JPH06168810A - 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法 - Google Patents
射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法Info
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- JPH06168810A JPH06168810A JP5180646A JP18064693A JPH06168810A JP H06168810 A JPH06168810 A JP H06168810A JP 5180646 A JP5180646 A JP 5180646A JP 18064693 A JP18064693 A JP 18064693A JP H06168810 A JPH06168810 A JP H06168810A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 R成分とバインダーとの反応や成形体中に残
留する炭素および酸素による磁気特性の劣化を防止し、
磁場中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせず、
射出成形性を向上させて複雑な形状、特に小型製品のR
−Fe−B系焼結異方性磁石が得られる射出成形法によ
るR−Fe−B系焼結磁石の製造方法の提供。 【構成】 従来の射出成形法で一般的に使用されている
熱可塑性のバインダーの代わりに、バインダーとしてメ
チルセルロース及び/又は寒天と水及び少量の滑剤を使
用し、さらに平均粒度1〜10μmのR−Fe−B系合
金粉末表面を樹脂被覆して水とRとの反応を抑制し、混
連後の合金粉末の酸素量を安定化させることにより、射
出成形時に金型内でゲル化させて硬化させて所定の形状
に成形し、脱バインダー、焼結したR−Fe−B焼結体
中の残留酸素量と酸素量を大幅に減少可能で、射出成形
時の成形性を向上させ、3次元的に複雑な形状の焼結磁
石が得られる。
留する炭素および酸素による磁気特性の劣化を防止し、
磁場中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせず、
射出成形性を向上させて複雑な形状、特に小型製品のR
−Fe−B系焼結異方性磁石が得られる射出成形法によ
るR−Fe−B系焼結磁石の製造方法の提供。 【構成】 従来の射出成形法で一般的に使用されている
熱可塑性のバインダーの代わりに、バインダーとしてメ
チルセルロース及び/又は寒天と水及び少量の滑剤を使
用し、さらに平均粒度1〜10μmのR−Fe−B系合
金粉末表面を樹脂被覆して水とRとの反応を抑制し、混
連後の合金粉末の酸素量を安定化させることにより、射
出成形時に金型内でゲル化させて硬化させて所定の形状
に成形し、脱バインダー、焼結したR−Fe−B焼結体
中の残留酸素量と酸素量を大幅に減少可能で、射出成形
時の成形性を向上させ、3次元的に複雑な形状の焼結磁
石が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形法によるR
−Fe−B系焼結異方性永久磁石を製造する方法に係
り、微細結晶化したR−Fe−B系合金微粉末の表面に
樹脂を被覆した後、所定温度によりゾル・ゲル反応を起
こすバインダーとしてメチルセルロース及び/又は寒天
と水との混練物となし射出成形し、脱バインダー処理後
に焼結することにより、焼結体中の炭素と酸素の残留を
抑制し、磁気特性の劣化防止とともに、射出成形時の成
形性を向上させ、三次元的に複雑な形状の焼結磁石が得
られる射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造
方法に関する。
−Fe−B系焼結異方性永久磁石を製造する方法に係
り、微細結晶化したR−Fe−B系合金微粉末の表面に
樹脂を被覆した後、所定温度によりゾル・ゲル反応を起
こすバインダーとしてメチルセルロース及び/又は寒天
と水との混練物となし射出成形し、脱バインダー処理後
に焼結することにより、焼結体中の炭素と酸素の残留を
抑制し、磁気特性の劣化防止とともに、射出成形時の成
形性を向上させ、三次元的に複雑な形状の焼結磁石が得
られる射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、家電製品を初めコンピュータの周
辺機器や自動車等用途に用いられる小型モーターやアク
チュエータ等には、小型化、軽量化とともに高性能化が
求められており、その磁石材料も小型化、軽量化、薄肉
化からさらに磁石材料表面の所定位置に凹凸を設けた
り、貫通孔を設ける等、三次元的に複雑な形状製品が要
求されている。高性能永久磁石として、R−Fe−B系
焼結永久磁石が提案(USP 4,770,223、特
開昭59−46008号公報、特公昭61−34242
号公報)され、また、R−Fe−B系ボンド磁石も提案
(USP 4,902,361)されている。
辺機器や自動車等用途に用いられる小型モーターやアク
チュエータ等には、小型化、軽量化とともに高性能化が
求められており、その磁石材料も小型化、軽量化、薄肉
化からさらに磁石材料表面の所定位置に凹凸を設けた
り、貫通孔を設ける等、三次元的に複雑な形状製品が要
求されている。高性能永久磁石として、R−Fe−B系
焼結永久磁石が提案(USP 4,770,223、特
開昭59−46008号公報、特公昭61−34242
号公報)され、また、R−Fe−B系ボンド磁石も提案
(USP 4,902,361)されている。
【0003】上記R−Fe−B系焼結永久磁石及びR−
Fe−B系ボンド磁石ともに、通常、製造工程中に磁場
中のプレス成形を含むことから、単純形状の成形品しか
得られなかった。しかし、最近の種々形状の要求に対応
するために、従来から多くの技術分野において採用され
ている射出成形法を、上記R−Fe−B系焼結永久磁石
の製造方法に採用することが検討されている。例えば、
R−Fe−B系合金鋳塊を粉砕して得られた合金粉末と
ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を含有す
るバインダーを混練して射出成形し、脱バインダー後に
焼結するR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法(特開
昭61−220315号公報、特開昭64−28302
号公報、特開昭64−28303号公報)が提案されて
いる。又、バインダーとしてパラフィン系ワックスを用
いた射出成形法を採用したR−Fe−B系焼結永久磁石
の製造方法(特開昭64−28302号公報)が提案さ
れている。
Fe−B系ボンド磁石ともに、通常、製造工程中に磁場
中のプレス成形を含むことから、単純形状の成形品しか
得られなかった。しかし、最近の種々形状の要求に対応
するために、従来から多くの技術分野において採用され
ている射出成形法を、上記R−Fe−B系焼結永久磁石
の製造方法に採用することが検討されている。例えば、
R−Fe−B系合金鋳塊を粉砕して得られた合金粉末と
ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を含有す
るバインダーを混練して射出成形し、脱バインダー後に
焼結するR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法(特開
昭61−220315号公報、特開昭64−28302
号公報、特開昭64−28303号公報)が提案されて
いる。又、バインダーとしてパラフィン系ワックスを用
いた射出成形法を採用したR−Fe−B系焼結永久磁石
の製造方法(特開昭64−28302号公報)が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、希土
類元素(R)を含有する金属間化合物はO、H、C、N
等の元素と反応し易く、上記の射出成形法で使用されて
いる熱可塑性樹脂やパラフィン系ワックス等のバインダ
ーをR−Fe−B系合金粉末に添加混合した場合、一般
的にバインダー中の炭素と酸素の含有量がRとの反応に
より増加するために、射出成形、脱バインダー後、及び
焼結後でもかなりの炭素と酸素が残留し、特に永久磁石
の場合磁気特性の劣化を招き、射出成形法による複雑形
状品の磁石部品への応用の妨げになっている。また、従
来の射出成形法で使用されている上記のバインダーは、
合金粉末と混合した後、射出成形機内でバインダーの融
点、すなわち100℃〜200℃程度まで加熱してバイ
ンダーを溶解させていたが、R−Fe−B系永久磁石の
