JPH06268227A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ

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JPH06268227A
JPH06268227A JP5048957A JP4895793A JPH06268227A JP H06268227 A JPH06268227 A JP H06268227A JP 5048957 A JP5048957 A JP 5048957A JP 4895793 A JP4895793 A JP 4895793A JP H06268227 A JPH06268227 A JP H06268227A
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Makoto Takahashi
誠 高橋
Tatsu Toyabe
達 鳥谷部
Shiro Kanbara
史朗 蒲原
Hitoshi Matsuo
仁司 松尾
Yasuyuki Okura
康幸 大倉
Satoshi Ito
智 伊藤
Junko Tanaka
順子 田中
Kishiko Maruyama
貴志子 丸山
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寄生サイリスタのラッチアップ防止とターン
オフ時間短縮とを達成できる絶縁ゲート型バイポーラト
ランジスタを提供する。 【構成】 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおい
て、コレクタ層に隣接するベース層内にコレクタ層にお
ける多数キャリヤに対するポテンシャル障壁を設ける事
により、コレクタ層に隣接するベース層のゲート電極の
下層の領域からエミッタ電極の下層以外の領域に至る範
囲の領域に、コレクタ層における多数キャリヤが注入さ
れない様にする。また、コレクタ層に隣接するベース層
のゲート電極の下層の領域あるいはエミッタ電極の下層
以外の領域から、エミッタ層に隣接したベース層を経由
して、コレクタ層における多数キャリヤがエミッタ電極
へ流れないようにする。 【効果】 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおい
て、寄生サイリスタのラッチアップ防止とターンオフ時
間短縮の一方若しくは両方が他の特性を損なわずに実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置、特に絶縁
ゲート型バイポーラトランジスタの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、スイッチングパワー素子の分野で
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated
Gate Bipolar Transistor)が注目を集めている。絶縁ゲ
ート型バイポーラトランジスタは図9に示す様に、MO
Sトランジスタ(MOSFET)構造とバイポーラトランジスタ
構造とを併せ持っている。すなわち、p型のコレクタ層
1、n型のベース層2、及びp型のベース層3とでバイ
ポーラトランジスタが構成され、n型のベース層2、p
型のベース層3、及びn型のエミッタ層4とでMOSト
ランジスタが構成され、上記の半導体層を介して双方が
接続されている。このため絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタは、ゲート電極16をONしてMOSFET構造による
電流を流すと、この電流によりバイポーラトランジスタ
のベース層2に対応する部分の伝導度が変調されてベー
ス層2の伝導度が高くなることによりバイポーラトラン
ジスタ構造による電流も流れるので、MOSFETに比べてON
抵抗を低くできる。
【0003】しかし、絶縁ゲート型バイポーラトランジ
スタは、素子内に有するnpnp構造が一旦サイリスタ
として動作すると、ゲート電極16によるスイッチング
ができなくなってしまう。これが、寄生サイリスタのラ
ッチアップと呼ばれる問題である。
【0004】寄生サイリスタのラッチアップは、エミッ
タ層4に隣接するベース層3の横方向抵抗で生じる電圧
降下によってエミッタ層4とそれに隣接するベース層3
との接合が順バイアスされるために起こる。従って、こ
の寄生サイリスタのラッチアップを防止するための一つ
の手段として、従来は特開昭60-196974記載の様にエミ
ッタ層4に隣接するベース層3の不純物濃度を高くする
方法が用いられていた。この方法によればエミッタ層4
に隣接するベース層3の横方向抵抗が下がるので生じる
電圧降下が抑えられ、寄生サイリスタのラッチアップを
防止できる。
【0005】また、絶縁ゲート型バイポーラトランジス
タは、ゲート電極16をOFFにしてMOSFET構造による電
流を止めても、コレクタ層1に隣接するベース層2内に
注入されたコレクタ層1における多数キャリヤが全て消
滅するまでは電流を流し続ける。このため、絶縁ゲート
型バイポーラトランジスタは、MOSFETに比べてターンオ
