JPH0611744B2 - 芳香族イソシアナ−トの製造方法 - Google Patents

芳香族イソシアナ−トの製造方法

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JPH0611744B2
JPH0611744B2 JP60030553A JP3055385A JPH0611744B2 JP H0611744 B2 JPH0611744 B2 JP H0611744B2 JP 60030553 A JP60030553 A JP 60030553A JP 3055385 A JP3055385 A JP 3055385A JP H0611744 B2 JPH0611744 B2 JP H0611744B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリウレタンや農薬等の原料として有用な芳香
族イソシアナートの製造方法に関する。更に詳しくは芳
香族ニトロ化合物と一酸化炭素から対応するイソシアナ
ートを直接製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
芳香族イソシアナートの現行の工業的製造法は、ニトロ
化合物を還元してアミンとし、次いで一酸化炭素と塩素
から別途合成したホスゲンをアミンに反応させてイソシ
アナートを得る方法である。しかし中間に水素や塩素を
使用せず、且つ毒性の強いホスゲンを取扱うことなく、
ニトロ基を一酸化炭素と直接反応させて1工程でイソシ
アナート基に変えることにより芳香族イソシアナートが
製造できれば望ましい。この直接イソシアナート化法で
は、ニトロ化合物から一段反応でしかも塩酸を副生する
ことなくイソシアナートを製造できることからも経済的
に有利となる。
芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素を高温加圧下に貴金属
化合物を主成分とする適当な触媒の存在下に式(1)に従
って反応させて、 Ar(NO2)n+3nCO→Ar(NCO)n+2nCO2…(1) 芳香族イソシアナートを直接合成する方法は公知であ
り、貴金属化合物を主触媒とする種々な触媒系が多数提
案されている。
即ち、貴金属、貴金属の化合物又はその錯化合物を主触
媒とし各種の助触媒を使用する方法が数多く提案されて
いる。
例えば助触媒としてバナジウム化合物を用いた方法とし
ては、バナジウムの酸化物を用いた方法が特公昭45−22
722 に、特公昭45−35774 及び特公昭48−42632 に、バ
ナジウムの塩化物を用いた方法が特公昭48−43110 に述
べられている。
また助触媒として鉄化合物を用いた方法としては、鉄の
酸化物を用いた方法が特公昭48−43108 に、鉄の塩化物
を用いた方法が特公昭48−43110 に述べられており、更
にトリクロロトリス(ピリジン)鉄のような塩化鉄と含
窒素複素環式化合物の錯化合物を用いた方法が特公昭49
−16412 に述べられている。
また助触媒としてバナジウムの酸化物とリンの酸のハロ
ゲン化物を挙げている方法が特公昭45−35774 に述べら
れている。
しかしいずれも多量の主触媒を使用しているにもかかわ
らず反応速度が遅く、転化率及び芳香族イソシアナート
の収率が低いうらみがある。
一方主触媒としてパラジウムのハロゲン化物、そのピリ
ジンまたはキノリンの錯体おおびパラジウムのハロゲン
化物とバナジウム酸化物の混合物からなる群から選ばれ
た触媒を用い、ヒドロキシ置換炭化水素の存在下に反応
を行って芳香族イソシアナートを製造する方法が特公昭
48−43113 に提示されている。しかしその実施例にも示
されているが、収率が低く、しかも触媒を多量に要して
おり、工業的実施には不充分と思われる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上の様に芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素から芳香族
