JPH0615146A - アルコール水溶液の膜濃縮法 - Google Patents

アルコール水溶液の膜濃縮法

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JPH0615146A
JPH0615146A JP4069068A JP6906892A JPH0615146A JP H0615146 A JPH0615146 A JP H0615146A JP 4069068 A JP4069068 A JP 4069068A JP 6906892 A JP6906892 A JP 6906892A JP H0615146 A JPH0615146 A JP H0615146A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中程度から高含水の有機溶剤、特に含水アル
コール溶液をパーベーパレーション法により脱水、濃縮
する方法。 【構成】 メチルメタクリレートとN,N- ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートを共重合して得られたポリ(メ
チルメタクリレート-N,N- ジメチルアミノエチルメタク
リレート)共重合体からなる高効率分離膜を用い、パー
ベーパレーション法によって、水溶性アルコールなどの
有機溶媒の脱水、濃縮することを特徴とする有機溶媒の
膜濃縮方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、メタノール、エタノール、プロ
パノールなどのアルコール水溶液を初めとする、含水有
機溶媒を高効率分離膜を用いて、パーベーパレーション
法(浸透気化法膜分離)により、脱水、濃縮する方法に
関する。
【0002】
【産業上の利用分野】均一な混合溶液の中から特定の化
合物を分離する方法は種々知られており、蒸留、抽出、
吸着、イオン交換、晶析など色々な方法があり、工業的
にも広く用いられている。しかしながら、有機物質の代
表的な物質分離法である蒸留法では、一たん混合液から
蒸気に相変換する必要があり、この蒸発潜熱に多量の熱
量を必要とし、典型的なエネルギー消費型の分離精製技
術となっている。例えばエタノールを水から分離する場
合、沸点差は22.5℃あるものの、エタノールと水は水素
結合によって会合しており、この強い親和力を断ち切っ
て効率的に分離するには多くの困難がある。またエタノ
ール水溶液は95.5wt%の濃度では共沸するため、完全脱
水エタノールを製造することには、複雑な工程の抽出蒸
留を行う必要がある。
【0003】蒸留法に代って膜分離法が省エネルギー的
分離精製技術として登場した。有機液体を分離対象とす
る膜分離法であるパーベーパレーション法は、その基本
的原理から高効率分離膜を使えば、アルコール水溶液な
どの含水有機溶剤の脱水、濃縮を温度を上げずに、効率
的に、かつ容易に行うことができる。またその有機溶剤
を目標とする濃度、すなわち純度まで濃縮することが可
能である。
【0004】パーベーパレーション法は、多孔質でない
緻密な高分子膜を用いて有機液体混合液を分離するプロ
セスであり、米国特許2953502号明細書などに教示され
ている。この膜分離プロセスは原料の供給側を液相と
し、透過側を減圧または不活性ガスなどをキャリアーガ
スとして使用することにより、膜の両側に生じる透過物
質の濃度差を推進力として特定物質を透過させ、分離す
る方法であり、液体−膜−気体(蒸気)の膜分離系を形
づくる唯一の方法である。この分離プロセスに関して
は、これまで多くの研究がなされてきたが、それらは主
として、蒸留が困難な共沸混合物や近沸点混合物、ある
いは熱を加えることのできない溶液を対象に検討されて
きた。加えてこの分離プロセスは透過側を負圧にするた
めの動力が必要であるが、共沸蒸留法で必要とされる多
量の蒸発潜熱やエントレーナ回収のためのエネルギーが
不要であることから、省エネルギー的であることが特徴
である。
【0005】
【従来の技術及びその問題点】従来、アルコール水溶液
などの水溶性有機溶媒から水を優先的に透過させて、脱
水、濃縮するパーベーパレーションの代表的分離膜(GF
T社、特開昭59-10924号公報)は、せいぜい含水量5wt%
以下の含水エタノールの脱水に適用されるものであり、
