JPH0623905A - 可溶接複合制振金属板の製造方法 - Google Patents
可溶接複合制振金属板の製造方法Info
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- JPH0623905A JPH0623905A JP4180968A JP18096892A JPH0623905A JP H0623905 A JPH0623905 A JP H0623905A JP 4180968 A JP4180968 A JP 4180968A JP 18096892 A JP18096892 A JP 18096892A JP H0623905 A JPH0623905 A JP H0623905A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属フイラを含有する樹脂層を片面に形成し
た金属板と、樹脂のみからなる樹脂層を片面に形成した
金属板とを、その双方の樹脂層同士を圧着させて可溶接
制振金属板を製造するについて、金属フイラの粒径と樹
脂層厚さを、溶接性および接着性が併せて高められ関係
に特定する。 【構成】 一方の金属板には、圧着後の偏平度γ(圧着
前のフィラ径/圧着後の層樹脂厚さ)が 1.2〜2.5 とな
る平均粒径を有する金属フィラを含有させた樹脂層を形
成すると共に、他方の金属板には、その厚さT(μm)を
0.5≦T≦4γの範囲内とした樹脂層を形成し、双方の
樹脂層同士を圧着させる。
た金属板と、樹脂のみからなる樹脂層を片面に形成した
金属板とを、その双方の樹脂層同士を圧着させて可溶接
制振金属板を製造するについて、金属フイラの粒径と樹
脂層厚さを、溶接性および接着性が併せて高められ関係
に特定する。 【構成】 一方の金属板には、圧着後の偏平度γ(圧着
前のフィラ径/圧着後の層樹脂厚さ)が 1.2〜2.5 とな
る平均粒径を有する金属フィラを含有させた樹脂層を形
成すると共に、他方の金属板には、その厚さT(μm)を
0.5≦T≦4γの範囲内とした樹脂層を形成し、双方の
樹脂層同士を圧着させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合制振金属板に関わ
り、スポット溶接に代表される抵抗溶接性能に優れてな
お、プレス成形性を左右する接着強度に特に優れた可溶
接複合制振金属板に関するものである。
り、スポット溶接に代表される抵抗溶接性能に優れてな
お、プレス成形性を左右する接着強度に特に優れた可溶
接複合制振金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中間の樹脂層に金属粒子等からなる導電
性フィラを分散混入することで導電性を付与した可溶接
複合制振金属板は、振動減衰特性に優れてなおスポット
溶接等の抵抗溶接が可能であることから、近年では防音
・遮音性を求められる電気製品、自動車および建築物等
の部材として広く用いられるようになってきた。一方、
その用途拡大に伴い、溶接性、プレス成形性、制振性等
の各特性についての要求もより厳しくなり、それら要請
に対応するため、その製造方法に関しても各方面から継
続的な検討が加えられ、種々の改良技術も開発されてい
る。
性フィラを分散混入することで導電性を付与した可溶接
複合制振金属板は、振動減衰特性に優れてなおスポット
溶接等の抵抗溶接が可能であることから、近年では防音
・遮音性を求められる電気製品、自動車および建築物等
の部材として広く用いられるようになってきた。一方、
その用途拡大に伴い、溶接性、プレス成形性、制振性等
の各特性についての要求もより厳しくなり、それら要請
に対応するため、その製造方法に関しても各方面から継
続的な検討が加えられ、種々の改良技術も開発されてい
る。
【0003】ところで、2枚の金属板の間に導電性フィ
ラを混入した樹脂層を介在させてなる可溶接複合制振金
属板の製造方法としては、一方の金属板の接着側面のみ
に樹脂層を形成し、これを樹脂層を有さない相手方の金
属板を圧着させて一体化させる方法と、双方の金属板の
接着側面に樹脂層を形成し、それらの樹脂層同士を圧着
させて一体化させる方法とに大きく類別されるが、それ
ぞれの方法おいて上記要請に対応するための改良技術が
提案されている。
ラを混入した樹脂層を介在させてなる可溶接複合制振金
属板の製造方法としては、一方の金属板の接着側面のみ
に樹脂層を形成し、これを樹脂層を有さない相手方の金
