JPH0616652A - グリシド酸誘導体の分割法 - Google Patents

グリシド酸誘導体の分割法

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JPH0616652A
JPH0616652A JP3196239A JP19623991A JPH0616652A JP H0616652 A JPH0616652 A JP H0616652A JP 3196239 A JP3196239 A JP 3196239A JP 19623991 A JP19623991 A JP 19623991A JP H0616652 A JPH0616652 A JP H0616652A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/26Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 (式中RとRはそれぞれ水素、塩素、低級アルキ
ル、アミノ、アセチルアミノまたはニトロ基)で表わさ
れるチオフェノールと、一般式 (式中RはC〜C18アルコキシ、ベンジルオキ
シ、アミノ、アルキルアミまたはジアルキルアミノ基;
Xはメトキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシあるいは
酸エステル)で示されるシスまたはトランスエナンシオ
マーのラセミ混合物とを光学活性三級アミンの存在下に
溶媒中−20°C〜30°Cで反応させて(II)で表
わされる化合物を光学分割する方法。 【効果】 本発明方法で、医薬合成の中間体として有用
な光学活性3−(4−置換体−フェニル)グリシド酸誘
導体を高純度、高収率で得る事が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はグリシド酸誘導体の分割方法に関
したものであり、特にエステルやアミドといった形の3
−(4−置換体−フェニール)−グリシド酸誘導体の分
割方法を扱ったものである。
【0002】
【従来技術】3−(4−メトキシ−フェニール)−グリ
シド酸のエステル又はアミド誘導体は心臓脈管系に活性
を示す化合物、例えば光学活性のある2,3−ジヒドロ
−2−(4−メトキシフェニール)−1,5−ベンゾチ
アゼピン−4(5H)−オン(構造式は化4に示す通
り)のような化合物の合成のための中間体となる。
【0003】
【化4】 R:水素原子、又はアセチル基 R:水素原子、あるいは塩素原子 ※:不斉炭素原子
【0004】化4に示す化合物の特例を示すと、ジルチ
アゼム、つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−2,3
−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン(メルクインデッ
クス、10版、NO.3189、466頁)とTA−3
090,つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−8−クロロ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチ
ル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニ
ル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
(アニュアル ドラッグ データレポート 1987
年,507頁)である。化4の合成方法は種々文献に記
載されており、それらは例えば英国特許NO.1,23
6,467やヨーロッパ特許NO.127,882、N
O.158,340、英国特許NO.2,167,06
3である。又、ここに記載した文献はすべて田辺製薬株
式会社によるものである。
【0005】これらの方法の多くは実質的には以下に示
す図1の反応によっている。
【図1】 :水素原子、あるいは塩素原子 R:低アルキル基 ※:不斉炭素原子
【0006】化5に記載と同様の合成方法が他にも報告
されており、それは化5,化合物IIの代わりに2−ニ
トロ−チオフェノールが用いられ、縮合生成物のニトロ
基を閉環する前にアミノ基に還元するというものであ
る。(ヨーロッパ特許NO.59,335−田辺製薬株
式会社)
【0007】これらの方法はどれも反応の中間体を得た
時に、必要な原子配列のエナンシオマーを得るための光
学分割を必要とする。実際、先に述べた英国特許NO.
2,167,063に記載のごとく、1−(2−ナフチ
ルスルフォニル)−ピロリジン−2−カルボニルクロリ
ドによってVI式に示される環化中間体VIを分割して
得ているし、又光学活性のある塩基、例えば4−ヒドロ
キシフェニール−グリシンメチルエステルやシンコニジ
ンなどによってV式に示される中間体を分割(ヨーロッ
パ特許NO.127,882記載)し、α−フェネチル
アミンによっても(ヨーロッパ特許NO.98,89
2、田辺製薬株式会社)又、L−リジンによっても(英
国特許NO.2,130,578、インスチチュート
ルソ ファルマコ)分割採取している。
【0008】最近、III式(R:低アルキル)のエ
ステルを酵素により分割する方法が発表された(ヨーロ
ッパ特許出願番号NO.343,714、スタルミカー
ボンビー ブイ)。しかしながら、酵素による分割は化
学的方法より、多くの場合経済的な面で不都合である。
なぜなら、酵素は調整して得なければならないし、すぐ
に活性を失ってしまうのでコストが高くつく。
【0009】従来の化学的分割は化合物IIIの遊離酸
(R=H)を光学活性のある塩基を用いて処理し、ジ
アステレオイソメトリックな塩をつくる方法によると記
