JPH06145346A - 新規なオキサゾリン系ブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

新規なオキサゾリン系ブロック共重合体およびその製造方法

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JPH06145346A
JPH06145346A JP29347092A JP29347092A JPH06145346A JP H06145346 A JPH06145346 A JP H06145346A JP 29347092 A JP29347092 A JP 29347092A JP 29347092 A JP29347092 A JP 29347092A JP H06145346 A JPH06145346 A JP H06145346A
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oxazoline
polymer
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block copolymer
block
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JP29347092A
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English (en)
Inventor
Ichiro Namura
一郎 名村
Kenji Minami
賢次 南
Masuji Izumibayashi
益次 泉林
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐溶剤性に富み、強度や可とう性に
優れ、しかも、界面活性に優れている新規なオキサゾリ
ン系ブロック共重合体を提供する。 【構成】 この発明のオキサゾリン系ブロック共重合体
は、下記(I)および(II)の構造を有する。このブロ
ック共重合体は、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリ
ンを開環重合した後、2−メチル−2−オキサゾリンを
開環重合することにより得られる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非イオン性界面活性
剤、表面改質剤、分散剤、乳化剤、相溶化剤、帯電防止
剤、高分子透電剤、接着剤、バインダー、成形材料、生
体適合材料等に利用できる新規なオキサゾリン系ブロッ
ク共重合体に関する。この発明は、また、そのようなオ
キサゾリン系ブロック共重合体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン
の単独重合体は、特開平1-113473号公報、特開平1-1885
62号公報などに記載されており公知である。また、2−
シクロヘキシル−2−オキサゾリンと2−エチル−2−
オキサゾリンまたは2−フェニル−2−オキサゾリンな
どとのランダム共重合体は特開平1-261411号公報などに
記載されており公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の単独重合やラン
ダム共重合体はそれぞれ工業的に有用な特徴を有するも
のであるが、成形材料としては硬くもろい性能を示し、
さらに例えば2−シクロヘキシル−2−オキサゾリンと
親水性のオキサゾリン化合物である2−エチル−2−オ
キサゾリンとの水溶性の共重合体は幾分かの界面活性を
示すが、実用的に十分でないなど不満足な点を残してい
た。
【0004】この発明の目的は、疎水性が強く、硬度、
耐熱性、接着性に優れたは2−シクロヘキシル−2−オ
キサゾリン重合体あるいは2−(L−シクロヘキセニ
ル)−2−オキサゾリン重合体(Lは2′または3′で
ある。)の特徴を生かし、しかも前記の不満足な点を改
良したより工業的に有用な新規なオキサゾリン系ブロッ
ク共重合体、および、その製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、2−シクロ
ヘキシル−2−オキサゾリンあるいは2−(L−シクロ
ヘキセニル)−2−オキサゾリンと、その他のオキサゾ
リン化合物のブロック共重合体が前記の目的を達成しう
