JPH062701B2 - シス−2,2,3−トリメチル−6−メチレン−シクロヘキサン誘導体及びその製法 - Google Patents

シス−2,2,3−トリメチル−6−メチレン−シクロヘキサン誘導体及びその製法

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JPH062701B2
JPH062701B2 JP60082629A JP8262985A JPH062701B2 JP H062701 B2 JPH062701 B2 JP H062701B2 JP 60082629 A JP60082629 A JP 60082629A JP 8262985 A JP8262985 A JP 8262985A JP H062701 B2 JPH062701 B2 JP H062701B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、イリス香気を有する香料物質として価値の高
い(±)−シス−γ−イロンの合成中間体として有用な下
記式(A)で表わされる新規化合物2,2,3−トリメ
チル−6−メチレン−シクロヘキサン誘導体に関する。
本発明は又、該化合物の製法及びその利用にも関する。
更に詳しくは、本発明は下記式(A) 但し式中、RはCHO基もしくはCH2OH基を示す、 で表わされる2,2,3−トリメチル−6−メチレン−
シクロヘキサン誘導体に関する。上記式(A)化合物
は、グリーン、シトラス、パインニードル、フルーツ様
の香気香味及び優れた持続性を有し、各種の香料組成物
の香気香味の賦与乃至変調剤(改良剤、補強剤を包含す
る)として、飲食物(嗜好品を包含する)、香粧品類、
保健・衛生・医薬品などの広い利用分野において有用で
あり、本発明はこのような利用にも関し、更に、本発明
は上記式(A)化合物の製造にも関する。
(b)従来の技術 本発明の式(A)化合物を中間体として合成できる(±)
−シス−γ−イロンは、天然香料として価値の高いイリ
ス油中には、その存在が知られていない。本出願人は、
先に、トランス−体の生成を伴わずにシス−体のみを選
択的に製造できる方法を確立し、又、該化合物が天然イ
リス油に匹敵する香気特性を有していることならびにト
ランス−体より格段に優れた香気を有していることを明
らかにして、既に特願昭59−65094号において提
案した。
上述のように香料的価値の高い(±)−シス−γ−イロン
の合成中間体として有用な前記式(A)は、下記式
(A)−1 で表わされるシス−γ−メチルシクロシトラール及び下
記式(A)−2 で表わされるシス−γ−メチルシクロゲラニオールを包
含する。これら本発明化合物に構造類似の化合物として
は、例えば、Helv,Chim.Acta,Voluman XLI,Fascicu
lus V (1958)No.149、P1368に記載され
る下記式(イ)及び(ロ) で表わされるγ−メチルシクロシトラール及びγ−メチ
ルシクロゲラニオールを挙げることができ、該公知文献
には、これら式(イ)及び(ロ)化合物が下記工程図に示すよ
うにd,l−γ−イロンの合成中間体として利用される
ことが示されている、 上記工程図において、式(イ)化合物、式(ロ)化合物及び
d,l−γ−イロンのシクロヘキサン環に由来するシス
型、トランス型に関しては、そのいずれかであるかにつ
いては明らかにされていない。
本発明者らは、該文献に記載の方法により該式(イ)、(ロ)
及びd,l−γ−イロンを合成し、その立体異性につい
て調べた結果、いずれもトランス型であることが判明し
た。又、式(イ)及び(ロ)化合物の香気特性についても該文
献には明らかにされておらず、本発明者らの検討によれ
ば、式(イ)及び式(ロ)化合物のいずれも香料物質として価
値のないものであることがわかつた。そして、香料とし
て、これら式(イ)もしくは式(ロ)化合物が使用された例も
知られていない。
(c)発明が解決しようとする問題点 上記従来提案の開示に従つて得られるトランス型の上記
式(イ)γ−メチルシクロシトラール及び上記式(ロ)γ−メ
チルシクロゲラニオールからは、香料的価値のうすいト
ランス型の(±)−γ−イロンしか得ることができない。
(d)問題点を解決するための手段 本発明らは、香料的価値の高いシス−型の(±)−γ−イ
ロンを合成する方法特に該化合物の合成中間体として利
用できるγ−メチルシクロシトラール及びγ−メチルシ
クロゲラニオールのシス型を選択的に合成できる方法に