載されている。しかしこの特異的な方法でこの分割を行
うと化合物IIIの遊離酸(R=H)が不安定なため
大変手間がかかり、かつ困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】そこで新規なる分割
法が要望されており、シスエナンシオマー混合物(2
S,3Sと2R,3R)あるいはトランスエナンシオマ
ー(2R,3Sと2S,3R)の混合物から出発してエ
ナンシオメトリ的に純度の高い化合物IIIあるいはそ
の前駆物質を得ることの出来る方法を見出すことが本発
明の目的である。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明に従えば、上記
目的はシス体とトランス体のエナンシオマー(構造式は
化1に示される通り)の混合物をカイネティック分割す
ることにより達成される。
【0012】本方法は化1のシスあるいはトランス・エ
ナンシオマーのラセミ混合体を化2に示すチオフェノー
ルと反応させることにより成っており、溶媒中に光学活
性のある3級アミンの触媒的量の存在下で−20°C〜
+30°Cで行う。
【0013】上記の方法は前述の条件にて2つのエナン
シオマーのうちの1つが他よりチオフェノール(化2)
と、より速く反応して化3に示される化合物になること
によりカイネティック分割を行うというものである。
【0014】反応が50%進んだ所で進行を止めると、
他のエナンシオマーが溶液の中に未反応の形で残り、そ
のエナンシオメトリック純度は高い。2つのエナンシオ
マーのうち一方を早く反応させるというのは光学活性の
ある3級アミンの性質である。反応機構はまだ解明され
ていないが、我々の実験は以下のことを示唆している。
つまり、反応はアンモニウムチオフェネイト(チオフェ
ノール(化2)を光学活性のある3級アミンと反応させ
て得る)が化1のエポキシ環を攻撃してトランス型に開
環するらしい。
【0015】化5の最初の反応は、熱によってエポキシ
ドがトランス型に開環するが、塩基性環境下ではシス型
に開環することにより起こるので、本方法は大変有用で
ある。なぜならカイネティック分割の結果が良好である
のに加えて、化4に示される化合物を合成するのにシス
の構造をとっている化1のみを利用することが出来るか
らである。
【0016】実際、先に述べたように光学活性のある3
級アミンは化1の2つあるエナンシオマーのうちどちら
が早く反応するかということを決めている。例えば、化
1のトランス・エナンシオマー混合物(2R,3Sと2
S,3R)から出発して、(2R,3S)体は未反応の
まま残して、(2S,3R)体を選択的に反応させるこ
とが次のようにして可能である。つまり、熱によって2
−アミノチオフェノールと縮合させた場合は、化5のI
Vを正しい原子配列で得ることが出来る。
【0017】同様にして、化1のシス化合物のラセミ体
から出発して塩基性環境下で2−アミノ−チオフェノー
ルと反応させた場合は、化5のIV中間体がそれに応じ
た正しい形で得られる、つまりカイネティック分割の結
果は化1の(2R,3R)エナンシオマーが反応に関与
したことを示している。
【0018】従って反対に、もし本発明が化5のIII
Aに示される化合物の(2R,3R)エナンシオマーが
先に反応するような条件で行われていたら、IIに示さ
れる化合物として2−アミノ−チオフェノールを用いる
とIVに示される化合物として、それなりの適正な原子
配列を持った形で得られていたであろう。
【0019】先に述べた反応は化5記載に類似の反応で
あることは明らかであり、2−ニトロ−チオフェノール
が適当である時には、これを用いると化合物IVの中間
体はアミノ基の代わりにニトロ基がついた形で得られ
る。
【0020】本発明の目的とする反応の実際的な因子や
パラメーターは以下に述べる。
【0021】(基質)化1に示される化合物 先に述べた通り、反応は化1のトランスとシス・エナン
シオマーのラセミ混合物より出発するのが適当である。
シス体とトランス体の2つの基質は同量ずつ存在してお
り、これが反応を行わせる上での利点となっている。と
いうのは、化4に示されたものを合成するのに化1のシ
ス・エナンシオマーも又、利用し得るからである。
【0022】化1に示される化合物の置換体について考
える限り、炭素数の少いものから多いものに至るまでの
アルコールとのエステルの形になっていたり、あるいは
アミドの形になっていたりするカルボキシ基を持つこと
は、他の反応のパラメーターの関数として化1のリポフ
ィリシティーの調節に関与する可能性があり、大変有用
である。
【0023】置換体Xはいくつかの要因によって選択さ
れるがその要因とは、例えば化1のリポフィリシティー
を調節する可能性のある因子といったようなものであ
る。このために、適当に保護された水酸基が用いられ得
る。
【0024】フェノール類の保護やその脱保護について
の広範囲の文献はテオドラ ダブリュ ブリュー 著、
「有機合成における保護基」,3章,87〜108頁,
ジョン ウイリー アンド サンズ 社を参照された
い。
【0025】(試薬)化2のうちでよく用いられるもの
はチオフェノール,4−メチル−チオフェノール,4−
イソプロピル−チオフェノール,4−tert.ブチル
−チオフェノール,2−アミノ−チオフェノール,2−
ニトロ−チオフェノール,2−アミノ−5−クロロ−チ
オフェノール,2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノー
ル,2,4−ジメチル−チオフェノール,2,6−ジメ
チル−チオフェノールである。
【0026】これらのチオフェノールのうちから化2と
してどれを選択するかは、行おうとする反応の種類によ
るし、又、反応の目的が未反応の化1エナンシオマー