キュリー温度(Tc)は300℃〜350℃程度である
ことから、磁場中配向させる際にキュリー温度近くまで
加熱すると配向が困難になり、また配向に大きな着磁電
流を必要とする問題があった。
類元素(R)を含有する金属間化合物はO、H、C、N
等の元素と反応し易く、上記の射出成形法で使用されて
いる熱可塑性樹脂やパラフィン系ワックス等のバインダ
ーをR−Fe−B系合金粉末に添加混合した場合、一般
的にバインダー中の炭素と酸素の含有量がRとの反応に
より増加するために、射出成形、脱バインダー後、及び
焼結後でもかなりの炭素と酸素が残留し、特に永久磁石
の場合磁気特性の劣化を招き、射出成形法による複雑形
状品の磁石部品への応用の妨げになっている。また、従
来の射出成形法で使用されている上記のバインダーは、
合金粉末と混合した後、射出成形機内でバインダーの融
点、すなわち100℃〜200℃程度まで加熱してバイ
ンダーを溶解させていたが、R−Fe−B系永久磁石の
キュリー温度(Tc)は300℃〜350℃程度である
ことから、磁場中配向させる際にキュリー温度近くまで
加熱すると配向が困難になり、また配向に大きな着磁電
流を必要とする問題があった。
【0005】そこで、溶解温度が低いバインダーを検討
すると、従来、Co系スーパーアロイ粉末を対象とした
圧縮成形用のバインダーとして、対象合金粉末に対し
て、1.5〜3.5wt%のメチルセルロースとさらに
所定量の添加物であるグリセリンとほう酸を混合した組
成が提案(USP 4,113,480)され、また、
Y2O3−ZrO2やアルミナ粉末を対象とした射出成形
用のバインダーとして、対象合金粉末に対して10〜5
0wt%のアガロースや寒天にさらに脱イオン水とグリ
コールを加えた混合物が提案(USP 4,734,2
37)され、さらに、工具用合金粉末の射出成形用のバ
インダーとして、特殊組成からなり、対象合金粉末に対
して0.5〜2.5wt%のメチルセルロースに水、グ
リセリン等の可塑剤、ワックスエマルジョン等の滑剤、
離型剤を添加した組成が提案(特開昭62−37302
号公報)されている。
すると、従来、Co系スーパーアロイ粉末を対象とした
圧縮成形用のバインダーとして、対象合金粉末に対し
て、1.5〜3.5wt%のメチルセルロースとさらに
所定量の添加物であるグリセリンとほう酸を混合した組
成が提案(USP 4,113,480)され、また、
Y2O3−ZrO2やアルミナ粉末を対象とした射出成形
用のバインダーとして、対象合金粉末に対して10〜5
0wt%のアガロースや寒天にさらに脱イオン水とグリ
コールを加えた混合物が提案(USP 4,734,2
37)され、さらに、工具用合金粉末の射出成形用のバ
インダーとして、特殊組成からなり、対象合金粉末に対
して0.5〜2.5wt%のメチルセルロースに水、グ
リセリン等の可塑剤、ワックスエマルジョン等の滑剤、
離型剤を添加した組成が提案(特開昭62−37302
号公報)されている。
【0006】しかし、上述のメチルセルロースや寒天を
主体とするバインダーは、所定の流動性と成形体強度を
確保するためいずれも対象合金粉末に対して、上記のよ
うに比較的多量に使用するもので、しかも種々のバイン
ダー添加剤の添加、例えばグリセリン等の可塑剤をメチ
ルセルロースと同量程度添加することが不可欠であるた
め、やはり、射出成形、脱脂した後、焼結後でもかなり
の炭素と酸素が残留し、特にこの発明の対象とするR−
Fe−B系焼結永久磁石の場合、磁気特性の劣化を招
き、射出成形法による複雑形状品の磁石部品への応用の
妨げとなっている。
主体とするバインダーは、所定の流動性と成形体強度を
確保するためいずれも対象合金粉末に対して、上記のよ
うに比較的多量に使用するもので、しかも種々のバイン
ダー添加剤の添加、例えばグリセリン等の可塑剤をメチ
ルセルロースと同量程度添加することが不可欠であるた
め、やはり、射出成形、脱脂した後、焼結後でもかなり
の炭素と酸素が残留し、特にこの発明の対象とするR−
Fe−B系焼結永久磁石の場合、磁気特性の劣化を招
き、射出成形法による複雑形状品の磁石部品への応用の
妨げとなっている。
【0007】この発明は、射出成形にて成形し、これを
焼結するR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法におい
て、R成分とバインダーとの反応や、成形体中に残留す
る炭素および酸素による磁気特性の劣化を防止し、磁場
中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせず、射出
成形性を向上させて複雑な形状、特に小型製品のR−F
e−B系焼結異方性磁石が得られる射出成形法によるR
−Fe−B系焼結磁石の製造方法の提供を目的としてい
る。
焼結するR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法におい
て、R成分とバインダーとの反応や、成形体中に残留す
る炭素および酸素による磁気特性の劣化を防止し、磁場
中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせず、射出
成形性を向上させて複雑な形状、特に小型製品のR−F
e−B系焼結異方性磁石が得られる射出成形法によるR
−Fe−B系焼結磁石の製造方法の提供を目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、射出成形時
の金型温度を100℃以下にでき、R−Fe−B系合金
粉末中のR成分とバインダーとの反応を抑制でき、残留
する炭素および酸素量を低減できるバインダーとして寒
天及び/またはメチルセルロースを選定した。さらにR
−Fe−B系合金粉末への適用を検討した結果、所定の
平均粒度からなるR−Fe−B系合金粉末であれば、水
分を多量に含む割りには、メチルセルロース量を0.5
wt%以下としても、十分な流動性と成形体強度を得る
ことができることを知見し、また、寒天の場合も4.0
wt%以下の少量でも同様な作用効果を得ることができ
ることを知見した。これら所定量以下のメチルセルロー
スや寒天だけでなく、必要に応じて使用する滑剤も0.
30wt%以下と極少量でよいことを知見し、さらにバ
インダーとして寒天とメチルセルロースを複合使用して
も同様の作用、効果が得られることを知見した。すなわ
ち、発明者らは、R−Fe−B系合金粉末中のR成分と
バインダーとの反応を抑制でき、成形体中に残留する炭
素および酸素量を低減できる方法を目的に種々検討した
結果、従来の射出成形法で一般的に使用されている熱可
塑性のバインダーの代わりに、R−Fe−B系合金粉末
にバインダーとして、所定温度によりゾル・ゲル変態を
起こすメチルセルロースまたは寒天あるいはそれらを複
合したものと水、さらに少量の滑剤を使用することによ
り、バインダーの大部分が水分であるにもかかわらず、
十分な粘弾性を得ることができるため、総バインダー中
の炭素量を大幅に低減できること、射出成形時の成形性
を向上させるとともに射出成形時に100℃以下で金型
内でゲル化させて硬化させ、所定の形状に成形可能であ
ること、さらに脱水処理、またそれに続く脱バインダー
処理により、成形体中に残留するほぼ全てのバインダー
を除去することができること、引き続く焼結後に得られ
る焼結体における残留酸素量・炭素量を大幅に減少で
き、優れた磁気特性を有する3次元的に複雑な形状の焼
結磁石が得られることを知見し、この発明を完成した。
また、発明者らは、バインダー中に多量の水分が含まれ
ることを考慮し、R−Fe−B系合金粉末の表面を樹脂
被覆したのち、上記のバインダーを混合することによ
り、水と合金粉末中のR成分との反応を抑制し、混練後
の各工程における合金粉末の酸化を防止でき、得られる
焼結体中の残留酸素量を低減できること、射出成形時の
成形性がさらに向上して3次元的に複雑な形状の焼結磁
石が得られることを知見した。
の金型温度を100℃以下にでき、R−Fe−B系合金
粉末中のR成分とバインダーとの反応を抑制でき、残留
する炭素および酸素量を低減できるバインダーとして寒
天及び/またはメチルセルロースを選定した。さらにR
−Fe−B系合金粉末への適用を検討した結果、所定の
平均粒度からなるR−Fe−B系合金粉末であれば、水
分を多量に含む割りには、メチルセルロース量を0.5
wt%以下としても、十分な流動性と成形体強度を得る
ことができることを知見し、また、寒天の場合も4.0
wt%以下の少量でも同様な作用効果を得ることができ
ることを知見した。これら所定量以下のメチルセルロー
スや寒天だけでなく、必要に応じて使用する滑剤も0.
