JPH06298672A - キラリティ識別剤およびクロマトグラフィー用分離剤 - Google Patents

キラリティ識別剤およびクロマトグラフィー用分離剤

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JPH06298672A
JPH06298672A JP5089956A JP8995693A JPH06298672A JP H06298672 A JPH06298672 A JP H06298672A JP 5089956 A JP5089956 A JP 5089956A JP 8995693 A JP8995693 A JP 8995693A JP H06298672 A JPH06298672 A JP H06298672A
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JP
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acid
grafted
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tartaric acid
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JP5089956A
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English (en)
Inventor
Takafumi Oi
尚文 大井
Hajime Kitahara
一 北原
Yasuhiro Matsushita
靖弘 松下
Naoko Kisu
直子 木須
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SUMIKA BUNSEKI CENTER KK
Original Assignee
SUMIKA BUNSEKI CENTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学異性体混合物をクロマトグラフィーを用
いて分離するためのキラリティ識別剤および充填剤を提
供する。 【構成】 【化1】 で示されるオルガノシラン化合物、例えばL−酒石酸−
バリンが結合したアミノプロピルトリエトキシシランが
表面にヒドロキシ基をもつ無機担体にグラフトされた形
のキラリティ識別剤。図1において、1はN−3,5−
ジニトロベンゾイル−(S)−1−フェニルエチルアミン
のピーク、2はN−3,5−ジニトロベンゾイル−(R)
−1−フェニルエチルアミンのピークを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は上記一般式で示される
酒石酸モノアミド化合物の用途に関するものである。上
記用途には、アミノ酸、オキシ酸等の光学異性体を直接
分離し得る配位子交換機能部とアミンやアミノ酸、カル
ボン酸等の光学異性体の誘導体を分離し得る水素結合相
互作用部位を合わせ持つキラリティ識別剤およびクロマ
トグラフィー充填剤としての用途が含まれる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】酒石
酸を利用した液体クロマトグラフィーによる光学分割法
としては、酒石酸のモノ−n−オクチルアミド[(1)ジ
ャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィー(J.
Liq.Chromatogr.)第9巻第551頁(1986)]ま
たはジ−イソプロピルアミド誘導体[(2)第46回分析
科学討論会講演要旨集第53頁(1985年)]を液相分
離剤として用いる方法が知られているが、これらは分離
剤を移動相に使用するため溶離液から分離剤を再分離す
ることが必要なため、煩雑である。
【0003】分離剤として(R,R)−酒石酸−モノ−イ
ソプロピルアミド(3)、(R,R)−酒石酸−モノ−1−
(α−ナフチル)エチルアミド[(4)日本分析化学会第3
4年会講演要旨集第310頁(1985年)]および(R,
R)−酒石酸−モノ−イソプロピルアミド[(5)第48
回分析化学討論会講演要旨集第13頁(1987年)]を
シリカゲルに共有結合させて固定相とするものもある
が、いずれも配位子交換型でないため光学分割能が低
い。そのほか、(R,R)酒石酸をシリカゲルに共有結合
させて固定相とする方法があり[(6)フレゼニウス・ツ
ァイトシュリフト・フュル・アナリティシェ・ヘミー(F
