JPH06116318A - 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 - Google Patents
高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法Info
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- JPH06116318A JPH06116318A JP28702592A JP28702592A JPH06116318A JP H06116318 A JPH06116318 A JP H06116318A JP 28702592 A JP28702592 A JP 28702592A JP 28702592 A JP28702592 A JP 28702592A JP H06116318 A JPH06116318 A JP H06116318A
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Abstract
でスラリーを形成させて重合することにより、特に結晶
性の高いおよび/または分子量の高い高ビニル結合含量
の結晶性ブタジエン系重合体を高生産性で製造する。 【構成】 1,3−ブタジエンを少なくとも50モル%
以上含有する共役ジエンを、(A)コバルトの有機酸
塩、(B)ホスフィン化合物、および(C)アルミノオ
キサンを含有する有機アルミニウムを含む触媒を用い、
重合溶媒に炭素数2〜6の脂肪族炭化水素を用い、生成
する重合体を析出させスラリー状の形態で重合する。
Description
ブタジエン系重合体の製造方法に関し、さらに詳細には
新規な触媒系を用い、かつ特定の重合溶媒中でスラリー
を形成させて重合することにより、特に結晶性の高いお
よび/または分子量の高い高ビニル結合含量の結晶性ブ
タジエン系重合体を高生産性で重合可能なブタジエン系
重合体の製造方法に関する。
ブタジエンは、結晶性に富んだ領域と非晶性部とからな
る構造を有するため、熱可塑性エラストマーとしての機
能だけでなく、分子中に化学反応性に富んだ炭素−炭素
二重結合を有しているため、従来の加硫ゴムや架橋密度
を高めた熱硬化性樹脂の機能も有する。また、この1,
2−ポリブタジエンは、優れた加工性を有することか
ら、他の樹脂や熱可塑性エラストマーの改質材、医療用
高分子材料として展開されている。
2−ポリブタジエンは、コバルト塩のホスフィン錯体と
トリアルキルアルミニウムと水からなる触媒(特公昭4
4−32425号公報)、コバルト化合物、トリアルキ
ルアルミニウムと水、およびトリフェニルホスフィン誘
導体からなる触媒(特公昭61−27402号公報)に
より得られている。これらの触媒系では、塩化メチレン
に代表されるハロゲン化炭化水素溶媒では高い重合活性
を示すが、汎用的な炭化水素系溶媒では重合活性が低下
するという問題がある。また、得られる重合体の分子特
性である分子量と融点の制御範囲が比較的狭く、広範囲
に分子特性が制御された重合体の製造には至っていな
い。例えば、前者では高分子量の領域の製造が困難であ
ること、後者においては高結晶化度(高融点)の重合体
の製造には特殊な配位子の使用が必須であり、これを意
図するため重合温度を低下させて重合を行っても、重合
速度が遅くなり生産性が低下し、またその結晶化度(融
点)の上限には自ずから限界がある。
特定の触媒系を用いることにより、炭化水素溶媒におい
ても高活性で重合し、得られる重合体が高ビニル結合含
量で、かつ結晶性であり、しかも重合体の結晶化度(融
点)を制御することが可能なブタジエン系重合体の製造
方法を提供した(特願平4−31312号明細書)。
性の高いおよび/または分子量の高い分子特性の重合体
を製造すると、溶液粘度が極めて高くなり攪拌が困難と
なって、重合熱の除熱、溶媒の除去、移送にも問題があ
る。そのため、重合系の生産性を犠牲にすることにな
る。
術の課題を背景になされたもので、新規な触媒系を用
い、かつ特定の重合溶媒中でスラリーを形成させて重合
することにより、特に結晶性の高いおよび/または分子
量の高い高ビニル結合含量の結晶性ブタジエン系重合体
を高生産性で重合可能なブタジエン系重合体の製造方法
を提供することを目的とする。
ジエンを少なくとも50モル%以上含有する共役ジエン
を、(A)コバルトの有機酸塩、(B)ホスフィン化合
物、および(C)アルミノオキサンを含有する有機アル
ミニウムを含む触媒を用い、重合溶媒に炭素数2〜6の
脂肪族炭化水素を用い、生成する重合体を析出させスラ
リー状の形態で重合することを特徴とする高ビニル結合
を有するブタジエン系重合体の製造方法を提供するもの
である。
外の共役ジエンとしては、4−アルキル置換−1,3−
ブタジエン、2−アルキル置換−1,3−ブタジエンな
どが挙げられる。このうち、4−アルキル置換−1,3
−ブタジエンとしては、1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オク
タジエン、1,3−ノナジエン、1,3−デカジエンな
どが挙げられる。
