JPH06108207A - 耐高温腐食性アモルファス合金 - Google Patents

耐高温腐食性アモルファス合金

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JPH06108207A
JPH06108207A JP8552992A JP8552992A JPH06108207A JP H06108207 A JPH06108207 A JP H06108207A JP 8552992 A JP8552992 A JP 8552992A JP 8552992 A JP8552992 A JP 8552992A JP H06108207 A JPH06108207 A JP H06108207A
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浩樹 幅崎
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スタニスラフ ムロベツ
Maretsuku Danierefusukii
マレック ダニエレフスキー
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温の硫化雰囲気および酸化雰囲気に共に耐
える耐高温腐食性に優れ、化学プラントをはじめ産業お
よび民生上の種々の分野に利用可能な新しいアモルファ
ス合金に関する。 【構成】 Mo,Wの少なくとも1種を7〜50at%
と残Alよりなる耐高温腐食性アモルファス合金をはじ
め、他にTa,Nbの少なくとも1種、Zr,Tiの少
なくとも1種、Fe,Co,Ni,Cuの少なくとも1
種並びにCrとの適宜の組合せよりなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温の硫化雰囲気およ
び酸化雰囲気に共に耐える耐高温腐食性に優れ、化学プ
ラントをはじめ産業および民生上の種々の分野に利用可
能な新しいアモルファス合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、これまで、高温の濃厚な
酸中など結晶質合金では耐え得えない激しい腐食性環境
において、高耐食性を示す各種アモルファス合金を見い
だしてきた。これらのアモルファス合金は、金属−半金
属合金および金属−金属合金に大別される。金属−半金
属は、Fe、Co、Niなどの鉄族元素とアモルファス
化に必要な10−25原子%程度のP、C、B、Siな
どの半金属元素からなり、水溶液中における高耐食性
は、Crを添加することによって実現されている。これ
に対し、金属−金属系合金は、Fe、Co、Ni、Al
などの元素とTa、Nb、Zr、TiなどIVa族およびV
a族のバルブメタルとからなるものである。この場合、
水溶液中における耐食性はアモルファス合金を構成する
バルブメタルによるものであって、なかでも、Va族のT
aあるいはNbを含む合金の耐食性がきわめて高い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高温の酸化生気体環境
において、最も安定な酸化物スケールを形成する合金元
素は、アルミニウムであり、ついでクロムであるため、
これらを含む合金が耐高温酸化性合金として用いられて
きた。しかし、これらの元素の高温硫化に対する耐食性
は高くない。一方、高温の硫化性環境において優れた保
護性を備えた硫化物スケールを形成する合金元素は、モ
リブデン、タングステン、ニオブ、タンタルなどであ
る。しかし、耐硫化性の高い元素は酸化性環境では、モ
リブデン、タングステンのように酸化物が昇華したり、
ニオブ、タンタルのように金属よりはるかに大きな体積
の酸化物が昇華したり、ニオブ、タンタルのように金属
よりはるかに大きな体積の酸化物が生じて割れて保護能
力がないため、硫化性と酸化性が共存する高温気体の環
境で用い得る金属材料は見いだされていない。
【0004】しかし、実際の高温腐食環境では、硫黄と
酸素の分圧は大きく変動する。従って、高温の硫化性お
よび酸化性環境にともに耐える金属材料の出現は切望さ
れている。
【0005】本発明は単相固溶体を形成するアモルファ
ス合金の特性とスパッター法によるアモルファス化が合
金化に溶融を必要としないことを活用して、低沸点の耐
酸化性金属と高融点の耐硫化性金属からなる耐高温腐食
性アモルファス合金を提供するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】通常、合金は固体状態で
は結晶化しているが合金組成を限定して溶融状態から超
急冷凝固させたり、所定のターゲットを用いてスパッタ
ーデポジットさせるなど、固体形成の過程で原子配列に
長周期的規則性を形成させない方法を適用すると、結晶
構造を持たず、液体に類似したアモルファス構造が得ら
れ、このような合金をアモルファス合金という。アモル
ファス合金は、過飽和固溶体の均一な単相合金であっ
て、従来の実用金属に比べて著しく高い強度を保有し、
かつ組成に応じて異常に高い耐食性をはじめ種々の特性
を示す。
【0007】本発明者らは、新しいアモルファス合金を
創製し、その性質に関する研究を広く行った結果、合金
生成過程で溶融を必要としないスパッター法を用いるこ
とによって、低融点金属と高融点金属とのアモルファス
合金を製作し得ることを見いだし、Ti,Zr,Nb,
Ta,Mo,WなどのIVa族、Va族元素とCu,Alな
