JPH0624636B2 - 触媒担体及びその製造方法 - Google Patents

触媒担体及びその製造方法

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JPH0624636B2
JPH0624636B2 JP60185859A JP18585985A JPH0624636B2 JP H0624636 B2 JPH0624636 B2 JP H0624636B2 JP 60185859 A JP60185859 A JP 60185859A JP 18585985 A JP18585985 A JP 18585985A JP H0624636 B2 JPH0624636 B2 JP H0624636B2
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健三 福田
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Ibiden Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高い強度、大きな比表面積と細孔容積を有する
多孔炭化ケイ素質焼結体からなる触媒担体およびその製
造方法に関する。
〔従来技術〕
炭化ケイ素は高い硬度、優れた耐摩耗性、優れた耐酸化
性、優れた耐蝕性、良好な熱伝導率、低い熱膨張率、高
い耐熱衝撃性ならびに高温での高い強度等の化学的およ
び物理的に優れた特性を有し、メカニカルシールや軸受
け等の耐摩耗材料、高温炉用の耐火材、熱交換器、燃焼
管等の耐熱構造材料、酸およびアルカリ等の強い腐蝕性
を有する溶液のポンプ部品等の耐蝕性材料として広く使
用可能な材料である。
一方、これらの性質を有する炭化ケイ素と、その結晶が
形成する通気性を有するところの気孔、すなわち開放気
孔とからなる多孔質炭化ケイ素質焼結体は、前記炭化ケ
イ素の特徴を生かして、高温雰囲気、酸化性雰囲気およ
び/または腐蝕性雰囲気下における耐熱・耐蝕性物質分
離材料として利用可能であり、例えば内燃機関の排気ガ
ス、特にディーゼルエンジンの排気ガス等の高温気体中
に含まれる微粒子カーボン等の微粒子物質の除去のため
に使用されるフィルターとして利用しうることが考えら
れる。
さらに、この多孔質炭化ケイ素フィルター表面に、酸化
反応用触媒成分を担持せしめた場合には、可熱性のカー
ボン微粒子を燃焼せしめ、ガスに転化させることも可能
で、この場合、この多孔質炭化ケイ素フィルターは、耐
熱・耐蝕触媒としても機能することになる。
また最近、主として環境汚染防止の観点から、内燃機関
やガスタービン用ボイラーなどの工業用燃焼装置、ある
いは石油ストーブなどの民生用燃焼装置の分野におい
て、低NOx燃焼技術の研究開発が行なわれており、その
一つとして燃焼触媒を用いる触媒燃焼技術が注目を集め
ている。
この触媒燃焼技術の開発における最も重要な要素は、触
媒の開発であり、触媒の開発においては活性な酸化反応
用触媒物質の開発と並んで、活性成分を分散、担持する
ための担体の開発が極めて重要である。
燃焼触媒用担体においては、触媒表面で進行する燃焼反
応、すなわち、酸化反応を迅速に生起せしめるために表
面積が大きいことに加えて、発生する反応熱を有効に伝
達、除去できるような良好な熱伝導度を有することおよ
び触媒細孔内の物質移動を有効に行なわせるために、ガ
ス等の流体の通過抵抗が小さいこと、すなわち、細孔容
積が大きいこと、さらに、成型体相互のぶつかり合いに
よるアブレイジョン、すなわち磨滅に強いことおよび成
型体自身が十分の機械的強度を有すること、そして、こ
れらの特性が長期間の使用に対して安定していることな
ど、多くの要求を満足することが必要である。
このような要件は、燃焼触媒のみならず、一般に反応熱
の発生を伴なう化学反応用の触媒担体、あるいは、高温
で使用される触媒用の担体についても共通的にいえるこ
とである。
一方、多孔質炭化ケイ素質焼結体の製造方法としては、
(1)骨材となる炭化ケイ素粒子にガラス質フラックス、
あるいは粘土質などの結合材を加え成形した後、その成
形体を前記結合材が溶融する温度で焼き固めて製造する
方法、(2)粗大粒の炭化ケイ粗粒子と微細な炭化ケイ粗
粒子を混合し成形した後、2000℃以上の高温で焼成して
製造する方法、あるいは、(3)特開昭48−39515号の発明
で開示されている炭化ケイ素粉に炭素粉を加え、または
加えずに炭素質バインダーを加えると共に、この炭素粉