エンの代表的なものは、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン(イソプレン)、2−エチル−1,3−ブタジエン、
2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル
−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−アミル
−1,3−ブタジエン、2−イソアミル−1,3−ブタ
ジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−シク
ロヘキシル−1,3−ブタジエン、2−イソヘキシル−
1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オク
チル−1,3−ブタジエン、2−イソオクチル−1,3
−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエンの
なかで、1,3−ブタジエンと混合して用いられる好ま
しい共役ジエンとしては、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエンが挙げられる。重合に供される単量体成分中の
1,3−ブタジエンの含有量は50モル%以上、好まし
くは70モル%以上であり、50モル%未満では得られ
る重合体が融点を示さず、無定形となるため好ましくな
い。
バルトの有機酸塩は、有機溶媒への溶解性の面から、好
ましくは炭素数4以上のコバルトの有機酸塩である。こ
の(A)コバルトの有機酸塩の具体例は、酪酸塩、ヘキ
シル酸塩、ヘプチル酸塩、2−エチル−ヘキシル酸など
のオクチル酸塩、デカン酸塩や、ステアリン酸、オレイ
ン酸、エルカ酸などの高級脂肪酸塩、安息香酸塩、トリ
ル酸塩、キシリル酸塩、エチル安息香酸などのアルキ
ル、アラルキル、アリル置換安息香酸塩やナフトエ酸
塩、アルキル、アラルキルもしくはアリル置換ナフトエ
酸塩を挙げることができる。これらのうち、2−エチル
ヘキシル酸のいわゆるオクチル酸塩や、ステアリン酸
塩、安息香酸塩が、有機溶媒への優れた溶解性のために
好ましい。
ィン化合物は、重合触媒の活性化、ビニル結合構造およ
び結晶化度の制御に必須の成分であり、一般式(I)で
表される有機リン化合物である。
されないが、好ましくは1〜6である。(B)ホスフィ
ン化合物としては、トリ(3−メチルフェニル)ホスフ
ィン、トリ(3−エチルフェニル)ホスフィン、トリ
(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(3,5−ジ
メチルフェニル)ホスフィン、トリ(3,4−ジメチル
フェニル)ホスフィン、トリ(3−イソプロピルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(3−t−ブチルフェニル)ホス
フィン、トリ(3,5−ジエチルフェニル)ホスフィ
ン、トリ(3−メチル−5−エチルフェニル)ホスフィ
ン、トリ(3−フェニルフェニル)ホスフィン、トリ
(3,4,5−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリ
(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィ
ン、トリ(4−エトキシ−3,5−ジエチルフェニル)
ホスフィン、トリ(4−ブトキシ−3,5−ジブチルフ
ェニル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフェニル)ホ
スフィン、トリ(3−メトキシフェニルホスフィン)、
トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルフェ
ニルホスフィン、ジシクロヘキシルベンジルホスフィ
ン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリベンジ
ルホスフィン、トリ(4−メチルフェニルホスフィ
ン)、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−
ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホ
スフィノブタン、トリ(4−エチルフェニルホスフィ
ン)などを使用することができる。これらのうち、特に
好ましいものとしては、トリフェニルホスフィン、トリ
−(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリ−(4−メ
トキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ
(4−メトキシフェニル)ホスフィンなどが挙げられ
る。
有機アルミニウムは、重合に関与する遷移金属化合物を
共役ジエンの重合に適した配位構造をとれるような還元
状態に維持させる還元剤としての作用をなすものであ
る。(C)成分のうち、アルミノオキサンとしては、例
えば一般式(II) または一般式(III)
整数を示す)で表される有機アルミニウム化合物を挙げ
