JPH0622633B2 - 吸着体およびそれを用いた除去装置 - Google Patents

吸着体およびそれを用いた除去装置

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JPH0622633B2
JPH0622633B2 JP62277207A JP27720787A JPH0622633B2 JP H0622633 B2 JPH0622633 B2 JP H0622633B2 JP 62277207 A JP62277207 A JP 62277207A JP 27720787 A JP27720787 A JP 27720787A JP H0622633 B2 JPH0622633 B2 JP H0622633B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は体液中から抗脂質抗体を吸着除去あるいは吸着
回収するための抗脂質抗体の吸着体およびそれを用いた
抗脂質抗体の除去装置に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 自己免疫疾患はその名称のごとく自己の組識の構成成分
に対する抗体(以下、自己抗体という)が出現する疾患
であるが、全身性エリテマトーデス(以下、SLEとい
う)および関連する自己免疫疾患において、血栓症、血
小板減少症および子宮内胎児死亡などの症例に関して
は、細胞膜のリン指質成分に対する抗体(以下、抗脂質
抗体という)が体液中に出現し、その病態と密接な関連
があると考えられている。産生された自己抗体が病気の
発症に関わる機序は必ずしも明確ではないが、自己抗体
自身が細脂を障害する機構、あるいは自己抗体が抗原と
結合して免疫複合体を形成し組織に沈着することにより
組織障害をおこす機構などが提唱されている。該症例の
ばあいは、発生した抗脂質抗体が、血小板膜上のリン脂
質に結合し、その機能を活性化あるいは阻害し、それぞ
れ血栓症あるいは血小板減少症を誘発すること、また胎
盤導管の内皮細胞膜上のリン脂質に結合して血行を阻害
し、胎児死亡を誘発する機構などが提唱されている。
このように産生した抗脂質抗体または該抗体と細胞膜上
のリン脂質との免疫複合体にによりさまざまな症状がひ
きおこされるわけであるから、該症例の治療には抗脂質
抗体のコントロールが非常に重要である。
従来より抗脂質抗体の産生を抑制する目的でステロイド
剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤などがSLEの治
療に広く用いられている。なかでもステロイド剤はもっ
とも一般的に用いられ、バルス治療と呼ばれるステロイ
ドの短期超大量投与療法もしばしば行なわれている。し
かしながら、ステロイドは少量の投与によっても副作用
を生じさせやすいので、ステロイドの短期超大量投与療
法によればさらに大きな副作用を生じさせやすくなるの
は自明である。また、これらの薬剤は長期にわたって用
いられることが多く、そのようなばあいには副作用がさ
らに出やすく、また薬剤耐性によりしだいに増量しなけ
ればならないことも多いため、症例によってはこれらの
薬剤の使用が不可能であったり、充分な効果を発揮しな
いばあいも多い。とくに該症例の現われる時期は抗脂質
抗体の抑制がもっとも必要な時期であるにもかかわら
ず、上記の理由によりパルス療法や免疫抑制剤などの薬
剤を用いる強力な療法を採用できないばあいも多い。
一方、これらの薬剤療法とは別のアプローチとして、体
液中の抗脂質抗体を対外循環により直接除去しようとす
る試みがなされている。もっとも簡便な方法は、抗脂質
抗体を含む患者の血漿を健常人の血漿と交換する、いわ
ゆる血漿交換療法である。この方法によって血中の抗脂
質抗体は大幅に低下し、症状の改善が見られている。し
かしながらこの方法では大量の健常血漿が必要となり高
価であるばかりでなく、該療法処置中に血清肝炎などの
感染の危険性を伴うため広く普及するには至っていな
い。
血漿交換療法では血漿中のすべての成分が除去され、健
常血漿と交換されるわけであるが、これに対して病因物
質である抗脂質抗体を選択的に除去する目的で、分子サ
イズにより病因物質を分離する血漿分離膜法が開発され
た。この方法では膜により血漿を高分子量画分と低分子
量画分に分離し、病因物質が含まれている高分子量画分
を廃棄し、主要蛋白であるアルブミンが含まれている低
分子量画分を患者に戻すが、抗脂質抗体は分子量約16万
のIgG(免疫華グロブリンG)が主であり、アルブミ
ン(分子量約6万)と分子量が近いため両者間の分離は
