JPH0610853B2 - 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 - Google Patents

炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法

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JPH0610853B2
JPH0610853B2 JP63013080A JP1308088A JPH0610853B2 JP H0610853 B2 JPH0610853 B2 JP H0610853B2 JP 63013080 A JP63013080 A JP 63013080A JP 1308088 A JP1308088 A JP 1308088A JP H0610853 B2 JPH0610853 B2 JP H0610853B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の利用分野」 本発明は光学的バンド巾が1.0eV以上特に1.5〜
5.5eVを有する炭素または炭素を主成分とする被膜
を磁気部品または磁気ヘッド用部材上特にそのスライダ
部(磁気テープ、磁気ディスク等こすれあう部分)にコ
ーティングすることにより、これら磁気用部材の補強
材、また機械ストレスに対する耐摩耗保護材として得ん
とする複合体に関する。
「従来技術」 炭素膜のコーティングに関しては、本発明人の出願にな
る特許願『炭素被膜を有する複合体およびその作製方
法』(特願昭56−146936昭和56年9月17日出願)が知ら
れている。しかし、これらは単にその作製方法を一般的
に記載したものであり、その形成温度を200℃以下、好
ましくは+150〜−100℃と実質的に冷却とし、かつ、被
形成面であるフェライト、パーマロイ、希土類等の磁性
体のスライダ部にコーティングする例はまったく述べら
れていない。
「従来の問題点」 従来例において、炭素膜は200〜1000℃と高温でしか得
られないとされており、炭素膜が条件によっては、室温
(プラズマにより150℃程度まで表面が昇温する)また
はそれ以下の温度での作製方法でも十分な硬度を有せし
め得ることの記載はまったくない。
「問題を解決すべき手段」 本発明は、磁気ヘッド用部材上、特に磁気テープ、磁気
ディスクとこすれる部分であるスライダ部上に炭素また
は炭素を主成分とする被膜をコーティングし、その表面
での耐摩耗性等の機械的強度を補強しようというもので
ある。特にエチレン、メタンのような炭化水素気体を直
流または高周波、特に基体側に正の直流バイヤスを加え
た高周波電界によりプラズマを発生させた雰囲気中に導
入して分解せしめることにより、C−C結合を作り、結
果としてグラファイトのような非透光性の導電性または
不良導電性の炭素を作るのではなく、作製条件により求
められた光学的エネルギバンド巾(Egという)が1.
0eV以上、好ましくは1.5〜5.5eVを有するダイ
ヤモンドに類似の絶縁性の炭素を形成することを特徴と
している。さらにこの本発明の炭素は、その硬度もビッ
カース硬度が2000Kg/mm2以上、好ましくは4500Kg/mm2
以上、理想的には6500Kg/mm2というダイヤモンド類似
の硬さを有するアモルファス(非晶質)または5〜200
Åの大きさの微結晶性を有するセミアモルファス(半非
晶質)構造を有する炭素またはこの炭素中に水素、ハロ
ゲン元素が25原子%以下またはIII価またはV価の不純
物が5原子%以下、また窒素がN/C≦0.05の濃度に添加
されたいわゆる炭素を主成分とする炭素(以下本発明に
おいては単に炭素という)を基板上に設けた複合体を設
けんとしたものである。
本発明は、さらにこの炭素が形成される基板を200℃以
下好ましくは−100〜150℃の従来より知られたCVD法に
比べて500〜1500℃も低い温度で形成せしめ、下地の磁
性材料の特性を劣化させることなく、また下地材料との
界面でおこる反応を防止しつつコーティングが可能であ
ることを実験的に見出したことを他の特徴とする。
また本発明は、この炭素にIII価の不純物であるホウ素
を0.1〜5原子%の濃度に添加し、P型の炭素を設
け、またV価の不純物であるリン、窒素を同様に0.1
〜5原子%の濃度に添加し、N型の炭素を設けることに
よりこの基板上面の炭素を導電性にしたことを他の特徴
としている。
また本発明は、基体特にフェライト、パーマロイ、希土
類、アモルファス成分等の磁性材料を有する磁気ヘッド
用部材のスライダ部の上表面にダイヤモンド結合を有す
る炭素膜を形成して、これを多量に製造するため、テー
プ状キャリアを用いてロール・ツー・ロール(roll
to roll以下RTRという)方式で作製せんと
するものである。
以下に図面に従って本発明に用いられた複合体の作製方
法を記す。
実施例1 第1図本発明の炭素または炭素を主成分とする被膜を形
成するためのRTR方式のプラズマCVD装置の概要を示
す。
図面において、ドーピング系(10)において、キャリアガ
スである水素を(11)より、反応性気体である炭化水素気
体例えばメタン、エチレンを(12)より、III価不純物の
ジボラン(水素希釈)(13),V価不純物のアンモニアま
たはフォスヒンを(14)よりバルブ(28)、流量計(29)をへ
て反応系(30)中にノズル(25)より導入される。このノズ
ルに至る前に、反応性気体の励起用にマイクロ波エネル
ギを(26)で加えて予め活性化させることは有効である。
反応系(30)では、第1のロール(4)より第2のロール(5)
に補助ロール(6),(7)を経て移動する。
この補助ロール(7)はテープ状キャリアにたるみがこな
いように一定の張力(テンション)を与えるべく、バネ
(27)を具備する。補助ロール間には、第1の電極(2),
被形成面を具備するテープ状キャリア(1),第2の電極
(3)を有し、一対の電極(2),(3)間には高周波電極(1
5)、マッチングトランス(16),直流バイヤス電源(17)よ
り電気エネルギが加えられ、プラズマ(40)が発生する。
排気系(20)は圧力調整バルブ(25),ターボ分子ポンプ(2
2),ロータリーポンプ(23)をへて不要気体を排気する。
これらの反応性気体は、反応空間(40)で0.01〜0.3t
orr例えば0.1torrとし、高周波による電磁エ
ネルギにより0.1〜5KWのエネルギを加えられる。直
流バイヤスは、−200〜600V(実質的には−400〜+400
V)を加える。なぜなら、直流バイヤスが零のときは自
己バイヤスが−200V(第2の電極を接地レベルとし
て)を有しているためである。反応性気体は、水素で一
部を希釈した。例えばメタンまたはエチレン:水素=1:
1とした。第1の電極冷却手段(9)を有し、冷却液体を
(8)より入れ、(8′)に排出させ、被形成面上の温度を15
0〜−100℃に保持させる。かくしてプラズマにより被形
成面上ビッカーズ硬度2000Kg/mm2以上を有するととも
に、熱伝導度2.5W/cm deg以上のC-C結合を多数
形成したアモルファス構造または微結晶構造を有するア
モルファス構造の炭素を生成させた。さらにこの電磁エ
ネルギは50W〜1KWを供給し、単位面積あたり0.03〜3W
/cm2のプラズマエネルギを加えた。このプラズマ密度が
大きい場合、また予めマイクロ波で反応性気体が励起さ
れている場合は、5〜200Åの大きさの微結晶性を有す
るセミアモルファス構造の炭素を生成させることができ
た。成膜速度は100〜1000A/分を有し、特に表面温度
を−50〜150℃とし、直流バイアスを+100〜300V加え
た場合、その成膜速度は100〜200A/分(メタンを用い
マイクロ波を用いない場合)、500〜1000A/分(メタ
ンを用いマイクロ波を用いた場合、またはエチレンを用
いマイクロ波を用いた場合)を得た。
これらはすべてビッカーズ硬度が2000Kg/mm2以上を有
する条件のみを良品とする。もちろんグラファイトが主
成分ならばきわめて柔らかく、かつ黒色で本発明とはま
ったく異質なものである。
この反応生成物気体は磁気ヘッド用部材(1)が冷却媒体
(9)により冷却され、この上面に被膜として形成され
る。反応後の不純物は排気系(20)よりターボ分子ポン
プ、ロータリーポンプを経て排気される。反応系は0.00
1〜10torr代表的には0.01〜0.5torrに保持さ
れており、マイクロ波(26)、高周波のエネルギ(15)によ
り反応系内はプラズマ状態(40)が生成される。特に励起
源が1GHz以上、例えば2.45GHzの周波数にあっては、C
−H結合より水素を分離し、さらに周波源が0.1〜50M
Hz例えば13.56MHzの周波数にあってはC−C結合、C=
C結合を分解し、−C−C−結合を作り、炭素の不対結
合手同志を互いに衡突させて共有結合(ダイヤモンド結
合)させ、安定なダイヤモンド構造を局部的に有した構
造とさせ得る。
かくして磁気ヘッドの磁性体および金属または磁気ヘッ
ド用部材のスライダ部の磁性体上に炭素特に炭素中に水
素を25モル%以下含有する炭素またP、IまたはN型の
導電型を有する炭素を主成分とする被膜を形成させるこ
とができた。
「実施例2」 第2図(A),(B-1),(B-2)は実施例1の作製方法によっ
て得られた炭素を用いた磁気ヘッドまたはそれ用部材の
例である。即ちテープまたはテープ状キャリア上に磁気
ヘッド用部材がテープ状に配設されている。これを第1
図のRTR方式にてこの上面に炭素(50)を0.03〜3μm
好ましくは0.1〜0.5μmの厚さに設けたものであ
る。さらにこれらの炭素膜(50)をコートした後、これら
磁気ヘッド用部材(41)をテープ状キャリアよりとりはず
した。この磁気ヘッド等の一部または磁気テープ、磁気
ディスク、等の他の異種材料がその表面をこすって走行
するスライダ部の部材の耐摩耗性の向上にきわめて有効
である。特にこの炭素膜は熱伝導率が2.5W/cmde
g以上、代表的には4.0〜6.0W/cmdegとダイヤ
モンドの6.0W/cmdegに近いため、高速テープ状
キャリア走行により発生する熱を全体に均一に逃がし、
局部的な昇温およびそれに伴う磁気ヘッドの特性劣化を
防ぐことができるため、耐摩耗性、高熱伝導性、炭素膜
特有の高平滑性等、多くの特性を併用して有効に用いて
いる。
「実施例3」 第2図(A)の場合、テープ用の書き込み、読み取りまた
は該ヘッドの一例である。
この磁気ヘッド(41)のMn−Znフェライトを用いた磁性体
(43)におけるスライダ部(42)上に炭素または炭素を主成
分とする被膜(50)を0.1〜0.5μmの厚さにコーティ
ングした。するとコーティングをしない場合に比べてそ
の寿命は5倍にも向上させることができた。この図面は
1/2インチVTR用磁気ヘッドの図面の例を示す。
特にこの炭素膜をコートしない場合のスライダ部のビッ
カース硬度は800Kg/mm2しかないため、これを2000Kg/mm
2以上に向上させ得るとともに、表面でのテープ等のす
べりを良好にし得るための効果は著しい。
「実施例4」 第2図(B-1),(B-2)は薄膜磁気ヘッドの一例を示す。第
2図(B-1)は正面図、(B-2)は側面図を示す。この磁気ヘ
ッドはトラック巾25μm、スライダ部のギャップ長0.
6μm、浮上量0.μm、インダクタンス100mH以下(1M
Hz),出力電圧0.3mV以上((1MHz)を有する。この
磁性材料(43)のスライダ部(42)上に炭素または炭素を主
成分とする部分(50)を0.05〜0.3μmの厚さに形成し
た。するとこの薄膜ヘッドの耐摩耗性を3倍以上に伸ば
すことができた。
「効果」 以上の説明より明らかな如く、本発明は有機樹脂または
それにガラス、磁性体、金属またはセラミックを形成
し、それらの磁気ヘッド用部材または磁気ヘッド全体の
表面に炭素または炭素を主成分とした被膜をコーティン
グして設けたものである。この複合体は他の多くの実施
例にみられる如く、すべりを助長でき、加えて耐摩耗性
の向上ができるため、その工業的価値は計り知れないも
のである。特にこの炭素が150℃以下の低温で形成でき
るに対し、その硬度また基板に対する密着性がきわめて
優れているのが特徴である。
また磁性体はサマリューム、コバルト等の希土類磁石、
アモルファス磁性体、酸化鉄またははこれにニッケル、
クロム等がコートされた形状異方形の磁性体またはフェ
ライト磁性体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の炭素または炭素を主成分とする被膜を
被形成面上に作製するロール・ツー・ロール方式の製造
装置の概要を示す。 第2図(A),(B-1),(B-2)は本発明の複合体の実施例を
示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープ状キャリア表面上にスライダ部を有
    する磁性部材を仮付けまたは配設する工程と、これら部
    材とテープ状キャリアとを第1のロールより第2のロー
    ルに移動させつつ前記ロール間でテープ状キャリアの裏
    側に配設された第1の電極と、この電極に対向して前記
    テープ状キャリアの表面側に配設された第2の電極との
    間に直流または高周波電圧を印加して、プラズマを発生
    せしめ、炭化水素化物気体、またはこれに加えて添加物
    気体とを分解反応せしめて、前記スライダ部上に炭素膜
    またはホウ素、リンまたは窒素の添加物の添加された炭
    素どうしの共有結合を有する炭素を主成分とする膜を形
    成する工程と、この後前記部材を前記テープ状キャリア
    より離脱させる工程とを有することを特徴とする炭素膜
    がコートされた磁気部材の作製方法。
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