JPH06100437A - 水中油型クリーム基剤 - Google Patents

水中油型クリーム基剤

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JPH06100437A
JPH06100437A JP27775892A JP27775892A JPH06100437A JP H06100437 A JPH06100437 A JP H06100437A JP 27775892 A JP27775892 A JP 27775892A JP 27775892 A JP27775892 A JP 27775892A JP H06100437 A JPH06100437 A JP H06100437A
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cream
skin
microfluidizer
dna
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 デオキシリボ核酸を含み、マイクロフルイダ
イザーにより乳化してなる水中油型クリーム基剤。 【効果】 界面活性剤を使用しなくても、強固なクリー
ム状を呈し、安全であると共に、優れた安定性を有し、
官能面でも優れている。また、ヒアルロン酸を分解する
ヒアルロニダーゼの活性を抑制するので、肌荒れ、小ジ
ワを防止し、しっとり感を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に対する安全性が
高く、且つ、安定性のよい化粧品用又は皮膚外用剤等の
医薬品用の水中油型クリーム基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧品用又は医薬品用のクリーム
基剤、即ち、エマルジョンを作製する場合には、界面活
性剤を用いて乳化しているが、界面活性剤は安全性に問
題があり、極力配合量を減少させることに努力が払われ
ている。このため、界面活性剤を用いない乳化も鋭意研
究されているが、これまで安定性が高く、且つ官能面で
も充分なエマルジョンが得られなかった。
【0003】このため、一つの方策として界面活性剤の
代わりに、従来より増粘剤又は乳化助剤として用いられ
ているコロイド性含水ケイ酸塩を利用して、水相の降伏
値を上げエマルジョンの安定化を計る試みもなされてい
る。しかしながら、このコロイド性含水ケイ酸塩を利用
しても、安定性及び官能面において未だ問題があった。
その解決方法として、本出願人は、特開平3−8390
9号公報及び特願平3−221290号を提案した。特
開平3−83909号公報は、合成ベンナイトとシリコ
ン油とを含むクリーム基剤であり、シリコン油の添加に
よって合成ベンナイトの配合量を減少して、同物質が有
するきしみ感を減少し、その増粘作用とベンナイトの粒
子の細かさによって乳化の安定性を保つものである。ま
た、特願平3−221290号は、脂肪酸デキストリン
とコロイド性含水ケイ酸塩とを含むクリーム基剤であ
り、脂肪酸部分により油性成分との親和性が高められ、
デキストリン部分により水性成分との親和性を高めて、
エマルジョンの安定性を高めるものである。
【0004】他方、従来の化粧品等の乳化方法として
は、回転式のホモジナイザーが汎用されてきた。最近、
高圧型のホモジナイザーが出現し、乳化力も増してきた
が、その中でも米国特許第4533254号に記載され
ているマイクロフルイダイザーが優れている。しかしな
がら、このマイクロフルイダイザーでも、従来の処方で
は分離や安定性に問題があった。
【0005】一方、ヒアルロニダーゼは、生体中に広く
分布し、皮膚にも存在する酵素であり、その名のとおり
ヒアルロン酸を分解する。ヒアルロン酸は、β−D−N
−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互
に結合した直鎖状の高分子多糖で、ムコ多糖の一種であ
る。結合組織内でのヒアルロン酸の作用としては、細胞
間隙に水分を保持し、また組織内にジェリー状のマトリ
ックスを形成して細胞を保持したり、皮膚の潤滑性と柔
軟性を保ち、外力(機械的障害)および細菌感染を防止
していると考えられている。また、皮膚のヒアルロン酸
は齢をとるにつれて減少し、その結果小ジワやかさつき
などの老化をもたらすといわれている。従って、このヒ
アルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性を抑制す
ることは、製剤に使用されているヒアルロン酸の安定性
や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロン酸及び皮膚に
存在していたヒアルロン酸の安定に寄与すると考えられ
ている。また、ヒアルロニダーゼは、炎症酵素としても
知られており、この活性を抑制することは、炎症を抑
え、また、アレルギーにも抑制的に働くことが知られて
いる。
【0006】また、デオキシリボ核酸(以下、単に「D
NA」と称することもある)は、すべての生物中に含ま
れている物質であり、このDNAは、デオキシリボヌク
レオチドの線状重合体で、各ヌクレオチド間が糖の3´
と5´炭素のリン酸ジエステル結合によって結ばれたポ
リデオキシリボヌクレオチドである。DNAを構成して
いる塩基は、通常、プリンであるアデニンとグアニン、
及びピリミジンであるチミンとシトシンの4種類からな
っている。このDNAは、現在、注射薬、保健薬、制癌
剤、放射線防御剤及び治療剤、または、健康食品として
老化防止用の食事療法等に、あるいは、化粧品として皮
膚賦活剤、日焼け止めクリーム等に利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性を高めるために界面活性剤を使用することなく、且つ
官能面で優れた評価が得られ、また、ヒアルロニダーゼ
阻害作用を有し、しかも、安定性のよい水中油型クリー
ム基剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、鋭意各種の実験を繰り返した結果、D
NAが著しく高いヒアルロニダーゼ阻害活性を示し、且
つ、下記の処方において前記課題が解決し得ることを見
い出して本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、デオキシリボ核酸を
含み、マイクロフルイダイザーにより乳化してなる水中
油型クリーム基剤である。
【0010】DNAは、すべての生物中に含まれている
が、これまでに利用されている生物中からのDNA抽出
方法としては、一般に、サケ、ニシン、または、タラ等
の魚類の成熟白子から抽出している。この魚類からのD
NA抽出方法は、成熟白子などの精巣組織を摩砕して、
かゆ状とし、これに水を混合して、さらに、酢酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウム、または、水酸化ナトリウムの
みを添加して、加温しタンパク質を分離しながらDNA
を抽出分離し、これを中和して、アルコール、塩化銅、
酢酸鉛等でDNAを沈殿させるか、もしくは、ピクリン
酸、鉄コロイド等を加えて、タンパク質を沈殿させて分
離させる方法である。この方法は、アルカリを使用する
ため、DNAが分解しやすく着色等が起こることがあ
る。そのため、アルカリの代わりにクエン酸ナトリウム
水溶液で繰り返し洗浄し、これを食塩で抽出した後、ア
ルコールでDNAを沈殿させ、ドデシル硫酸ナトリウム
と食塩とにより、タンパク質を除去し、再度アルコール
でDNAを沈殿させて精製する方法がより良い。また、
DNAは精製した状態で市販されているものもあるの
で、これを利用しても良い。さらに、DNAは、通常、
ナトリウム塩、または、フリーの酸の形で存在している
が、カリウム、マグネシウム、鉄塩等のDNAでも本発
明の目的を達成することができる。
【0011】DNAの配合量は、水相成分によって影響
を受けるので処方によって異なり、また、DNAの種類
やグレードによっても異なり、一般的な範囲として、水
相に対して0.05〜10.0%である。
【0012】乳化方法としては、一般的な方法も適用で
きるが、特に、米国特許第4533254号に記載され
たマイクロフルイダイザーを用いて乳化すると安定性や
安全性が増すことが分かった。マイクロフルイダイザー
を用いるときは、この機能を発揮する処理圧700kg/
cm2以上で処理することは当然である。クリームの平均
粒子径は、0.3ミクロン以下にすることが好ましい。
平均粒子径が0.3ミクロンを超えるとクリームが分離
傾向となり、好ましくないからである。
【0013】水中油型クリーム基剤に含有するその他の
原料としては、一般のクリーム基剤に用いられている原
料を利用して処方を組むことができる。多価アルコール
もすべて利用できるが、その中でもグリセリンがもっと
も優位であった。また、油相は、40%以下にすること
が好ましい。
【0014】本発明の水中油型クリーム基剤は、上記で
得られたDNAと、皮膚外用剤等の医薬品原料又は他の
化粧品原料、例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状
油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活
性剤、グリセリン、1,3ーブチレングリコール等の保
湿剤や各種薬剤等と、一般のクリーム基剤原料とを配合
し、マイクロフルイダイザーにより乳化して様々な剤形
の化粧料、皮膚外用剤等、例えば、ローション、クリー
ム、乳液、パック等に調製でき、目的に応じて種々の利
用形態の化粧料などに調製することができる。
【0015】
【実施例】以下に、実際の利用方法である実施例を記載
するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」は、特に限定しな
い限り「重量部」を示す。
【0016】実施例1(クリームの調製) 下記諸成分からなるAとBとをそれぞれ加温溶解し、次
いで、撹拌しつつAとBとを混合し、マイクロフルイダ
イザー(M−110Y)で処理圧1600kg/cm2で処
理してクリームを調製した。 A スクワラン 10.0部 ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0部 ゲイロウ 5.0部 ミツロウ 5.0部 シリコン 0.5部 B 精製水 56.1部 デオキシリボ核酸ナトリウム ( ユーキファインス゛ 社製 以下、「HP-DNANa」と称する) 0.2部 コロイド性含水ケイ酸塩 (クニミネ工業社製 スメクトン SA) 0.5部 グリセリン 10.0部 ポリオキシエチレングリコール(分子量 4,000) 2.0部 パラオキシ安息香酸メチル 0.2部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5部
【0017】実施例2(クリームの調製) 下記諸成分からなるAとBとをそれぞれ加温溶解し、次
いで、撹拌しつつAとBとを混合し、マイクロフルイダ
イザー(M−110Y)で処理圧1600kg/cm2で処
理してクリームを調製をした。 A スクワラン 10.0部 ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0部 ミツロウ 1.0部 バチルアルコール 3.5部 ステアリルアルコール 2.5部 ステアリル酸 0.5部 シリコン 0.5部 B 精製水 48.8部 デオキシリボ核酸カリウム ( ユーキファインス゛ 社製 以下、「HP-DNA-K」と称する) 0.5部 2%結晶性セルロース水溶液 10.0部 グリセリン 10.0部 ポリオキシエチレングリコール(分子量 4,000) 1.0部 ポリオキシエチレングリコール(分子量 1,540) 1.0部 パラオキシ安息香酸メチル 0.2部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5部
【0018】比較例1 実施例1で使用したマイクロフルイダイザーの代わりに
卓上ホモミキサー(LR−1、みずほ工業社製)で乳化
した以外は実施例1と同様に処理した。
【0019】比較例2 実施例1で使用したデオキシリボ核酸の代わりに水を配
合したもの使用した以外は実施例1と同様に処理した。
【0020】比較例3 実施例2で使用したマイクロフルイダイザーの代わりに
卓上ホモミキサー(LR−1、みずほ工業社製)で乳化
した以外は実施例1と同様に処理した。
【0021】比較例4 実施例2で使用したデオキシリボ核酸の代わりに水を配
合したもの使用した以外は実施例1と同様に処理した。
【0022】上記実施例1〜2及び比較例1〜4で得た
各々のクリームの状態、平均粒子径、遠心分離後の状態
及び50℃での保存状態について、下記の方法によりそ
の特性を評価した。これらの特性評価を下記第1表に示
す。 クリームの状態:製造直後のクリームの状態を目視によ
り評価した。 平均粒子径:粒度分布測定機(島津製作所社製、SAL
D−2000)を用いて測定した。 遠心分離後の状態:6000rpm で30分間遠心後、ク
リームの状態を目視により評価した。 50℃での保存状態:クリームを50℃恒温槽中に配置
してクリームの経時的変化を観察した。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から明らかなように、本発明の
処方を用いて、マイクロフルイダイザーで乳化したクリ
ーム(実施例1及び2)は、強固なクリーム状を呈し、
平均粒子径も0.1ミクロン以下であり、遠心分離機に
かけても分離せず、また、50℃で保存しても3カ月以
上安定していることが判る。これに対して、本発明の処
方でも、マイクロフルイダイザーで乳化しないクリーム
(比較例1及び3)は、遠心分離で分離し、且つ、50
℃で1日間で分離してしまい、クリーム基剤として好ま
しくないものといえる。また、DNAを含まない処方
で、マイクロフルイダイザーで乳化したクリーム(比較
例2及び4)は、クリームのつやが悪く、遠心分離で分
離し、且つ、50℃で2〜3日間で分離してしまい、ク
リーム基剤として好ましくないものといえる。以上のこ
とから、界面活性剤を用いずに目的のクリーム基剤を得
るためには、DNAを使用すること、及びマイクロフル
イダイザーで処理することが必要である。
【0025】ヒアルロニダーゼ活性抑制試験 (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液6gを、37℃の恒温水
槽で5分間放置した後、規定濃度の試料液1.0mlを加
え撹拌し、0.01%ヒアルロニダーゼ(シグマ社製
牛睾丸製、タイプI−S)0.1M(pH6.0)リン
酸緩衝液を1ml加えて直ちに撹拌して被験液を調製し
た。規定濃度の試料液として、 0.1%,0.01%,
0.001%のDNA−K又はHP−DNANa液を用
いた。上記被験液6mlを37℃の恒温水槽中に配置した
オストワルド粘度計に入れ、1分後、5分後、10分
後、20分後、40分後における被験液の粘度を測定し
た。対照として、上記規定濃度の試料液を純水に代えた
以外は上記と同様にして測定した。この試験では試料の
終濃度は、それぞれ検体の濃度の1/8となる。1分後
の粘度を100として、それぞれの結果を指数で表2〜
4に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】表2〜5の結果から明らかなように、所定
濃度のDNA−K又はHP−DNA−Naを用いた検体
は、DNAを含まない検体に較べて、粘度の経時的変化
は僅かであり、従って、DNAを含む検体は、明らか
に、ヒアルロニダーゼの活性を抑制することが判る。
【0031】
【発明の効果】本発明の水中油型クリーム基剤は、従来
において乳化のために用いられていた界面活性剤を配合
しなくても、強固なクリーム状を呈し、長期間保存して
も経時的変化はなく優れた安定性を有し、また、界面活
性剤を使用していないので皮膚に対しても安全であり、
しかも、人体の細胞間隙に水分を保持し、また組織内に
ジェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持した
り、皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)
および細菌感染を防止するヒアルロン酸を分解するヒア
ルロニダーゼの活性を抑制するので、肌荒れ、小ジワを
防止し、しっとり感を保つ等の優れた効果を有する。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に対する安全性が
高く、且つ、安定性のよい化粧品用又は皮膚外用剤等の
医薬品用の水中油型クリーム基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧品用又は医薬品用のクリーム
基剤、即ち、エマルジョンを作製する場合には、界面活
性剤を用いて乳化しているが、界面活性剤は安全性に問
題があり、極力配合量を減少させることに努力が払われ
ている。このため、界面活性剤を用いない乳化も鋭意研
究されているが、これまで安定性が高く、且つ官能面で
も充分なエマルジョンが得られなかった。
【0003】このため、一つの方策として界面活性剤の
代わりに、従来より増粘剤又は乳化助剤として用いられ
ているコロイド性含水ケイ酸塩を利用して、水相の降伏
値を上げエマルジョンの安定化を計る試みもなされてい
る。しかしながら、このコロイド性含水ケイ酸塩を利用
しても、安定性及び官能面において未だ問題があった。
その解決方法として、本出願人は、特開平3−8390
9号公報及び特願平3−221290号を提案した。特
開平3−83909号公報は、合成ベンナイトとシリコ
ン油とを含むクリーム基剤であり、シリコン油の添加に
よって合成ベンナイトの配合量を減少して、同物質が有
するきしみ感を減少し、その増粘作用とベンナイトの粒
子の細かさによって乳化の安定性を保つものである。ま
た、特願平3−221290号は、脂肪酸デキストリン
とコロイド性含水ケイ酸塩とを含むクリーム基剤であ
り、脂肪酸部分により油性成分との親和性が高められ、
デキストリン部分により水性成分との親和性を高めて、
エマルジョンの安定性を高めるものである。
【0004】他方、従来の化粧品等の乳化方法として
は、回転式のホモジナイザーが汎用されてきた。最近、
高圧型のホモジナイザーが出現し、乳化力も増してきた
が、その中でも米国特許第4533254号に記載され
ているマイクロフルイダイザーが優れている。しかしな
がら、このマイクロフルイダイザーでも、従来の処方で
は分離や安定性に問題があった。
【0005】一方、ヒアルロニダーゼは、生体中に広く
分布し、皮膚にも存在する酵素であり、その名のとおり
ヒアルロン酸を分解する。ヒアルロン酸は、β−D−N
−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互
に結合した直鎖状の高分子多糖で、ムコ多糖の一種であ
る。結合組織内でのヒアルロン酸の作用としては、細胞
間隙に水分を保持し、また組織内にジェリー状のマトリ
ックスを形成して細胞を保持したり、皮膚の潤滑性と柔
軟性を保ち、外力(機械的障害)および細菌感染を防止
していると考えられている。また、皮膚のヒアルロン酸
は齢をとるにつれて減少し、その結果小ジワやかさつき
などの老化をもたらすといわれている。従って、このヒ
アルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性を抑制す
ることは、製剤に使用されているヒアルロン酸の安定性
や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロン酸及び皮膚に
存在していたヒアルロン酸の安定に寄与すると考えられ
ている。また、ヒアルロニダーゼは、炎症酵素としても
知られており、この活性を抑制することは、炎症を抑
え、また、アレルギーにも抑制的に働くことが知られて
いる。
【0006】また、デオキシリボ核酸(以下、単に「D
NA」と称することもある)は、すべての生物中に含ま
れている物質であり、このDNAは、デオキシリボヌク
レオチドの線状重合体で、各ヌクレオチド間が糖の3´
と5´炭素のリン酸ジエステル結合によって結ばれたポ
リデオキシリボヌクレオチドである。DNAを構成して
いる塩基は、通常、プリンであるアデニンとグアニン、
及びピリミジンであるチミンとシトシンの4種類からな
っている。このDNAは、現在、注射薬、保健薬、制癌
剤、放射線防御剤及び治療剤、または、健康食品として
老化防止用の食事療法等に、あるいは、化粧品として皮
膚賦活剤、日焼け止めクリーム等に利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性を高めるために界面活性剤を使用することなく、且つ
官能面で優れた評価が得られ、また、ヒアルロニダーゼ
阻害作用を有し、しかも、安定性のよい水中油型クリー
ム基剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、鋭意各種の実験を繰り返した結果、D
NAが著しく高いヒアルロニダーゼ阻害活性を示し、且
つ、下記の処方において前記課題が解決し得ることを見
い出して本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、デオキシリボ核酸を
含み、マイクロフルイダイザーにより乳化してなる水中
油型クリーム基剤である。
【0010】DNAは、すべての生物中に含まれている
が、これまでに利用されている生物中からのDNA抽出
方法としては、一般に、サケ、ニシン、または、タラ等
の魚類の成熟白子から抽出している。この魚類からのD
NA抽出方法は、成熟白子などの精巣組織を摩砕して、
かゆ状とし、これに水を混合して、さらに、酢酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウム、または、水酸化ナトリウムの
みを添加して、加温しタンパク質を分離しながらDNA
を抽出分離し、これを中和して、アルコール、塩化銅、
酢酸鉛等でDNAを沈殿させるか、もしくは、ピクリン
酸、鉄コロイド等を加えて、タンパク質を沈殿させて分
離させる方法である。この方法は、アルカリを使用する
ため、DNAが分解しやすく着色等が起こることがあ
る。そのため、アルカリの代わりにクエン酸ナトリウム
水溶液で繰り返し洗浄し、これを食塩で抽出した後、ア
ルコールでDNAを沈殿させ、ドデシル硫酸ナトリウム
と食塩とにより、タンパク質を除去し、再度アルコール
でDNAを沈殿させて精製する方法がより良い。また、
DNAは精製した状態で市販されているものもあるの
で、これを利用しても良い。さらに、DNAは、通常、
ナトリウム塩、または、フリーの酸の形で存在している
が、カリウム、マグネシウム、鉄塩等のDNAでも本発
明の目的を達成することができる。
【0011】DNAの配合量は、水相成分によって影響
を受けるので処方によって異なり、また、DNAの種類
やグレードによっても異なり、一般的な範囲として、水
相に対して0.05〜10.0%である。
【0012】乳化方法としては、一般的な方法も適用で
きるが、特に、米国特許第4533254号に記載され
たマイクロフルイダイザーを用いて乳化すると安定性や
安全性が増すことが分かった。マイクロフルイダイザー
を用いるときは、この機能を発揮する処理圧700kg/
cm2以上で処理することは当然である。クリームの平均
粒子径は、0.3ミクロン以下にすることが好ましい。
平均粒子径が0.3ミクロンを超えるとクリームが分離
傾向となり、好ましくないからである。マイクロフルイ
ダイザーは、エマルジョン形成液体混合物を偏平なオリ
フィスによって複数のシート状の流れにかえ、その前縁
を、高速で衝突させて、低圧の乱流ゾーンにすることに
よって、エマルジョン形成を可能にするエマルジョン化
装置である。勿論、マイクロフルイダイザーのみで、任
意の材料に対して、乳化剤なしでは安定したエマルジョ
ンは得られず、マイクロフルイダイザーに本願発明のよ
うな処方の材料を組み合わせたとき、安定したエマルジ
ョンが得られるものである。その詳細は前記米国特許に
記載されている。マイクロフルイダイザーを使用すると
分散液滴の平均径を容易に0.01μm〜0.2μmに
することができる。
【0013】水中油型クリーム基剤に含有するその他の
原料としては、一般のクリーム基剤に用いられている原
料を利用して処方を組むことができる。多価アルコール
もすべて利用できるが、その中でもグリセリンがもっと
も優位であった。また、油相は、40%以下にすること
が好ましい。
【0014】本発明の水中油型クリーム基剤は、上記で
得られたDNAと、皮膚外用剤等の医薬品原料又は他の
化粧品原料、例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状
油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活
性剤、グリセリン、1,3ーブチレングリコール等の保
湿剤や各種薬剤等と、一般のクリーム基剤原料とを配合
し、マイクロフルイダイザーにより乳化して様々な剤形
の化粧料、皮膚外用剤等、例えば、ローション、クリー
ム、乳液、パック等に調製でき、目的に応じて種々の利
用形態の化粧料などに調製することができる。
【0015】
【実施例】以下に、実際の利用方法である実施例を記載
するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」は、特に限定しな
い限り「重量部」を示す。
【0016】実施例1(クリームの調製) 下記諸成分からなるAとBとをそれぞれ加温溶解し、次
いで、撹拌しつつAとBとを混合し、マイクロフルイダ
イザー(M−110Y)で処理圧1600kg/cm2で処
理してクリームを調製した。 A スクワラン 10.0部 ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0部 ゲイロウ 5.0部 ミツロウ 5.0部 シリコン 0.5部 B 精製水 56.1部 デオキシリボ核酸ナトリウム ( ユーキファインス゛ 社製 以下、「HP-DNANa」と称する) 0.2部 コロイド性含水ケイ酸塩 (クニミネ工業社製 スメクトン SA) 0.5部 グリセリン 10.0部 ポリエチレングリコール(分子量 4,000) 2.0部 パラオキシ安息香酸メチル 0.2部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5部
【0017】実施例2(クリームの調製) 下記諸成分からなるAとBとをそれぞれ加温溶解し、次
いで、撹拌しつつAとBとを混合し、マイクロフルイダ
イザー(M−110Y)で処理圧1600kg/cm2で処
理してクリームを調製をした。 A スクワラン 10.0部 ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0部 ミツロウ 1.0部 バチルアルコール 3.5部 ステアリルアルコール 2.5部 ステアリル酸 0.5部 シリコン 0.5部 B 精製水 48.部 デオキシリボ核酸カリウム ( ユーキファインス゛ 社製 以下、「HP-DNA-K」と称する) 0.5部 コロイド性含水ケイ酸 (クニミネ工業社製 スメクトン SA) 0.5部 2%結晶性セルロース水溶液 10.0部 グリセリン 10.0部 ポリエチレングリコール(分子量 4,000) 1.0部 ポリエチレングリコール(分子量 1,540) 1.0部 パラオキシ安息香酸メチル 0.2部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5部
【0018】比較例1 実施例1で使用したマイクロフルイダイザーの代わりに
卓上ホモミキサー(LR−1、みずほ工業社製)で乳化
した以外は実施例1と同様に処理した。
【0019】比較例 実施例2で使用したマイクロフルイダイザーの代わりに
卓上ホモミキサー(LR−1、みずほ工業社製)で乳化
した以外は実施例1と同様に処理した。
【0020】上記実施例1〜2及び比較例1〜で得た
各々のクリームの状態、平均粒子径、遠心分離後の状態
及び50℃での保存状態について、下記の方法によりそ
の特性を評価した。これらの特性評価を下記第1表に示
す。 クリームの状態:製造直後のクリームの状態を目視によ
り評価した。 平均粒子径:粒度分布測定機(島津製作所社製、SAL
D−2000)を用いて測定した。 遠心分離後の状態:6000rpm で30分間遠心後、ク
リームの状態を目視により評価した。 50℃での保存状態:クリームを50℃恒温槽中に配置
してクリームの経時的変化を観察した。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から明らかなように、本発明の
処方を用いて、マイクロフルイダイザーで乳化したクリ
ーム(実施例1及び2)は、強固なクリーム状を呈し、
平均粒子径も0.1ミクロン以下であり、遠心分離機に
かけても分離せず、また、50℃で保存しても3カ月以
上安定していることが判る。これに対して、本発明の処
方でも、マイクロフルイダイザーで乳化しないクリーム
(比較例1及び)は、遠心分離で分離し、且つ、50
℃で1日間で分離してしまい、クリーム基剤として好ま
しくないものといえる以上のことから、界面活性剤を
用いずに目的のクリーム基剤を得るためには、DNAを
使用すること、及びマイクロフルイダイザーで処理する
ことが必要である。
【0023】ヒアルロニダーゼ活性抑制試験 (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液6gを、37℃の恒温水
槽で5分間放置した後、規定濃度の試料液1.0mlを加
え撹拌し、0.01%ヒアルロニダーゼ(シグマ社製
牛睾丸製、タイプI−S)0.1M(pH6.0)リン
酸緩衝液を1ml加えて直ちに撹拌して被験液を調製し
た。規定濃度の試料液として、 0.1%,0.01%,
0.001%のDNA−K又はHP−DNANa液を用
いた。上記被験液6mlを37℃の恒温水槽中に配置した
オストワルド粘度計に入れ、1分後、5分後、10分
後、20分後、40分後における被験液の粘度を測定し
た。対照として、上記規定濃度の試料液を純水に代えた
以外は上記と同様にして測定した。この試験では試料の
終濃度は、それぞれ検体の濃度の1/8となる。1分後
の粘度を100として、それぞれの結果を指数で表2〜
4に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】表2〜5の結果から明らかなように、所定
濃度のDNA−K又はHP−DNA−Naを用いた検体
は、DNAを含まない検体に較べて、粘度の経時的変化
は僅かであり、従って、DNAを含む検体は、明らか
に、ヒアルロニダーゼの活性を抑制することが判る。
【0029】
【発明の効果】本発明の水中油型クリーム基剤は、従来
において乳化のために用いられていた界面活性剤を配合
しなくても、強固なクリーム状を呈し、長期間保存して
も経時的変化はなく優れた安定性を有し、また、界面活
性剤を使用していないので皮膚に対しても安全であり、
しかも、人体の細胞間隙に水分を保持し、また組織内に
ジェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持した
り、皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)
および細菌感染を防止するヒアルロン酸を分解するヒア
ルロニダーゼの活性を抑制するので、肌荒れ、小ジワを
防止し、しっとり感を保つ等の優れた効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デオキシリボ核酸を含み、マイクロフル
    イダイザーにより乳化してなる水中油型クリーム基剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08217666A (ja) * 1995-02-10 1996-08-27 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 水中油型クリーム基剤
JP4820005B2 (ja) * 1999-03-12 2011-11-24 バイオテク エイエスエイ 化粧品及び/又は医薬品
JP2015503606A (ja) * 2012-01-16 2015-02-02 アルゲントゥム ホールディング エス アー エール エルARGENTUM Holding S a.r.l. コロイド銀とデオキシリボ核酸との相乗的組み合わせに基づく皮膚化粧用組成物

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