JPH0620251A - 磁気記録媒体の基板及び磁気記録媒体並びにその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の基板及び磁気記録媒体並びにその製造方法

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JPH0620251A
JPH0620251A JP4175799A JP17579992A JPH0620251A JP H0620251 A JPH0620251 A JP H0620251A JP 4175799 A JP4175799 A JP 4175799A JP 17579992 A JP17579992 A JP 17579992A JP H0620251 A JPH0620251 A JP H0620251A
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glassy carbon
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JP4175799A
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Atsushi Ishikawa
篤 石川
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性が良好で、微小な欠陥も無く、し
かしながら適度な表面粗さを有し、さらには高強度、高
硬度で、耐衝撃性に富み、非磁性であり、軽量であるこ
と、かつ、固有抵抗が小さいといった特性をも満足する
磁気記録媒体の基板を提供することである。 【構成】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以下の
微粒子とを含む素材で構成された複合材料から表面の微
粒子が除去されてなる磁気記録媒体の基板であって、該
基板表面の微粒子除去により粗面化がなされてなる磁気
記録媒体の基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の基板及
び磁気記録媒体並びにその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【発明の背景】現在、ハードディスク用基板の材料とし
て提案されているものはアルミニウム合金が主流であ
り、アルミニウム合金の表面に10μm程度のNi−P
メッキを施したものが使用されている。しかしながら、
アルミニウム合金製の基板は、厚さが薄くなると、剛性
が不足するという問題点が有る。すなわち、剛性が不足
すると、鏡面加工の際、基板にうねりが生じて平坦化で
きず、この為うねりが有る基板をディスクに使用した
際、回転むらが生じ、又、磁気ヘッドの浮上量を小さく
出来ないという不都合を生じたり、さらにはスピンドル
へのチャッキングの際にディスクが変形すると言う不都
合が有る。
【0003】又、ディスクの製造は基板上にスパッリン
グ等の薄膜形成手段で磁性膜を形成する方法が一般的で
あるが、この際、基板温度が数百℃となる為、耐熱性が
要求される。しかしながら、アルミニウム合金を主材料
とした基板にあっては、耐熱性が不足するという問題点
が有り、この結果、基板が熱変形するという不都合が有
る。
【0004】更に、成膜後に基板を加熱すると磁性膜の
保磁力が高くなることが知られており、この観点から熱
処理が行われることも有り、従って耐熱性が一層要求さ
れている。ところで、剛性や耐熱性に富む基板材料とし
て結晶化ガラスや強化ガラス等のガラスが考えられる。
この他に、ガラスは基板に要求される表面平滑性と硬度
の面では優れているものの、破壊(衝撃)に対して弱
く、又、表面に水分の吸着を起こしやすいという難点が
有る。又、磁性膜を形成するスパッタリングに際して、
高性能の磁性膜を得る為には、真空度を上げる必要が有
るが、減圧(真空)によりガラス内部から水分がしみ出
し、真空度が上がり難いという不都合も有る。さらに
は、基板加熱の際、赤外線ヒータを用いることが多いも
のの、赤外線が基板を透過し、基板の加熱効率が悪く、
又、基板の固有抵抗が高い為に静電気によるゴミの付着
が起こり易く、エラーレートの増加の原因にもなってい
る。この為、基板材料としてガラスがアルミニウム合金
に取って代わるといった展望は現在の処ない。
