JPH06313068A - オレフィン系重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体組成物およびその製造方法

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JPH06313068A
JPH06313068A JP17942393A JP17942393A JPH06313068A JP H06313068 A JPH06313068 A JP H06313068A JP 17942393 A JP17942393 A JP 17942393A JP 17942393 A JP17942393 A JP 17942393A JP H06313068 A JPH06313068 A JP H06313068A
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JP
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group
cyclic olefin
ring
weight
parts
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Application number
JP17942393A
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English (en)
Inventor
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Akiyoshi Shimizu
水 昭 義 清
Hajime Inagaki
垣 始 稲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はオレフィン系重合体組成物の有する
優れた特性を維持しつつ機械物性、塗装性成形体に優れ
た樹脂組成物を提供する。 【構成】 本発明のオレフィン系重合体組成物は、特定
の環状オレフィン系樹脂(a)、スチレン系熱可塑性エラ
ストマー(b)および特定の変性剤(ii)の接触により得ら
れる環状オレフィン系共重合体組成物[A]と、結晶化
度が30%を超え、かつ23℃における引張モジュラス
が2000kg/cm2を超えるポリオレフィン樹脂[B]
とからなる。さらに、本発明はこのオレフィン系重合体
組成物の製造方法をも提供する。 【効果】 本発明のオレフィン系重合体組成物は、従来
のオレフィン系樹脂組成物と比較して優れた機械物性、
塗装性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、弾性率、耐衝撃強度など
の機械的特性、および、塗装性に優れた成形体を製造可
能なオレフィン系重合体組成物、ならびに、このような
特性を有するオレフィン系重合体組成物を製造する方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系重合体は、機械的物
性、耐熱性、耐溶剤性、耐油性および耐薬品性等の諸特
性が良好であるため、広く工業的に製造されている。こ
のオレフィン系重合体は、自動車、電気機器等の工業部
品および日用品等の製造原料として広く利用されてい
る。
【0003】しかしながら、オレフィン系重合体は、分
子内に極性基を有しておらず化学的に不活性であるた
め、安全性は高い反面、極性基を有しないために他の樹
脂との密着性が良好ではない。従って、例えばウレタン
系塗料等で塗装する場合には、コロナ放電等の電気的処
理法、機械的粗面化法、火炎処理法、酸素処理法または
お損処理法のような表面処理法による処理を利用して、
成形物の表面に他の樹脂に対する親和性を向上させるよ
うな処理をすることが必要になる。
【0004】これらの表意面処理を行うに際しては、予
め成形物の表面をアルコール、芳香族炭化水素等の溶剤
で洗浄する方法、トリクレン、パークロルエチレン、ペ
ンタクロルエチレンあるいはトルエン等の溶剤蒸気で洗
浄する方法が一般に採られている。
【0005】ところが、上記の方法を実施するには、い
ずれも処理するための装置が必要になり、設備的に不利
であると共に、これらの処理に相当の時間を要する。ま
た、上記のような予備処理を行った後塗装する方法の他
に、成形体にオレフィン系重合体と接着可能なプライマ
ーを下塗りし、この下塗り層の上にウレタン系塗料、ポ
リアミド系塗料等の塗料を塗布する方法も利用されてい
るが、これらの方法においても、下塗り工程と上塗り工
程が必要になるため塗装工程に長時間を要するようにな
り、さらに塗膜が二層構成を採るため成形物のコストが
高くなるとの問題がある。
【0006】上記のようにオレフィン系重合体から形成
される成形体の塗装に関しては、成形物自体になんらか
の処理を施すのが一般的である。従って、従来から行わ
れているオレフィン系重合体からなる成形体の塗装に関
しては工程が複雑化することから、塗装性に優れたオレ
フィン系重合体の開発が切望されている。
【0007】オレフィン系重合体の塗装性を改良する目
的で、オレフィン系重合体とオレフィン系エラストマー
にカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を導
入する試みが特開昭58-217,349号、同58-219,244号、同
54-124,048号および同62-127,332号の各公報に示されて
いる。また特開昭60-101,130号および同63-39,951号の
各公報にはポリオレフィンに酸変性芳香族ビニル-共役
ジエン化合物共重合体水素添加物を添加し耐衝撃性、塗
装性の改良された組成物が示されている。
【0008】しかしながら、上記公報に示されている組
成物では、塗装性の改良が不充分であると共に、弾性率
および耐衝撃性などの機械的強度の改良が不充分であ
る。
【0009】
【発明の目的】本発明は、オレフィン系重合体組成物に
おける上記の問題を解決するためになされたものであっ
て、弾性率、耐衝撃強度などの機械的特性、および、塗
