JPH0617540B2 - 窒化鋼製品 - Google Patents

窒化鋼製品

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JPH0617540B2
JPH0617540B2 JP59500984A JP50098484A JPH0617540B2 JP H0617540 B2 JPH0617540 B2 JP H0617540B2 JP 59500984 A JP59500984 A JP 59500984A JP 50098484 A JP50098484 A JP 50098484A JP H0617540 B2 JPH0617540 B2 JP H0617540B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、合金鋼一般および特に窒化鋼およびそれか
ら製造される製品に関する。
〔背景技術〕
窒素表面硬化法、より一般的には窒化といわれるもの
は、表面硬さ、耐摩耗性、ある種の耐食性を向上させ、
また窒化した部品の疲労強度向上に効果のある表層応力
を増加させる。そのため、窒化処理した合金鋼製品は歯
車、継手、軸およびその他の耐摩耗性と高応力負荷を要
求される用途にしばしば用いられる。
窒化に適した合金鋼の一つの群は下記の成分をもつ。す
なわち、 炭 素 0.21-0.26wt% マンガン 0.50-0.70wt% アルミニウム 1.10-1.40wt% ニッケル 3.25-3.75wt% クロム 1.00-1.30wt% モリブデン 0.20-0.30wt% シリコン 0.20-0.40wt% 鉄および許容し得る微量元素 残 部 である。
熱処理後に窒化処理されている、より経済的な調質型合
金鋼の群は、AISI/SAE4100系合金鋼である。特に、AISI
/SAE4140H合金鋼は、表面硬さと芯部硬さが共に高いこ
とが要求される多様な歯車の製造に有用であることが認
められている。
AISI/SAE4140H合金鋼の規格成分は、下記のとおりであ
る。すなわち、 炭 素 0.37-0.44wt% マンガン 0.65-1.10wt% シリコン 0.15-0.35wt% クロム 0.75-1.20wt% モリブデン 0.15-0.25wt% 鉄および許容し得る微量元素 残 部 上記成分の部品は、まず鋼片から鍛造又は圧延され、次
に焼入れ、焼もどしを施し、その後機械加工してから窒
化されるのが典型的な製造法である。AISI/SAE4140H合
金鋼はある一定の窒化用途に有用であったが、欠点もあ
る。たとえば、この鋼は高価な合金元素であるモリブデ
ンを含有する。更に、AISI/SAE4140Hの成分をもつ製品
は、焼割れし易いため、一般的には油焼入れが必要なこ
とが認められている。その上、AISI/SAE4140Hの窒化層
硬さは一般的に約HRC55以下が限度である。
本発明は上記の問題を克服することを意図している。特
に、本発明による合金鋼は、経済的で、多様な焼入れを
媒体に適応し、焼もどし後も高い芯部硬さを維持し、優
れた窒化特性を持つ成分を提供する。本鋼の原料コスト
は、モリブデンを使わないことにより低減している。本
発明の成分をもつ合金鋼で製造した製品は、極めて広範
な寸法範囲について、水焼入れも油焼入れも可能であ
る。更に、焼もどし後に、当該製品は、焼もどし温度に
よってHRC25から32の範囲に制御される有用な芯部
硬さを維持している。また、同等の硬化層深さに対する
窒化時間は、この新しい合金成分の製品では、AISI/SAE
4140Hの成分を持つ製品にくらべて40%も短縮でき
る。
〔発明の開示〕
本発明の窒化鋼製品は、重量%で、 炭素 0.24〜0.34、 マンガン 0.90〜1.30、 クロム 0.90〜1.20、 アルミニウム 0.07〜0.20、 バナジウム 0.05〜0.10、および 鉄と、モリブデン、鋼、およびニッケルを含む微量元素
とから成る残部 から実質的に成る組成を有する無心焼入れ・窒化鋼で作
られ、窒化された製品であって、ミクロ組織が実質的に
均一なマルテンサイトであり、表面硬さがHR15N8
9以上であり、且つ芯部硬さがHRC25以上である。