ついて鋭意研究を行つてきた。
その結果、上記式(A)に包含される前記式(A)−1
で表わされるシス−γ−メチルシクロシトラールが、下
記式(3) 但し式中、R′及びR″はそれぞれ低級アルキル基を示
すか、或いはR′とR″は一緒になつて低級アルキレン
基を示す、 で表わされるシス−2−(2−メチレン−5,6,6−
トリメチルシクロヘキサン−1−イル)−N,N−ジア
ルキルもしくは−アルキレンアセトニトリルを、有機溶
媒中で硝酸銀と接触させることにより、容易に且つ選択
的に合成できることを発見した。そして、該式(3)化合
物は、例えば、下記式(1) で表わされるそれ自体合成容易な1−(3,3,4−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)メチルアル
コールを、有機溶媒中、塩基の存在下に、ハロゲン化
剤、メシル化剤もしくはトシル化剤と反応させて形成で
きる下記式(2) 但し式中、XはハロゲンたとえばBr、Cl、I、メシ
ルオキシ基(OM)もしくはトシルオキシ基(O
)を示す、 で表わされる1−(3,3,4−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)メチレンハライドもしくはメシ
レート又はトシレートを、有機溶媒中、塩基の存在下
に、N,N−ジ低級アルキルもしくは低級アルキレン−
アミノアセトニトリルと反応させて容易に得ることがで
きることがわかつた。
又、前記式(A)に包含される前記式(A)−(2)で表
わされるシス−γ−メチルシクロゲラニオールが、下記
式(2)′ で表わされる1−(3,3,4−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)メチレンオキシメチレン−1−
トリブチル錫を、有機溶媒中でブチルリチウムと接触さ
せることにより、容易に且つ選択的に合成できることを
発見した。そして、該式(2)′化合物は、例えば、前述
したと同様な下記式(1) 化合物を有機溶媒中、水素化ナトリウムの存在下に、ヨ
ウ化メチレントリブチル錫(ICH2SnBu3)と反応
させて容易に得ることができることがわかつた。
更に又、本発明者等の研究によれば、たとえば上述のよ
うにして製造することのできる前記式(A)化合物は、
(±)−シス−γ−イロンの合成に有用な新規合成中間体
であるだけではなく、これら化合物それ自体が、グリー
ン、シトラス、パインニードル、フルーツ様の香気香味
特性及び優れた持続性を有し、該式(A)化合物は、各
種の香料組成物例えば、果実系、野菜系、柑きつ系、ス
パイス系、洋酒系、ローストナッツ系、ローストビーブ
系、タバコ系、フラワー系、グリーン系、ウツド系、ミ
ルク系、脂肪系、などの各種香料組成物に配合して、新
規な種々の香料組成物の製造に利用できる有用な化合物
であることが分つた。
従つて本発明の目的は、(±)−シス−γ−イロンの新規
な合成中間体ならびにその製法更には、該式(A)化合
物を有効成分とする新規な種々の香料組成物を提供する
にある。
本発明の上記目的及び更に多くの他の目的ならびに利点
は、以下の記載から一層明らかとなるであろう。前記式
(A)−1化合物及び前記式(A)−2化合物の合成例
の一態様を工程図で示すと、以下のように表わすことが
できる。
式(A)−1 式(A)−2 上記態様を例に、式(A)−1及び式(A)−2化合物
の合成について更に詳しく説明する。
式(A)−1化合物の合成例 上記式(2)の1−(3,3,4−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)−メチレンハライドの合成は、
上記式(1)1−(3,3,4−トリメチル−1−シクロ
ヘキセン−1−イル)−メチルアルコールを好ましくは
有機溶媒中、塩基の存在下に、ハロゲン化剤、メシル化
剤もしくはトシル化剤と反応させることにより容易に行
うことができる。
反応は、例えば、約−78°〜約+150℃程度の温度
条件下に、例えば、約1〜約5時間程度の反応時間内で
好ましく行うことができる。
反応に使用する有機溶媒の具体例としては、例えばエー
テルテトラヒドロフランなどの如きエーテル類を例示す
ることができる。これら有機溶媒の使用量には、格別の
制約はなく適宜に選択すれば良いが、式(1)化合物に対
して、例えば、約1〜約10重量倍程度の範囲の使用量
を好ましく例示できる。又、反応に使用するハロゲン化
剤、メシル化剤、トシル化剤の例としては、例えば三臭