フ時間が長くなってしまう。絶縁ゲート型バイポーラト
ランジスタのターンオフ時間を短縮するための一つの手
段として、従来は特開昭61-43474記載の様にコレクタ層
1に隣接するベース層2にライフタイムキラーをドープ
する方法が用いられていた。この方法によればコレクタ
層1に隣接するベース層2に注入されたコレクタ層1に
おける多数キャリヤは消滅し易くなるので、ターンオフ
時間を短縮できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、絶縁
ゲート型バイポーラトランジスタにおいて寄生サイリス
タのラッチアップ防止とターンオフ時間短縮のどちらか
一方についてのみの効果はあるものの、両改善を同時に
図るものではない。
【0007】また、従来技術のようにエミッタ層に隣接
するベース層の不純物濃度を高くした絶縁ゲート型バイ
ポーラトランジスタは、寄生サイリスタのラッチアップ
を抑えられるが、チャネル形成部の不純物濃度が高くな
るのでしきい値電圧が変化してしまう。一方、従来技術
のようにライフタイムキラーをドープした絶縁ゲート型
バイポーラトランジスタは、ターンオフ時間を短縮でき
るが、ゲートスイッチがONの時でもコレクタ層に隣接す
るベース層2内で消滅するキャリヤが多いため、ON抵抗
が高くなってしまう。この様に、上記従来技術には、寄
生サイリスタのラッチアップの防止若しくはターンオフ
時間の短縮を図る際に、他の特性を犠牲にするという問
題がある。
【0008】従って、本発明の目的は、寄生サイリスタ
がラッチアップせず、且つターンオフ時間が短い絶縁ゲ
ート型バイポーラトランジスタを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、寄生サイリスタのラ
ッチアップ防止とターンオフ時間短縮の一方若しくは両
方が他の特性を損なわずに実現できる絶縁ゲート型バイ
ポーラトランジスタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタで
は、コレクタ層1における多数キャリヤに対するポテン
シャル障壁をコレクタ層1に隣接するベース層2内に設
けることによって、コレクタ層1における多数キャリヤ
が、コレクタ層1からこれに隣接するベース層2内のゲ
ート電極16の下層の領域からコレクタ層1に隣接する
ベース層2内のエミッタ電極15の下層以外の領域に至
るいずれかの領域へ注入されない様にするものである。
【0011】または、本発明の絶縁ゲート型バイポーラ
トランジスタでは、コレクタ層1における多数キャリヤ
に対するポテンシャル障壁をコレクタ層1に隣接するベ
ース層2内に設けることによって、コレクタ層1におけ
る多数キャリヤがコレクタ層1からコレクタ層に隣接す
るベース層2内のゲート電極16の下層からエミッタ層
4に隣接するベース層3を横切ってエミッタ電極15へ
流れない様にするものである。
【0012】
【作用】図9に示すような絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタにおいて、寄生サイリスタのラッチアップの原
因となる電圧降下は、コレクタ層1における多数キャリ
ヤがコレクタ層1からこれに隣接するベース層2内のゲ
ート電極16の下層に注入され、更にエミッタ層4に隣
接するベース層3を横切ってエミッタ電極15へ抜ける
際に生じる。
【0013】また、ゲート電極16の下層の領域からエ
ミッタ電極15の下層以外の領域に至る範囲の領域では
エミッタ電極15とコレクタ電極14との間の電界が弱
いため、この領域に注入されたコレクタ層1における多
数キャリヤはエミッタ電極15に引き抜かれにくい。こ
のためコレクタ層1に隣接するベース層2内のエミッタ
電極15の下層以外の領域へ注入されたコレクタ層1に
おける多数キャリヤは、コレクタ層1に隣接するベース
層2内に長時間留まることになるので、絶縁ゲート型バ
イポーラトランジスタのターンオフ時間が長くなる。
【0014】従って、本発明によれば、絶縁ゲート型バ
イポーラトランジスタに設けたポテンシャル障壁によっ
て、コレクタ層1に隣接するベース層2内におけるゲー
ト電極16の下層の領域からエミッタ電極15の下層以
外の領域に至る範囲の領域に、コレクタ層1からコレク
タ層1における多数キャリヤが注入されない様にできる
ので、寄生サイリスタのラッチアップの防止とターンオ
フ時間の短縮を同時に実現することができる。また、本
発明によれば、チャネル形成部における不純物濃度やキ
ャリヤのライフタイムの変化が生じないので、他の特性
を損なわれない。
【0015】また、本発明により、コレクタ層1におけ
る多数キャリヤが、コレクタ層1に隣接するベース層2
内のゲート電極16の下層から、エミッタ層4に隣接す
るベース層3を横切りエミッタ電極15へ抜けない様に
できるので、寄生サイリスタのラッチアップを防止でき
る。
【0016】
【実施例】本発明は、以下に示す二つの原理のいずれか
に基づいている。第一の原理は、絶縁ゲート型バイポー
ラトランジスタにおいて、図10に示すように、n型ベ
ース層11内のp型コレクタ層10との境界に、p型コ
レクタ層10における多数キャリヤである正孔に対する