属板を圧着させて一体化させる方法と、双方の金属板の
接着側面に樹脂層を形成し、それらの樹脂層同士を圧着
させて一体化させる方法とに大きく類別されるが、それ
ぞれの方法おいて上記要請に対応するための改良技術が
提案されている。
【0004】例えば前者に類別される方法において、本
発明者らは、2枚の薄鋼板の間に金属粒子を分散混入し
た樹脂を挟み込んでラミネートするに際し、ラミネート
前の金属粒子平均径dとラミネート後の樹脂膜厚さtと
の比を 1.2≦d/t≦2.5 の範囲内にすると共に、ラミ
ネート後の金属粒子の偏平率と、同金属粒子の表皮鋼板
への噛み込み量と樹脂膜厚さの比とを特定することによ
り、すなわち、樹脂に混入する金属粒子の径をラミネー
ト後の樹脂層の厚さより大きくすることにより、これら
金属粒子が表皮鋼板に噛み込んだ状態で存在させて、そ
の溶接性ならびに接着強度を高める可溶接複合制振金属
板の製造方法(特開平2-227247号公報)を提案してい
る。
発明者らは、2枚の薄鋼板の間に金属粒子を分散混入し
た樹脂を挟み込んでラミネートするに際し、ラミネート
前の金属粒子平均径dとラミネート後の樹脂膜厚さtと
の比を 1.2≦d/t≦2.5 の範囲内にすると共に、ラミ
ネート後の金属粒子の偏平率と、同金属粒子の表皮鋼板
への噛み込み量と樹脂膜厚さの比とを特定することによ
り、すなわち、樹脂に混入する金属粒子の径をラミネー
ト後の樹脂層の厚さより大きくすることにより、これら
金属粒子が表皮鋼板に噛み込んだ状態で存在させて、そ
の溶接性ならびに接着強度を高める可溶接複合制振金属
板の製造方法(特開平2-227247号公報)を提案してい
る。
【0005】しかし、広く知られているように、中間の
樹脂層に導電性を付与するために、金属粒子等からなる
導電性フィラを分散混入させた場合、一方の金属板のみ
に樹脂層を形成して圧着する上記前者の方法が、溶接性
の面では有利であるものの、その接着性に関しては、双
方の金属板に樹脂層を形成して樹脂層同士を圧着させる
上記後者の方法よりも劣るものとなることは避けられな
い。従って、より高いプレス成形性、すなわちより高い
接着強度が要請された場合には、上記後者の方法を採用
する方が有利であり、このような観点から溶接性および
接着性を高めるいくつかの改良技術が提案されている。
樹脂層に導電性を付与するために、金属粒子等からなる
導電性フィラを分散混入させた場合、一方の金属板のみ
に樹脂層を形成して圧着する上記前者の方法が、溶接性
の面では有利であるものの、その接着性に関しては、双
方の金属板に樹脂層を形成して樹脂層同士を圧着させる
上記後者の方法よりも劣るものとなることは避けられな
い。従って、より高いプレス成形性、すなわちより高い
接着強度が要請された場合には、上記後者の方法を採用
する方が有利であり、このような観点から溶接性および
接着性を高めるいくつかの改良技術が提案されている。
【0006】例えば、特開平2-251432号公報では、導電
性フィラを含有する液状樹脂を片面に塗布した2枚の鋼
板を、その双方の樹脂層同士を圧着させて、中間の樹脂
層に導電性を付与した可溶接複合制振鋼板に一体化する
に際し、塗布した樹脂層の乾燥後の合計厚さが、フィラ
粒径に対して0.8 〜1 の比となるように、液状樹脂をそ
れぞれの鋼板に塗布して圧着させることにより、その溶
接性および接着性を高めることが提案されている。
性フィラを含有する液状樹脂を片面に塗布した2枚の鋼
板を、その双方の樹脂層同士を圧着させて、中間の樹脂
層に導電性を付与した可溶接複合制振鋼板に一体化する
に際し、塗布した樹脂層の乾燥後の合計厚さが、フィラ
粒径に対して0.8 〜1 の比となるように、液状樹脂をそ
れぞれの鋼板に塗布して圧着させることにより、その溶
接性および接着性を高めることが提案されている。
【0007】また、特開平2-251448号公報では、金属フ
ィラを混入した樹脂層を片面に形成した鋼板と、樹脂の
みからなる樹脂層を片面に形成した相手方の鋼板とを、
双方の樹脂層同士を圧着させて、中間の樹脂層に導電性
を付与した可溶接複合制振鋼板に一体化させるに際し、
圧着前のフィラ高さZと、金属フィラ入り樹脂層の厚み
Xと、相手方の樹脂層の厚みYと、圧着圧力・温度にお
ける樹脂針入度(各単位はμm )とを、(Z−X)/2
<Y<Tの関係となる条件下で圧着することにより、そ
の溶接性および接着性を高めることが提案されている。
ィラを混入した樹脂層を片面に形成した鋼板と、樹脂の