化リン三塩化リン、メタンスルホニルクロリド、p−ト
ルエンスルホニルクロリドなどを挙げることができる。
上記工程図の例では、ハロゲン化剤として三臭化リンを
用いた例で示されている。これら剤の使用量も適宜に選
択変更できるが、例えば上記式(1)に対して、約1〜約
3モル程度の範囲の使用量を好ましく例示することがで
きる。更に、塩基としては、例えばピリジン、トリエチ
ルアミンなどの如き有機塩基を例示することができる。
上記工程図の例ではピリジンを用いた例で示されてい
る。これら塩基の使用量は適宜に選択すれば良く、例え
ば式(1)化合物に対して、約0.1〜約2モル程度の範
囲の使用量を好ましく挙げることができる。反応終量後
は、例えば、有機層を水洗浄、中和など後処理し、溶媒
を留去した後、蒸留、カラムクロマトの如き手段を用い
て精製し、式(2)化合物を容易に得ることができる。
例えば、上述のようにして得ることのできる上記式(2)
化合物から上記式(3)で表わされる2−(2−メチレン
−5,6,6−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)
−N,N−ジアルキルもしくはアルキレンアミノアセト
ニトリルを合成するには、例えば、式(2)化合物を有機
溶媒中、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化バリウムなどの如き塩基の存在下にN,N−
ジ低級アルキルもしくは低級アルキレン−アミノアセト
ニトリルと反応させて容易に合成することができる。
反応は、例えば約−78〜約+200℃程度の温度条件
下、例えば約0.5〜約48時間程度の反応時間で好まし
く行うことができる。
上記反応に際して使用するN,N−ジ低級アルキルもし
くは低級アルキレン−アミノアセトニトリルの使用量と
しては、上記式(2)化合物に対して、例えば、約1〜約
2モル程度の範囲の使用量を好ましく挙げることができ
る。又、塩基の使用量としては、上記式(2)化合物に対
して例えば、約0.1〜約10モル程度の範囲の使用量を
好ましく挙げることができる。又、有機溶媒としては、
ジメチルフオルムアミド、テトラヒドロフラン、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド、トルエン、エーテ
ル、ジオキサンなどが例示できる。これら有機溶媒の使
用量には格別の制約はなく、適宜選択すればよく、式
(2)化合物に対しては例えば約1〜約100重量倍程度
の範囲の使用量を好ましく例示することができる。反応
終了後は、例えば、ヘキサン、エーテル、トルエンの如
き有機溶媒で反応生成物を抽出し、水洗、乾燥し、カラ
ムクロマト、蒸留などの手段で精製して式(3)化合物を
容易に得ることができる。
本発明の式(A)−1で表わされるシス−γ−メチルシ
クロシトラールは、例えば上述のようにして得ることの
できる式(3)化合物を有機溶媒中で硝酸銀と接触させる
ことにより容易に合成することができる。
反応は、好ましくは有機溶媒中で行われ、例えば、テト
ラヒドロフラン、エーテルなどの如き有機溶媒が好まし
く利用できる。反応温度および反応時間は、使用する溶
媒によつて適宜に選択できるが、例えば約−20〜約+
50程度の反応温度及び、例えば、約2〜約48時間程
度の反応時間を例示することができる。有機溶媒の使用
量としては、例えば式(3)化合物に対して約1〜約100重
量倍程度の範囲の使用量を好ましく例示することができ
る。
上記反応に用いる硝酸銀の使用量は適宜に選択変更でき
るが、式(3)化合物に対して、例えば、約0.1〜約10モ
ル程度の範囲を例示することができる。反応終了後は、
生成した結晶を除去し、有機層を分離し、乾燥して蒸
留、カラムクロマトなどの如き手段で精製することによ
り、本発明の式(A)−1化合物を容易に得ることがで
きる。
式(A)−2化合物の合成例 前述の工程図において、式(1)化合物から式(2)′の1−
(3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−
イル)−メチレンオキシメチレン−1−トリブチルスズ
の形成は、例えば、有機溶媒中に水素化ナトリウムを加
え、次いで式(1)化合物を加え、水素の発生が止むまで
反応させ、続いて、ヨウ化メチレントリブチルスズ(I
CH2SnBu3)を加えて反応することにより行うこと
ができる。反応は、例えば約−78〜約+50℃程度