悪く、抗脂質抗体を除去する際にアルブミンも大量に除
去され、さらに病因物質と同等以上の分子量の蛋白はす
べて除去されるなどの欠点がある。
したがって病因物質である抗脂質抗体をより選択的に除
去し、体液中の他の有用成分がほとんど失われることの
ない除去手段の出現が望まれていた。
そこで本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意研究を重ね
た結果、体液中の有効成分をほとんど失うことなく抗脂
質抗体のみを選択的に吸着しうる吸着体を見出し、本発
明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、水不溶性多孔質体にアニオン性官能
基を有する化合物が固定されてなる抗脂質抗体の吸着体
ならびに流体の流入口および流出口を有する容器、流体
および該流体に含まれる成分は通過できるが、水不溶性
多孔質体にアニオン性官能基を有する化合物が固定され
てなる抗脂質抗体の吸着体は通過できないフィルター、
および前記容器内に充填された前記抗脂質抗体の吸着体
からなる抗脂質抗体の除去装置に関する。
[実施例] 本明細書において体液とは血液、血漿、血清、腹水、リ
ンパ液、関節内液およびこれらからえられた分画成分、
ならびにその他の生体由来の液性成分をいう。
本発明に用いる水不溶性多孔質体は、大きな径の連続し
た細孔を有するものが好ましい。すなわち抗脂質抗体は
IgG、IgM(免疫グロブリンM)などの免疫グロブ
リンからなり、分子量が16〜90万の巨大分子であるた
め、これを効率よく吸着するためには抗脂質抗体が容易
に多孔質体内に侵入しうることが必要である。
細孔径の測定方法には種々あり、水銀圧入法がもっとも
よく用いられているが、親水性多孔質体のばあいには適
用が難しい。これにかわる細孔径の目安として排除限界
分子量がよく用いられ、親水性多孔質体、疎水性多孔質
体いずれもに適用できる。排除限界分子量とは成書(た
とえば波多野博行、花井俊彦著、実験高速液体クロマト
グラフィー、化学同人)などに述べられているごとく、
ゲル浸透クロマトグラフィにおいて細孔内に侵入できな
い(排除される)分子のうちもっとも小さい分子量をも
つ物の分子量をいう。
排除限界分子量は対象とする化合物により異なることが
知られており、一般に球状蛋白質、デキストラン、ポリ
エチレングリコールなどについてよく調べられており、
抗脂質抗体にもっとも類似していると思われる球状蛋白
質(ビールスを含む)を用いてえられた値を用いるのが
適当である。
排除限界の異なる種々の水不溶性多孔質体を用いて検討
した結果、予想に反し排除限界分子量が抗脂質抗体の分
子量より小さい10万程度のものでもある程度の吸着能を
示し、また細孔径の大きいもの程能力が大きいわけでな
く、むしろ能力が低下したり抗脂質抗体以外の蛋白が吸
着されること、すなわち最適な細孔径の範囲が存在する
ことが明らかになった。すなわち10万未満の排除限界分
子量を持つ水不溶性多孔質体を用いたばあいは抗脂質抗
体の吸着量は小さく実用に耐えないが、排除限界分子量
が10万ないし15万と抗脂質抗体の分子量に近い水不溶性
多孔質体を用いてもある程度実用に供しうる吸着体がえ
られた。一方排除限界分子量が大きくなるにつれ、抗脂
質抗体の吸着量は増加するがやがて頭打ちとなり、排除
限界分子量が6000万以上になると表面積が少なすぎ吸着
量は目立って低下するばかりでなく、目的とする抗脂質
抗体以外の成分の吸着、すなわち非特異吸着が増加し選
択性がいちじるしく低下する。
したがって本発明に用いる水不溶性多孔質体の好ましい
排除限界分子量は10万以上6000万以下であり、さらに好
ましくはより選択性吸着容量の大きい点から60方以上30
00万以下であるのがよい。
つぎに水不溶性多孔質体の多孔構造については表面多孔
性よりも全多孔性が好ましく、空孔容積が吸着容量が大
きいという点から20%以上であることが好ましい。水不
溶性多孔質体の形状は、粒状、球状、繊維状、膜状、ホ
ローファイバー状など任意の形状を選ぶことができる。
粒子状の水不溶性多孔質体を用いるばあい、その粒子径
は1μm未満のばあい圧力損失が大きく、5000μmをこ
えるばあい吸着容量が小さい点から1μm以上5000μm
以下であるのが好ましい。
本発明に用いる水不溶性多孔質体は有機性、無機性いず
れであってもよいが、目的とする抗脂質抗体以外の体液
成分の吸着(いわゆる非特異吸着)の少ないものが好ま
しい。親水性である方が非特異吸着が少ないので水不溶
性多孔質体は疎水性であるよりも、親水性であるほうが
好ましく、分子中に水酸基を有する化合物よりなる水不