イソシアナートを製造する方法に於て、主触媒としてパ
ラジウムまたはその化合物を用い反応を改良するために
種々の助触媒系を用いる方法が提案されているが、公知
の方法では触媒の活性や選択性が低いために高価な貴金
属の主触媒を原料ニトロ化合物に対し多量に用いなけれ
ばならず、その上目的物の収率が低い。
また、主触媒が反応中に分解して反応器壁に析出付着
(プレートアウト)し、触媒活性が一層低下したり、又
反応器の材質を腐食するなどの問題点がある。
本発明は叙上の観点に立つてなされたものであり、本発
明の目的とするところは、新しい触媒系を用い、添加剤
との組み合せによって極めて少量の貴金属触媒を用い、
高収率でしかも簡略化された工程で芳香族イソシアナー
トを得、しかも反応時の材質の腐食が小さい芳香族イソ
シアナートの製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討し遂に
本発明に至った。
即ち本発明は、 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素とを、パラジウム又は
その化合物と含窒素複素環式化合物との混合物、該含窒
素複素環式化合物の配位したパラジウムの錯体、及び該
錯体と該含窒素複素環式化合物との混合物からなる群よ
り選ばれた1種以上の触媒の存在下に、高温高圧で反応
させる芳香族イソシアナートの製造方法に於て、該反応
を活性水素化合物の存在下に、ハロゲン化されたリンの
化合物、鉄化合物、バナジウム化合物及び第3級アミン
からなる助触媒系を用いて行い、得られた反応物から蒸
留によって芳香族イソシアナートを分離することを特徴
とする芳香族イソシアナートの製造方法である。
本発明に原料として用いられる芳香族ニトロ化合物は芳
香族モノ及びポリニトロ化合物であり、イソシアナート
基及びこれと反応しない置換基を含んでいてもよい。代
表例としては、例えばニトロベンゼン、o−,m−及び
p−ニトロトルエン、o−ニトロ−p−キシレン、ニト
ロメシチレン,1−クロロ−2−ニトロベンゼン、1,
2−ジクロロ−4−ニトロベンゼン、1−ブロモ−4−
ニトロベンゼン、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、
1−トリフルオロメチル−4−ニトロベンゼン、o−,
m−及びp−ニトロフエニルイソシアナート、o−及び
p−ニトロアニソール、o−及びp−ニトロフエネトー
ル、ニトロベンツアルデヒド、ニトロベンゾイルクロリ
ド、メチルニトロベンゾアート、ニトロベンゼンスルホ
ニルクロリド、ニトロベンゾニトリル、2−イソシアナ
ト−4−ニトロトルエン、2−ニトロ−4−イソシアナ
トトルエン、2−イソシアナト−6−ニトロトルエン、
ニトロナフタレン、5−ニトロナフチルイソシアナー
ト、ニトロアンスラセン、(4−イソシアナトフエニ
ル)(4′−ニトロフエニル)メタン、m−ジニトロベ
ンゼン、2,4−ジニトロトルエン、2,6−ジニトロ
トルエン、α,α′−ジニトロ−p−キシレン、ジニト
ロメシチレン、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼ
ン、2,4−ジニトロアニソール、1,5−ジニトロナ
フタレン、4,4′−ジニトロビフエニル、3,3′−
ジメチル4,4′−ジニトロビフエニル、ビス(p−ニ
トロフエニル)メタン、ビス(p−ニトロフエニル)エ
ーテル、ビス(p−ニトロフエニル)チオエーテル、ビ
ス(p−ニトロフエニル)スルホン、トリニトロベンゼ
ン等がある。
これらの中でも特にニトロベンゼン、2,4−及び2,
6−ジニトロトルエン、1,2−ジクロ−4−ニトロベ
ンゼン、1,5−ジニトロナフタレン、ビス(p−ニト
ロフエニル)メタン等は実用的に望ましく用いられる。
本発明方法で用いられる活性水素化合物とは、イソシア