resenius Z. Anal. Chem.)第320巻第51−54
頁]、これは正相系でのキラル識別に有効な水素結合相
互作用機能を有するアミノ酸アミド部位を持たないため
正相系における光学分割能が極めて乏しいという欠点を
有する。この発明は、上記のような欠点をもたない分離
剤を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
一般式:
【化2】 [式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、
アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲ
ン原子を表し、少なくともその1つはアルコキシ基また
はハロゲン原子である。R4は低級アルキレン基、R5
光学活性アミノ酸またはそのD異性体から1個のアミノ
基と1個のカルボキシ基を除いた残基、R6は、水素ま
たは低級アルキル基であるか、またはR6はR5と一緒に
なってイミノ酸またはそのD異性体から1個のイミノ基
と1個のカルボキシ基を除いた残基(但し、上記R5にお
いて、残っているOH、NH、NH2は基−Y−Z−で
置換されていてもよい。ここで−Y−は−CO−または
−CONH−、Zは低級アルキル、単環もしくは2環ア
リール基または単環もしくは2環アラルキル基であ
る)。なお酒石酸部分およびアミノ酸もしくはイミノ酸
部分は光学活性形である。]で示されるオルガノシラン
化合物が、表面にヒドロキシ基をもつ無機担体にグラフ
トされた形の構造を有する、キラリティ識別剤およびク
ロマトグラフィー用充填剤を提供するものである。
【0005】上記の一般式(I)において、R1、R2およ
びR3のアルキル基としては、炭素原子数1−20のも
のが好ましく、1−12のものがさらに好ましく、1−
6のものが最も好ましい。好適なものは低級アルキル基
であり、これには炭素原子数1−6のものが含まれる。
アルキル基は直鎖または分枝鎖の何れでもよい。代表的
なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル等である。R1、R2およびR3
は同一でも異なってもよい。アルコキシ基としては、上
記のようなアルキル基が酸素原子と結合して生ずる基が
含まれる。好適なものは低級アルコキシ基である。ハロ
ゲン原子としては、塩素、臭素、よう素等が含まれる。
【0006】上記の一般式(I)において、R4の低級アル
キレン基としては、炭素原子数1−6の直鎖または分枝
鎖の基、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、1
−メチルエチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が含まれ
る。
【0007】R6の低級アルキル基としては、炭素原子
数1−6のものが最も好ましい。代表的な低級アルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が含まれる。
【0008】単環または2環アリール基としては、ベン
ゼン核を1個または2個有する基、例えばフェニル、ト
リル、キシリル、クメリル、ナフチルまたはメチルナフ
チルが含まれる。単環もしくは2環アラルキル基として
は、同様にベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、1
−ナフチルエチル等が含まれる。これらはニトロ基で置
換されていてもよい。単環もしくは2環アリール基また
は単環もしくは2環アラルキル基の環上にニトロ基が存
在する場合、これが通常1−5個、好ましくは1−3
個、例えば1個または2個が置換可能な任意の位置に結
合し得る。具体的には、例えば3,5−ジニトロフェニ
ル、3−ニトロベンジル等が含まれる。
【0009】R4およびR6に不斉炭素が含まれていても
よい。アミノ酸としては、アスパラギン、アスパラギン
酸、アミノ酪酸、アラニン、β−アラニン、アルギニ
ン、イソロイシン、オルニチン、グルタミン、グルタミ
ン酸、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニ
ン、ノルロイシン、バリン、ヒスチジン、フェニルグリ
シン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシ
ン等が含まれ、イミノ酸としては、プロリン、ヒドロキ
シプロリン、ヒスチジン等が含まれる。これらの多くは
天然に存在するものおよびその同族体である。これらは