みからなる樹脂層を片面に形成した相手方の鋼板とを、
双方の樹脂層同士を圧着させて、中間の樹脂層に導電性
を付与した可溶接複合制振鋼板に一体化させるに際し、
圧着前のフィラ高さZと、金属フィラ入り樹脂層の厚み
Xと、相手方の樹脂層の厚みYと、圧着圧力・温度にお
ける樹脂針入度(各単位はμm )とを、(Z−X)/2
<Y<Tの関係となる条件下で圧着することにより、そ
の溶接性および接着性を高めることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、高い圧着強度の可溶接複合制振金属
板が得られるものの、その溶接性の面において次のよう
な問題点がある。すなわち、上記従来の前者の製造方法
(特開平2-251432号)では、2枚の鋼板の樹脂層同士を
圧着させるに際し、塗布した樹脂層の乾燥後の合計厚さ
が、フィラ粒径に対して0.8 〜1 の比となるように樹脂
を塗布する一方、圧着後の総樹脂層とフィラ粒径との比
が1:1になるようにフィラを変形させて加熱圧着する
ものとされているが、この場合の金属フィラの偏平度
(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)は 1.0〜
1.25と比較的に低い値であり、例えば、2枚の鋼板の樹
脂厚さの合計をフィラ粒径と同じにすると、圧着による
金属フィラの変形は殆ど求められず、圧着後の金属フィ
ラの表皮金属板への噛み込み量が小さくて両者の界面に
樹脂が巻き込まれたままで残留し、その溶接性を不安定
にし易いという問題点がある。また、2枚の鋼板の樹脂
厚さの合計値の範囲は特定されているものの、それぞれ
に塗布する樹脂層の厚さについては一切言及されていな
いため、その実施に際して、接着性を高めるために必要
な樹脂の最低塗布厚さが設定できないという不具合もあ
る。
来の製造方法では、高い圧着強度の可溶接複合制振金属
板が得られるものの、その溶接性の面において次のよう
な問題点がある。すなわち、上記従来の前者の製造方法
(特開平2-251432号)では、2枚の鋼板の樹脂層同士を
圧着させるに際し、塗布した樹脂層の乾燥後の合計厚さ
が、フィラ粒径に対して0.8 〜1 の比となるように樹脂
を塗布する一方、圧着後の総樹脂層とフィラ粒径との比
が1:1になるようにフィラを変形させて加熱圧着する
ものとされているが、この場合の金属フィラの偏平度
(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)は 1.0〜
1.25と比較的に低い値であり、例えば、2枚の鋼板の樹
脂厚さの合計をフィラ粒径と同じにすると、圧着による
金属フィラの変形は殆ど求められず、圧着後の金属フィ
ラの表皮金属板への噛み込み量が小さくて両者の界面に
樹脂が巻き込まれたままで残留し、その溶接性を不安定
にし易いという問題点がある。また、2枚の鋼板の樹脂
厚さの合計値の範囲は特定されているものの、それぞれ
に塗布する樹脂層の厚さについては一切言及されていな
いため、その実施に際して、接着性を高めるために必要
な樹脂の最低塗布厚さが設定できないという不具合もあ
る。
【0009】また、上記従来の後者の製造方法(特開平
2-251448号)では、圧着時における樹脂針入度と樹脂厚
さとフィラ高さとの関係を特定しているが、これらを特
定する関係式においては、金属フィラの偏平度(圧着前
のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)を相当小さく(約
1.0程度)設定しない限り、金属フィラを含有していな
い相手方の樹脂層の厚みYの下限値が大きくなるため、
例えば、圧着に際する金属フィラの偏平度を 1.2以上と
大きくすることで、金属フィラと表皮鋼板との界面の樹
脂を確実に排除して両者の接触を高め、より優れた溶接
性の得んとする場合には適用できないという問題点を内
在している。
2-251448号)では、圧着時における樹脂針入度と樹脂厚
さとフィラ高さとの関係を特定しているが、これらを特
定する関係式においては、金属フィラの偏平度(圧着前
のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)を相当小さく(約
1.0程度)設定しない限り、金属フィラを含有していな
い相手方の樹脂層の厚みYの下限値が大きくなるため、
例えば、圧着に際する金属フィラの偏平度を 1.2以上と
大きくすることで、金属フィラと表皮鋼板との界面の樹
