモ−タ室4rと吸込み室19は概略遮断される
結果、吐出室16と吸込み室19はほぼ完全に遮断され
る。
【0068】また、ガスは、吐出室15、16から側壁
13、14の吐出口3e、4eを通って直接圧縮機の外
部へ流れるため、モ−タ室3r、4rはガスの流路では
なくなる結果、第一の実施例の動作にあったガスのギャ
ップ7d、8d通過に伴うモ−タ7、8の冷却は無くな
る。その他の部分の動作は第一の実施例と同様なので、
以下省略する。
【0069】本実施例によれば、バランスリング11
a、12aを鏡板1a、2aに一体に形成したので、鏡
板1a、2aの曲げ剛性が増大し、それら鏡板の曲がり
が抑制されるので、スクロール部材間のクリアランスを
一層好適に保持できるという特有の効果がある。さら
に、スクロール部材のスラスト方向の変位の抑制手段と
回転支持手段を共通としたので、部品点数の削減を図れ
るという特有の効果もある。さらに、スクロール部材の
スラスト方向の変位の抑制手段を鏡板の外周全域に設け
たので、鏡板の変形を抑制でき、スクロール部材間のク
リアランスをより一層好適に保持できるという特有の効
果もある。
【0070】また、潤滑油を不要としたので、油分の無
い清浄な圧縮ガスを供給できるという特有の効果があ
る。さらに、不慮の原因によりモ−タ7、8を駆動する
電流が切れた場合、吸込み室19と吐出室15、16の
ガスの圧力差により非常に高速の逆回転を起こしうるト
ルクが生じるが、遅くても順回転から逆回転へ移る回転
速度が零のときにグル−ブ板3p、9d、4p、10d
でのガス遮断効果は無くなるため、吸込み室19と吐出
室15、16が連通しガスの圧力差がほぼ無くなり、逆
回転のトルクは急激に減少し、高速の逆回転が発生する
危険性を大幅に低減するという特有の効果もある。
【0071】本実施例では、スクロール部材のスラスト
方向の変位の抑制手段である深溝玉軸受1z、2zを鏡
板の最外周に設けたが、周速の小さい回転軸11、12
に設けても良い。この場合には、その位置での摩擦ロス
を大幅に低減できるという特有の効果がある。
【0072】(第3実施例)次に、本発明の第三の実施
例を図5に従って説明する。本実施例は、本発明を密閉
型のスクロール圧縮機に適用した場合であり、図5は、
この実施例の第一スクロール部材側の縦断面図である。
【0073】まずこの実施例の構成の説明として、初め
に各々の構成部分の説明を行う。最初に第一のスクロー
ル部材側の構成部分を説明する。第一のスクロール部材
1は、主として、円板形状の鏡板1aとそれに立設する
スクロールラップ1bとからなる。鏡板1aの鏡板おも
て面には、ピン台(A)1cとそれに挿入固定されたピ
ン(A)1dが設けられ、さらに、ピン台(B)1eと
それに挿入固定されたピン(B)1fが設けられてい
る。また、鏡板1aの鏡板裏面には、スクロールラップ
1bの中間付近の鏡板おもて面と連通する中間圧孔1o
が開口されたスラスト面1jと、そのスラスト面1jを
取り囲む鏡板1aの最外周に下面突出部1kが設けられ
ている。さらに、内周面をメス側スプライン軸継手1
m、外周面をジャ−ナル軸受対向面1nとし、中央付近
に鏡板おもて面と連通する流出口1tが開口された軸継
手部1lも設けられている。
【0074】回転軸11はその中央に貫通孔11dが設
けられている。また、その外周には、ロ−タ7bが圧入
され、その両側にバランスリング(A)11a、バラン
スリング(B)11bが固定配置される。さらに、その
回転軸11の一端には、オス側スプライン軸継手11c
が設けられている。また、もう一方の端には、転がり軸
受9aが圧入される。そして、これら二個のバランスリ
ング11a、11bにより、その回転軸11の二面釣り
合いを行う。
【0075】ここで、回転軸11とスクロール部材1
を、オス側スプライン軸継手11cをメス側スプライン
軸継手1mへ挿入することにより一体とし、その状態で
二面釣り合いを行うとさらに良い。また、円筒形状のケ
−シング3は、主として、モ−タ室形成部3dと隔壁3
jからなる。モ−タ室形成部3dの外側面には、吐出口
3eとフランジ(B)3fとフランジ(C)3g、さら
に、それらフランジ(B)3fとフランジ(C)3gの
間にフィン3hを設ける。また、モ−タ室形成部3dの
内側面には、ステ−タ7aが圧入される。