これ以上の含水量の多い処理液に対しては分離性能が著
しく低下するか、もしくは最悪の場合には分離膜の破壊
に至るという大きな欠陥があった。又この分離条件での
分離係数(α=9500)は高いものの、透過速度は0.01Kg/m2
hrと低く、化学工場の脱水プロセスとして使用した場
合、排出水量が非常に少なく、この点での脱水効率に問
題があった。パーベーパレーション膜分離法の総体的な
分離効率を評価する場合に、透過速度(Q)と分離係数
(α)との積、すなわちQα値を用いることがある。従来
法の脱水膜ではQαが95と余り高くない。このことは総
体的な分離効率の低さを表している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来方法の
パーベーパレーション分離膜が高含水有機溶媒の脱水に
使えないという欠点と、透過速度が上がらず、即ち排出
水量が少なく、エネルギー的な観点は別にして非効率で
あることを克服し、排出水量が多いために総体的に高効
率である分離膜を用いて、高中含水の有機溶媒の脱水、
濃縮分離プロセスに使用する膜濃縮法を提供するために
なされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究を重ねた結果、疎水性構造を有するモノマーのメ
チルメタクリレートと、親水性構造を有するモノマーの
N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートをラジカル共
重合して得られた共重合体の薄膜を用いるパーベーパレ
ーション法により、メタノール、エタノール、プロパノ
ールなどのアルコール水溶液から、水を高効率に分離、
脱水し、濃縮アルコールを回収し得ることを見いだし、
本発明に至った。本発明は水溶性のアルコールの脱水、
濃縮だけでなく、一般の水溶性有機溶媒の脱水、濃縮に
も有効であることは、これまでの実験結果から明かであ
る。
【0008】本発明は、パーベーパレーション膜分離法
により各種有機液体、好ましくはアルコール水溶液を分
離、濃縮する手段、特に脱水する手段について、種々研
究、検討を重ねた結果、脱水による濃縮を目的とするな
らば、含水率即ち純度も調節できるという利点も含め
て、高効率の水選択透過型分離膜を使用することが、こ
れまでの蒸留法の難点を円滑有利に解消しうることを見
出したのである。
【0009】それに使用する高効率の脱水膜としては、
親水性成分と疎水性成分の二成分から構成され、共重合
組成を調整して、親水性を制御することができる高分子
分離膜をあげることとが出来る。いくつか考えられる組
合わせのなかから、単独重合体としては水との化学的な
親和力の強い、水に極めて膨潤しやすいN,N -ジメチル
アミノエチルメタクリレートと、一方水に対して殆ど膨
潤しない、しかもメタクリル酸という同じ骨格構造をも
ったメチルメタクリレートとの共重合体を合成し、製膜
して得た高分子膜が適当であることを見出した。
【0010】更にN,N -ジメチルアミノエチルメタクリ
レート成分をヨウ化メチルで部分的に四級塩化し、荷電
基を持った静電相互作用のある膜も本目的に適合しうる
ことを見いだした。この場合、膨潤度は四級塩化しない
前のものと比べると、最大約10倍も増大し、いわばハイ
ドロゲル膜を形成することが分かった。又本発明の場
合、普通の分離膜に見られる架橋構造をもたない、疎水
性モノマーと親水性モノマーの二元共重合体のままであ
るが、例えば共重合後金属塩を少量加え、イオン架橋を
生成させて、膜素材の化学構造に架橋構造を形成させた
場合には、なお一層分離性能が向上することが推定され
る。要約すると、本発明は(メチルメタクリレート-N,N-
ジメチルアミノエチルメタクリレート)共重合膜、ある
いはこれをヨウ化メチルで部分的に四級塩化した膜を用
いるパーベーパレーション膜分離法により、アルコール
水溶液などの含水有機溶媒を脱水、濃縮する方法であ
る。
【0011】本発明に用いる分離膜を構成する(メチル
メタクリレート-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート)共重合体を得るための重合法は次のようにして行
うことができる。塊状重合法を用い、55℃で開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマー
全量に対し0.05モル%加え、3〜4時間振とう式恒温槽
中で重合を行った。このようにして得られた共重合物
は、テトラヒドロフラン(THF)溶液とし、石油エー
テル中に滴下して再沈、精製する。(メチルメタクリレ
ート-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)共重
合体の共重合組成は窒素分析から計算した。
【0012】得られた共重合物の部分四級塩化は次のよ
うにして行うことができる。再沈精製を繰り返し、真空
乾燥させた共重合物を5重量%濃度になるようにジメチ
ルホルムアミドに溶解し、過剰量のヨウ化メチルを加え
て、室温で6〜74時間反応させた後、多量のジエチルエ
ーテル中に沈殿させて四級化塩を得た。また未反応のヨ
ウ化メチルを抽出するためにジエチルエーテル中に、又
メチルメタクリレートとN,N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートのポモポリマーを除くためにベンゼン中に長
時間四級塩化ポリマーを浸漬した。最後に乾燥は真空下
で行った。四級塩化度はヨウ素の定量分析から求めた。
【0013】膜の調製方法には特に制限はないが、例え
ば次のようにして調製することができる。即ち、先ず共
重合体の各種溶媒に対する溶解性を調べ、最適の溶媒を
決定し、その溶媒からキャスト法で製膜する方法であ
る。メチルメタクリレートとN,N-ジメチルアミノエチル
メタクリレート共重合体は、製膜時の溶媒としてベンゼ
ンが最適である。N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート成分をヨウ化メチルで部分的に四級塩化した場合の
溶媒には、ジメチルホルムアミドを用いることができ
る。ベンゼンを用いる場合は常温下で溶媒を徐々に蒸散
させる方法で、ジメチルホルムアミドを用いる場合は流
延したガラス板をホットプレート上に置き、加熱減圧し
て蒸発させる方法をとることができる。ガラス板より剥
離して得られた薄膜は、通常10〜40μmの厚さである。
【0014】
【作用】本発明に使用する分離膜は、アルコール水溶液
に対する膨潤度の測定結果から考えて、親水性よりもむ
しろ疎水性が強い、即ち水よりアルコールに対して強い
親和性を示す。又その親水−疎水のバランスは共重合組
成によってうまく調節することができる。従って、従来
の分離膜の処理対象と違って、微量な水分ではなく、例
えば30%,50%,80%、更にそれ以上の水分を含む、中高含
水の濃度領域を分離対象とした、応用範囲の広い脱水、
濃縮に使用できる。このように含水率が高い場合におけ
る膜の必要条件には、必然的に大きな排出水量、即ち透
過速度が求められる。この点に関して本発明で使用する
分離膜は充分要求性能に応えられる。透過速度は数Kg/m
2hr以上、高いもので数100Kg/m2hrにも及び、高中含水
の場合の脱水分離膜としての有用性を示す。
【0015】透過速度(Q)と分離係数(α)を結合させ
た、総合的な分離性能を評価する指標としてQα値があ
る。これは分離膜の総合的な性能として、分離係数だけ
いくら高くても評価されず、分離係数と透過速度を組合
わせた指標で判定しなければならないからである。実際
Qα値は透過速度と分離係数の一方だけが高くても上が
らず、片方が著しく小さな値にならないということが必
要である。言い換えれば、一方だけが極端に高くなる必
要はなく、両方が同時に相対的に高い値を取ることが要
求される。先に挙げたGFT社の脱水分離膜では分離係数
は極端に高いが、Qα値としては95である。本発明の分
離膜では、更に高いQαを示す。この観点からも本発明
の膜濃縮法はアルコール水溶液のような高中含水有機溶
媒の脱水、濃縮に好適である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例において透過速度および分離係数
の測定は通常のパーベーパレーション用の測定装置を用
いて行った。図1は本発明による高分子膜を用いてパー
ベーパレーション法を実施する装置の概略図を示す。
【0017】この装置を用いて実験を行うには、液透過
セル6に試料膜12を装着し、この試料膜12上にアルコー
ル−水混合液13を加える。このとき供給側の圧力は大気
圧である。一方、透過側14は油回転ポンプ1によって0.