どのIb族およびIIIb族とからなるアモルファス合金を作
製することに成功した。これらの1部は、特願昭62−
103296号、特願昭63−51567号、特願昭6
3−51568号および特願昭63−260020号と
して出願した。これらの研究をさらに継続し、周期律表
における近接族間の元素からなる高耐食金属−金属系ア
モルファス合金の作製を試みた結果、IVa族元素のT
i,ZrとVIa族元素のCrとからなるアモルファス合
金およびVa族元素のTa,NbとVIa族元素のCrと
からなるアモルファス合金の作製に成功し、さきに特願
平3−138575号および特願平3−267542号
として、それぞれ出願した。本発明者らは、さらにこれ
らの研究を継続し、合金生成条件などを検討した結果、
低融点軽元素であるAlとCrからなる高耐食アモルフ
ァスアルミニウム合金およびこれにさらに耐食性を向上
させる種々の元素を含むアモルファスアルミニウム合金
の作製に成功し、特願平4−29362および特願平4
−29365として出願した。
【0008】本発明者らは、さらにこのようにして作製
した合金の特性を研究した結果、これまで実現しなかっ
た高温における酸化と硫化の両方に耐える耐高温腐食性
アモルファス合金を見いだし、本発明を達成した。
【0009】本発明は、特許請求の範囲第1項ないし第
24項に示す24の発明からなるものであるが、次の表
1に本発明の構成元素および含有率を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】(*1)Mo,Wの少なくとも1種 (*2)Ta,Nbの少なくとも1種 (*3)Zr,Tiの少なくとも1種 (*4)Fe,Co,Ni,Cuの少なくとも1種 (*5)実質的残部 (*6)Mo,Wの少なくとも1種50原子%以下とT
a,Nbの少なくとも1種との合計 (*7)Mo,Wの少なくとも1種7−50原子%とZ
r,Tiの少なくとも1種との合計 (*8)Nb,Taの少なくとも1種7原子%以上とZ
r,Tiの少なくとも1種との合計 (*9)Mo,Wの少なくとも1種50原子%以下とT
a,Nbの少なくとも1種との合計で7原子%以上とT
i,Zrの少なくとも1種との合計 (*10)Mo,Wの少なくとも1種7原子%以上とC
rとの合計 (*11)Nb,Tiの少なくとも1種7原子%以上と
Crとの合計 (*12)Mo,Wの少なくとも1種とCrとの合計 (*13)Ta,Nbの少なくとも1種とMo,Wの少
なくとも1種との合計7原子%以上とCrとの合計、た
だし、Mo,Wの少なくとも1種とCrとの合計は50
原子%以下 (*14)Mo,Wの少なくとも1種7原子%以上とC
rとの合計で50原子%以下とTi,Zrの少なくとも
1種との合計 (*15)Ta,Nbの少なくとも1種7原子%以上と
Zr,Tiの少なくとも1種と50原子%以下のCrと
の合計 (*16)Mo,Wの少なくとも1種とTa,Nbの少
なくとも1種との合計で7原子%以上とZr,Tiの少
なくとも1種とCrとの合計、ただし、Mo,Wの少な
くとも1種とCrとの合計は、50原子%以下 スパッター法はアモルファス合金を作る一つの方法であ
って、作製しようとするアモルファス合金と平均組成が
等しいが単相ではない複数の結晶相からなるターゲット
を焼結や溶融によって作製して用いたり、作製しようと
するアモルファス合金の主成分からなる金属板に合金化
しようとする元素を載せたり埋め込んだりしたものを用
いたりしてアモルファス合金は作られる。
【0013】本発明は、この方法を活用ならびに改良し
たものであって以下の通りである。Al−Mo合金ター
ゲットを溶融法などで作製することは容易ではないが、
Al板にMo塊を載せたり埋め込んだりしたターゲット
を用いるスパッター法によって、高耐高温腐食性を備え
たアモルファスAl−Mo合金を得ることができる。こ
の場合、生成するアモルファス合金に場所による不均一
性の発生を避けるために、例えば図1に示すように、ス
パッター装置チャンバー6内で複数のサブストレイト2
をチャンバーの中心軸1の回りに回転させる公転と共に
サブスレトレイト自体も自転させることが望ましい。更
に、生成するアモルファス合金の組成を広い範囲で変化
させることが望ましい。更に、生成するアモルファス合
金の組成を広い範囲で変化させるために、例えば図2に
示すように、一つのターゲット4はMo板とし、もう一
つのターゲット5はAl板として、これら2つのターゲ
ットを互いに傾斜させて2つのターゲットの垂線の交わ
る付近にサブストレイト2を置くように設置し、これら
2つのターゲットを2つの電源で出力を互いに制御しな
がら同時に作動させる。この方法によって、生成するア
モルファス合金中の合金元素の濃度を自由に代えたり、
更にこのバリエーションとしてAl板にTa、Nb、T
i、Zr、Fe、Co、Ni、Cu、MoおよびWを埋
め込んだターゲットを用いるなどいろいろなターゲット
と方法を組み合わせることによって、種々の高耐高温腐
食アモルファス合金が得られる。2つのターゲットを用
いる方法においては、均一なアモルファス合金を作成す
るために特にサブストレイトの公転と自転が必要であ
る。
【0014】スパッター法で作成した本発明の組成の合
金は、前記各元素が均一に固溶した単相のアモルファス
合金である。均一固溶体である本発明のアモルファス合
金には、きわめて均一で高耐食性を保証する保護皮膜が
形成される。環境の硫化性と酸化性が変化するような環
境で金属材料を使用するためには、安定な硫化物あるい