【0076】また、モ−タ室形成部3dの一端には、フ
ランジ(D)3iを設ける。さらに、モ−タ室形成部3
dの外周面には、冷却水流入口5aと冷却水流出口5
b、一端にフランジ5cを設けた円筒5を被せ、Oリン
グ5d、5eをはさんだ状態でフランジ5cにおいてフ
ランジ(B)3fをネジ止めし、ウォ−タジャケット5
fを形成する。また、支持板9は、その中央には転がり
軸受9aが挿入される穴がある。そして、その周囲に
は、モ−タ室と吐出室15をつなぐ複数の穴9cが開け
られている。
【0077】一方、隔壁3jの中心部には、モ−タ室形
成部3dの中心軸を中心の軸とするようにジャ−ナルす
べり軸受3kが設けられる。また、隔壁3jのモ−タ室
形成部3d側の面の下部とジャ−ナルすべり軸受3kの
間にそれらを連通する油孔3lが設けられる。さらに、
隔壁3jのモ−タ室形成部3dと反対側の面には、中間
圧室用凹部3mと円筒溝3nとが設けられる。また、側
壁13は、端子13bが設けられている。
【0078】第二のスクロール部材2は、第一のスクロ
ール部材1と同一の構成部分からなるので、第二のスク
ロール部材2の構成部分の説明は省略する。残りの構成
部分として、スペ−サ19aがある。それは、中心付近
に大きな穴を有する板であり、その穴と側面を連通させ
る吐出口19dが設けられている。
【0079】以上で各々の構成部分の説明を終わり、次
にそれら構成部分の組合せを説明する。スクロール部材
1を、ケ−シング3へ、隔壁3jのモ−タ室形成部3d
と反対側の面から、ジャ−ナルすべり軸受3kに軸継手
部1l、円筒溝3nに下面突出部1kを挿入するよう
に、組み込む。その結果、中間圧室1sが形成される。
次に、ロ−タ7bが圧入された回転軸11を、ケ−シン
グ3へ、隔壁3jのモ−タ室形成部3d側の面から、メ
ス側スプライン軸継手2mにオス側スプライン軸継手1
1cを挿入するように、組み込む。さらに、支持板9の
中央の穴に転がり軸受9aを挿入し、支持板9を、Oリ
ング9bをはさんでケ−シング3へネジ止めする。そし
て、軸受おさえ9dを支持板9にネジ止めすることによ
り、転がり軸受9aの外輪のスラスト方向の変位を規制
し、最終的に、回転軸11のスラスト方向の変位を規制
する。この結果、ステ−タ7aとロ−タ7bによってス
クロール部材1の回転駆動部であるモ−タ7を形成す
る。このようにして、第一スクロール部材側を組み立て
る。もう一方の第二スクロール部材側もまったく同様に
組み立てるので、その説明は省略する。
【0080】以上のようにして構成された、第一スクロ
ール部材側と第二スクロール部材側の二個の部分を、ス
クロールラップ1bとスクロールラップ2bを所定の関
係で噛みあわせ、スペ−サ19aをはさみ込んでネジ止
めすることにより、連結する。このとき、スペ−サ19
aの両面と鏡板1a、2aのおもて面とのクリアランス
は、それらが接触しない最小のレベルに保持される。こ
こで、その対向部は、中間圧室1s、2sの範囲内まで
設置されている。また、Oリング19b、19cをはさ
み、シ−ル性を確保する。さらに、ピン穴(A)2pに
ピン(A)1d、ピン穴(B)2qにピン(B)1fを
入れて、回転位相差規制機構を形成する。
【0081】この実施例では、回転位相差規制手段が二
個のピン穴とピンの組合せより形成されているが、二個
以上の数でも良い。この結果、吸込み室19が形成され
る。スペ−サ19aの側面には吸込み口19dが設けら
れている。また、側壁13をOリング13aをはさんで
フランジ(D)3iとネジ止めすることにより、吐出室
15を形成する。このとき、側壁13に設定された端子
13bを介してモ−タ7に電流を供給する電線7cを外
部電源(図示せず)に接続するとともに、潤滑油17を
吐出室15に入れる。同様に、第二スクロール部材側に
も吐出室16を形成する。
【0082】次にこの実施例の動作を説明する。本実施
例の動作は、スクロール部材におけるスラスト方向の変
位の抑制手段での動作以外においては、第一の実施例と
同一なので、スクロール部材におけるスラスト方向の変
位の抑制手段での動作のみ説明する。
【0083】中間圧室1s、2sは下面突出部1k、2
kおよびスペ−サ19aによって吸込み室19と概略遮
断されるとともに中間圧孔1o、2oがあるため、そこ
の圧力は吸込み圧と吐出圧の中間になる。ここで、実際