本発明による合金鋼成分の特徴は、焼入性、焼もどし軟
化抵抗および優れた窒化応答性を合わせもつことであ
る。これらの特性は少量のアルミニウムおよびバナジウ
ムを注意深く制御して使うことによって達成される。更
に、特徴あるこれら諸特性は高価なニッケルあるいはモ
リブデンの添加なしに達成されるから、廉価な材料を提
供する。
〔図面の簡単な説明〕
第1図は本発明による窒化鋼の優れた焼入性を示すグラ
フ、第2図は当該鋼の優れた窒化応答性と焼もどし軟化
抵抗を示すグラフ、第3図は本発明による合金鋼と典型
的な窒化鋼において、窒化応答性を比較したグラフであ
る。
〔発明を実施するための最良の形態〕
炭素は最高硬さと硬化層深さに寄与する。本発明におい
て炭素含有量は、焼もどし後の芯部硬さを十分に維持す
るために0.20wt%以上とし、耐焼割れ性と十分な窒
化応答性を確保するために約0.40wt%を越えないも
のとする。炭素含有量が約0.34wt%を越えると、形
状の複雑な製品では水焼入れの際に割れや歪みを生ずる
ことが認められており、その場合にはあまり急激でない
焼入れ媒体として油等が必要である。したがって、広い
範囲としては炭素0.20−0.40wt%が考えられる
が、更に望ましい範囲は炭素0.24−0.34wt%で
ある。上記のより望ましいすなわちより適した範囲で製
造した合金鋼製品は、適宜に水または油で焼入れできる
という利点がある。
マンガンは焼入性を高める働きがあるため、すべての調
質型合金中に存在する。ここに開示した合金鋼のマンガ
ン含有量は、十分な芯部硬さを確保するために0.50
wt%以上とし、割れ防止のために約1.60wt%を越えな
いものとする。許容範囲は広く0.50−1.60wt%
であるが、更に、熱処理に対する応答を均一に保つため
に、マンガン含有量は1.00−1.30wt%の狭い範
囲とすることが望ましい。
クロムは本合金鋼の焼入性に寄与するとともに優れた窒
化物形成元素として窒化特性を向上させる。これらの効
果を最もよく実現するために、クロムの最小必要量は
0.40wt%であり、0.90wt%以上存在することが望
ましい。脆化を防止するために、クロムは最高1.50
wt%を越えてはならず、約1.20%以下とするのが望
ましい。
アルミニウムは本発明に本質的に必要な成分であって、
焼入性に寄与するとともに優れた窒化物形成元素であ
る。実施例で述べるように、アルミニウムは0.07wt
%以上存在する必要があり、0.10%以上であること
が望ましい。アルミニウムが約0.07%未満の場合
は、焼入性、窒化応答性のいずれにもほとんど改善効果
が認められないばかりでなく、それに見合う利点もな
い。また、アルミニウムの量が0.30%を越えた場合
は、窒化性に対しては好都合であるが、表層の脆化傾向
も強まることが見出された。したがって、アルミニウム
量の上限は0.30wt%を越えないことが必要であり、
0.20%を越えないことが望ましい。本合金鋼は上記
範囲のアルミニウムを含有し、多様な焼入れ方法が可能
であり、しかも焼入れ性も向上している。
バナジウムも本合金鋼に本質的に必要な成分であって、
表面硬さと芯部硬さを共に矛盾なく、測定可能な程向上
させるためには0.03wt%以上存在しなくてはならな
い。バナジウムの量が0.20wt%を越えると本鋼の窒
化応答性や焼入性はほとんど向上しなくなる。これらの
理由により、バナジウム量の下限は0.03wt%、上限
は0.20%である。更に、0.05wt%から0.10w
t%に限定すればこの成分を最も経済的に使うことができ
て望ましい。規定した範囲で、アルミニウム量とバナジ
ウム量の組合せを適当にすれば、著しく窒化応答性が向
上して窒化時間が短縮し、表層硬さおよび硬化層深さが
増加する。また、アルミニウム量とバナジウム量を規定
範囲内で適当に組合せれば、焼入れ性および焼もどし軟
化抵抗が向上する。
本合金鋼の残余成分は実質的に鉄であり、その他に少量
の不可避的な成分が存在しても良い。たとえば、シリコ
ンは、実用上規格量が認められているが、これは溶鋼の
脱酸に用いられるためである。この目的で、シリコンは
0.10wt%以上存在してよい。硫黄は少量で被削性に
有効であり、許容値は0.10wt%以下であるが、0.