【0005】このようなことから、前記のようなアルミ
ニウム合金やガラスとは全く異なる材料としてカーボ
ン、特にガラス状炭素が注目を浴び始めている。すなわ
ち、ガラス状炭素は、一般に、三次元網目構造を有して
おり、不溶・不融の性質をもつ熱硬化性樹脂の硬化物を
不活性雰囲気中で焼成炭化させると得られる。そして、
このものはガス不透過性に優れ、硬度が高く、かつ、等
方的組織を有する。更に、軽量、耐熱性、高電気伝導
度、耐食性、高熱伝導度、高い潤滑性等の特性に加え、
均質で摺動部品に用いても炭素粉末を生じない特性を備
えていて、エレクトロニクス産業、原子力産業、宇宙産
業を始め、各種分野での広範囲な利用が期待されてい
る。このような観点から、本出願人によっても、ガラス
状炭素をハードディスクの基板として利用することが提
案(特開昭60−35333号公報)されている。
【0006】尚、フェノール樹脂やフラン樹脂等の熱硬
化性樹脂を主成分とする原料から得られる従来のガラス
状炭素にはμmオーダー以上の開孔と閉孔(空孔、気
孔)が存在している。この為、ガラス状炭素を研磨して
表面平滑性に富むハードディスク基板を得ようとして
も、研磨によって材料内部に存在する閉孔が開孔とな
り、研磨面に微小な欠陥が生じ、表面平滑性に富む基板
が得られ難く、記録・再生特性に優れた記録媒体が得ら
れ難い。
【0007】特に、最近、ハードディスク装置は、小型
・高密度化が進み、ディスクドライブ自体が小型化さ
れ、これに伴ってハードディスク基板は薄型化される傾
向にある。そして、高密度化に伴って面記録密度が非常
に大きくなり、すなわちビット当たりの記録面積が小さ
くなり、微小な欠陥も許されなくなって来ている。従っ
て、このような観点からも高度な表面平滑性が要求され
ている。又、ヘッド浮上量を小さくする観点からも表面
平滑性が要求されている。
【0008】ところで、表面平滑性に富むガラス状炭素
を得る技術として、例えば神戸製鋼所技報(Vol.3
9 No.4(1989))の提案がある。この文献に
は、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂粉末を金型に充
填し、ホットプレスにて成型した後、不活性ガス中にお
いて1200〜2000℃の温度で予備焼成し、超高温
熱間静水圧加圧処理を行って閉孔(微小気孔)を消滅さ
せる技術が開示されている。すなわち、熱硬化性樹脂
(フェノール・ホルムアルデヒド樹脂)粉末から得られ
るガラス状炭素には、ホットプレスで完全に除去出来な
かった材料中の気泡、1200〜2000℃の温度での
予備焼成段階で発生する熱分解ガス、原料が粉末である
ことから生ずる結晶粒界等によって微小気孔が存在して
おり、鏡面研磨しても研磨面には微小な欠陥が生じてい
る。そこで、超高温熱間静水圧加圧処理、つまり200
MPaの圧力下で2500℃の熱処理によって、材料を
緻密化し、微小気孔を消滅させ、鏡面研磨後の研磨面に
微小欠陥が起きないようにしているのである。
【0009】しかしながら、このようにして得られた表
面平滑性に富むガラス状炭素は、高強度、高硬度、低固
有抵抗、軽量、耐熱性といった特性に関しては磁気ディ
スクの基板として満足できるものの、磁気ヘッドとのイ
ンターフェースを考慮すると次のようなことになる。す
なわち、磁気記録媒体の基板は、単に、高度な表面平滑
性などが満足されれば良いかと言うとそうではない。つ
まり、記録再生装置の磁気ヘッドとの関係において、磁
気記録媒体が走行している記録・再生動作中においては
磁気ヘッドが磁気記録媒体から離間した浮上状態にある
ものの、記録・再生動作の開始や停止時に際して磁気ヘ
ッドは磁気記録媒体に摺接する状態にあり、このような
時に磁気ヘッドが磁気記録媒体に吸着してしまい、記録
再生装置のモータに過負荷が作用したり、磁気ヘッドや
磁気記録媒体の磁性膜を損傷させる恐れが有る。
【0010】このような現象を防止する為、磁気記録媒
体の表面を適度な表面粗さのものに設計することが要望
されている。その手段として、例えば磁気記録媒体の基
板表面を鏡面研磨した後、その表面を粗くして適度な表
面粗さのものに調整するテキスチャー処理が行われてい
る。尚、これまでのテキスチャー処理としては、炭化珪
素、酸化珪素、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、ダイヤモンド等の砥粒を設けた研磨テープによる