及び焼成時に生成されるハインダーからの遊離炭素と反
応する理論量のケイ素質粉を添加して形成し、しかる
後、この成形体の炭素粉中で1900〜2400℃に加熱して成
形体中の炭素分をケイ素化することを特徴とする均質多
孔性結晶炭化ケイ素体の製造方法等が従来知られてい
る。
しかしながら、上記(1)項のごとき結合材としてガラス
質フラックス、あるいは粘土を加え製造した多孔質体の
強度は、結合材が1000〜1400℃で溶融するため、多孔質
体はこの温度域、特にガラス化転移温度付近で変形し、
著しく強度が低下するだけでなく、耐薬品性、耐酸化性
が要求される分野における使用がかぎられるという欠点
がある。
一方、上記(2)項及び(3)項の方法で製造された多孔質体
の構造をモデル的に図示すれば、図面に示すごとき構造
のものであり、多孔質炭化ケイ素骨材1とその骨材を被
覆して、骨材同志を結合する炭化ケイ素質結合材あるい
は炭素質結合材2および間隙3とから構成される。
前記多孔質体の間隙3、すなわち開放気孔は殆んど成形
時に骨材粒子の配置によって決定され、多孔質体の細孔
容積は高々0.2ml/gである。
また、多孔質体中の細孔容積を大きくしようとすると、
骨材粒子となる粗大粒子を多く必要とし、その結果骨材
粒子の接触点が少なくなり、多孔質体の強度は著しく低
下し、しかも比表面積は0.5m2/g以下で著しく小さ
いものになる。
一方、強度の高い多孔質体とするためには骨材の粒度配
合を粗粒と中程度の粒子および/または微粒子と適度に
混合し形成することが必要であり、その結果、多孔質体
の細孔容積は高々0.1ml/gで著しく小さく,極端な
場合、一部の開放気孔が閉塞してしまう傾向がある。
このため、このような多孔質体を流体が通過する際の抵
抗は著しく高くなり、物質分離用フィルターや、触媒担
体等として利用する場合、著しく不利益となる。
したがって、触媒担体として好適な特性を有する炭化ケ
イ素質焼結体、すなわち、取扱いに容易な強度を有し、
しかも細孔容積が0.2m2/gより大きく、比表面積が
3m2/gよりも大きな多孔質炭化ケイ素質焼結体は存在
しないのが現状である。
〔発明の目的〕
そこで本発明者らは、前記従来の技術の欠点を解消し、
かつ改善して、耐熱触媒担体として必要な特性を有する
多孔質炭化ケイ素質焼結体からなる触媒担体を供給する
ことを目的として種々研究を重ねた結果、比表面積が大
きく、特定の不純物成分の少ない炭化ケイ素粉末を出発
原料とし、特定の雰囲気および温度範囲内で焼結するこ
とによって、比表面積および細孔容積の減少を抑え、し
かも高い強度を有する多孔質炭化ケイ素質焼結体を生成
させ、その多孔質炭化ケイ素質焼結体の表面に酸化物被
膜を形成させることにより、触媒担体として利用する場
合に必要な比表面積が大きくしかも活性な表面を有する
酸化物被覆多孔質炭化ケイ素質焼結体からなる触媒担体
を製造する方法を発明するに至った。本発明は上述のご
とき酸化物被覆多孔質炭化ケイ素質焼結体からなる触媒
担体及びその製造方法を提供することを目的としたもの
である。
〔発明の構成〕
すなわち、本発明の触媒担体は、主として炭化ケイ素よ
りなる結晶が三次元の網目構造をなし、開放気孔を有
し、細孔容積が0.2〜2.0ml/gの範囲にあり、比
表面積が3m2/g以上で、かつ平均圧縮強度が300kgf/
cm2以上の多孔質炭化ケイ素質焼結体の多孔質炭化ケイ
素質焼結体の表面に、シリカ膜または/およびアルミナ
膜の被覆を有しており、その比表面積が10m2/g以上で
あることを特徴とし、更に、その製造方法は、(1)比表
面積が3m2/g以上で、ホウ素,アルミニウムおよび鉄
の含有量の合計が元素に換算して0.3重量%以下であ
る炭化ケイ素粉末を所望の形状に成形する工程、(2)前
記(1)の工程により得られた成形体を耐熱性の容器に装
入して、1400℃〜2000℃の温度範囲内において、少なく
とも10分間COあるいはN2の少なくともいづれかのガス分
圧が100 Pa以上に維持された非酸化性雰囲気中で焼成す
る工程、(3)前記成形体を1600℃〜2000℃の最高温度で
焼成する工程の、および(4)生成する焼結体にシリカ膜
または/およびアルミナ膜を被覆する工程、シーケンス
から構成される。
〔実施例〕
以下本発明の詳細を説明するが、まず、本発明の触媒担
体のベース物質は、主として炭化ケイ素よりなる結晶が
三次元の網目構造をなし、開放気孔を有する多孔質炭化
ケイ素質焼結体であって、その細孔容積が0.2〜2.