るものであることを見出した。特に2−シクロヘキシル
−2−オキサゾリンあるいは2−(L−シクロヘキセニ
ル)−2−オキサゾリンの如き疎水性オキサゾリン化合
物と、2−メチル−2−オキサゾリンあるいは2−エチ
ル−2−オキサゾリンの如き水溶性オキサゾリン化合物
のブロック共重合体が優れた界面活性を示し、界面活性
剤、表面改質剤、分散剤、乳化剤、相溶化剤、帯電防止
剤、高分子透電剤、接着剤、バインダー、生体適合材料
等に有用であることを見出し、この発明に到達したので
ある。これらのブロック共重合体は従来知られておら
ず、本発明者らがはじめて合成し、その工業的有用性を
見出いだしたのである。
【0006】すなわち、この発明は、下記一般式(I)
で示される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有
し、さらに、下記一般式(II)で示される重合体ブロッ
ク(B)を少なくとも1個有するオキサゾリン系ブロッ
ク共重合体を提供する。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1 はシクロヘキシル基、2−シ
クロヘキセニル基または3−シクロヘキセニル基を表
し、mは2以上の数を表す。)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R2 はアルキル基、アルケニル基
またはアリール基を表し、nは2以上の数を表す。) この発明は、また、下記一般式(III) で示されるオキサ
ゾリン化合物(a)を開環重合する工程を少なくとも1
個、および、他のオキサゾリン化合物(b)を開環重合
する工程を少なくとも1個含む逐次多段階重合を行うオ
キサゾリン系ブロック共重合体の製造方法を提供する。
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 はシクロヘキシル基、2−シ
クロヘキセニル基または3−シクロヘキセニル基を表
す。) この発明の製造方法において使用される前記オキサゾリ
ン化合物(b)は、好ましくは、下記一般式(IV)で示
される2−オキサゾリン類から選ばれる少なくとも1つ
である。
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R2 はアルキル基、アルケニル基
またはアリール基を表す。) この発明のオキサゾリン系ブロック共重合体は、上記重
合体ブロック(A)および(B)をそれぞれ1個以上有
し、重合体ブロック(A)および(B)が規則的または
不規則に線状に結合してなる直鎖状重合体である。重合
体ブロック(A)は、2−シクロヘキシル−2−オキサ
ゾリン、および、2−(L−シクロヘキセニル)−2−
オキサゾリン(Lは2′または3′である。)(以下、
「2−シクロヘキセニル−2−オキサゾリン」と言うこ
とがある。)から選ばれる少なくとも1つオキサゾリン
化合物(a)が開環した構造を有し、この発明のブロッ
ク共重合体において疎水性を有するセグメントである。
重合体ブロック(A)では、2−シクロヘキシル−2−
オキサゾリンおよび2−シクロヘキセニル−2−オキサ
ゾリンから選ばれる1つが2以上結合している構造でも
良く、少なくとも2つが規則的にまたは不規則に結合し
ている構造でも良く、少なくとも2つがブロック状に結
合している構造でも良い。ここで最初に挙げた構造の場
合、この発明のブロック共重合体は、2−シクロヘキシ
ル−2−オキサゾリン重合体ブロックからなり2−シク
ロヘキセニル−2−オキサゾリン重合体ブロックを持た
ない重合体ブロック(A)、および、2−シクロヘキセ
ニル−2−オキサゾリン重合体ブロックからなり2−シ
クロヘキシル−2−オキサゾリン重合体ブロックを持た
ない重合体ブロック(A)の少なくとも一方を有するこ
とができる。ここで最後に挙げた構造の場合、この発明
のブロック共重合体は、2−シクロヘキシル−2−オキ
サゾリン重合体ブロックと2−シクロヘキセニル−2−
オキサゾリン重合体ブロックの両方を有する重合体ブロ
ック(A)を有する。重合体ブロック(A)の重合度
は、上記一般式(I)において、mが2以上である。
【0015】重合体ブロック(B)は、オキサゾリン化
合物(a)以外の他のオキサゾリン化合物(b)が開環
した構造を有し、たとえば、この発明のブロック共重合