通常α炭素原子に結合したカルボキシ基およびアミノ
(イミノ)基から結合手を出しているが、ω炭素原子に
結合した基から出している場合もある(例:リジン)。
なお、酒石酸部分は光学活性形、すなわち(R,R)−酒
石酸[d−または、L−またはR(R*,R*)-(天然形)酒石
酸]形、および(S,S)酒石酸[l−またはD−または
S(R*,R*)-酒石酸]形のいずれか、またはそのいずれか
が優勢な混合物である。また、アミノ酸もしくはイミノ
酸部分は光学活性形、すなわちLまたはD形である。
【0010】本発明において、表面にヒドロキシ基を持
つ無機担体としては、例えばシリカゲル、多孔性ガラス
等のけい素含有担体が好ましく、担体の形状は球状、破
砕状等の何れの形状でも差し支えないが、高収率のクロ
マトグラフ用カラムを得るために、できるだけ粒径の揃
った微細な粒子が好ましい。「グラフトされた形の構
造」とは、結果として2つの部分のグラフト生成物とし
て定義された構造をもっている限り、実際にそのものを
得た製造法が1段階グラフト化であるか多段階グラフト
化であるか、および多段階の場合の反応順序を問わず包
含させる趣旨である。なお、グラフトに際し、式Iの化
合物の基R1〜R3の一部または全部(通常1〜2個)が
担体のヒドロキシ基と反応してエーテル型結合−O−S
iを形成する。
【0011】上記の式(I)で示されるクロマトグラフィ
ー用充填剤を調製するに際しては種々のグラフト法が採
用できるが、このようなグラフト法としては例えば以下
のような方法が挙げられる。表面にヒドロキシ基を有す
る無機担体に、アミノアルキルシランを反応させて、無
機担体の表面にアミノアルキルシリル残基を導入し、こ
れに光学活性なアミノ酸もしくはイミノ酸および酒石酸
(官能基は適宜保護してよい)を反応させ、脱水縮合させ
る方法。
【0012】具体的には、表面にヒドロキシ基を有する
無機担体に、一般式(II)
【化3】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前述と同じ意味を有
する。]で示されるアミノアルキルシランを反応させ
て、無機担体の表面にアミノアルキルシリル残基を導入
し、次いでこれに一般式
【化4】 で示されるカルボン酸またはそのカルボキシ基における
反応性誘導体および一般式
【化5】 で示されるカルボン酸またはそのカルボキシ基における
反応性誘導体を順次反応させ、脱水縮合させることによ
り目的とする充填剤が得られる。上式中、P1、P2、P
3およびP4は、アミノ基、ヒドロキシ基またはカルボキ
シ基の保護基としてペプチド化学で常用される保護基で
ある。このような保護基は、その脱離法と共に「新実験
化学講座」第14巻に記載されている。
【0013】具体的には、「アミノ保護基」は、例えば
「新実験化学講座」第14巻第2555−2569頁に
記載されており、例えば、アシル型のものとして、ホル
ミル(HCl/CH3OHで脱離)、アセチル(酸またはア
ルカリで脱離)等の低級アルカノイル基、2−クロロプ
ロピオニル(酸またはアルカリで脱離)等のハロ低級アル
カノイル基、ベンゾイル(酸またはアルカリで脱離)等の
アリールカルボニル基、フェニルプロピオニル(酸また
はアルカリで脱離)等のアリール低級アルカノイル基、
ウレタン型のものとして、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、第3級ブトキシカルボニル(HBrまたは
HCl/AcOHで脱離)等の低級アルコキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル(H2/Pd、HIまたは
HBrまたはHCl/AcOH等で脱離)、2−(p−ビフ
ェニリル)イソプロポキシカルボニル(AcOH/HCO
OH、トリフルオロ酢酸等で脱離)等のアリール低級ア
ルキルオキシカルボニル基、アラルキル型のものとし
て、ベンジル(H2/Pd、Na/NH3で脱離)、トリチル
(H2/Pdで脱離)等のアリール低級アルキル基、および
アゾメチン型のものとして、ベンジリデン(H2/Pd、
HClで脱離)等のアリール低級アルキリデン基が挙げら
れる。
【0014】「ヒドロキシ保護基」は、例えば「新実験
化学講座」第14巻第2497−2516頁に記載され
ており、メチル(酸化後、加水分解で脱離)、3級ブチル
(CF3CO2Hで脱離)等の低級アルキル基、ベンジル
(H2/Pd、NH3/Naで脱離)、トリチル(酢酸で
脱離)等のアリール低級アルキル基、トリメチルシリル