ポテンシャル障壁を設けることにより、正孔がn型ベー
ス層11内のゲート電極16下層からエミッタ電極15
下層以外の領域に至るまでの範囲の領域へ注入されない
様にし、その結果、寄生サイリスタのラッチアップを防
止し且つターンオフ時間を短縮するものである。図10
に示すように、第一の原理では、ポテンシャル障壁はn
型ベース層11内のp型コレクタ層10との境界に設け
られ、かつ、ポテンシャル障壁の端部はゲート電極16
の下層の領域(210a)からエミッタ電極15の下層
以外の領域(210A)までの範囲に設けられる。
【0017】第二の原理は、絶縁ゲート型バイポーラト
ランジスタにおいて、図11に示すように、n型ベース
層11内のp型ベース層12との境界に、p型コレクタ
層10における多数キャリヤである正孔に対するポテン
シャル障壁を設けることにより、正孔がn型ベース層1
1内のゲート電極16下層からp型ベース層12を横切
ってエミッタ電極15へ流れない様にし、その結果、タ
ーンオフ時間を短縮するものである。図11に示すよう
に、第二の原理では、ポテンシャル障壁はn型ベース層
11内のp型ベース層12との境界に設けられ、かつ、
ポテンシャル障壁の端部はゲート電極16の下層の領域
(210b)からエミッタ電極15の下層以外の領域
(210B)までの範囲に設けられる。
【0018】以下、これらの原理を具体化するための実
施例を、図面を参照して説明する。以下の実施例では、
第一導電型はp型、第二導電型はn型の場合について説
明する。これらを逆にした、第一導電型はp型、第二導
電型はn型の場合についても同様に本発明をそのまま適
用できる。また、以下では、絶縁ゲート型バイポーラト
ランジスタをIGBTと略記する。
【0019】図1は、本発明の第一の実施例によるIG
BTの断面図である。本実施例の特徴は、ゲート電極1
6下のp型コレクタ層10の全部とゲート電極16下の
n型ベース層11の内p型ベース層12と接する部分以
外をSiO2の様な絶縁体110aに置換したところにあ
る。
【0020】図1に示す様な構造にすれば、絶縁体は正
孔に対してポテンシャル障壁となるので、正孔はゲート
電極16下層のn型ベース層11へ注入されない。従っ
て、第一の原理によって寄生サイリスタのラッチアップ
の防止とターンオフ時間の短縮を同時に達成できる。ま
た、図1に示す構造では、チャネル形成部の不純物濃度
やキャリヤのライフタイムは変化しない。従って、チャ
ネル形成部の不純物濃度増大によるしきい値電圧の変化
やライフタイムの減少によるON抵抗の増大といった他の
特性の劣化を招くことなく、寄生サイリスタのラッチア
ップの防止とターンオフ時間の短縮を同時に達成でき
る。
【0021】ここで、ゲート電極16下層のn型ベース
層11の中にp型ベース層12と接する部分(図中の
A)を絶縁体110aで置換しないのは、MOSFET構造に
よる電子電流をこの部分を通してコレクタ電極に流すた
めである。従って、ゲート電極16下のn型ベース層1
1の中に絶縁体110aに置換しないで残しておく領域
(A)は、素子が動作するのに必要な電子電流が得られ
る範囲で可能な限りに小さくすれば良い。
【0022】また、図1に示す構造では、ゲート電極1
6下層のn型ベース層11の中で絶縁体に置換しないで
残しておいた領域(A)を通って、正孔がエミッタ電極
15下層以外の領域のn型ベース層11に注入される可
能性がある。しかし、この正孔の量は極く僅かなので素
子特性に与える影響は無視できる。また、n型ベース層
11において、絶縁体110aより上の領域を他の領域
を構成する半導体のn型多結晶に置換すれば、この領域
での正孔のライフタイムが短くなるので、この領域に注
入された正孔の影響は更に僅かになる。
【0023】次に、図1に示した本発明のIGBTの製
造方法の一例を示す。先ず、p型コレクタ層10となる
p型Si基板にエピタキシャル成長法及び拡散法により、
n型ベース層11、p型ベース層12、及びn型エミッ
タ層13を形成する。次に、p型Si基板の裏面にレジス
トでパターニングし、ドライエッチングを行なって絶縁
体に置換する領域のSiを除去する。次に、Siを除去した
領域に、CVD法により絶縁体110aを形成する。その
後、レジストを除去し、CVD法及び蒸着によりゲート絶
縁膜17、ゲート電極16、エミッタ電極15及びコレ
クタ電極14を形成する。以上の工程により、図1に示
す本発明のIGBTが完成する。
【0024】次に、図2を用いて、第二の実施例を説明
する。図2は、本発明の第二の実施例によるIGBTの
断面図である。尚、図2はゲート電極16を共有する2
個の単位セルが集積化した様子を示している。本実施例
の特徴は、ゲート電極16下層のn型ベース層11にお
いて、p型ベース層12の下部をSiO2の様な絶縁体11
0bと絶縁体111に置換したことにある。また、エミ
ッタ電極15下層以外の領域のn型ベース層11におい
て、二つのp型ベース層12に挟まれた領域、及び絶縁
体110bと絶縁体111とに挟まれた領域を他の領域
を構成する半導体のn型多結晶で置換しても良い。ここ
で、両絶縁体の間の隙間(図中のB)はMOSFET構造によ
