JPH06165289A - スピーカ用振動板及びその製造方法 - Google Patents
スピーカ用振動板及びその製造方法Info
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- JPH06165289A JPH06165289A JP4318850A JP31885092A JPH06165289A JP H06165289 A JPH06165289 A JP H06165289A JP 4318850 A JP4318850 A JP 4318850A JP 31885092 A JP31885092 A JP 31885092A JP H06165289 A JPH06165289 A JP H06165289A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 紙製コーン振動板の、高域まで再生できな
い、強度が低いという課題、無機繊維、有機繊維の織布
製振動板の、成形性の悪さ、材料保管の手間という課題
を解決し、振動中に振動板が変形したり分割振動を生ぜ
ず、高域共振周波数が高く、音圧−周波数特性、歪み
率、位相特性が優れ、かつ耐入力性が高く、成形性に優
れ、成形工程の簡素化が可能なスピーカ用振動板を提供
すること。 【構成】 素材織物として、緯糸に炭素繊維、経糸に炭
素繊維及びポリカーボネート繊維を用い、緯糸1と経糸
2により三次元構造に織り上げる。この織物を、加熱、
冷却装置のついた金型内に挿入し、ポリカーボネート繊
維を溶融成形の後、プレス圧を維持したまま冷却を行
う。この後、金型を開き、成形物を取り出す。
い、強度が低いという課題、無機繊維、有機繊維の織布
製振動板の、成形性の悪さ、材料保管の手間という課題
を解決し、振動中に振動板が変形したり分割振動を生ぜ
ず、高域共振周波数が高く、音圧−周波数特性、歪み
率、位相特性が優れ、かつ耐入力性が高く、成形性に優
れ、成形工程の簡素化が可能なスピーカ用振動板を提供
すること。 【構成】 素材織物として、緯糸に炭素繊維、経糸に炭
素繊維及びポリカーボネート繊維を用い、緯糸1と経糸
2により三次元構造に織り上げる。この織物を、加熱、
冷却装置のついた金型内に挿入し、ポリカーボネート繊
維を溶融成形の後、プレス圧を維持したまま冷却を行
う。この後、金型を開き、成形物を取り出す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響出力機器等に用い
るスピーカ用振動板及びその製造方法に関するものであ
る。
るスピーカ用振動板及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ関連業界においては、
再生音楽ソースのデジタル化に伴い、音響出力機器とし
てのスピーカには、その特性において、従来よりもさら
に出力音圧、歪み率、平坦性が要求され、再生音の高音
質化が望まれており、音響特性を左右するスピーカ用振
動板はますます重要視されている。
再生音楽ソースのデジタル化に伴い、音響出力機器とし
てのスピーカには、その特性において、従来よりもさら
に出力音圧、歪み率、平坦性が要求され、再生音の高音
質化が望まれており、音響特性を左右するスピーカ用振
動板はますます重要視されている。
【0003】また、特にPA用、スタジオモニター用、
車載用のスピーカにおいては、使用条件が苛酷で、特に
大入力時においては、振動系の振幅量に応じて、振動板
に対する相応の強度が要求される。
車載用のスピーカにおいては、使用条件が苛酷で、特に
大入力時においては、振動系の振幅量に応じて、振動板
に対する相応の強度が要求される。
【0004】スピーカの音響特性面から見ると、スピー
カ用振動板は使用する周波数帯域にわたってピストン運
動することが理想とされるが、振動中に振動板が変形し
たり分割振動が生ずると、音圧−周波数特性、歪み率、
位相特性等が劣化し、高忠実再生の妨げとなる。
カ用振動板は使用する周波数帯域にわたってピストン運
動することが理想とされるが、振動中に振動板が変形し
たり分割振動が生ずると、音圧−周波数特性、歪み率、
位相特性等が劣化し、高忠実再生の妨げとなる。
【0005】また、耐入力性の面から見ると、スピーカ
振動板は振動系の振幅時に加わる曲げ応力や、振動板と
他の部品との接合部に加わる剥離力に対して十分な強度
を有していないと特に大振幅時には破壊に至ってしま
う。
振動板は振動系の振幅時に加わる曲げ応力や、振動板と