装性に優れた成形体を製造可能なオレフィン系重合体組
成物、並びに、このような特性を有するオレフィン系重
合体組成物を製造する方法を提供することを目的として
いる。
【0010】
【発明の概要】本発明のオレフィン系重合体組成物は、 [A](i)(a)エチレンと次式[I]または[II]で表わ
される環状オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次
式[I]または[II]で表わされる環状オレフィンの開
環重合体または開環共重合体(a-2)および該開環重合体
または開環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ば
れる少なくとも1種類の環状オレフィン系樹脂(a)80
〜20重量部と、(b)スチレン系熱可塑性エラストマー
(b)20〜80重量部とからなる環状オレフィン系樹脂
組成物(i)100重量部に対して、 (ii)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種類
の変性剤(ii)0.1〜10重量部を、接触させることに
より得られる変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]
と、 [B]結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引
張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィ
ン樹脂[B]とからなり、 [A]/[B]の重量比が99/1〜1/99の重量比
で含有し、かつ、上記(a)成分が、(a)成分、(b)成分お
よび[B]成分の合計100重量部に対して、5〜48
重量部で存在することを特徴としている。
【0011】このオレフィン系重合体組成物は、 [A](i)(a)エチレンと次式[I]または[II]で表わ
される環状オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次
式[I]または[II]で表わされる環状オレフィンの開
環重合体または開環共重合体(a-2)および該開環重合体
または開環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ば
れる少なくとも1種類の環状オレフィン系樹脂(a)80
〜20重量部と、(b)スチレン系熱可塑性エラストマー
(b)20〜80重量部とからなる環状オレフィン系樹脂
組成物(i)100重量部に対して、 (ii)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種類
の変性剤(ii)0.1〜10重量部を、接触させることに
より得られる変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]
と、 [B]結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引
張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィ
ン樹脂[B]とからなり、 [A]/[B]の重量比が99/1〜1/99の重量比
で含有し、かつ、上記(a)成分が、(a)成分、(b)成分お
よび[B]成分の合計100重量部に対して、5〜48
重量部で配合して溶融混練することにより製造すること
ができる。
【0012】
【化5】
【0013】・・・[I] 上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または
正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18
よびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単環また
は多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が
二重結合を有していてもよく、また、R15とR16とで、
またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していても
よい。
【0014】
【化6】
【0015】・・・[II] 上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であ
り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化
水素基またはアルコキシ基であり、R9またはR10が結
合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子ま
たはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素
原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
く、また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR
19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成
していてもよい。
【0016】本発明のオレフィン系重合体組成物は、従
来のオレフィン系重合体組成物と比較して優れた塗装性
および機械的物性を示す。
【0017】
【発明の具体的な説明】次に本発明のオレフィン系重合
体組成物について具体的に説明する。 [環状オレフィン系樹脂(a)]本発明で使用される環
状オレフィン系樹脂(a)は、後述する環状オレフィンか
ら誘導される繰り返し単位を有する樹脂であり、この環
状オレフィン系樹脂(a)について135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10dl/
g、好ましくは0.3〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.