(例えば2R,3Sエナンシオマー)を高純度で得るこ
とにあるのか、あるいは化5IVの化合物を直接得るこ
とにあるのか、ということにも依存している。
【0027】前者はラセミ混合物と化2で表わされる適
当なチオフェノールを反応させ、後者の場合は化2とし
て2−アミノ−チオフェノール,2−ニトロ−チオフェ
ノール,2−アミノ−5−クロロ−チオフェノール又は
2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノールのみが有用で
ある。
【0028】化2は1モルの基質に対して、0.4〜3
モル用いられる。反応は50%以上進行すると困るし
(先に反応するエナンシオマーに次いで2番目のエナン
シオマーが反応するのをさけるため)、化2なる物質は
化1に対して過剰に用いる(モルにして50%以上)こ
ともあるので、反応は適当な所で止めねばならない。
【0029】一般的には、化2は基質のモルに対して
0.4〜1モル量用いられ、中でも0.5〜0.7モル
用いられることが多い。
【0030】(触媒)本発明の反応に有効な光学活性の
ある3級アミンは、光学活性のあるシンコナ塩基、N,
N−ジアルキル−エフェドリン,ジアルキルフェニルア
ミン,α−あるいはβ−ヒドロキシ−トリアルキルアミ
ン等である。
【0031】シンコナ塩基は例えばシンコニン,ジヒド
ロシンコニジン,キニン,キニジン,シンコニジン等が
よく用いられ、中でもシンコニジンがもっとも繁用され
る。
【0032】上記の塩基の4級アンモニウム塩も又、用
いることが出来、この場合、部分的に別の塩基が入るこ
ともある。シンコニジンをラセミ体のトランス型、化1
と一緒に反応に用いた場合、2S,3Rエナンシオマー
は反応するが、反応が50%進行した所で止めると2
R,3Sエナンシオマーは溶液の中に未反応で残る。用
いる触媒のモル量は化1の量に対して3〜50%の範囲
であり、多くの場合は10〜50%である。
【0033】3級アミンは反応の終了段階で定量的に回
収できる。
【0034】(溶媒)化2は反応液中に完全に溶解させ
ることが要求されるが、化1と3級アミンは完全に溶解
していなくてもよい。この状態の時、用いる溶媒は、そ
れ自体は不活性で化2を溶解することが出来、少なくと
も基質としての化1と3級アミンを一部分でも溶解する
ことが出来るものを用いる。
【0035】溶媒として適当なものの例は以下の通り。
ベンゼン,トルエン,o−キシレン,m−キシレン,p
−キシレン,クロロベンゼン,o−ジクロロベンゼン,
m−ジクロロベンゼン,p−ジクロロベンゼン,あるい
はそれらの混合物、等。
【0036】(温度)反応に好ましい温度は−20゜C
から30°Cである。−20゜C以下になると反応は良
好な結果を得るけれど、工業的見地からは反応の進行速
度が遅すぎる。
【0037】反対に温度が30°C以上になると、本発
明の目的であるカイネティック分割をするために必須の
選択的反応が起こらなくなる。適切な温度範囲で反応を
行うと、適度の反応(50%)が何時間かのうちに(4
〜24時間内)達成されている。
【0038】本発明の目的とするところの過程を具体的
に示すと以下の通り。つまり、化1、化2の混合物と光
学活性のある3級アミンを不活性な溶媒、例えば芳香族
の溶媒中にて適当な温度で反応させる。
【0039】反応が進行し、適当な所(化1が50%反
応した時点)で反応混液を液状の酸の中へ注いで反応を
止める。光学活性のある3級アミンは水層より回収さ
れ、再び用いられる。有機層からは未反応のエナンシオ
マー化1が反応生成物、化3より分離される。
【0040】もし化3が適切な構造を持っていると確認
できれば、化5記載のごとくに反応を進行させ、化4を
得る。反対にもし未反応のエナンシオマー化1が適切な
構造をとっておれば、図1のごとくに2−アミノチオフ
ェノール(あるいは2−ニトロ−チオフェノール)と反
応させる。
【0041】得られた反応生成物、あるいは未反応のエ
ナンシオマーの純度は高いので、その後の化4なる化合
物の通常の合成過程(例えば化5に示されるもの)を実
行すると、イタリア局方による基準に合致する程度の光
学的純度を持った、望ましい生成物が得られ、それ以上
の精製は必要としない。
【0042】以上述べたように、本発明の目的は工業的
見地からのいくつかの有用性を示すことにある。実際、
知られている限りでは本発明の方法は化1に示されるエ
ナンシオマーの非酵素的カイネティック分割の最初の例
である。そして、それは化4なる物質を合成するための
第1段階において光学分割を可能にするという方法であ
る。さらに本法は、単純かつ、特別の反応条件や装置を
必要としないし、光学活性のある3級アミンは容易に回
収、再利用可能である。本発明をさらに解説するため
に、以下の実施例を記述する。
【0043】
【実施例1】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(2g,10m
mol)のトルエン(20mol)溶液にシンコニジン
(1.5g,5mmol)と2−アミノ−チオフェノー
ル(0.62g,5mmol)を20°、撹拌しながら
加える。
【0044】反応混液を20°C、撹拌しながら20時
間放置後、1N−塩酸溶液(20ml)中に撹拌しなが
ら注ぎ入れる。2層を分離し、水層はメチレンクロリド
(20ml)で抽出する。有機層は水(20ml)で洗
い硫酸ソーダで乾燥する。
【0045】溶媒を減圧下濃縮すると粗結晶が得られ、
それはHPLCとH−NMR解析によると(2R,3
S)−トランス−3−(4−メトキシフェニール)−グ
リシド酸メチルエステル(0.95g)を含んでいる。
【0046】そのエステルはシリカゲルクロマトグラフ
ィーでn・ヘキサン:エチルエーテル=8:2の混液を
溶出液として単離され、(2R,3S)−3−(4−メ