他の部品との接合部に加わる剥離力に対して十分な強度
を有していないと特に大振幅時には破壊に至ってしま
う。
【0006】従来多く用いられている紙コーン振動板で
は、材料のもつE/ρ(ただし、E:弾性率、ρ:密
度)が小さいため、高域共振周波数が低く、スピーカが
高域まで再生できないという欠点があった。
は、材料のもつE/ρ(ただし、E:弾性率、ρ:密
度)が小さいため、高域共振周波数が低く、スピーカが
高域まで再生できないという欠点があった。
【0007】また、紙素材は材料の弾性率が低く、曲げ
応力に対する強度が低いため、大入力時に挫屈を起こし
たり、素材を構成するパルプ繊維間の結着力が低く、面
厚方向の剥離強度が低いため、接着部位において層状に
剥離破壊を起こすという欠点があった。
応力に対する強度が低いため、大入力時に挫屈を起こし
たり、素材を構成するパルプ繊維間の結着力が低く、面
厚方向の剥離強度が低いため、接着部位において層状に
剥離破壊を起こすという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来、このよ
うな紙振動板に代わって、炭素繊維、ガラス繊維等の無
機繊維あるいはアラミド繊維等の高結晶性、高耐熱性の
有機繊維を単独で織った織物、または交織した織物に熱
硬化性、もしくは熱可塑性の樹脂バインダーを含浸し、
雄雌金型を用いた加熱プレスにより所定の形状に成形し
た振動板が用いられてきている。
うな紙振動板に代わって、炭素繊維、ガラス繊維等の無
機繊維あるいはアラミド繊維等の高結晶性、高耐熱性の
有機繊維を単独で織った織物、または交織した織物に熱
硬化性、もしくは熱可塑性の樹脂バインダーを含浸し、
雄雌金型を用いた加熱プレスにより所定の形状に成形し
た振動板が用いられてきている。
【0009】しかしながら、このような従来用いられて
きた織物の成形には、素材の織物に二次元の面状織物を
用いていたため、成形時に目ずれを起こして成形物が不
均質となり、時には曲げ剛性に方向性を生じてしまうと
いう不都合がある。これを振動板として用いた場合、分
割共振の誘因となったり、さらに目ずれが大きいと、樹
脂バインダーが織り目の間隙を十分に満たし切れず、空
孔ができ、振動板としての機能に支障が生ずるといった
課題があった。
きた織物の成形には、素材の織物に二次元の面状織物を
用いていたため、成形時に目ずれを起こして成形物が不
均質となり、時には曲げ剛性に方向性を生じてしまうと
いう不都合がある。これを振動板として用いた場合、分
割共振の誘因となったり、さらに目ずれが大きいと、樹
脂バインダーが織り目の間隙を十分に満たし切れず、空
孔ができ、振動板としての機能に支障が生ずるといった
課題があった。
【0010】また、面厚の厚い振動板を成形する場合に
は、太い糸を用いて織り上げた厚手の織物を用いるか、
薄手の織物を所望の厚さに積層して成形する方法が取ら
れてきた。しかしながら前者の方法によると、織物の厚
みが増すほど織物の伸縮性が低下し成形が困難であると
同時に、細部において、織物素材の金型形状へのフィッ
ト性が悪く、所望する形状を成形するには困難が多く、
また布目の間隔が大きいために成形物に空孔ができやす
い課題があった。
は、太い糸を用いて織り上げた厚手の織物を用いるか、
薄手の織物を所望の厚さに積層して成形する方法が取ら
れてきた。しかしながら前者の方法によると、織物の厚
みが増すほど織物の伸縮性が低下し成形が困難であると
同時に、細部において、織物素材の金型形状へのフィッ
ト性が悪く、所望する形状を成形するには困難が多く、
また布目の間隔が大きいために成形物に空孔ができやす
い課題があった。
【0011】一方、後者の方法によると前者の方法に比
べて成形性は良いが、積層した織物の間の層間の結合強
度が相対的に低いため、曲げ応力に対して層間剥離を起
こし、厚手の織物を用いたときに比べ、振動板としての
強度が弱くなるという課題があった。
べて成形性は良いが、積層した織物の間の層間の結合強
度が相対的に低いため、曲げ応力に対して層間剥離を起
こし、厚手の織物を用いたときに比べ、振動板としての
強度が弱くなるという課題があった。
【0012】さらに、従来、バインダーとして熱硬化性
樹脂を用いる場合には、液状の樹脂を含浸して半硬化状
態の材料を形成するプリプレグ化の工程が必要で、さら
に加熱硬化成形を行うまでの間、硬化反応を抑制するた
めに低温保管が必要であり、材料管理が面倒であるとい
う課題がある。
樹脂を用いる場合には、液状の樹脂を含浸して半硬化状