3〜2.0dl/gの範囲内にある。またこの環状オレフィ
ン系樹脂についてサーマル・メカニカル・アナライザーで
測定した軟化温度(TMA)は、通常70℃以上、好ま
しくは70〜200℃、さらに好ましくは100〜18
0℃の範囲内にある。さらにガラス転移温度(Tg)
は、通常50〜190℃、好ましくは80〜170℃の
範囲内にあり、X線回折法により測定した結晶化度は、
通常0〜20%、好ましくは0〜2%の範囲内にある。
【0018】本発明で使用される環状オレフィン系樹脂
(a)は、(a-1) エチレンと次式で表される環状オレフィ
ンとがランダムに共重合している環状オレフィンランダ
ム共重合体、(a-2) 次式で表される環状オレフィンの開
環重合体または開環共重合体(環状オレフィン開環共重
合体)、および、(a-3) 上記環状オレフィンの開環重合
体または開環共重合体の水添物(水素化開環重合体)で
あり、これらは単独で使用することもできるし、異なる
重合体または共重合体を組み合わせて使用することがで
きる。
【0019】
【化7】
【0020】・・・[I] 上記式[I]において、nは0または1であり、mは0
または正の整数であり、qは0または1である。なおq
が1の場合には、6員環を形成し、qが0の場合には、
5員環を形成している。
【0021】また、上記式[I]において、R1 〜R18
ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここで、ハ
ロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子である。
【0022】また、炭化水素基としては、通常、炭素原
子数1〜20のアルキル基、および、炭素原子数3〜1
5のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基を挙げる
ことができる。より具体的には、アルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ア
ミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基およびオクタデシル基などを挙げることができる。こ
れらアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよ
い。
【0023】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基として
は、フェニル基およびナフチル基などを挙げることがで
きる。
【0024】さらに上記式[I]において、R15とR16
とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18
が、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ
結合して(互いに共同して)、単環構造または多環構造
を形成していてもよく、しかもこのようにして形成され
た単環構造または多環構造が二重結合を有していてもよ
い。
【0025】ここで形成される単環構造または多環構造
としては、具体的に以下のようなものを挙げることがで
きる。
【0026】
【化8】
【0027】なお、上記例示において、1および2の番
号を付した炭素原子は、式[I]において、それぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表わす。
【0028】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキ
リデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な
例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソ
プロピリデン基を挙げることができる。
【0029】
【化9】
【0030】・・・[II] 上記式[II]において、pおよびqは0または正の整数
であり、mおよびnは0、1または2である。
【0031】また、R1 〜R19は、それぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基
である。ここで、ハロゲン原子は、上記式[I]におけ
るハロゲン原子と同じである。
【0032】また、炭化水素基としては、通常、炭素原
子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシク
ロアルキル基または芳香族炭化水素基を挙げることがで
きる。より具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基などを挙げることができる。これら
アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0033】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基として
は、アリール基およびアラルキル基などを挙げることが
でき、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル
基、ベンジル基およびフェニルエチル基などを挙げるこ
とができる。
【0034】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
ここで、R9 またはR10が結合している炭素原子と、R
13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭
素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレ
ン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記2個
の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合に
は、R9 とR13とが、またはR10とR11とが互いに共同
して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2
2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-)の内
のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0035】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のときR15とR12とにより形成される以下のような芳香
族環を挙げることができる。
【0036】
【化10】