脂を確実に排除して両者の接触を高め、より優れた溶接
性の得んとする場合には適用できないという問題点を内
在している。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、2枚の金属板に形成せしめた
樹脂層同士を圧着させることで高い接着性が得られてな
お、圧着後の金属フィラと金属板との界面に樹脂の存在
が少なくて溶接性に優れる可溶接複合制振金属板の製造
方法を提供することを目的する。
るためになされたもので、2枚の金属板に形成せしめた
樹脂層同士を圧着させることで高い接着性が得られてな
お、圧着後の金属フィラと金属板との界面に樹脂の存在
が少なくて溶接性に優れる可溶接複合制振金属板の製造
方法を提供することを目的する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る可溶接複合制振金属板の製造方法は、片面に
樹脂層を形成した2枚の金属板を、双方の樹脂層同士を
圧着せしめて一体化させるに際し、一方の樹脂層には圧
着後の偏平度γ(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層
厚さ)が 1.2〜2.5 となる平均粒径を有する金属フィラ
を均等に分散させて含有せしめると共に、他方の樹脂層
は下記式を満足する範囲内の厚さTに形成せしめて圧着
してなることを特徴とするものである。 0.5≦T≦4γ 但し、Tは樹脂のみからなる樹脂層の厚さ(μm )、γ
は金属フィラの偏平度(圧着前のフィラ径/圧着後の総
樹脂層厚さ)
達成するために以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る可溶接複合制振金属板の製造方法は、片面に
樹脂層を形成した2枚の金属板を、双方の樹脂層同士を
圧着せしめて一体化させるに際し、一方の樹脂層には圧
着後の偏平度γ(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層
厚さ)が 1.2〜2.5 となる平均粒径を有する金属フィラ
を均等に分散させて含有せしめると共に、他方の樹脂層
は下記式を満足する範囲内の厚さTに形成せしめて圧着
してなることを特徴とするものである。 0.5≦T≦4γ 但し、Tは樹脂のみからなる樹脂層の厚さ(μm )、γ
は金属フィラの偏平度(圧着前のフィラ径/圧着後の総
樹脂層厚さ)
【0012】
【作用】金属フィラを含有する樹脂層を形成した金属板
と、樹脂のみからなる樹脂層を形成した相手方の金属板
とを、双方の樹脂層同士を圧着させて一体化させる場
合、その接着界面が樹脂−樹脂となることより接着強度
が安定して高まるが、その際に相手方の金属板に形成し
た樹脂層の厚さが溶接性に大きく影響する。すなわち相
手方の金属板の樹脂のみからなる樹脂層の厚さが厚いほ
ど、その樹脂が圧着後の金属フィラと表皮金属板との界
面に巻き込まれて残留し易くなり、この界面に残存した
樹脂が導電を妨げて溶接性を低下させる。
と、樹脂のみからなる樹脂層を形成した相手方の金属板
とを、双方の樹脂層同士を圧着させて一体化させる場
合、その接着界面が樹脂−樹脂となることより接着強度
が安定して高まるが、その際に相手方の金属板に形成し
た樹脂層の厚さが溶接性に大きく影響する。すなわち相
手方の金属板の樹脂のみからなる樹脂層の厚さが厚いほ
ど、その樹脂が圧着後の金属フィラと表皮金属板との界
面に巻き込まれて残留し易くなり、この界面に残存した
樹脂が導電を妨げて溶接性を低下させる。
【0013】そこで本発明者らは、樹脂のみからなる樹
脂層の厚さに着目し、その厚さについて種々の検討を加
えた結果、その樹脂層の厚さを、金属フィラの偏平度
(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)との関係
のもとで、ある範囲内の厚さとするとき、溶接性と接着
性とを共に高めることができるとの知見を得た。
脂層の厚さに着目し、その厚さについて種々の検討を加
えた結果、その樹脂層の厚さを、金属フィラの偏平度
(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)との関係
のもとで、ある範囲内の厚さとするとき、溶接性と接着
性とを共に高めることができるとの知見を得た。
【0014】すなわち、接着強度を高めるために、相手
方の金属板に形成する樹脂のみからなる樹脂層の厚さ
は、フィラ偏平度等に関係なく 0.5μm 以上の厚さであ