30wt%以下と極少量でよいことを知見し、さらにバ
インダーとして寒天とメチルセルロースを複合使用して
も同様の作用、効果が得られることを知見した。すなわ
ち、発明者らは、R−Fe−B系合金粉末中のR成分と
バインダーとの反応を抑制でき、成形体中に残留する炭
素および酸素量を低減できる方法を目的に種々検討した
結果、従来の射出成形法で一般的に使用されている熱可
塑性のバインダーの代わりに、R−Fe−B系合金粉末
にバインダーとして、所定温度によりゾル・ゲル変態を
起こすメチルセルロースまたは寒天あるいはそれらを複
合したものと水、さらに少量の滑剤を使用することによ
り、バインダーの大部分が水分であるにもかかわらず、
十分な粘弾性を得ることができるため、総バインダー中
の炭素量を大幅に低減できること、射出成形時の成形性
を向上させるとともに射出成形時に100℃以下で金型
内でゲル化させて硬化させ、所定の形状に成形可能であ
ること、さらに脱水処理、またそれに続く脱バインダー
処理により、成形体中に残留するほぼ全てのバインダー
を除去することができること、引き続く焼結後に得られ
る焼結体における残留酸素量・炭素量を大幅に減少で
き、優れた磁気特性を有する3次元的に複雑な形状の焼
結磁石が得られることを知見し、この発明を完成した。
また、発明者らは、バインダー中に多量の水分が含まれ
ることを考慮し、R−Fe−B系合金粉末の表面を樹脂
被覆したのち、上記のバインダーを混合することによ
り、水と合金粉末中のR成分との反応を抑制し、混練後
の各工程における合金粉末の酸化を防止でき、得られる
焼結体中の残留酸素量を低減できること、射出成形時の
成形性がさらに向上して3次元的に複雑な形状の焼結磁
石が得られることを知見した。
【0009】すなわち、この発明は、R(但しRはYを
含む希土類元素のうち少なくとも1種)8原子%〜30
原子%、Fe42原子%〜90原子%、B2原子%〜2
8原子%を主成分とする平均粒度1〜10μmの微粉末
の表面に樹脂を被覆し、その後所定温度によりゾル・ゲ
ル反応を起こす有機バインダーとしてメチルセルロース
及び/又は寒天と水を加えて混練物となし磁場中で射出
成形により成形体となし、該成形体を脱バインダー後に
焼結することを特徴とする射出成形法によるR−Fe−
B系焼結磁石の製造方法である。また、この発明は、上
記の構成において、熱可塑性樹脂の単独または複合した
ものを、磁性粉末に対して0.3wt%以下添加してマ
イクロカプセルにした後、結合剤としてメチルセルロー
ス0.05〜0.50wt%、潤滑剤としてグリセリ
ン、ステアリン酸、エマルジョンワックス、水溶性アク
リル樹脂の単独または複合して0.10〜0.30wt
%、水6〜16wt%を含有する組成を、磁性粉末の被
覆用バインダーとして用いることを特徴とする射出成形
による焼結異方性磁石の製造方法である。
含む希土類元素のうち少なくとも1種)8原子%〜30
原子%、Fe42原子%〜90原子%、B2原子%〜2
8原子%を主成分とする平均粒度1〜10μmの微粉末
の表面に樹脂を被覆し、その後所定温度によりゾル・ゲ
ル反応を起こす有機バインダーとしてメチルセルロース
及び/又は寒天と水を加えて混練物となし磁場中で射出
成形により成形体となし、該成形体を脱バインダー後に
焼結することを特徴とする射出成形法によるR−Fe−
B系焼結磁石の製造方法である。また、この発明は、上
記の構成において、熱可塑性樹脂の単独または複合した
ものを、磁性粉末に対して0.3wt%以下添加してマ
イクロカプセルにした後、結合剤としてメチルセルロー
ス0.05〜0.50wt%、潤滑剤としてグリセリ
ン、ステアリン酸、エマルジョンワックス、水溶性アク
リル樹脂の単独または複合して0.10〜0.30wt
%、水6〜16wt%を含有する組成を、磁性粉末の被
覆用バインダーとして用いることを特徴とする射出成形
による焼結異方性磁石の製造方法である。
【0010】また、この発明は、上記の構成において、
焼結体が含有する炭素量を1300ppm以下、酸素量
10000ppm以下にすることを特徴とし、好ましく
は焼結体が含有する炭素量を1000ppm以下、酸素
量を9000ppm以下、最も好ましくは焼結体が含有
する炭素量を800ppm以下、酸素量を8000pp
m以下にすることを特徴とする射出成形法によるR−F
e−B系焼結磁石の製造方法である。
焼結体が含有する炭素量を1300ppm以下、酸素量
10000ppm以下にすることを特徴とし、好ましく
は焼結体が含有する炭素量を1000ppm以下、酸素
量を9000ppm以下、最も好ましくは焼結体が含有
する炭素量を800ppm以下、酸素量を8000pp
m以下にすることを特徴とする射出成形法によるR−F
e−B系焼結磁石の製造方法である。
【0011】組成の限定理由 この発明の磁石合金粉末及び永久磁石に用いる希土類元
素Rは、Nd、Pr、Ho、Tbのうち少なくとも1
種、あるいはさらにLa、Sm、Ce、Er、Eu、P
m、Tm、Yb、Yのうち少なくとも1種を含むものが
好ましい。R(但しRはYを含む希土類元素のうち少な
くとも1種)は、8原子%未満では結晶構造がαー鉄と
同一構造の立方晶組織となるため、高磁気特性、特に高
保磁力が得られず、30原子%を越えるとRリッチな非
磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下して、
すぐれた特性の永久磁石が得られない。よって、Rは8
原子%〜30原子%の範囲とする。
素Rは、Nd、Pr、Ho、Tbのうち少なくとも1
種、あるいはさらにLa、Sm、Ce、Er、Eu、P
m、Tm、Yb、Yのうち少なくとも1種を含むものが
好ましい。R(但しRはYを含む希土類元素のうち少な
くとも1種)は、8原子%未満では結晶構造がαー鉄と
同一構造の立方晶組織となるため、高磁気特性、特に高
保磁力が得られず、30原子%を越えるとRリッチな非
磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下して、
すぐれた特性の永久磁石が得られない。よって、Rは8
原子%〜30原子%の範囲とする。
【0012】Bは、2原子%未満では菱面体組織とな
り、高い保磁力(iHc)は得られず、28原子%を越
えるとBリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度
(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が得られな
い。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲とする。
り、高い保磁力(iHc)は得られず、28原子%を越
えるとBリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度
(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が得られな
い。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲とする。
【0013】Feは、42原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、90原子%を越えると高い保磁力が
得られないので、Feは42原子%〜90原子%の含有
とする。また、この発明において、Feの一部をCoで
置換することは、得られる磁石の磁気特性を損うことな
く温度特性を改善することができるが、Co置換量がF
eの50%を越えると、逆に磁気特性が劣化するため好
ましくない。
(Br)が低下し、90原子%を越えると高い保磁力が
得られないので、Feは42原子%〜90原子%の含有
とする。また、この発明において、Feの一部をCoで
置換することは、得られる磁石の磁気特性を損うことな
く温度特性を改善することができるが、Co置換量がF
eの50%を越えると、逆に磁気特性が劣化するため好