トキシフェニル)−グリシド酸メチルエステル(0.6
g)が エナンシオメトリックには60%過剰であるが
得られる。
【0047】その後メチルエステルはトルエン(4.2
ml)に溶解する。2−アミノ−チオフェノール(0.
36g,2.88mmol)を溶解に加え混液は2時間
加熱還流後、室温にまで冷却。不溶物を濾過して除き、
減圧下、オーブンで乾燥させる。
【0048】(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−
(2−アミノフェニルチオ)−3−(4−メトキシフェ
ニル)−プロピオニル酸メチルエステルがエナンシオメ
トリック純度72%([α] 20=+72°−C=
0.5% CHCL)で得られる。チラルカラムを用
いてのHPLCによるエナンメトリック純度検定は80
%であった。
【0049】
【実施例2】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(8g,38m
mol)のトルエン(80ml)溶液にシンコニジン
(3.7g,12.6mmol)と2−アミノ−チオフ
ェノール(2.4g,19mmol)を窒素気流中、0
°Cで撹拌しながら加える。
【0050】反応混液は0°C、24時間撹拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(80ml)中に撹拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(80m
l)で抽出する。
【0051】有機層は水(80ml)で洗い硫酸ソーダ
で乾燥する。
【0052】溶液をチラルカラムを用いてHPLC分析
するとトランス−3−(4−メトキシフェニル)−グリ
シド酸メチルエステル(4.72g,22.7mmo
l)中における(2R,3S):(2S,3R)の比率
は(73:27)であった。
【0053】
【実施例3】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(4g,19.
2mmol)のトルエン(40ml)溶液にシンコニジ
ン(2.82g,9.6mmol)と2−アミノ−チオ
フェノール(1.68g,13.44mmol)を0°
C、窒素気流中で撹拌しながら加える。
【0054】反応混液は0°C、24時間撹拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(40ml)中に撹拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(40m
l)で抽出する。
【0055】有機層は水(40ml)で洗い、硫酸ソー
ダにて乾燥させる。
【0056】溶液をチラルカラムを用いてHPLC分析
すると得られたトランス−3−(4−メトキシフェニ
ル)−グリシド酸メチルエステル(1.6g,7.7m
mol)は(2R,3S):(2S,3R)の比率が
(85:15)であった。
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はグリシド酸誘導体の分割方法に関
したものであり、特にエステルやアミドといった形の3
−(4−置換体−フェニール)−グリシド酸誘導体の分
割方法を扱ったものである。
【0002】
【従来技術】3−(4−メトキシ−フェニール)−グリ
シド酸のエステル又はアミド誘導体は心臓脈管系に活性
を示す化合物、例えば光学活性のある2,3−ジヒドロ
−2−(4−メトキシフェニール)−1,5−ベンゾチ
アゼピン−4(5H)−オン(構造式は化4に示す通
り)のような化合物の合成のための中間体となる。
【0003】
【化4】R:水素原子、又はアセチル基 R:水素原子、あるいは塩素原子 ※:不斉炭素原子
【0004】化4に示す化合物の特例を示すと、ジルチ
アゼム、つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−2,3
−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン(メルクインデッ
クス、10版、NO.3189、466頁)とTA−3
090,つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−8−クロロ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチ
ル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニ
ル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
(アニュアル ドラッグ データレポート 1987
年,507頁)である。化4の合成方法は種々文献に記
載されており、それらは例えば英国特許NO.1,23
6,467やヨーロッパ特許NO.127,882、N
O.158,340、英国特許NO.2,167,06
3である。又、ここに記載した文献はすべて田辺製薬株
式会社によるものである。
【0005】これらの方法の多くは実質的には以下に示
す図1の反応によっている。 R:水素原子、あるいは塩素原子 R:低アルキル基 ※:不斉炭素原子
【0006】図1に記載と同様の合成方法が他にも報告
されており、それは図1,化合物IIの代わりに2−ニ
トロ−チオフェノールが用いられ、縮合生成物のニトロ
基を閉環する前にアミノ基に還元するというものであ
る。(ヨーロッパ特許NO.59,335−田辺製薬株
式会社)
【0007】これらの方法はどれも反応の中間体を得た
時に、必要な原子配列のエナンシオマーを得るための光
学分割を必要とする。実際、先に述べた英国特許NO.