態の材料を形成するプリプレグ化の工程が必要で、さら
に加熱硬化成形を行うまでの間、硬化反応を抑制するた
めに低温保管が必要であり、材料管理が面倒であるとい
う課題がある。
【0013】また、熱可塑性樹脂をバインダーとして用
いる場合も、織物とバインダーとなる熱可塑性樹脂のフ
ィルムを重ねて金型内に挿入し、加熱プレスによりバイ
ンダー樹脂を溶融含浸させて成形を行うか、もしくはあ
らかじめ織物とバインダーとなる熱可塑性樹脂のフィル
ムを重ねて熱板で加熱しバインダー樹脂を溶融含浸させ
て、シート状に形成したプリプレグを成形金型で加熱プ
レスして所定の振動板形状に成形する工程を用いること
が多いが、いずれにしても振動板としての剛性を確保す
るために、常温で弾性率の高いバインダー、すなわち熱
変形温度の高い樹脂を用いると、振動板成形時に金型形
状へのフィット性が悪くなり、バインダー樹脂フィルム
やプリプレグの割れが起こり易く、均質な振動板を得る
のが困難であり、加熱プレスの条件管理が非常に困難で
あるという課題がある。
いる場合も、織物とバインダーとなる熱可塑性樹脂のフ
ィルムを重ねて金型内に挿入し、加熱プレスによりバイ
ンダー樹脂を溶融含浸させて成形を行うか、もしくはあ
らかじめ織物とバインダーとなる熱可塑性樹脂のフィル
ムを重ねて熱板で加熱しバインダー樹脂を溶融含浸させ
て、シート状に形成したプリプレグを成形金型で加熱プ
レスして所定の振動板形状に成形する工程を用いること
が多いが、いずれにしても振動板としての剛性を確保す
るために、常温で弾性率の高いバインダー、すなわち熱
変形温度の高い樹脂を用いると、振動板成形時に金型形
状へのフィット性が悪くなり、バインダー樹脂フィルム
やプリプレグの割れが起こり易く、均質な振動板を得る
のが困難であり、加熱プレスの条件管理が非常に困難で
あるという課題がある。
【0014】本発明は上記従来の種々の課題を解決する
もので、振動中に振動板が変形したり分割振動を生ぜ
ず、高域共振周波数が高く、音圧−周波数特性、歪み
率、位相特性が優れ、耐入力性が高く、また、成形性に
優れ、成形工程の簡素化が可能なスピーカ用振動板を提
供することを目的とする。
もので、振動中に振動板が変形したり分割振動を生ぜ
ず、高域共振周波数が高く、音圧−周波数特性、歪み
率、位相特性が優れ、耐入力性が高く、また、成形性に
優れ、成形工程の簡素化が可能なスピーカ用振動板を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維、熱
可塑性樹脂繊維又は糸の混用織物のうち、三次元織物、
多重織物を所定の形状に成形してなるものである。
可塑性樹脂繊維又は糸の混用織物のうち、三次元織物、
多重織物を所定の形状に成形してなるものである。
【0016】また、本発明は、金型内で熱可塑性樹脂繊
維又は糸を加熱溶融し、炭素繊維に含浸させた後、冷却
固化することにより所定の形状に成形する方法である。
維又は糸を加熱溶融し、炭素繊維に含浸させた後、冷却
固化することにより所定の形状に成形する方法である。
【0017】
【作用】本発明によると、二次元の面状織物を用いた構
成物に比べ、成形時の目ずれがきわめて小さく、成形物
が均質で、剛性に方向性がを生じず、使用時に分割共振
が生じない。
成物に比べ、成形時の目ずれがきわめて小さく、成形物
が均質で、剛性に方向性がを生じず、使用時に分割共振
が生じない。
【0018】さらに目ずれがきわめて小さいため、成形
物に空孔ができることがきわめて少なくなる。
物に空孔ができることがきわめて少なくなる。
【0019】また、上記した材料が高い弾性率を有して
いるため、これを振動板として用いると、振動板の曲げ
剛性が非常に大きく、振動中に振動板が変形したり分割
振動が生じることがきわめて少ない。
いるため、これを振動板として用いると、振動板の曲げ
剛性が非常に大きく、振動中に振動板が変形したり分割
振動が生じることがきわめて少ない。
【0020】また、炭素繊維、熱可塑性樹脂繊維又は糸
の混用織物の内の、三次元織物、多重織物を所定の形状
に成形した構成物は、比弾性率E/ρ(ただし、E:弾
性率、ρ:密度)が大きいため、高域共振周波数が高
く、スピーカの再生帯域が高音側にのび、高域まで再生
することができ、すぐれた音圧−周波数特性、歪率、位
相特性を持つスピーカを得ることができる。
の混用織物の内の、三次元織物、多重織物を所定の形状
に成形した構成物は、比弾性率E/ρ(ただし、E:弾
性率、ρ:密度)が大きいため、高域共振周波数が高