の運転時には、潤滑油17、18が、圧力差によって、
油孔3l、4lから中間圧室1s、2sを経由して、上
記二箇所の遮断部に流入するため、そこの遮断はほぼ完
全なものとなる。そして、スラスト面1j、2jの面積
は、鏡板1a、2aが互いに離れる向きの変位を抑制で
きるだけのスラスト力が発生するような大きさにしてあ
る。
【0084】この結果、スクロール部材1、2が互いに
離れる向きの変位を抑制できる。また、スペ−サ19a
は二つの鏡板1a、2aとわずかなクリアランスで対向
しているので、スクロール部材1、2が互いに接近する
向きの変位をそこのクリアランスの大きさまで抑制でき
る。ここで、実際の運転時には、上記したように、潤滑
油17、18が、そこに流入しているので、スクロール
部材1、2が互いに接近する向きの変位は、そのクリア
ランスの大きさよりも一層抑制される。さらに、スクロ
ール部材の互いの接近を抑制するスペ−サ19aと鏡板
おもて面の対向部は、中間圧室1s、2sの設置範囲の
内側まであるので、スクロールラップの遠心力により生
じる鏡板1a、2aの変形を抑制できるため、スクロー
ル部材間のクリアランスを好適に保持できる。
【0085】本実施例によれば、下面突出部1k、2k
により鏡板1a、2aの曲げ剛性が増大するとともに、
その下面突出部1k、2kにかかる遠心力により、スク
ロールラップ1b、2bにかかる遠心力から生じるその
スクロールラップ1b、2bの根元での発生モ−メント
を打ち消すことができるので、鏡板の曲がりが一層抑制
されるという特有の効果がある。また、スクロール部
1、2と駆動軸11、12をスプライン軸継手で連結し
たことにより、スクロール部1と2の偏心量の誤差の許
容量を大きくできるので部品加工が容易になる上に、ス
クロールラップ1b、2bをかみあわせてから駆動軸1
1、12を連結できるので組み立てやすいという特有の
効果もある。
【0086】(第4実施例)次に、本発明の第四の実施
例を図6および図7に従って説明する。本実施例は、本
発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合であ
り、図6は本実施例の第一スクロール部材側の縦断面
図、図7は第一スクロール部材の斜視図である。
【0087】この実施例のうちでスクロール部材1、2
が互いに接近する向きの変位を抑制する手段以外は、第
三の実施例と同様であるので、スクロール部材1、2が
互いに接近する向きの変位を抑制する手段に関係するこ
とのみを以下に説明する。
【0088】鏡板1aの鏡板おもて面の外周部に、第三
の実施例には無かった上面突出部1gを設ける。上面突
出部1gは、スクロールラップ1bおよびスクロールラ
ップ2bの高さよりも若干高くする。ここで、ガスをス
クロールラップの部分に導入するために、上面突出部1
gにはガス流路溝(A)1hとガス流路溝(B)1iを
設ける。
【0089】この結果、スクロール部材1、2が互いに
接近しようとしたとき、スクロールラップ1b、2bの
先端が各々対向する鏡板おもて面と摺動する直前で、上
面突出部1gの先端が第二スクロール部材の鏡板おもて
面と摺動することになるため、スクロール部材1、2が
互いに接近する向きの変位を抑制できる。この上面突出
部1gの先端と第二スクロール部材の鏡板おもて面の相
対的な動きは、二本の回転軸11、12間の偏心距離を
旋回半径とする旋回運動であるため、相対速度は非常に
小さくなる。よって、そこで生じる摩擦ロスは、非常に
小さくなる。実際の運転時には、その摺動部に潤滑油が
入っているので、摩擦ロスはさらに一層小さくなる。
【0090】(第5実施例)次に、本発明の第五の実施
例を図8に従って説明する。本実施例は、本発明を密閉
型のスクロール圧縮機に適用した場合であり、図8は本
実施例の第一スクロール部材の斜視図である。本実施例
では、ガスをスクロールラップの部分に導入するため
に、上面突出部1gを切り欠かず、ガス流路穴1u、1
vとした。この結果、鏡板1aの曲げ剛性が増大するた
め、それにより生じていたスクロール部材間のスラスト
方向のクリアランスおよびスクロールラップ側面間のク
リアランスの適性値からのずれを抑制できる。その他の
部分の構成および動作は第四の実施例と同一であるの
で、構成および動作の説明は省略する。
【0091】(第6実施例)次に、本発明の第六の実施