ナートと反応して、常温では安定で高温では容易に解離
してイソシアナートとして反応する化合物、即ちブロッ
クドイソシアナート(Blocked isocyanate)を生成させ
る化合物であって本発明の方法に於ては、解離開始温度
(示差熱分析による重量減少が5%になる温度)が200
℃以下のブロックドイソシアナートを生成させる活性な
水素を持つ化合物を表す。本発明に用いられる活性水素
化合物としては次のものがあげられる。
即ち、シアン化水素やシアノ酢酸エチル等のシアノ化合
物,マロン酸エステル,アセチルアセトンやアセト酢酸
エチル等のアセトアセチル化合物,ヒドロキシルアミン
やアセトンオキシム等のヒドロキシルアミン又はオキシ
ム誘導体,N−メチルアニリンやジフエニルアミン等の
N−置換芳香族アミン類,脂肪族及び芳香族メルカプタ
ン類,フェノール類や6−ヒドロキシテトラリン等の芳
香族ヒドロキシ化合物,α−ピロリドンやカプロラクタ
ムなどのラクタム類、1フェノール−3−メチル−5ピ
ラゾロン等のような5−ピラゾロン化合物、イミダゾー
ル類及びトリアゾール類があげられる。なお、本発明で
用いられるフェノール類としては、フェノール、クロル
フェノール,クレゾール、エチルフェノールあるいは直
鎖または分枝のプロピルー、ブチルー、ノニルフェノー
ルなどのアルキルフェノール、カテコール、レゾルシ
ン、ピロガロール、フロログルシノール、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルメタン、2,2′−イソプロピリ
デンジフェノール、αおよびβ−ナフトール、アントラ
ノール、フェナントロール、などがあげられる。これら
のフェノール類は本反応に不活性な置換基、例えばハロ
ゲン原子、アルキル基、カルボン酸エステル基などの一
価の置換基で置換されていても、またアルキレン基、オ
キシ基、カルボニル基などの二価の置換基で架橋されて
いてもさしつかえない。
これらの活性水素化合物は全く使用しない場合に比較し
て少量の使用で顕著な反応促進および収率向上に効果を
示す。通常芳香族ニトロ化合物のニトロ基に対して0.05
モル比以上、好ましくは0.1モル比以上使用する。芳
香族ニトロ化合物に対して大過剰使用することは経済性
の面から得策でないばかりか、収率が低下する傾向があ
る。通常芳香族ニトロ化合物のニトロ基に対して10モル
比以下、好ましくは5モル比以下で使用される。
一方通常のアルコール類はイソシアナート類と反応しウ
レタンを生成するが、生成したウレタンの解離開始温度
は250℃以上と高く、従って本発明方法の活性水素化合
物の範疇には含まれない。
主触媒として用いられる貴金属化合物としてはパラジウ
ム及びパラジウムのハロゲン化物、硝酸塩、イソシアニ
ド、炭酸塩、カルボン酸塩、酸化物、キレート類等の無
機化合物やカルボニル、アルキル、オレフイン、π−ア
リル基等の配位子を含む有機錯体が挙げられる。好まし
くはハロゲンを含有する化合物であり、例えば塩化パラ
ジウム、臭化パラジウム、沃化パラジウム、塩化パラジ
ウム酸ナトリウム、塩化テトラアンミンパラジウム、ジ
クロロジアンミンパラジウム、ビス(エチレン)パラジ
ウムクロリド、ビス(π−アリル)パラジウムクロリド
等がある。ハロゲンを含有しない貴金属化合物の場合に
は別途にハロゲン化水素、ホスゲン、ハロゲン化炭化水
素、酸ハライドの様な含ハロゲン化合物を添加すること
が望ましい。
主触媒の貴金属への配位子として作用する含窒素複素環
式化合物としては例えば、ピロール、N−メチルピロー
ル、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジ
ン、α−,β−またはγ−ピコリン、4−フエニルピリ
ジン、4−ビニルピリジン、2−フルオロピリジン、2
−クロロピリジン、3−クロロピリジン、2−ブロモピ
リジン、3−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジ
ン、α−ピコリンアルデヒド、α−ピコリン酸メチルエ
ステル、α−ピコリンアミド、2,6−ジメチルピリジ
ン、2−メチル−4−エチルピリジン、2−クロロ−4
−メチルピリジン、2,6−ジシアノピリジン、5,
6,7,8−テトラヒドロキノリン、5,6,7,8−
テトラヒドロイソキノリン、キノリン、イソキノリン、
アクリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、フ
エナントリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、
シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、
ナフチリジン、フエナジン等が挙げられる。
貴金属のハロゲン化物の含窒素複素環式化合物との錯体
の代表例として例えば、ジクロロビス(ピリジン)パラ
ジウム、ジブロモビス(ピリジン)パラジウム、ジヨー
ドビス(ピリジン)パラジウム、ジクロロビス(α−ピ
コリン)パラジウム、ジクロロビス(キノリン)パラジ
ウム、ジクロロビス(イソキノリン)パラジウム、ジク
ロロカルボニル(ピリジン)パラジウム、ジクロロカル
ボニル(2,6−ジメチルピリジン)パラジウム等が挙
げられる。
本発明方法は主触媒のパラジウムまたはその化合物に加
えてハロゲン化されたリンの化合物、鉄化合物、バナジ
ウム化合物および第3級アミンよりなる特殊な化合物の
組み合わせからなる助触媒系を使用することを特徴とす
る。
本発明方法を効果的に実施するためには各触媒成分の使
用が不可欠であるが、特にハロゲン化されたリンの化合
物の添加は効果的であり、触媒系の活性を高め反応を促
進すると同時に、副生物の生成を抑制し目的物の選択性
を増加させる。
本発明方法で用いられるハロゲン化されたリンの化合物
としては例えば三フッ化リン、三塩化リン、三臭化リ
ン、三ヨウ化リン、五フッ化リン、五塩化リン、五臭化
リン、四塩化二リン、四ヨウ化二リンなどのハロゲン化
リン化合物;ジメチルブロモホスフィン、ジフェニルク
ロロホスフィン、エチルホスホラステトラクロリドなど
のアルキルまたはアリール置換ハロゲン化リン化合物;
フッ化ホスホリル、塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、
一塩化二フッ化ホスホリル、二塩化一フッ化ホスホリ
ル、塩化ピロホスホリル、オキシエチル二塩化リンなど
のオキシハロゲン化リン;テトラエチルホスホニウムク
ロリドのような4級ホスホニウムハロゲン化物;エチル
ホスホン酸ジクロリドなどのハロゲン化ホスホニル類;
リン酸メチル=ジクロリドなどのリン酸アルキル=ハロ
ゲニド類などがあげられる。
これらハロゲン化されたリンの化合物はパラジウム1グ
ラム原子に対しリンとして0.05〜20グラム原子、好まし
くは0.1〜10グラム原子が使用される。また原料ニト
ロ化合物1モルに対しては1×10-3モル以上、反応液中
の濃度としては全反応液1kgに対して1×10-4g以上の
濃度で使用することが望ましい。
鉄化合物としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第一
鉄、臭化第二鉄等のハロゲン化鉄、ジクロロトリス
(2,2′−ビピリジル)鉄、テトラブロモ(テトラエ
チルアンモニウム)鉄、テトラクロロ(テトラエチルア
ンモニウム)鉄、テトラクロロビス(テトラエチルアン
モニウム)鉄、ジクロロテトラピリジン鉄等のハロゲン
と塩基を含む鉄錯体、酢酸第一鉄、酢酸第二鉄、蓚酸第
一鉄等のカルボン酸塩、酸化第一鉄、酸化第二鉄、四酸
化三鉄等の酸化物、二水酸化一鉄、一水酸化一酸化鉄、
一水酸化二酢酸化鉄等の水酸化物、四酸化鉄カリウム等
の鉄酸塩、あるいはトリアセチルアセトナト鉄、硝酸第
二鉄などがあげられ、又はカルボニル化合物あるいは有
機錯化合物例えば、フエロセン、鉄アセチルアセトナー