で、例えば約0.5〜約5時間程度の条件下で行うことが
できる。尚、ここで使用するヨウ化メチレントリブチル
スズは、J.Orgmetal.Chem., 30
151〜166(1971)に記載の方法により容易に
合成することができる。
上記反応に使用する水素化ナトリウムの使用量として
は、式(1)化合物に対して、例えば約1〜約2モル程度
の範囲を挙げることができる。又、ヨウ化メチレントリ
ブチルスズの使用量としては、式(1)化合物に対して例
えば、約1〜2モル程度の範囲を例示することができ
る。又、反応に使用する有機溶媒としては、例えばテト
ラヒドロフラン、エーテルなどの如き溶媒を例示するこ
とができる。これら有機溶媒の使用量は、適宜選択変更
できるが、式(1)化合物に対して例えば、約1〜約20
重量倍程度の範囲の使用量を例示することができる。反
応終了後、得られた式(2)′化合物を通常は単離するこ
となく、次の反応に使用することができる。
例えば、上述のようにして得られた式(2)′化合物から
本発明の式(A)−2化合物の形成は、式(2)化合物を
有機溶楳中でブチルリチウムと接触させることにより容
易に行うことができる。反応は、例えば約−78〜+3
0℃程度の温度範囲内で、例えば、約0.5〜約5時間程
度の時間反応することにより容易に行うことができる。
反応に使用するブチルリチウムの使用量としては、例え
ば、式(2)′化合物に対して約1〜約2モル程度の範囲
を好ましく例示することができる。又、有機溶媒として
は、例えばエーテル、テトラヒドロフランなどの如き溶
媒を例示することができる。これら溶媒の使用量は、適
宜選択して行うことができるが、例えば式(2)′化合物
に対して約1〜約20重量倍程度の範囲を挙げることが
できる。反応終了後は、反応液を塩化アンモニア水溶液
中に注入し、例えばヘキサンで抽出し、水洗後乾燥した
後、カラムクロマト、蒸留などの如き手段で精製するこ
とにより、純粋な式(A)−2化合物を得ることができ
る。
上述した本発明式(A)化合物の製造態様において使用
する式(1)化合物は、同一出願人の出願に係わる特開昭
57−134428号に記載された化合物であつて、該
特開昭57−134428号に開示された方法で製造で
きるが、本願と同日付けの同一出願人の出願に係わる改
良方法(特願昭60− 号)によつてさらに
有利に製造することができ、好ましい。
該改良方法によれば、下記工程図に示した式(b)で表わ
される3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−カルバルデヒドを水素化することによつて、上記式
(1)化合物を容易に製造することができる。該式(b)化合
物の製造態様を包含した工程図を以下に示す。
上記式(1)化合物の合成法について、上記工程図に従つ
て以下に更に詳しく説明する。
上記工程図において、式(d)2,2,3−トリメチル−
6−ヒドロキシメチレンシクロヘキサノンは、市場で入
手容易若しくは合成容易な2,3−ジメチルシクロヘキ
サノンを、例えば、水素化ナトリウムの存在下に臭化メ
チルでメチル化し、次いでナトリウムメトキサイドの存
在下にギ酸エチルと反応させることにより容易に合成で
きる。
式(d)化合物から式(c)2,2,3−トリメチル−6−
(1−エトキシエトキシメチレン)シクロヘキサノンを
得るには、式(d)化合物を酸の存在下にエチルビニルエ
ーテルと反応させることにより容易に合成することがで
きる。この反応に使用する酸としては、例えばリン酸、
硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸などを挙げること
ができる。これら酸類の使用量としては、酸の種類によ
っても異なるが、式(d)化合物に対して例えば、約0.5〜
約10%程度の範囲を好ましく例示することができる。
又、エチルビニルエーテルの使用量は適宜選択すること
ができるが、例えば、式(d)化合物に対して約1〜約1
0モル程度の範囲を挙げることができる。反応は、例え
ば約0°〜約50℃程度の温度条件下に例えば約1〜約
5時間程度の条件下で容易に行うことができる。反応終
了後は、たとえば、重炭酸ナトリウム水溶液中に注入
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して式(c)化合物
を得ることができた。
上記式(b)3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセ
ン−1−カルバルデヒドを合成するには、例えば上述の
ようにして合成することのできる式(c)化合物を溶媒中
還元試薬の存在下に水素化することにより容易に合成す
ることができる。反応温度及び反応時間は適当に選択で
きるが、例えば約0〜約50℃程度、約1〜約5時間程
度を例示することができる。溶媒としては、例えばエタ
ノール、水、イソプロピルアルコール、エーテル、TH
Fを挙げることができる。これら有機溶媒の使用量も適
宜に選択できるが、例えば式(c)化合物に対して約0.5〜
約5重量%程度の範囲を例示することができる。又、還
元試薬としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化アルミニウムリチウムなどを例示することができ
る。これら還元試薬の使用量としては、式(c)化合物に
対して例えば、約1/4〜約2モル程度の範囲を挙げるこ
とができる。反応終了後は常法に従つて後処理して式
(b)化合物を容易に合成することができる。
式(1)1−(3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−メチルアルコールを合成するには、
例えば上述のようにして得ることのできる式(b)化合物
を、例えば有機溶媒中、還元試薬の存在下に、水素化す
ることにより容易に合成することができる。反応条件及
び反応方法は、上述の式(c)化合物から式(b)化合物を合
成する方法について述べたところに準じて行うことによ
り式(1)化合物を容易に合成することができる。
本発明の式(A)に包含される式(A)−1化合物の香
気は、グリーン、シトラス、フルーツ様で重い感じの香
気香味特性有していた。又式(A)−2化合物の香気
は、軽いグリーン、パインニードル様の甘い感じを有す
る香気香味特性を有していた。
本発明の前記式(A)化合物は、各種の合成香料、天然
香料、天然精油、合成精油、柑橘油などと良く調和し、
式(A)化合物を利用して新規な香料組成物が調整でき
る。より具体的には、式(A)化合物を例えば、ベルガ
モツト油、レモン油、ゼラニウム油、ラベンダー油、マ
ンダリン油などの合成精油中に配合すると、天然精油が
本来有する香気香味にマイルドでこくがあり且つ持続性
ある改良効果を合成精油に賦与することができる。ま
た、例えば、オレンジ、ライム、レモン、グレープフル
ーツなどの如き柑橘精油類;ラベンダー油、ベチバー
油、シダーウツド油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ラ
バンジン油、サンダル油などの如き天然精油;に対して
も良く調和し、その精油の特徴を強調することができ、
まろやかでこくがあり天然らしさを有し、加えてすぐれ
た持続性のある新規な香料組成物を調製することができ
る。更に、例えば、各種合成香料、天然香料、天然精
油、柑橘油などから調製される例えば、ストロベリー、
レモン、オレンジ、グレープフルーツ、アツプル、パイ
ナツプル、バナナ、メロンなどの如きフレーバー組成物
に配合するとマイルドでこくのある天然らしさがあり且
つ持続性の強調された香料組成物が調製できる。上記式
(A)化合物の配合量は、その目的及び配合される香気
香味組成物によつても異なるが、例えば、一般的には全
体の約0.001〜約30重量%程度の範囲を例示すること
ができる。
斯くして、本発明によれば、式(A)化合物を有効成分
としてなる持続性香気香味賦与乃至改良補強剤が提供で
き、該剤を利用して、式(A)化合物を香気香味成分と
して含有することを特徴とする飲食物類、式(A)化合
物を香気成分として含有することを特徴とする香粧品
類、式(A)化合物を香気香味成分として含有すること
を特徴とする保健・衛生・医薬品等を提供することがで
きる。
例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料の
如き飲料類;アイスクリーム類、シャーベツト類、アイ
スキヤンデー類の如き冷菓類;和・洋菓子類、ジヤム
類、チューインガム類、パン類、コーヒー、ココア、紅
茶、お茶の如き嗜好品類;和風スープ類、洋風スープ類
の如きスープ類;風味調味料、各種インスタント飲料乃
至食品類、各種スナツク食品類などに、そのユニークな
香気香味賦与できる適当量を配合した飲料物類を提供で
きる。又例えば、シヤンプー類、ヘアクリーム類、ポマ
ード、その他の毛髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅、そ