溶性多孔質体がより好ましい。
本発明に使用する水不溶性多孔質体の代表例としては、
アガロース、デキストラン、ポリアクリルアミドなどの
軟質多孔質体、多孔質ガラス、多孔質シリカゲルなどの
無機多孔質体、ポリメチルメタクリレート、ポリビニル
アルコール、スチレン、−ジビニルベンゼン共重合体な
どの合成高分子および/またはセルロースなどの天然高
分子を原料とする多孔質ポリマーハードゲルなどがあげ
られるがこれらに限定されるわけではない。
本発明の吸着体を外循環治療に用いる際には、血液、血
漿のごとき抗粘性流体を高速で流す必要があるため、圧
密化を引起こさない充分な機械的強度を有する硬質水不
溶性多孔質体を用いるのが好ましい。すなわち硬質多孔
質体とは後記参考例に示すごとく、水不溶性多孔質体を
円筒状カラムに均一に充填し、水性流体を流通したばあ
いの圧力損失と流量との関係が少なくとも、0.3kg/c
m2まで直接関係にあるものをいう。
本発明に用いるアニオン性官能基はpHが中性付近で負に
帯電するような官能基であればいかなるものも使用しう
る。これらの代表例としては、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、スルホン基、硫酸エステル基、チオール基、シ
ラノール基、リン酸エステル基、フェノール性水酸基な
どがあげられるがこれらに限定されるわけではない。
なかでもカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル
基、チオール基およびリン酸エステル基が抗脂質抗体に
対する親和性が強く好ましい。
アニオン性官能基を有する化合物としては、分子内に1
つのアニオン性官能基を有するモノアニオン化合物であ
っても、複数のアニオン性官能基を有するポリアニオン
化合物であってもよい。ポリアニオン化合物は抗脂質抗
体に対する親和性が大きく、また単位量の多孔質体に多
くのアニオン性官能基を導入しやすいので好ましい。な
かでも分子量が1000以上のポリアニオン化合物は親和
性、アニオン性官能基導入量の点で好ましい。ポリアニ
オン化合物が有するアニオン性官能基は1種類であって
もよいし、2種類であってもよい。
本発明に用いるポリアニオン化合物の代表例としては、
ポリアクリル酸、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン
酸、ポリビニルリン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
スチレンリン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
酸、ポリメタクリル酸、ポリリン酸、スチレン−マレイ
ン酸共重合体などの合成ポリアニオン化合物、およびヘ
パリン、デキストラン硫酸、コンドロイチン、コンドロ
イチン硫酸、ホスホマンナン、キチン、キトサンなどの
アニオン性官能基含有多糖類があげられるがこれらに限
定されるわけではない。
本発明の吸着体に固定されているアニオン性官能基を有
する化合物は1種類であってもよいし、2種類以上であ
ってもよい。
本発明の吸着体は、水不溶性多孔質体にアニオン性官能
基を有する化合物が固定された状態のものをいう。その
ようなアニオン性官能基を有する化合物の固定された状
態をうるためのアニオン性官能基の吸着体への導入方法
は種々あり、いかなる方法で導入してもよいが、代表的
な導入方法としては (1) アニオン性官能基あるいは容易にアニオン性官能
基に変換しうる官能基を含有する化合物をモノマーある
いは架橋剤として用いる重合によって吸着体を形成させ
る方法、 (2) アニオン性官能基を含有する化合物を水不溶性多
孔質体に固定させる方法、 (3) アニオン性官能基を形成する化合物と水不溶性多
孔質体を直接反応させることによって、水不溶性多孔質
体にアニオン性官能基を有する化合物を固定させる方法 などがあげられる。
もちろんガラス、シリカ、アルミナなどもともとアニオ
ン性官能基を含有するアニオン性官能基含有化合物を吸
着体として用いてもよい。
(1)の方法において用いるアニオン性官能基あるいは容
易にアニオン性官能基に変換しうる官能基を含有するモ
ノマーあるいは架橋剤の代表例としては、アクリル酸お
よびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステル、
スチレンスルホン酸などがあげられるがこれらに限定さ
れるわけではない。
(2)の方法、すなわちアニオン性官能基を含有する化合
物を水不溶性多孔質体に固定させる方法としては、物理