1〜0.5mmHgの減圧下に保つ。実験は、濃縮すべきアルコ
ール−水混合液13を試料膜12上に供給し、1晩放置した
のち、測定を開始し、測定中は攪拌モータ7によって絶
えずアルコール−水混合液13を攪拌しながら行った。ま
た、液透過セル6の全体を恒温バス11中に漬け、一定温
度に保った。使用した試料膜12の有効面積は15.9cm2
ある。試料膜12を透過した蒸気は液体窒素で冷却した枝
管5の一つに捕集し、所定の時間後に溶封切断し、続い
て次の枝管5を液体窒素で冷却し、蒸気を捕集し、また
所定の時間後に溶封切断するという作業を続けた。これ
らの封管した枝管5の重量測定から内容物の重量を求
め、透過速度(Kg/m2hr)を算出した。捕集したアルコー
ル水溶液の組成はガスクロマトグラフを用いて決定し
た。
【0018】分離係数(α)は供給液中の二つの物質A
およびBの濃度比で透過液中の対応する物質の濃度比を
割った値として定義される。 ただし、CAおよびCBは、それぞれ選択的に優先透過し
うる成分の濃度および混合液中のその他の成分の濃度を
示す。本発明の場合、CAは水、CBはアルコールの濃度
をそれぞれ示す。以下に示すα(W/A)はアルコールに対
する水の分離係数であり、α(A/W)は水に対するアルコ
ールの分離係数である。
【0019】実施例1 メチルメタクリレートとN'N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートの共重合仕込比(モル比)を99.5:0.5とし
て常法によりラジカル共重合し、重合率26.7重量%、N'
N-ジメチルアミノエチルメタクリレート組成0.54モル%
の重合物を得た。この重合物の3wt%のベンゼン溶液を
ガラスロートでゴミを取り除いた後、ガラス板上に均一
に流延し、常温で溶媒を徐々に蒸発させ、28μmの厚さ
の分離膜を得た。この薄膜を図1に示した装置の透過セ
ル6に装着し、メタノール水溶液の濃縮実験を25℃で行
った。この場合、透過側の圧力は0.1mmHg(13.3Pa)に保
持した。濃縮結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 濃縮対象とするアルコール水溶液をエタノール水溶液に
した以外は、実施例1と全く同様にして濃縮実験を25℃
で行った。濃縮結果は表2の通りである。
【表2】
【0022】実施例3 濃縮対象とするアルコール水溶液を2-プロパノール水溶
液にした以外は、実施例1と全く同様にして濃縮実験を
25℃で行った。濃縮結果は表3の通りである。
【表3】
【0023】実施例4 メチルメタクリレートとN'N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートの共重合仕込比(モル比)を99:1として常
法によりラジカル共重合し、重合率24.1重量%、N'N-ジ
メチルアミノエチルメタクリレート組成1.26モル%の重
合物を得た。この重合物の3wt%のベンゼン溶液をガラ
スロートでゴミを取り除いた後、ガラス板上に均一に流
延し、常温で溶媒を徐々に蒸発させ、28μmの厚さの分
離膜を得た。この薄膜を図1に示した装置の液透過セル
6に装着し、メタノール水溶液の濃縮実験を25℃で行っ
た。この場合、透過側の圧力は0.1mmHg(13.3Pa)に保持
した。濃縮結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】実施例5 濃縮対象とするアルコール水溶液をエタノール水溶液に
した以外は、実施例4と全く同様にして濃縮実験を25℃
で行った。濃縮結果は表5の通りである。
【表5】
【0026】実施例6 濃縮対象とするアルコール水溶液を2-プロパノール水溶
液にした以外は、実施例4と全く同様にして濃縮実験を
25℃で行った。濃縮結果は表6の通りである。
【表6】
【0027】実施例7 メチルメタクリレートとN'N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートの共重合仕込比(モル比)を95:5として常
法によりラジカル共重合し、重合率19.7重量%、N'N-ジ
メチルアミノエチルメタクリレート組成4.51モル%の重
合物を得た。この重合物の3wt%のベンゼン溶液をガラ
スロートでゴミを取り除いた後、ガラス板上に均一に流
延し、常温で溶媒を徐々に蒸発させ、24μmの厚さの分
離膜を得た。この薄膜を図1に示した装置の液透過セル
6に装着し、メタノール水溶液の濃縮実験を25℃で行っ
た。この場合、透過側の圧力は0.1mmHg(13.3Pa)に保持
した。濃縮結果を表7に示す。
【0028】
【表7】
【0029】実施例8 濃縮対象とするアルコール水溶液をエタノール水溶液に
した以外は、実施例7と全く同様にして濃縮実験を25℃
で行った。濃縮結果は表8の通りである。
【表8】
【0030】実施例9 膜厚19μmの分離膜を使用し、濃縮対象とするアルコー