体において親水性を有するセグメントとすることができ
る。重合体ブロック(B)では、オキサゾリン化合物
(b)から選ばれる1つが2以上結合している構造でも
良く、少なくとも2つが規則的にまたは不規則に結合し
ている構造でも良く、少なくとも2つがブロック状に結
合している構造でも良い。重合体ブロック(B)の重合
度は、上記一般式(II)において、nが2以上である。
【0016】上記一般式(II)において、R2 は、アル
キル基、アルキレン基またはアリール基を表す。ここ
で、アルキル基としては、たとえば、炭素数1〜30の
もの、アルケニル基としては、たとえば、炭素数2〜3
0のもの、アリール基としては、たとえば、置換基を有
するかまたは有しないものとすることができる。重合体
ブロック(B)を親水性セグメントにする場合には、R
2 は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数2〜3の
アルケニル基であることが好ましい。
【0017】重合体ブロック(A)と(B)のモル比
は、特に限定はないが、(A):(B)=1:50〜
0.5であるとブロック共重合体は優れた界面活性を示
し、前記モル比が1:20〜2であると特に優れた界面
活性を示す。この発明のオキサゾリン系ブロック共重合
体の分子量は特に制限されないが、たとえば、重量平均
分子量500〜1,000,000であり、重量平均分
子量500〜10,000が好ましい。共重合体の重量
平均分子量が上記範囲を下回ると重合体としての性質が
発現されないおそれがあり、上回ると成型加工性や溶解
性が低下するおそれがある。
【0018】この発明のオキサゾリン系ブロック共重合
体の製造方法は、上記オキサゾリン化合物(a)を開環
重合する段階および、他のオキサゾリン化合物(b)を
開環重合する段階をそれぞれ少なくとも1段階は含む逐
次多段階重合を行うことによって達成される。ここで言
う逐次多段階重合とは、上記オキサゾリン化合物(a)
を開環重合する工程(i)と、上記オキサゾリン化合物
(b)を開環重合する工程(ii)とを順次行うことであ
り、工程(i)および(ii)は、それぞれ、少なくとも
1回あれば良い。
【0019】この発明の製造方法において必須に使用す
るオキサゾリン化合物(a)のうち2−シクロヘキシル
−2−オキサゾリンは、例えばAngew.Chem.(アンゲバン
テ・ケミー) 78(20),913-27(1966), Justus Liebigs An
n. Chem. (ジュストゥス・リービッヒ・アナーレン・デ
ア・ケミー)(6),996-1009(1974) 等に記載の方法によっ
て合成される。一方、オキサゾリン化合物(a)のうち
2−シクロヘキセニル−2−オキサゾリンは、例えば特
開昭47-82650号公報、ドイツ特許出願公開第2158615 号
(Ger.Offen.2158615)、米国特許第3741961 号に記載の
方法によって合成される、2−(2′−シクロヘキセニ
ル)−2−オキサゾリンおよび/または2−(3′−シ
クロヘキセニル)−2−オキサゾリンである。
【0020】この発明の製造方法に用いるオキサゾリン
化合物(b)は特に制限されないが、典型的な例として
は、たとえば、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エ
チル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキ
サゾリン、2−n−プロピル−2−オキサゾリン、2−
ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキ
サゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニ
ル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリ
ン、2−ウンデシル−2−オキサゾリン、2−ドデシル
−2−オキサゾリン、2−トリデシル−2−オキサゾリ
ン、2−テトラデシル−2−オキサゾリン、2−ペンタ
デシル−2−オキサゾリン、2−ヘキサデシル−2−オ
キサゾリン、2−ヘプタデシル−2−オキサゾリン、2
−オクタデシル−2−オキサゾリン、2−ノナデシル−
2−オキサゾリン、2−エイコシル−2−オキサゾリ
ン、2−ヘンエイコシル−2−オキサゾリン、2−ドコ