(C25OHで脱離)、3級ブチルメチルシリル(酢酸
で脱離)等のトリ低級アルキルシリル基、ベンジルオキ
シメチル(NH3/Naで脱離)等のアリール低級アル
コキシ低級アルキル基、エトキシカルボニル(KOH/
CH3OHで脱離)等の低級アルコキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル(H22/CH3CO2Hで脱
離)等のアリール低級アルコキシカルボニル基、アセチ
ル(酸または塩基で脱離)、ホルミル(KHCO3/H2
O/CH3OHで脱離)等の低級アルカノイル基、硝酸
(Na2Sで脱離)、スルホン酸(Na/Hg/CH3
Hで脱離)等の酸残基、メチレンアセタール(CH3
2H−(CO3CO22O−H2SO4で脱離)、エチリ
デンアセタール(CH3COOHで脱離)等の低級アル
キリデンアセタール基、ベンジリデンアセタール(酸で
脱離)等のアリールアセタール基等が挙げられる。
【0015】「カルボキシ保護基」は、例えば「新実験
化学講座」第14巻第2535−2544頁に記載され
ており、例えばメチル(酸またはアルカリで脱離)、エチ
ル(同前)、第3級ブチル(HCl/CH2Cl2、CF3CO
OH、TsOH/AcOH等で脱離)等の低級アルキル
基、2,2,2−トリクロロエチル(Zn/AcOH、HC
OOH等で脱離)等のハロ低級アルキル基、メチルチオ
エチル(CH3Iついでアルカリ処理で脱離)等の低級ア
ルキルチオ低級アルキル基、メトキシメチル(酸で脱離)
等の低級アルコキシ低級アルキル基、トシルエチル(Na
OH/ジオキサンで脱離)等のアリールスルホニル低級
アルキル基、p−ニトロフェニルチオエチル(スルホン
に酸化後アルカリで脱離)等の置換されていてもよいア
リールチオ低級アルキル基、ベンジル(H2/Pd、Na/
NH3、NaOH/ジオキサン、HBr/AcOH等で脱
離)、p−メトキシベンジル(H2/Pd、CF3COO
H、HCOOH等で脱離)、2,4,6−トリメトキシベ
ンジル(HBr/AcOHで脱離)、ぺンタメチルベンジル
(CF3COOHで脱離)、p−ニトロベンジル(H2/P
d、NaOHで脱離)、ベンズヒドリル(H2/Pd、NaO
Hで脱離)、トリチル(NaOH、HCl/CH3OHで脱
離)、アントラニルメチル(HBr/AcOH、NaOH、
CF3COOHで脱離)等の置換されていてもよいアリー
ル低級アルキル基、ヒドロキサム酸(HIO4で脱離)等
が挙げられる。上記「カルボキシ保護基」、「ヒドロキ
シ保護基」および「アミノ保護基」の語は、ペプチド合
成において用いられるこれらの語と同じ意味を有する。
【0016】アミノアルキルシランとしてはω−アミノ
アルキルアルコキシシランまたはω−アミノアルキルハ
ロゲノシランが好ましく、例えばω−アミノプロピルト
リエトキシシラン、ω−アミノプロピルトリクロロシラ
ン等を挙げることができる。上記の製造法において、無
機担体の表面にオルガノシランを導入する反応は、ヒド
ロキシ基を有する化合物のシリル化に繁用される常法に
したがって行うことができる。この反応は、一般に有機
溶媒中、比較的緩和な温度で行われる。いずれかのカル
ボン酸またはそのカルボキシ基における反応性誘導体
と、アミノアルキルシリル基を導入した無機担体または
アミノ酸部分を結合した上記担体との反応は、例えばペ
プチド合成において繁用されるアミド結合形成反応の常
法にしたがって行うことができる。反応性誘導体として
は、酸ハライド、酸無水物(例えばアルキル炭酸混合酸
無機物)、活性エステルまたは活性アミド(例えばイミダ
ゾリド)が用いられる、酸自体を用いる場合には、反応
を縮合剤の存在下に行うのが有利である。縮合剤として
は、カルボジイミド類、カルボニルジイミダゾール類、
ウッドワード試薬、N−アルコキシカルボニル−2−ア
ルコキシ−1,2−ジヒドロキノリン等が用いられる。
反応条件は反応させる化合物の組み合わせによって異な
り、有機溶媒または水性溶媒中、冷却ないしは室温また
は加温下、適宜第3級有機アミンのような塩基を存在さ
せて行う。保護基の脱離は常法によって行う。
【0017】本発明によって得られる充填剤は、常法に
従ってクロマトグラフ用のカラムに充填し、液体クロマ
トグラフィーによる光学異性体混合物の光学分割の固定
相として使用することができる。すなわち、適当な直径
と長さを有するガラス、ステンレス、チタン等のカラム
に充填し、入口側から光学異性体の混合物を含む溶液を
逆入し、適当な溶媒と溶媒条件、特に通常よく用いられ
る順相分配または逆相分配の条件を用いて展開、分画す
ることにより、種々の光学異性体混合物の分離、分析を