2,167,063に記載のごとく、1−(2−ナフチ
ルスルフォニル)−ピロリジン−2−カルボニルクロリ
ドによってVI式に示される環化中間体VIを分割して
得ているし、又光学活性のある塩基、例えば4−ヒドロ
キシフェニール−グリシンメチルエステルやシンコニジ
ンなどによってV式に示される中間体を分割(ヨーロッ
パ特許NO.127,882記載)し、α−フェネチル
アミンによっても(ヨーロッパ特許NO.98,89
2、田辺製薬株式会社)又、L−リジンによっても(英
国特許NO.2,130,578、インスチチュート
ルソ ファルマコ)分割採取している。
【0008】最近、 III式(R:低アルキル)の
エステルを酵素により分割する方法が発表された(ヨー
ロッパ特許出願番号NO.343,714、スタルミカ
ーボン ビー ブイ)。しかしながら、酵素による分割
は化学的方法より、多くの場合経済的な面で不都合であ
る。なぜなら、酵素は調整して得なければならないし、
すぐに活性を失ってしまうのでコストが高くつく。
【0009】従来の化学的分割は化合物IIIの遊離酸
(R=H)を光学活性のある塩基を用いて処理し、ジ
アステレオイソメトリックな塩をつくる方法によると記
載されている。しかしこの特異的な方法でこの分割を行
うと化合物IIIの遊離酸(R=H)が不安定なため
大変手間がかかり、かつ困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】そこで新規なる分割
法が要望されており、シスエナンシオマー混合物(2
S,3Sと2R,3R)あるいはトランスエナンシオマ
ー(2R,3Sと2S,3R)の混合物から出発してエ
ナンシオメトリ的に純度の高い化合物IIIあるいはそ
の前駆物質を得ることの出来る方法を見出すことが本発
明の目的である。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明に従えば、上記
目的はシス体とトランス体のエナンシオマー(構造式は
化1に示される通り)の混合物をカイネティック分割す
ることにより達成される
【0012】本方法は化1のシスあるいはトランス・エ
ナンシオマーのラセミ混合体を化2に示すチオフェノー
ルと反応させることにより成っており、溶媒中に光学活
性のある3級アミンの触媒的量の存在下で−20°C〜
+30゜Cで行う。
【0013】上記の方法は前述の条件にて2つのエナン
シオマーのうちの1つが他よりチオフェノール(化2)
と、より速く反応して化3に示される化合物になること
によりカイネティック分割を行うというものである。
【0014】反応が50%進んだ所で進行を止めると、
他のエナンシオマーが溶液の中に未反応の形で残り、そ
のエナンシオメトリック純度は高い。2つのエナンシオ
マーのうち一方を早く反応させるというのは光学活性の
ある3級アミンの性質である。反応機構はまだ解明され
ていないが、我々の実験は以下のことを示唆している。
つまり、反応はアンモニウムチオフェネイト(チオフェ
ノール(化2)を光学活性のある3級アミンと反応させ
て得る)が化1のエポキシ環を攻撃してトランス型に開
環するらしい。
【0015】図1の最初の反応は、熱によってエポキシ
ドがトランス型に開環するが、塩基性環境下ではシス型
に開環することにより起こるので、本方法は大変有用で
ある。なぜならカイネティック分割の結果が良好である
のに加えて、化4に示される化合物を合成するのにシス
の構造をとっている化1のみを利用することが出来るか
らである。
【0016】実際、先に述べたように光学活性のある3
級アミンは化1の2つあるエナンシオマーのうちどちら
が早く反応するかということを決めている。例えば、化
1のトランス・エナンシオマー混合物(2R,3Sと2
S,3R)から出発して、(2R,3S)体は未反応の
まま残して、(2S,3R)体を選択的に反応させるこ
とが次のようにして可能である。つまり、熱によって2
−アミノチオフェノールと縮合させた場合は、図1のI
Vを正しい原子配列で得ることが出来る。
【0017】同様にして、化1のシス化合物のラセミ体
から出発して塩基性環境下で2−アミノ−チオフェノー
ルと反応させた場合は、図1のIV中間体がそれに応じ
た正しい形で得られる、つまりカイネティック分割の結
果は化1の(2R,3R)エナンシオマーが反応に関与
したことを示している。