シル−2−オキサゾリンなどの2−アルキル置換−2−
オキサゾリン;2−ベンジル−2−オキサゾリン、2−
フェニル−2−オキサゾリン、2−ナフチル−2−オキ
サゾリン、2−アンスリル−2−オキサゾリン、2−ピ
レニル−2−オキサゾリン、2−ペリレニル−2−オキ
サゾリンなどの2−アリール置換−2−オキサゾリン;
2−イソプロペニル−2−オキサゾリンなどの2−アル
ケニル置換−2−オキサゾリン;1,3−フェニレンビ
ス−2−オキサゾリンなどの2官能性の2−オキサゾリ
ン化合物(2−オキサゾリン基を2個有するもの)など
が挙げられる。
【0021】この発明の製造方法において、上記オキサ
ゾリン化合物(a)と上記一般式(IV)で示される2−
オキサゾリン類から選ばれる少なくとも1つを共重合さ
せると、この発明のオキサゾリン系ブロック共重合体が
得られる。この発明の製造方法において、上記オキサゾ
リン化合物(a)と上記2官能性の2−オキサゾリン化
合物を用いて共重合させると、生成したオキサゾリン系
ブロック共重合体は架橋体となる。
【0022】この発明の製造方法により界面活性剤の用
途に適したオキサゾリン系ブロック共重合体を得るため
には、オキサゾリン化合物(b)として、2−メチル−
2−オキサゾリンおよび/または2−エチル−2−オキ
サゾリンを用いるのが特に好ましい。この発明の製造方
法では、上記一般式(IV)で示される2−オキサゾリン
類、および、上記2官能性の2−オキサゾリン化合物
は、たとえば、上記オキサゾリン化合物(a)100重
量部に対して、それぞれ、5〜5000重量部、およ
び、0〜100重量部の割合で使用される。
【0023】この発明のオキサゾリン系ブロック共重合
体は、上記オキサゾリン化合物(a)および(b)を用
い、重合開始剤の存在下、塊状重合または溶液重合によ
って合成できる。溶液重合の場合、使用できる溶媒とし
てはアセトニトリル、ニトロベンゼン、ジメチルホルム
アミド、クロロホルム、ベンゾニトリル等が挙げられ
る。溶媒の使用量は限定されるものではないが、オキサ
ゾリン化合物100重量部に対して20重量部から20
00重量部を使用するとよい。
【0024】本発明において用いる重合開始剤としては
一般のカチオン重合に用いられる開始剤、すなわち、硫
酸エステル、スルホン酸エステル、ハロゲン化アルキ
ル、ルイス酸、プロトン酸等が使用できる。これらの具
体例は、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンス
ルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−
トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸
ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピ
ル、ヨウ化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロ
ピル、臭化ブチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロ
ピル、塩化ブチル、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、五
フッ化アンチモン、トリフルオロメタンスルホン酸等で
ある。好ましくは、p−トルエンスルホン酸メチル、p
−トルエンスルホン酸、ヨウ化メチルを用いるのが良
く、特に好ましくは、p−トルエンスルホン酸メチルが
良い。
【0025】本発明のオキサゾリン系ブロック共重合体
の分子量は500以上であり、使用する開始剤の量を変
えることによって重合体の分子量を任意に調節すること
ができる。開始剤量は通常オキサゾリン化合物に対して
0.1モル%から25モル%の範囲で使用する。この発
明の製造方法において、工程(i)および(ii)の開環
重合を行う温度は室温以上、200℃以下の範囲とする
のが好ましく、より好ましくは60℃〜130℃の範囲
とするのが良い。
【0026】開環重合時間は、たとえば、1〜40時間
である。この発明のオキサゾリン系ブロック共重合体
は、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリンおよび2−
シクロヘキセニル−2−オキサゾリンから選ばれる少な