行うことができる。
【0018】
【発明の効果】この発明の化合物(I)は、光学異性体に
対する相互作用の差が著しいので、この性質をキラリテ
ィ識別作用として利用することができる。それ故、この
発明の充填剤は、すぐれたキラリティ識別性を有する。
したがって、この発明の充填剤は、種々の光学異性体混
合物、例えば、種々のエステル、アルコール、カルボン
酸、アミンおよびアミノアルコール類並びにそれらの誘
導体の光学異性体混合物をクロマトグラフィー方式で分
離できる。これは、充填剤として、最も広い対象をもつ
部類に入る。特に、光学異性体を分離するためのキラル
認識作用として、固定相のキラル部位とサンプル間の種
々の相互作用が存在するが、従来、正相系で効果を発揮
する水素結合相互作用と逆相系(水系)で効果を発揮する
配位子交換相互作用を併せ持つ固定相は見当たらず、本
願固定相はそれを併せ持っている点で優れている、即
ち、正相系でアミン、カルボン酸、アルコールの光学異
性体を分離することができ、逆相系(水系)で、アミノ酸
やオキシ酸の光学異性体を直接分離することができるた
め、きわめて広範囲の化合物の光学分割が可能である。
使用できる溶離液の種類は、既存の固定相の中で最も広
い部類に入る(高い濃度の酸や塩基以外が殆ど制限がな
い)ため、分割を成功させるための移動相の修飾が種々
の広範囲に試みることが可能である。
【0019】しかも、この発明の充填剤は製造工程が少
ないため製造が容易であり、基礎をなす化合物が化学的
に安定であるから耐久性にも優れているという利点を有
する。また、カラムとして高い理論段数が得られ、品質
のばらつきが少ない。以下、本発明を実施例により説明
するが、この実施例は本発明を限定するものではない。
【0020】
【実施例】
実施例1:シリカゲル(平均粒径5μm、平均孔径120
Å、表面積330m2/g)200gを減圧下120℃で
2時間乾燥した後、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン200gを1lの脱水デトラヒドロフランに溶かし
た液に加え、3時間過熱還流した。静置し、十分にゲル
を沈降させ、上澄を傾捨した。これにメタノールを加え
て攪拌し、同様に上澄を傾捨した。さらに、残留物をテ
トラヒドロフラン、クロロホルム・メタノール混液、ク
ロロホルム、ヘキサン各500mlで洗浄し、乾燥して、
3−アミノプロピルシリル化シリカゲル(以下APSと
略す)を得た。このものの元素分析値は、N:1.32
%、C:4.78%であり、これは、このものの1gに
対し、3−アミノプロピルシリル基が約0.94ミリモ
ルグラフトされたことに相当する。
【0021】次に、t−ブトキシカルボニル−L−バリ
ン8.2gを脱水テトラヒドロフラン180mlに溶かし
た液を氷冷し、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ
−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)10.8gを加え
てさらに1時間氷冷攪拌した後、上記のAPS15gを
加え懸濁させ室温で1夜攪拌した。反応物を濾過し、残
留物をクロロホルム・メタノール混液、メタノール、ク
ロロホルム、ヘキサン各180mlで2回ずつ洗浄し、乾
燥し、t−ブトキシカルボニル−L−バリルアミノプロ
ピルシリル基をグラフトしたシリカゲル16.1gを得
た。このものの元素分析値は、N:1.92%、C:1
1.0%であった。続いて、このゲル16.0gを50%
トリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液180mlに加えて
懸濁させ、室温で1時間攪拌した。反応物を濾過し、残
留物をジクロロメタン180mlで洗浄した後、アンモニ
ア−ジクロロメタン溶液中で20分間攪拌した。反応物
を濾過し、残留物をメタノール、ジクロロメタン、ヘキ
サン各180mlで2回ずつ洗浄し乾燥した。上記のゲル
より、t−ブトキシカルボニル基を脱離させたグラフト
シリカゲル14.9gを得た。このものの元素分析値は
N:2.03%、C:7.97%であった。
【0022】さらに、このゲル10.6gをジアセチル
−L−酒石酸無水物11.5gを溶かした脱水テトラヒ
ドロフランに加えて懸濁し、4時間半加熱還流した。放
冷後、反応物を濾過し、残留物をメタノール、クロロホ
ルム、ヘキサン各100mlで2回ずつ洗浄し、乾燥し
て、ジアセチル−L−酒石酸と同一の立体配置をもつ3
−カルボキシ−2,3−ジアセトキシプロピオニル−L