は酸化物皮膜を形成する能力を金属材料に付与する必要
がある。これは、有効元素を必要量含む合金を作ること
によって実現される。しかし結晶質金属の場合、多種多
量の合金元素を添加すると、しばしば化学的性質の異な
る多相構造となり、高耐高温腐食性を保証する保護皮膜
が均一には生成せず、所定の耐食性が実現し得ないこと
がある。また、化学的不均一性の発生はむしろ耐食性に
有害である。
【0015】これに対し、本発明のアモルファス合金は
均一固溶体であり、安定な保護皮膜を形成させ得る所要
量の有効元素を均一に含むものであるため、このような
アモルファス合金には、均一な保護皮膜が生じ、十分に
高い耐食性を発揮する。すなわち、激しい腐食性環境に
耐える金属材料が備えるべき条件は、それぞれの腐食環
境に応じた安定な保護皮膜が材料に均一に生じる高い保
護皮膜形成能力を持つことである。これは、本発明の合
金組成で実現され、また合金がアモルファス構造を有す
ることは、複雑な組成の合金を単相固溶体として作成す
ることを可能にし、均一な保護皮膜形成を保証するもの
である。
【0016】次に、本発明における各成分組成を限定す
る理由を述べる。
【0017】Alは酸化性雰囲気において安定な保護ス
ケールを形成する元素であるため、本発明において、合
金の実質的残部として、25原子%以上含まなければな
らない。耐硫化性は、Mo,W,Ta,Nbとの合金化
によって保証される。したがって、本発明の合金は、M
o,W,TaおよびNbの少なくとも1種を含まなけれ
ばならない。
【0018】Mo,W,Ta,Nb,Ti,Zr,Cr
はAlと共存するとアモルファス構造を形成する元素で
ある。この場合、MoおよびWは多すぎても少なすぎて
もアモルファス構造にならないため、本発明の第1項に
おけるMoおよびWの少なくとも1種とAlとの合金で
は、MoおよびWの少なくとも1種を7−50原子%と
する必要がある。また、Fe,Co,Ni,Cuの少な
くとも1種を添加する本発明の第7項において、Moお
よびWの少なくとも1種を7原子%以上50原子%未満
とする必要がある。同様に、本発明の第2項におけるT
aおよびNbの少なくとも1種とAlとの合金では、ア
モルファス構造にするためには、TaおよびNbの少な
くとも1種を7−75原子%とする必要がある。また、
Fe,Co,Ni,Cuの少なくとも1種を添加する本
発明の第8項において、TaおよびNbの少なくとも1
種を7原子%以上75原子%未満とする必要がある。本
発明の第3項における合金がMoおよびWの少なくとも
1種とTaおよびNbの少なくとも1種とを共に含む場
合には、アモルファス化のためには、MoおよびWの少
なくとも1種を50原子%以下とし、MoおよびWの少
なくとも1種とTaおよびNbの少なくとも1種との合
計を7−75原子%にする必要がある。また、Fe,C
o,Ni,Cuの少なくとも1種を添加する本発明の第
9項において、アモルファス化のためには、Moおよび
Wの少なくとも1種を50原子%以下とし、Moおよび
Wの少なくとも1種とTaおよびNbの少なくとも1種
との合計を7原子%以上75原子%未満とする必要があ
る。
【0019】これらのAl−高融点金属合金において
は、Mo,W,Ta,Nbの一部をTi,Zr,Crで
置換することが可能である。しかし、高い耐硫化性を保
証するためには、Mo,W,Ta,Nbの少なくとも1
種を7原子%以上含まなければならない。これが本発明
の第4項、第7項、第10項、第13項、第16項、第
19項、第22項においてMoおよびWの少なくとも1
種を7原子%以上とし、第5項、第8項、第11項、第
14項、第17項、第20項、第23項においてTaお
よびNbの少なくとも1種を7原子%以上とし、第6
項、第9項、第12項、第15項、第18項、第21
項、第24項においてMoおよびWの少なくとも1種と
TaおよびNbの少なくとも1種の合計を7原子%以上
とする理由である。
【0020】また、Crのアモルファス化に及ぼす効果
は、Mo,Wと同様であるため、Cr,Mo,Wの総量
でアモルファス化し得る組成は決定される。したがって
本発明の第14項、第17項、第20項、第23項にお
いては、Crを50原子%以下にとどめる必要があり、
また、本発明の第13項、第15項、第16項、第18
項、第19項、第21項、第22項、第24項において
は、MoおよびWの少なくとも1種とCrとの合計を5
0原子%以下にとどめる必要がある。本発明の第14項
において、アモルファス化のためには、Crを50原子
%以下とし、TaおよびNbの少なくとも1種とCrと
の合計を75原子%以下にする必要があり、また、F
e,Co,Ni,Cuの少なくとも1種を添加する本発
明の第20項において、Crを50原子%以下とし、T
aおよびNbの少なくとも1種とCrとの合計を75原
子%未満にする必要がある。さらに、本発明の第15項
において、MoおよびWの少なくとも1種とCrとの合
計を50原子%以下とし、TaおよびNbの少なくとも
1種とMoおよびWの少なくとも1種とCrとの合計を
75原子%以下にする必要があり、Fe,Co,Ni,
Cuの少なくとも1種を添加する本発明の第21項にお
いて、MoおよびWの少なくとも1種とCrとの合計を
50原子%以下とし、TaおよびNbの少なくとも1種
とMoおよびWの少なくとも1種とCrとの合計を75
原子%未満にする必要がある。
【0021】これに対し、Ti,Zrのアモルファス化
に及ぼす作用は、Ta,Nbの作用と変わらない。した
がって、本発明の第5項においては、Ta,Nbの少な
くとも1種とTi,Zrの少なくとも1種との合計を7
5原子%以下とする必要があり、Fe,Co,Ni,C
uの少なくとも1種を添加する本発明の第11項におい
て、Ta,Nbの少なくとも1種とTi,Zrの少なく
とも1種との合計を75原子%未満とする必要がある。
また、Crを添加する本発明の第17項において、アモ
ルファス化のためには、Crを50原子%以下とし、T
a,Nbの少なくとも1種とTi,Zrの少なくとも1
種とCrとの合計を75原子%以下とする必要があり、
さらにこれに、Fe,Co,Ni,Cuの少なくとも1
種を添加する本発明の第23項において、Crを50原
子%以下とし、Ta,Nbの少なくとも1種とTi,Z
rの少なくとも1種とCrとの合計を75原子%未満と
する必要がある。
【0022】同様に、Mo,Wの少なくとも1種を添加
する本発明の第4項においては、アモルファス構造の形
成のために、Mo,Wの少なくとも1種を50原子%以
下とし、Mo,Wの少なくとも1種とTi,Zrの少な
くとも1種との合計を75原子%以下とする必要があ
る。Fe,Co,Ni,Cuの少なくとも1種を添加す
る本発明の第10項においては、アモルファス構造の形
成のために、Mo,Wの少なくとも1種を50原子%以
下とし、Mo,Wの少なくとも1種とTi,Zrの少な
くとも1種との合計を75原子%未満とする必要があ
り、本発明の第16項においては、Mo,Wの少なくと
も1種とCrの合計で50原子%以下とし、Ti,Zr
の少なくとも1種とMo,Wの少なくとも1種とCrと
の合計を75原子%以下とする必要があり、Fe,C
o,Ni,Cuの少なくとも1種を添加する本発明の第
22項においては、Mo,Wの少なくとも1種とCrの
合計で50原子%以下とし、Ti,Zrの少なくとも1
種とMo,Wの少なくとも1種とCrとの合計を75原
子%未満とする必要がある。
【0023】Mo,Wの少なくとも1種とTa,Nbの
少なくとも1種とTi,Zrの少なくとも1種とを添加
する本発明の第6項においては、Mo,Wの少なくとも
1種を50原子%以下とし、Mo,Wの少なくとも1種
とTa,Nbの少なくとも1種とTi,Zrの少なくと
も1種との合計を75原子%以下とする必要があり、F
e,Co,Ni,Cuの少なくとも1種を添加する本発
明の第12項においては、Mo,Wの少なくとも1種を
50原子%以下とし、Mo,Wの少なくとも1種とT
a,Nbの少なくとも1種とTi,Zrの少なくとも1
種との合計を75原子%未満とする必要がある。さらに
これにCrを添加する本発明の第18項においては、M
o,Wの少なくとも1種とCrとの合計を50原子%以
下とし、Mo,Wの少なくとも1種とTa,Nbの少な
くとも1種とTi,Zrの少なくとも1種とCrとの合
計を75原子%以下とする必要があり、Fe,Co,N
i,Cuの少なくとも1種を添加する本発明の第24項
においては、Mo,Wの少なくとも1種とCrとの合計
を50原子%以下とし、Mo,Wの少なくとも1種とT
a,Nbの少なくとも1種とTi,Zrの少なくとも1
種とCrとの合計を75原子%未満とする必要がある。
【0024】一方、高融点金属の一部をFe,Co,N
i,Cuの少なくとも1種で置換することもできる。し
かし、これらの元素の多量添加は、耐硫化性を低下させ
るので、本発明の第7項、第8項、第9項、第10項、
第11項、第12項、第19項、第20項、第21項、
第22項、第23項、第24項においてFe,Co,N
i,Cuから選ばれる1種以上の元素は、20原子%以
下としなければならない。
【0025】本発明の合金は、スパッター法で作られ
る。通常、スパッター法には、焼結あるいは合金化した
多相からなるターゲットが用いられる。しかし、本発明
の合金のように、低沸点のAlと高融点金属の合金を溶
融を含む通常の方法で作成するとはきわめて困難であ
る。これに対し、本発明者らはさきに、アモルファス合
金を構成する元素の板上に、合金化用の元素の小片を載
せたターゲットを用いることによって、アモルファス合
金が得られることを見いだしている。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。
【0027】実施例1 直径100mm、厚さ6mmのAl円板上の中心から半
径29mmの円周上に、直径20mm厚さ1.5mmの
Mo円板を4個載せたものをターゲットとし、図1に示
した装置を用い、Arを5ml/minの速度で流しな
がら1x10-3Torrの真空に保ち、自転ならびに公
転しているステンレス鋼および石英板のサブストレイト
に約640Wの出力でスパッターデボジションを行っ
た。X線回折の結果、生じた合金はアモルファスである
ことが確認され、またX線マイクロアナライザーを用い
た分析によつてその組成はAl−34原子%Mo合金で
あることが明らかになった。この合金を750℃の大気
中に曝した際の重量変化は放物線則に従い、緻密な酸化
物スケールが生じていることを示した。酸化速度常数
は、3×10-152cm-4-1ときわめて小さく、耐酸
化性が著しく高いことが判明した。この合金を950℃
10-2気圧の硫黄蒸気に曝した際の重量変化は放物線則
に従い、緻密な酸化物スケールが生じていることを示し
た。硫化速度常数は、1×10-112cm-4-1ときわ
めて小さく、耐酸化性が著しく高いことが判明した。し
たがって、本アモルファス合金は、きわめて高い耐高温
腐食性を備えていることが判明した。
【0028】実施例2 直径100mm、厚さ6mmのNb板とAl円板をター
ゲットとし、図2に示した装置に取り付け、Arを5m
l/minの速度で流しながら1×10-3Torrの真
空に保ち、自転ならびに公転しているステンレス鋼およ
び石英板のサブストレイトにスパッターデボジションを
行った。X線回折の結果、生じた合金はアモルファスで
あることが確認された。X線マイクロアナライザーを用
いた分析の結果、この合金はAl−40Nb合金である
ことが判明した。この合金を950℃の大気中に曝した
際の重量変化は放物線則に従い、緻密な酸化物スケール
が生じていることを示した。酸化速度常数は、5x10
-132cm-4-1ときわめて小さく、耐酸化性が著しく
高いことが判明した。この合金を950℃10-2気圧の
硫黄蒸気に曝した際の重量変化は放物線則に従い、緻密
な酸化物スケールが生じていることを示した。硫化速度
常数は、3x10-112cm-4-1ときわめて小さく、
耐酸化性が著しく高いことが判明した。したがって、本
アモルファス合金はきわめて高い耐高温腐食性を備えて
いることが判明した。
【0029】実施例3 実施例1と同様に図1の装置を用い、種々の組合せのタ
ーゲットを取り付けステンレス鋼および石英板のサブス
トレイトにスパッターデボジションを行った。X線回折
の結果、生じた合金はアモルファスであることが確認さ
れ、またX線マイクロアナライザーを用いた分析によっ
て求められた組成は表2および表3の通りである。これ
らの合金は、いずれもきわめて高い耐高温腐食性を備え
ていることが判明した。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のアモルフ
ァス合金は、スパッター法で容易に作製されるAlおよ
び高融点金属を必須元素として含むアモルファス合金で
あって、Alには酸化性環境で保護性の優れた酸化物ス
ケールを形成し、高融点金属は硫化性環境で保護性の優
れた硫化物スケールを形成し、耐高温腐食性がきわめて
高い合金である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アモルファス合金を作製するスパッター
装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明アモルファス合金を作製するスパッター
装置の一例を示す概略図である。 1 サブストレイトの公転軸 2 自転するサブストレイト 3,4,5 ターゲット 6 スパッターチャンバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項20
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項22
【補正方法】変更
【補正内容】
フロントページの続き (72)発明者 ムロベツ スタニスラフ ポーランド クラクフ クロレフスカ ウ ーリッツァ66−7 (72)発明者 ダニエレフスキー マレック ポーランド クラクフ ファファリー ウ ーリッツァ2−6

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を7〜50原子%含み、残部は実質的にA
    lからなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  2. 【請求項2】 TaおよびNbの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7〜75原子%含み、残部は実質的に
    Alからなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  3. 【請求項3】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を50原子%以下と、TaおよびNbの群
    から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で7〜75
    原子%含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
  4. 【請求項4】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を7〜50原子%と、TiおよびZrの群
    から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子
    %以下含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
  5. 【請求項5】 TaおよびNbの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上と、TiおよびZrの群
    から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子
    %以下含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
  6. 【請求項6】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を50原子%以下と、TaおよびNbの群
    から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子
    %未満含み、さらにこれらとTiおよびZrの群から選
    ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子%以下
    含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性アモル
    ファス合金。
  7. 【請求項7】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を7原子%以上50原子%未満含み、F
    e,Co,NiおよびCuの群から選ばれる少なくとも
    1種の元素を20原子%以下含み、残部は実質的にAl
    からなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  8. 【請求項8】 TaおよびNbの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上75原子%未満含み、F
    e,Co,NiおよびCuの群から選ばれる少なくとも
    1種の元素を20原子%以下含み、残部は実質的に25
    原子%以上のAlからなる耐高温腐食性アモルファス合
    金。
  9. 【請求項9】 MoおよびWの群から選ばれる少なくと
    も1種の元素を50原子%以下と、TaおよびNbの群
    から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子
    %未満含み、Fe,Co,NiおよびCuの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残部
    は実質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
  10. 【請求項10】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7〜50原子%と、TiおよびZrの
    群から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原
    子%未満含み、Fe,Co,NiおよびCuの群から選
    ばれる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残
    部は実質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食
    性アモルファス合金。
  11. 【請求項11】 TaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素を7原子%以上と、TiおよびZrの
    群から選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原
    子%未満含み、Fe,Co,NiおよびCuの群から選
    ばれる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残
    部は実質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食
    性アモルファス合金。
  12. 【請求項12】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を50原子%以下と、TaおよびNbの
    群から選ばれる少なくとも1種の元素を7原子%以上
    と、TiおよびZrの群から選ばれる少なくとも1種の
    元素との合計で75原子%未満含み、Fe,Co,Ni
    およびCuの群から選ばれる少なくとも1種の元素を2
    0原子%以下含み、残部は実質的に25原子%以上のA
    lからなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  13. 【請求項13】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上とCrとの合計で50原
    子%以下を含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐
    食性アモルファス合金。
  14. 【請求項14】 50原子%以下のCuと7原子%以上
    のTaおよびNbの群から選ばれる少なくとも1種の元
    素との合計で75原子%以下含み、残部は実質的にAl
    からなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  15. 【請求項15】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素とTaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素との合計で7原子%以上とCrとの合
    計で75原子%以下含むが、MoおよびWの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素とCrとの合計は50原子%
    以下とし、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性ア
    モルファス合金。
  16. 【請求項16】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上とCuとの合計で50原
    子%以下を含み、さらにこれらとTiおよびZrの群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子%
    以下含み、残部は実質的にAlからなる耐高温腐食性ア
    モルファス合金。
  17. 【請求項17】 TaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素7原子%以上とTi,Zrの群から選
    ばれる少なくとも1種の元素と50原子%以下のCrと
    の合計で75原子%以下を含み、残部は実質的にAlか
    らなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  18. 【請求項18】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素とTaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素との合計で7原子%以上とTiおよび
    Zrの群から選ばれる少なくとも1種の元素とCuとの
    合計は50原子%以下とし、残部は実質的にAlからな
    る耐高温腐食性アモルファス合金。
  19. 【請求項19】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上とCuとの合計で50原
    子%以下と、Fe,Co,NiおよびCuの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残部
    は実質的にAlからなる耐高温腐食性アモルファス合
    金。
  20. 【請求項20】 TaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素7原子%以上と50原子%以下のCu
    との合計で75原子%未満含み、Fe,Co,Niおよ
    びCuの群から選ばれる少なくとも1種の元素を20原
    子%以下含み、残部は実質的に25原子%以上のAlか
    らなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  21. 【請求項21】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素とTaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素との合計で7原子%以上とCrとの合
    計で75原子%未満含むが、MoおよびWの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素とCrとの合計では50原子
    %以下とし、Fe,Co,NiおよびCuの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残部
    は実質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
  22. 【請求項22】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素を7原子%以上とCrとの合計では50
    原子%以下と、さらにこれらとTiおよびZrの群から
    選ばれる少なくとも1種の元素との合計で75原子%以
    下含み、Fe,Co,NiおよびCuの群から選ばれる
    少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残部は実
    質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食性アモ
    ルファス合金。
  23. 【請求項23】 TaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素7原子%以上とTiおよびZrの群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素と50原子%以下のC
    rとの合計で75原子%未満含み、Fe,Co,Niお
    よびCuの群から選ばれる少なくとも1種の元素を20
    原子%以下含み、残部は実質的に25原子%以上のAl
    からなる耐高温腐食性アモルファス合金。
  24. 【請求項24】 MoおよびWの群から選ばれる少なく
    とも1種の元素とTaおよびNbの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素との合計で7原子%以上とTiおよび
    Zrの群から選ばれる少なくとも1種の元素とCrとの
    合計で75原子%未満含むが、MoおよびWの群から選
    ばれる少なくとも1種の元素とCrとの合計は50原子
    %以下とし、Fe,Co,NiおよびCuの群から選ば
    れる少なくとも1種の元素を20原子%以下含み、残部
    は実質的に25原子%以上のAlからなる耐高温腐食性
    アモルファス合金。
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