【0037】ここで、qは式[II]におけるqと同じで
ある。上記のような式[I]または[II]で表わされる
環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ-2- ヘ
プテン誘導体(ビシクロヘプト-2- エン誘導体)、トリ
シクロ-3- デセン誘導体、トリシクロ-3- ウンデセン誘
導体、テトラシクロ-3- ドデセン誘導体、ペンタシクロ
-4- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエ
ン誘導体、ペンタシクロ-3- ペンタデセン誘導体、ペン
タシクロ-3- ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-4- ヘ
キサデセン誘導体、ヘキサシクロ-4- ヘプタデセン誘導
体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ
-4- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5- ヘンエイコセ
ン誘導体、オクタシクロ-5- ドコセン誘導体、ノナシク
ロ-5- ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6- ヘキサコセ
ン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加
物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘
導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアン
トラセン誘導体などを挙げることができる。
【0038】以下に、上記のような式[I]または[I
I]で表わされる環状オレフィンの具体的な例を示す。
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】
【化29】
【0058】
【化30】
【0059】
【化31】
【0060】(環状オレフィンランダム共重合体(a-
1))環状オレフィンランダム共重合体(a-1)は、例えば
触媒の存在下に、液相中でエチレンと上記式[I]また
は[II]で表される環状オレフィンとを共重合させるこ
とにより得ることができる。
【0061】上記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンと共重合して環状オレフィンランダム共重合
体(a-1)を形成する単量体はエチレンである。ただし、
この環状オレフィンランダム共重合体には、オレフィン
化合物としてエチレンの他に、他のオレフィン化合物が
共重合していてもよい。
【0062】ここで共重合可能な他のオレフィン化合物
の例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-
ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、
3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル
-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル
-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデ
セン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコ
センなどの炭素数3〜20のα-オレフィン、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチル
シクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチ
ルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテンおよび3
a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどの
シクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メチル-2-ノル
ボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソプロピル-
2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イソ
ブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネ
ン、5-クロロ-2-ノルボルネンおよび5-フルオロ-2-ノル
ボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエン、4-
メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエ
ン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチ
リデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類を挙げることができる。
【0063】これらの他のオレフィン化合物は、単独で
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上
記エチレンと式[I]または[II]で表される環状オレ
フィンとの反応は、触媒の存在下に、通常は炭化水素溶
媒中で行われる。
【0064】ここで使用される炭化水素溶媒としては、
例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび灯油等の脂
肪族炭化水素;シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキ
サン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキ
シレン等の芳香族炭化水素を挙げることができる。さら
に、この環状オレフィンランダム共重合体(a-1)を調製
する際に用いることができる重合性不飽和単量体の内、
反応温度において液体である化合物を反応溶媒として使
用することもできる。これらの溶媒は単独であるいは組
み合わせて使用することができる。
【0065】エチレンと上記環状オレフィンの反応で使
用される触媒は、炭化水素可溶性バナジウム化合物とハ
ロゲン含有有機アルミニウム化合物とから形成される触
媒(イ)またはシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子を含むIV族またはランタニドの遷移金属化合物と有機
