JPH06158227A - 耐摩耗・高靭性レール - Google Patents
耐摩耗・高靭性レールInfo
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- JPH06158227A JPH06158227A JP31381192A JP31381192A JPH06158227A JP H06158227 A JPH06158227 A JP H06158227A JP 31381192 A JP31381192 A JP 31381192A JP 31381192 A JP31381192 A JP 31381192A JP H06158227 A JPH06158227 A JP H06158227A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レール頭表面での耐摩耗性を確保し、かつ、
レールの破壊靭性の向上を図ることを目的とする。 【構成】 レール軸断面において、レールの頭表面部お
よび頭側表面部にレール外郭表面より5mm〜40mmの深
さまでの層の金属組織が耐摩耗性に優れたパーライト組
織を呈した材料で被覆し、その他の部位をベイナイト組
織を呈した靭性の高い材料とした二層組織を特徴とする
耐摩耗・高靭性レールである。 【効果】 本発明レールは、従来レールと同等のレール
頭表面部および頭側表面部での耐摩耗性を確保し、さら
に、レールの破壊靭性を大きく向上させることが可能と
なった。
レールの破壊靭性の向上を図ることを目的とする。 【構成】 レール軸断面において、レールの頭表面部お
よび頭側表面部にレール外郭表面より5mm〜40mmの深
さまでの層の金属組織が耐摩耗性に優れたパーライト組
織を呈した材料で被覆し、その他の部位をベイナイト組
織を呈した靭性の高い材料とした二層組織を特徴とする
耐摩耗・高靭性レールである。 【効果】 本発明レールは、従来レールと同等のレール
頭表面部および頭側表面部での耐摩耗性を確保し、さら
に、レールの破壊靭性を大きく向上させることが可能と
なった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道に敷設される耐摩
耗性を有しかつ高靭性のレールに関するものである。
耗性を有しかつ高靭性のレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道輸送の効率化の手段として、
海外鉱山鉄道などにおいて積載重量の増加、あるいは、
列車ダイヤの高密度化が図られ、さらに、天然資源の枯
渇にともない、自然環境が苛酷な地域までレールが敷設
されるようになってきた。このような鉄道輸送環境の変
化にともない、特に、寒冷地のレールには、より一層の
レール頭表面部分での耐摩耗性とレール腹部や底部の破
壊靭性の向上が求められるようになった。
海外鉱山鉄道などにおいて積載重量の増加、あるいは、
列車ダイヤの高密度化が図られ、さらに、天然資源の枯
渇にともない、自然環境が苛酷な地域までレールが敷設
されるようになってきた。このような鉄道輸送環境の変
化にともない、特に、寒冷地のレールには、より一層の
レール頭表面部分での耐摩耗性とレール腹部や底部の破
壊靭性の向上が求められるようになった。
【0003】この対策として従来から、Cr,Moなど
の合金元素を多く添加した圧延ままの合金レール(特開
昭50−140316号公報参照)、合金を添加せずに
レール頭部あるいは全体を加速冷却することによって製
造される熱処理レール(特開昭55−23885号公報
参照)、比較的低い量の合金を添加して耐摩耗性ばかり
でなく、溶接部の硬度低下を改善した低合金熱処理レー
ル(特公昭59−19173号公報参照)など各種のレ
ールが開発されている。これらのレールは、レール頭部
の耐摩耗性の向上を狙った高炭素含有鋼によるパーライ
ト組織を呈する単一組織のレールであって、レール頭部
の耐摩耗性とレール腹部や底部の抜本的な破壊靭性の向
上を同時に狙ったレールの開発は行われていなかった。
の合金元素を多く添加した圧延ままの合金レール(特開