的吸着による方法、イオン結合による方法、共有結合に
より固定する方法などがあり、いかなる方法を用いても
よいが、治療目的に吸着体を用いるには、滅菌時あるい
は治療中にアニオン性官能基含有化合物が離脱しないこ
とが重要であるので、強固な固定が可能な共有結合法が
好ましい。
共有結合によりアニオン性官能基含有化合物を固定させ
るばあい、アニオン性官能基含有化合物がアニオン性官
能基以外に固定に利用できる官能基を有するのが好まし
い。
固定に利用できる官能基の代表例としては、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、酸無水物基、スクシニルイ
ミド基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、ハロゲン
基、エポキシ基、シラノール基などがあげられるがこれ
らに限定されるわけではない。
これらの官能基を有するアニオン性官能基含有化合物は
多数存在するが、実施例に記載したスルファニル酸、硫
酸水素2-アミノエチル、テレフタル酸、ホスホリルエタ
ノールアミン、グルコール6-リン酸、エタンジチオール
などはその一例である。
また、アニオン性官能基を含有する化合物のうち硫酸エ
ステル基を含有する化合物の代表例としては、アルコー
ル、糖類、グリコールなどの水酸基含有化合物の硫酸エ
ステルがあげられるが、これらのなかでも多価アルコー
ルの部分硫酸エステル化物、とりわけ糖類の硫酸エステ
ル化物が硫酸エステル基、固定に必要な官能基の双方を
含んでいるうえに、生体適合性および活性ともに高く、
さらに硫酸化多糖類は容易に水不溶性多孔質体に固定し
うることからとくに好ましい。
つぎに(3)の方法、すなわちアニオン性官能基を形成す
る化合物と水不溶性多孔質体とを反応させることによっ
て、水不溶性多孔質体にアニオン性官能基を有する化合
物を固定させてアニオン性官能基を導入する方法の代表
例として水酸基含有多孔質体に硫酸エステル基を導入す
る反応があげられる。このばあい、水酸基含有水不溶性
多孔質体とクロロスルホン酸、濃硫酸などの試薬を反応
させることによって直接硫酸エステル基を導入すること
ができる。
導入されるアニオン性官能基の量は、吸着体1mlあた
り、0.01μmol以上10m mol以下が好ましい。0.01μmol
未満のばあい吸着能力が充分でなく、10m molをこえる
ばあい非特異吸着が多すぎて実用に供することが困難に
なる。より好ましいアニオン性官能基導入量は1μmol
以上100μmol以下であるのがよい。
本発明の吸着体を用いて体液から抗脂質抗体を除去する
方法には種々あり、いかなる方法を用いてもよいが、流
体の流入口および流出口を有する容器、流体および該流
体に含まれる成分は通過できるが、水不溶性多孔質体に
アニオン性官能基を有する化合物が固定されてなる抗脂
質抗体の吸着体は通過できないフィルター、および前記
容器内に充填された前記抗脂質抗体の吸着体からなる抗
脂質抗体の除去装置に体液を通液する方法が簡便で好ま
しい。
第2図に本発明の抗脂質抗体の除去装置の一実施例の概
略断面図を示す。第2図中、、(1)および(2)はそれぞれ
の流体の流入口と流出口、(3)は本発明の吸着体、(4)お
よび(5)は流体および流体に含まれる成分は通過できる
が本発明の吸着体は通過できないフィルターまたはメッ
シュ、(6)はカラム、(7)は容器である。ここで流体の流
入口側のフィルター(4)は存在しなくてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
参考例 両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製カラ
ム(内径9mm、カラム長150mm)にアガロースゲルBioge
l A5m(商品名、バイオラド社製、粒径50〜100メッシ
ュ)、合成ポリマーよりなるゲル、トヨパールHW65(商
品名、東洋曹達工業(株)製、粒径50〜100μm)、およ
び多孔質セルロースゲル、セルロファインGC-700(商品
名、チッソ(株)製、粒径45〜100μm)をそれぞれ均一
に充填し、ペリスタティックポンプによりカラム内に水
を流通し、流量と圧力損失ΔPとの関係を求めた。その
結果を第1図に示す。同図より明らかなように軟質ゲル
であるアガロースゲルは一定の流量以上では圧密化を起
こし、圧力を増加させても流量が増加しないのに対し、
トヨパール、セルロファインなどの硬質ゲルは圧力の増
加にほぼ比例して流量が増加する。
製造例1 多孔質セルロースゲルであるCKゲルA3(商品名、チッソ