0ml/gの範囲であることが必要である。
ここで、細孔容積は置換法により求めた値であり、その
理由は、前記多孔質体の細孔容積が0.2ml/gより小
さいと、細孔内での物質移動が阻害され、触媒担体とし
て利用する場合不利であり、また2.0ml/gより大き
いと、多孔質体炭化ケイ素質焼結体の強度が低下し、実
用上の取り扱いが困難となるためである。なかでも0.
3〜1.5ml/gの細孔容積であることが触媒担体とし
て良好な結果を期待することができる。
また、本発明の炭化ケイ素質焼結体の比表面積は、少な
くとも3m2/gであることが必要であり、その理由は比
表面積が3m2/gよりも小さいと、触媒担体等としては
実用に耐えないためである。なお、前記比表面積は窒素
吸着によるBET法によって求められる値である。
さらに本発明の炭化ケイ素質焼結体の平均圧縮強度は少
なくとも300kgf/cm2であることが必要である。その理
由は平均圧縮強度が300kgf/cm2よりも小さいと、実用
上の取り扱いが困難となるからであり、なかでも、前記
炭化ケイ素質焼結体の平均圧縮強度は500kgf/cm2以上
であることが、種々の形状を持った触媒担体として使用
する上でより有利である。
次に、本発明の被覆多孔質炭化ケイ素質焼結体からなる
触媒担体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法は下記(1)、(2)および(3)の各工程の
シーケンスからなるものである。
(1) 比表面積が3m2/g以上で、ホウ素,アルミニウ
ムおよび鉄の含有量の合計が元素に換算して0.3重量
%以下である炭化ケイ素粉末を所望の形状に成形する工
程。
(2) 上記(1)の工程により得られた成形体を耐熱性の容
器に装入して、1400℃〜2000℃の温度範囲内において、
少なくとも10分間COあるいはN2の少なくともいづれかの
ガス分圧が100 Pa以上に維持された非酸化性雰囲気中で
焼成する工程。
(3) 前記成形体1600℃〜2000℃の最高温度で焼成する
工程。
(4)生成する焼結体にシリカ膜または/およびアルミナ
膜を被覆する工程。
まず上記三工程によって細孔容積が0.2〜2.0ml/
g、比表面積が3m2/g以上、そして平均圧縮強度が30
0kgf/cm2以上である多孔質炭化ケイ素質焼結体からな
る触媒担体を製造することができる。
本発明によれば、前記出発原料は、少なくとも3m2/g
の比表面積を有する炭化ケイ素粉末であることが必要で
あり、この理由は比表面積が3m2/gより小さい出発原
料を用いた成形体は、焼結の後、比表面積を増加させる
ことが困難であり、少なくとも3m2/gの比表面積を有
する炭化ケイ素質焼結体を得ることが困難となるからで
ある。
また、出発原料として使用される炭化ケイ素は、α型、
β型および/または非晶質炭化ケイ素のいづれも使用す
ることができるが、なかでも大きな比表面積をもつ微粒
子を安価に、しかも容易に製造できるβ型炭化ケイ素を
より効果的に使用することができる。
また、本発明によれば、出発原料に含まれる炭化ケイ素
粉末 100重量%に対し、ホウ素,アルミニウムおよび鉄
の含有量の合計が元素に換算して0.3重量%以下であ
ることが必要である。
その理由は、前記ホウ素,アルミニウムおよび鉄の含有
量の合計が元素に換算して0.3重量%より多いと、炭
化ケイ素粉末中に含有されている遊離炭素と相互作用に
よって焼結時に焼成収縮し易く、細孔容積が減少し、本
発明の目的とする0.2ml/g以上の細孔容積を有する
炭化ケイ素質焼結体を得ることが困難になるからであ
る。
なお、上記炭化ケイ素粉末に5重量%以下の遊離炭素を
含有させるべく炭素質物質を添加することができる。