れば充分に目的を達成でき、一方、この樹脂層の厚さが
厚いと溶接性に悪影響を及ぼすことは前述のとおりであ
るが、その影響の度合いはフィラ偏平度によって異な
り、フィラ偏平度をある範囲内で大きくすることによっ
て、この樹脂層の厚さが偏平度の4倍の値まで増大して
も、金属フィラと表皮金属板との界面に介在する樹脂を
排除して導電性を確保できて、溶接性を低下させること
がないことを見出し、それらの検討結果から把握した条
件に基づいて本発明を完成させたのである。
方の金属板に形成する樹脂のみからなる樹脂層の厚さ
は、フィラ偏平度等に関係なく 0.5μm 以上の厚さであ
れば充分に目的を達成でき、一方、この樹脂層の厚さが
厚いと溶接性に悪影響を及ぼすことは前述のとおりであ
るが、その影響の度合いはフィラ偏平度によって異な
り、フィラ偏平度をある範囲内で大きくすることによっ
て、この樹脂層の厚さが偏平度の4倍の値まで増大して
も、金属フィラと表皮金属板との界面に介在する樹脂を
排除して導電性を確保できて、溶接性を低下させること
がないことを見出し、それらの検討結果から把握した条
件に基づいて本発明を完成させたのである。
【0015】本発明では、金属フィラを均等に分散・含
有させた樹脂層を片面に形成した金属板と、樹脂のみか
らなる樹脂層を片面に形成した金属板とを、その双方の
樹脂層同士を圧着させて一体化させるので、接着界面が
樹脂−樹脂となることより、その接着強度を安定して高
めることができる。また、一方の金属板の樹脂層には、
圧着後の偏平度γ(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂
層厚さ)が 1.2〜2.5 となる平均粒径を有する金属フィ
ラを含有させると共に、他方の金属板の樹脂のみからな
る樹脂層の厚さT(μm )は、接着強度を高めるに必要
な 0.5μm 以上であって、金属フィラの偏平度γの4倍
の値以下の範囲内の厚さとするので、金属フィラの偏平
度γを 1.2〜2.5 と高く設定することによって、金属フ
ィラと表皮金属板との界面に介在する樹脂を排除して導
電性を確保できてなお、接着強度を高く維持させること
ができ、これにより、溶接性および接着性が共に優れる
可溶接複合制振金属板を得ることができる。
有させた樹脂層を片面に形成した金属板と、樹脂のみか
らなる樹脂層を片面に形成した金属板とを、その双方の
樹脂層同士を圧着させて一体化させるので、接着界面が
樹脂−樹脂となることより、その接着強度を安定して高
めることができる。また、一方の金属板の樹脂層には、
圧着後の偏平度γ(圧着前のフィラ径/圧着後の総樹脂
層厚さ)が 1.2〜2.5 となる平均粒径を有する金属フィ
ラを含有させると共に、他方の金属板の樹脂のみからな
る樹脂層の厚さT(μm )は、接着強度を高めるに必要
な 0.5μm 以上であって、金属フィラの偏平度γの4倍
の値以下の範囲内の厚さとするので、金属フィラの偏平
度γを 1.2〜2.5 と高く設定することによって、金属フ
ィラと表皮金属板との界面に介在する樹脂を排除して導
電性を確保できてなお、接着強度を高く維持させること
ができ、これにより、溶接性および接着性が共に優れる
可溶接複合制振金属板を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明方法の実施例について説明す
る。
る。
【0017】亜鉛メッキを施した板厚 0.4mmのアルミキ
ルド鋼板を表皮の金属板として用い、一方の表皮鋼板に
は導電性フィラとしてのNi 粉(粒径63〜75μm )を分
散添加(0.35容量%)したポリエステル系樹脂を、相手
方の表皮鋼板には同種のポリエステル系樹脂のみを塗布
し、それぞれの片面に樹脂膜を形成した後、双方の樹脂
膜同士を圧着させて、72例の可溶接複合制振鋼板(以
下、制振鋼板と略称する)をサンプル材として試作し
た。各例の製造条件は次の通りである。
ルド鋼板を表皮の金属板として用い、一方の表皮鋼板に
は導電性フィラとしてのNi 粉(粒径63〜75μm )を分
散添加(0.35容量%)したポリエステル系樹脂を、相手
方の表皮鋼板には同種のポリエステル系樹脂のみを塗布
し、それぞれの片面に樹脂膜を形成した後、双方の樹脂
膜同士を圧着させて、72例の可溶接複合制振鋼板(以
下、制振鋼板と略称する)をサンプル材として試作し
た。各例の製造条件は次の通りである。
【0018】自動バーコータによって樹脂塗工した双方