【0018】従って反対に、もし本発明が図1のIII
Aに示される化合物の(2R,3R)エナンシオマーが
先に反応するような条件で行われていたら、IIに示さ
れる化合物として2−アミノ−チオフェノールを用いる
とIVに示される化合物として、それなりの適正な原子
配列を持った形で得られていたであろう。
【0019】先に述べた反応は図1記載に類似の反応で
あることは明らかであり、2−ニトロ−チオフェノール
が適当である時には、これを用いると化合物IVの中間
体はアミノ基の代わりにニトロ基がついた形で得られ
る。
【0020】本発明の目的とする反応の実際的な因子や
パラメーターは以下に述べる。
【0021】(基質)化1に示される化合物 先に述べた通り、反応は化1のトランスとシス・エナン
シオマーのラセミ混合物より出発するのが適当である。
シス体とトランス体の2つの基質は同量ずつ存在してお
り、これが反応を行わせる上での利点となっている。と
いうのは、化4に示されたものを合成するのに化1のシ
ス・エナンシオマーも又、利用し得るからである。
【0022】化1に示される化合物の置換体について考
える限り、炭素数の少いものから多いものに至るまでの
アルコールとのエステルの形になっていたり、あるいは
アミドの形になっていたりするカルボキシ基を持つこと
は、他の反応のパラメーターの関数として化1のリポフ
ィリシティーの調節に関与する可能性があり、大変有用
である。
【0023】置換体Xはいくつかの要因によって選択さ
れるがその要因とは、例えば化1のリポフィリシティー
を調節する可能性のある因子といったようなものであ
る。このために、適当に保護された水酸基が用いられ得
る。
【0024】フェノール類の保護やその脱保護について
の広範囲の文献はテオドラ ダブリュ ブリュー 著、
「有機合成における保護基」,3章,87〜108頁,
ジョン ウイリー アンド サンズ 社を参照された
い。
【0025】(試薬)化2のうちでよく用いられるもの
はチオフェノール,4−メチル−チオフェノール,4−
イソプロピル−チオフェノール,4−tert.ブチル
−チオフェノール,2−アミノ−チオフェノール,2−
ニトロ−チオフェノール,2−アミノ−5−クロロ−チ
オフェノール,2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノー
ル,2,4−ジメチル−チオフェノール,2,6−ジメ
チル−チオフェノールである。
【0026】これらのチオフェノールのうちから化2と
してどれを選択するかは、行おうとする反応の種類によ
るし、又、反応の目的が未反応の化1エナンシオマー
(例えば2R,3Sエナンシオマー)を高純度で得るこ
とにあるのか、あるいは図1IVの化合物を直接得るこ
とにあるのか、ということにも依存している。
【0027】前者はラセミ混合物と化2で表わされる適
当なチオフェノールを反応させ、後者の場合は化2とし
て2−アミノ−チオフェノール,2−ニトロ−チオフェ
ノール,2−アミノ−5−クロロ−チオフェノール又は
2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノールのみが有用で
ある。
【0028】化2は1モルの基質に対して、0.4〜3
モル用いられる。反応は50%以上進行すると困るし
(先に反応するエナンシオマーに次いで2番目のエナン
シオマーが反応するのをさけるため)、化2なる物質は
化1に対して過剰に用いる(モルにして50%以上)こ
ともあるので、反応は適当な所で止めねばならない。
【0029】一般的には、化2は基質のモルに対して
0.4〜1モル量用いられ、中でも0.5〜0.7モル
用いられることが多い。
【0030】(触媒)本発明の反応に有効な光学活性の
ある3級アミンは、光学活性のあるシンコナ塩基、N,
N−ジアルキル−エフェドリン,ジアルキルフェニルア
ミン,α−あるいはβ−ヒドロキシ−トリアルキルアミ
ン等である。
【0031】シンコナ塩基は例えばシンコニン,ジヒド
ロシンコニジン,キニン,キニジン,シンコニジン等が
よく用いられ、中でもシンコニジンがもっとも繁用され
る。
【0032】上記の塩基の4級アンモニウム塩も又、用
いることが出来、この場合、部分的に別の塩基が入るこ
ともある。シンコニジンをラセミ体のトランス型、化1
と一緒に反応に用いた場合、2S,3Rエナンシオマー