04wt%以下として延性の低下を避けるのが望ましい。
同様に、被削性の向上のために、必要により、鉛を約
0.15wt%まで添加してもよい。燐は0.05wt%を越
えると脆化を起こし得るから、上限は0.035wt%を
越えないことが望ましい。その他の一般に随伴不純物と
認められる元素は実用上認められる許容量以内で存在し
てよい。
上記成分を有する、軸,継手,歯車等の製品は、鍛造又
は圧延で成形し、次に約870℃(1600゜F)で約1h
加熱保持してから水又は油中に焼き入れ、その後機械加
工で最終寸法に仕上げる、というのが望ましい製造方法
である。従来は、窒化鋼には油焼入れが必要であた。本
発明鋼では焼入れ方法に関する制限が緩和しているが、
これは、アルミニウムが窒化性と焼入性に寄与し、特
に、これに伴って炭素量の最適範囲が低下した結果であ
る。焼入れ媒体の選択の自由度が増したことは本発明の
大きな利点の一つである。
〔実施例1〕 アルミニウムの顕著な影響、特にアルミニウムとバナジ
ウムを組合せたことによる利点は、後掲の第1表および
第1図に硬さの増加として現れている。試料はすべて同
一溶解チャージから作製しており、炭素,マンガン,ク
ロム,およびシリコンの各含有量の実測値は実際上同一
であって、いずれも上述した要求範囲内である。アルミ
ニウム量とバナジウム量は、4回の注型時に添加するこ
とにより変化させた。各注型材を32mm(1.25in)
角に圧延し、これからジョミニー試験片と窒化試験片を
作製した。試料1と3のアルミニウム量は低く、試料2
と4のアルミニウム量は最適範囲の上限に近い。バナジ
ウム量は最適範囲の下限を代表するものとして、試料3
と4に添加した。ASTM(A255)「一端焼入れ法による鋼
の焼入れ性試験」に従って試料を加熱、焼入れした後、
焼入れ端から1/16 in(1.59mm)の間隔で硬さ測
定を行なった。
第1表のデータをグラフで表わしたものが第1図であ
る。ここで、アルミニウムを0.18wt%含有する試料
2と4は、アルミニウムをそれぞれ0.056wt,0.
072wt%含有する試料1と3にくらべて焼入性が向上
している。アルミニウムは0.18wt%未満の量でも焼
入性に幾分寄与することが認められるが、0.07wt%
未満ではその傾向がない。アルミニウムは酸素や窒素と
容易に結合するから、鋼中の自由酸素、自由窒素の量に
影響する溶解法によって、焼入性に有効なアルミニウム
量は左右されるであろう。これらの理由から、アルミニ
ウム量に応じた焼入性を得るための現実的な下限は0.
07wt%であると考えられる。
〔実施例2〕 4回の注型に対応する窒化用試料を加熱・油焼入れした
後、焼もどしを行なった。本発明の窒化鋼は芯部硬さを
低下させずに比較的高温で焼もどすことができる。第1
表の各成分を有する4種類の試料を593℃(1100
゜F)に加熱し、その温度で3h保持した。焼もどし
後、試料から作製した試験片にアンモニア雰囲気中で5
26℃(980゜F)×28hの窒化処理を施した。前
記第1表の試料1−4の各各に対応する4回の注型の試
験片について、窒化処理後の硬さの測定結果を次の第2
表に掲げ、第2図にグラフで示す。硬さ測定は窒化した
試験片の断面に沿ってTukon微小硬さ計により行ない、
ヌープ硬さを相当するロックウェルCスケール硬さに換
算した。
この実施例は表層硬さと芯部硬さに対するアルミニウム
の寄与を示すとともに、特にアルミニウムとバナジウム
の組合せにより予期せぬ好結果が生まれたことを示す。
アルミニウムを0.18wt%含有し、バナジウムを含有
しない試験片2は、アルミニウム量が低く(0.056
wt%)、バナジウムを含有しない試験片1に対して表層
硬さは非常に高く(HRCで3〜7度)、芯部硬さは同等
である。約0.05wt%のバナジウムを含有する試験片
3と4は、これらと基本成分が本質的に等しく、アルミ
ニウム添加の有無も対応する試験片1と2にくらべて硬
さが高い。最高硬さを示したのは、アルミニウムを0.
18wt%、バナジウムを0.048wt%含有する試験片
4であった。最低硬さを示したのは、バナジウムを含有
せず、アルミニウム含有量の最も低い(0.056wt
%)試験片1であった。試験片1−4に対応する成分を
有する別の試験片に538℃(1000゜F),649
℃(1200゜F)および704℃(1300゜F)の焼
もどしを行なった。その結果は上記の593℃(110
0゜F)で焼もどしを行なった場合と同様であった。い
ずれの場合も、アルミニウムを0.18wt%含有しバナジウ
ムを約0.05wt%含有する試験片4は、アルミニウム
又はバナジウムの含有量の低い試験片1−3に対して、
表層硬さが高く、又芯部硬さは同等又はそれ以上であっ
た。
〔実施例3〕 窒化応答性を測定するために、別途3種類の試験片を準
備した。窒化応答性は、あらかじめ設定した窒化層深さ
に到達するために要した、生アンモニア含有雰囲気中で
の高温保持時間で測定した。3種類の試験片の成分実測
値と各特性値を次の第3表に示す。
第一の試験片はAISI/ASE4140 鋼で作製した。この鋼種
は出願人がこれまで業務に用いてきているものであり、
一般的に焼入れ、焼もどし、窒化を施す製品用に適した
合金窒化鋼として認められているものである。第二の試
験片は第3表中で試験片5と示したもので、アルミニウ
ムとバナジウムを本発明の最適範囲で含有する。第三の
試験片すなわち試験片6は試験片5と同等であるが、た
だアルミニウム含有量は本発明において広い範囲で規定
したときの最高値付近まで増量添加した点が異なる。上
記3種類の試験片を2組準備した。この2組について第
2表の試験片について既述したと同様の加熱,焼入れ,
焼もどしを施した。焼もどし後、試験片の1組に、解離
アンモニアをキャリア・ガスとする生アンモニアガス雰
囲気中で、温度526℃(980゜F)、21h保持の
窒化を施した。別の1組には、同様の条件で48hの窒
化を施した。これらの保持時間は、指標としたAISI/SAE
4140試験片の最小窒化層深さとして、各々0.20mm,
0,30mmを確保するために選んだ。窒化処理後、3種
類,2組の試験片を窒化炉から出し、各試験片断面を鏡
面研磨し、Tukon微小硬さ計で測定し、窒化層深さを決
定した。成分実測値と硬さ値を次の第3表に掲げ、各々
の窒化層を深さを窒化時間の関数として第3図のグラフ
に示す。
第3図に示したグラフから、従来鋼AISI/SAE4140は21
hの窒化処理で窒化層深さは0.27mmであるが、同じ
深さが本発明の成分では約15hrで実現していることが
わかる。同様に、最適範囲のアルミニウムを含有する本
発明鋼では、窒化層深さ0.38mmに達する時間は25
hrに過ぎないが、従来鋼では48hrを要している。この
ように、本発明の成分を有する製品は、窒化時間を大巾
に短縮できることがわかる。窒化層深さ0.3mmに対し
て窒化時間を40%程度短縮でき、これにより大巾なコ
スト削減効果がある。
〔産業上の利用可能性〕
本発明は、窒化応答性を最も要求される歯車,軸,ブッ
シング等のような油又は水焼入れと窒化を施す製品の製
造上特に有用である。更に、本発明の合金鋼成分は高価
な合金添加が不要なため経済的に製造される。また更
に、本発明の合金鋼は、焼入れ、焼もどし後最終寸法に
機械加工してから窒化処理するような窒化製品への利用
が特に要望されるものである。そのような場合に利用さ
れたとき、本発明鋼の特徴は、焼もどし後に維持される
芯部硬さが高く、同時に、優れた窒化応答性により製造
コストも低減することである。
本発明に関するこの他の観点,目的,利点については図
面,発明の開示および添付した請求の範囲に記載したと
おりである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 炭素 0.24〜0.34、 マンガン 0.90〜1.30、 クロム 0.90〜1.20、 アルミニウム 0.07〜0.20、 パナジウム 0.05〜0.10、および 鉄と、モリブデン、鋼、およびニッケルを含む微量元素
    とから成る残部 から実質的に成る組成を有する無心焼入れ・窒化鋼で作
    られ、窒化された製品であって、ミクロ組織が実質的に
    均一なマルテンサイトであり、表面硬さがHR15N8
    9以上であり、且つ芯部硬さがHRC25以上である窒
    化鋼製品。
  2. 【請求項2】870℃(1600゜F)で1時間加熱
    し、焼入れし、593℃(1100゜F)で1時間焼戻
    しし、526℃(980゜F)で15時間窒化する処理
    を施された際に、前記ミクロ組織、前記表面硬さおよび
    前記芯部硬さを呈する窒化応答性を有する請求の範囲第
    1項に記載の窒化鋼製品。
JP59500984A 1984-02-13 1984-02-13 窒化鋼製品 Expired - Lifetime JPH0617540B2 (ja)

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AU (1) AU2571584A (ja)
BR (1) BR8407278A (ja)
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