くとも1つと他のオキサゾリン化合物を逐次多段階重合
することによって得る事が出来る。段階数は2段階以上
であればよく、好ましくは2段階または3段階である。
2−シクロヘキシル−2−オキサゾリンあるいは2−シ
クロヘキセニル−2−オキサゾリンと他のオキサゾリン
化合物の重合の順序は制限がない。また、ブロック共重
合体を確実に得るためには各段階の重合率は90%以上
としておくのが好ましい。
【0027】開環重合を行う装置、オキサゾリン化合
物、溶媒などは出来るだけ水分を含まないようにするの
が望ましい。オキサゾリン化合物や溶媒などの含水率は
0.05%以下とするのが好ましい。この方法によって、A
B型、ABA型、BAB型,ABAB…型、ABC…型
等のブロック重合体を合成することが出来る。ここで、
A、B、C、…は、それぞれ、重合体ブロックのことを
表し、(A)、(B)とは何ら関係がない。また、この
中の一つ、あるいは複数個のブロックをいくつかのオキ
サゾリン化合物のランダム共重合ブロックとすることも
出来る。
【0028】
【作用】この発明のオキサゾリン系ブロック共重合体の
うち、重合体ブロック(A)は、色々な特性を有するも
のであり、たとえば、硬度、耐熱性および接着性に優れ
たセグメントであり、この特長を生かして高分子透電
剤、相溶化剤、接着剤、バインダー、コーティング材、
成形材料、生体適合材料等に使用できる。また、重合体
ブロック(A)は強い疎水性を有しているため、重合体
ブロック(B)として親水性を有するものを組み合わせ
ると、この発明のブロック共重合体は、優れた界面活性
能を有し、乳化剤、分散剤、表面改質剤、帯電防止剤な
どに使用できる。
【0029】この発明の製造方法では、工程(i)によ
り重合体ブロック(A)が作られ、工程(ii)により重
合体ブロック(B)が作られ、強い疎水性を有するセグ
メントと親水性を有するセグメントを有する界面活性機
能に富んだオキサゾリン系ブロック共重合体が生成す
る。この発明の製造方法において、オキサゾリン化合物
(b)として上記一般式(iv)で示される2−オキサゾ
リン類を用いると、この発明のオキサゾリン系ブロック
共重合体が生成する。
【0030】
【実施例】以下、この発明の実施例を示し、この発明を
更に詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。また、特にことわらない限り、
各種溶媒、触媒、オキサゾリン化合物の含水率は0.0
2%±0.01%の範囲のものを使用した。分子量は、
重量平均分子量を示した。
【0031】(実施例1)温度計、滴下ロート及び攪拌
機付き3リットル四つ口フラスコを乾燥窒素にて置換し
た後、このフラスコに室温下、アセトニトリル400m
l、p−トルエンスルホン酸メチル111.72g
(0.6モル)を仕込んだ。攪拌を開始し、油浴にて系
を昇温した。内温を80℃±2℃として、一段目モノマ
ーとして2−メチル−2−オキサゾリン850g(10
モル)を0.5時間かけて滴下し、更に3時間加熱を続
けた(第1段階)。第1段階で得られた重合体(これを
1−aと称する)10gを前記フラスコから抜き取っ
た。その後、二段目モノマーとして2−シクロヘキシル
−2−オキサゾリン229.5g(1.5モル)を0.
5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続け重合を行っ
た(第2段階)。この段階で得られた重合体を1−bと
称する。重合体1−aおよび1−bをそれぞれ精製した
後分子量をVPO(VAPOUR PRESSURE OSMOMETER の略
称。蒸気圧降下法分子量測定装置)によって測定した。
重合体1−aの分子量は1400、重合体1−bの分子
量は1800であり、2段階重合によって分子量が増加
し、ブロック型の共重合体になっていることがわかっ
た。なお、重合体1−aおよび1−bの精製は、ジエチ
ルエーテルによる再沈精製により行った。精製された重
合体1−aおよび1−bは、いずれも、淡黄色を呈した
固体であった。
【0032】重合体1−aの 1H NMR(CDCl3
中)において認められた重合体の化学シフト(ppm)
は次の通りであり、メチル基を有する重合体が合成でき
たことを確認した。2.1(s.(singlet) ,CH3
=O)、3.0(s.,CH 3 N)、3.4(br.