昭50−140316号公報参照)、合金を添加せずに
レール頭部あるいは全体を加速冷却することによって製
造される熱処理レール(特開昭55−23885号公報
参照)、比較的低い量の合金を添加して耐摩耗性ばかり
でなく、溶接部の硬度低下を改善した低合金熱処理レー
ル(特公昭59−19173号公報参照)など各種のレ
ールが開発されている。これらのレールは、レール頭部
の耐摩耗性の向上を狙った高炭素含有鋼によるパーライ
ト組織を呈する単一組織のレールであって、レール頭部
の耐摩耗性とレール腹部や底部の抜本的な破壊靭性の向
上を同時に狙ったレールの開発は行われていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、鋼の靭性を向
上させる手段として金属組織の微細化が有効であると言
われている。この金属組織の細粒化は、オーステナイト
粒の細粒化や粒内変態などの方法によって可能であり、
このオーステナイト粒の細粒化には、圧延時の低温加熱
や制御圧延あるいは圧延後の低温加熱熱処理が利用され
ている。しかし、レールではその圧延成型性確保の観点
から圧延時の低温加熱が困難であり、また、レールの断
面形状の複雑さから、制御冷却も困難であった。現状で
は、パーライト組織を呈する従来レール鋼の靭性を向上
させる手段としては、レール底部の低温加熱熱処理によ
って靭性を向上させる方法がある。しかし、この低温加
熱処理は、レールの再加熱を必要とするために、レール
製造コストが高くなり、また、再加熱のために、レール
製造における生産性が大きく低下するなど問題点があっ
た。
上させる手段として金属組織の微細化が有効であると言
われている。この金属組織の細粒化は、オーステナイト
粒の細粒化や粒内変態などの方法によって可能であり、
このオーステナイト粒の細粒化には、圧延時の低温加熱
や制御圧延あるいは圧延後の低温加熱熱処理が利用され
ている。しかし、レールではその圧延成型性確保の観点
から圧延時の低温加熱が困難であり、また、レールの断
面形状の複雑さから、制御冷却も困難であった。現状で
は、パーライト組織を呈する従来レール鋼の靭性を向上
させる手段としては、レール底部の低温加熱熱処理によ
って靭性を向上させる方法がある。しかし、この低温加
熱処理は、レールの再加熱を必要とするために、レール
製造コストが高くなり、また、再加熱のために、レール
製造における生産性が大きく低下するなど問題点があっ
た。
【0005】一方、金属組織の選択によって鋼の靭性を
向上させる方法として、パーライト組織を呈する鋼に比
べて靭性が高く、安価なベイナイト組織を呈する低合金
炭素鋼を用いることも考えられるが、ベイナイト鋼で
は、靭性を大きく向上させることができる反面、レール
の基本的な特性の一つであるレール頭表面部分の耐摩耗
性を確保することが非常に難しい。
向上させる方法として、パーライト組織を呈する鋼に比
べて靭性が高く、安価なベイナイト組織を呈する低合金
炭素鋼を用いることも考えられるが、ベイナイト鋼で
は、靭性を大きく向上させることができる反面、レール
の基本的な特性の一つであるレール頭表面部分の耐摩耗
性を確保することが非常に難しい。
【0006】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、レール頭表面部分をパーライト組織を呈した材
料とそれ以外の部位をベイナイト組織を呈する材料との
二層構造とすることにより耐摩耗性に優れた高靭性レー
ルを提供することを目的とするものである。
あって、レール頭表面部分をパーライト組織を呈した材
料とそれ以外の部位をベイナイト組織を呈する材料との
二層構造とすることにより耐摩耗性に優れた高靭性レー
ルを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、その要旨とするところは、
レール軸断面において少なくともレールの頭表面部およ
び頭側表面部はレール外郭表面部より5mm〜40mmの深
さの層の金属組織がパーライト組織を呈し、その他の部
分は重量%で、C:0.10〜0.45%、Si:0.