例を図9に従って説明する。本実施例は、本発明を密閉
型のスクロール圧縮機に適用した場合であり、図9は本
実施例の第一スクロール部材側の縦断面図である。本実
施例は、第二スクロール部材2の鏡板2aのおもて面の
外周部に、スクロールラップ2bの高さの半分よりも高
い円筒部12cを設けた。その他の部分の構成および動
作は第五の実施例と同一であるので、構成および動作の
説明は省略する。
【0092】本実施例によれば、上面突出部1gの外周
面のスクロールラップ1bの高さの中央部で、そのスク
ロールラップ1bのロータ釣り合わせができるうえに、
円筒部12cの外周面のスクロールラップ2bのロータ
釣り合わせができるため、スクロール部材1、2のロー
タ釣り合わせの精度が向上するという、特有の効果があ
る。また、円筒部12cのリブの効果により、鏡板2a
の曲げ剛性が増大するため、それにより生じていたスク
ロール部材間のスラスト方向のクリアランスおよびスク
ロールラップ側面間のクリアランスの適正値からのずれ
を抑制できるという、特有の効果もある。
【0093】(第7実施例)次に、本発明の第七の実施
例を図10および図11に従って説明する。本実施例
は、本発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合
であり、図10は本実施例の第一スクロール部材側の縦
断面図、図11は第一スクロール部材1の斜視図であ
る。本実施例は、第五の実施例のうちで、第一スクロー
ル部材1のみに設けられていた上面突出部を、第二スク
ロール部材2にも設け、この二つの上面突出部1g、2
gの高さをほぼ同一としたものである。この結果、この
二つの上面突出部1g、2gの先端面はスクロールラッ
プ1b、2bの高さ方向のほぼ中央面となる。そのた
め、この面を釣り合わせ面とすることにより、スクロー
ル部材1、2のロ−タ釣り合わせが容易となる。
【0094】本実施例では、回転軸にバランスリングを
固定配置せず、スクロール部材と回転軸とからなる回転
部分のロ−タ釣り合わせは上面突出部1g、2gの先端
面のみを修正面とする一面釣り合わせとしているが、回
転軸にバランスリングを固定配置して、二面釣り合いと
しても一層良い。その他の部分の構成および動作は第五
の実施例と同一であるので、構成および動作の説明は省
略する。
【0095】(第8実施例)次に、本発明の第八の実施
例を図12、図13および図14に従って説明する。本
実施例は、本発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用し
た場合であり、図12は本実施例の第一スクロール部材
側の縦断面図、図13は第一スクロール部材1の斜視
図、図14は第一スクロール部材1の平面図である。
【0096】グル−ブ板1w、2wはそれぞれスラスト
面1j、2jと対向して動圧スラスト軸受を形成する。
本実施例は、第六の実施例の、ピン台1c、1eを排
し、ピン1d、1fを上面突出部1gに挿入固定し、ピ
ン穴2p、2qを上面突出部2gに設け、中間圧室1
s、2sの代わりに上記動圧スラスト軸受を形成した。
【0097】この結果、部品点数の低減を実現できる。
また、本実施例では、スクロール部が小さくなり吸込み
室の直径を小形化できるという特有の効果がある。ま
た、ガス流路穴1u、1vは回転進行方向に向かって口
が開いているので、過給作用が発生し、ガスの質量流量
を増大するという特有の効果もある。その他の部分の構
成および動作は第六の実施例と同一であるので、構成お
よび動作の説明は省略する。
【0098】(第9実施例)次に、本発明の第九の実施
例を図15および図16に従って説明する。本実施例
は、本発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合
であり、図15は本実施例の第一スクロール部材側の縦
断面図、図16は裏面おさえ部の斜視図である。ガスを
クロールラップの部分に導入するためのガス導入孔12
zを設けた裏面おさえ部12yは、第一スクロール部材
1と第二スクロール部材2とをかみ合わせた状態で第一
スクロール部材1側から挿入して第二スクロール部材2
にネジ止めする。このとき、裏面おさえ部12yの鏡板
1aの鏡板裏面に向き合う面とその鏡板裏面とが接触す
るようにしてある。