上記遊離炭素は結晶粉の粗大化を抑制する作用を有して
おり、出発原料中に存在させることにより、炭化ケイ素
結晶粒径を均一化し、比表面積の減少を抑制することが
できる上、比較的高強度の焼結体を得ることができる。
また、上記遊離炭素の含有量を5重量%以下とする理由
は、5重量%よりも多いと炭化ケイ素粉末粒子間に過剰
の炭素が存在することになり、粒と粒との結合を著しく
阻害するため、焼結体の強度が劣化するからである。
上記炭化物質としては、焼結開始時に炭素を存在させら
れるものであればよく、例えばフエノール樹脂、リグニ
ンスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、コンスター
チ、糖類、コールタールピッチ、アルギン酸塩のような
各種有機物質、あるいはカーボンブラック、アセチレン
ブラックのような熱分解炭素を有利に使用することがで
きる。
本発明においては、前記成形体中に占める炭化ケイ素質
は生成形態 100容量%に対し、10〜60容量%であること
が好ましく、その理由は成形体中の炭化ケイ素質が10容
量%よりも少ないと、前記炭化ケイ素質焼結体の強度が
低下するからであり、60容量%より大きいと、前記炭化
ケイ素質焼結体の細孔容積が0.2ml/g以下となるた
めであり、なかでも17〜55容量%であることがより好ま
しい結果を与える。
本発明によれば、前記出発原料を所望される形状に成形
する方法としては、セラミック業界において一般に使用
されている従来形式の成形法、例えばダイプレス成形、
射出成形、押出成形あるいは鋳込み成形等のいづれでも
適用可能であるが、量産性に富み、しかも生成形体の気
孔率を容易に、しかも任意に変えることのできるダイプ
レス成形、射出成形、押出成形をより有利に適用でき
る。
そして、前記成形体中に占める炭化ケイ素質を10〜60容
量%とすべく、成形圧力および成形助剤の添加量を任意
に選択することができる。
例えば、炭素ケイ素質の含まれる割合を小さくするに
は、成形圧を比較的小さくし、成形助剤の量を多くする
方法を適用することができる。
また、本発明によれば、前記成形形体は1400℃〜2000℃
の温度範囲内において少なくとも10分間雰囲気中のCOあ
るいはN2の少なくともいずれかのガス分圧が100 Pa以上
に維持された非酸化性雰囲気中で焼成されることが必要
であり、その理由は上記温度雰囲気内において少なくと
も10分間雰囲気中のCOあるいはN2の少なくともいづれか
のガス分圧を100 Pa以上とすることによって、ネックの
成長を促進させ、かつ炭化ケイ素の焼結時における焼成
収縮を効果的に抑制することができ、その結果、炭化ケ
イ素の結晶同志の接合強度が高くなり、高い強度を有す
る焼結体を得ることができ、しかも大きな細孔容積を得
ることができるからであり、なかでも少なくとも30分間
上記の雰囲気中で焼成されることがより好ましい。
また、本発明によれば、上記成形体を焼成雰囲気を制御
することのできる耐熱性容器内に装入し、焼成すること
が有利である。
このように耐熱性の容器内に装入して焼成雰囲気を制御
しつつ焼成することが有利である理由は隣接する炭化ケ
イ素の結晶同志の結合およびネックの成長を促進させる
ことができるからである。
前述のごとく、耐熱性の容器内に生成形体を装入して焼
成雰囲気を制御しつつ焼成することによって隣接する炭
化ケイ素結晶同志の結合およびネックの成長を促進させ
ることができる理由は、炭化ケイ素粒子間における炭化
ケイ素の蒸発−再凝縮および/または表面拡散による移
動を促進することができるためと考えられ、強度の高い
炭化ケイ素質焼結体を得ることができる。
上記耐熱性の容器としては、黒鉛や炭化ケイ素などの材
質のよびこれらと同等の機能を有するものを有利に使用