の表皮鋼板を、加熱した後、ロール圧下(線圧約 30kg/
cm)により圧着させ、それぞれ厚さ約 0.8mm(0.4mm/0.4
mm)、幅 200mm、長さ1000mmの制振鋼板とした。また、
塗工樹脂膜厚および圧着後のフィラ偏平度はそれぞれ
〔表1〕に示すとおりとした。なお、〔表1〕中の塗工
総樹脂膜厚とは、双方の表皮鋼板に塗布した樹脂膜の合
計膜厚値であって、圧着後の積層樹脂層厚さに略等しい
厚さである。
の表皮鋼板を、加熱した後、ロール圧下(線圧約 30kg/
cm)により圧着させ、それぞれ厚さ約 0.8mm(0.4mm/0.4
mm)、幅 200mm、長さ1000mmの制振鋼板とした。また、
塗工樹脂膜厚および圧着後のフィラ偏平度はそれぞれ
〔表1〕に示すとおりとした。なお、〔表1〕中の塗工
総樹脂膜厚とは、双方の表皮鋼板に塗布した樹脂膜の合
計膜厚値であって、圧着後の積層樹脂層厚さに略等しい
厚さである。
【0019】
【表1】
【0020】上記製造条件により試作した制振鋼板それ
ぞれから、各3個の試験片を採取してJISに準拠する
T剥離強度および剪断接着強度を測定し、N=3の平均
値にて各制振鋼板の接着強度を評価する一方、これら制
振鋼板から、幅 300mm、長さ100mmの形状に切断した100
0枚のサンプルを採取し、これらサンプルを用い、重ね
しろ30mmにてスポット溶接性の評価を行った。そのスポ
ット溶接は、電極加圧圧力 200kgf 、溶接電流 8kA、通
電時間12サイクルとする溶接条件下で行った。そして、
溶接後のスポット溶接試験片それぞれの表面状況を観察
して、鋼板表面の穴開き、焼け、未通電等の溶接不良発
生個数を集計し、全溶接試験枚数比にて各制振鋼板にお
ける溶接不良発生率を求めた。これら評価試験から得ら
れたデータを整理して〔図1〕〜〔図3〕のグラフに示
し、その結果について以下に説明する。
ぞれから、各3個の試験片を採取してJISに準拠する
T剥離強度および剪断接着強度を測定し、N=3の平均
値にて各制振鋼板の接着強度を評価する一方、これら制
振鋼板から、幅 300mm、長さ100mmの形状に切断した100
0枚のサンプルを採取し、これらサンプルを用い、重ね
しろ30mmにてスポット溶接性の評価を行った。そのスポ
ット溶接は、電極加圧圧力 200kgf 、溶接電流 8kA、通
電時間12サイクルとする溶接条件下で行った。そして、
溶接後のスポット溶接試験片それぞれの表面状況を観察
して、鋼板表面の穴開き、焼け、未通電等の溶接不良発
生個数を集計し、全溶接試験枚数比にて各制振鋼板にお
ける溶接不良発生率を求めた。これら評価試験から得ら
れたデータを整理して〔図1〕〜〔図3〕のグラフに示
し、その結果について以下に説明する。
【0021】まず、一方の表皮鋼板のフィラを含有する
樹脂膜厚さを種々に変化させると共に、相手方の表皮鋼
板のフィラを含有しない樹脂膜厚さTを変化させたとき
の制振鋼板の溶接性および接着性に及ぼす樹脂膜厚さT
の影響を〔図1〕のグラフに示す。なお、同図のグラフ
中の溶接不良率を表す曲線の左方の領域では、各例の実
績値がラップしたので、各実績値のプロットを省略して
太実線で表現した。
樹脂膜厚さを種々に変化させると共に、相手方の表皮鋼
板のフィラを含有しない樹脂膜厚さTを変化させたとき
の制振鋼板の溶接性および接着性に及ぼす樹脂膜厚さT
の影響を〔図1〕のグラフに示す。なお、同図のグラフ
中の溶接不良率を表す曲線の左方の領域では、各例の実
績値がラップしたので、各実績値のプロットを省略して
太実線で表現した。
【0022】〔図1〕のグラフに示すように、樹脂膜厚
さTが 0.5μm 以上あれば、接着強度はほぼ一定である
ことから、接着性を向上させるには、フィラを含有しな
い樹脂膜厚さTを 0.5μm 以上にすることが必要である
ことが判明した。一方、溶接不良率に及ぼす樹脂膜厚さ
Tの影響は、圧着後のフィラ偏平度γによって異なり、
フィラ偏平度γが大きいほど溶接性が劣化する樹脂膜厚
さTの値が増大する。これは、フィラ偏平度γを大きく
することは、添加したフィラに大きな圧下をかけること
であり、その大きな圧下によりフィラと表皮鋼板との界
面の樹脂が排除されるからであると推察される。
さTが 0.5μm 以上あれば、接着強度はほぼ一定である
ことから、接着性を向上させるには、フィラを含有しな
い樹脂膜厚さTを 0.5μm 以上にすることが必要である
ことが判明した。一方、溶接不良率に及ぼす樹脂膜厚さ
Tの影響は、圧着後のフィラ偏平度γによって異なり、