ましくない。
【0014】また、下記添加元素のうち少なくとも1種
を添加することは、Fe−B−R系永久磁石に対してそ
の保磁力(iHc)等を改善あるいは製造性の改善、低
価格化に効果がある。 Ti、Ni、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Z
r、Bi、Hf、Cu、Si、S、C、Ca、Mg、
P、H、Li、Na、K、Be、Sr、Br、Ag、Z
n、N、F、Se、Te、Pb。しかし、必要以上の添
加は残留磁束密度(Br)の低減を招き、最大エネルギ
ー積を低下させることから、通常合計量で10at%以
下が望ましく、添加元素に応じて合計量を5at%以
下、3at%以下等を適宜選定することが望ましい。
を添加することは、Fe−B−R系永久磁石に対してそ
の保磁力(iHc)等を改善あるいは製造性の改善、低
価格化に効果がある。 Ti、Ni、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Z
r、Bi、Hf、Cu、Si、S、C、Ca、Mg、
P、H、Li、Na、K、Be、Sr、Br、Ag、Z
n、N、F、Se、Te、Pb。しかし、必要以上の添
加は残留磁束密度(Br)の低減を招き、最大エネルギ
ー積を低下させることから、通常合計量で10at%以
下が望ましく、添加元素に応じて合計量を5at%以
下、3at%以下等を適宜選定することが望ましい。
【0015】微粉末の製造条件 この発明において、使用する平均粒度1〜10μmのR
−Fe−B系合金微粉末の製造方法は溶解、粉砕法、超
急冷法などの公知のいずれの方法でもよい。得られた合
金微粉末の平均粒径が1μm未満では混練物とするため
のバインダー添加量を、合金粉末の表面積を増大させる
ため、合金粉末との容積比で、1:1.2に増加させる
必要があり、射出成形後の焼結品の焼結密度が95%程
度と低下するため好ましくなく、また、10μmを超え
る平均粒径では粒径が大きすぎて焼結密度が95%程度
で飽和し、該密度の向上が望めないため好ましくない。
特に望ましい平均粒度の範囲は1〜6μmである。いず
れのR−Fe−B系合金粉末を用いても、平均粒度をそ
れぞれ好ましい範囲とすることにより、一般的な射出成
形用の遷移金属粉末、例えばFe基合金粉末やCo基合
金粉末等の場合よりも、平均粒度が数分の1から10分
の1程度となり、該遷移金属粉末を射出成形する際に用
いるバインダーの添加量よりも、大幅にバインダーの添
加量を低減することができる。
−Fe−B系合金微粉末の製造方法は溶解、粉砕法、超
急冷法などの公知のいずれの方法でもよい。得られた合
金微粉末の平均粒径が1μm未満では混練物とするため
のバインダー添加量を、合金粉末の表面積を増大させる
ため、合金粉末との容積比で、1:1.2に増加させる
必要があり、射出成形後の焼結品の焼結密度が95%程
度と低下するため好ましくなく、また、10μmを超え
る平均粒径では粒径が大きすぎて焼結密度が95%程度
で飽和し、該密度の向上が望めないため好ましくない。
特に望ましい平均粒度の範囲は1〜6μmである。いず
れのR−Fe−B系合金粉末を用いても、平均粒度をそ
れぞれ好ましい範囲とすることにより、一般的な射出成
形用の遷移金属粉末、例えばFe基合金粉末やCo基合
金粉末等の場合よりも、平均粒度が数分の1から10分
の1程度となり、該遷移金属粉末を射出成形する際に用
いるバインダーの添加量よりも、大幅にバインダーの添
加量を低減することができる。
【0016】樹脂被覆 この発明において、上述の合金粉末に樹脂を被覆するこ
とは、バインダー混練後の水とのR元素の反応、成形時
のゲル化段階及び射出成形後の脱水処理時の水とのR元
素の反応を抑え、残留酸素量の安定化及び低減化を図る
ために有効である。R−Fe−B系合金粉末に被覆する
樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリメチルアクリレート(PMA)等のメタクリ
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリロニト
リル等の熱可塑性樹脂の単独または複合したものを用い
ることが好ましい。樹脂の添加量は、合金粉末に対して
0.30wt%以下が好ましい、これは樹脂の被覆膜厚
が50Å〜200Åに相当し、0.30wt%を超える
と被覆樹脂からの残留酸素量が増加するために好ましく
ない。被覆の方法は、通称メカノフュージョンシステム
あるいはハイブリダイゼーションシステムと呼ばれる方
法やボールミルを用いる方法であり、被覆用樹脂粉末の
粒径としては1000Å〜5000Å位が好ましい。こ
のように樹脂被覆した合金粉末は、残留酸素量の点で比
較的安定であるために、射出成形時のリサイクルが可能
であるという利点がある。また樹脂被覆した合金粉末で
は、混練時に滑剤を添加しなくても射出成形できる利点
もある。
とは、バインダー混練後の水とのR元素の反応、成形時
のゲル化段階及び射出成形後の脱水処理時の水とのR元
素の反応を抑え、残留酸素量の安定化及び低減化を図る
ために有効である。R−Fe−B系合金粉末に被覆する
樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリメチルアクリレート(PMA)等のメタクリ
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリロニト
リル等の熱可塑性樹脂の単独または複合したものを用い
ることが好ましい。樹脂の添加量は、合金粉末に対して
0.30wt%以下が好ましい、これは樹脂の被覆膜厚
が50Å〜200Åに相当し、0.30wt%を超える
と被覆樹脂からの残留酸素量が増加するために好ましく
ない。被覆の方法は、通称メカノフュージョンシステム
あるいはハイブリダイゼーションシステムと呼ばれる方
法やボールミルを用いる方法であり、被覆用樹脂粉末の
粒径としては1000Å〜5000Å位が好ましい。こ
のように樹脂被覆した合金粉末は、残留酸素量の点で比
較的安定であるために、射出成形時のリサイクルが可能
であるという利点がある。また樹脂被覆した合金粉末で
は、混練時に滑剤を添加しなくても射出成形できる利点
もある。
【0017】バインダー成分 この発明において、射出成形用のバインダーには、所定
温度によりゾル・ゲル変態を起こすメチルセルロースま
たは寒天あるいはそれらを複合したものに水を添加した
ものを用いる。バインダーとして、メチルセルロースを
単独で用いる場合の含有量は、0.05wt%未満では
成形時の強度が著しく低下し、また0.50wt%を越
えると、残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり
磁気特性が劣化するので、0.05wt%〜0.50w
t%の含有量がこれらの点で好ましい。さらに0.1w
t%〜0.45wt%が望ましく、0.15wt%〜
0.4wt%が最も望ましい。寒天を単独で用いる場合
の含有量は、0.2wt%未満では成形時の強度が著し
く低下し、また4.0wt%を越えると、残留炭素量と
酸素量が増加して保磁力が下がり、磁気特性が劣化する
ので、0.2wt%〜4.0wt%の含有量がこれらの
点で好ましい。さらに、0.5wt%〜3.5wt%が
望ましく、0.5wt%〜2.5wt%が最も望まし
い。またメチルセルロースと寒天を複合して用いる場合
は、0.2wt%未満になると成形時の強度が著しく低
下するとともに成形金型と成形体との離型性が悪化する
ため好ましくなく、また、4.0wt%を超えると焼結
後の焼結密度が低下するとともに残留炭素量と酸素量が
増加して得られる磁石の特性が劣化し好ましくないた
め、0.2wt%〜4.0wt%が好ましい。ただし、
メチルセルロースの含有量は、上記メチルセルロースを
単独で含有する場合の範囲を超えて含有することは望ま
しくなく、又、合計の含有量も3.5wt%以下、2.
5wt%以下が望ましい。
温度によりゾル・ゲル変態を起こすメチルセルロースま
たは寒天あるいはそれらを複合したものに水を添加した
ものを用いる。バインダーとして、メチルセルロースを
単独で用いる場合の含有量は、0.05wt%未満では
成形時の強度が著しく低下し、また0.50wt%を越
えると、残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり
磁気特性が劣化するので、0.05wt%〜0.50w
t%の含有量がこれらの点で好ましい。さらに0.1w
t%〜0.45wt%が望ましく、0.15wt%〜
0.4wt%が最も望ましい。寒天を単独で用いる場合
の含有量は、0.2wt%未満では成形時の強度が著し
く低下し、また4.0wt%を越えると、残留炭素量と
酸素量が増加して保磁力が下がり、磁気特性が劣化する
ので、0.2wt%〜4.0wt%の含有量がこれらの
点で好ましい。さらに、0.5wt%〜3.5wt%が
望ましく、0.5wt%〜2.5wt%が最も望まし
い。またメチルセルロースと寒天を複合して用いる場合
は、0.2wt%未満になると成形時の強度が著しく低
下するとともに成形金型と成形体との離型性が悪化する
ため好ましくなく、また、4.0wt%を超えると焼結
後の焼結密度が低下するとともに残留炭素量と酸素量が
増加して得られる磁石の特性が劣化し好ましくないた
め、0.2wt%〜4.0wt%が好ましい。ただし、
メチルセルロースの含有量は、上記メチルセルロースを
単独で含有する場合の範囲を超えて含有することは望ま
しくなく、又、合計の含有量も3.5wt%以下、2.
5wt%以下が望ましい。
【0018】この発明において、バインダーとしてメチ
ルセルロースおよび/または寒天とともに水を使用する
ことを特徴とするが、Rとの反応を抑制するために、脱
酸素処理した純水を使用することが望ましい。メチルセ
ルロースを単独で用いる場合の水の含有量は6wt%未
満では成形時の流動性が悪くなり、ショート・ショット
が発生しやすくなり、16wt%を越えると実質総バイ
ンダー量が増加するために、焼結後の焼結密度が低下す
ると同時に残留酸素量が増加し、磁気特性が劣化するの
で、6〜16wt%が最も好ましい。寒天を単独で用い
る場合の水の含有量は8wt%未満では成形時の流動性
が悪くなり、ショート・ショットが発生しやすくなり、
18wt%を越えると実質総バインダー量が増加するた
めに、焼結後の焼結密度が低下すると同時に残留酸素量
が増加し、磁気特性が劣化するので、8〜18wt%が
最も好ましい。またメチルセルロースと寒天を複合して
用いる場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮し
て6〜18wt%の範囲から適宜選定される。
ルセルロースおよび/または寒天とともに水を使用する
ことを特徴とするが、Rとの反応を抑制するために、脱
酸素処理した純水を使用することが望ましい。メチルセ
ルロースを単独で用いる場合の水の含有量は6wt%未
満では成形時の流動性が悪くなり、ショート・ショット
が発生しやすくなり、16wt%を越えると実質総バイ
ンダー量が増加するために、焼結後の焼結密度が低下す
ると同時に残留酸素量が増加し、磁気特性が劣化するの
で、6〜16wt%が最も好ましい。寒天を単独で用い
る場合の水の含有量は8wt%未満では成形時の流動性
が悪くなり、ショート・ショットが発生しやすくなり、
18wt%を越えると実質総バインダー量が増加するた
めに、焼結後の焼結密度が低下すると同時に残留酸素量
が増加し、磁気特性が劣化するので、8〜18wt%が
最も好ましい。またメチルセルロースと寒天を複合して
用いる場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮し
て6〜18wt%の範囲から適宜選定される。
【0019】また上述したバインダーにグリセリン、ワ
ックスエマルジョン、ステアリン酸、水溶性アクリル樹
脂等の滑剤のうち少なくとも1種を添加することも有効
であり、添加含有量は、バインダーがメチルセルロース
及び寒天である場合、ともに0.10wt%未満では成
形体の密度が不均一になりやすく、特にメチルセルロー
スを単独で用いる場合は0.30wt%を越えると、成
形体の強度が低下するので、0.10wt%〜0.30
wt%が最も好ましく、また、寒天を単独で用いる場合
も1.0wt%を越えると、同様に成形体の強度が低下
するので、0.10wt%〜1.0wt%が最も好まし
い。バインダーにメチルセルロースと寒天を複合して用
いる場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮し
て、0.1wt%〜1.0wt%の範囲から適宜選定さ
れる。
ックスエマルジョン、ステアリン酸、水溶性アクリル樹
脂等の滑剤のうち少なくとも1種を添加することも有効
であり、添加含有量は、バインダーがメチルセルロース
及び寒天である場合、ともに0.10wt%未満では成
形体の密度が不均一になりやすく、特にメチルセルロー
スを単独で用いる場合は0.30wt%を越えると、成
形体の強度が低下するので、0.10wt%〜0.30
wt%が最も好ましく、また、寒天を単独で用いる場合
も1.0wt%を越えると、同様に成形体の強度が低下
するので、0.10wt%〜1.0wt%が最も好まし
い。バインダーにメチルセルロースと寒天を複合して用
いる場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮し
て、0.1wt%〜1.0wt%の範囲から適宜選定さ
れる。
【0020】射出成形条件 射出条件はバインダーの添加量に応じて変動するが、メ
チルセルロースを単独で用いる場合は、金型温度は70
℃〜90℃が好ましく、70℃未満では成形後の取出時
に固化が不十分で変形する恐れがあり、また90℃を超
えると混練物の流動性が悪くなる。また、寒天を単独で
用いる場合は金型温度は10℃〜30℃が好ましく、1
0℃未満では流動性が悪くなり、30℃を超えると成形
後の取出時に固化が不十分で変形する恐れがある。ま
た、射出温度は、メチルセルロースを単独で用いる場合
は0〜40℃が好ましく、0℃未満では混練物が凍って
しまい流動性が低下し、また40℃を超えると流動性が
不充分となりショート・ショットが発生しやすくなるた
め好ましくない。また、寒天を単独で用いる場合は、射
出温度は75〜95℃が好ましく、75℃未満では流動
性が不十分となりショート・ショットが発生しやすくな
り、また95℃を超えると成形体中に水の蒸発による気
泡が発生し、焼結後の焼結体中にボイドが発生する原因
となり、また、水の蒸発により、混練物の流動性が低下
し、該混練物が成形機内で詰まってしまう可能性がある
ため好ましくない。また、射出成形圧力は、30kg/
cm2未満ではウエルドが発生し成形密度が不均一にな
り、焼結後に曲がりやうねりが発生し、また、メチルセ
ルロースを単独で用いる場合は50kg/cm2を超え
ると、ばりが発生して好ましくないため、30〜50k
g/cm2が好ましく、また、寒天を単独で用いる場合
は70kg/cm2を超えると同様にばりが発生して好
ましくないため、圧力は30〜70kg/cm2が好ま
しい。従って、メチルセルロースと寒天を複合して用い
る場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮して、
金型温度や射出温度及び射出成形圧力等を上記の範囲か
ら適宜選定するとよい。焼結異方性磁石を得るための磁
場中射出成形時の磁場が10kOe未満では配向が不十
分なため、10kOe以上の磁場中射出成形が好まし
い。
チルセルロースを単独で用いる場合は、金型温度は70