−バリルアミノプロピルシリル基をグラフトしたシリカ
ゲル11.6gを得た。このものの元素分析値は、N:
1.83%、C:12.4%であった。
【0023】ここで、ASPおよびバリンの残留アミノ
基をふさぐため、無水酢酸2.4gを溶かした脱水テト
ラヒドロフラン100mlに上記のゲル11.5gを加え
て3時間加熱還流させた。反応物を濾過し、残留物をメ
タノール、クロロホルム、ヘキサン各100mlで2回ず
つ洗浄し、乾燥し、11.1gのゲルを得た。このもの
の元素分析値は、N:1.72%、C:12.2%であっ
た。
【0024】最後に、このゲル6.0gを5%のアセト
ニトリルを含むpH3.0の過塩素酸水溶液300mlに
加えて懸濁し、8時間加熱還流した。放冷静置し、ゲル
を十分沈降させ、上澄を傾捨し、メタノール150mlを
加えて撹拌した。静置後、同様に上澄を傾捨し、残留物
をクロロホルム、ヘキサン各150mlで2回ずつ洗浄
し、乾燥し、L−酒石酸と同一の立体配置をもつ3−カ
ルボキシ−2,3−ジヒドロキシプロピオニル−L−バ
リルアミノプロピルシリル基をグラフトした目的の充填
剤を5.0g得た。このものの元素分析値はN:1.37
%、C:7.55%であった。これは、このものの1gに
対し、L−酒石酸−L−バリンが約0.49ミリモルグ
ラフトされたことを示す。このようにして得られた充填
剤を内径4mm、長さ25cmのステンレス製カラムにスラ
リー充填した。以上のように調整したカラムを用いて、
有機溶媒系(正相系)と銅イオン水溶液系(配位子交換系)
の2種類の異なる性質の溶離液により、各種混合物のラ
セミ体を分割した。有機系の結果の一例を第1表に、銅
系の結果の一例を第2表に示す。 温度:室温 溶離液:第1表および第2表に示す。 溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは230n
m)
【表1】
【表2】 この表において、保持係数(K1'およびK2')および分
離係数(α)は次式により計算される。
【数1】 1:より弱く吸着される鏡像体の保持時間 t2:より強く吸着される鏡像体の保持時間 t0:カラムの死容積に相当する保持時間 分離係数は、α=1の場合、全く光学分割能がないこと
を示し、1との差が大きくなるにしたがって光学分割能
が高くなることを示す。
【0025】実施例2:実施例1においてt−ブトキシ
カルボニル−L−バリンの代わりにt−ブトキシカルボ
ニル−D−フェニルグリシンを用い、同様に操作して、
ジアセチル−L−酒石酸と同一の立体配置をもつ3−カ
ルボキシ−2,3−ジアセトキシプロピオニル−D−フ
ェニルグリシルアミノプロピルシリル基をグラフトした
シリカゲルを得た。これを20%トリフルオロ酢酸クロ
ロホルムに加え、懸濁させ、室温で3時間攪拌した。反
応物を濾過し、残留物をクロロホルム、メタノール、ク
ロロホルム、ヘキサンで2回ずつ洗浄した。乾燥して、
L−酒石酸と同一の立体配置をもつ3−カルボキシ−
2,3−ジヒドロキシプロピオニル−D−フェニルグリ
シルアミノプロピルシリル基をグラフトした目的の充填
剤を得た。このものの元素分析値は、N:1.43%、
C:10.5%であり、これは、このものの1gに対
し、L−酒石酸−D−フェニルグリシンが約0.51ミ
リモルグラフトされたことを示す。このようにして得ら
れた充填剤を内径4mm、長さ25cmのステンレス製カラ
ムにスラリー充填した。以上のように調整したカラムを
用いて、有機溶媒系(正相系)と銅イオン系(配位子交換
系)の2種の異なる性質の溶離液により、各種化合物の
ラセミ体を分割した。有機系の結果の一例を第3表に、
銅系の結果の一例を第4表に示す。 温度:室温 溶離液:第3表および第4表 溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは230n
m)
【表3】
【表4】
【0026】実施例3:アセトニトリル90mlにN−
[N'−R−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル]
スクシンイミデイト9.4gを溶かし、これにN6−t−
ブトキシカルボニル−L−リジン7.4gとトリエチル
アミン3.0gの水溶液45mlを加えて、1時間加熱還
流した。放冷後、濾過して残渣を除き、水450mlを加
えて希釈し、クエン酸で酸性化してクロロホルムで抽出
した。溶液を脱水し、濃縮して、N2−R−1−(α−ナ
フチル)エチルカルバモイル−N6−t−ブトキシカルボ
ニル−L−リジン11.8gを得た。