の他の化粧用基材や化粧用洗剤類基剤などに、そのユニ
ークな香気を賦与できる適当量を配合した化粧品類が提
供できる。更に又、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、防臭
洗浄類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生用洗剤類:
歯みがき、テイツシュー、トイレツトペーパーなどの各
種の保健・衛生材料類;医薬品の服用を容易にするため
の矯味、賦香剤など保健・衛生・医薬品類に、そのユニ
ークき香味を賦与できる適当量を配合もしくは施用した
保健・衛生・医薬品類を提供できる。
(e)実施例及び参考例 参考例 N,N−ジメチルアセトニトリルの合成 ジメチルアミン50%水溶液90g中に水冷下50%グ
リコノニトリル水溶液114gを加え3時間室温で撹拌
する。エーテルを加え食塩で塩析後抽出を行なう。抽出
液は硫酸マグネシウムで乾燥処理後蒸留し、目的物を得
る。67g 沸点 130〜135℃/760mmHg 収率 80% 式(A)−1 シス−γ−メチルシクロシトラールの合
成 (1) 1−(3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)メチレンブロミド式(2)の合成 1−(3,4,4−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)メチルアルコール式(1)15.4g(0.1モル)
をピリジン1gとともに乾燥エーテル100m中に仕
込む。氷水浴で冷却内温を10±5℃に保つ。同温度で
三臭化リン10.8g(0.04モル)を滴下する。滴下終了
後1時間撹拌を続け一夜放置する。
反応液を氷水中に注入、エーテル層を分離、食塩水洗、
重ソー水中和、硫酸マグネシウム乾燥処理、濃縮を行な
う。シリカゲルカラムクロマトにより精製する。
Rf=0.731(n−ヘキサン/酢エチ=3/1)16g
収率70%(ワコーゲルC−200 150gn−ヘキサ
ン/酢エチ=9/1) (2) シス−2−(2−メチレン−5,6,6−トリメ
チルシクロヘキサン−1−イル)N,N−ジメチルアセ
トニトリル式(3)の合成 式(2)2.3g(10ミリモル)、N,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル0.84g(10ミリモル)炭酸カルシウム
2.2g(16ミリモル)をDMF12mとともに50m
フラスコに仕込みアルゴン下24時間、室温下撹拌反
応する。終了後n−ヘキサン100mを加え水洗を行
なう。硫酸マグネシウム乾燥処理、濃縮後シリカゲルカ
ラムクロマトすることによりRf=0.602(n−ヘキサ
ン/酢エチニ3/1)を有する式(3)1.8gを得た。収率8
2% (3) シス−γ−メチルシクロシトラール式(A)−1
の合成 式(3)12gを0.5規定硝酸銀150m、テロラヒドロ
フラン240m、エーテル120mとともに仕込み、
室温下24時間撹拌する。生成した結晶をロ過し得られ
た有機層を分離、硫酸マグネシウム(無水)で乾燥す
る。エバポレーターで濃縮後残液を減圧下に精留するこ
とにより沸点54〜56℃(2mmHg)を有するシス−
γ−メチルシクロシトラール式(A)−15.3gを得
た。収率 58.8% IR:3060、1720、1640、895cm-1 式(A)−2 シス−γ−メチルシクロゲラニオールの
合成 (1) ヨウ化メチレントリブチルスズの合成 500m四つ口フラスコに酢酸第二銅0.2gを加え、氷
酢酸20m中に加熱溶解する。砂状亜鉛13g(0.2モ
ル)を加え2分撹拌する。デカント処理し、20mの
酢酸で洗浄する。更にエーテル40mで3回洗浄し、
乾燥する。
乾燥THF35mを加え、アルゴン雰囲気下に保つ。
この中に撹拌下ジヨウ化メタン54g(0.2モル)のT
HF35m溶液を滴下する。(40±3℃、2時間)
次に塩化トリブチルスズ30m(0.11モル)を加え、
室温下一夜撹拌反応する。
終了後反応液を氷水中に注入エーテル抽出する。抽出液
を希塩酸水で洗浄する。硫酸マグネシウム乾燥処理後、
濃縮蒸留することにより沸点110〜118℃(1mmH
g)を有する目的物を得る。
収率 93.6% (2) 1−(3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)メチレンオキシメチレン−1−トリブ
チルスズ式(2)′の合成 60%水素化ナトリウム3.9g(97ミリモル)をn−
ヘキサンで洗浄する。アルゴン雰囲気下乾燥THF10
0mを加え、次いで1−(3,3,4−トリメチル−
1−シクロヘキセン−1−イル)−メチルアルコール式
(1)10g(65ミリモル)を10±5℃で滴下する。
水素の発生が止むまで更に1時間室温で撹拌する。更に
ヨウ化メチレントリブチルスズ15m(50ミリモ
ル)を加え48時間室温で撹拌する。
反応終了後反応液は、そのまま次の反応に使用する。
(3) シス−γ−メチルシクロゲラニオール式(A)−
2の合成 式(2)′10g(44ミリモル)をアルゴン雰囲気下乾
燥THF500m中に仕込み−65℃にする。この中
に1.5規定n−ブチルリチウム190m(285ミリモ
ル)を10分で滴下する。その後ゆつくりと内温を上昇
させ−10℃で反応を停止する。(60分)反応液を塩
化アンモン水中に投入、エーテル抽出する。食塩水洗
後、硫酸マグネシウム乾燥処理して濃縮する。残渣を減
圧下に蒸留して、沸点68°〜69℃/2mmHgを有す
る式(A)−2を6.3g得た。収率85% 香気香味組成物の製造 (1) ヒヤシンス系の香気組成物を下記の各成分(重量
部)で混合することによつて製造した。
フエニルアセトアルデヒド 100 シンナミツクアルコール 150 ヒヤシンスブソリュート 20 フエニルエチルアルコール 100 α−イオノン 30 ベンジルプロピオネート 70 イランイラン油 20 アミルシンナミツクアルデヒド 50 イソオイゲノール 40 ベンジルアルコール 100 ジメチルベンジルカルビノール 30 ガルバナムレジノイド 50 フエニルアセトアルデヒドジ メチルアセタール 80 ラウリルアルコール 20 ネロール 80 ヘリオトロピン 60 1000 上記組成物100gに本発明の品のシス−γ−メチルシ
クロゲラニオール式(A)−27gを混合し新規香料組
成物を製造した。このものの香気は天然のヒヤシンスの
芳香を強調した香気を有し、且つ優れた持続性を有する
新規なヒヤシンス系調合香料が得られた。
(2) パイナツプル用香気香味成分として下記の各成分
(重量)を混合した。
エチルアセテート 300 エチルブチレート 250 イソアミルアセテート 100 イソアミルバレレート 55 イソ酪酸 70 イソ吉草酸 30 アリルカプロエート 35 エチルカプロエート 20 エチルカプリレート 15 イソアミルアルコール 35 ジエチルマロネート 30 シトラール 15 リナロール 5 マルトール 20 1000 上記組成物1000gに本発明のシス−γ−メチルシク
ロシトラール式(A)−1 20gを混合し新規香料組
成物を製造した。このものの香気はトツプノート(先立
ちの香気)が新鮮で且つ甘味のある従来にない新規なパ
イナツプル様の香気香味を有していた。又、すぐれた持
続性を有していた。
(f) 効果 本発明によれば、天然イリス様の香気を有する香料的価
値の高い(±)−シス−γ−イロンを合成するのに極めて
有利な新規合成中間体、ならびにその新規な製法を提供
することができる。
本発明の式(A)−1及び式(A)−2から(±)−シス
−γ−イロンの合成例を示すと以下のように表わすこと
ができる。
又、式(A)−1及び式(A)−2が、各種の香料組成
物の変調剤、改良剤、補強剤として利用でき、新規な各
種の香料組成物が提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A)−1 で表わされるシス−γ−メチルシクロシトラール。
  2. 【請求項2】下記式(3) 式中、R′及びR″はそれぞれ低級アルキル基を示す
    か、或いはR′とR″は一緒になって低級アルキレン基
    を示す、 で表わされるシス−2−(2−メチレン−5,6,6−
    トリメチルシクロヘキサン−1−イル)−N,N−ジア
    ルキルもしくは−アルキレンアセトニトリルを、有機溶
    媒中で硝酸銀と接触させることを特徴とする下記式
    (A)−1 で表わされるシス−γ−メチルシクロシトラールの製
    法。
JP60082629A 1985-04-19 1985-04-19 シス−2,2,3−トリメチル−6−メチレン−シクロヘキサン誘導体及びその製法 Expired - Lifetime JPH062701B2 (ja)

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