く、スピーカの再生帯域が高音側にのび、高域まで再生
することができ、すぐれた音圧−周波数特性、歪率、位
相特性を持つスピーカを得ることができる。
【0021】さらに炭素繊維、熱可塑性樹脂繊維又は糸
の混用織物のうちの、三次元織物、多重織物を所定の形
状に成形した構成物は、材料の弾性率が高いため、曲げ
応力に対する強度が高く、また面厚方向の剥離力に対す
る強度も高いため、大入力時に挫屈を起こしたり、接着
部位において層状に剥離破壊を起こすということがな
い。
の混用織物のうちの、三次元織物、多重織物を所定の形
状に成形した構成物は、材料の弾性率が高いため、曲げ
応力に対する強度が高く、また面厚方向の剥離力に対す
る強度も高いため、大入力時に挫屈を起こしたり、接着
部位において層状に剥離破壊を起こすということがな
い。
【0022】また、織物を構成する熱可塑性樹脂繊維を
バインダーとして用いるため、成形に際してあらかじめ
プリプレグを作製する必要がなく、そのまま成形金型に
挿入して成形することができ、また熱硬化性樹脂を用い
たプリプレグのように低温保管をする必要もないため、
成形工程が簡便であると同時に材料管理がきわめて簡単
である。
バインダーとして用いるため、成形に際してあらかじめ
プリプレグを作製する必要がなく、そのまま成形金型に
挿入して成形することができ、また熱硬化性樹脂を用い
たプリプレグのように低温保管をする必要もないため、
成形工程が簡便であると同時に材料管理がきわめて簡単
である。
【0023】一方、三次元織物、多重織物は織り組織を
変えることで細い糸を用いて厚い布を織ることがでるた
め、厚い織物でも布目間隔が密で、かつ織物自体の伸縮
性が大きい織物を得ることができ、面厚の厚い振動板を
成形する場合にも織物素材の金型形状へのフィット性が
良く、細部において、所望する形状を成形することが容
易となる。
変えることで細い糸を用いて厚い布を織ることがでるた
め、厚い織物でも布目間隔が密で、かつ織物自体の伸縮
性が大きい織物を得ることができ、面厚の厚い振動板を
成形する場合にも織物素材の金型形状へのフィット性が
良く、細部において、所望する形状を成形することが容
易となる。
【0024】また、面厚方向にも表裏に織り糸が通った
組織になっているため、薄手の織物を積層して成形した
振動板に比べ、曲げ応力に対する強度が高く、層間剥離
破壊を起こすことがなく、きわめて高強度の振動板を得
ることができる。
組織になっているため、薄手の織物を積層して成形した
振動板に比べ、曲げ応力に対する強度が高く、層間剥離
破壊を起こすことがなく、きわめて高強度の振動板を得
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0026】本実施例におけるスピーカ振動板は、炭素
繊維、熱可塑性樹脂繊維の交織による多重織物を金型内
で加圧保持し、熱可塑性樹脂繊維を加熱溶融して炭素繊
維に含浸させた後、冷却固化することにより所定の形状
に成形したものである。このスピーカ用振動板は、図示
は省略するが、ボイスコイルボビンに固着され、さらに
ボイスコイルボビンの先端に設けられたボイスコイルが
磁気回路の磁気ギャップに挿入されてスピーカが構成さ
れる。
繊維、熱可塑性樹脂繊維の交織による多重織物を金型内
で加圧保持し、熱可塑性樹脂繊維を加熱溶融して炭素繊
維に含浸させた後、冷却固化することにより所定の形状
に成形したものである。このスピーカ用振動板は、図示
は省略するが、ボイスコイルボビンに固着され、さらに
ボイスコイルボビンの先端に設けられたボイスコイルが
磁気回路の磁気ギャップに挿入されてスピーカが構成さ
れる。
【0027】以上のように構成されたスピーカについ
て、以下その動作について説明する。
て、以下その動作について説明する。
【0028】スピーカは、振動板、ボイスコイルボビ
ン、ボイスコイルなどの振動系と、マグネット、ポー
ル、プレート、ヨークよりなる磁気回路系とより構成さ
れる。一様な磁場の中にあるボイスコイルに音声電流が
流れると、ボイスコイルに上下方向の電磁力が発生し電
流に応じて振動し、この振動は正確に振動板に伝えら
れ、音波として外部に放出される。
ン、ボイスコイルなどの振動系と、マグネット、ポー
ル、プレート、ヨークよりなる磁気回路系とより構成さ
れる。一様な磁場の中にあるボイスコイルに音声電流が
流れると、ボイスコイルに上下方向の電磁力が発生し電
流に応じて振動し、この振動は正確に振動板に伝えら
れ、音波として外部に放出される。