15〜1.20%、Mn:0.30〜2.00%、C
r:1.00〜4.00%、Mo:0.10〜0.60
%を含有し、あるいは必要に応じて、Ni:0.05〜
4.00%、Nb:0.01〜0.05%、V:0.0
5〜0.30%、Ti:0.01〜0.05%、Cu:
0.05〜0.50%の1種または2種以上を含有し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつその金属
組織がベイナイト組織を呈する二層構造からなることを
特徴とする耐摩耗・高靭性レールである。
するためになされたもので、その要旨とするところは、
レール軸断面において少なくともレールの頭表面部およ
び頭側表面部はレール外郭表面部より5mm〜40mmの深
さの層の金属組織がパーライト組織を呈し、その他の部
分は重量%で、C:0.10〜0.45%、Si:0.
15〜1.20%、Mn:0.30〜2.00%、C
r:1.00〜4.00%、Mo:0.10〜0.60
%を含有し、あるいは必要に応じて、Ni:0.05〜
4.00%、Nb:0.01〜0.05%、V:0.0
5〜0.30%、Ti:0.01〜0.05%、Cu:
0.05〜0.50%の1種または2種以上を含有し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつその金属
組織がベイナイト組織を呈する二層構造からなることを
特徴とする耐摩耗・高靭性レールである。
【0008】以下本発明について詳細に説明する。図
1,図2は、本発明の一実施例をレール軸断面で示した
ものである。図において1はパーライト組織を呈した材
料である。図1に示すように、パーライト組織を呈した
材料をレール頭表部aに配置させるか、あるいは、図2
に示すように、レール頭表部aおよびレール頭側部bか
らレール底部cの表面全体をパーライト組織を呈した材
料で覆うなど、種々の形態をとりうる。すなわち、パー
ライト組織を呈した材料1は、レール軸断面において、
少なくとも車輪がレールに接触するレール頭表部aおよ
びレール頭側部bに存在し、その被覆厚さをレールの頭
表面部およびその頭側表面部から5mm〜40mmまでの深
さとする。
1,図2は、本発明の一実施例をレール軸断面で示した
ものである。図において1はパーライト組織を呈した材
料である。図1に示すように、パーライト組織を呈した
材料をレール頭表部aに配置させるか、あるいは、図2
に示すように、レール頭表部aおよびレール頭側部bか
らレール底部cの表面全体をパーライト組織を呈した材
料で覆うなど、種々の形態をとりうる。すなわち、パー
ライト組織を呈した材料1は、レール軸断面において、
少なくとも車輪がレールに接触するレール頭表部aおよ
びレール頭側部bに存在し、その被覆厚さをレールの頭
表面部およびその頭側表面部から5mm〜40mmまでの深
さとする。
【0009】なお、パーライト組織を呈した材料1とし
ては、特に成分を限定するものではないが、例えば、前
記したような特許文献(公開公報)の他、特開昭51−
2661号公報記載のものなど一般に開発されているレ
ール成分組成C:0.60〜0.80%、Si:0.1
5〜0.30%、Mn:0.70〜1.10%を含有
し、残部が鉄および不可避的不純物からなるパーライト
組織を呈する鋼材料が挙げられる。この他に、緻密なパ
ーライト組織を呈して強度、靭性、耐摩耗性、耐損傷性
などの各特性を具備したレール頭部表面鋼部材には、
C:0.55〜0.85%、Si:0.15〜1.20
%、Mn:0.50〜1.50%とCr:0.10〜
1.00%を含有させた鋼部材、あるいはさらに少量の
Mo,Ni,Nb,VやTiなどを選択的に添加した鋼
部材などを使用してもよい。
ては、特に成分を限定するものではないが、例えば、前
記したような特許文献(公開公報)の他、特開昭51−
2661号公報記載のものなど一般に開発されているレ
ール成分組成C:0.60〜0.80%、Si:0.1
5〜0.30%、Mn:0.70〜1.10%を含有
し、残部が鉄および不可避的不純物からなるパーライト
組織を呈する鋼材料が挙げられる。この他に、緻密なパ
ーライト組織を呈して強度、靭性、耐摩耗性、耐損傷性
などの各特性を具備したレール頭部表面鋼部材には、
C:0.55〜0.85%、Si:0.15〜1.20
%、Mn:0.50〜1.50%とCr:0.10〜
1.00%を含有させた鋼部材、あるいはさらに少量の
Mo,Ni,Nb,VやTiなどを選択的に添加した鋼
部材などを使用してもよい。
【0010】他の部分2は、C:0.10〜0.45
%、Si:0.15〜1.20%、Mn:0.30〜
2.00%、Cr:1.00〜4.00%、Mo:0.