ることができる。この一般式(II) あるいは(III)で表
されるアルミノオキサンにおいて、R′はメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好まし
くはメチル基である。また、mは、2以上、好ましくは
5以上、さらに好ましくは10〜100の整数である。
このアルミノオキサンの具体例としては、メチルアルミ
ノオキサン、エチルアルミノオキサン、プロピルアルミ
ノオキサン、ブチルアルミノオキサンなどを挙げること
ができる。
サンのほかに、他のアルミニウム化合物を併用すること
ができる。この他のアルミニウム化合物としては、アル
キルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム化
合物、アルキルアルミニウムアルコキサイドなどが挙げ
られる。このうち、アルキルアルミニウムとしては、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムな
どが挙げられる。
合物は、一般式AlR4 p X3-p (式中、R4 はアルキ
ル基、Xはハロゲン原子、pは0、1、1.5または2
を示す)で表される。ここで、アルキル基は、炭素数1
〜8を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
また、ハロゲン原子Xとしては、フッ素原子、塩素原
子、ヨウ素原子が挙げられ、特に塩素原子が好ましい。
物の具体例としては、ジエチルアルミニウムフルオライ
ド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイ
ド、ジイソブチルアルミニウムフルオライド、ジイソブ
チルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウ
ムブロマイド、ジイソブチルアルミニウムアイオダイ
ド、ジヘキシルアルミニウムフルオライド、ジヘキシル
アルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムブロ
マイド、ジヘキシルアルミニウムアイオダイド、ジオク
チルアルミニウムフルオライド、ジオクチルアルミニウ
ムクロライド、ジオクチルアルミニウムブロマイド、ジ
オクチルアルミニウムアイオダイド、エチルアルミニウ
ムジフルオライド、エチルアルミニウムジクロライド、
エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウム
ジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムセスキクロライド、アルミニウムトリクロライ
ド、アルミニウムトリブロマイド、アルミニウムトリア
イオダイドなどが挙げられる。
イドとしては、一般式AlR5 q (OR6 ) 3-q(式
中、R5 およびR6 は同一または異なりアルキル基、q
は1または2を示す)で表される有機アルミニウム化合
物のアルコキシ誘導体が挙げられる。このうち、アルキ
ル基は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状アルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、ヘキシル基、オクチル値など挙げられる。
ましい具体例としては、ジエチルアルミニウムモノメト
キサイド、ジエチルアルミニウムモノエトキサイド、ジ
エチルアルミニウムモノブトキサイド、ジイソブチルア
ルミニウムモノメトキサイド、ジイソブチルアルミニウ
ムモノブトキサイド、エチルアルミニウムジメトキサイ
ド、エチルアルミニウムジエトキサイド、エチルアルミ
ニウムジブトキサイド、イソブチルアルミニウムジメト
キサイド、イソブチルアルミニウムジエトキサイド、イ
ソブチルアルミニウムジブトキサイドなどが挙げられ
る。
リメチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムモノエト
キサイド、ジエチルアルミニウムモノエトキサイド、エ
チルアルミニウムモノエトキサイド、およびエチルアル
ミニウムジエトキサイドが、アルミノオキサンとの併用
において高触媒活性を有するので好ましい。
ルミニウム化合物に対するアルミノオキサンの使用割合
は、アルミニウム原子比で100/0〜30/70であ
る。以上の他のアルミニウム化合物は、アルミノオキサ
ンと併用して1種または2種以上で用いられる。
に応じてエステル化合物、アルコール化合物、フェノー
ル化合物、スルホキサイド化合物、含チッ素複素環化合
物、水、第3級アミン化合物などの重合活性剤を添加し
てもよい。この重合活性剤の添加量は、(C)有機アル
ミニウムのAl原子に対し、10-3〜10モル当量であ
る。
用量は、共役ジエン1モルあたり、(A)コバルトの有
機酸塩は、コバルト原子換算で0.001〜1ミリモ
ル、好ましくは0.01〜0.5ミリモル程度である。
また、(B)ホスフィン化合物の使用量は、(A)成分
のコバルト原子に対するリン原子の比(P/Co)とし
て、通常、0.1〜50、好ましくは0.5〜20、さ
らに好ましくは1〜20である。この比が0.1未満で