る電子電流を、この部分(B)を通してコレクタ電極1
4に流すためにある。
【0025】図2に示すような構造にすれば、第一の実
施例と同様に、第一の原理によって寄生サイリスタのラ
ッチアップの防止とターンオフ時間の短縮を同時に達成
できる。また、他の特性を劣化させない点、及び多結晶
半導体の効果も第一の実施例と同様である。
【0026】次に、図12から図17を用いて、図2に
示した本発明のIGBTの製造方法の一例を示す。先
ず、図12に示す様に、p型コレクタ層10となるp型
Si基板310にエピタキシャル成長法により、n型エピ
タキシャルSi層320を形成する。次に、図13に示す
様に、このn型エピタキシャルSi層320の表面にレジ
スト330でパターニングし、ドライエッチングを行な
って絶縁体に置換する領域のSiを除去する。次に、図1
4に示す様に、Siを除去した領域に、CVD法により絶縁
体110eを形成する。次に、図15に示す様に、所望
の形状に絶縁体110fが残る様にウエットエッチング
を行なう。この時、既に述べたように、MOSFET構造によ
る電子電流をコレクタ電極14に流すために、2つの絶
縁体110fの間に間隙(B)を設ける。次に、図16
に示す様に、CVD法によりSiを除去した部分をn型多結
晶Si340で埋める。その後、拡散法によりp型ベース
層12、p型多結晶Si350、及びn型エミッタ層13
を形成し、更にCVD法及び蒸着によりゲート絶縁膜1
7、ゲート電極16、エミッタ電極15及びコレクタ電
極10を形成すると、図17に示すように、本発明の第
二の実施例におけるIGBTが完成する。
【0027】次に、図3を用いて、第三の実施例を説明
する。図3は、本発明の第三の実施例によるIGBTの
断面図である。本実施例の特徴は、n型ベース層11に
おいて連続的または断続的なn型不純物の濃度分布を設
け、ゲート電極16下層にn型不純物の高濃度層120
aを設けるか、あるいはゲート電極16下層のn型ベー
ス層11をSiと異なるバンドギャップエネルギーを有す
る半導体層120aで置換してヘテロ接合を形成するこ
とによって、n型ベース層11に正孔に対するポテンシ
ャル障壁を形成することにある。また、図4、あるいは
図5の様な構造にしても、同様なポテンシャル障壁を形
成できる。図4は、ゲート電極16下層のn型ベース層
11の全体をポテンシャル障壁120bとしたものであ
る。図5は、図4に示したポテンシャル障壁120b
を、図15から図16に示したエッチングの手法で形成
したときのポテンシャル障壁120cを示す。
【0028】図3、図4、及び図5に示すそれぞれのポ
テンシャル障壁の端部c1、c2、及びc3は、図10
に示すように、エミッタ電極15の近傍まで延長して
も、ポテンシャル障壁としての機能を果たす。
【0029】第三の実施例のように、n型不純物濃度の
高い領域を設けた構造では、n型不純物濃度の高い領域
が正孔に対するポテンシャル障壁となるので、正孔はゲ
ート電極16下層のn型ベース層11へ注入されない。
従って、第一の原理によって寄生サイリスタのラッチア
ップの防止とターンオフ時間の短縮を同時に達成でき
る。また、他の特性を劣化させない点も第一の実施例と
同様である。ここで、電子電流は、n型不純物濃度の高
い領域にも流れるので、p型ベース層12と接する部分
までn型不純物濃度を高くすることができる。
【0030】図3から図5に示す構造では、n型不純物
濃度の高い領域内において連続的若しくは断続的なn型
不純物濃度の分布を設ける事で、素子の耐圧を確保でき
る。
【0031】また、本実施例においてヘテロ接合を設け
た構造では、置換した部分の半導体材料と不純物濃度と
を調節することによって、ヘテロ接合を正孔のみに対す
るポテンシャル障壁とすることができる。従って、この
様な構造にすれば、正孔がゲート電極16下のn型ベー
ス層11へ注入されない様にする事ができる。従って、
第一の原理によって寄生サイリスタのラッチアップの防
止とターンオフ時間の短縮を同時に達成できる。また、
他の特性を劣化させない点も第一の実施例と同様であ
る。ここで、ヘテロ接合は正孔のみに対するポテンシャ
ル障壁なので、電子電流はヘテロ接合を流れることがで
きる。従って、ヘテロ接合はp型ベース層12と接する
部分まで形成することができる。
【0032】次に、図18及び図19を用いて、図3に
示した本発明の第三の実施例におけるIGBTの製造方
法の一例を示す。先ず、図18(a)に示す様に、p型コ
レクタ層となるp型Si基板310にエピタキシャル成長
法により、n型エピタキシャルSi層320を形成する。
次に、図18(b)に示す様に、このn型エピタキシャルS
i層320の表面にレジスト330でパターニングし、
拡散法または高エネルギーイオン打ち込み法によりp型
Si基板310との境界にn型不純物の高濃度層410を
形成する。次に、レジスト330を除去し、図19(a)
に示す様に、更に表面全面にn型Si層をエピタキシャル
成長する。次に、図19(b)に示す様に、このn型エピ
タキシャルSi層320の表面にレジスト330でパター
ニングし、拡散法または高エネルギーイオン打ち込み法
により、所望の位置にn型不純物の高濃度層410を形