【0099】本実施例は、第八の実施例の、ピン穴2
p、2q及びピン1d、1fを排し、ピン2d、2fを
裏面おさえ部12yの鏡板1a側に挿入固定し、ピン穴
1p、1qを鏡板1aの鏡板裏面に設け、動圧スラスト
軸受1wを無くした。また、スクロール部材1、2を動
圧スラスト軸受1wに押しつけるスラスト力を、ロータ
7bを吐出室15側へずらして回転軸11に圧入するこ
とにより生じるマグネットプルで与える。この結果、裏
面おさえ部12yにより、スクロール部材1、2が互い
に離れる向きの変位を抑制できる。
【0100】本実施例では、動圧スラスト軸受が一個で
すむため、低価格化ができるという特有の効果がある。
この実施例では、第一スクロール部材1側にピン穴、第
二スクロール部材2側にピンを設けたが、逆であっても
よい。また、回転位相差規制手段が二個のピン穴とピン
との組合せにより形成されているが、二個以上の数でも
よい。その他の部分の構成及び動作は第八の実施例と同
一であるので説明を省略する。
【0101】(第10実施例)次に、本発明の第十の実
施例を図17に従って説明する。本実施例は、本発明を
密閉型のスクロール圧縮機に適用した場合であり、図1
7は本実施例の第一スクロール部材側の縦断面図であ
る。本実施例は、第七の実施例で二つの鏡板1a、2a
に一体で立設していた上面突出部1g、2gを、スクロ
ールラップを形成している材料よりも大きな熱膨張率の
材料を用いて別体の上面突出部材21、22としたもの
である。この結果、ガスの圧縮によるスクロールラップ
部の熱膨張が生じてもスクロール部材間のスラスト方向
のクリアランスを好適に保持することができる。その他
の部分の構成および動作は第七の実施例と同一であるの
で説明を省略する。
【0102】(第11実施例)最後に、本発明の第十一
の実施例を図18および図19に従って説明する。本実
施例は、本発明を密閉型のスクロール圧縮機に適用した
場合であり、図18は本実施例のスクロール部材の横断
面図、図19は本実施例のスクロール部材の縦断面図で
ある。
【0103】図18で、実線は第二スクロール部材2、
破線は第一スクロール部材1を示す。本実施例は、第七
の実施例の、上面突出部1g、2gを排し、12個のボ
−ル穴1x1、1x2、1x3、1x4、1x5、1x6、1
7、1x8、1x9、1x10、1x11、1x12を有する
ボ−ル台1xを鏡板1aに固定配置し、さらに、12個
のボ−ル穴2x1、2x2、2x3、2x4、2x5、2
6、2x7、2x8、2x9、2x10、2x11、2x12
有するボ−ル台2xを鏡板2aに固定配置したものであ
る。そして、これらのボ−ル穴の各々にボ−ル20a、
20b、20c、20d、20e、20f、20g、2
0h、20i、20j、20k、20lをそれぞれ入れ
るようにしてスクロール部材1と2を対向させたもので
ある。
【0104】その結果、この部分は、回転位相差を規制
するとともに鏡板が接近する向きの変位を抑制する機能
も有することになる。また、本実施例中の12個のボ−
ルを高さがボ−ルの直径に等しく、直径が、ボ−ルがボ
−ル穴の側面に接触する高さの小円の直径に等しい円柱
で置き換えてもよい。この結果、スクロール部材の互い
に接近する向きの変位を抑制するときに生じる摺動部の
摩擦を小さくすることができる。
【0105】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0106】二つのスクロール部材間のスラスト方向の
クリアランス、および二つのスクロールラップ側面間の
クリアランスは、常に好適な大きさに保持されるので、
高い体積効率、かつ低振動、かつ低騒音、かつ高いエネ
ルギ−効率の運転範囲を低速回転側および高速回転側へ
大幅に拡大できる。そのため、状況に応じた質の良いス
クロール流体機械の運転を可能にするという効果があ
る。
【0107】また、スクロール部材のロ−タ釣り合わせ
を容易に行なうことができるので、高速運転時の運転信
頼性を向上するという効果もある。
【0108】さらに、回転力の伝達系が単純になるの
で、運転範囲全域のエネルギ−効率の向上および運転信
頼性の向上を実現するという効果もある。
【0109】さらに、部品点数の減少が図れるので、小