研磨手段が採用されている。つまり、磁気ディスク基板
を回転させた状態で研磨テープをテープの裏面側から磁
気ディスク半径方向に揺動しながら押し付けて粗面化す
るのである。
【0011】しかしながら、このような従来のテキスチ
ャー処理を上記のガラス状炭素からなる基板に適用する
と、表面粗さを所望のものにできず、磁気ヘッドとの間
に適度なスペーシングを確保できず、記録密度の向上が
図れ難い。
【0012】
【発明の開示】本発明者は、ハードディスク基板に要求
される項目に着目し、すなわち 1.高記録密度化する為に基板の表面平滑性が良好で、
微小な欠陥も無いこと、 2.磁気ヘッドの吸着現象が起きないよう適度な表面粗
さを有すること、 3.磁気ヘッドの追従性から基板のうねりを小さくする
必要があり、基板材料の剛性が高いこと、 4.基板加工時における内外周加工やチャンフォー加工
の際、割れや欠けが起き難いよう、又、テキスチャー形
成や薄膜形成の際のハンドリング時においての信頼性の
面から高強度であること、 5.テキスチャー処理が容易であること、 6.磁性膜の特性を向上させる為に基板は非磁性である
こと、 7.耐食性、耐候性が良好であること、 8.耐衝撃性に富むこと、 9.製造時の信頼性、及びCSS特性(耐久性)の面か
ら高硬度であること、 10.CSS特性を高め、ハードディスクドライブのスピ
ンドル負荷を低減化する為に、基板は軽量であること、 11.静電気によるゴミ等の付着防止の為に基板材料の固
有抵抗が小さいことに着目し、鋭意検討の末、本発明を
完成するに至った。
【0013】すなわち、上記の項目のかなりの部分はガ
ラス状炭素を用いることによって解決されたものではあ
るが、これのみでは不十分なことも判り、更なる研究が
鋭意押し進められて行った結果、ガラス状炭素と平均粒
径が0.1μm以下の微粒子とを含む素材で構成された
複合材料から表面の微粒子を除去すれば、所望の粗面に
構成された基板材料が得られたことを見出したのであ
る。
【0014】このような知見に基づいて本発明が達成さ
れたものであり、本発明の第1の目的は、表面平滑性が
良好で、微小な欠陥も無く、しかしながら適度な表面粗
さを有する磁気記録媒体の基板を提供することである。
本発明の第2の目的は、高強度、高硬度で、耐衝撃性に
富み、非磁性であり、軽量であること、かつ、固有抵抗
が小さいといった特性をも満足する磁気記録媒体の基板
を提供することである。
【0015】上記本発明の目的は、ガラス状炭素と平均
粒径が0.1μm以下の微粒子とを含む素材で構成され
た複合材料から表面の微粒子が除去されてなる磁気記録
媒体の基板であって、該基板表面の微粒子除去により粗
面化がなされてなることを特徴とする磁気記録媒体の基
板によって達成される。又、ガラス状炭素と平均粒径が
0.1μm以下の微粒子とを含む素材で構成された複合
材料を、前記ガラス状炭素を実質上溶解しないけれど
も、微粒子を溶解する溶液で処理し、表面の微粒子を除
去することを特徴とする磁気記録媒体の基板の製造方法
によって達成される。
【0016】又、熱硬化性樹脂の前駆体に平均粒径が
0.1μm以下の微粒子を混合分散し、硬化させ、炭化
焼成して得たガラス状炭素と微粒子とを含む素材で構成
された複合材料を、前記ガラス状炭素を実質上溶解しな
いけれども、微粒子を溶解する溶液で処理し、表面の微
粒子を除去することを特徴とする磁気記録媒体の基板の
製造方法によって達成される。
【0017】尚、上記の発明において、ガラス状炭素と
平均粒径が0.1μm以下の微粒子とを含む素材で構成
された複合材料における微粒子の割合は0.1〜10体
積%であるものが好ましく、又、微粒子は、例えば酸化
アルミニウム、酸化珪素あるいは酸化チタンなどの金属
酸化物から選ばれる一種以上であって、超微粒子である
ことがより好ましく、そして微粒子を除去する手段とし
ては酸性溶液を用いたエッチング手段が挙げられる。こ
のような手法によるメリットは次の通りである。すなわ
ち、研磨テープによる処理では、ガラス状炭素も同時に
研磨されることから、ガラス状炭素及び微粒子双方の研
磨の具合を考慮に入れなければならないのに対して、上
記の手段によれば、ガラス状炭素自体は酸性溶液で腐食
されず、テキスチャー処理の際には微粒子の腐食のみを
考慮すれば良いからである。
【0018】本発明における好ましい熱硬化性樹脂とし
ては、硬化前の初期縮合物の状態で20重量%以上の水