s.(broad singlet) ,−CH2 N)。重合体1−bの
1H NMR(CDCl3 中)において認められた化学
シフト(ppm)は次の通りであり(図1参照)、シク
ロヘキシル基を有するブロックが入っていることを確認
した。1.2、1.3、1.8、2.1、2.6(b
r.m.(broad multiplet) ,−CH2 −,CH3 C=
O,=CH−)、3.0(s.,CH3 N)、3.4
(br.s.,−CH2 N)。図1中、1は、実施例1
で得られたオキサゾリン系ブロック共重合体のNMRチ
ャートである。シクロヘキシル基に由来するシグナルは
そのままであり、一方、オキサゾリン基が完全に開裂し
ているのが確認された。重合体1−bのIRスペクトル
を調べたところ、1630cm-1にアミドのカルボニル
基に基づく吸収が認められ、生成物が2−シクロヘキシ
ル−2−オキサゾリンおよび2−メチル−2−オキサゾ
リンのオキサゾリン環が開環して得られた重合体である
ことが確認された。
【0033】以上の結果から、実施例1で得られた共重
合体は、平均組成が次式:
【0034】
【化9】
【0035】で表される共重合体であると同定された。
この共重合体の1%水溶液の表面張力(ウィルヘルミー
法による。25℃において)は29.5dyne/cm
であり、界面活性が認められた。 (実施例2〜6)表1に示したオキサゾリン化合物を用
いて実施例1と同様に重合を行った。最終的に得られた
共重合体について、VPOによる分子量及び 1H NM
R(CDCl3 中)から求めた重合体ブロックのモル
比、表面張力(ウィルヘルミー法による。25℃におい
て)、精製後の常温下での性状を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例7)温度計、滴下ロート及び攪拌
機付き5リットル四つ口フラスコを乾燥窒素にて置換し
た後、このフラスコに室温下、アセトニトリル2000
ml、p−トルエンスルホン酸メチル111.72g
(0.6モル)を仕込んだ。攪拌を開始し、油浴にて系
を昇温した。内温を80℃±2℃として、一段目モノマ
ーとして2−メチル−2−オキサゾリン425g(5モ
ル)と2−エチル−2−オキサゾリン495g(5モ
ル)の混合液を0.5時間かけて滴下し、更に3時間加
熱を続けた(第1段階)。第1段階で得られた重合体
(これを重合体7−aと称する)10gを前記フラスコ
から抜き取った。その後、二段目モノマーとして2−シ
クロヘキシル−2−オキサゾリン229.5g(1.5
モル)を0.5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続
け重合を行った(第2段階)。この段階で得られた重合
体を重合体7−bと称する。重合体7−aおよび7−b
をそれぞれ実施例1と同様にして精製した後、分子量を
VPOによって測定した。重合体7−aの分子量は15
20、重合体7−bの分子量は1900であり、2段階
重合によって分子量が増加し、ブロック型の共重合体に
なっていることがわかった。精製された重合体7−aお
よび7−bは、それぞれ、淡黄色固体、および、黄白色
固体であった。
【0038】重合体7−aの 1H NMR(CDCl3
中)において認められた重合体の化学シフト(ppm)
は次の通りであり、メチル基、エチル基を有するランダ
ム共重合体が合成できたことを確認した。1.2(b
r.s.,C 3 CH2 C=O)、2.1(s.,CH
3 C=O)、3.0(s.,CH3 N)、3.4(b
r.s.,−CH2 N)。
【0039】重合体7−bの 1H NMR(CDCl3
中)において認められた化学シフト(ppm)は次の通
りであり、シクロヘキシル基を有するブロックが入って
いることを確認した。1.2、1.3、1.8、2.
0、2.1、2.2、2.6(br.m.,−CH
2 −,C 3 CH2 C=O,CH3 C=O,=CH
−)、3.0(s.,CH3 N)、3.4(br.