成する。その後、レジスト330を除去してn型Si層を
エピタキシャル成長し、拡散法によりp型ベース層、及
びn型エミッタ層を形成し、更にCVD法及び蒸着により
ゲート絶縁膜、ゲート電極、エミッタ電極及びコレクタ
電極を形成すると、図3に示す本発明の第三の実施例に
おけるIGBTが完成する。
【0033】以上、製造方法はn型不純物の高濃度層を
形成する場合について説明したが、Si以外の元素の打ち
込みを上記のn型不純物の打ち込みと同様に行なえば、
ヘテロ接合を有する本発明のIGBTを作成できる。
【0034】また、本発明は、図6の様にポテンシャル
障壁110cとして絶縁体を用いた場合も有効である。
この様な構造も、酸素の様な元素の打ち込みを上記のn
型不純物の打ち込みと同様に行なえば作製できる。ここ
で、MOSFET構造による電子電流を流すために、p型ベー
ス層に接する領域は絶縁体で置換しない。
【0035】次に、図7を用いて、第四の実施例を説明
する。図7は、本発明の第四の実施例におけるIGBT
の断面図である。本実施例の特徴は、n型ベース層11
のゲート電極16下層の領域からエミッタ電極15下層
以外の領域に至る範囲の領域とp型ベース層12との境
界を絶縁体110dで置換して、正孔に対するポテンシ
ャル障壁を形成したところにある。図7に示す構造で
は、正孔がn型ベース層11のゲート電極16下層の領
域からエミッタ電極15下層以外の領域に至る範囲の領
域に注入されても、正孔がp型ベース層12を横切って
エミッタ電極15へ抜けることがないので、図11に示
した第二の原理によって寄生サイリスタがラッチアップ
しない。
【0036】ここで、MOSFET構造による電子電流を流す
ために、ゲートに接する領域(図7のD)は絶縁体で置
換しない。また、図7に示す構造において、n型ベース
層11のゲート電極16下層の領域からエミッタ電極1
5下層以外の領域に至る範囲の領域とp型ベース層12
との境界を、n型不純物の高濃度層120又はSiと異な
るバンドギャップエネルギーを有する半導体層120d
の様な正孔のみに対するポテンシャル障壁を形成する材
料で置換する場合は、図8の様に、ゲートに接する領域
まで置換すれば良い。
【0037】図7、及び図8に示すそれぞれのポテンシ
ャル障壁の端部d1、及びd2は、図11に示すよう
に、エミッタ電極15の近傍まで延長しても、ポテンシ
ャル障壁としての機能を果たす。また、本実施例のIG
BTも、第三の実施例と同様の方法で作製できる。
【0038】以上の実施例は全てコレクタ層の導電型が
p型の場合であるが、本発明は導電型を逆にしても有効
である。すなわち、これまでの実施例の図面及び説明に
おいて、コレクタ層1をn型、ベース層2をp型、ベー
ス層3をn型、及びエミッタ層4をp型にしても、本発
明を適用できる。その場合、ポテンシャル障壁は、コレ
クタ層1の多数キャリアである電子が、コレクタ層1か
らゲート電極16下層の領域を経由してエミッタ電極1
5下層の領域へ注入されるのを防止する。
【0039】叉、本発明はSi以外の半導体基板を用いて
も有効である。また、以上の説明は単位セルについて行
なったが、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを実際
に使用する際には、上記単位セルを複数個集積して使
う。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁ゲート型バイポー
ラトランジスタにおいて、コレクタ層に隣接するベース
層内にコレクタ層における多数キャリヤに対するポテン
シャル障壁を設ける事により、チャネル形成部における
不純物濃度やキャリヤのライフタイムを変えずに、コレ
クタ層に隣接するベース層のゲート電極の下層の領域か
らエミッタ電極の下層以外の領域に至るまでの範囲の領
域に、コレクタ層における多数キャリヤが注入されない
様にできるので、寄生サイリスタのラッチアップ防止と
ターンオフ時間の短縮とが同時に達成でき、且つ、他の
特性を損なわずにこれが可能となる。
【0041】また、コレクタ層に隣接するベース層内で
あって、これと隣接するもう一方のベース層との境界
に、コレクタ層における多数キャリヤに対するポテンシ
ャル障壁を設ける事により、コレクタ層に隣接するベー
ス層のゲート電極の下層の領域からエミッタ電極の下層
以外の領域に至る範囲の領域を経由し、さらに、エミッ
タ層に隣接するベース層を経由して、コレクタ層におけ
る多数キャリヤがエミッタ電極へ流れないようにした場
合には、他の特性を損なわずに寄生サイリスタのラッチ
アップが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一の実施例を示す図である。
【図2】本発明による第二の実施例を示す図である。
【図3】本発明による第三の実施例を示す図である。
【図4】本発明による第三の実施例を示す図である。
【図5】本発明による第三の実施例を示す図である。
【図6】本発明による第三の実施例を示す図である。
【図7】本発明による第四の実施例を示す図である。
【図8】本発明による第四の実施例を示す図である。