は反応するが、反応が50%進行した所で止めると2
R,3Sエナンシオマーは溶液の中に未反応で残る。用
いる触媒のモル量は化1の量に対して3〜50%の範囲
であり、多くの場合は10〜50%である。
【0033】3級アミンは反応の終了段階で定量的に回
収できる。
【0034】(溶媒)化2は反応液中に完全に溶解させ
ることが要求されるが、化1と3級アミンは完全に溶解
していなくてもよい。この状態の時、用いる溶媒は、そ
れ自体は不活性で化2を溶解することが出来、少なくと
も基質としての化1と3級アミンを一部分でも溶解する
ことが出来るものを用いる。
【0035】溶媒として適当なものの例は以下の通り。
ベンゼン,トルエン,o−キシレン,m−キシレン,p
−キシレン,クロロベンゼン,o−ジクロロベンゼン,
m−ジクロロベンゼン,p−ジクロロベンゼン,あるい
はそれらの混合物、等。
【0036】(温度)反応に好ましい温度は−20°C
から30°Cである。−20°C以下になると反応は良
好な結果を得るけれど、工業的見地からは反応の進行速
度が遅すぎる
【0037】反対に温度が30゜C以上になると、本発
明の目的であるカイネティック分割をするために必須の
選択的反応が起こらなくなる。適切な温度範囲で反応を
行うと、適度の反応(50%)が何時間かのうちに(4
〜24時間内)達成されている。
【0038】本発明の目的とするところの過程を具体的
に示すと以下の通り。つまり、化1、化2の混合物と光
学活性のある3級アミンを不活性な溶媒、例えば芳香族
の溶媒中にて適当な温度で反応させる。
【0039】反応が進行し、適当な所(化1が50%反
応した時点)で反応混液を液状の酸の中へ注いで反応を
止める。光学活性のある3級アミンは水層より回収さ
れ、再び用いられる。有機層からは未反応のエナンシオ
マー化1が反応生成物、化3より分離される
【0040】もし化3が適切な構造を持っていると確認
できれば、図1記載のごとくに反応を進行させ、化4を
得る。反対にもし未反応のエナンシオマー化1が適切な
構造をとっておれば、図1のごとくに2−アミノチオフ
ェノール(あるいは2−ニトロ−チオフェノール)と反
応させる。
【0041】得られた反応生成物、あるいは未反応のエ
ナンシオマーの純度は高いので、その後の化4なる化合
物の通常の合成過程(例えば図1に示されるもの)を実
行すると、イタリア局方による基準に合致する程度の光
学的純度を持った、望ましい生成物が得られ、それ以上
の精製は必要としない。
【0042】以上述べたように、本発明の目的は工業的
見地からのいくつかの有用性を示すことにある。実際、
知られている限りでは本発明の方法は化1に示されるエ
ナンシオマーの非酵素的カイネティック分割の最初の例
である。そして、それは化4なる物質を合成するための
第1段階において光学分割を可能にするという方法であ
る。さらに本法は、単純かつ、特別の反応条件や装置を
必要としないし、光学活性のある3級アミンは容易に回
収、再利用可能である。本発明をさらに解説するため
に、以下の実施例を記述する。
【0043】
【実施例1】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(2g,10m
mol)のトルエン(20mol)溶液にシンコニジン
(1.5g,5mmol)と2−アミノ−チオフェノー
ル(0.62g,5mmol)を20°、撹拌しながら
加える。
【0044】反応混液を20°C、撹拌しながら20時
間放置後、1N−塩酸溶液(20ml)中に撹拌しなが
ら注ぎ入れる。2層を分離し、水層はメチレンクロリド
(20ml)で抽出する。有機層は水(20ml)で洗
い硫酸ソーダで乾燥する。
【0045】溶媒を減圧下濃縮すると粗結晶が得られ、
それはHPLCとH−NMR解析によると(2R,3
S)−トランス−3−(4−メトキシフェニール)−グ
リシド酸メチルエステル(0.95g)を含んでいる。
【0046】そのエステルはシリカゲルクロマトグラフ
ィーでn・ヘキサン:エチルエーテル=8:2の混液を
溶出液として単離され、(2R,3S)−3−(4−メ
トキシフェニル)−グリシド酸メチルエステル(0.6
g)が エナンシオメトリックには60%過剰であるが
得られる。
【0047】その後メチルエステルはトルエン(4.2
ml)に溶解する。2−アミノ−チオフェノール(0.
36g,2.88mmol)を溶解に加え混液は2時間
加熱還流後、室温にまで冷却。不溶物を濾過して除き、
減圧下、オーブンで乾燥させる。
【0048】(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−
(2−アミノフェニルチオ)−3−(4−メトキシフェ
ニル)−プロピオニル酸メチルエステルがエナンシオメ
トリック純度72%([α] 20=+72°−C=
0.5% CHCL)で得られる。チラルカラムを用
いてのHPLCによるエナンメトリック純度検定は80
%であった。
【0049】
【実施例2】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(8g,38m
mol)のトルエン(80ml)溶液にシンコニジン
(3.7g,12.6mmol)と2−アミノ−チオフ
ェノール(2.4g,19mmol)を窒素気流中、0
°Cで撹拌しながら加える。
【0050】反応混液は0°C、24時間撹拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(80ml)中に撹拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(80m
l)で抽出する。
【0051】有機層は水(80ml)で洗い硫酸ソーダ
で乾燥する。
【0052】溶液をチラルカラムを用いてHPLC分析
するとトランス−3−(4−メトキシフェニル)−グリ
シド酸メチルエステル(4.72g,22.7mmo
l)中における(2R,3S):(2S,3R)の比率
は(73:27)であった。
【0053】
【実施例3】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(4g,19.
2mmol)のトルエン(40ml)溶液にシンコニジ
ン(2.82g,9.6mmol)と2−アミノ−チオ
フェノール(1.68g,13.44mmol)を0°
C、窒素気流中で撹拌しながら加える。
【0054】反応混液は0°C、24時間撹拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(40ml)中に撹拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(40m
l)で抽出する。
【0055】有機層は水(40ml)で洗い、硫酸ソー
ダにて乾燥させる。
【0056】溶液をチラルカラムを用いてHPLC分析
すると得られたトランス−3−(4−メトキシフェニ
ル)−グリシド酸メチルエステル(1.6g,7.7m
mol)は(2R,3S):(2S,3R)の比率が
(85:15)であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 化1 【化1】 (式中Rは直鎖あるいは分岐鎖C〜C18アルコキ
    シ基、ベンジルオキシ基、アミノ基、あるいはアルキル
    部に炭素原子を1〜6コ有するもの、あるいはジアルキ
    ルアミノ基を表わし; Xはメトキシ基あるいは、ヒド
    ロキシ基およびベンジルオキシまたはフェノールの保護
    に通常使用せられる酸とのエステルの様に保護されたヒ
    ドロキシ基からなる群より選ばれるメトキシ基に変換可
    能な基を表わし; ※印は不斉炭素原子を表わす)で表
    されるグリシド酸誘導体のシスあるいはトランス・エナ
    ンシオマーのラセミ混合物と、一般式 化2 【化2】 (式中RとRは同種または異種の基で、水素原子、
    塩素原子、C〜Cアルキル基、アミノ基、アセチル
    アミノ基あるいはニトロ基を表わす)で表わされるチオ
    フェノールを不活性溶媒中、触媒量の光学活性三級アミ
    ンの存在下−20°C〜+30°Cの温度で反応させる
    ことを特徴とする化1のグリシド酸誘導体のシスあるい
    はトランス・エナンシオマー混合物を動力学的に分割す
    る方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式 化3 【化3】 で表わされる化合物(R,R,RおよびXは請求
    項1で規定した通り)が単離せられる請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 化2で表わされるチオフェノールのモル
    量が化1で表わされる化合物より50%以上大である場
    合、化1で表わされる化合物の約50%が変換された時
    点で反応を終了させる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 一般式 化2で表わされるチオフェノー
    ルが、チオフェノール、4−メチルチオフェノール、4
    −イソプロピル−チオフェノール、4−t−ブチル−チ
    オフェノール、2−アミノ−チオフェノール、2−ニト
    ロ−チオフェノール、2−アミノ−5−クロロ−チオフ
    ェノール、2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノール、
    2,4−ジメチル−チオフェノール、2,6−ジメチル
    −チオフェノールからなる群より選ばれる請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 光学活性三級アミンがN,N−ジアルキ
    ル−エフェドリン、ジアルキルフェニルアミン、α−あ
    るいはβ−ヒドロキシ−トリアルキルアミン、シンコニ
    ン、ジヒドロシンコニジン、キニン、キニジン、シンコ
    ニジンあるいはそれらの四級アンモニウム塩から選ばれ
    る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 光学活性三級アミンがシンコニジンであ
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 光学活性三級アミンのモル量が化1の化
    合物に対し3〜50%である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 溶媒がベンゼン、トルエン、o−キシレ
    ン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o
    −ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジク
    ロロベンゼン、あるいはそれらの混合物から選ばれる請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 化1の化合物、化2の化合物および光学
    活性三級アミンを不活性溶媒中高温で反応させ、化1の
    化合物の変換率が50%の段階で反応を終了させ、未反
    応の化1の化合物を化3の化合物から分離させることを
    含む請求項1記載の方法。
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