も50を超えても、重合活性が低下する。さらに、
(C)有機アルミニウムの使用量は、(A)コバルトの
有機酸塩のコバルト原子に対するアルミニウム原子の比
(Al/Co)として、通常、4〜107 、好ましくは
10〜106 である。
任意の順序で、不活性有機溶媒中で混合することによっ
て調製される。好ましくは、(A)成分と(B)成分を
あらかじめ混合して調製すると、高活性な触媒が安定よ
く形成できる。また、(C)有機アルミニウムは、あら
かじめ混合し、(A)〜(B)成分と反応系中で接触さ
せることが好ましい。なお、触媒は、これを本発明の
1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジエンに接触さ
せる前にあらかじめ各成分を混合して調製しておいても
よく、また重合反応器中で該共役ジエンの存在下で各成
分を混合して調製することもできる。
する共役ジエンを、前記触媒、すなわち(A)〜(C)
成分を主成分とする触媒を用い、重合溶媒に炭素数2〜
6の脂肪族炭化水素を用いてスラリー重合する。重合溶
媒として用いられる炭素数2〜6の脂肪族炭化水素とし
ては、例えばエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサンなどのパラフィン、エチレン、プロピレン、ブテ
ン類、ペンテン類、ヘキセン類などのオレフィンや、こ
れらの混合物、いわゆるC4 留分、C5 留分などが挙げ
られる。
重合温度の設定も重要な因子となる。重合温度は、通
常、−50〜100℃、好ましくは−40〜80℃、さ
らに好ましくは−30〜60℃の範囲であり、−50℃
未満では広い範囲の融点、分子量の重合体に適用可能で
あるが、重合速度の低下や低温の維持のため大きなエネ
ルギーを要するので実用的でなく、一方100℃を超え
ると高融点でかつ高分子量の狭い範囲の分子特性を有し
た重合系のみにしか適用できず、実用的ではない。本発
明のスラリー重合において、重合反応は、回分式でも、
連続式でもよい。
ン系重合体は、前記重合溶媒への溶解度が低いので、析
出が起こる。このとき、高い攪拌効率の維持が重合体を
粒状に生成させ、重合系にスラリー状となって存在する
ための条件である。ここで定義する攪拌効率は、単位体
積あたりに必要な攪拌動力〔Pv(kw/m3 )〕で表
され、この値が5×10-3kw/m3 以上、好ましくは
0.01kw/m3 以上であればよい。攪拌動力がこの
値未満では、スラリーは形成されず、均一な攪拌、除
熱、移送などに問題のある膨潤した寒天状の重合体が生
成する。ここで、スラリー状とは、重合系を静置後、重
合体粒子が沈澱または浮遊状態で分離する状態、または
分離しなくても大部分の重合体がろ過工程によって分離
できる状態となった形態をいう。重合溶媒として、芳香
族炭化水素、脂環族炭化水素あるいはハロゲン化炭化水
素を用いると、均一な重合溶液として得られるか、ある
いは結晶性の高い重合体の場合には、流動状態の悪い膨
潤状態でしか得られず、生成重合体の分離、回収が困難
となり、本発明の目的の一つである高生産性を達成する
ことができない。
系中のスラリー濃度を規定する単量体濃度も重要な因子
となる。単量体濃度は、通常10〜50重量%、好まし
くは10〜35重量%である。10重量%未満では、ス
ラリー重合による高生産性のメリットがない。一方、5
0重量%を超えると、重合温度の上昇が速く重合の制御
が困難となるので好ましくない。
触媒および重合体を失活させないために、重合系内に酸
素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の
混入を極力なくすような配慮が必要である。重合反応が
所望の段階まで進行したら、反応混合物をアルコール、
その他の重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤などを添加し、次いで未反応の単量体を蒸発除去
し、スラリー状態の重合生成物をろ別し、洗浄、乾燥し
て目的のブタジエン系重合体を得ることができる。この
ように、生成されたブタジエン系重合体は、重合系の粘
度が極めて低いので、結晶化度の高い高融点の重合体お
よび/または分子量の高い重合体の製造においても単量
体濃度を下げなくても、条件によっては溶液重合時に較
べて高濃度下で反応を進行させることができ、またスラ
リー状であるため、生成重合体の分離は極めて容易であ
り、高い生産性が確保される。
エン系重合体は、ブタジエン部分のビニル結合含量が8
0%以上、好ましくは85%以上である。また、本発明
で得られるブタジエン系重合体の融点は、50〜150
℃、好ましくは50〜145℃である。さらに、本発明
で得られるブタジエン系重合体の分子量は、広い範囲に
わたって変化させることができるが、そのポリスチレン
換算の重量平均分子量は、通常、104 〜106 、好ま
しくは5×105 〜106 であり、104 未満では強度
的性質に劣るために好ましくなく、一方106 を超える
と加工性が劣り、ロールやバンバリーでの混練り時にト
ルクが過大にかかったり、配合薬品やカーボンブラック
などの補強剤の分散が不良となり加硫物の性能が劣るな