【図9】従来の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの
構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第一の原理を説明するための断面図
である。
【図11】本発明の第二の原理を説明するための断面図
である。
【図12】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図13】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図14】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図15】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図16】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図17】第二の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図18】第三の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【図19】第三の実施例の製造方法を説明するための図
である。
【符号の説明】
1…コレクタ層、2…コレクタ層に隣接するベース層、
3…エミッタ層に隣接するベース層、4…エミッタ層、
10…p型コレクタ層、11…n型ベース層、12…p
型ベース層、13…n型エミッタ層、14…コレクタ電
極、15…エミッタ電極、16…ゲート電極、17…ゲ
ート絶縁膜、110…絶縁体、111…絶縁体、120
…n型不純物の高濃度層若しくはSiと異なるバンドギャ
ップエネルギーを有する半導体層、210…正孔に対す
るポテンシャル障壁、310…p型Si基板、320…n
型エピタキシャルSi層、330…レジスト、340…n
型多結晶Si、350…p型多結晶Si、410…n型不純
物の高濃度層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 仁司 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大倉 康幸 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 伊藤 智 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 田中 順子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 丸山 貴志子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型コレクタ層に積層した第二導電
    型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型ベ
    ース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表面
    から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前記
    第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ層
    の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電極、
    及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッタ電
    極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面と前
    記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を介し
    て設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポーラト
    ランジスタにおいて、 前記第二導電型ベース層内の前記第一導電型ベース層と
    前記第二導電型ベース層との双方が前記絶縁層と接する
    第1の領域の下層から前記エミッタ電極の接する領域の
    下層の間のいずれかの位置に設けた境界と前記第一導電
    型コレクタ層とに隣接した領域に、前記第1の領域を含
    み前記第一導電型コレクタ層から前記第二導電型ベース
    層の前記エミッタ電極に接する領域の下層以外の領域に
    至るまでの任意の領域への第一導電型多数キャリヤの注
    入を防止するポテンシャル障壁を形成したことを特徴と
    する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. 【請求項2】第一導電型コレクタ層に積層した第二導電
    型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型ベ
    ース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表面