s.,−CH2 N)。重合体7−bのIRスペクトルを
調べたところ、1630cm-1にアミドのカルボニル基
に基づく吸収が認められ、生成物が2−シクロヘキシル
−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンお
よび2−メチル−2−オキサゾリンのオキサゾリン環が
開環して得られた重合体であることが確認された。
【0040】以上の結果から、実施例7で得られた共重
合体は、平均組成が次式:
【0041】
【化10】
【0042】で表される共重合体であると同定された。
この共重合体の1%水溶液の表面張力(ウィルヘルミー
法による。25℃において)は30.6dyne/cm
であり、界面活性が認められた。 (実施例8〜10)表2に示したオキサゾリン化合物を
用いて実施例7と同様に重合を行った。最終的に得られ
た共重合体について、VPOによる分子量、 1H NM
R(CDCl3 中)から求めた重合体ブロックのモル
比、表面張力(ウィルヘルミー法による。25℃におい
て)、精製後の常温下での性状を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】(実施例11)温度計、滴下ロート及び攪
拌機付き5リットル四つ口フラスコを乾燥窒素にて置換
した後、このフラスコに室温下、アセトニトリル200
0ml、p−トルエンスルホン酸メチル111.72g
(0.6モル)を仕込んだ。攪拌を開始し、油浴にて系
を昇温した。内温を80℃±2℃として、一段目モノマ
ーとして2−メチル−2−オキサゾリン850g(10
モル)を0.5時間かけて滴下し、更に3時間加熱を続
けた(第1段階)。第1段階で得られた重合体(これを
重合体11−aと称する)10gをフラスコから抜き取
った。その後、二段目モノマーとして2−シクロヘキシ
ル−2−オキサゾリン229.5g(1.5モル)を
0.5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続け重合を
行った(第2段階)。この段階で得られた重合体を重合
体11−bと称する。その後、3段目モノマーとして2
−フェニル−2−オキサゾリン220.5g(1.5モ
ル)を0.5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続け
重合を行った(第3段階)。この段階で得られた重合体
を重合体11−cとする。重合体11−a、11−bお
よび11−cをそれぞれ実施例1と同様にして精製した
後、分子量をVPOによって測定した。重合体11−a
の分子量は1400、重合体11−bの分子量は180
0、重合体11−cの分子量は2020であり、3段階
重合によって分子量が増加し、ABC型のブロック共重
合体になっていることがわかった。精製された重合体1
1−a、11−bおよび11−cは、それぞれ、淡黄色
固体、黄白色固体、および、黄色固体であった。
【0045】重合体11−cの 1H NMR(CDCl
3 中)からもメチル基、フェニル基およびシクロヘキシ
ル基が確認され、生成物が2−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリンおよび2−
フェニル−2−オキサゾリンのオキサゾリン環が開環し
て得られた重合体であることが確認された。以上の結果
から、実施例11で得られた共重合体は、平均組成が次
式:
【0046】
【化11】
【0047】で表される共重合体であると同定された。
この共重合体の1%水溶液の表面張力(ウィルヘルミー
法による。25℃において)は28.6dyne/cm
であり、界面活性が認められた。 (実施例12〜14)表3に示したオキサゾリン化合物
を用いて実施例11と同様に重合を行った。最終的に得
られた共重合体について、VPOによる分子量、 1
NMR(CDCl3 中)から求めた重合体ブロックのモ
ル比、表面張力(ウィルヘルミー法による。25℃にお
いて)、精製後の常温下での性状を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】(実施例15)温度計、滴下ロート及び攪
拌機付き5リットル四つ口フラスコを乾燥窒素にて置換
した後、このフラスコに室温下、アセトニトリル200
0ml、p−トルエンスルホン酸メチル111.72g
(0.6モル)を仕込んだ。攪拌を開始し、油浴にて系
を昇温した。内温を80℃±2℃として、一段目モノマ
ーとして2−メチル−2−オキサゾリン850g(10
モル)を0.5時間かけて滴下し、更に3時間加熱を続
けた(第1段階)。第1段階で得られた重合体(これを
重合体15−aと称する)10gをフラスコから抜き取
った。その後、二段目モノマーとして2−シクロヘキシ
ル−2−オキサゾリン229.5g(1.5モル)を
0.5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続け重合を
行った(第2段階)。この段階で得られた重合体を重合
体15−bと称する。その後、3段目モノマーとして2
−メチル−2−オキサゾリン850g(10.0モル)
を0.5時間かけて滴下し、更に4時間加熱を続け重合
を行った(第3段階)。この段階で得られた重合体を重
合体15−cとする。重合体15−a、15−bおよび
15−cをそれぞれ実施例1と同様にして精製した後、