10〜0.60%を含有し、あるいはさらに必要に応じ
て、Ni,Nb,V,Ti,Cuの少量を1種、または
2種以上を含有して、残部が鉄および不可避的不純物か
らなり、かつその金属組織がベイナイト組織を呈した材
料で、パーライト組織を呈した材料1で覆われたレール
頭表部aおよびレール頭側部bあるいはさらにレール底
部cの表面以外の部位に配置される。
%、Si:0.15〜1.20%、Mn:0.30〜
2.00%、Cr:1.00〜4.00%、Mo:0.
10〜0.60%を含有し、あるいはさらに必要に応じ
て、Ni,Nb,V,Ti,Cuの少量を1種、または
2種以上を含有して、残部が鉄および不可避的不純物か
らなり、かつその金属組織がベイナイト組織を呈した材
料で、パーライト組織を呈した材料1で覆われたレール
頭表部aおよびレール頭側部bあるいはさらにレール底
部cの表面以外の部位に配置される。
【0011】本発明において、上記した部分をベイナイ
ト組織を呈した材料に限定した理由は、ベイナイト鋼は
パーライト鋼と比較して靭性が高く、また、パーライト
鋼との接合性も良好であるからである。また、この部位
における各成分を限定した理由は以下の通りである。C
は一定の強度を確保するための必須元素であり。0.1
0%未満では、レール鋼としての強度を確保することが
難しくなり、0.45%を超えると破壊靭性の低いパー
ライト組織が多く生成してしまうため、0.10〜0.
45%に限定した。
ト組織を呈した材料に限定した理由は、ベイナイト鋼は
パーライト鋼と比較して靭性が高く、また、パーライト
鋼との接合性も良好であるからである。また、この部位
における各成分を限定した理由は以下の通りである。C
は一定の強度を確保するための必須元素であり。0.1
0%未満では、レール鋼としての強度を確保することが
難しくなり、0.45%を超えると破壊靭性の低いパー
ライト組織が多く生成してしまうため、0.10〜0.
45%に限定した。
【0012】Siはフェライト組織に固溶することによ
って強度を向上させる元素であるが、脱酸元素としても
0.15%以上の添加が必要であり、また、1.20%
を超えるとレール製造時の表面きずの問題や、レール溶
接時の接合不良をもたらすため0.15〜1.20%に
限定した。
って強度を向上させる元素であるが、脱酸元素としても
0.15%以上の添加が必要であり、また、1.20%
を超えるとレール製造時の表面きずの問題や、レール溶
接時の接合不良をもたらすため0.15〜1.20%に
限定した。
【0013】Mnは鋼の焼入れ性を高めフェライト粒を
細かくし、強度と靭性を同時に向上させる効果を持つ
が、0.30%未満ではその効果が少なく、また、2.
00%を超えると、パーライト組織が多く生成してしま
い靭性を低下させるため、0.30〜2.00%に限定
した。
細かくし、強度と靭性を同時に向上させる効果を持つ
が、0.30%未満ではその効果が少なく、また、2.
00%を超えると、パーライト組織が多く生成してしま
い靭性を低下させるため、0.30〜2.00%に限定
した。
【0014】Crはベイナイト組織中のセメンタイトを
微細に分散させ強度を確保するために重要な元素である
が、1.00%未満ではベイナイト組織中のセメンタイ
トの分散が粗くなり、靭性が大きく低下し、また、4.
