JPH06220075A - ホスフィノプロピオネート化合物、その製法および用途 - Google Patents

ホスフィノプロピオネート化合物、その製法および用途

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JPH06220075A
JPH06220075A JP27699693A JP27699693A JPH06220075A JP H06220075 A JPH06220075 A JP H06220075A JP 27699693 A JP27699693 A JP 27699693A JP 27699693 A JP27699693 A JP 27699693A JP H06220075 A JPH06220075 A JP H06220075A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機材料の熱劣化および光酸化劣化に対する
安定性を向上させるのに有効な化合物を提供する。 【構成】 次式 で示されるホスフィノプロピオネート化合物が、有機材
料の熱劣化および光酸化劣化を防ぐのに有効である。式
中、R1 は水素、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1
〜10のアルコキシ、炭素数3〜10のシクロアルキル
オキシ、炭素数7〜18のアリールアルコキシまたは水
酸基を表し、R2 は水素またはメチルを表し、Arは炭素
数6〜18のアリールまたは炭素数7〜18のアルキル
アリールを表し、nは1から3の整数を表す。 【効果】 この化合物は、各種有機材料の安定剤、特に
熱および光に対する安定剤として優れた性能を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なホスフィノプロ
ピオネート化合物、その製法およびそれの有機材料用安
定剤としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然また
は合成ゴム、鉱油、潤滑油、接着剤、塗料などの有機材
料は、製造時、加工時、さらには使用時に、熱、光、酸
素などの作用により劣化し、分子切断や分子架橋、さら
には軟化、脆化、変色などの現象を伴って、商品価値が
著しく損なわれることが知られている。このような熱劣
化、光酸化劣化および熱酸化劣化といった問題を解決す
る目的で、従来から各種のリン系酸化防止剤、ヒンダー
ドピペリジン系光酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤
などを添加することにより、有機材料を安定化すること
が行われている。
【0003】そして、従来は一般に、熱劣化および光酸
化劣化の両方に対して安定化効果を発現させるために
は、リン系酸化防止剤およびヒンダードピペリジン系光
酸化防止剤を併用することが行われている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】本発明の目的は、有機材料の熱劣化および
光酸化劣化の両方に対して、高い安定化効果を同時に発
現する化合物を提供することである。
【0005】本発明の別の目的は、かかる化合物の製法
を提供することである。
【0006】さらに本発明の別の目的は、かかる化合物
を用いて、有機材料を安定化することである。
【0007】本発明者らは、有機材料の熱劣化および光
酸化劣化に対し、従来公知の安定剤にはない複数の安定
化効果を示す化合物を開発すべく、研究を続けてきた。
その結果、特定構造のホスフィノプロピオネート化合物
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、次式
(I)で示されるホスフィノプロピオネート化合物を提
供するものである。
【0009】
【化3】
【0010】式中、R1 は水素、炭素数1から10のア
ルキル、炭素数1から10のアルコキシ、炭素数3から
10のシクロアルキルオキシ、炭素数7から18のアリ
ールアルコキシまたは水酸基を表し、R2 は水素または
メチルを表し、Arは炭素数6から18のアリールまたは
炭素数7から18のアルキルアリールを表し、nは1か
ら3の整数を表す。
【0011】また本発明は、次式(II)
【0012】 HnP-(Ar)3-n (II)
【0013】(式中、Arおよびnは前記の意味を有す
る)
【0014】で示されるホスフィン化合物と、次式(II
I)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R1 およびR2 は前記の意味を有
する)
【0017】で示されるピペリジン化合物とを反応させ
ることにより、前記式(I)で示されるホスフィノプロ
ピオネート化合物を製造する方法を提供するものであ
る。
【0018】式(I)で示されるホスフィノプロピオネ
ート化合物は、有機材料、特に熱や光の作用によって劣
化しやすい有機材料の安定剤として有用である。したが
って本発明はさらに、このホスフィノプロピオネート化
合物を有効成分とする有機材料用安定剤を提供し、また
有機材料にこのホスフィノプロピオネート化合物を安定
化有効量配合することにより、その有機材料を安定化す
る方法を提供し、さらには、有機材料にこのホスフィノ
プロピオネート化合物を含有させてなる有機材料組成物
を提供するものである。
【0019】式(I)において、R1 は水素、炭素数1
から10のアルキル、炭素数1から10のアルコキシ、
炭素数3から10のシクロアルキルオキシ、 炭素数7
から18のアリールアルコキシまたは水酸基である。ア
ルキルの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルなどが
挙げられ、炭素数3以上の場合は、直鎖状であっても分
枝状であってもよい。アルコキシの具体例としては、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオ
キシ、オクチルオキシ、デシルオキシなどが挙げられ、
炭素数3以上の場合はやはり、直鎖状であっても分枝状
であってもよい。シクロアルキルオキシの具体例として
は、シクロヘキシルオキシなどが挙げられ、またアリー
ルアルコキシの具体例としては、ベンジルオキシ、フェ
ネチルオキシなどが挙げられる。なかでも好ましいR1
は、水素、炭素数1から3のアルキル、炭素数6から1
0のアルコキシおよびシクロヘキシルオキシであり、特
に水素、メチル、オクチルオキシなどがより好ましい。
【0020】式(I)におけるArは、炭素数6から18
のアリールまたは炭素数7〜18のアルキルアリールで
あり、好ましい例として、フェニル、2,4−ジ−t−
ブチルフェニル、2,4−ジ−メチルフェニルなどが挙
げられる。Arは、特にフェニルである場合が好ましい。
また、式(I)におけるnは1から3の整数であり、特
にn=1である化合物が好ましい。
【0021】式(I)で示されるホスフィノプロピオネ
ート化合物は、前述のように式(II)で示されるホスフィ
ン化合物と式(III) で示されるピペリジン化合物の付加
反応により製造することができる。
【0022】ここで用いる式(II)のホスフィン化合物
の例としては、 ホスフィン、フェニルホスフィン、ジ
フェニルホスフィン、2,4−ジアルキルフェニルホス
フィン、ビス(2,4−ジアルキルフェニル)ホスフィ
ンなどが挙げられる。とりわけ、ジフェニルホスフィン
およびビス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィンが
好ましく用いられる。
【0023】また、式(III) のピペリジン化合物の例と
しては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル メタクリレート、1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル アクリレート、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル メタ
クリレート、2,2,6,6−テトラメチル−1−オク
チルオキシ−4−ピペリジル アクリレート、2,2,
6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペ
リジル メタクリレートなどが挙げられる。なかでも、
入手が容易なことから、2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル メタクリレートおよび1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル メタクリレー
トが好ましく用いられる。
【0024】式(II) のホスフィン化合物と式(III) の
ピペリジン化合物との反応にあたって、式(I)におけ
るnが1である化合物を製造する場合は、式(II) のホ
スフィン化合物1モルあたり、式(III) のピペリジン化
合物を1から1.2モル程度用いるのが好ましく、より好
ましくはピペリジン化合物を1から1.05モル程度用い
る。式(I)におけるnが2である化合物を製造する場
合は、式(II) のホスフィン化合物1モルあたり、式(I
II) のピペリジン化合物を2から2.5モル程度用いるの
が好ましく、より好ましくはピペリジン化合物を2から
2.2モル程度用いる。また、式(I)におけるnが3で
ある化合物を製造する場合は、式(II)のホスフィン化
合物1モルあたり、式(III) のピペリジン化合物を3か
ら4モル程度用いるのが好ましく、より好ましくはピペ
リジン化合物を3から3.3モル程度用いる。
【0025】この反応は、一般的には有機溶媒中で行わ
れる。使用できる有機溶媒の例としては、芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、含酸素系炭化水素、ハロゲン系炭
化水素などが挙げられる。芳香族炭化水素の具体例は、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどであり、脂肪族炭化
水素の具体例は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタンなどであり、含酸素系炭素水素の具体例は、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどであり、ハロ
ゲン系炭化水素の具体例は、クロロホルム、四塩化炭素
などである。これらのなかでも、芳香族炭化水素、特に
トルエンが好ましく用いられる。
【0026】反応は、50〜120℃程度の温度で進行
し、2〜3時間程度行われる。この反応は常圧下で進行
するが、加圧下で行ってもよい。反応完了後は、溶媒を
留去して式(I)のホスフィノプロピオネート化合物を
単離することができるし、また公知の精製法、例えば再
結晶やカラムクロマトグラフィーを施して、式(I)の
ホスフィノプロピオネート化合物を得ることもできる。
【0027】かくして得られるホスフィノプロピオネー
ト化合物の具体例としては、次のようなものが挙げられ
る。
【0028】化合物A: 2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル 2−メチル−3−(ジフェニルホ
スフィノ)プロピオネート
【0029】化合物B: 1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル 2−メチル−3−(ジフェニ
ルホスフィノ)プロピオネート
【0030】化合物C: 2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル 3−(ジフェニルホスフィノ)プ
ロピオネート
【0031】化合物D: 1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル 3−(ジフェニルホスフィ
ノ)プロピオネート
【0032】化合物E: 2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジル 2−メチル
−3−(ジフェニルホスフィノ)プロピオネート
【0033】化合物F: 2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジル 3−(ジフ
ェニルホスフィノ)プロピオネート
【0034】式(I)で示されるホスフィノプロピオネ
ート化合物は、有機材料を熱劣化、熱酸化劣化および光
酸化劣化から安定化するのに有効である。本発明により
安定化することができる有機材料としては、例えば次の
ようなものが挙げられ、それぞれ単独のもの、あるいは
二種以上の混合物を安定化することができるが、これら
の有機材料に限定されるものではない。
【0035】(1) ポリエチレン、例えば低密度ポリエチ
レン(LD−PE)、高密度ポリエチレン(HD−P
E)、リニアー低密度ポリエチレン(LLD−PE); (2) ポリプロピレン; (3) メチルペンテンポリマー; (4) EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合)樹
脂; (5) エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂; (6) ポリスチレン類、 例えばポリスチレン、ポリ(p
−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン); (7) AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂; (8) ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン
共重合)樹脂; (9) AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチ
レン共重合)樹脂; (10) ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/
スチレン共重合)樹脂;
【0036】(11) 塩素化ポリエチレン、ポリクロロプ
レン、塩素化ゴム; (12) ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン; (13) メタクリル樹脂; (14) エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂; (15) フッ素樹脂; (16) ポリアセタール; (17) グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂およびポ
リフェニレンサルファイト樹脂; (18) ポリウレタン; (19) ポリアミド; (20) ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート; (21) ポリカーボネート; (22) ポリアクリレート; (23) ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルスルホン; (24) 芳香族ポリエステル樹脂; (25) エポキシ樹脂; (26) ジアリルフタレートプリポリマー; (27) シリコーン樹脂; (28) 不飽和ポリエステル樹脂; (29) アクリル変性ベンゾグアナミン樹脂; (30) ベンゾグアナミン/メラミン樹脂; (31) ユリア樹脂;
【0037】(32) ポリブタジエン; (33) 1, 2−ポリブタジエン; (34) ポリイソプレン; (35) スチレン/ブタジエン共重合体; (36) ブタジエン/アクリロニトリル共重合体; (37) エチレン/プロピレン共重合体; (38) シリコーンゴム; (39) エピクロルヒドリンゴム; (40) アクリルゴム; (41) 天然ゴム;
【0038】(42) 塩素ゴム系塗料; (43) ポリエステル樹脂塗料; (44) ウレタン樹脂塗料; (45) エポキシ樹脂塗料; (46) アクリル樹脂塗料; (47) ビニル樹脂塗料; (48) アミノアルキル樹脂塗料; (49) アルキド樹脂塗料; (50) ニトロセルロース樹脂塗料; (51) 油性塗料; (52) ワックス; (53) 潤滑油。
【0039】本発明に係るホスフィノプロピオネート化
合物は、これらの有機材料のなかでも、熱可塑性樹脂、
とりわけポリプロピレンやポリエチレンのようなポリオ
レフィンに対して優れた効果を発揮する。このホスフィ
ノプロピオネート化合物を安定剤として使用する場合、
有機材料に対して安定化有効量配合され、対象とする有
機材料の種類によってもその好ましい配合量は当然変化
するが、通常は有機材料100重量部に対して、0.01
から5重量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0040】本発明により式(I)のホスフィノプロピ
オネート化合物を配合した有機材料組成物は、必要に応
じてさらに他の添加剤、例えばフェノール系酸化防止
剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸
収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、滑剤、可塑剤、難
燃剤、造核剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、顔料、無
機充填剤などを含有することもできる。これらの添加剤
はもちろん、式(I)のホスフィノプロピオネート化合
物と同時に配合することもできるし、またホスフィノプ
ロピオネート化合物とは別の段階で配合することもでき
る。
【0041】式(I)のホスフィノプロピオネート化合
物、あるいは任意に使用されるその他の添加剤を有機材
料に配合するにあたっては、均質な混合物を得るための
公知のあらゆる方法および装置を用いることができる。
例えば、有機材料が固体ポリマーである場合は、直接ブ
レンドすることもできるし、またマスターバッチの形
で、固体ポリマーに配合することもできる。有機材料が
合成ポリマーである場合はその他、重合途中あるいは重
合直後のポリマー溶液に、溶液または分散液の形で配合
することもできる。一方、有機材料が油などの液体であ
る場合は、直接添加して溶解させることもできるし、ま
た液状媒体に溶解または懸濁させた状態で添加すること
もできる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。例中にある部は、特にことわらないかぎり重
量基準である。
【0043】例1: 2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル 2−メチル−3−(ジフェニルホス
フィノ)プロピオネート(化合物A)の製造
【0044】200mlの四つ口フラスコに、ジフェニル
ホスフィンを5.0g(26.8ミリモル)、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレートを
6.2g(27.5ミリモル)およびトルエンを100ml仕
込んだ。この混合物を60℃で3時間反応させた。反応
完結後、溶媒を留去し、ヘキサンで再結晶すると、白色
結晶が析出した。これを濾別乾燥して、標記化合物を得
た。
【0045】 質量分析(FD−MS): m/z 411(M)+ 元素分析:C2534NO2P 計算値 C 73.0 %; H 8.3 %; N 3.4 %; P 7.5 % 実測値 C 73.1 %; H 8.7 %; N 3.3 %; P 7.9 % 融点: 88〜90℃
【0046】例2: 1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル 2−メチル−3−(ジフェニル
ホスフィノ)プロピオネート(化合物B)の製造
【0047】例1における2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル メタクリレートの代わりに、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル メタ
クリレートを6.5g(27.1ミリモル)用い、例1と同
じ操作を施すことにより、標記化合物を得た。
【0048】 質量分析(FD−MS): m/z 425(M)+ 元素分析:C2636NO2P 計算値 C 73.4 %; H 8.5 %; N 3.3 %; P 7.3 % 実測値 C 73.6 %; H 8.0 %; N 3.1 %; P 7.7 % 融点: 64〜67℃
【0049】例3
【0050】原料のピペリジン化合物およびその量を代
える以外は、例1と同じ操作を施すことにより、先に掲
げた化合物CないしFを製造することができる。
【0051】例4: ポリプロピレンの熱安定性試験
【0052】(配 合) 未安定化ポリプロピレン 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.05部 供試化合物 0.1 部
【0053】上記混合物を、30mmφの単軸押出機によ
り230℃で溶融混練して、ペレット化した。得られた
ペレットにつき、 JIS K 7210 に準じて、メルトインデ
クサー中、270℃で5分間滞留したあとの流動性(M
I値:g/10分)を測定して、熱安定性の評価を行っ
た。ポリプロピレンは熱によって分子切断を起こし、流
動性が増すので、5分間滞留後のMI値が小さいほど熱
安定性に優れることを意味する。結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】例5: ポリプロピレンの耐候性試験