℃〜90℃が好ましく、70℃未満では成形後の取出時
に固化が不十分で変形する恐れがあり、また90℃を超
えると混練物の流動性が悪くなる。また、寒天を単独で
用いる場合は金型温度は10℃〜30℃が好ましく、1
0℃未満では流動性が悪くなり、30℃を超えると成形
後の取出時に固化が不十分で変形する恐れがある。ま
た、射出温度は、メチルセルロースを単独で用いる場合
は0〜40℃が好ましく、0℃未満では混練物が凍って
しまい流動性が低下し、また40℃を超えると流動性が
不充分となりショート・ショットが発生しやすくなるた
め好ましくない。また、寒天を単独で用いる場合は、射
出温度は75〜95℃が好ましく、75℃未満では流動
性が不十分となりショート・ショットが発生しやすくな
り、また95℃を超えると成形体中に水の蒸発による気
泡が発生し、焼結後の焼結体中にボイドが発生する原因
となり、また、水の蒸発により、混練物の流動性が低下
し、該混練物が成形機内で詰まってしまう可能性がある
ため好ましくない。また、射出成形圧力は、30kg/
cm2未満ではウエルドが発生し成形密度が不均一にな
り、焼結後に曲がりやうねりが発生し、また、メチルセ
ルロースを単独で用いる場合は50kg/cm2を超え
ると、ばりが発生して好ましくないため、30〜50k
g/cm2が好ましく、また、寒天を単独で用いる場合
は70kg/cm2を超えると同様にばりが発生して好
ましくないため、圧力は30〜70kg/cm2が好ま
しい。従って、メチルセルロースと寒天を複合して用い
る場合は、メチルセルロースと寒天の割合を考慮して、
金型温度や射出温度及び射出成形圧力等を上記の範囲か
ら適宜選定するとよい。焼結異方性磁石を得るための磁
場中射出成形時の磁場が10kOe未満では配向が不十
分なため、10kOe以上の磁場中射出成形が好まし
い。
【0021】脱バインダー処理 脱バインダー処理の前工程として脱水処理を行うが、脱
バインダー処理とともに処理方法は特に限定しない。例
えば、脱水処理を昇温乾燥方法で行う場合、昇温温度は
選定した純水の添加量に応じて変動するが、少なくとも
20℃〜100℃までの昇温速度を30〜60℃/hr
にする必要があり、30℃/hr未満では処理品が酸化
する恐れがあり、60℃/hrを超えると水の急激な気
化蒸発のため、処理品にひび、割れを生じるため好まし
くない。特に処理品が小物である場合は、少なくとも2
0℃〜100℃までの昇温速度を45〜55℃/hrに
するとよく、脱水処理がより簡素化できる。また、10
0℃までの昇温中に水のほとんどが蒸発してしまうた
め、100℃を超える温度域での脱水処理は不要であ
る。引き続いて脱バインダー処理するが、昇温速度は、
100〜200℃/hrで脱バインダー処理できるの
で、通常の有機バインダーの場合よりも大幅に処理時間
を短縮できる利点がある。また、脱水処理を低温から高
温まで連続して行い、またR−Fe−B系合金粉末の酸
化を抑えるためには、脱水雰囲気を1×10-3Torr
以下の真空中で行うことが好ましい。なお、脱水処理後
は、引き続いて昇温加熱して焼結を行うことが好まし
く、500℃を超えてからの昇温速度は任意に選定すれ
ばよく、例えば100〜300℃/hrなど、焼結に際
して取られる公知の昇温方法を採用できる。
バインダー処理とともに処理方法は特に限定しない。例
えば、脱水処理を昇温乾燥方法で行う場合、昇温温度は
選定した純水の添加量に応じて変動するが、少なくとも
20℃〜100℃までの昇温速度を30〜60℃/hr
にする必要があり、30℃/hr未満では処理品が酸化
する恐れがあり、60℃/hrを超えると水の急激な気
化蒸発のため、処理品にひび、割れを生じるため好まし
くない。特に処理品が小物である場合は、少なくとも2
0℃〜100℃までの昇温速度を45〜55℃/hrに
するとよく、脱水処理がより簡素化できる。また、10
0℃までの昇温中に水のほとんどが蒸発してしまうた
め、100℃を超える温度域での脱水処理は不要であ
る。引き続いて脱バインダー処理するが、昇温速度は、
100〜200℃/hrで脱バインダー処理できるの
で、通常の有機バインダーの場合よりも大幅に処理時間
を短縮できる利点がある。また、脱水処理を低温から高
温まで連続して行い、またR−Fe−B系合金粉末の酸
化を抑えるためには、脱水雰囲気を1×10-3Torr
以下の真空中で行うことが好ましい。なお、脱水処理後
は、引き続いて昇温加熱して焼結を行うことが好まし
く、500℃を超えてからの昇温速度は任意に選定すれ
ばよく、例えば100〜300℃/hrなど、焼結に際
して取られる公知の昇温方法を採用できる。
【0022】脱バインダー処理後の成形品の焼結並びに
焼結後の熱処理条件は、選定した合金粉末組成に応じて
適宜選定されるが、従来公知のFe−B−R系焼結永久
磁石の製造条件と同様でよい。好ましい焼結並びに焼結
後の熱処理条件としては、1000〜1180℃、1〜
2時間保持する焼結工程、450〜800℃、1〜8時
間保持する時効処理工程が好ましい。
焼結後の熱処理条件は、選定した合金粉末組成に応じて
適宜選定されるが、従来公知のFe−B−R系焼結永久
磁石の製造条件と同様でよい。好ましい焼結並びに焼結
後の熱処理条件としては、1000〜1180℃、1〜
2時間保持する焼結工程、450〜800℃、1〜8時
間保持する時効処理工程が好ましい。
【0023】この発明において、焼結体が含有する炭素
量と酸素量の上限を炭素量1300ppm以下、酸素量
を10000ppm以下、さらに炭素量を1000pp
m以下、酸素量を9000ppmを以下、特に最適条件
下においては炭素量を800ppm以下、酸素量を80
00ppm以下とすることができ、優れた磁気特性を有
する焼結磁石を得ることができる。従って、各条件によ
り、最大エネルギー積にて、4MGOe以上、10MG
Oe以上、15MGOe以上が得られ、特に好ましい条
件においては20MGOe以上が得られる。
量と酸素量の上限を炭素量1300ppm以下、酸素量
を10000ppm以下、さらに炭素量を1000pp
m以下、酸素量を9000ppmを以下、特に最適条件
下においては炭素量を800ppm以下、酸素量を80
00ppm以下とすることができ、優れた磁気特性を有
する焼結磁石を得ることができる。従って、各条件によ
り、最大エネルギー積にて、4MGOe以上、10MG
Oe以上、15MGOe以上が得られ、特に好ましい条
件においては20MGOe以上が得られる。
【0024】
【作用】この発明の特徴である寒天は、一般に良く知ら
れているように、水の中で95℃前後に加熱すると溶解
して粘性のあるゾル状物質となり、約40℃以下に冷却
すると弾性のあるゲル状物質となって固化する。一方、
メチルセルロースは、水に溶解した後約50℃前後に加
熱すると溶解して粘性のあるゾル状物質となり、さらに
70℃以上に加熱すると弾性のあるゲル状物質となり、
一度ゲル化すると温度の変化にかかわらずゲル状態を維
持するという寒天バインダーとは温度に対して正反対に
ゾル・ゲル反応を起こす。この両者の性質を利用する
と、寒天バインダーを主成分として考えると、メチルセ
ルロースの少量の添加により80℃前後の温度ではゾル
状態の粘度を向上させることができる。従って、メチル
セルロースの僅かの添加により、通常の寒天バインダー
の添加量(約3wt%)の数分の1に減らすことが可能
になる。このように水分を多量に含む割りには、僅かの
寒天バインダー量で粘弾性が発生するために、射出成形
用のバインダーとしては総バインダー中の炭素含有量を
大幅に減らすことができるのである。また、脱脂時には
100℃までに総バインダー中の約99%の水分が蒸発
除去されるので、R−Fe−B粉末が活性になる温度で
は、すでに大量の水分に起因する酸素が抜けた状態であ