どの問題が生起し好ましくない。
合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(M
w/Mn)を広い範囲にわたって変化させることができ
るが、通常、1.5〜5.0である。
は、該重合体を、単独でまたは他の合成ゴムもしくは天
然ゴムとブレンドして原料ゴムとして配合し、必要なら
ばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの
充填剤、加硫剤および加硫促進剤などの通常の加硫ゴム
配合剤を加えてゴム組成物とし、これを加硫し、機械的
特性および耐摩耗性が要求されるゴム用途、例えばタイ
ヤ、ホース、ベルト、スポンジ、履物素材、シート、フ
ィルム、チューブ、包装材、樹脂の改質材、感光性材
料、その他の各種工業用品に用いることができる。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らないかぎり重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠った。
ブタジエン系重合体のビニル結合含量は、赤外吸収スペ
クトル法(モレロ法)によって求めた。ブタジエン系重
合体の融点は、DSC(示差走査熱量計)を用い、AS
TMD3418に準じて測定した。重量平均分子量およ
び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)〔(株)島津製作所製、C−4A〕を
用い、40℃、テトラヒドロフランを溶媒として測定し
た。
00mlのオートクレーブに、n−ヘキサン500g、
1,3−ブタジエン100g、水素ガスを2.2ミリモ
ル加え、さらに引き続き攪拌しながらメチルアルミノオ
キサン(MAO)の10%トルエン溶液、2−エチルヘ
キシル酸コバルトとトリフェニルホスフィンのトルエン
混合溶液を、1,3−ブタジエン(BD)/2−エチル
ヘキシル酸コバルト(Co有機酸塩)のモル比=10,
000、トリフェニルホスフィン/Co有機酸塩の原子
比=2.5、MAO/Co有機酸塩のAl/Co原子比
=150になるように加え、毎分300回転の攪拌を行
いながら、10℃で60分間重合した。反応停止は、停
止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを
含む少量のメタノールを反応系に加えることによって行
った。次いで、未反応の共役ジエンを蒸発除去し重合後
の重合反応液を観察したところ、粉末状のポリマーが沈
澱分離したスラリー状であった。ろ別回収後、40℃で
真空乾燥し、収量から重合体収率を求めた。結果を表1
に示す。なお、この重合系の単位体積あたりの攪拌動力
(Pv)は、8.25×10-2kw/m3 であった。
n−ペンタン(実施例2)、ブタン(実施例3)、ある
いはプロパン(実施例4)を用いた以外は、実施例1と
同様に操作した。重合後、耐圧ガラスの観察窓を有した
連結管をオートクレーブ底部に取り付け、連結管へ重合
液を移送し、その状態を観察したところ、いずれも重合
体は実施例1と同様に粉末状に分散したスラリー状であ
った。それぞれを、重合後、未反応のブタジエン、各重
合溶媒を蒸発除去し、重合体粉末を得た。結果を表1に
示す。
芳香族炭化水素のトルエン(比較例1)、脂環族炭化水
素のシクロヘキサン(比較例2)、あるいはハロゲン化
炭化水素の塩化メチレン(比較例3)を用いた以外は、
実施例1と同様の条件で重合を行った。重合後、同様に
重合停止の操作を行った。重合液は、粘稠な均一溶液で
あった。凝固剤として、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾールを含む多量のメタノールを用い、重合体を析
出分離させた。さらに、40℃で真空乾燥し、収量から
重合体収率を求めた。結果を表1に示す。
代わりに、トリ(m−トリル)ホスフィンを用いた以外
は、実施例1と同様の操作で実験を行った。重合後の重
合液は、スラリー状であった。結果を表1に示す。
較例4)、脂環族炭化水素のシクロヘキサン(比較例
5)、あるいはハロゲン化炭化水素の塩化メチレン(比
較例6)に代えた以外は、実施例5と同様の条件で重合
を行った。重合後、同様に重合停止の操作を行った。重
合後の重合液の状態は、いずれも寒天状の膨潤状態であ
り、もはや流動しない状態であった。重合体をオートク
レーブから掻き出し、凝固剤として2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールを含む多量のメタノールを用い、
重合体を析出分離させた。さらに、40℃で真空乾燥
し、収量から重合体収率を求めた。結果を表1に示す。
は、比較例6と同様の条件で重合を行った。重合後の重
合液の状態は、依然として流動性の悪い寒天状の膨潤状
態であった。重合体をオートクレーブから掻き出し、凝
固剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを
含む多量のメタノールを用い、重合体を析出分離させ
た。さらに、40℃で真空乾燥し、収量から重合体収率