(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量5000万、粒径63〜
125μm)100mlに水60mlおよび2M NaOH 80mlを加え45℃
で1時間撹拌した。撹拌後、さらにエピクロロヒドリン
25mlを加えて45℃で2時間撹拌して反応終了後、ゲルを
濾別水洗してエポキシ化セルロースゲル(以下、エポキ
シ化ゲルという)をえた。
実施例1 製造例1でえたエポキシ化ゲル10mlに、スルファニル酸
0.14gを7.5mlの水に溶解したものを加え、さらに2M Na
OHを加えて溶液のpHを10に調整したのち45℃で20時間放
置した。反応終了後、ゲルを濾別水洗してスルファニル
酸が固定されたセルロースゲルをえた。固定されたスル
ファニル酸により導入されたアニオン性官能基量は吸着
体1mlあたり10μmolであった。
実施例2 スルファニル酸のかわりに硫酸水素2-アミノエチル0.11
gを用いたほかは実施例1とまったく同様にして、硫酸
水素2-アミノエチルが固定されたセルロースゲルをえ
た。固定された硫酸水素2-アミノエチルにより導入され
たアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり10μmolであ
った。
実施例3 スルファニル酸のかわりにホスホリルエタノールアミン
0.11gを用いたほかは実施例1とまったく同様にして、
ホスホリルエタノールアミンが固定されたセルロースゲ
ルをえた。固定されたホスホリルエタノールアミンによ
り導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり10
μmolであった。
実施例4 スルファニル酸のかわりに1,2-エタンジチオール0.08g
を用いたほかは実施例1とまったく同様にして、1,2-エ
タンジチオールが固定されたセルロースゲルをえた。固
定された1,2-エタンジチオールにより導入されたアニオ
ン性官能基量は吸着体1mlあたり10μmolであった。
実施例5 製造例1でえたエポキシ化ゲル10mlに、分子量約5000、
イオウ含量18%のデキストラン硫酸ナトリウム5g、お
よび水8mlを加え、さらに2M NaOHを加えて溶液のpHを1
0に調整したのち45℃で17時間放置した。反応終了後ゲ
ルを濾別水洗し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて室温で20時間放置し、未反応のエポキシ基を封止
した。反応終了後ゲルを濾別水洗してデキストラン硫酸
ナトリウムが固定されたセルロースゲルをえた。固定さ
れたデキストラン硫酸により導入されたアニオン性官能
基量は、吸着体1mlあたり29μmolであった。
製造例2 製造例1でえたエポキシ化ゲル40mlに、エチレンジアミ
ン0.5gを30mlの水に溶解したものを加え45℃で20時間
放置した。反応終了後ゲルを濾別水洗してアミノ基が導
入されたセルロースゲル(以下、アミノ化ゲルという)
をえた。
実施例6 製造例2でえたアミノ化ゲル10mlに、水10mlとそれに続
いてグルコース6-リン酸バリウム塩1gを加え、さらに
2M NaOH 0.5mlを加えて1時間45℃に保った。これにNaB
H4 0.1gを加え室温で24時間放置した。反応終了後ゲル
を濾別水洗してグルコース6-リン酸が固定されたセルロ
ースをえた。固定されたグルコース6-リン酸により導入
されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり10μmol
であった。
実施例7 製造例2でえたアミノ化ゲル10mlをN,N-ジメチルホルム
アミド(DMF)中に懸濁させ全容を18mlとした。それにテ
レフタル酸0.27gを溶解させたのち、縮合試薬(N,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド)1gを加え室温で
24時間撹拌した。反応終了後ゲルを濾別し、DMF、エタ
ノール、水の順に洗浄してテレフタル酸が固定されたセ
ルロールゲルをえた。固定されたテレフタル酸により導
入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり10μmo
lであった。
実施例8 製造例2でえたアミノ化ゲル10mlに、実施例5で用いた
ものと同種のデキストラン硫酸ナトリウム5gおよび水
8mlを加え、さらに2M NaOH 0.5mlを加えて1時間45℃
に保った。これにNaBH4 0.1gを加え室温で24時間放置し