アルミニウムオキシ化合物と必要に応じて有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒(ロ)等である。
【0066】これらの触媒について具体的に説明する。
上記のエチレンと、式[I]または[II]で表わされる
環状オレフィンとの反応の際に用いられる触媒として
は、反応溶媒として用いる炭化水素溶媒に可溶性のバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
を挙げることができる。
【0067】ここで触媒として用いられるバナジウム化
合物としては、式 VO(OR)ab、若しくは、式
V(OR)cdで表わされる化合物を挙げることができ
る。ただし、上記の式において、Rは炭化水素基であ
り、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c
≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4の関係を有する。
【0068】さらにバナジウム化合物は、上記式で表わ
されるバナジウム化合物の電子供与体付加物であっても
よい。これらのバナジウム化合物の例としては、VOC
3、VO(OC25)Cl2、VO(OC252
l、VO(O-iso-C37)Cl2、VO(O-n-C
49)Cl2、VO(OC253、VOBr2、VC
4、VOCl2、VO(O-n-C493およびVCl3
・2(OC817OH)等のバナジウム化合物を挙げるこ
とができる。これらのバナジウム化合物は単独で、ある
いは組合わせて使用することができる。
【0069】また、上記のバナジウム化合物と付加物を
形成する電子供与体の例としては、炭素数1〜18のア
ルコール類、炭素数6〜20のフェノール類(これらの
フェノール類は、低級アルキル基を有してよい)、炭素
数3〜15のケトン類、炭素数2〜15のアルデヒド、
炭素数2〜30のカルボン酸、有機酸または無機酸のエ
ステル類、炭素数2〜15の酸ハライド類、炭素数2〜
20のエーテル類、酸アミド類、酸無水物、アルコキシ
シラン等の含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニ
トリル、イソシアネート等の含窒素電子供与体を挙げる
ことができる。これらの電子供与体は、単独であるいは
組合わせて使用することができる。
【0070】ここで使用される有機アルミニウム化合物
としては、分子内に少なくとも1個のAl-炭素結合を
有する化合物を用いることができる。ここで有機アルミ
ニウム化合物の例としては、(1) 式R1 mAl(OR2n
pq (ここでR1およびR2は炭素原子数が通常は1
〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基で、これらは互
いに同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン、mは
0≦m≦3、nは0≦n<3、pは0≦n<3、qは0
≦q<3の数であって、しかもm+n+p+q=3であ
る)で表わされる有機アルミニウム化合物、(2) 式M1
AlR1 4 (ここでM1はLi、NaまたはKであり、
1は前記と同じ意味である)で表わされる第I族金属
とアルミニウムとの錯アルキル化物を挙げることができ
る。
【0071】前記の式(1)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物としては、具体的には以下に記載する化合物を
挙げることができる。式 R1 mAl(OR23-m(ここ
でR1およびR2は前記と同じ意味であり、mは好ましく
は1.5≦m<3の数である)で表わされる化合物。
【0072】式 R1 mAlX3-m(ここでR1は前記と同
じ意味であり、Xはハロゲン、mは好ましくは0<m<
3である)で表わされる化合物。式 R1 mAlH
3-m(ここでR1は前記と同じ意味であり、mは好ましく
は2≦m<3である)で表わされる化合物。
【0073】式 R1 mAl(OR2nq(ここでR1
よびR2は前記と同じ意味である。Xはハロゲン、0<
m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3で
ある)で表わされる化合物。
【0074】式(2)で表わされる有機アルミニウム化合
物の具体的な例としては、トリアルキルアルミニウム、
ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミ
ニウムセスキアルコキシド、例えば式R1 2.5Al(OR
20.5等で表わされる平均組成を有する部分的にアルコ
キシ化されたアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミ
ニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライ
ド、アルキルアルミニウムジハライドのように部分的に
ハロゲン化されたアルキルアルミニウム、ジアルキルア
ルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド
のように部分的に水素化されたアルキルアルミニウム、
並びに、部分的にアルコキシ化およびハロゲン化された
アルキルアルミニウムを挙げることができる。
【0075】また、有機アルミニウム化合物は、たとえ
ば酸素原子あるいは窒素原子を介して、2個以上のアル
ミニウムが結合した有機アルミニウム化合物のように式
(2)で表わされる化合物に類似する化合物であってもよ
い。このような化合物の具体的な例としては、(C
252AlOAl(C252、(C492AlOA
l(C492 (C252AlN(C65)Al(C252を挙げる
ことができる。
【0076】これらの中では、特にアルキルアルミニウ
ムハライド、アルキルアルミウムジハライドまたはこれ
らの混合物を用いるのが好ましい。上記のバナジウム化
合物の使用量は、バナジウム原子として、通常は0.0
1〜5グラム原子/リットル、好ましくは0.05〜3
グラム原子/リットルの範囲内にある。また、有機アル
ミニウム化合物の使用量は、重合反応系内のバナジウム
原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)として
表わすと、通常は2以上、好ましくは2〜50、特に好
ましくは3〜20の範囲にある。
【0077】上記のようにして得られる環状オレフィン
ランダム共重合体(a-1)は、エチレンから誘導される繰
り返し単位を通常は52〜90モル%、好ましくは55
〜80モル%の範囲内の量で含み、環状オレフィンから