00%以上では炭化物の粗大化が生じるばかりか、硬度
の上昇によりレールの加工性が低下するため、1.00
〜4.00%に限定した。
微細に分散させ強度を確保するために重要な元素である
が、1.00%未満ではベイナイト組織中のセメンタイ
トの分散が粗くなり、靭性が大きく低下し、また、4.
00%以上では炭化物の粗大化が生じるばかりか、硬度
の上昇によりレールの加工性が低下するため、1.00
〜4.00%に限定した。
【0015】Moはベイナイト組織の安定化に欠くこと
ができない元素であるが、0.10%未満ではその効果
が十分でなく、0.60%以上ではベイナイト組織中に
硬くて脆いマルテンサイト組織が生成してしまうため、
0.10〜0.60%に限定した。
ができない元素であるが、0.10%未満ではその効果
が十分でなく、0.60%以上ではベイナイト組織中に
硬くて脆いマルテンサイト組織が生成してしまうため、
0.10〜0.60%に限定した。
【0016】Niはオーステナイト粒安定化元素であ
り、ベイナイト変態温度を下げ、ベイナイト組織を微細
化させ、靭性を向上させる元素であるが、0.05%未
満ではその効果が著しく小さく、また、4.00%を超
える添加を行ってもその効果の向上が十分に期待できな
いために0.05〜4.00%の範囲に限定した。
り、ベイナイト変態温度を下げ、ベイナイト組織を微細
化させ、靭性を向上させる元素であるが、0.05%未
満ではその効果が著しく小さく、また、4.00%を超
える添加を行ってもその効果の向上が十分に期待できな
いために0.05〜4.00%の範囲に限定した。
【0017】Nbはオーステナイト結晶粒微細化元素で
あり、レール鋼の靭性および延性を向上させることがで
きるが、0.01%以下ではその効果が十分でなく、
0.05%以上ではNbの金属間化合物が生成し脆化を
引き起こすため、0.01〜0.05%に限定した。
あり、レール鋼の靭性および延性を向上させることがで
きるが、0.01%以下ではその効果が十分でなく、
0.05%以上ではNbの金属間化合物が生成し脆化を
引き起こすため、0.01〜0.05%に限定した。
【0018】VはNiとほぼ同等の効果を示し、V
(C,N)の析出によりベイナイト組織を強化すること
ができるが、0.05%以下ではその効果が十分でな
く、0.30%以上ではVの添加はV(C,N)の粗大
化によってかえって脆化を生じさせるため、0.05〜
0.30%に限定した。
(C,N)の析出によりベイナイト組織を強化すること
ができるが、0.05%以下ではその効果が十分でな
く、0.30%以上ではVの添加はV(C,N)の粗大
化によってかえって脆化を生じさせるため、0.05〜
0.30%に限定した。
【0019】Tiは析出したTi(C,N)が高温でも
溶解しないことを利用して、レールの圧延加熱時のオー
ステナイト結晶粒の細粒化に寄与する。しかし、0.0
1%以下ではその効果が小さく、0.05%以上ではT
iNの粗大化が生じ、レール内部の疲労損傷の核となり
有害であり、0.01〜0.05%に限定した。
溶解しないことを利用して、レールの圧延加熱時のオー
ステナイト結晶粒の細粒化に寄与する。しかし、0.0
1%以下ではその効果が小さく、0.05%以上ではT
iNの粗大化が生じ、レール内部の疲労損傷の核となり
有害であり、0.01〜0.05%に限定した。
【0020】Cuは鋼の靭性を損なわず強度を向上させ
る元素である。その効果は0.05〜0.50%の範囲
で最も大きく、また、0.50%を超える添加は強度の
向上が過大となり靭性の低下を招くことから0.05〜
0.50%の範囲に限定した。
る元素である。その効果は0.05〜0.50%の範囲
で最も大きく、また、0.50%を超える添加は強度の
向上が過大となり靭性の低下を招くことから0.05〜
0.50%の範囲に限定した。
【0021】パーライト組織を呈した材料1の被覆厚さ
をレール頭表面部およびレール頭側表面部から5mm以上
に限定した理由は、被覆厚さ5mm未満では、摩耗の進行
によりレール使用中に内部のベイナイト組織がレール頭
表面部分に露出し、摩耗によるレールの使用寿命を著し
く低下させるために5mm以上に限定した。また被覆厚さ
を40mm以下に限定した理由は、レールの摩耗による最
大使用限界が頭表面部および頭側表面部のレール外郭表
面部より40mm程度であり、被覆厚さが40mm以上存在
しても、これ以上摩耗したレールは、列車の安定走行な
どの点からレールとしての機能を果たさないために40
mm以下に限定した。
をレール頭表面部およびレール頭側表面部から5mm以上
に限定した理由は、被覆厚さ5mm未満では、摩耗の進行
によりレール使用中に内部のベイナイト組織がレール頭
表面部分に露出し、摩耗によるレールの使用寿命を著し
く低下させるために5mm以上に限定した。また被覆厚さ
を40mm以下に限定した理由は、レールの摩耗による最
大使用限界が頭表面部および頭側表面部のレール外郭表
面部より40mm程度であり、被覆厚さが40mm以上存在
しても、これ以上摩耗したレールは、列車の安定走行な
どの点からレールとしての機能を果たさないために40
mm以下に限定した。
【0022】また、レール頭表面部および頭側表面部に
パーライト組織を呈した材料1を配置し、その他の部分
に、C:0.10〜0.45%、Si:0.15〜1.