【0029】次に、本実施例のスピーカ用振動板の製造
方法について述べる。素材織物として、緯糸に炭素繊維
(1k)、経糸に炭素繊維(1k)及びポリカーボネー
ト繊維(900d)を用い、緯糸が40本/インチ、経
糸が37.5本/インチ、厚さ240μmの三次元構造
に織り上げる。このようにして織り上げた織組織の断面
方向から見た図を図1に示す。図1において、1は緯
糸、2は経糸である。
方法について述べる。素材織物として、緯糸に炭素繊維
(1k)、経糸に炭素繊維(1k)及びポリカーボネー
ト繊維(900d)を用い、緯糸が40本/インチ、経
糸が37.5本/インチ、厚さ240μmの三次元構造
に織り上げる。このようにして織り上げた織組織の断面
方向から見た図を図1に示す。図1において、1は緯
糸、2は経糸である。
【0030】この織物を、加熱、冷却装置のついた金型
内に挿入し、型温度200°C、プレス圧200kg/
cm2 で約3分間ポリカーボネート繊維を溶融成形の
後、プレス圧を維持したまま50°C付近まで冷却を行
う。この後、金型を開き、成形物を取り出す。
内に挿入し、型温度200°C、プレス圧200kg/
cm2 で約3分間ポリカーボネート繊維を溶融成形の
後、プレス圧を維持したまま50°C付近まで冷却を行
う。この後、金型を開き、成形物を取り出す。
【0031】この成形物の物性値を(表1)に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(表1)において、多重織物成形品は、緯
糸方向、経糸方向、さらに緯糸、経糸と45°に交わる
方向の3方向共に同等の弾性率を示しており、多重織物
成形品が成形時に目ずれを起こしたりせず、均一な物性
の成形品が出来上がっており、成形物が均質で、剛性に
方向性を生じず、この振動板は、分割共振が極めて生じ
難いことを示している。
糸方向、経糸方向、さらに緯糸、経糸と45°に交わる
方向の3方向共に同等の弾性率を示しており、多重織物
成形品が成形時に目ずれを起こしたりせず、均一な物性
の成形品が出来上がっており、成形物が均質で、剛性に
方向性を生じず、この振動板は、分割共振が極めて生じ
難いことを示している。
【0034】また、パルプ抄造成形物に比べ、弾性率で
約5倍、引張り強度が約4倍と高く、成形された振動板
の、曲げ剛性が非常に大きく、振動中に振動板が変形し
たり、分割振動が生じることが極めて少なく、また面厚
方向の剥離力に対する強度も高いため、大入力時に挫屈
を起こしたり、接着部位において層状に剥離破壊を起こ
し難いということを示している。
約5倍、引張り強度が約4倍と高く、成形された振動板
の、曲げ剛性が非常に大きく、振動中に振動板が変形し
たり、分割振動が生じることが極めて少なく、また面厚
方向の剥離力に対する強度も高いため、大入力時に挫屈
を起こしたり、接着部位において層状に剥離破壊を起こ
し難いということを示している。
【0035】また、14cm口径のスピーカにおいて、
本実施例による上記条件にて成形した振動板を用いた場
合、同形状のパルプ抄造成形物の振動板を用いた場合に
比べ、振動板の変形、分割振動が生ぜず良好な音響特性
が得られ、高域限界周波数においては20kHzから2
6kHzへと、6kHz再生周波数帯域を広げることが
でき、また歪率を23dB低下することができた。さら
に音圧−周波数特性の山谷も±3dBと、パルプ抄造成
形物を用いた振動板と比較して、約3dB低下すること
ができた。
本実施例による上記条件にて成形した振動板を用いた場
合、同形状のパルプ抄造成形物の振動板を用いた場合に
比べ、振動板の変形、分割振動が生ぜず良好な音響特性
が得られ、高域限界周波数においては20kHzから2
6kHzへと、6kHz再生周波数帯域を広げることが
でき、また歪率を23dB低下することができた。さら
に音圧−周波数特性の山谷も±3dBと、パルプ抄造成
形物を用いた振動板と比較して、約3dB低下すること
ができた。
【0036】本実施例においては、経糸にのみ熱可塑性
樹脂繊維を使用したが、緯糸のみ、または経糸、緯糸両
方に使用してもよい。また、熱可塑性樹脂繊維としてポ
リカーボネート繊維を用いたが、所望する振動板物性そ
の他諸特性に応じ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリオレフィン繊維、ポリフェニレンサルファイト
繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維等、熱可塑性を
