JPH06293633A - 水性腸溶性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

水性腸溶性エマルジョンの製造方法

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JPH06293633A
JPH06293633A JP7793193A JP7793193A JPH06293633A JP H06293633 A JPH06293633 A JP H06293633A JP 7793193 A JP7793193 A JP 7793193A JP 7793193 A JP7793193 A JP 7793193A JP H06293633 A JPH06293633 A JP H06293633A
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JP
Japan
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emulsion
polymer
enteric
coating
ethyl acetate
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JP7793193A
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Hiroyasu Kokubo
宏恭 小久保
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明は少量の乳化剤の使用だけで温度安定性
が改善され凝集の心配のない水性腸溶性エマルジョンの
製造方法を提供する。 【構成】この水性腸溶性エマルジョンの製造方法は、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネ
ートの酢酸エチル溶液を、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースアセテートサクシネートの1〜5重量%の界面
活性剤を含有する水に加えて、高圧ホモジナイザーで 2
00kg/cm2以上の処理圧力で2回以上乳化した後、酢酸エ
チルを除去するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸に弱い薬物を胃酸か
ら保護したり、胃壁に対する刺激、傷害を有する薬物か
ら胃粘膜を保護したりする等の様々な目的で広く使用さ
れている腸溶性コーチング基剤として有用な水性腸溶性
エマルジョンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腸溶性コーチング剤としては、セ
ルロース系のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート(以下、HPMCPとする。以下同様)、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート
(HPMCAS)、セルロースアセテートフタレート
(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース、アク
リル系のメタアクリル酸とアクリル酸エチルの共重合物
などが知られている。これらの基剤はポリマーを有機溶
剤に溶解して用いるか、または水性ラテックスあるいは
水分散液としてコーチングに用いることができる。近
年、有機溶剤の使用が環境問題から規制される方向にあ
り、水系で用いることが普及しつつある。水性コーチン
グ技術については以下に説明するように既に多くの技術
が公知となっている。アクリル系の基剤ではメタアクリ
ル酸とアクリル酸エチルの共重合体の水性エマルジョン
が知られている。このものは特公昭60-43334号公報によ
れば乳化重合により作られるため、エマルジョン中のポ
リマー粒子が1μm 以下で安定である。しかしながら、
乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、モノマー等が残留し
ている問題があり好ましくない。
【0003】セルロース系の基剤では、幾つかの方法が
提案されている。これらを大きく分類すると、1)塩類
を添加するか、または腸溶性基剤の持つカルボキシル基
を完全または部分中和する方法と、2)腸溶性ポリマー
粒子を微粒子とし水分散液とする方法、とに分けられ
る。前者については、例えば、特公昭61-56221号公報に
よれば、CAPを米国特許4,177,177号明細書に記載の
方法にしたがって乳化し、ついで凝集防止剤としてりん
酸塩を添加してスプレードライすることで、水に再分散
する腸溶性ポリマー粉末が得られるとしている。また特
開昭56-30913号公報にはCAPまたはHPMCPをアン
モニアにより中和した水溶液としてコーチングに用いる
方法が、さらに特開昭58−135807号公報にはアルカリに
より中和して溶解した後、カルボン酸を添加する方法
が、それぞれ開示されているが、これらはいずれも最終
的に得られるコーチング剤の腸溶被膜中にカルボン酸の
アルカリまたはアンモニウム塩が残留するため、吸湿性
が高く安定性が悪い等の欠陥がある。後者については、
例えば、特公昭56-12614号公報によれば平均粒子径 100
μm以下の腸溶性セルロース誘導体を沸点 100℃以上の
ゲル化剤(可塑剤)を含む水中に分散させることでコー
チング液が得られるとしている。ゲル化剤としてはトリ
アセチンあるいはクエン酸トリエチルが開示されている
(特公昭57-53329号および同58-55125号各公報)。しか
しながら、これらの分散液をコーチングする技術は腸溶
基剤の粒子径が機械的粉砕によるため、その粒子径は少
なくとも1μm以上であり、また加熱により腸溶基剤が
軟化し凝集沈殿する欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セルロース系水系コー
チング技術の欠点を改善する方法として、エマルジョン
化により水中のセルロース系ポリマー粒子の粒子径を小
さくしてやる方法が提案されている(特公平3-39490号
公報)。この方法のエマルジョン化は米国特許第4,177,
177号明細書にしたがうもので、水不混和性の有機溶剤
のポリマー溶液に、安定剤として炭素数8以上の炭化水
素(例えば、セチルアルコール等)と界面活性剤とを加
えて乳化するものである。このように従来の水系腸溶コ
ーチング液組成には、腸溶性ポリマー以外の成分が複数
含まれており、これらは製剤の耐酸性、安定性を損ねる
ことが多く、できるだけ単純な組成のコーチング液の開
発が望まれていた。したがって、本発明の目的は少量の
乳化剤の使用だけで温度安定性が改善され凝集の心配の
ない水性腸溶性エマルジョンの製造方法を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはセルロース
系腸溶性基剤の水系コーチング液の安定性を改善すべく
検討を重ねた結果、セルロース系の腸溶性基剤としてH
PMCASを用いることで、安定化剤の炭素数8以上の
炭化水素を用いることなく、安定な水性腸溶性エマルジ
ョンを製造する方法を見出し、本発明を完成するに至っ
た。本発明のエマルジョンは溶剤を除く際の蒸留操作に
耐えることができ、熱に対して安定である。本発明によ
る水性腸溶性エマルジョンの製造方法は、HPMCAS
の酢酸エチル溶液を、HPMCASの1〜5重量%の界
面活性剤を含有する水に加えて、高圧ホモジナイザーで
200kg/cm2以上の処理圧力で2回以上乳化した後、酢酸
エチルを除去することを特徴とするもので、このエマル
ジョンを用いれば容易に水系コーチングを行うことがで
きる。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる腸溶性基剤としてのHPMCASは、従来有
機溶剤系で用いられてきたセルロース系の腸溶性基剤の
中では造膜性に優れていることから本発明の目的に最も
適している。乳化に用いる酢酸エチル溶液は水と不混和
性(水と混合したときに分離する性質)の有機溶剤の中
で最も乳化性に優れ、また沸点が高くないために乳化後
の除去が容易である。HPMCASの酢酸エチル溶液は
濃度10〜20重量%の範囲が粘性が少なく、乳化後のポリ
マーの粒子径が小さく安定なため好ましい。これ以上の
濃度では溶液の粘度が高くなり過ぎるためポリマー粒子
の粒子径が1μm を超えるものが多く含まれるようにな
り、蒸留等の操作でポリマー粒子の析出が顕著となる。
また、これ以下ではポリマーの濃度が減少するため蒸留
で除く水量が多くなったり、最終的に得られるポリマー
濃度が低くなり過ぎるため実用的でない。
【0007】こうして得られた酢酸エチル溶液は乳化剤
としてのアニオン性の界面活性剤を含む水に高圧ホモジ
ナイザーを用いて乳化してやればよい。乳化剤としては
アニオン性と非イオン性の界面活性剤が挙げられ、これ
にはラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソ
ルビタンセスキオレエートなどが例示される。さらに好
ましくはラウリル硫酸ナトリウムが医薬品添加物として
認可されており、乳化力も強く好適である。乳化剤の添
加量はHPMCASの1〜5重量%である。これが1重
量%未満では、乳化時にポリマーの粒子径を小さくする
効果が少なく、さらに高圧ホモジナイザーで処理する間
に溶液が分離する現象が顕著になる。また5重量%を超
えると、製剤を被覆したときに被膜の透過性が上昇し、
腸溶性製剤としての耐酸性能が低下する。乳化方法は、
例えば、コロイドミル、超音波振動機、ホモジナイザー
等を用いることができるが、これらの中ではホモジナイ
ザー、特に高圧ホモジナイザー(マントンゴーリング)
が粘性のあるポリマー溶液の乳化に適している。これ以
外の乳化装置および通常の撹拌装置は高圧ホモジナイザ
ーの予備混合に用いることができる。得られるエマルジ
ョン中のポリマー粒子径は、できるだけ小さく、とくに
1μm 以下であることがエマルジョンの安定化のために
好ましい。これ以上では乳化後の溶剤の酢酸エチルの除
去に際して析出するポリマーの量が増加するほか、酢酸
エチルの除去後、コーチングに用いるエマルジョンの安
定性も低下する。このため、高圧ホモジナイザーの処理
条件が重要であり、エマルジョンの安定性確保のため、
処理圧力 200kg/cm2以上で2回以上乳化する必要があ
る。
【0008】以上のようにして得られた本発明の水性腸
溶性エマルジョンは、通常通り、製剤学的に認められる
薬物、添加剤(可塑剤、着色剤、顔料、粘着防止剤等)
を加えることは自由である。コーチング操作についても
従来の装置(流動層コーチング装置、パンコーチング装
置、通気式回転ドラム型コーチング装置等)を用いて常
法にしたがって行えばよい。
【0009】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、例中の%はすべて重量基準
である。 実施例1 HPMCAS(AS-MG :信越化学工業社製、商品名) 1
00gを酢酸エチル 500gに溶解し、3gのラウリル硫酸
ナトリウムを1400gの水に溶解した溶液中に投入し、プ
ロペラ型の撹拌羽根を有する撹拌装置により混合した。
これを高圧ホモジナイザー( Manton-Gaulin 15M-8TA
型)で処理圧力 400kg/cm2、液温23〜26℃で10回通過さ
せて処理した。得られた乳化液を留出液の温度が 100℃
に達するまで水蒸気蒸留し、さらに−50mmHgの減圧下蒸
留を行った。蒸留物は 200メッシュの篩を通して凝集物
を除いた。凝集物は約2%で、ポリマー濃度は約10%で
あった。こうして得られたエマルジョン中のポリマーの
粒子径は 0.3μm であった。なお、実施例1のエマルジ
ョンに実際のコーチングと同様に、可塑剤としてクエン
酸トリエチルをポリマーに対して10%となるように添加
し、ガラス板上にキャストして得た厚さ 100μm のフィ
ルムは日本薬局方の崩壊試験法の定める腸溶性製剤の試
験に準じて第1液(pH: 1.2)で2時間の試験を行っ
たところ、フィルムに全く変化は認められなかった。
【0010】実施例2 HPMCAS(AS-MG :信越化学工業社製、商品名) 1
00gを酢酸エチル 800gに溶解し、 1.5gのラウリル硫
酸ナトリウムを1400gの水に溶解した溶液中に投入し、
プロペラ型の撹拌羽根を有する撹拌装置により混合し
た。これを高圧ホモジナイザー( Manton-Gaulin 15M-8
TA型)で処理圧力 400kg/cm2、液温23〜26℃で10回通過
させて処理した。得られた乳化液を留出液の温度が 100
℃に達するまで水蒸気蒸留し、さらに−50mmHgの減圧下
蒸留を行った。凝集物は約1%で、ポリマー濃度は約11
%であった。得られたエマルジョン中のポリマーの粒子
径は0.1μm であった。また実施例1と同様にフィルム
を調製し同様の試験を実施したところ、フィルムには全
く変化は見られなかった。
【0011】実施例3 乳化剤として4gのポリソルベート80を使用したほか
は実施例1と同様に処理した。凝集物は約2%で、ポリ
マー濃度は約9%であった。得られたエマルジョン中の
ポリマーの粒子径は 0.3μm であった。また実施例1と
同様にフィルムを調製し同様の試験を実施したところ、
フィルムには変化は見られなかった。
【0012】比較例1 実施例1においてラウリル硫酸ナトリウムを用いなかっ
たほかは同様にして処理したところ、蒸留中に約50%の
ポリマーが析出し、また篩を通過させたエマルジョン中
のポリマー濃度は約5%で粒子径も約8μm であった。
また実施例1と同様にフィルムを調製し同様の試験を実
施したところ、フィルムに変化は見られなかった。
【0013】比較例2 実施例1においてラウリル硫酸ナトリウムの添加量を12
gとしたほかは同様にして処理したところ、凝集物は約
1%で、得られたエマルジョン中のポリマー濃度は11%
で、粒子径は 0.1μm であった。また実施例1と同様に
フィルムを調製し同様の試験を実施したところ、フィル
ムは試験開始後30分で白濁し溶解した。
【0014】比較例3 実施例1において、高圧ホモジナイザーの処理条件とし
て処理圧力 100kg/cm2、液温23℃で1回通過させたほか
は同様に処理した。蒸留中に約20%のポリマーが析出
し、また篩を通過させたエマルジョン中のポリマー濃度
は約6%で粒子径も約3μm であった。また実施例1と
同様にフィルムを調製し同様の試験を実施したところ、
フィルムには全く変化は見られなかった。
【0015】比較例4 実施例1において、酢酸エチルの使用量を 300gとした
ほかは同様に処理したところ、高圧ホモジナイザー中で
閉塞した。
【0016】比較例1および3では乳化の組成、条件が
不適当であったため、エマルジョン中のポリマー粒子径
が元々大きく、このため続く蒸留で多くのポリマーが析
出した。比較例2では乳化剤の量が多いため水溶性が高
く耐酸性が得られなかった。比較例4ではポリマー濃度
が高く、高粘性のためにポリマー溶液の微粒化(エマル
ジョン化)が達成されなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、従来の有機溶剤による
コーチングと比較して溶剤を用いずにコーチングが可能
となる。従来の水性エマルジョンと比較すると、アクリ
ル系では乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、モノマー等
が残留し、セルロース系では塩類や高級アルコールの残
存などの問題があった。また水分散液系コーチングでは
コーチング液の冷却を必要とした。本発明によれば、こ
れらの問題がなく、セルロース系の腸溶性高分子として
HPMCASを用い、少量の乳化剤を用いるだけで安定
な水性腸溶性エマルジョンが得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
    テートサクシネートの酢酸エチル溶液を、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの1〜
    5重量%の界面活性剤を含有する水に加えて、高圧ホモ
    ジナイザーで200kg/cm2以上の処理圧力で2回以上乳化
    した後、酢酸エチルを除いて得られる水性腸溶性エマル
    ジョンの製造方法。
JP7793193A 1993-04-05 1993-04-05 水性腸溶性エマルジョンの製造方法 Pending JPH06293633A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT408068B (de) * 1997-05-29 2001-08-27 Lilly Co Eli Fluoxetinpellets
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WO2009044926A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Nippon Oil Corporation 乳化液中の乳化粒子の粒径および粒径分布を制御する方法および装置

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