た。反応終了後ゲルを濾別水洗してデキストラン硫酸ナ
トリウムが固定されたセルロールゲルをえた。固定され
たデキストラン硫酸により導入されたアニオン性官能基
量は吸着体1mlあたり39μmolであった。
製造例3 製造例1で用いたものと同種の多孔質セルロースゲル
(CKゲルA3)40mlをヘプタン中に懸濁させ全容を70mlと
した。これに20%NaOH 10mlおよびノニオン系界面活性
剤トゥイーン20(商品名、バイオラッド社製)40滴を加
え40℃で30分間振盪した。続いてエピクロロヒドリン10
mlを加え40℃で6時間振盪した。反応終了後ゲルを濾別
し、エタノール、水の順で洗浄してエポキシ化ゲルをえ
た。
実施例9 製造例1でえたエポキシ化ゲルのかわりに製造例3でえ
たエポキシ化ゲル10mlを用いたほかは実施例5とまった
く同様にして、デキストラン硫酸ナトリウムが固定され
たセルロールゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸
により導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあ
たり36μmolであった。
実施例10 製造例3でえたエポキシ化ゲル10mlに、片末端にアミノ
基を有するポリアクリル酸(分子量約1000)1gを水5
mlに溶解したものを加え、これに2M NaOH 1mlを加えて
室温で48時間放置した。反応終了後ゲルを濾別水洗して
ポリアクリル酸が固定されたセルロールゲルをえた。固
定されたポリアクリル酸により導入されたアニオン性官
能基量は吸着体1mlあたり560μmolであった。片末端に
アミノ基を有するポリアクリル酸は、2-アミノエタンチ
オールを連鎖移動剤とし、α,α′−アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)を開始剤とするアクリル酸の低重合反
応によりえられたものを用いた(日本化学会誌、1977、
No.1、88〜92頁、「2-ヒドロキシエチル=メタクリラ
ート−スチレン系ABA型ブロック共重合体の合成および
その構造とぬれ」、岡野光夫、他参照)。
実施例11 片末端にアミノ基を有するポリアクリル酸(分子量約10
00)のかわりに片末端にアミノ基を有するポリアクリル
酸(分子量約1万)1gを用いたほかは実施例10とまっ
たく同様にして、ポリアクリル酸が固定されたセルロー
ルゲルをえた。固定されたポリアクリル酸により導入さ
れたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり5.6m molで
あった。片末端にアミノ基を有するポリアクリル酸は実
施例10に記載した方法と類似の方法にしたがって合成し
た。
製造例4 製造例3でえたエポキシ化ゲル10mlに、エチレンジアミ
ン0.12gを水6mlに溶解したものを加えたほかは製造例
2とまったく同様にして、アミノ化ゲルをえた。
実施例12 製造例2でえたアミノ化ゲルのかわりに製造例4でえた
アミノ化ゲル10mlを用いたほかは実施例8とまったく同
様にして、、デキストラン硫酸ナトリウムが固定された
セルロールゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸に
より導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあた
り76μmolであった。
製造例5 多孔質セルロールゲルであるCKゲルA22(商品名、チッ
ソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量3000万、粒径53
〜125μm25mlに水10mlおよび2M NaOH 30mlを加え、40
℃で20分間振盪した。これにエピクロロヒドリン12mlを
加え40℃で3時間振盪した。反応終了後ゲルを濾別水洗
してエポキシ化ゲルをえた。
製造例6 多孔質セルロールゲルであるCKゲルA32(商品名、チッ
ソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量2000万、粒径53
〜125μm)25mlに、水15ml、2M NaOH 21mlおよびエピ
クロロヒドリン、7.1mlを用いたほかは製造例5と同様
にしてエポキシ化ゲルをえた。
製造例7 多孔質セルロールゲルであるセルロファインGCL-2000m
(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量
300万、粒径44〜105μm)25ml、水25ml、2M NaOH 15ml