るために、R−Fe−B合金粉末の酸化が大幅の抑えら
れる利点がある。さらには、射出成形時の金型温度を1
00℃以下にでき、磁場中での射出成形時に大きな着磁
電流を必要とせず、射出成形性を向上させて複雑な形
状、特に小型製品のR−Fe−B系焼結異方性磁石が得
られる。
れているように、水の中で95℃前後に加熱すると溶解
して粘性のあるゾル状物質となり、約40℃以下に冷却
すると弾性のあるゲル状物質となって固化する。一方、
メチルセルロースは、水に溶解した後約50℃前後に加
熱すると溶解して粘性のあるゾル状物質となり、さらに
70℃以上に加熱すると弾性のあるゲル状物質となり、
一度ゲル化すると温度の変化にかかわらずゲル状態を維
持するという寒天バインダーとは温度に対して正反対に
ゾル・ゲル反応を起こす。この両者の性質を利用する
と、寒天バインダーを主成分として考えると、メチルセ
ルロースの少量の添加により80℃前後の温度ではゾル
状態の粘度を向上させることができる。従って、メチル
セルロースの僅かの添加により、通常の寒天バインダー
の添加量(約3wt%)の数分の1に減らすことが可能
になる。このように水分を多量に含む割りには、僅かの
寒天バインダー量で粘弾性が発生するために、射出成形
用のバインダーとしては総バインダー中の炭素含有量を
大幅に減らすことができるのである。また、脱脂時には
100℃までに総バインダー中の約99%の水分が蒸発
除去されるので、R−Fe−B粉末が活性になる温度で
は、すでに大量の水分に起因する酸素が抜けた状態であ
るために、R−Fe−B合金粉末の酸化が大幅の抑えら
れる利点がある。さらには、射出成形時の金型温度を1
00℃以下にでき、磁場中での射出成形時に大きな着磁
電流を必要とせず、射出成形性を向上させて複雑な形
状、特に小型製品のR−Fe−B系焼結異方性磁石が得
られる。
【0025】
実施例 RとしてNd16.5at%、B5.7at%、残部は
Feおよび不可避的不純物からなる合金塊をArガス中
で高周波加熱溶解して作製したボタン状溶製合金を粗粉
砕した後、ジェットミル粉砕により微粉砕して得た平均
粒度3μm、7μmの微粉末を用い、疎水性の平均粒径
0.15μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)
を0.20wt%添加した合金粉末を300g、メカノ
フュージョンシステムの容器内に投入し、温度を70℃
に保持し、容器の回転数を最高1800rpmで10分
間保持して樹脂被覆(膜厚約100Å)を行った微粉末
の2種類の合金粉末を用い、表1に示す種類及び添加量
のバインダー、水、添加物を添加して室温で混練し、得
られた混練ペレットを表2に示す射出温度、金型温度に
設定保持して20mm×20mm×3mmの板に磁場中
(15kOe)で射出成形した。なお、添加物にはグリ
セリンを使用した。合金粉末との反応性を調べるために
混練から成形までの時間を変えて磁石特性との関係を調
査し、その結果を表2に示す。得られた成形体を、真空
中で室温から100℃まで昇温速度50℃/Hで昇温
し、この温度で1時間保持し完全脱水した後、500℃
まで昇温速度100℃/Hで昇温し脱バインダーを行っ
た。更に加熱して1100℃で1時間保持して焼結し
た。焼結完了後にArガスを導入して7℃/分の速度で
800℃まで冷却し、その後100℃/時間で冷却して
550℃、2時間保持する時効処理を施した。得られた
焼結体にはワレ、ヒビ、変形等は全く見られなかった。
この工程によって得られたNd−Fe−B焼結合金の特
性を表2に示す。
Feおよび不可避的不純物からなる合金塊をArガス中
で高周波加熱溶解して作製したボタン状溶製合金を粗粉
砕した後、ジェットミル粉砕により微粉砕して得た平均
粒度3μm、7μmの微粉末を用い、疎水性の平均粒径
0.15μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)
を0.20wt%添加した合金粉末を300g、メカノ
フュージョンシステムの容器内に投入し、温度を70℃
に保持し、容器の回転数を最高1800rpmで10分
間保持して樹脂被覆(膜厚約100Å)を行った微粉末
の2種類の合金粉末を用い、表1に示す種類及び添加量
のバインダー、水、添加物を添加して室温で混練し、得
られた混練ペレットを表2に示す射出温度、金型温度に
設定保持して20mm×20mm×3mmの板に磁場中
(15kOe)で射出成形した。なお、添加物にはグリ
セリンを使用した。合金粉末との反応性を調べるために
混練から成形までの時間を変えて磁石特性との関係を調
査し、その結果を表2に示す。得られた成形体を、真空
中で室温から100℃まで昇温速度50℃/Hで昇温
し、この温度で1時間保持し完全脱水した後、500℃
まで昇温速度100℃/Hで昇温し脱バインダーを行っ
た。更に加熱して1100℃で1時間保持して焼結し
た。焼結完了後にArガスを導入して7℃/分の速度で
800℃まで冷却し、その後100℃/時間で冷却して
550℃、2時間保持する時効処理を施した。得られた
焼結体にはワレ、ヒビ、変形等は全く見られなかった。
この工程によって得られたNd−Fe−B焼結合金の特
性を表2に示す。
【0026】比較例 比較のため、実施例の平均粒度3μmの微粉末を用い
て、アクリル系バインダーを容積比1:1で配合し、1
60℃で、10分間加熱混練して射出成形用混練物とな
した後、45℃に加熱した金型内に磁場強さ15kOe
中で射出成形して、長さ10mm×幅10mm×高さ5
mmの平板状の射出成形体を得た。射出成形体を3×1
0-4Torrの真空中で、350℃まで6℃/時間の昇
温速度で昇温する脱バインダー処理した後、実施例1と
同一条件で焼結、熱処理して焼結異方性磁石を得た。得
られた比較例磁石の磁石特性並びに残留酸素量、残留炭
素量の測定結果は表2に示すとおりである。
て、アクリル系バインダーを容積比1:1で配合し、1
60℃で、10分間加熱混練して射出成形用混練物とな
した後、45℃に加熱した金型内に磁場強さ15kOe
中で射出成形して、長さ10mm×幅10mm×高さ5
mmの平板状の射出成形体を得た。射出成形体を3×1
0-4Torrの真空中で、350℃まで6℃/時間の昇
温速度で昇温する脱バインダー処理した後、実施例1と
同一条件で焼結、熱処理して焼結異方性磁石を得た。得
られた比較例磁石の磁石特性並びに残留酸素量、残留炭
素量の測定結果は表2に示すとおりである。
【0027】表2から明らかなように、従来のアクリル
系バインダーを用いたものに比較例に対して、実施例の
焼結体の方が残留炭素量、残留酸素量が大幅に減少して
いるために、磁気特性がかなりすぐれていることがわか
る。また、この発明による合金粉末を樹脂被覆した磁石
は、比較例の樹脂を被覆していないものに比べて残留酸
素量、残留炭素量が混練後の経過時間に関係なく、磁気
特性が極めて安定していることが分かる。すなわち、合
金粉末を樹脂で100Å程度被覆しているために、混練
から成形までに一定時間放置しても酸素量が増加するこ
とがないため、通常の工業的規模の製造において特に有
効である。
系バインダーを用いたものに比較例に対して、実施例の
焼結体の方が残留炭素量、残留酸素量が大幅に減少して
いるために、磁気特性がかなりすぐれていることがわか
る。また、この発明による合金粉末を樹脂被覆した磁石
は、比較例の樹脂を被覆していないものに比べて残留酸
素量、残留炭素量が混練後の経過時間に関係なく、磁気
特性が極めて安定していることが分かる。すなわち、合
金粉末を樹脂で100Å程度被覆しているために、混練
から成形までに一定時間放置しても酸素量が増加するこ
とがないため、通常の工業的規模の製造において特に有