ト、鉄アセチリド、ポルフイリン鉄、鉄フタロシアニン
などがあげられる。鉄成分の使用量は通常、パラジウム
1グラム原子に対して金属として、0.1〜100グラム
原子倍、好ましくは0.2〜10グラム原子倍であり、ま
た芳香族ニトロ化合物に対し1×10-3〜1モル比、好ま
しくは2×10-3〜1×10-1モル比である。この鉄成分の
使用量はあまり少なすぎると期待する触媒活性を得るこ
とができず、またあまり多すぎると反応物の処理が面倒
となり好ましくない。
本発明方法において鉄化合物の使用は反応の活性および
選択性を増すばかりでなく、材質腐食を減少させる効果
がある。
バナジウム化合物としては任意のバナジウム化合物を使
用できる。また用いるバナジウム化合物のバナジウムの
原子価は特に限定されない。
本発明方法において使用し得るバナジウム化合物として
は例えば三塩化バナジウム、四塩化バナジウム等の塩化
物、塩化バナジウム(IV)カリウム等の塩化物の塩、二
塩化酸化バナジウム、三塩化酸化バナジウム等の塩化酸
化物、酸化バナジウム(III)、酸化バナジウム(I
V)、酸化バナジウム(V)等の酸化物、ピロバナジン
酸、メタバナジン酸等のバナジン酸、オルトバナジン酸
ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジ
ン酸カリウム等のバナジン酸塩、硫酸バナジウム(II
I)アンモニウム、蓚酸バナジウム(III)カリウム等の
酸のバナジウム塩、オキシ硫酸バナジウム(IV)、オキ
シ蓚酸バナジウム等の酸のバナジル塩、バナジウム(I
V)オキシアセチルアセトナート等のアセチルアセトン
塩、ヘキサカルボニルバナジウムなどである。
これらのバナジウム化合物はバナジウム1グラム原子に
対してバナジウムに換算して0.05〜20グラム原子、好ま
しくは0.1〜10グラム原子が使用される。0.05グラム
原子より少ない場合は活性が低く、20グラム原子以上の
使用は選択性を低下させる。また原料ニトロ化合物1モ
ルに対しては1×10-4〜1×10-1モル、好ましくは1×
10-3〜5×10-2モルの範囲で使用することが好ましい。
第3級アミンとしては脂肪族、脂肪芳香族、脂環族、芳
香族の第3級アミンおよび含窒素複素環式化合物が用い
られる。これらは無置換の形でもよければ、本反応に対
して不活性な適当な置換基、たとえば、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、アルケニル基、シアノ基、ア
ルデヒド基、アルコキシ基、フエノキシ基、アルキルチ
オ基、フエニルチオ基、カルバミル基、カルボアルコキ
シ基、チオカルバミル基などの置換基を有していてもよ
い。この中には例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの脂
肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,
N−ジエチルアニリン、N,N−ジイソプロピルアニリ
ンなどの脂肪芳香族アミン類、N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミ
ン、N,N−ジイソプロピルシクロヘキシルアミン、1
−.4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタンなどの
脂環族第3級アミン類、トリフェニルアミンなどの芳香
族第3級アミン類、ピリジン、キノリン、イソキノリン
などの含窒素複素環式化合物が含まれる。その中でもウ
レタンの収率向上と反応速度向上の点からは含窒素複素
環式化合物が著しい効果を示す。上記以外の有効な含窒
素複素環式化合物をさらに例示すると1−メチルピロー
ル、1−フェニルピロール、1−メチルイミダゾール、
1−メチルインドール、1−フェニルインドール、イン
ドレニン、2−イソベンザゾール、インドリジン、1−
メチルカルバゾール、2−クロロピリジン、2−ブロモ
ピリジン、2−フルオロピリジン、4−フエニルピリジ
ン、2−、3−および4−メチルピリジン、2−メチル
−5−エチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、
2,4,6−トリメチルピリジン、2−ビニルピリジ
ン、2−スチリルピリジン、3−クロロピリジン、2,
6−ジクロロピリジン、2−クロロ−4−メチルピリジ
ン、4−フエニルチオピリジン、2−メトキシピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、α−ピコリン酸フェ
ニルエステル、γ−ピコリン酸メチルエステル、2,6
−ジシアノピリジン、α−ピコリンアルデヒド、α−ピ
コリンアミド、5,6,7,8−テトラヒドロキノリ
ン、2,2−ジピリジル、2−クロロキノリン、アクリ
ジン、フェナントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソ
キノリン、ナフチリジン、ピラジン、4,6−ジメチル
ピラジン、2,6−ジメチルピラジン、ピリダジン、ピ
リミジン、キノキサリン、2,3−ジメチルキノキサリ
ン、キナゾリン、フタラジン、フエナジン、シンノリ
ン、プテリジンなどがあげられる。これらはポリビニル
ピリジンのような重合体として用いることもできる。こ
れらの第3級アミンは原料及び他の触媒成分と別別に反
応器に加えてもよければ、その一部をあらかじめ触媒系
の他の成分の一部と共に処理して錯体や付加物などの適
当な化合物に変えて使用することもできる。一例をあげ
るならば、塩化パラジウム、塩化第一鉄およびピリジン
を別々に反応器に加えて反応させることができるが、あ
らかじめ塩化パラジウム−ピリジン錯体を作っておき、
その錯体と他の原料と触媒成分と第3級アミンとを付加
的に加えて反応させることができる。
使用する第3級アミンの量は原料として使用するニトロ
化合物のニトロ基に対して0.05モル比以上、好ましくは
0.1モル比以上が使用される。0.05モル比以下では反
応が非常に遅くなり選択性も低下する。
また更に本発明は上記の触媒系に、従来公知の種々のル
イス酸、金属化合物、有機無機化合物からなる助触媒添
加剤等を1種またはそれ以上併用して実施することがで
きる。
本発明の方法は溶剤を用いないで実施することもできる
が、芳香族ニトロ化合物を溶剤で稀釈して反応させるの
が望ましい。使用される溶剤は原料や生成物に不活性な
液体であればすべて有効であり、特に制限を受けるもの
ではないが、通常は例えばヘプタン、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、各種石油留分の様な脂
肪族、脂環族及び芳香族炭化水素類、例えばジクロロメ
タン、パークロロエチレン、テトラクロロエタン、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレンの様
なハロゲン化炭化水素類等が用いられる。
溶剤の使用量は特に制限はなく全く任意であり、反応形
式によって適当量は異なる。しかしその使用量は、通常
は溶剤中の芳香族ニトロ化合物の濃度として3から50重
量%の範囲である。溶剤の混合方法も特に制限はなく、
芳香族ニトロ化合物、主触媒及び助触媒と全く任意の順
序と割合で混合することができる。
反応原料として消費される一酸化炭素の量は化学量論的
には式(1)に従つてニトロ基1モル当り3モルであり、
同時に2モルの二酸化炭素が副生される。実際に反応器
内に仕込まれる一酸化炭素の使用量は、芳香族ニトロ化
合物の濃度、触媒の使用量、反応器の形式、反応温度、
反応圧力等によって適当量が異なるが、最低限度は反応
器内のニトロ基量に対し3倍モルは必要であり、通常は
5から100倍モル、望ましくは7から20倍モルの範囲で
ある。また反応は副生する二酸化炭素を含んだままの回
分式で実施できるが、反応の進行に応じて増加する二酸
化炭素を反応器から除去しながら、同時に一酸化炭素を
リサイクルと補給して、一酸化炭素に対する二酸化炭素
の反応器内モル比を小さく保つて反応させる方が望まし
い。
反応温度は100〜250℃、望ましくは150〜230℃の範囲が
用いられる。
反応圧力は10〜1000kg/cm2、通常は50〜500kg/cm2
範囲が用いられる。
反応時間は通常0.5〜10時間の範囲であり、前記諸条
件の選択に応じて実用的な最適時間がこの範囲内で決定
される。
本発明の実施形態を詳述すると、反応は回分式、半連続
式または連続式で実施することができる。通常は芳香族
ニトロ化合物を溶剤に溶かした溶液と触媒各成分は反応
に先立ち混合して、または別々に反応器内に供給され
る。反応器は一酸化炭素で反応圧力に加圧され且つ反応
温度に保たれる。連続式では連続的に反応器内の二酸化
炭素混合気体が排出され、一酸化炭素が圧入される。
所定時間を経過した反応混合物は、冷却され、又はその
まゝガスを分離する。得られた反応混合液は、蒸留に付
され、製品イソシアナート、溶剤、触媒及び副製品に分
けられる。回収された触媒と溶剤はそのまゝまたは必要
なら適当な処理を行なって再び反応に使用される。また
もし反応混合液中に少量の原料がまたはポリニトロ化合
物を原料とした場合のニトロイソシアナート中間体が残
存している場合は、同時にこれらも分離され反応器へ循
環される。製品イソシアナートは用途に応じて慣用の精
製操作が施される。
かくして本発明の方法に従えば、高活性な触媒系の使用
により芳香族ニトロ化合物から対応するイソシアナート
を高収率で経済的に製造することきができる。
〔実施例〕
本発明を実施例又は比較例により具体的に説明する。
以下の実施例又は比較例では反応はすべてステンレス鋼
(SUS−316L)製の電磁かきまぜ式オートクレーブを用
いた。
また実施例中の転化率及び収率は15%シリコンDC550/
ガスクロムQ,150℃,ビフエニル内部標準によるガス
クロマトグラフ分析の結果から算出した。
また腐食率はSUS−316Lのテストピースを入れ、その表
面積と反応後の重量減少から計算して、mm/yearで表し
た。
なお実施例中ジニトロトルエンはDNT、トリレンジイ
ソシアナートはTDI、ニトロトリルイソシアナートは
NITと略称し、置換基の位置を示す必要がある時間
は、例えば2,4−ジニトロトルエンは2,4−DNT
のように位置を示す数字を前につけ加えた。
実施例−1 内容積500mlのオートクレーブに2,4−DNT15g、
フェノール1.55g、ジクロロビス(ピリジン)パラジウ
ム0.189g、塩化ホスホリル0.086g、メタバナジン酸ア
ンモニウム0.033g、ジクロロビス(ピリジン)鉄0.321
g、キノリン4.9g、o−ジクロロベンゼン193gからな
る溶液を仕込んだ。
オートクレーブ内を窒素で置換し、一酸化炭素で160kg
/cm2Gまで加圧した。撹拌しながら220℃に昇温し同温
度で300分反応した。途中、圧力が240kg/cm2Gまで下
がる毎に一酸化炭素を260kg/cm2Gまで加圧補給した。
反応終了後、オートクレーブを冷却せず反応温度に保っ
たまま放圧し、排気ガスに同伴するo−ジクロロベンゼ
ン、フェノールおよび一部のキノリンをコンデンサーを
通して凝縮補集した。常圧まで排気後、オートクレーブ
中の反応液の一部をとり分析した結果、反応液には2,
4−TDIが11.5g含まれていることがわかり、仕込ん
だ2,4−DNTに対し80モル%の収率であった。
オートクレーブを徐々に減圧し、270〜150mmHgの減圧度
で留出するキノリンおよび2,4−TDIの混合物より
なる留分を補集し、その留分を内径25mm、高さ1mのマ
クマホン充てん塔を用いて精密蒸留し、2,4−TDI
留分(120〜117℃/15〜9mmHg)11.3gを得た。SUS−3
16Lの腐食率は0.02mm/yearであった。
実施例−2 実施例−1と同じ操作で2,4−DNTと一酸化炭素を
反応させ、昇温後210分で反応を止め、放圧後の反応液
を分析したところ未反応2,4−DNTは存在せず仕込
んだ2,4−DNTに対して60モル%の2,4−TDI
および25モル%のNITが含まれていた。
比較例−1および実施例3〜6 本発明方法における活性水素化合物の効果を示すために
活性化水素化合物以外は実施例−2と同様に反応させ、
活性水素化合物としては使用しない場合を比較例−1と
し、フェノール類の量及び種類を変えた場合を実施例−
3〜6とし、ε−カプロラクタム及びアセトンオキシム
を使用した場合を実施例−7〜8とし、その結果を再度
実施例−2の結果とあわせてて表−1に示す。
いずれも活性水素化合物を使用しない場合の比較例に比
べて反応は速く、従ってニトロ基の転化率は高く、かつ
全イソシアナート収率も高い値を示した。
比較例−2〜4 本発明方法における助触媒の効果を示すために比較例−
2においては、塩化ホスホリルを使用せずに、比較例−
3においてはメタバナジン酸アンモニウムを使用せず
に、比較例−4においてはジクロロビス(ピリジン)鉄
を使用せずそれ以外は実施例−2と同様に2,4−DN
Tと一酸化炭素 を反応させた結果を表−2に示す。
本発明方法の助触媒成分のいずれかを欠くといずれもニ
トロ基転化率及び全イソシアナート収率が低下した。
実施例−9〜14 仕込み原料、触媒の種別と使用量ならびに反応温度と時
間を一部変更した以外は実施例−3と同様に反応させ
た。結果を表−3に示す。
実施例−15 トルエンのニトロ化により得た粗DNT31.3g(2,4
−DNT24g、2,6−DNT6gの他に少量のニトロ
トルエンとして2,3−、3,4−および2,5−DN
T異性体を含む)、フェノール46.5g、ジクロロビス
(キノリン)パラジウム0.492g、塩化ホスホリル0.173
g、メタバナジン酸アンモニウム0.066g、ジクロロビ
ス(キノリン)鉄0.870g、キノリン4.9g、o−ジ
クロロベンゼン134gを用いて実施例−1と同様な操作
でこれらの原料および触媒と一酸化炭素を反応温度190
゜、反応時間180分反応させた。反応 後の分析結果、未反応DNTおよび中間体NITは認め
られず、2,4−および2,6−TDIが合計25.0g含
まれていた。これは仕込んだ2,4−及び2,6−DN
Tに対して87.1%の収率に相当する。オートクレーブ内
の反応液を実施例−1と同じ操作で蒸留し、2,4−お
よび2,6−TDI合計23gを含む留分を得た。SUS−3
16Lの腐食率は0.06mm/yearであった。
〔発明の効果〕
本発明方法によれば芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素か
ら温和な条件下に簡単な工程により、高収率で芳香族イ
ソシアナートを製造することができる。又本発明の方法
による触媒系は腐食性が極めて少ないので反応装置に常
用の安価な材料を使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/26 31/36 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素とを、パ
    ラジウム又はその化合物と含窒素複素環式化合物との混
    合物、該含窒素複素環式化合物の配位したパラジウムの
    錯体、及び該錯体と該含窒素複素環式化合物との混合物
    からなる群より選ばれた1種以上の触媒の存在下に、高
    温高圧で反応させる芳香族イソシアナートの製造方法に
    於て、 該反応を活性水素化合物の存在下に、ハロゲン化された
    リンの化合物、鉄化合物、バナジウム化合物及び第3級
    アミンからなる助触媒系を用いて行い、得られた反応物
    から蒸留によって芳香族イソシアナートを分離すること
    を特徴とする芳香族イソシアナートの製造方法。
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