することができる。
また、上記生成形体を焼成雰囲気を制御することのでき
る耐熱性容器中に装入して焼成することにより、焼成時
における炭化ケイ素の揮散率を5重量%以下に制御する
ことが有利である。
更に、本発明によれば、上記の成形体を1600℃〜2000℃
の範囲の最高温度で焼成することが必要であり、その理
由は、焼成温度が1600℃よりも低いと粒子の成長が不十
分であり、高い強度を有する焼結体を得ることが困難で
あり、2000℃よりも高い温度になると、炭化ケイ素の粒
成長が非常に活発となり、粒子が粗大化するため、比表
面積が著しく減少し、しかも分解が盛んになり、発達し
た炭化ケイ素結晶が逆にやせ細ってしまい、その結果、
高い強度を持った焼結体を得ることが困難となるためで
あり、なかでも1700℃〜1950℃の間で焼成することが好
適である。
上記の方法によって製造された多孔質炭化ケイ素質焼結
体は、耐熱、耐蝕性にすぐれ、かつアルミナや窒化ケイ
素等の酸化物、窒化物系セラミックス多孔体に比べ2〜
4倍程度、ステンレス鋼S58Cとほぼ同程度の良好な熱伝
導率を有している。
これらの特性は、燃焼触媒など高温条件下で使用され、
かつ反応熱のすみやかな伝達及び除去を必要とする触媒
の担体として使用した場合に効果的である。
このようにして得られた炭化ケイ素質焼結体の表面をシ
リカあるいは/およびアルミナ等の活性酸化物の薄膜で
被覆することにより、触媒成分を担持分散させるに当っ
て好適な表面活性と、その焼結体の表面積よりもさらに
大きな表面積を付与することができる。
炭化ケイ素質焼結体の表面に酸化物被膜を形成する場
合、シリカ(SiO2)被膜単独の被覆のほか、シリカ被膜
上にさらにアルミナ(Al2O3)等の酸化物被膜を形成さ
せ、シリカ/アルミナ等の複合酸化物被膜を形成させる
方法が、活性表面と大表面積を得るには好適である。
この場合、シリカ被膜は基体である炭化ケイ素質焼結体
と化学的に強い結合を作るのできわめて安定性がよい。
このようにして形成されたシリカ被膜はそれ自身アルミ
ナ、チタニア(TiO2)ジルコニア(ZrO2)などの他の金
属酸化物に対して強い親和性をもつので、このシリカ被
膜上にさらにこれら別種の金属酸化物被膜を形成させる
ことができる。
このようにして製造された酸化物被膜の多孔質炭化ケイ
素質焼結体は、表面は触媒担体として好適なシリカ、ア
ルミナ、チタニアなどと同等の特性を有し、同時にバル
ク特性としては、耐熱、耐蝕、良熱伝導性の炭化ケイ素
の性質をもつことができ、上記触媒担体としてきわめて
有効な素材となる。
次に、本発明を、本発明の各実施例およびその比較例に
ついて説明すると、まず、本発明の実施例1の出発原料
として使用した炭化ケイ素粉末は、94.6重量%がβ型結
晶で残部が実質的に2H型結晶よりなり、0.29重量%の
遊離炭素、0.17重量%の酸素、0.03重量%の鉄、0.03重
量%のアルミニウムを主として含有し、ホウ素は検出さ
れなかった。
また、この原料粉末は0.28μmの平均粒径を有してお
り、その比表面積は18.7m2/gであった。
上記炭化ケイォ粉末 100重量%に対し、ポリビニルアル
コール5重量%、水 300重量%を配合し、ボールミルの
中で5時間混合した後乾燥した。
この乾燥混合物を適量採取して、顆粒化した後金属製押
し型を用いて50kg/cm2の圧力で成形した結果、この生
成形体のうち炭化ケイ素の占める割合は全体の42.9容量
%であった。
上記の生成形体を耐熱性の容器である黒鉛製ルツボに装
入し、タンマン型焼成炉を使用して1気圧の主としてア
ルゴンガス雰囲気中で焼成した。
昇温過程は 450℃/時間で1400℃まで昇温し、1400℃か