20%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:1.00
〜4.00%、Mo:0.10〜0.60%を含有し、
必要に応じて、Ni,Nb,V,Ti,Cuの少量を1
種、または2種以上を含有して、その金属組織がベイナ
イト組織を呈した材料2を配置した理由は、レール頭表
面部分をパーライト組織を呈した材料を配置することで
レール頭表面部分での耐摩耗性を確保し、さらにその内
部にベイナイト組織を呈する材料を配置することによっ
て、レール腹部や底部の靭性を向上させ、レールの破壊
靭性を大きく向上させることができるからである。
パーライト組織を呈した材料1を配置し、その他の部分
に、C:0.10〜0.45%、Si:0.15〜1.
20%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:1.00
〜4.00%、Mo:0.10〜0.60%を含有し、
必要に応じて、Ni,Nb,V,Ti,Cuの少量を1
種、または2種以上を含有して、その金属組織がベイナ
イト組織を呈した材料2を配置した理由は、レール頭表
面部分をパーライト組織を呈した材料を配置することで
レール頭表面部分での耐摩耗性を確保し、さらにその内
部にベイナイト組織を呈する材料を配置することによっ
て、レール腹部や底部の靭性を向上させ、レールの破壊
靭性を大きく向上させることができるからである。
【0023】上記のように、レール軸断面において異種
金属の二層構造からなる本発明は、爆着圧延、クラッド
法、鋳ぐるみ鋳造法、積層分散鋳造法、複層連続鋳造法
など任意の方法でブルームあるいはスラブを製造したの
ち、通常の熱間成型圧延法によってレールに製造され
る。さらに、必要によっては、本レールの頭部やその他
の部分の材質を改善するために熱処理が施される。この
ようにして製造された本レールは、鉄道用のレールとし
て要求される耐摩耗性や耐破壊靭性を具備する。
金属の二層構造からなる本発明は、爆着圧延、クラッド
法、鋳ぐるみ鋳造法、積層分散鋳造法、複層連続鋳造法
など任意の方法でブルームあるいはスラブを製造したの
ち、通常の熱間成型圧延法によってレールに製造され
る。さらに、必要によっては、本レールの頭部やその他
の部分の材質を改善するために熱処理が施される。この
ようにして製造された本レールは、鉄道用のレールとし
て要求される耐摩耗性や耐破壊靭性を具備する。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。表
1に示す本発明の8種類の二層構造レールと単一成分か
らなる2種類のレールを用いて、実レールと実車輪によ
るレール頭表面での摩耗試験と実レールによる落重試験
を行った。結果を表2および表3に示す。表1には、そ
れぞれのレール試料についての衝撃試験における吸収エ
ネルギーを併記した。尚レールの構造、構成材料の組織
は以下の通りである。 符号A;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;16.2mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号B;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;16.3mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号C;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;28.6mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号D;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;29.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号E;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;35.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号F;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;35.2mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号G;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;38.6mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号H;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;37.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号I;パーライト鋼を呈する普通高炭素鋼単層レール 符号J;パーライト鋼を呈する頭部熱処理高炭素鋼単層
レール。
1に示す本発明の8種類の二層構造レールと単一成分か
らなる2種類のレールを用いて、実レールと実車輪によ
るレール頭表面での摩耗試験と実レールによる落重試験
を行った。結果を表2および表3に示す。表1には、そ
れぞれのレール試料についての衝撃試験における吸収エ