ル水溶液を2-プロパノール水溶液にした以外は、実施例
7と全く同様にして濃縮実験を25℃で行った。濃縮結果
は表9の通りである。
【表9】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、前記した高効率分離膜
をパーベーパレーション用の脱水膜として用いることに
より、メタノール、エタノール、2-プロパノールなどの
水溶液から水だけを選択的に透過させ、アルコール水溶
液など含水有機溶媒を効率よく脱水、濃縮させることが
できる。好ましくは、メタノールとエタノールの水溶液
においてアルコール濃度が30%以下の低濃度水溶液、言
い換えれば高含水のアルコール水溶液から著しく高い分
離効率で水を透過分離し、アルコールを脱水、濃縮する
ことができる。また2-プロパノール水溶液に関しては、
40%以下の低濃度、言い換えれば中高含水の2-プロパノ
ール水溶液を効率よく脱水、濃縮することができる。
【0032】本発明は費用の高い、エネルギー多消費型
の蒸留法を避けることができる点で有利である。本発明
の方法でアルコール水溶液の濃縮を行うには、膜の1次
側、即ち供給側に大気圧下または加圧下で原料アルコー
ル水溶液を供給する。こうして2次側では透過蒸気を他
の不活性な気体や蒸気によって掃引させて採取するか、
減圧下で採取することができる。つまり膜の2次側、即
ち透過側の化学ポテンシャルよりも膜の1次側、即ち供
給側の化学ポテンシャルを大きく維持することによっ
て、透過の推進力を生じさせ、アルコール水溶液や一般
の有機溶媒の脱水、濃縮を行うことができる。供給側お
よび透過側の各温度は広い温度範囲にわたって適用可能
であるが、本発明では膜の1次側が液状、2次側が蒸気
状となるため、アルコールと水の凝固点以下、あるいは
沸点以上の温度範囲は利用できない。
【0033】アルコール水溶液を対象とした高含水領域
の濃縮では、含有量の少ないアルコールを分取する方法
の方が能率がよいと考えられる。これには、従来の分
離、濃縮法として蒸留法があるが、いったん液体から蒸
気にして分離するため、多量の蒸発潜熱が必要であり、
エネルギー的に非効率である。一方、水よりもアルコー
ルを優先的に透過させて、濃縮する高効率な分離膜は未
だ開発されておらず、採用できない。
【0034】高含水領域の分離対象の脱水、濃縮であっ
ても、濃度調節も含めて水を除いて、少しでも純度よ
く、精製することから考えれば水を優先的に透過させる
ことが目的にかなっている。この点に関して、蒸留法は
沸点の関係から水よりアルコールを先に分留させるが、
エタノール−水の気液平衡データから調べ、エタノール
−水の分留比を分離係数と同じ比率で表すと、10以下の
数字しか得られないが、実際には蒸留段数が大きいため
に蒸留による精製は、エネルギー効率を考えなければ、
分離効率はよい。膜濃縮法に関しても単一過程の膜処理
を行うのではなく、カスケード方式に行えば分離効率も
向上できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離膜による脱水、濃縮法を実施する
装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 油回転ポンプ 2 コールドトラップ 3 ガラスコック 4 回転マクレオド計 5 透過蒸気の捕集用枝管 6 液透過セル 7 攪拌モーター 8 攪拌器 9 投込みヒーター 10 電子リレー 11 恒温バス 12 試料膜 13 アルコール水溶液 14 下部セル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレートとN,N- ジメチル
    アミノエチルメタクリレートをラジカル共重合して得ら
    れるポリ(メチルメタクリレート-N,N- ジメチルアミノ
    エチルメタクリレート)共重合体からなる分離膜を用
    い、アルコール水溶液などの有機溶媒をパーベーパレー
    ション膜分離法により脱水することを特徴とする含水有
    機溶媒の膜濃縮法。
JP4069068A 1992-02-18 1992-02-18 アルコール水溶液の膜濃縮法 Expired - Lifetime JPH0687955B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0674940A3 (de) * 1994-03-28 1996-01-10 Carbone Ag Pervaporationsmembranen und ihre Verwendung.
JP2013538126A (ja) * 2010-09-20 2013-10-10 スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト 無孔の分離層を有する膜、並びに膜の使用及び製造方法

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