およびエピクロロヒドリン5mlを用いたほかは製造例5
と同様にしてエポキシ化ゲルをえた。
製造例8 多孔質セルロールゲルであるセルロファインGCL-1000m
(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量
60万、粒径44〜105μm)25ml、水25ml、2M NaOH 11.75
mlおよびエピクロロヒドリン4mlを用いたほかは製造例
5と同様にしてエポキシ化ゲルをえた。
製造例9 多孔質セルロールゲルであるセルロファインGC-700m
(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量
40万、粒径44〜105μm)25ml、水25ml、2M NaOH 8.75m
lおよびエピクロロヒドリン3mlを用いたほかは製造例
5と同様にしてエポキシ化ゲルをえた。
製造例10 多孔質セルロールゲルであるセルロファインGC-200m
(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量
12万、粒径44〜105μm)25ml、水25ml、2M NaOH 7mlお
よびエピクロロヒドリン2.5mlを用いたほかは製造例5
と同様にしてエポキシ化ゲルをえた。
実施例13 製造例5でえたエポキシ化ゲル(CKゲルA22)20mlに、
実施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリ
ウム10gおよび水を加え全容を33mlとした。2M NaOを加
えて溶液のpHを10.0に調整したのち45℃で17時間放置し
た。反応終了後ゲルを濾別水洗し、0.5%モノエタノー
ルアミン水溶液を加えて室温で20時間放置し、未反応の
エポキシ基を封止した。反応終了後ゲルを濾別水洗して
デキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセルロールゲ
ルをえた。固定されたデキストラン硫酸により導入され
たアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり31μmolであ
った。
実施例14 製造例6でえたエポキシ化ゲル(CKゲルA32)20mlに、
実施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリ
ウム10gおよび水を加え全容を36mlとしたこと、および
溶液のpHを9.9に調整したことのほかは実施例13と同様
にして、デキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセル
ロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあたり27
μmolであった。
実施例15 製造例7でえたエポキシ化ゲル(GCL-2000m)20mlに、
実施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリ
ウム9.3gおよび水を加え全容を35mlとしたこと、およ
び溶液のpHを9.3に調整したことのほかは実施例13と同
様にして、デキストラン硫酸ナトリウムが定されたセル
ロールゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあたり30
μmolであった。
実施例16 製造例8でえたエポキシ化ゲル(GCL-1000m)20mlに、
実施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリ
ウム9.3gおよび水を加え全容を35mlとしたこと、およ
び溶液のpHを9.3に調整したことのほかは実施例13と同
様にして、デキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセ
ルロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸によ
り導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあたり
30μmolであった。
実施例17 製造例9でえたエポキシ化ゲル(GC-700m)20mlに、実
施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリウ
ム9.0gおよび水を加え全容を36mlとしたこと、および
溶液のpHを9.3に調整したことのほかは実施例13と同様