有する繊維であればかまわない。
樹脂繊維を使用したが、緯糸のみ、または経糸、緯糸両
方に使用してもよい。また、熱可塑性樹脂繊維としてポ
リカーボネート繊維を用いたが、所望する振動板物性そ
の他諸特性に応じ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリオレフィン繊維、ポリフェニレンサルファイト
繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維等、熱可塑性を
有する繊維であればかまわない。
【0037】また、織り組織においても、所望する振動
板の面厚、振動板形状に伴う成形時の金型へのフィット
性を実現するためには、必要に応じて適切な多重組織、
三次元組織を用いればよく、本実施例に限定されるもの
ではない。
板の面厚、振動板形状に伴う成形時の金型へのフィット
性を実現するためには、必要に応じて適切な多重組織、
三次元組織を用いればよく、本実施例に限定されるもの
ではない。
【0038】織組織の他の例を図2、図3に示す。図2
は多重織物の織組織の各種例であり、図3は3次元織物
(垂直方向にも経糸がとおっている織物)の織組織の例
を示している。
は多重織物の織組織の各種例であり、図3は3次元織物
(垂直方向にも経糸がとおっている織物)の織組織の例
を示している。
【0039】なお、本発明における混用織物とは、炭素
繊維と熱可塑性樹脂繊維あるいは糸を紡織工程ならびに
それに準ずる工程で混成してなる織物をさし、混用方法
としては混紡、交撚、交織等が一般的であるが、これに
限定されるものではない。
繊維と熱可塑性樹脂繊維あるいは糸を紡織工程ならびに
それに準ずる工程で混成してなる織物をさし、混用方法
としては混紡、交撚、交織等が一般的であるが、これに
限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、成形工程が簡便であると同時に成形前の材料
管理がきわめて簡単な振動板を実現する。
本発明は、成形工程が簡便であると同時に成形前の材料
管理がきわめて簡単な振動板を実現する。
【0041】また、歪率が小さく、高域共振周波数が高
く、また耐入力の高いスピーカを得ることができ、これ
によって良好な音響特性及び音質と高い信頼性を有する
スピーカを実現することができる。
く、また耐入力の高いスピーカを得ることができ、これ
によって良好な音響特性及び音質と高い信頼性を有する
スピーカを実現することができる。
【図1】本発明の一実施例におけるスピーカ用振動板の
織組織の図である。
織組織の図である。
【図2】いずれも、本発明の実施例におけるスピーカ用
振動板の多重織物の織組織の図である。
振動板の多重織物の織組織の図である。
【図3】本発明の一実施例におけるスピーカ用振動板の
3次元織物の織組織の図である。
3次元織物の織組織の図である。
1 緯糸 2 経糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 一宏 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内 (72)発明者 寺田 裕彦 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内 (72)発明者 野間 敬吾 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内 (72)発明者 深田 智之 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内 (72)発明者 山取 和忠 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内 (72)発明者 岡本 良一 大阪府大阪市中央区備後町3−2−6 敷 島紡績株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】炭素繊維、熱可塑性樹脂繊維又は糸の混用
織物のうちの三次元織物、又は多重織物が所定の形状に
成形されてなるものであることを特徴とするスピーカ用
振動板。 - 【請求項2】金型内で前記熱可塑性樹脂繊維又は糸を加
熱溶融し、前記炭素繊維に含浸させた後、冷却固化する
ことにより所定の形状に成形することを特徴とする請求