効である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】この発明は、平均粒度1〜10μmの微
細結晶化したR−Fe−B系合金微粉末の表面に樹脂を
被覆した後、バインダーとしてメチルセルロース及び/
又は寒天とあるいはさらに微量の添加物と純水とを混練
して混練物となし、これを所要形状に射出成形すること
により、射出成形時の成形性が向上して三次元的に複雑
な形状の焼結磁石を得ることができ、脱バインダー時間
の短縮とともにR成分とバインダーとの反応や、次工程
間での酸素量の増加を抑制し、成形体中に残留する炭素
および酸素による磁気特性の劣化を防止することが可能
で、また、射出成形時の金型温度を100℃以下にで
き、磁場中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせ
ず、複雑な形状で磁気特性のすぐれた焼結異方性磁石を
得ることができる。
細結晶化したR−Fe−B系合金微粉末の表面に樹脂を
被覆した後、バインダーとしてメチルセルロース及び/
又は寒天とあるいはさらに微量の添加物と純水とを混練
して混練物となし、これを所要形状に射出成形すること
により、射出成形時の成形性が向上して三次元的に複雑
な形状の焼結磁石を得ることができ、脱バインダー時間
の短縮とともにR成分とバインダーとの反応や、次工程
間での酸素量の増加を抑制し、成形体中に残留する炭素
および酸素による磁気特性の劣化を防止することが可能
で、また、射出成形時の金型温度を100℃以下にで
き、磁場中での射出成形時に大きな着磁電流を必要とせ
ず、複雑な形状で磁気特性のすぐれた焼結異方性磁石を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/053 // H01F 7/02 B
Claims (3)
- 【請求項1】 R(但しRはYを含む希土類元素のうち
少なくとも1種)8原子%〜30原子%、Fe42原子
%〜90原子%、B2原子%〜28原子%を主成分とす
る平均粒度1〜10μmの微粉末の表面に樹脂を被覆
し、その後所定温度によりゾル・ゲル反応を起こす有機
バインダーとしてメチルセルロース及び/又は寒天と水
を加えて混練物となし磁場中で射出成形により成形体と
なし、該成形体を脱バインダー後に焼結することを特徴
とする射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造
方法。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂の単独または複合したもの
を、磁性粉末に対して0.3wt%以下添加してマイク
ロカプセルにした後、結合剤としてメチルセルロース
0.05〜0.50wt%、潤滑剤としてグリセリン、
ステアリン酸、エマルジョンワックス、水溶性アクリル
樹脂の単独または複合して0.10〜0.30wt%、
水6〜16wt%を含有する組成を、磁性粉末の被覆用
バインダーとして用いることを特徴とする請求項1記載
の射出成形による焼結異方性磁石の製造方法。 - 【請求項3】 焼結体が含有する炭素量を1300pp
m以下、酸素量を10000ppm以下にすることを特
徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形法に
よるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5180646A JPH06168810A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-24 | 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19172892 | 1992-06-24 | ||
| JP4-289420 | 1992-10-01 | ||
| JP4-191728 | 1992-10-01 | ||
| JP28942092 | 1992-10-01 | ||
| JP5180646A JPH06168810A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-24 | 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06168810A true JPH06168810A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=27324880
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5180646A Pending JPH06168810A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-24 | 射出成形法によるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06168810A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6171360B1 (en) | 1998-04-09 | 2001-01-09 | Yamaha Corporation | Binder for injection molding of metal powder or ceramic powder and molding composition and molding method wherein the same is used |
| US6387293B1 (en) | 1998-07-21 | 2002-05-14 | Seiko Epson Corporation | Composition for rare earth bonded magnet use, rare earth bonded magnet and method for manufacturing rare earth bonded magnet |
| CN120796757A (zh) * | 2025-07-15 | 2025-10-17 | 东莞市华研新材料科技有限公司 | 一种mim注射成型高性能烧结钐铁氮磁体及其制备工艺 |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP5180646A patent/JPH06168810A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6171360B1 (en) | 1998-04-09 | 2001-01-09 | Yamaha Corporation | Binder for injection molding of metal powder or ceramic powder and molding composition and molding method wherein the same is used |
| US6387293B1 (en) | 1998-07-21 | 2002-05-14 | Seiko Epson Corporation | Composition for rare earth bonded magnet use, rare earth bonded magnet and method for manufacturing rare earth bonded magnet |
| CN120796757A (zh) * | 2025-07-15 | 2025-10-17 | 东莞市华研新材料科技有限公司 | 一种mim注射成型高性能烧结钐铁氮磁体及其制备工艺 |
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