JPH0615014B2 - 炭酸ガス吸収プロセスにおける鋼材の腐食抑制方法 - Google Patents

炭酸ガス吸収プロセスにおける鋼材の腐食抑制方法

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JPH0615014B2
JPH0615014B2 JP2139928A JP13992890A JPH0615014B2 JP H0615014 B2 JPH0615014 B2 JP H0615014B2 JP 2139928 A JP2139928 A JP 2139928A JP 13992890 A JP13992890 A JP 13992890A JP H0615014 B2 JPH0615014 B2 JP H0615014B2
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、炭酸ガスを吸収し、分離するプロセスに使用
する鋼材の腐食抑制方法に関する。
[発明の背景] 石油等の炭化水素を原料としてスチームリフォーミング
法、部分酸化法等により都市ガス、水素ガス、アンモニ
ア合成ガス、その他の原料ガスを製造する場合、副生す
る不要な炭酸ガスを除去する必要が生ずる。
これら合成ガスは大量に生産され、流量も多く、また、
炭酸ガスの含有量も20〜30%と高い。この流量も多く、
また、炭酸ガスの含有量も多い合成ガスから炭酸ガス
を、残留濃度を少なく経済的に除去するために、現在、
吸収液として炭酸カリウム等の炭酸塩の水溶液を使用す
るプロセスと、吸収液としてモノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等のアミン類の水溶液を使用するプロ
セスとが採用されている。
アミン類の水溶液を使用するプロセスは、炭酸ガス含有
量が少ないガスを処理し、残留炭酸ガス濃度を低くする
のに適しているが、吸収液を冷却して用いるため熱経済
性は良くない。一方、炭酸カリウムの水溶液を使用する
プロセスは、残留炭酸ガスの濃度が高いが、基本的には
吸収液を冷却しないで循環するため熱経済性に優れてい
る。
吸収液として炭酸カリウムの水溶液を使用するプロセス
は、次の式で、炭酸ガスの吸収、放出が行われることに
よって行われる。
吸収塔においては水溶液中のK2CO3がKHCO3に転換し、炭
酸ガスを化学吸収し、再生塔においては水溶液中のKHCO
3がK2CO3に再生されることによって炭酸ガスを放出す
る。
炭酸ガスを吸収した炭酸カリウム水溶液は腐食性を有し
ており、吸収塔、再生塔又はそれらを結び付ける配管
等、例えば配管、ポンプ、コントロール弁で使用される
鋼材を、僅かではあるが腐食するという問題があった。
これら腐食を防止するために五酸化バナジウム(V
2O5)、クロム酸ナトリウム(Na2CrO4)などの腐食抑制
剤が開発されている。
これら五酸化バナジウム(V2O5)、クロム酸ナトリウム
(Na2CrO4)は腐食をよく抑制し優れているが、公害規
制物の対象となっているため、腐食の抑制にこれら化合
物を使用することは好ましくない。また、吸収塔、再生
塔又はそれらを結び付ける配管等で使用される鋼材を、
炭素鋼からステンレス鋼に代え、腐食の抑制をはかるこ
とも行われたが腐食の抑制にはいまだ十分ではなく、公
害規制物の対象となっているこれら五酸化バナジウム、
クロム酸ナトリウムに代わる無公害の腐食抑制剤を開発
することが望まれていた。
[発明の目的] 従って、本発明の目的は、無公害の腐食抑制剤を使用し
た炭酸ガス吸収プロセスにおける鋼材の腐食を抑制する
方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明の上記目的は、 (1)炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸ガス吸
収プロセスにおいて、炭酸塩の水溶液に2−アミノチオ
フェノールを添加することを特徴とする鋼材の腐食抑制
方法。
(2)炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸ガス分
離プロセスにおいて、炭酸塩の水溶液に2−アミノチオ
フェノールを添加することを特徴とする鋼材の腐食抑制
方法。
(3)炭酸塩が炭酸カリウムであることを特徴とする前
記(1)及び(2)項記載の腐食抑制方法。
(4)2−アミノチオフェノールの添加量が30ppm以
上であることを特徴とする前記(1)乃至(3)項記載の鋼材
の腐食抑制方法。
(5)2−アミノチオフェノールの添加量が50〜500p
pmであることを特徴とする前記(1)乃至(4)項記載の鋼
材の腐食抑制方法。
(6)炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノールと共
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホス酸を
添加することを特徴とする前記(1)乃至(5)項記載の鋼材
の腐食抑制方法。
(7)炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノールと共
にジエタノールアミンを添加することを特徴とする前記
(1)乃至(6)項記載の鋼材の腐食抑制方法。
(8)炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノールと共
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及
びジエタノールアミンを添加することを特徴とする前記
(1)乃至(7)項記載の鋼材の腐食抑制方法。
によって達成された。
[発明の具体的構成] 炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸ガス吸収プロ
セスとは、炭酸ガスの吸収剤として炭酸塩の水溶液を用
い、選択的に炭酸ガスを吸収させるプロセスであり、ま
た、炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸ガス分離
プロセスとは、炭酸ガスの吸収剤として炭酸塩の水溶液
を用い、選択的に炭酸ガスを吸収させ、炭酸ガスを吸収
した炭酸塩の水溶液から炭酸ガスを再生させ、炭酸ガス
を分離回収するプロセスである。
これらプロセスは、工業的にはベンフィールドプロセス
として知られ、広く実施されている。
ベンフィールドプロセスにおいては炭酸塩として炭酸カ
リウムが使用されている。
炭酸ガスの吸収剤として炭酸カリウムを用いた場合、炭
酸ガスの吸収、再生は、次の式で表される平衡反応によ
り行われる。
この反応系において、炭酸ガスの分圧を高め、或いは、
温度は低くすることにより反応は右に進行し、炭酸ガス
の吸収が行われ、また、炭酸ガスの分圧を低下し、或い
は、温度を高めることにより反応は左に進行し、炭酸ガ
スの再生がなされる。
炭酸ガスの吸収・再生を吸収液の温度を上げたり、下げ
たりして行うよりも、炭酸ガスの分圧を高め、また、炭
酸ガスの分圧を低下させて行うのが熱経済的に有利であ
る。
原料ガスからの炭酸ガスの吸収・再生は従来公知の方法
が採用できる。
例えば、ラヒシリング、サドル、ポールリング等の充填
物を充填した吸収塔及び再生塔を用いて行うことができ
る。
通常、吸収塔の底部から原料ガスを送り込み、頂部から
吸収液を流下させて充填物上で気−液を向流接触させ吸
収反応させ、原料ガス中の炭酸ガスを吸収除去し、精製
した原料ガスを吸収塔の頂部から取り出す。吸収塔の底
部から出る炭酸ガスを吸収した吸収液は吸収塔の圧力を
利用して再生塔の頂部に供給する。吸収液に吸収された
炭酸ガスの一部は、再生塔の頂部での減圧フラッシュに
より除かれ、充填物上を流下する。充填物上を流下する
吸収液は再生塔底部から上昇してくるスチームによって
炭酸ガスの分圧が下げられ吸収液中の炭酸水素カリウム
は炭酸カリウムと炭酸ガスに分解する。生成した炭酸ガ
スは再生塔頂部より取り出される。上記スチームは再生
塔底部に設置したリボイラーにより吸収液を間接的に加
熱して発生させるか、生スチームを直接再生塔底部に吹
き込むことによって供給される。上記スチームはまた炭
酸ガスの再生により失われたエネルギーを補給する。
吸収塔及び再生塔としては、他の公知の吸収塔及び再生
塔を用ることもできる。
炭酸ガスを吸収させる時の圧力、温度は特に制限はない
が、工業的に行うには、一般に、10〜30kg/cm2、100〜
120℃が使用される。また、吸収液の濃度も特に制限は
ないが、工業的に行うには、一般に、20〜40%の範囲で
選ばれる。
本発明の炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸ガス
吸収プロセス及び炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる
炭酸ガス分離プロセスは、他の炭酸ガス吸収プロセス又
は炭酸ガス分離プロセス、例えばアミン類を使用した炭
酸ガス吸収プロセス又は炭酸ガス分離プロセスと組み合
わせて用いてもよい。
2−アミノチオフェノールを上記炭酸塩の水溶液に添加
することにより炭酸ガス吸収プロセス又は炭酸ガス分離
プロセスにおいて使用される鋼材の腐食を抑制する。
2−アミノチオフェノールを30ppm以上上記炭酸塩の
水溶液に添加することにより実用上十分な抑制作用を得
ることができる。添加量は、さらに好ましくは50〜500
ppmである。
500ppm以上添加しても同様に抑制作用を得ることは
できるが、添加量を増大しても腐食抑制率が増大しない
ので実用上は500ppmまでの添加で十分である。
2−アミノチオフェノールは、短時間で不動態皮膜を形
成するとともに、吸着して皮膜を形成し腐食抑制するも
のと考えられる。
また、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、ジエタノールアミンも腐食抑制作用を有するが、2
−アミノチオフェノールはこれら1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1−ジホスホン酸、ジエタノールアミンと併
用することができ、また、併用により腐食抑制効果を高
めることができる。
2−アミノチオフェノールは、水との相溶性が悪く、液
相上部に浮遊する傾向があるが、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1−ジホスホン酸及びジエタノールアミンの
両者を同時に存在させることにより水との相溶性が向上
し、腐食抑制効果を高めることができる。
[発明の効果] (1)腐食抑制効果の試験 試験片としてSS41(C;0.08%、Si;痕跡、M
n;0.35、P;0.014%、S;0.018%、Fe;bdl.)を
用いて、2−アミノチオフェノール(以下、ATPとい
う。)及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸(以下、HEDPという。)の腐食抑制効果の試
験をした。
腐食抑制剤を添加し、炭酸ガスで飽和した23重量%の炭
酸カリウム水溶液(温度;50±1℃)を満たしたフラス
コに、表面をエメリー紙(#1500)で研磨し、メタノー
ル及びアセトンで処理した20×50×1.6mmの試験片を大
気圧下、7日間浸漬し、腐食重量減を調べた。
結果を第1図に示す。
ATPは、優れた抑制効果を示した。
試験片としてSUS304(C;0.08%以下、Si;1.
00%以下、Mn;2.00%以下、P;0.045%以下、S0.0
3%以下、Ni;8.00−10.5%、Cr;18.00−20.00
%、Fe;bal.)を用いた場合にも同様の効果が得られ
た。
(2)腐食抑制効果の試験(流動系) 服飾抑制剤を添加した40重量%の炭酸カリウム水溶液
(温度94±4℃)を循環し、圧力を10kg/cm2に維持し
た第2図に示したベンチスケールの装置(以下、BF装
置という)内に、表面をエメリー紙(#1500)で研磨
し、メタノール及びアセトンで処理した内径23.6mm、厚
さ0.8mm、高さ25.0mmの試験片(鋼材、SUS 304)を、30
日間浸漬し、腐食重量減の試験をした。
BF装置には炭酸ガスを導入し、炭酸カリウム水溶液を
炭酸ガスで飽和した。
試験片1をBF装置2に挿入し、循環ポンプ3で炭酸カ
リウム水溶液をBF装置2に循環する。炭酸カリウム水
溶液は炭酸ガス導入口4から導入された炭酸ガスで飽和
される。(第2図) また、第2図において、5は循環ポンプ3を駆動するモ
ーターを、6は試験片1に炭酸ガスで飽和した炭酸カリ
ウム水溶液を均等に流下するトレイを、7は圧力計を、
8は安全弁を、9は温度計を、10は覗き窓を、11を
排出弁を示す。
結果を第1表に示す。
以上の通り、本発明によれば、炭酸ガス吸収プロセスに
おける鋼材の腐食を、従来用いられていた公害規制物の
対象となるNaCrO及びV等の使用を低減
し、或いは、使用することなく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は静止系における腐食抑制効果の試験の結果を示
す図、第2図はBF装置の概略を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C10M 141/10 135:28 137:12 133:08) C10N 30:12 8217−4H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸
    ガス吸収プロセスにおいて、炭酸塩の水溶液に2−アミ
    ノチオフェノールを添加することを特徴とする鋼材の腐
    食抑制方法。
  2. 【請求項2】炭酸塩の水溶液を吸収剤として用いる炭酸
    ガス分離プロセスにおいて、炭酸塩の水溶液に2−アミ
    ノチオフェノールを添加することを特徴とする鋼材の腐
    食抑制方法。
  3. 【請求項3】炭酸塩が炭酸カリウムであることを特徴と
    する請求項(1)及び(2)記載の腐食抑制方法。
  4. 【請求項4】2−アミノチオフェノールの添加量が30p
    pm以上であることを特徴とする請求項(1)乃至(3)記載
    の鋼材の腐食抑制方法。
  5. 【請求項5】2−アミノチオフェノールの添加量が50〜
    500ppmであることを特徴とする請求項(1)乃至(4)記
    載の鋼材の腐食抑制方法。
  6. 【請求項6】炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノー
    ルと共に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
    ン酸を添加することを特徴とする請求項(1)乃至(5)記載
    の鋼材の腐食抑制方法。
  7. 【請求項7】炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノー
    ルと共にジエタノールアミンを添加することを特徴とす
    る請求項(1)乃至(6)記載の鋼材の腐食抑制方法。
  8. 【請求項8】炭酸塩の水溶液に2−アミノチオフェノー
    ルと共に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
    ン酸及びジエタノールアミンを添加することを特徴とす
    る請求項(1)乃至(7)記載の鋼材の腐食抑制方法。
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