フィラ偏平度γが大きいほど溶接性が劣化する樹脂膜厚
さTの値が増大する。これは、フィラ偏平度γを大きく
することは、添加したフィラに大きな圧下をかけること
であり、その大きな圧下によりフィラと表皮鋼板との界
面の樹脂が排除されるからであると推察される。
【0023】次いで、樹脂膜厚さTを 0.5μm 以上とし
たときの制振鋼板の溶接性および接着性に及ぼすフィラ
偏平度γの影響を〔図2〕のグラフに示す。〔図2〕の
グラフに示すように、フィラ偏平度γを 1.2未満とした
領域では、溶接不良率が急激に増加し、一方、 2.5を超
える領域では、接着強度の低下傾向が激しくなる。これ
は、フィラ偏平度γを 1.2未満と小さくした場合には、
圧着後のフィラの表皮金属板への噛み込み量が小さくて
両者の界面に樹脂が巻き込まれたままで残留して、その
界面の樹脂が導電性を劣化させるからであり、一方、フ
ィラ偏平度γを 2.5を超えて大きくした場合は、樹脂−
表皮鋼板間の接着面積が大きく減少するため接着効果が
損なわれ始めると考えられる。従って、フィラ偏平度γ
は 1.2以上にすることが必要で、また、接着強度の面か
ら 2.5以下にすることが望ましい。
たときの制振鋼板の溶接性および接着性に及ぼすフィラ
偏平度γの影響を〔図2〕のグラフに示す。〔図2〕の
グラフに示すように、フィラ偏平度γを 1.2未満とした
領域では、溶接不良率が急激に増加し、一方、 2.5を超
える領域では、接着強度の低下傾向が激しくなる。これ
は、フィラ偏平度γを 1.2未満と小さくした場合には、
圧着後のフィラの表皮金属板への噛み込み量が小さくて
両者の界面に樹脂が巻き込まれたままで残留して、その
界面の樹脂が導電性を劣化させるからであり、一方、フ
ィラ偏平度γを 2.5を超えて大きくした場合は、樹脂−
表皮鋼板間の接着面積が大きく減少するため接着効果が
損なわれ始めると考えられる。従って、フィラ偏平度γ
は 1.2以上にすることが必要で、また、接着強度の面か
ら 2.5以下にすることが望ましい。
【0024】そして以上の結果から、相手方の表皮鋼板
のフィラを含有しない樹脂膜厚さTを 0.5μm 以上と
し、かつ、フィラ偏平度γを 1.2〜2.5 の範囲内とした
各例のデータについて更なる検討を加えたところ、溶接
不良発生率を零に維持できる樹脂膜厚さTとフィラ偏平
度γとの関係は、〔図3〕のグラフに示すように、一次
的な関係にあることを把握することができた。すなわ
ち、優れた溶接性を維持できる限界樹脂膜厚さT
max は、次式により定量化できる。「Tmax =4・γ」
のフィラを含有しない樹脂膜厚さTを 0.5μm 以上と
し、かつ、フィラ偏平度γを 1.2〜2.5 の範囲内とした
各例のデータについて更なる検討を加えたところ、溶接
不良発生率を零に維持できる樹脂膜厚さTとフィラ偏平
度γとの関係は、〔図3〕のグラフに示すように、一次
的な関係にあることを把握することができた。すなわ
ち、優れた溶接性を維持できる限界樹脂膜厚さT
max は、次式により定量化できる。「Tmax =4・γ」
【0025】以上に述べた本実施例により、溶接性と接
着性とが共に優れる制振鋼板を得るについては、一方の
表皮鋼板に圧着後の偏平度γが 1.2〜2.5 となるフィラ
を含有させた樹脂膜を形成すると共に、相手方の表皮鋼
板にはフィラを含まない樹脂膜を、その樹脂膜厚さT
(μm)が 0.5≦T≦4γの範囲内の厚さとなるように形
成して、双方の表皮鋼板の樹脂膜同士を圧着させること
により、その目的が達成できることが確認できた。
着性とが共に優れる制振鋼板を得るについては、一方の
表皮鋼板に圧着後の偏平度γが 1.2〜2.5 となるフィラ
を含有させた樹脂膜を形成すると共に、相手方の表皮鋼
板にはフィラを含まない樹脂膜を、その樹脂膜厚さT
(μm)が 0.5≦T≦4γの範囲内の厚さとなるように形
成して、双方の表皮鋼板の樹脂膜同士を圧着させること
により、その目的が達成できることが確認できた。
【0026】なお、以上に述べた実施例では、表皮金属
板としては亜鉛メッキ鋼板を、金属フィラとしてはNi
粉を用いて可溶接複合制振鋼板を製造したが、これは1
例であって、本発明方法はこれに限定されるものでな
く、例えばステンレス鋼板等の他の種類の表皮金属板を
用いたものでも同様の効果が得られ、また、中間樹脂層
にはポリエステル系樹脂以外の種類の粘弾性樹脂が用い
られて良く、かつそれに添加する金属フィラとしては、