ら1600までの間を 150℃/時間で昇温し、CO濃度を100
Pa以下にした。
その後、最高温度1900℃まで 300℃/時間の割合で昇温
し、最高温度で4時間保持した。
なお、1500℃から1900℃までの温度範囲内でCO濃度が20
分間 300±50 Paの範囲内になるようにアルゴンガス流
量を適宜調整した。
得られた焼結体の密度は1.36g/cm3であり、細孔容積
は0.42ml/g、比表面積は17.9m2/gであり、この焼結
体の平均圧縮強度は1220kgf/cm2の高い値を有してい
た。
次に、上記実施例1に対比させるための比較例1にて、
その出発原料として使用した炭化ケイ素粉末は、92.8重
量%がβ型結晶で残部が実質的に2H型結晶よりなり、
0.21重量%の遊離炭素、0.17重量%の酸素、0.05重量%
の鉄、0.1重量%のアルミニウム、0.4重量%のホ
ウ素を主として含有し、0.27μmの平均粒径を有する炭
化ケイ素粉末であり、その比表面積は16.8m2/gであっ
た。
この出発原料を用いて、実施例1と同様の方法で炭化ケ
イ素質焼結体を得たところ、焼結体の密度は1.97g/cm
2であり、細孔容積は0.19ml/gであり、比表面積は
1.8m2/gと著しく低いものであった。
次に、本発明の実施例2の出発原料として使用した炭化
ケイ素粉末は、96.3重量%がβ型結晶であり、残部が実
質的に2H型結晶よりなり、0.81重量%の遊離炭素、0.
11重量%の酸素、0.01重量%のアルミニウムを主として
含有し、鉄およびホウ素は検出されない原料粉末であっ
た。
また、この粉末の平均粒径は0.15μmであり、比表面積
は51.2m2/gであった。
この出発原料100重量%に対し、比表面積128m2/gのカ
ーボンブラック粉末2重量%、ポリオキシエチレンノニ
ルフエニルエーテル0.4重量%、水20重量%およびメ
チルセルロース粉末200 重量%を添加し、ニーダーによ
って加圧混練した後、押し出し圧力20kgf/cm2で押出成
形を行い、径5mm、長さ5mmのペレットを成形した。
この成形体の炭化ケイ素の占める割合は、25.3容量%で
あった。
上記の成形体を2℃/時間で 300℃まで脱脂を行った
後、黒鉛製ルツボに装入し、タンマン炉を使用して1気
圧の主としてアルゴンガス雰囲気中で焼成した。
その昇温過程は1400℃まで 250℃/時間で昇温し、1400
℃から1500℃までの間を60℃/時間で昇温し、CO濃度を
100 Pa以下にした。
その後、最高温度1750℃まで 900℃/時間で昇温し、17
50℃で10分間保持したが、1500℃以降の焼成過程中の雰
囲気はすべてN2濃度が 500±100 PaになるようにN2ガス
を適宜注入した。
得られた焼結体の密度は0.77g/cm3であり、細孔容積
は0.99ml/g、比表面積は38.1m2/gであり、この焼結
体の平均圧縮強度は550kgf/cm2の高い値を有してい
た。
さらに、本発明の実施例3として、例えば国産のコロイ
ダルシリカ(スノーテックス20,固形分濃度約20%)を
蒸留水で2倍に希釈し、PH=10に調整した。
一方、実施例1において得られた多孔質炭化ケイ素質焼
結体(比表面積17.9m2/g)を真空容器中に装入し、10
-2mmHgで脱ガス処理した後、上記コロイダルシリカ溶液
を同容器内に注入し、しかる後、大気圧までパージし
た。
パージ後、焼結体をコロイダルシリカ溶液から取出し、
乾燥器中 100℃で乾燥した後、シリコニット炉に装入
し、1400℃で、50重量%水蒸気−空気混合ガス5/分
流通下で5時間保持し焼成した。
得られたシリカ被覆の多孔質炭化ケイ素質焼結体の重量
増加は13.5%であり、比表面積は16.8m2/gであった。
電子顕微鏡観察により、炭化ケイ素表面に、0.3μm
の厚さでシリカ被膜が形成されていることが確かめられ
た。
また、本発明の実施例4として、例えば国産のアルミナ
ゾル(アルミナゾル−1000,固形分濃度10%)に蒸留水
を加え、PH=4に調整した。
一方、実施例3で得られたシリカ被膜の多孔質炭化ケイ
素質焼結体(比表面積16.8m2/g)を、上記アルミナゾ
ルに実施例3と同様の方法で真空含浸し、アルミナゾル
から取出した後、乾燥気中で50℃で乾燥した。
その乾燥体をエレマ炉中に装入し、空気中500 ℃で2時
間保持して焼成した。。
得られたシリカ/アルミナ複合酸化物被覆の多孔質炭化
ケイ素焼結体の重量増加は8.2%、比表面積は52.5m2
/gであった。
そこで、電子顕微鏡観察により、シリカ被覆多孔質炭化
ケイ素質焼結体の表面に、0.15μmの厚さでアルミナ被
覆が形成されていることが確かめられた。
〔発明の効果〕
従って、本発明では、耐熱、耐蝕性で、かつ良熱伝導性
の耐熱触媒として必要な特性を有する多孔質炭化ケイ素
質焼結体の表面にシリカ膜または/およびアルミナ膜か
らなる酸化物被膜を形成させることにより、高い比表面
積を付与できるのみならず、シリカおよびアルミナの有
する触媒担体として好適な特性と、炭化ケイ素質焼結体
の有する良好な耐熱性、耐蝕性、熱伝導性とを兼ね備え
た優れた触媒担体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
図面は多孔質体の構造をモデル的に図示した拡大図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−26795(JP,A) 特開 昭50−53290(JP,A) 特開 昭62−4446(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として炭化ケイ素よりなる結晶が三次元
    の網目構造をなし、開放気孔を有し、細孔容積が0.2 〜
    2.0 ml/gの範囲にあり、比表面積が3m2/g以上で、かつ
    平均圧縮強度が300kgf/cm2以上である多孔質炭化ケイ素
    質焼結体の表面に、シリカ膜または/およびアルミナ膜
    の被覆を有しており、その比表面積が10m2/g以上である
    触媒担体。
  2. 【請求項2】細孔容積が0.2 〜2.0 ml/gの範囲にあり、
    比表面積が3m2/g以上で、かつ平均圧縮強度が少なくと
    も300kgf/cm2である多孔質炭化ケイ素質焼結体の表面に
    シリカ膜または/およびアルミナ膜の被覆を有してお
    り、その比表面積が10m2/g以上である触媒担体の製造方
    法であって、(1)比表面積が3m2/g以上で、ホウ素、ア
    ルミニウムおよび鉄の含有量の合計が元素に換算して0.
    3 重量%以下である炭化ケイ素粉末を所望の形状に成形
    する工程、(2)前記(1)の工程により得られた成形体を耐
    熱性の容器内に装入して、1400℃〜2000℃の温度範囲内
    において少なくとも10分間、COあるいはN2の少なくとも
    いずれかのガス分圧が100Pa 以上に維持された非酸化性
    雰囲気中で焼成する工程、(3)前記成形体を1600℃〜200
    0℃の最高温度で焼成する工程、および(4)生成する焼結
    体にシリカ膜または/およびアルミナ膜を被覆する工
    程、のシーケンスからなる、多孔質炭化ケイ素質焼結体
    の表面にシリカ膜または/およびアルミナ膜の被覆を有
    する触媒担体の製造方法。
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