【0027】実施例2において、t−ブトキシカルボニ
ル−D−フェニルグリシンの代わりに上記合成の化合物
を用い、同様にしてL−酒石酸と同一の立体配置をもつ
6-(3-カルボキシ-2,3−ジヒドロキシプロピオニル)−N2
−[R−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル]−L
−リジルアミノプロピルシリル基をグラフトした目的の
充填剤を得た。このものの元素分析値は、N:1.82
%、C:10.9%であり、これは、このものの1gに
対し、N6−(L−酒石酸)−N2−[R−1−(α−ナフ
チル)エチルカルバモイル]−L−リジンが約0.33ミ
リモルグラフトされたことを示す。このようにして得ら
れた充填剤を内径4mm、長さ25cmのステンレス製カラ
ムにスラリー充填した。以上のように調整したカラムを
用いて、有機溶媒系(正相系)と銅イオン水溶液系(配位
子交換系)の2種の異なる性質の溶離液により、各種化
合物のラセミ体を分割した。有機系の結果の一例を第5
表に、銅系の結果の一例を第6表に示す。 温度:室温 溶離液:第5表および第6表に示す。 溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは230n
m)
【表5】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 N−3,5−ジニトロベンゾイル−(R,S)
−1−フェニルエチルアミンを本発明の分離剤を用いて
分割した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【図2】 D,L−ナフチルグリシンを本発明の分離剤
を用いて分割した場合の溶離曲線を示すグラフである。
【符号の説明】 1…N−3,5−ジニトロベンゾイル−(S)−1−フェ
ニルエチルアミンのピーク。 2…N−3,5−ジニトロベンゾイル−(R)−1−フェ
ニルエチルアミンのピーク。 3…D−ナフチルグリシンのピーク。 4…L−ナフチルグリシンのピーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 靖弘 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 135号 株式会社住化分析センター内 (72)発明者 木須 直子 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 135号 株式会社住化分析センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 [式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、
    アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲ
    ン原子を表し、少なくともその1つはアルコキシ基また
    はハロゲン原子である。R4は低級アルキレン基、R5
    光学活性アミノ酸またはそのD異性体から1個のアミノ
    基と1個のカルボキシ基を除いた残基、R6は、水素ま
    たは低級アルキル基であるか、またはR6はR5と一緒に
    なってイミノ酸またはそのD異性体から1個のイミノ基
    と1個のカルボキシ基を除いた残基(但し、上記R5にお
    いて、残っているOH、NH、NH2は基−Y−Z−で
    置換されていてもよい。ここで−Y−は−CO−または
    −CONH−、Zは低級アルキル、単環もしくは2環ア
    リール基または単環もしくは2環アラルキル基であ
    る)。なお酒石酸部分およびアミノ酸もしくはイミノ酸
    部分は光学活性形である。]で示されるオルガノシラン
    化合物が、表面にヒドロキシ基をもつ無機担体にグラフ
    トされた形の構造を有する、キラリティ識別剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物からなる、クロマ
    トグラフィー用充填剤。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1123558A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Tosoh Corp 分離法及びこれを用いた装置
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