形化および低価格化を実現するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を圧縮機に応用したときの第1実施例の
縦断面図。
【図2】本発明を圧縮機に応用したときの第1実施例の
第一スクロール部材の斜視図。
【図3】本発明を圧縮機に応用したときの第1実施例の
第二スクロール部材の斜視図。
【図4】本発明を圧縮機に応用したときの第2実施例の
第一スクロール部材側の縦断面図。
【図5】本発明を圧縮機に応用したときの第3実施例の
第一スクロール部材側の縦断面図。
【図6】本発明を圧縮機に応用したときの第4実施例の
第一スクロール部材側の縦断面図。
【図7】本発明を圧縮機に応用したときの第4実施例の
第一スクロール部材の斜視図。
【図8】本発明を圧縮機に応用したときの第5実施例の
第一スクロール部材の斜視図。
【図9】本発明を圧縮機に応用したときの第6実施例の
第一スクロール部材側の縦断面図。
【図10】本発明を圧縮機に応用したときの第7実施例
の第一スクロール部材側の縦断面図。
【図11】本発明を圧縮機に応用したときの第7実施例
の第一スクロール部材の斜視図。
【図12】本発明を圧縮機に応用したときの第8実施例
の第一スクロール部材側の縦断面図。
【図13】本発明を圧縮機に応用したときの第8実施例
の第一スクロール部材の斜視図。
【図14】本発明を圧縮機に応用したときの第8実施例
の第一スクロール部材の平面図。
【図15】本発明を圧縮機に応用したときの第9実施例
の第一スクロール部材側の縦断面図。
【図16】本発明を圧縮機に応用したときの第9実施例
の裏面おさえ部の斜視図。
【図17】本発明を圧縮機に応用したときの第10実施
例の第一スクロール部材側の縦断面図。
【図18】本発明を圧縮機に応用したときの第11実施
例のスクロール部材の横断面図。
【図19】本発明を圧縮機に応用したときの第11実施
例のスクロール部材の縦断面図。
【符号の説明】
1 第一スクロ−ル部材 2 第二スクロ−ル部材 1a、2a 鏡板 1b、2b スクロ−ルラップ 1c、1e ピン台 1d、1f ピン 1g、2g 上面突出部 1h、1i ガス流路溝 1j、2j スラスト面 1k、2k 下面突出部 1l 軸継手部 1m、2m メス側スプライン軸継手 1n ジャ−ナル軸受対向面 1o、2o 中間圧孔 1r、2r ラップバランス凹部 1s、2s 中間圧室 1t、2t 流出口 1u、1v ガス流路穴 1w、2w、3q、4q、9d、10d グル−ブ板 1x、2x ボ−ル台 1x1〜1x12、2x1〜2x12 ボ−ル穴 1y、2y 鏡板溝 1z、2z 深溝玉軸受 2p、2q ピン穴 3、4 ケ−シング 3a、4a スクロール室形成部 3b、4b 吸入口 3c、3f、3g、3i、4c、4f、4g、4i フ
ランジ 3d、4d モ−タ室形成部 3e、4e 吐出口 3h、4h フィン 3j 隔壁 3k ジャ−ナルすべり軸受 3l、4l 油孔 3m 中間圧室用凹部 3n 円筒溝 3o、3s、4s、4o ガイド 3p、4p ガス遮断壁 3r、4r モータ室 5、6 円筒 5a、6a 冷却水流入口 5b、6b 冷却水流出口 5c、6c フランジ 5d、5e、6d、6e Oリング 5f、6f ウォ−タジャケット 7、8 モ−タ 7a、8a ステ−タ 7b、8b ロ−タ 7c、8c 電線 7d、8d ギャップ 9、10 支持板 9a、10a 転がり軸受 9b、10b、13a、14a、19b、19c Oリ
ング 9c、10c 穴 11、12 回転軸 11a、11b、12a、12b バランスリング 11c オス側スプライン軸継手 11d、12d 貫通孔 12c 円筒部 12y 裏面おさえ部 12z ガス導入孔 13、14 側壁 13b、14b 端子 15、16 吐出室 17、18 潤滑油 19 吸込み室 19a スペ−サ 19d 吐出口 吸込み口19d 20a〜20l ボ−ル 21、22 上面突出部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末藤 和孝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の鏡板およびそれに立設した第一の
    スクロールラップで形成された第一のスクロール部材
    と、第二の鏡板およびそれに立設した第二のスクロール
    ラップで形成された第二のスクロール部材とを有し、前