ネルギーを併記した。尚レールの構造、構成材料の組織
は以下の通りである。 符号A;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;16.2mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号B;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;16.3mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号C;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;28.6mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号D;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;29.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号E;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;35.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号F;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;35.2mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号G;断面形状図1の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;38.6mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号H;断面形状図2の二層構造レール レール頭頂面での部位1の初期表層厚さ;37.1mm レール頭表面;パーライト組織を呈する材料 それ以外の部位;ベイナイト組織を呈する材料 符号I;パーライト鋼を呈する普通高炭素鋼単層レール 符号J;パーライト鋼を呈する頭部熱処理高炭素鋼単層
レール。
【0025】また試験の条件は次の通りとした。 摩耗試験条件(全試験片とも共通) ・試験機 ;摩耗試験機 ・試験荷重 ;ラジアル荷重8.
0t、スラスト荷重0t ・試験速度 ;車輪走行速度10
0km/h ・繰り返し回数(通過トン数) ;1億通過トン数 ・雰囲気 ;大気中 落重試験条件(全試験片とも共通) ・試験機 ;落重試験機 ・試験片長さ ;1.3m ・支点間の距離 ;1.0m ・支持方法 ;頭部を上にして試
験する(頭部に落錘を落とす) ・落錘の重さ ;1000kg ・落錘の高さ ;10m ・試験温度 ;+20〜−90℃
0t、スラスト荷重0t ・試験速度 ;車輪走行速度10
0km/h ・繰り返し回数(通過トン数) ;1億通過トン数 ・雰囲気 ;大気中 落重試験条件(全試験片とも共通) ・試験機 ;落重試験機 ・試験片長さ ;1.3m ・支点間の距離 ;1.0m ・支持方法 ;頭部を上にして試
験する(頭部に落錘を落とす) ・落錘の重さ ;1000kg ・落錘の高さ ;10m ・試験温度 ;+20〜−90℃
【0026】表2に摩耗試験結果を示す。表2から明ら
かのように、本発明二層レールA,B,C、およびD,
E,Fは、従来の普通高炭素単層レールIと比較して、
同等の耐摩耗性を有する。また、頭部の熱処理を施した
本開発二層レールG,Hについても、従来の頭部熱処理
高炭素単層レールJと比較して、同等の耐摩耗性を有す
る。
かのように、本発明二層レールA,B,C、およびD,
E,Fは、従来の普通高炭素単層レールIと比較して、
同等の耐摩耗性を有する。また、頭部の熱処理を施した
本開発二層レールG,Hについても、従来の頭部熱処理
高炭素単層レールJと比較して、同等の耐摩耗性を有す
る。
【0027】表3に落重試験結果を示す。各試験条件ご
とに、4本のレールの落重試験後の破断の有無について
表中に示した。その結果、比較レールが−30〜−40
℃で4本全てのレールが破断してしまうのに対して、本
発明レールは、−80℃まで4本全てのレールが破断し
ないことが明らかになった。すなわち、本発明二層レー
ルは、従来レールと比較して、同等の耐摩耗性を有し、
かつ、破壊靭性も大きく向上している。
とに、4本のレールの落重試験後の破断の有無について
表中に示した。その結果、比較レールが−30〜−40
℃で4本全てのレールが破断してしまうのに対して、本
発明レールは、−80℃まで4本全てのレールが破断し
ないことが明らかになった。すなわち、本発明二層レー
ルは、従来レールと比較して、同等の耐摩耗性を有し、
かつ、破壊靭性も大きく向上している。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明はレールの少くと
も頭表面、頭側表面部をパーライト組織を呈する材料と
し、他の部分をベイナイト組織を呈する材料とする二層
構造部分を有するレール構成とすることにより、従来レ
ールと同等の耐摩耗性を確保すると共にレールの破壊靭
性を大きく向上させることができる。
も頭表面、頭側表面部をパーライト組織を呈する材料と
し、他の部分をベイナイト組織を呈する材料とする二層
構造部分を有するレール構成とすることにより、従来レ
ールと同等の耐摩耗性を確保すると共にレールの破壊靭
性を大きく向上させることができる。
【図1】本発明レールの断面形状の一例を示す図。
【図2】本発明レールの断面形状の他の例を示す図。
1 パーナイト組織を呈する部位 2 ベイナイト組織を呈する部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 和男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】 レール軸断面において、少なくともレー
ルの頭表面部および頭側表面部は、レール外郭表面部よ
り5mm〜40mmの深さまでの層の金属組織がパーライト
組織を呈し、その他の部分は重量%で、 C :0.10〜0.45% Si:0.15〜1.20% Mn:0.30〜2.00% Cr:1.00〜4.00% Mo:0.10〜0.60% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
つその金属組織がベイナイト組織を呈する二層構造から
なることを特徴とする耐摩耗・高靭性レール。 - 【請求項2】 レール軸断面において、少なくともレー
ルの頭表面部および頭側表面部は、レール外郭表面部よ
り5mm〜40mmの深さまでの層の金属組織がパーライト
組織を呈し、その他の部分は重量%で、 C :0.10〜0.45% Si:0.15〜1.20% Mn:0.30〜2.00% Cr:1.00〜4.00% Mo:0.10〜0.60% を含有し、さらに Ni:0.05〜4.00% Nb:0.01〜0.05% V :0.05〜0.30% Ti:0.01〜0.05% Cu:0.05〜0.50% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
的不純物からなり、かつその金属組織がベイナイト組織
を呈する二層構造からなることを特徴とする耐摩耗・高
靭性レール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31381192A JPH06158227A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 耐摩耗・高靭性レール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31381192A JPH06158227A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 耐摩耗・高靭性レール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06158227A true JPH06158227A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18045802
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31381192A Withdrawn JPH06158227A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 耐摩耗・高靭性レール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06158227A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999036583A1 (fr) * | 1998-01-14 | 1999-07-22 | Nippon Steel Corporation | Rail de type bainite presentant une excellente resistance aux dommages de fatigue en surface et une excellente resistance a l'usure |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP31381192A patent/JPH06158227A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999036583A1 (fr) * | 1998-01-14 | 1999-07-22 | Nippon Steel Corporation | Rail de type bainite presentant une excellente resistance aux dommages de fatigue en surface et une excellente resistance a l'usure |
| US6254696B1 (en) | 1998-01-14 | 2001-07-03 | Nippon Steel Corporation | Bainitic type rail excellent in surface fatigue damage resistance and wear resistance |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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