を求めた。結果を表1に示す。
独の代わりに、メチルアルミノオキサンとジエチルアル
ミニウムクロライドの混合物(Al原子比で80/2
0)を使用した以外は、実施例1と同様の条件で重合し
た。重合体は、スラリー状で得られた。結果を表1に示
す。 実施例7〜8 重合条件を表1に示す重合溶媒、重合温度、単量体仕込
み濃度の条件で、その他の重合条件と操作は、実施例3
と同様に行った。結果を表1に示す。
回転の低速回転に代えた以外は、実施例1と同様の重合
操作を行った。得られた重合体は、膨潤した寒天状態で
流動性の乏しい形態を示した。結果を表1に示す。な
お、この重合系の単位体積あたりの攪拌動力(Pv)
は、4.9×10-4kw/m3 であった。
代え、また水素を使用せずBD/Coモル比を30,0
00に代えた以外は、同様の操作を行った。重合器を冷
却後、重合後の重合体を観察すると、膨潤した寒天状態
で流動性の乏しい形態であった。結果を表1に示す。
モル比を75,000に代えた以外は、同様の重合操作
を行った。ただし、重合温度が急激に上昇したので、1
5分間で重合停止剤のメタノールを加え、重合を停止さ
せた。重合後の重合体は、器壁に膨潤した寒天状のもの
と、攪拌部分に粉末状のスラリーが混在した形態であっ
た。結果を表1に示す。
1〜8)によれば、高ビニル結合含量を有し、結晶性で
高分子量であり、得られる生成重合体もスラリー状で分
離・回収が容易なブタジエン系重合体が高収率かつ高生
産性で得られることが分かる。
発明の範囲外の重合溶媒を用いているため、生成重合体
が溶液状あるいは膨潤状で得られる。そのため、分離・
回収に手間がかかり、また高粘度または流動性の乏しい
状態となり、重合時の除熱の問題があり、例えば分子量
分布が広くなったりし均質な重合体の製造に問題があ
る。また、実用的にも移送が困難となる。さらに、これ
らの問題点のため、重合体の分離、溶媒の回収にも手間
がかかるという実際的な問題がある。また、比較例8
は、重合系の攪拌翼の回転速度が遅いため、また比較例
9は重合温度が高すぎるために、いずれもスラリー重合
とはならず、さらに比較例10では、重合系の単量体濃
度が高すぎるために、やはりスラリー重合とはならず、
一部膨潤して本発明の目的を達成し得ないことが分か
る。
かつ特定の重合溶媒中でスラリーを形成させて重合する
ことにより、特に結晶性の高いおよび/または分子量の
高い高ビニル結合含量の結晶性ブタジエン系重合体を高
生産性で製造することが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 1,3−ブタジエンを少なくとも50モ
ル%以上含有する共役ジエンを、(A)コバルトの有機
酸塩、(B)ホスフィン化合物、および(C)アルミノ
オキサンを含有する有機アルミニウムを含む触媒を用
い、重合溶媒に炭素数2〜6の脂肪族炭化水素を用い、
生成する重合体を析出させスラリー状の形態で重合する
ことを特徴とする高ビニル結合を有するブタジエン系重
合体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28702592A JP3211416B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28702592A JP3211416B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06116318A true JPH06116318A (ja) | 1994-04-26 |
| JP3211416B2 JP3211416B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=17712073
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28702592A Expired - Lifetime JP3211416B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3211416B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2025028599A1 (ja) * | 2023-08-02 | 2025-02-06 | 株式会社Eneosマテリアル | 1,2-ポリブタジエンの製造方法および触媒組成物 |
-
1992
- 1992-10-02 JP JP28702592A patent/JP3211416B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2025028599A1 (ja) * | 2023-08-02 | 2025-02-06 | 株式会社Eneosマテリアル | 1,2-ポリブタジエンの製造方法および触媒組成物 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3211416B2 (ja) | 2001-09-25 |
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