【0056】(配 合) 未安定化ポリプロピレン 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.05部 供試化合物 0.1 部
【0057】上記混合物を、30mmφの単軸押出機によ
り230℃で溶融混練して、ペレット化した。このペレ
ットを、射出成形機により230℃で成形して1mm厚の
シートとし、このシートを試験片とした。この試験片
を、サンシャインウェザーオーメーター(光源:カーボ
ンアーク)中にいれ、ブラックパネル温度63℃、スプ
レーサイクル12分/60分の条件で光照射し、試験片
の光照射面上に亀裂が発生するまでの時間で耐候性を評
価した。その結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】例6: ポリエチレンの熱安定性試験
【0060】(配 合) 未安定化直鎖低密度ポリエチレン 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.1 部 n−オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル− 4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 0.05部 供試化合物 0.05部
【0061】上記混合物を、30mmφの単軸押出機によ
り250℃で溶融混練して、ペレット化した。得られた
ペレットにつき、 JIS K 7210 に準じて、メルトインデ
クサー中、250℃で15分間滞留したあとの流動性
(MI値:g/10分)を測定して、熱安定性の評価を
行った。ポリエチレンは熱によって分子架橋を起こし、
流動性が低下するため、15分間滞留後のMI値が大き
いほど熱安定性に優れることを意味する。結果を表3に
示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明のホスフィノプロピオネート化合
物は、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂をはじめとす
る各種有機材料の安定剤として優れた性能を発揮する。
特に、熱および光によって劣化する性質を有する有機材
料に対して有効であり、例えばこの化合物を配合した樹
脂は、熱劣化および光酸化劣化に対して安定であって、
高品質の製品となる。
フロントページの続き (72)発明者 山口 哲夫 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 位田 加奈子 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素、炭素数1から10のアルキル、炭
    素数1から10のアルコキシ、炭素数3から10のシク
    ロアルキルオキシ、炭素数7から18のアリールアルコ
    キシまたは水酸基を表し、R2 は水素またはメチルを表
    し、Arは炭素数6から18のアリールまたは炭素数7か
    ら18のアルキルアリールを表し、nは1から3の整数
    を表す)で示されるホスフィノプロピオネート化合物。
  2. 【請求項2】R1 が水素、炭素数1から3のアルキル、
    炭素数6から10のアルコキシまたはシクロヘキシルオ
    キシである請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Arがフェニルであり、nが1である請求項
    1または2記載の化合物。
  4. 【請求項4】式(II) HnP-(Ar)3-n (II) (式中、Arは炭素数6から18のアリールまたは炭素数
    7から18のアルキルアリールを表し、nは1から3の
    整数を表す)で示されるホスフィン化合物と、式(III) 【化2】 (式中、R1 は水素、炭素数1から10のアルキル、炭
    素数1から10のアルコキシ、炭素数3から10のシク
    ロアルキルオキシ、炭素数7から18のアリールアルコ
    キシまたは水酸基を表し、R2 は水素またはメチルを表
    す)で示されるピペリジン化合物とを反応させることを
    特徴とする請求項1記載のホスフィノプロピオネート化
    合物の製法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のホスフィノプロピオネート
    化合物を有効成分とする有機材料用安定剤。
  6. 【請求項6】有機材料に、請求項1記載のホスフィノプ
    ロピオネート化合物を安定化有効量配合することを特徴
    とする有機材料の安定化方法。
  7. 【請求項7】有機材料に、請求項1記載のホスフィノプ
    ロピオネート化合物を含有させてなる安定化有機材料組
    成物。
  8. 【請求項8】有機材料が熱可塑性樹脂である請求項7記
    載の組成物。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂がポリプロピレンである請求
    項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂がポリエチレンである請求
    項8記載の組成物。
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