分子量をVPOによって測定した。重合体15−aの分
子量は1400、重合体15−bの分子量は1800、
重合体15−cの分子量は2620であり、3段階重合
によって分子量が増加し、ABA型のブロック共重合体
になっていることがわかった。精製された重合体15−
a、15−bおよび15−cは、それぞれ、淡黄色固
体、黄白色固体、および、淡黄色固体であった。
【0050】重合体15−cの 1H NMR(CDCl
3 中)からもメチル基およびシクロヘキシル基が確認さ
れ、生成物が2−メチル−2−オキサゾリンおよび2−
シクロヘキシル−2−オキサゾリンのオキサゾリン環が
開環して得られた重合体であることが確認された。以上
の結果から、実施例15で得られた共重合体は、平均組
成が次式:
【0051】
【化12】
【0052】で表される共重合体であると同定された。 (実施例16〜17)表4に示したオキサゾリン化合物
を用いて実施例15と同様に重合を行った。最終的に得
られた共重合体について、VPOによる分子量、 1
NMR(CDCl3 中)から求めた重合体ブロックのモ
ル比、精製後の常温下での性状を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】この発明のオキサゾリン系ブロック共重
合体は、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリンおよび
/または2−シクロヘキセニル−2−オキサゾリンの重
合体ブロックを必須に含むので、耐熱性、耐溶剤性に富
み、強度や可とう性の優れた重合体であり、耐熱性エン
ジニヤリングプラスチック、各種ポリマー添加剤等とし
て有用である。
【0055】この発明のブロック共重合体において、疎
水性オキサゾリンである2−シクロヘキシル−2−オキ
サゾリンおよび/または2−シクロヘキセニル−2−オ
キサゾリンのブロックと、2−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−エチル−2−オキサゾリンの如き親水性のオキ
サゾリン化合物のブロックとが組み合わされていると、
界面活性剤として有用である。
【0056】このため、該ブロック共重合体は、たとえ
ば、乳化剤、分散剤、表面改質剤、帯電防止剤、高分子
透電剤、相溶化剤、接着剤、バインダー、コーティング
材、成形材料、生体適合材料等に利用できる。この発明
の製造方法によれば、そのような優れたオキサゾリン系
ブロック共重合体をブロックごとに段階的に作っていく
ので、共重合体の構造設計を容易に行うことができる。
【0057】この発明の製造方法において、オキサゾリ
ン化合物(b)として、上記一般式(IV)で示される2
−オキサゾリン類を用いると、この発明のブロック共重
合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体1−bのNMRチャ
ートである。
【符号の説明】
1 オキサゾリン系ブロック共重合体のチャート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される重合体ブロ
    ック(A)を少なくとも1個有し、さらに、下記一般式
    (II)で示される重合体ブロック(B)を少なくとも1
    個有する、新規なオキサゾリン系ブロック共重合体。 【化1】 (式中、R1 はシクロヘキシル基、2−シクロヘキセニ
    ル基または3−シクロヘキセニル基を表し、mは2以上
    の数を表す。) 【化2】 (式中、R2 はアルキル基、アルケニル基またはアリー
    ル基を表し、nは2以上の数を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(III) で示されるオキサゾリ
    ン化合物(a)を開環重合する工程を少なくとも1個、
    および、他のオキサゾリン化合物(b)を開環重合する
    工程を少なくとも1個含む逐次多段階重合を行うオキサ
    ゾリン系ブロック共重合体の製造方法。 【化3】 (式中、R1 はシクロヘキシル基、2−シクロヘキセニ
    ル基または3−シクロヘキセニル基を表す。)
  3. 【請求項3】 オキサゾリン化合物(b)が下記一般式
    (IV)で示される2−オキサゾリン類から選ばれる少な
    くとも1つである請求項2記載の製造方法。 【化4】 (式中、R2 はアルキル基、アルケニル基またはアリー
    ル基を表す。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024841A1 (en) * 1998-10-23 2000-05-04 Ato Findley, Inc. Hot melt adhesive having controllable water solubility
JP2010090338A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Dic Corp フッ素樹脂粒子用分散剤、フッ素樹脂粒子分散液及びフッ素樹脂塗料
CN118319085A (zh) * 2024-06-14 2024-07-12 昆山东利新材料科技有限公司 一种抗静电面料及其制备方法

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