項1記載のスピーカ用振動板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4318850A JPH06165289A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | スピーカ用振動板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4318850A JPH06165289A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | スピーカ用振動板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06165289A true JPH06165289A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=18103658
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4318850A Pending JPH06165289A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | スピーカ用振動板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06165289A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003089954A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-28 | Asahi Kasei Corp | 音響振動部材 |
| JP2011078094A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Qinghua Univ | 振動板及びそれを利用したスピーカー |
| WO2023238617A1 (ja) * | 2022-06-08 | 2023-12-14 | ヤマハ株式会社 | ツイーター用振動板およびツイーター |
| US20240276151A1 (en) * | 2021-06-04 | 2024-08-15 | Pss Belgium Nv | Speaker |
| US12574686B2 (en) | 2021-06-04 | 2026-03-10 | Pss Belgium Nv | Loudspeaker assembly |
-
1992
- 1992-11-27 JP JP4318850A patent/JPH06165289A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003089954A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-28 | Asahi Kasei Corp | 音響振動部材 |
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| US20240276151A1 (en) * | 2021-06-04 | 2024-08-15 | Pss Belgium Nv | Speaker |
| US12452599B2 (en) * | 2021-06-04 | 2025-10-21 | Pss Belgium Nv | Loudspeaker assembly for use on the outside of a vehicle |
| US12452600B2 (en) | 2021-06-04 | 2025-10-21 | Pss Belgium Nv | Loudspeaker assembly for use on the outside of a vehicle |
| US12574686B2 (en) | 2021-06-04 | 2026-03-10 | Pss Belgium Nv | Loudspeaker assembly |
| WO2023238617A1 (ja) * | 2022-06-08 | 2023-12-14 | ヤマハ株式会社 | ツイーター用振動板およびツイーター |
| JP2023179950A (ja) * | 2022-06-08 | 2023-12-20 | ヤマハ株式会社 | ツイーター用振動板およびツイーター |
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