にして、デキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセル
ロールゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあたり30
μmolであった。
実施例18 製造例10でえたエポキシ化ゲル(GC-200m)20mlに、実
施例5で用いたものと同種のデキストラン硫酸ナトリウ
ム9.0gおよび水を加え全容を36mlとしたこと、および
溶液のpHを9.2に調整したことのほかは実施例13と同様
にして、デキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセル
ロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は、吸着体1mlあたり32
μmolであった。
実施例19 実施例1〜12でえられた吸着体を0.5Mリン酸緩衝液(pH
7.4)で洗浄したのち、各吸着体0.1mlずつをポリプロピ
レン製マイクロチューブ(容量1.5ml)に取り、0.5Mリ
ン酸緩衝液(pH7.4)を加えて全容を1mlとした。それ
に抗脂質抗体を含む血清0.2mlずつを加え、37℃で2時
間振盪した。この吸着操作終了後、遠心分離してゲルを
沈降させ、採取した上澄中の抗脂質抗体価を酵素免疫抗
体法(ELISA法)により測定した。抗脂質抗体価は、カ
ルジオリピンをコートしたプレートに、希釈した検体を
加え、抗原−抗体反応を行い、ペルオキシダーゼ標識抗
ヒト免疫グロブリン抗体を加え、酵素発色反応をCS-930
(商品名、(株)島津製作所製)にて測定した。第1表
に、各吸着体に固定されたアニオン性官能基を有する化
合物名、および各吸着体の原血清中の抗脂質抗体価に対
する吸着操作終了後の上澄中の抗脂質抗体価を百分率で
相対抗体価として示す。
第1表からデキストラン硫酸またはポリアクリル酸が固
定された吸着体の抗脂質抗体吸着能がとくにすぐれてい
ることがわかる。
実施例20 実施例5および13〜18でえられた吸着体を用い、加えた
血清量を0.15mlとしたほかは実施例19と同様の方法にし
たがって相対抗体価を求めた。えられた結果を用いた種
々の水不溶性多孔質体名とともに第2表に示す。
第2表から、排除限界分子量が40万以下の多孔質体であ
るセルファインGC-700mおよびセルファインGC-200mを用
いた吸着体の抗脂質抗体吸着能がややおとることがわか
る。また逆に、排除限界分子量を5000万と大きくしすぎ
ても抗脂質抗体吸着能はおちる傾向にあることがわか
る。
[発明の効果] 本発明の吸着体およびそれを用いる除去装置は体液より
抗脂質抗体を選択的に除去する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係
を調べた結果を示すグラフであり、第2図は本発明の抗
脂質抗体の除去装置の一実施例の概略断面図である。 (図面の主要符号) (1):流入口 (2):流出口 (3):吸着体 (4)、(5):フィルター (7):容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 S 8310−2J 33/543 Z 9217−2J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水不溶性多孔質体にアニオン性官能基を有
    する化合物が固定されてなる抗脂質抗体の吸着体。
  2. 【請求項2】アニオン性官能基が硫酸エステル基、スル
    ホン酸基、カルボキシル基、チオール基およびリン酸エ
    ステル基からなる群より選ばれた少なくとも1種類より
    なるものである特許請求の範囲第1項記載の抗脂質抗体
    の吸着体。
  3. 【請求項3】アニオン性官能基を有する化合物が、1分
    子内に複数のアニオン性官能基を有するポリアニオン化
    合物である特許請求の範囲第1項記載の抗脂質抗体の吸
    着体。
  4. 【請求項4】水不溶性多孔質体が水酸基を有する化合物
    よりなる特許請求の範囲第1項記載の抗脂質抗体の吸着
    体。
  5. 【請求項5】流体の流入口および流出口を有する容器、
    流体および該流体に含まれる成分は通過できるが、水不
    溶性多孔質体にアニオン性官能基を有する化合物が固定
    されてなる抗脂質抗体の吸着体は通過できないフィルタ
    ー、および前記容器内に充填された前記抗脂質抗体の吸
    着体からなる抗脂質抗体の除去装置。
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