    記第一および第二のスクロール部材は互いに偏心して軸
    支され、前記スクロールラップ間およびそのスクロール
    ラップの先端とそれに対向する鏡板との間に微小なクリ
    アランスを保ちながら配置され、それら第一および第二
    のスクロール部材は同じ方向にほぼ同じ速度で回転する
    ことにより、前記スクロールラップおよび鏡板で形成さ
    れるほぼ閉じた空間の体積を縮小または拡大する動作を
    行う回転型スクロール流体機械において、 前記第一および第二のスクロール部材は、該二つのスク
    ロール部材がスラスト方向に互いに離間および接近する
    変位の抑制手段を有することを特徴とする回転型スクロ
    ール流体機械。
  2. 【請求項2】 前記二つのスクロール部材のスラスト方
    向の変位抑制手段は、少なくとも前記第一および第二の
    鏡板のスクロールラップが立設する表面側、または立設
    しない裏面側に設けられている請求項1記載の回転型ス
    クロール流体機械。
  3. 【請求項3】 前記二つのスクロール部材が互いに接近
    する向きの変位抑制手段は、前記第一または第二の鏡板
    のいずれか一方の表面に突出部を立設し、該突出部の先
    端部を該鏡板のいずれか他方の表面と摺接可能にしたも
    のである請求項2記載の回転型スクロール流体機械。
  4. 【請求項4】 前記突出部は環状に形成されたものであ
    る請求項3記載の回転型スクロール流体機械。
  5. 【請求項5】 前記二つのスクロール部材が互いに接近
    する向きの変位抑制手段は、前記第一および第二の鏡板
    の両方の表面にそれぞれ突出部を立設し、該突出部の先
    端面を互いに摺接可能にしたものである請求項2記載の
    回転型スクロール流体機械。
  6. 【請求項6】 前記突出部は、少なくともいずれか一方
    が環状に形成されている請求項5記載の回転型スクロー
    ル流体機械。
  7. 【請求項7】 前記突出部は、ほぼ同一の高さを有する
    請求項5または6記載の回転型スクロール流体機械。
  8. 【請求項8】 前記二つのスクロール部材が互いに接近
    する向きの変位抑制手段は、前記第一および第二の鏡板
    のおもて面の間にそれらの面と摺接可能な状態の転動可
    能な転がり部材を設けたものである請求項2記載の回転
    型スクロール流体機械。
  9. 【請求項9】 前記二つのスクロール部材が互いに接近
    する向きの変位抑制手段は、少なくともその一部が、前
    記二つの鏡板の裏面側に設けられた二つのスクロール部
    材が互いに離間する向きの変位抑制手段の設置範囲の最
    外周よりも内側にある請求項3ないし8のうちいずれか
    に記載の回転型スクロール流体機械。
  10. 【請求項10】 前記スクロール部材の少なくとも一方
    の突出部の全てまたは前記転がり部材の全ては、スクロ
    ールラップを形成する材料よりも大きな熱膨張率を有す
    る異組成または異組織の材料で形成される請求項3ない
    し9のうちいずれかに記載の回転型スクロール流体機
    械。
  11. 【請求項11】 前記第一および第二のスクロール部材
    のそれぞれに回転力を供給するそれぞれ別個の回転駆動
    部、または、前記第一および第二のスクロール部材のそ
    れぞれから回転力を供給されるそれぞれ別個の回転受動
    部を有する請求項1ないし10のうちいずれかに記載の
    回転型スクロール流体機械。
  12. 【請求項12】 前記第一のスクロール部材と前記第二
    のスクロール部材との回転位相差を一定範囲内に留める
    回転位相差規制手段を設けた請求項11記載の回転型ス
    クロール流体機械。
  13. 【請求項13】 前記回転位相差規制手段は、その全部
    または一部が、前記二つのスクロール部材が互いに離間
    する向きの変位抑制手段または接近する向きの変位抑制
    手段の少なくともいずれかを兼ねたものである請求項1
    2記載の回転型スクロール流体機械。
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