を含有することが出来るものである。ここで、「初期縮
合物」とは、硬化前の樹脂を意味し、原料モノマーを相
当量含む場合もあるが、ある程度付加及び/又は縮合反
応が起こり、粘度が高くなった樹脂組成物をいう。該熱
硬化性樹脂組成物の特徴は、硬化の際に縮合水のような
低沸点物の溜まりが起こらないことであり、つまり熱硬
化性樹脂が硬化する前の粘度が高くなった初期縮合物の
状態で樹脂が20重量%以上の水を含有することが出来
る程度の親水性を有するようにしておくことにより、低
沸点物が樹脂内(あるいは硬化物内)に閉じ込められて
も、低沸点物の溜まりが生ずることがないようになる。
尚、より一層に低沸点物を樹脂内に完全に分散溶解させ
る為には、30重量%以上の水を含み得る樹脂組成物が
望ましい。
【0019】熱硬化性樹脂組成物がどの程度の粘度の時
に、樹脂組成物の水可溶能力が20重量%を越えていれ
ば硬化・炭化後に空孔(気孔)を殆ど生じないようにな
るかは、原料樹脂の種類、重合度、ブレンド比率等によ
り異なるが、本発明者の研究の結果によれば、200〜
8000cps/20℃の粘度状態において20重量%
を越える水可溶能力があれば良いことが判明した。
【0020】本発明における熱硬化性樹脂の初期縮合物
は、原料樹脂の種類、ブレンドの比率、重合度制御、変
性等により適宜設計することが出来る。本発明において
用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エステル樹脂、
フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、キシレン樹脂等を挙げることが出来、これらの樹脂
をそのまま、あるいはブレンド、又は変性することによ
り用いられる。好ましくは変性フェノール・フラン樹脂
をベースにした樹脂で、例えば特開昭60−17120
8号公報、特開昭60−171209号公報、特開昭6
0−171210号公報、特開昭60−171211号
公報で開示された熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性
樹脂に変性し得るものとしては、上述のフェノール樹
脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはアスファル
ト、ピッチ類等の天然に産出する高い炭素化収率を有す
る材料、リグニン、セルロース、トラガカントガム、ア
ラビアガム、フミン酸、各種糖類等の比較的高い炭化収
率を有する親水性物質が挙げられる。
【0021】熱硬化性樹脂の前駆体に混合分散される微
粒子、特に超微粒子としては、例えば酸化アルミニウ
ム、酸化珪素あるいは酸化チタンなどの金属酸化物から
なる超微粒子が好ましく用いられる。このような超微粒
子は、例えば気相反応を利用したガス中蒸発法、プラズ
マ蒸発法、気相化学反応法、液相反応を利用した沈澱
法、溶融噴霧熱分解法などを用いて製造される。勿論、
これらの製造方法に限られるものではない。具体的に
は、例えば日本アエロジェル社のアエロジェル130
(一次粒子の平均粒径約16nmの酸化珪素超微粒
子)、アルミニウムオキサイドC(一次粒子の平均粒径
約20nmの酸化アルミニウム超微粒子)、チタニウム
オキシドP25(一次粒子の平均粒径約21nmの酸化
チタン)等が挙げられる。
【0022】本発明において用いる微粒子の平均粒径を
0.1μm以下のものとしたのは、これを越えて大き過
ぎるものでは、得られた複合材料を鏡面研磨、エッチン
グ処理すると、表面平滑性に富むものが得られず、すな
わち表面欠陥が形成されたものしか出来ず、これでは高
密度化に支障が起きてしまう。尚、好ましくは0.05
μm以下の大きさのものである。微粒子の粒径の測定方
法としては各種の方法が有るが、本発明では走査型電子
顕微鏡により測定した値である。
【0023】そして、複合材料における微粒子の割合が
0.1〜10体積%であるものが好ましいのは、0.1
%未満の少なすぎるとエッチングによる表面粗さが不十
分な傾向があり、磁気ヘッドとの間に吸着現象を起こし
てしまい、逆に、10%を越えて多くなりすぎるとエッ
チングによる表面粗さが大きくなりすぎる傾向があり、
磁気ディスクの高密度化が図れ難くなるからである。
【0024】又、本発明を実施するにあたって各種微粒
子の混合系でも構わない。そして、上記したような熱硬
化性樹脂の硬化前駆体と微粒子を均一に混合分散し、硬
化前に目的とする用途に応じた所定の形状の型に入れ、
加熱等による硬化工程を経ることにより、所定の形状の
複合樹脂材料が得られる。このようにして得られた所定
形状の複合樹脂材料を加熱して炭化させる炭化焼成工程
においては、不活性雰囲気中において約1000℃以上
の温度、例えば約1000〜1400℃、より望ましく
は約1100〜1300℃で熱処理することが好まし
い。尚、この後、不活性雰囲気下における約1000気
圧以上の圧力下において約1500〜2000℃で熱処
理することが一層好ましい。圧力を加える方法として
は、密閉された容器内に外部から油圧、その他の機械的
力を加え、処理中の材料に直接または間接に圧力を加え
る方法を用いることが出来る。この方法により、密閉さ
れた容器内の気圧は1000気圧以上に高めることが出
来、この圧力を利用して内部の試料に等方的な圧力を加
えるとことが出来る。このような処理は熱間静水圧加圧
装置(HIP)により実施することが可能である。すな
わち、このような処理により、ガラス状炭素複合材料
は、よりパッキング化し、材料内部に存在するミクロポ
アの径が小さくなり、緻密化する。かつ、加圧熱処理段
階は2000℃以下としたので、ガラス状炭素成分の黒
鉛化が抑えられ、高密度で、機械的強度(曲げ強度)が
大きく向上し、基板加工時における割れや欠けが激減
し、又、薄膜形成等に際してのハンドリングの信頼性が
向上する。
【0025】そして、このようにして得られたガラス状
炭素は、機械的強度が大きく、鏡面研磨後の表面平滑性
も良好であり、材料表面には微小な欠陥(開孔や結晶粒
界等)が殆ど認められない。又、ガラス状炭素自体が有
する特性、すなわち固有抵抗が小さく、耐食性、耐候性
が良好で、軽量、高硬度、非磁性である性質をも兼ね備
えている。
【0026】この後、ガラス状炭素と平均粒径が0.1
μm以下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料
を、例えばフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸、これらの混酸な
どの溶液でエッチング処理し、微粒子を除去することに
より本発明の基板が得られる。尚、エッチング液として
は前述のものに限られるものではない。そして、このよ
うな特徴を備えた基板に磁性膜が設けられてなる磁気記
録媒体は高密度記録に適したものであり、又、磁気ヘッ
ドの吸着といった現象も認められなかった。
【0027】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0028】
【実施例】
〔実施例1〕フルフリルアルコール500重量部、92
%パラホルムアルデヒド480重量部および水30重量
部を75℃で攪拌して溶解させ、攪拌下でフェノール5
20重量部、水酸化ナトリウム8.8重量部および水4
5重量部の混合液を滴下した。滴下終了後、75℃で3
時間反応させた。この後、フェノール80重量部、水酸
化ナトリウム8.8重量部および水45重量部の混合液
をさらに滴下し、75℃で4.5時間反応させた。30
℃まで冷却した後に、60%パラトルエンスルホン酸水
溶液で中和した。この中和物を減圧下で脱水して170
重量部の水を除去し、フルフリルアルコール500重量
部を添加混合した。得られた樹脂の粘度は20℃で37
0cpsであった。尚、この樹脂が含むことのできる水
量を測定したところ39重量%であった。
【0029】この熱硬化性樹脂100重量部に対しアル
ミニウムオキサイドC(一次粒子の平均粒径約20nm
の酸化アルミニウム超微粒子、日本アエロジェル社製)
2重量部を加え、サンドミルで混合分散した。そして、
パラトルエンスルホン酸70重量%、水20重量%、セ
ロソルブ10重量%の混合溶液3.5重量部を添加し、
十分攪拌した後、厚さ2mmの円盤状の型に注入し、減
圧脱泡した。次に、50℃で3時間、さらに80℃で2
日間加熱硬化した。
【0030】得られた円盤状の樹脂硬化物を炭化収縮率
を考慮して所定のドーナツ形状に加工し、この後に有機
物焼成炉(中外炉工業製)に入れ、窒素雰囲気中にて2
〜5℃/時の昇温速度で700℃まで加熱し、さらに
0.5mTorr程度の真空中にて5〜20℃/時の昇
温速度で1200℃まで加熱焼成し、この温度で2時間
保持し、この後に冷却した。
【0031】このようにして得られた主成分であるガラ
ス状炭素の密度は1.5g/cm3であり、酸化アルミ
ニウム超微粒子の見掛け上の比重は75g/lであり、
熱硬化性樹脂の残炭率、つまり焼成前後の重量比は約5
0%であった。本実施例では、熱硬化性樹脂100重量
部に対し酸化アルミニウム超微粒子が2重量部の配合で
焼成されているから、ガラス状炭素50重量部に対し酸
化アルミニウム超微粒子は2重量部となり、アルミナの
比重が約3.9であることを考慮すると、体積比として
はガラス状炭素が50/1.5、アルミナが2/3.9
となり、ガラス状炭素複合材料中の酸化アルミニウム超
微粒子は体積比で1.52%となる。
【0032】このドーナツ形状のガラス状炭素複合材料
をダイアモンドツールで内外周加工し、♯500〜♯8
000の砥粒で鏡面研磨し、2.5インチの磁気ディス
ク用の基板を得た。尚、この基板の表面粗さは中心線平
均粗さRaが25Åであり、開孔や結晶粒界に起因する
微小欠陥も認められなかった。そして、この後20%フ
ッ酸水溶液に5分間浸漬した。尚、この後の基板の表面
粗さは中心線平均粗さRaが62Åであった。この表面
粗さの増大はフッ酸水溶液によって基板表面に介在して
いる酸化アルミニウム超微粒子がエッチング除去された
からと考えられ、走査型電子顕微鏡による観察でも確認
された。
【0033】この後、スパッタ手段により500ÅのC
r下地膜、800ÅのCoCrTa磁性膜、さらに20
0Åのカーボン保護膜を設け、その後デップコーターに
てフッ素系の潤滑剤を20Å設けた。このようにして得
られた磁気ディスクを磁気ディスク駆動装置に装着し、
作動させたが、磁気ヘッドの吸着現象は認められなかっ
た。又、エラーレートも低かった。
【0034】〔実施例2〕実施例1におけるアルミニウ
ムオキサイドCの添加量を10重量部とした他は同様に
行った。本実施例で得たガラス状炭素複合材料中の酸化
アルミニウム超微粒子は体積比で7.14%である。こ
のドーナツ形状のガラス状炭素複合材料をダイアモンド
ツールで内外周加工し、♯500〜♯8000の砥粒で
鏡面研磨し、2.5インチの磁気ディスク用の基板を得
た。尚、この基板の表面粗さは中心線平均粗さRaは4
2Åであり、開孔や結晶粒界に起因する微小欠陥も認め
られなかった。
【0035】そして、この後20%フッ酸水溶液に5分
間浸漬した。尚、この後の基板の表面粗さは中心線平均
粗さRaが95Åであった。この表面粗さの増大はフッ
酸水溶液によって基板表面に介在している酸化アルミニ
ウム超微粒子がエッチング除去されたからと考えられ、
走査型電子顕微鏡による観察でも確認された。この後、
スパッタ手段により500ÅのCr下地膜、800Åの
CoCrTa磁性膜、さらに200Åのカーボン保護膜
を設け、その後デップコーターにてフッ素系の潤滑剤を
20Å設けた。
【0036】このようにして得られた磁気ディスクを磁
気ディスク駆動装置に装着し、作動させたが、磁気ヘッ
ドの吸着現象は認められなかった。又、エラーレートも
低かった。 〔実施例3〕実施例1におけるアルミニウムオキサイド
Cの添加量を0.5重量部とした他は同様に行った。本
実施例で得たガラス状炭素複合材料中の酸化アルミニウ
ム超微粒子は体積比で0.38%である。
【0037】このドーナツ形状のガラス状炭素複合材料
をダイアモンドツールで内外周加工し、♯500〜♯8
000の砥粒で鏡面研磨し、2.5インチの磁気ディス
ク用の基板を得た。尚、この基板の表面粗さは中心線平
均粗さRaは21Åであり、開孔や結晶粒界に起因する
微小欠陥も認められなかった。そして、この後20%フ
ッ酸水溶液に5分間浸漬した。尚、この後の基板の表面
粗さは中心線平均粗さRaが49Åであった。この表面
粗さの増大はフッ酸水溶液によって基板表面に介在して
いる酸化アルミニウム超微粒子がエッチング除去された
からと考えられ、走査型電子顕微鏡による観察でも確認
された。
【0038】この後、スパッタ手段により500ÅのC
r下地膜、800ÅのCoCrTa磁性膜、さらに20
0Åのカーボン保護膜を設け、その後デップコーターに
てフッ素系の潤滑剤を20Å設けた。このようにして得
られた磁気ディスクを磁気ディスク駆動装置に装着し、
作動させたが磁気ヘッドの吸着現象は認められなかっ
た。又、エラーレートも低かった。
【0039】〔実施例4〕実施例1におけるアルミニウ
ムオキサイドCの代わりにチタニウムオキシドP25
(一次粒子の平均粒径約21nmの酸化チタン超微粒
子)を1重量部とした他は同様に行った。このドーナツ
形状のガラス状炭素複合材料をダイアモンドツールで内
外周加工し、♯500〜♯8000の砥粒で鏡面研磨
し、2.5インチの磁気ディスク用の基板を得た。尚、
この基板の表面粗さは中心線平均粗さRaは23Åであ
り、開孔や結晶粒界に起因する微小欠陥も認められなか
った。
【0040】そして、この後20%フッ酸水溶液に5分
間浸漬した。尚、この後の基板の表面粗さは中心線平均
粗さRaが46Åであった。この表面粗さの増大はフッ
酸水溶液によって基板表面に介在している酸化チタン超
微粒子がエッチング除去されたからと考えられ、走査型
電子顕微鏡による観察でも確認された。この後、スパッ
タ手段により500ÅのCr下地膜、800ÅのCoC
rTa磁性膜、さらに200Åのカーボン保護膜を設
け、その後デップコーターにてフッ素系の潤滑剤を20
Å設けた。
【0041】このようにして得られた磁気ディスクを磁
気ディスク駆動装置に装着し、作動させたが、磁気ヘッ
ドの吸着現象は認められなかった。又、エラーレートも
低かった。 〔実施例5〕実施例1におけるアルミニウムオキサイド
Cの代わりにアエロジェル130(一次粒子の平均粒径
約16nmの酸化珪素超微粒子)を5重量部とした他は
同様に行った。
【0042】このドーナツ形状のガラス状炭素複合材料
をダイアモンドツールで内外周加工し、♯500〜♯8
00の砥粒で鏡面研磨し、2.5インチの磁気ディスク
用の基板を得た。尚、この基板の表面粗さは中心線平均
粗さRaは37Åであり、開孔や結晶粒界に起因する微
小欠陥も認められなかった。そして、この後20%フッ
酸水溶液に5分間浸漬した。尚、この後の基板の表面粗
さは中心線平均粗さRaが72Åであった。この表面粗
さの増大はフッ酸水溶液によって基板表面に介在してい
る酸化珪素超微粒子がエッチング除去されたからと考え
られ、走査型電子顕微鏡による観察でも確認された。
【0043】この後、スパッタ手段により500ÅのC
r下地膜、800ÅのCoCrTa磁性膜、さらに20
0Åのカーボン保護膜を設け、その後デップコーターに
てフッ素系の潤滑剤を20Å設けた。このようにして得
られた磁気ディスクを磁気ディスク駆動装置に装着し、
作動させたが、磁気ヘッドの吸着現象は認められなかっ
た。又、エラーレートも低かった。
【0044】〔比較例1〕実施例1においてアルミニウ
ムオキサイドCを全く添加しないで同様に行い、2.5
インチの磁気ディスク用の基板を得た。尚、この基板の
Raは13Åであった。この後、スパッタ手段により5
00ÅのCr下地膜、800ÅのCoCrTa磁性膜、
さらに200Åのカーボン保護膜を設け、その後デップ
コーターにてフッ素系の潤滑剤を20Å設けた。
【0045】このようにして得られた磁気ディスクを磁
気ディスク駆動装置に装着し、作動させると、磁気ヘッ
ドの吸着現象が認められた。又、吸着に起因して磁性膜
に損傷が起きており、エラーレートも高かった。 〔比較例2〕実施例1におけるアルミニウムオキサイド
Cの代わりに平均粒径が0.8μmの酸化アルミニウム
2重量部を用いた他は同様に行った。
【0046】このドーナツ形状のガラス状炭素複合材料
をダイアモンドツールで内外周加工し、♯500〜♯8
000の砥粒で鏡面研磨し、2.5インチの磁気ディス
ク用の基板を得た。尚、この基板のRaは210Åであ
り、走査型電子顕微鏡による観察では酸化アルミニウム
凝集塊の脱落の痕跡が認められた。そして、この後20
%フッ酸水溶液に5分間浸漬した。尚、この後の基板の
表面粗さは中心線平均粗さRaが650Åであり、基板
に微小な欠陥が多数存在していた。
【0047】この後、スパッタ手段により500ÅのC
r下地膜、800ÅのCoCrTa磁性膜、さらに20
0Åのカーボン保護膜を設け、その後デップコーターに
てフッ素系の潤滑剤を20Å設けた。このようにして得
られた磁気ディスクを磁気ディスク駆動装置に装着し、
作動させたところ、磁気ヘッドの吸着現象は認められな
かったものの、表面平滑性が悪い為、欠陥によるエラー
や磁気ヘッドによる磁性膜損傷によるエラーが生じ、エ
ラーレートが高いものであった。
【0048】
【効果】記録媒体の基板として好ましい特性を備えたも
のが得られ、この基板を基にした記録媒体はヘッドとの
間で吸着が起きることなく、又、エラーレートも低いも
のである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以
    下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料から表面
    の微粒子が除去されてなる磁気記録媒体の基板であっ
    て、該基板表面の微粒子除去により粗面化がなされてな
    ることを特徴とする磁気記録媒体の基板。
  2. 【請求項2】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以
    下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料における
    微粒子の割合が0.1〜10体積%であることを特徴と
    する請求項1の磁気記録媒体の基板。
  3. 【請求項3】 微粒子が金属酸化物であることを特徴と
    する請求項1または請求項2の磁気記録媒体の基板。
  4. 【請求項4】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以
    下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料から表面
    の微粒子が除去されてなる基板上に、磁性膜が設けられ
    てなることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以
    下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料における
    微粒子の割合が0.1〜10体積%であることを特徴と
    する請求項4の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 微粒子が金属酸化物であることを特徴と
    する請求項4または請求項5の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm以
    下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料を、前記
    ガラス状炭素を実質上溶解しないけれども、微粒子を溶
    解する溶液で処理し、表面の微粒子を除去することを特
    徴とする磁気記録媒体の基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱硬化性樹脂の前駆体に平均粒径が0.
    1μm以下の微粒子を混合分散し、硬化させ、炭化焼成
    して得たガラス状炭素と微粒子とを含む素材で構成され
    た複合材料を、前記ガラス状炭素を実質上溶解しないけ
    れども、微粒子を溶解する溶液で処理し、表面の微粒子
    を除去することを特徴とする磁気記録媒体の基板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 微粒子を溶解する溶液が酸性溶液である
    ことを特徴とする請求項7または請求項8の磁気記録媒
    体の基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 ガラス状炭素と平均粒径が0.1μm
    以下の微粒子とを含む素材で構成された複合材料を、前
    記ガラス状炭素を実質上溶解しないけれども、微粒子を
    溶解する溶液で処理し、表面の微粒子を除去する工程
    と、前記の工程で得られた基板上に磁性膜を設ける工程
    とを具備することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 熱硬化性樹脂の前駆体に平均粒径が
    0.1μm以下の微粒子を混合分散し、硬化させ、炭化
    焼成する工程と、前記工程で得られたガラス状炭素と微
    粒子とを含む素材で構成された複合材料を、前記ガラス
    状炭素を実質上溶解しないけれども、微粒子を溶解する
    溶液で処理し、表面の微粒子を除去する工程と、前記の
    工程で得られた基板上に磁性膜を設ける工程とを具備す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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