    から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前記
    第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ層
    の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電極、
    及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッタ電
    極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面と前
    記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を介し
    て設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポーラト
    ランジスタにおいて、 前記第二導電型ベース層内の前記第一導電型ベース層と
    前記第二導電型ベース層との双方が前記絶縁層と接する
    領域を含み前記第一導電型コレクタ層から前記第二導電
    型ベース層の前記エミッタ電極に接する領域の下層以外
    の領域に至るまでの任意の領域への第一導電型多数キャ
    リヤの注入を防止するポテンシャル障壁を形成したこと
    を特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  3. 【請求項3】第一導電型コレクタ層に積層した第二導電
    型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型ベ
    ース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表面
    から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前記
    第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ層
    の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電極、
    及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッタ電
    極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面と前
    記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を介し
    て設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポーラト
    ランジスタにおいて、 前記第二導電型ベース層内の前記第一導電型ベース層と
    前記第二導電型ベース層との双方が前記絶縁層と接する
    第1の領域の下層から前記エミッタ電極の接する領域の
    下層の間のいずれかの位置に設けた境界から前記第一導
    電型ベース層、前記第二導電型ベース層及び前記絶縁層
    が接する位置に至る前記第一導電型ベース層とに隣接し
    た領域に、前記第二導電型ベース層の前記第1の領域か
    ら前記エミッタ電極の下層以外の領域に至るまでの任意
    の領域から前記第一導電型コレクタ層を経由して前記エ
    ミッタ電極への第一導電型多数キャリヤの注入を防止す
    るポテンシャル障壁を形成したことを特徴とする絶縁ゲ
    ート型バイポーラトランジスタ。
  4. 【請求項4】第一導電型コレクタ層に積層した第二導電
    型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型ベ
    ース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表面
    から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前記
    第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ層
    の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電極、
    及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッタ電
    極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面と前
    記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を介し
    て設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポーラト
    ランジスタにおいて、 前記第二導電型ベース層内の前記第一導電型ベース層と