高い導電性を有するものであれば、Ni 以外の種類の金
属粒子やファイバーであっても良いことは言うまでもな
い。
板としては亜鉛メッキ鋼板を、金属フィラとしてはNi
粉を用いて可溶接複合制振鋼板を製造したが、これは1
例であって、本発明方法はこれに限定されるものでな
く、例えばステンレス鋼板等の他の種類の表皮金属板を
用いたものでも同様の効果が得られ、また、中間樹脂層
にはポリエステル系樹脂以外の種類の粘弾性樹脂が用い
られて良く、かつそれに添加する金属フィラとしては、
高い導電性を有するものであれば、Ni 以外の種類の金
属粒子やファイバーであっても良いことは言うまでもな
い。
【0027】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
2枚の金属板に形成せしめた樹脂層同士を圧着させるこ
とで高い接着性が得られてなお、圧着後の金属フィラと
金属板との界面に樹脂の存在が少なくて溶接性に優れる
可溶接複合制振金属板を得ることができる。
2枚の金属板に形成せしめた樹脂層同士を圧着させるこ
とで高い接着性が得られてなお、圧着後の金属フィラと
金属板との界面に樹脂の存在が少なくて溶接性に優れる
可溶接複合制振金属板を得ることができる。
【図1】本発明の実施例の可溶接複合制振鋼板に関わる
フィラを含有しない樹脂膜厚さと溶接性および接着性と
の関係を示すグラフである。
フィラを含有しない樹脂膜厚さと溶接性および接着性と
の関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例の可溶接複合制振鋼板に関わる
フィラ偏平度γと溶接性および接着性との関係を示すグ
ラフである。
フィラ偏平度γと溶接性および接着性との関係を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の実施例の可溶接複合制振鋼板に関わる
フィラ偏平度γと限界樹脂膜厚さとの関係を示すグラフ
である。
フィラ偏平度γと限界樹脂膜厚さとの関係を示すグラフ
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 片面に樹脂層を形成した2枚の金属板
を、双方の樹脂層同士を圧着せしめて一体化させるに際
し、一方の樹脂層には圧着後の偏平度γ(圧着前のフィ
ラ径/圧着後の総樹脂層厚さ)が 1.2〜2.5 となる平均
粒径を有する金属フィラを均等に分散させて含有せしめ
ると共に、他方の樹脂層は下記式を満足する範囲内の厚
さTに形成せしめて圧着してなることを特徴とする可溶
接複合制振金属板の製造方法。 0.5≦T≦4γ 但し、Tは樹脂のみからなる樹脂層の厚さ(μm )、γ
は金属フィラの偏平度(圧着前のフィラ径/圧着後の総
樹脂層厚さ)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4180968A JPH0623905A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 可溶接複合制振金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4180968A JPH0623905A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 可溶接複合制振金属板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0623905A true JPH0623905A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16092432
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4180968A Withdrawn JPH0623905A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 可溶接複合制振金属板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0623905A (ja) |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP4180968A patent/JPH0623905A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |