JPH0627217B2 - 赤リン系難燃剤の製造方法 - Google Patents

赤リン系難燃剤の製造方法

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JPH0627217B2 JP62261252A JP26125287A JPH0627217B2 JP H0627217 B2 JPH0627217 B2 JP H0627217B2 JP 62261252 A JP62261252 A JP 62261252A JP 26125287 A JP26125287 A JP 26125287A JP H0627217 B2 JPH0627217 B2 JP H0627217B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <発明の技術分野> 本発明は、赤リン系難燃剤の製造方法に関し、特に高度
の安定性を有する赤リン系難燃剤の製造方法に関する。
<発明の背景> 赤リンは合成樹脂の難燃剤として公知であり、種々の樹
脂に添加されているが、市販の赤リンがそのまま用いら
れることは少なく、多くの場合何等かの安定化処理が施
されている。
これは、赤リンそれ自体が熱、摩擦、衝撃等に対して不
安定なため、保管時や取扱時に、また合成樹脂との混練
時に危険を伴い易く、さらには空気中の水分や酸素と反
応して有害物質を生成したり、合成樹脂との相溶性が悪
く、使用安定性に欠けること等によるもので、通常無機
物又は有機物による被覆処理が行われている。
しかし、近年、合成樹脂材料の物性に対する要求が厳し
さを増すと共に赤リン系難燃剤についてもより高度の安
定性を持つものが求められるようになってきた。
熱硬化性樹脂においては、高圧電子部品の絶縁材の難燃
化に赤リン系難燃剤が用いられているが、電気機器の小
型化、高電圧化に伴い絶縁性能の改善が要求され、従来
の赤リン系難燃材では対応が困難な状況となっている。
即ち、従来の赤リン系難燃剤は、安定化が十分でないた
め、配合樹脂中で微量の湿分により徐々に変質して腐食
性物質を生成し、これが経時的に樹脂を劣化させ、また
部品を構成する金属を腐食して絶縁不良や性能の低下を
もたらし、耐用性や信頼性をも低下させることが指摘さ
れており、この赤リン系難燃剤の安定性の改善による耐
湿性、耐食性の改善が求められている。
一方、熱可塑性樹脂は、成型品や装置、機器類のハウジ
ング等に多く使用されているが、成型温度が高いため、
高温で不安定で発火したり、ホスフインを発生したりす
る赤リン系難燃剤は殆ど使用されず、主としてハロゲン
系難燃剤が添加されている。
しかし、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時に著しく発煙し多
量の有害ガスを発生するため、合成樹脂の火災安定性に
対する関心が高まる中でこのような多量の公害性ガスを
発生する添加物の使用は、人体に対する安全性のみなら
ず装置、機械類の保全の点でも問題があることは明らか
であり、燃焼時の発煙や有害ガスの発生が少なく、火災
時の安全性、低公害性という点で遥かに優れた赤リン系
難燃剤の耐熱安定性を改善して熱可塑性樹脂用としても
使用できるものの出現が望まれているところである。
<発明の目的> 本発明者等は、このような状況の中で赤リン系難燃剤の
安定化の問題に取り組み、従来のような単なる赤リン粒
子の表面処理のみによる方法には限界があると考え、全
く別の角度から赤リンの安定化について研究を重ねた結
果、従来の赤リンとは異なる製造方法によって得られ、
赤リン粒子の表面状態や物性値も従来品とは全く異なる
特定の形状を持つ赤リンが極めて安定でそれ自体十分難
燃剤として用いうるだけでなく、これを更に表面処理す
ることにより著しく安定性が高められ、耐湿性、耐食
性、耐熱性が共に従来の赤リン系難燃剤を遥かに上回る
ものが得られることを見いだした。
従って、本発明は、改善された安定性と安全性を持つ赤
リン系難燃剤の製造方法を提供しようとすることを目的
とするものである。
<発明の構成及び作用効果> そして、本発明は、 (1)黄リンを250〜600℃に加熱し、黄リンの一部を赤リ
ンに転化して赤リンの含量が70重量%以下の流動性混合
物を形成し(転化反応工程)、 (2)この流動性混合物から未転化の黄リンを除去し(分
離工程)、 (3)得られた球体様粒子及び/又はその集合体粒子から
成る粉末状赤リンに水を加えて懸濁液とした後、熱硬化
性樹脂及び/又は金属の水酸化物で被覆する(表面改質
処理工程)、 ことを特徴とする赤リン系難燃剤の製造方法を要旨と
し、これにより前記した目的とする“改善された安定性
と安全性を持つ赤リン系難燃剤”を提供するものであ
る。
以下、本発明の製造方法について、従来法と対比して詳
細に説明する。
赤リンは黄リンの熱転化によって生成するが、従来の赤
リンの製造方法としては、原料黄リンをその沸点付近の
温度で数日間加熱処理を続け、転化反応を完結させる方
法がとられている。(以下この従来法を「完全転化法」
という。)この場合、赤リンはケーキ状に堅く凝結した
一体の塊状物として生成する。
しかし、赤リンが合成樹脂中において難燃硬化を発現す
るためには粉末状であることが必要であり、従って転化
釜から一体の塊状物として製出する通常の赤リンにおい
ては、粉砕工程は不可欠のものである。
これに対し、本発明の製造方法では、転化の処理条件が
異なるため、赤リンは微粒子で構成される粉末として直
接的に得られ、粉砕工程は必要としない。
即ち、本発明の製造方法では、まず原料黄リンを不活性
ガスで置換した反応容器にいれて加熱溶融し転化反応を
開始させる。次に、赤リンへの転化が進行し所定の転化
率(70重量%以下の転化率)に達した時この反応を停止
し、任意の方法で未転化の黄リンを除去するものであり
(以下「部分転化法」という)、これにより従来の完全
転化法のように塊状物として生成せず、粉末状の赤リン
として生成する。
本発明者等は、このような部分転化法によって得られる
粉末状赤リンが従来の粉砕赤リンに比べ著しく安定性が
高いことを発見して本発明を完成するにいたった。
本発明者等の研究によれば、黄リンから赤リンへの転化
は比較的低温から始まり、沸点付近で顕著となり、更に
温度の上昇と共に反応速度は増大する。低い温度領域で
は、赤リンは溶融黄リン中において球体様の微粒子とし
て生成するが、温度の上昇と共に微粒子は集合体を形成
し粒径が増大する。
粒子の成長はまた、反応時間の延長によっても認められ
る。このため、反応温度が高過ぎるか、あるいは反応時
間が長過ぎる場合、反応が過度に進行して黄リンの大部
分が赤リンに転化するため、赤リンは粒子として存在す
ることができず、凝結した塊状物となり粉末状赤リンは
得られなくなる。
本発明者等は、過度の転化反応を抑え、赤リンを微粒子
からなる粉末状として収得するためには、250〜600℃に
おいて反応混合物の流動性を保ちつつ転化させることが
必要であり、また反応混合物の流動性は転化率を70%以
下とすることで保持できることを見いだした。
転化率は、温度と反応時間によって変わり、低温ほど、
また反応時間が短いほど低くなる。従って、転化率は処
理温度と時間の調整により任意に設定することができる
が、転化率を70%以下に抑えることによって反応混合物
は流動状と成り、未転化黄リンの分離後に得られる赤リ
ンは球体様の粉末が生成されることになる。
反応温度が250℃未満では、反応速度が極めて小さいた
め実際的な製造条件としては好ましくなく、また600℃
を超えると、転化速度が過大となって反応の制御が困難
となり急激に反応混合物の流動性が失われて塊状物が生
成し、従来法と同様粉砕工程を経ずに粉末状赤リンを得
ることができなくなる。
本発明の部分転化法で得られる粉末状赤リンの粒子は、
前述のように反応温度が低く、また反応時間が短いほ
ど、従って転化率が低いほど粒径は小さくなる。逆に反
応時間が長く転化率が高くなると、粒子の集合度が高ま
り粒径は大となるが、本発明の方法における流動性のあ
る反応混合物から得られる集合体粒子は、塊状赤リンと
は異なり結合性が極めて弱いため、脆くて崩れやすく粉
砕と言うほどの処理は必要とせず、簡単な機械的処理で
容易に崩壊し粉末状となる。
しかもこの集合体粒子の安定性は、このような崩壊処理
によっても失われることがなく、集合体粒子を崩壊して
得られる粉末赤リンも依然高い安定性を示すことが測定
結果から明らかである。
従って、本発明の方法で得られる粉末状赤リンは、集合
体粒子の崩壊によって得られる粉末状赤リンをも含むも
のである。
本発明の部分転化法で得られる粉末状赤リンの粒径は、
数μmから100μm程度であり、また粒度分布は、従来
の完全転化法で得られる塊状の赤リンを粉砕した赤リン
(以下「粉砕赤リン」という)に比して分布幅が狭く均
一性が高いことを特徴である。
本発明の方法では、黄リンから赤リンへの転化を従来の
完全転化法とは異なる部分転化法によっているため、未
反応黄リンの除去工程(分離工程)が必要となるが、こ
れには蒸留法、濾過法、溶媒抽出法など任意の方法を用
いることができる。
蒸留法は、反応停止後(転化反応工程後)、不活性ガス
中で減圧又は常圧下で黄リン分を蒸留除去する方法であ
り、濾過法は、反応混合物を水又は水溶液中に投入した
後赤リンを濾別し、更に付着黄リンをアルカリ溶液で洗
浄して乾燥する方法であり、また溶媒抽出法は、反応混
合物から黄リン溶解性の溶媒を用いて黄リンを抽出する
方法であり、これ等は二つ以上の方法を組み合わせて用
いることもできる。何れの場合も分離黄リンは再び赤リ
ンへの転化反応工程に循環させることが可能である。
赤リンの表面改質処理として、赤リンを熱硬化性樹脂や
金属の水酸化物で被覆する際、転化反応工程と被覆処理
工程とを連続して実施するのが好都合であるが、本発明
の方法によれば、これを好適に実施することができる。
即ち、本発明の方法では、赤リンへの転化反応終了後、
反応混合物から未転化黄リンを分離除去し、得られた赤
リンに直接水を注入して粉末赤リンをスラリー状とした
り、あるいは直接窒素ガス等で圧送して被覆工程(表面
改質処理工程)に移送することができ、この被覆工程を
容易に連続化することができる利点を有する。
これに対し、従来の完全転化法では、転化槽中で生成し
た赤リンが堅固に凝結した一体の塊状物となり、該塊状
物を粉砕する煩雑な工程が不可欠であり、また槽の側壁
にも固着しているため多大な労力を要する取出作業が必
要となる欠点を有する。通常、転化槽中の塊状赤リンを
掘削機等を用いて掘り起こし、クラッシャーで粗粒状と
した後粉砕機で粉砕するという煩雑な手順を経て粉末化
が行われるため、本発明のように転化反応工程、分離工
程及び表面改質処理工程(被覆工程)を直結した一連の
工程で接続することは不可能である。
また、従来の完全転化法で得られた固結赤リン中には未
転化の黄リンが内包されて残留し易く、赤リンの品質が
低下したり、後続工程での発火の原因となるが、本発明
の方法では、赤リンが粉末状として生成するため、蒸留
などによる未転化黄リンの除去が容易であり、この様な
問題は生じない。
このように本発明の方法では、危険な粉砕工程を含まな
い一連の簡素化された製造工程により、高品質の赤リン
系難燃剤を容易に経済的に製造することができるもので
あるが、最も重要なことは、本発明の方法で得られる赤
リンは、それ自体従来の安定化赤リンを遥かに上回る高
い安定性を持つことである。
そして、この部分転化法によって得られた球体様赤リン
を更に熱硬化性樹脂及び/又は水酸化アルミニウム、水
酸化亜鉛のような金属の水酸化物で表面処理することに
より、その安定性は飛躍的に向上し、赤リン系難燃剤の
添加による合成樹脂の劣化の問題が殆ど無くなり、ほぼ
完璧な耐湿性、耐食性が付与されるものである。その上
耐熱安定性の改善も著しく、熱可塑性樹脂の難燃剤とし
ても安全に使用することができるものである。
本発明の赤リン系難燃剤のこのような特異な安定性は、
本発明の方法で製造した赤リンの粒子の表面状態が従来
の粉砕品(粉砕赤リン)とは著しく異なることに由来す
ると考えられる。
即ち、従来の粉砕赤リンのように堅固に凝結した塊状物
を粉砕して得られる粉粒体では、粒子表面が鋭い稜線や
破砕面から構成された複雑な形態をなしているが、本発
明の方法で得られる赤リンの粒子は、粉砕工程を経ない
ため粉砕面や稜線は殆ど無く、自然発生的に連続した球
体様の表面を持つ粒子やその集合体で構成されているこ
とを電子顕微鏡による観察で確認することができた。
このため、粉砕赤リンの粒子は、表面の破砕面に多く活
性点を持ち水分や酸素との反応が活発であるのに対し、
本発明の赤リンは、活性点が殆ど無く表面が極めて安定
で水分や酸素との反応が生起し難く、その結果、耐湿安
定性、耐熱安定性が著しく向上する。
更に、熱硬化性樹脂や金属の水酸化物による表面処理に
際しても、粉砕赤リンは表面の状態から被覆形成が不均
一で露出破砕面が残存しやすいが、一方本発明の赤リン
では被覆が均一かつ完全に行われるため被覆赤リンの安
定性に決定的な差が生じるものである。
熱硬化性樹脂及び/又は金属の水酸化物による表面処理
の方法としては、公知の手段(例えば特開昭61-291644
号公報、特開昭61-219706号公報参照)を採用すること
ができる。
このうち、熱硬化性樹脂としてはフェノール・ホルマリ
ン系、尿素・ホルマリン系、メラミン・ホルマリン系、
フルフリルアルコール・ホルマリン系、アニリン・ホル
マリン系等のホルマリン系樹脂や多価アルコール・多塩
基酸系の樹脂等が適しており、水100重量部に対して赤
リン10〜100重量部を含む赤リンの水懸濁液に樹脂の合
成原料又は初期縮合物を赤リン100重量部に対し1〜35
重量部添加し、40〜100℃で1時間攪拌処理を行う。
この際必要に応じて重合触媒や水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム又は水酸化チタンのような充填剤を共
存させることができる。
充填剤の添加により樹脂被覆の機械的強度が向上すると
共に、赤リン特有の紫紅色に対する隠蔽効果があり、赤
リン系難燃剤の用途の拡大が可能となる。
また、金属の水酸化物による被覆は、例えば水酸化アル
ミニウムや水酸化亜鉛で被覆する場合、アルミニウムや
亜鉛の硫酸塩、塩化物の水溶液を赤リンの水懸濁液に加
え、水酸化ナトリウムによる中和又は重炭酸アンモニウ
ムによる複分解によって水酸化アルミニウム又は水酸化
亜鉛を赤リン粒子上に吸着させる。この場合、赤リンの
水懸濁液は水100重量部に対し赤リン10〜100重量部が好
ましく、また金属塩の水溶液濃度:5〜30%、水酸化物
の被覆生成量:赤リン100重量部あたり1〜30重量部が
好ましい。
また、本発明の表面改質処理工程(被覆工程)として、
金属水酸化物で被覆した後、更に熱硬化性樹脂により二
重に被覆処理したものは最も安定性に優れ、過酷な条件
下においても変質することがなく、これを用いて難燃化
した樹脂は、長時間に亘って赤リン系難燃剤の添加によ
る影響が殆ど現われない。二重被覆を行う場合、金属の
水酸化物による被覆量は赤リン100重量部に対して0.1〜
30重量部が好ましい。
なお、赤リンの製造法に係る従来技術として、前記の完
全転化法にかえて赤リンへの熱転化と黄リンの蒸発とを
同時に行う方法が知られている。
例えば特開昭60-141608号公報には、赤リンへの熱転化
が沸点で行われ、黄リンを蒸発させ、黄リンの蒸気が反
応容器から放出され、かつコンデンサーで集収されるこ
とを特徴とする方法について記載されており、この方法
によれば、赤リンは柔らかく砕け易い塊として得られ、
更に殆ど操作を必要とすることなしに所望の粒子形態を
得ることができる旨記載されており、本発明との類似性
がうかがわれる。
しかし、この従来技術による赤リンの製造法では、赤リ
ンの転化及び黄リンの蒸発を同時に行うことが必須要件
とするものであり、従って、 (1)赤リンへの転化反応工程(赤リンの含量が70重量%
以下の流動性混合物を形成する工程、即ち赤リンへの転
化率を70%以下とし、流動性混合物を形成する工程)、 (2)黄リンを除去する分離工程、 とを別々の工程として構成される本発明の方法と明らか
に相違する。
その上、上記従来技術では、得られる赤リン生成物が単
に“多孔質で柔らかい”旨開示されているにすぎなく、
本発明で意図する赤リン系難燃剤として好適な物理的性
質(後記表1参照)を有する赤リンが得られることにつ
いては皆無である。
また、別の従来技術として、特公昭59-19044号公報に
は、高率で転化反応が生起するように、また高純度の赤
リンを得ることを目的として、所定温度に設定した回転
ボールミルに徐々に黄リンを導入して転化反応を行い、
転化終了後、水を加えて更に湿式摩砕する方法が記載さ
れている。
この方法によれば、製造工程に粉砕手段を組込むことで
赤リンを粉末化しているものであり、粉砕工程を必要と
しない部分転化を必須要件とする本発明とは明らかに異
なる。また粉砕処理を含むため、本発明のような球体様
粒子から成る粉末状赤リンは得られない。
<発明の効果> 後記表1、2に示すように、本発明の方法で製造した赤
リン系難燃剤は、従来の粉砕赤リンによるものに比べて
いずれも発火点が高く耐熱安定性に優れ、かつ耐湿安定
性も大幅に向上しており、水分との反応に起因するホス
フインの発生や腐食性酸性物質の生成が殆ど無いため、
安全性の高い熱可塑性樹脂用難燃剤として、また耐湿、
耐食性に関して高度の品質安定性が求められる高圧電子
部品用絶縁樹脂の難燃剤として最適であり、極めて有用
性の高いものである。
また、本発明の方法は、工程面においても粉砕工程を必
要とせず、工程の連続化が可能であるため従来法に較べ
て、設備、労力、経費等の面で有利であり優れた経済性
を持つものである。
<実施例> (実施例1) 黄リン500gを窒素ガスで置換したステンレス製容器に入
れて密封し、270℃で4時間加熱した後未転化の黄リン
を除去した。平均粒径50μmの流動性のある粉末状赤リ
ン211gを得た(赤リンへの転化率:42.2%)。
上記赤リンを水400mlに懸濁し10%硫酸アルミニウム水
溶液150mlを加え、十分攪拌しながら5%水酸化ナトリ
ウム水溶液50mlを滴下し、50℃に加熱して30分間保持し
た。これを濾過、水洗後乾燥して赤リン系難燃剤217gを
得た。
(実施例2) 黄リン100gを窒素ガスで置換した高圧反応容器に入れて
密封し、30分で480℃に昇温し10分間その温度に保持し
た後冷却した。未転化黄リンを除去し68gの粉末状赤リ
ンを得た(赤リンへの転化率:68%)。この赤リンは10
0meshの篩テストで残分は22%であったが、指で粉化す
ることにより100mesh全通となった。
次に、これを水200mlに懸濁させフェノール3g、37%
ホルマリン6gを添加、80℃に加熱して攪拌下に85%リ
ン酸2gを加えた。1時間同温度で加熱攪拌後放冷、濾
過、乾燥して赤リン系難燃剤72gを得た。
(実施例3) 黄リン200gを窒素ガスで置換した反応容器に入れて密封
し、280℃で1.5時間加熱後未転化の黄リンを除去した。
平均粒径28μmの粉末状赤リン36gを得た(赤リンへの
転化率:18%)。
これを水100mlに懸濁し8%硫酸アルミニウム水溶液8m
lを添加して攪拌後15%重炭酸アンモニュウム水溶液10m
lを滴下し60℃で10分間加熱した。
次に、フェノール2g、37%ホルマリン4gを加え80℃
に加熱して攪拌下に85%リン酸1gを加えた。1時間同
温度で攪拌を続けた後、放冷、濾過、乾燥して赤リン系
難燃剤39gを得た。
上記実施例1〜3で得た赤リンの物性を表1に、また同
赤リン系難燃剤の安定性を表2にそれぞれ示す。
(比較例1) 市販の粉砕赤リン(その物性を表1に付記した)を前記
実施例1と同様に被覆処理した。
得られた赤リン系難燃剤の安定性を表2に付記した。
(比較例2) 比較例1で用いた市販の粉砕赤リンを前記実施例2と同
様に被覆処理した。
得られた赤リン系難燃剤の安定性を表2に付記した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−291644(JP,A) 特開 昭61−219706(JP,A) 特開 昭60−141608(JP,A) 特公 昭59−19044(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黄リンを250〜600℃に加熱し、黄リンの一
    部を赤リンに転化して赤リンの含量が70重量%以下の流
    動性混合物を形成し、この流動性混合物から未転化の黄
    リンを除去し、得られた球体様粒子及び/又はその集合
    体粒子から成る粉末状赤リンに水を加えて懸濁液とした
    後、熱硬化性樹脂及び/又は金属の水酸化物で被覆する
    ことを特徴とする赤リン系難燃剤の製造方法。
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