    前記第二導電型ベース層との双方が前記絶縁層と接する
    領域から前記エミッタ電極の下層以外の領域に至るまで
    の任意の領域から前記第一導電型コレクタ層を経由して
    前記エミッタ電極への第一導電型多数キャリヤの注入を
    防止するポテンシャル障壁を形成したことを特徴とする
    絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】前記ポテンシャル障壁を絶縁体で構成する
    ことを特徴とする請求項1から4記載の絶縁ゲート型バ
    イポーラトランジスタ。
  6. 【請求項6】前記ポテンシャル障壁を第二導電型不純物
    の高濃度層で構成することを特徴とする請求項1から4
    記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  7. 【請求項7】前記ポテンシャル障壁を前記ポテンシャル
    障壁以外の領域を構成する半導体と異なるバンドギャッ
    プエネルギーを有する半導体で構成することを特徴とす
    る請求項1から4記載の絶縁ゲート型バイポーラトラン
    ジスタ。
  8. 【請求項8】前記第二導電型ベース層の前記エミッタ電
    極の下層以外の領域において、前記ポテンシャル障壁以
    外の領域が他の領域を構成する半導体の第二導電型の多
    結晶で構成されることを特徴とする請求項1記載の絶縁
    ゲート型バイポーラトランジスタ。
  9. 【請求項9】前記第二導電型ベース層の前記ゲート電極
    の下層の領域において、前記ポテンシャル障壁以外の領
    域が他の領域を構成する半導体の第二導電型の多結晶で
    構成されることを特徴とする請求項1記載の絶縁ゲート
    型バイポーラトランジスタ。
  10. 【請求項10】第一導電型コレクタ層に積層した第二導
    電型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型
    ベース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表
    面から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前
    記第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ
    層の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電
    極、及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッ
    タ電極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面
    と前記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を
    介して設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポー
    ラトランジスタにおいて、 前記第二導電型ベース層内の前記第一導電型ベース層と
    前記第二導電型ベース層との双方が前記絶縁層と接する
    第1の領域の下層から前記エミッタ電極の接する領域の
    下層の間のいずれかの位置に設けた境界、前記第一導電
    型コレクタ層との境界、及び前記第一導電型ベース層と
    の境界に囲まれた領域内に、前記第一導電型コレクタ層
    から前記第二導電型ベース層の前記エミッタ電極に接す
    る領域の下層以外の領域への第一導電型多数キャリヤの
    注入を防止するポテンシャル障壁を形成したことを特徴
    とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  11. 【請求項11】第一導電型コレクタ層に積層した第二導
    電型ベース層の一部の表面から内部の領域に第一導電型
    ベース層を形成し、前記第一導電型ベース層の一部の表
    面から内部の領域に第二導電型エミッタ層を形成し、前
    記第一導電型ベース層の表面と前記第二導電型エミッタ
    層の表面の一部とに股がって接して設けたエミッタ電
    極、及び前記第二導電型エミッタ層を介して前記エミッ
    タ電極に対峙し、かつ、前記第一導電型ベース層の表面
    と前記第二導電型ベース層の表面とに股がって絶縁層を
    介して設けたゲート電極を有する絶縁ゲート型バイポー
    ラトランジスタにおいて、 前記第一導電型コレクタ層から前記第二導電型ベース層
    の前記エミッタ電極に接する領域の下層以外への第一導
    電型多数キャリヤの注入を防止するポテンシャル障壁を
    形成したことを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトラ
    ンジスタ。
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