誘導される繰り返し単位を通常は10〜48モル%、好
ましくは20〜45モル%の範囲内の量で含んでいる。
また、上述の他のオレフィン化合物から誘導される構成
単位の含有率は、通常は20モル%以下、好ましくは1
0モル%以下である。
【0078】上記環状オレフィンランダム共重合体(a-
1)において、エチレンから誘導される繰り返し単位と環
状オレフィンから誘導される繰り返し単位とは、実質的
に線状に配列されており、さらにこれらの繰り返し単位
は、ランダムに配列されている。なお、エチレン組成お
よび環状オレフィン組成は13C-NMRによって測定す
ることができる。
【0079】このような環状オレフィンランダム共重合
体(a-1)において、前記式[I]または[II]で表される
環状オレフィンは、それぞれ下記式[III]または[I
V]で表される構造の繰り返し単位を形成していると考
えられる。
【0080】
【化32】
【0081】・・・[III] 上記式[III]において、R1〜R18、Ra〜Rb、m、n
およびqは、前記式[I]における定義と同様である。
【0082】
【化33】
【0083】・・・[IV] 上記式[IV]において、R1〜R19、m、n、pおよび
qは、前記式[II]における定義と同様である。
【0084】環状オレフィンランダム共重合体(a-1)の
重合方法および使用される触媒に関しては既に出願され
ており、上記の他、例えば、特開昭60-168,708号公報、
同61-120,816号、同61-115,912号、同61-115,916号、同
61-271,308号および同61-272,216号等の公報、並びに、
特願昭61-95,905号および同61-95,906号などの明細書に
おいて本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択す
ることにより製造することができる。
【0085】(環状オレフィン開環重合体または開環共
重合体(a-2))環状オレフィン開環重合体または開環共
重合体(a-2)(開環(共)共重合体)は、式[I]または
[II]で表される環状オレフィンを、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、インジウムおよび白金
のような金属のハロゲン化物、これらの金属の硝酸塩ま
たはこれらの金属のアセチルアセトン化合物と、還元剤
とからなる触媒;チタン、パラジウム、ジルコニウムお
よびモリブデンのような金属のハロゲン化物またはこれ
らの金属のアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウ
ムとからなる触媒の存在下に(共)重合させることによ
り製造することができる。
【0086】環状オレフィン開環重合体または環状オレ
フィン開環共重合体(a-2)において、環状オレフィン
[I]または[II]は、それぞれ次式[V]または[VI]
で表わされる繰り返し単位を形成していると考えられ
る。
【0087】
【化34】
【0088】・・・[V] 上記式[V]において、n、m、q、R1 〜R18、Ra
bは、前記式[I]におけるのと同じ意味である。
【0089】
【化35】
【0090】・・・[VI] 上記式[VI]において、p、q、m、n、R1〜R
19は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0091】(環状オレフィン開環共重合体の水添物(a
-3))上記環状オレフィン開環重合体または環状オレフ
ィン開環共重合体(a-2)の水添物(a-3)は、上記のように
して得られた環状オレフィン開環重合体あるいは開環共
重合体(a-2)を水素添加触媒の存在下に水素で還元する
ことにより製造することができる。
【0092】この水添物(a-3)中で式[I]または[II]
で表される環状オレフィンは、それぞれ次式[VII]ま
たは[VIII]で表わされる繰り返し単位を形成している
と考えられる。
【0093】
【化36】
【0094】・・・[VII] 上記式[VII]において、n、m、q、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0095】
【化37】
【0096】・・・[VIII] 上記式[VIII]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0097】[スチレン系熱可塑性エラストマー(b)]
上記スチレン系熱可塑性エラストマー(b)について具体
的に説明する。本発明で使用されるスチレン系熱可塑性
エラストマー(b)は、スチレン-ブタジエンブロック共重
合体およびその水素添加物、並びに、スチレン-イソプ
レンブロック共重合体およびその水素添加物等である。
【0098】このスチレン系熱可塑性エラストマー(b)
は、スチレンを主体とする重合体ブロックAと共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBを有するブロッ
ク共重合体である。さらに、このスチレンを主体とする
重合体ブロックAには、2個以上のスチレンを含有する
重合体ブロックであることが好ましい。
【0099】スチレンを主体とする重合体ブロックAに
おけるスチレンと共役ジエン化合物との重量比は、通常
は100/0〜51/49、好ましくは100/0〜7
0/30の範囲内にある。ここでスチレンと共役ジエン
化合物とは、ランダムに共重合していてもよいし、一部
ブロック状に共重合していてもよく、さらにこれらの任
意の組み合わせであってもよい。
【0100】また、共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックBにおけるスチレン化合物と共役ジエン化合
物との重量比は、通常は0/100〜49/51、好ま
しくは0/100〜30/70の範囲内にある。ここで
共役ジエンとスチレン化合物とは、ランダムに共重合し
ていてもよいし、一部ブロック状に共重合していてもよ
く、さらにこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0101】上記共重合体ブロックAと共重合体ブロッ
クBとからなるスチレン系熱可塑性エラストマー(b)
は、スチレンから誘導される繰り返し単位と共役ジエン
化合物から誘導される繰り返し単位とを、通常は10/
90〜55/45の範囲の重量比で、好ましくは15/
85〜45/55の範囲の重量比で含有している。スチ
レンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%
以上のエラストマーを用いることにより、得られる組成
物の剛性が高くなり、またこのスチレンから誘導される
繰り返し単位の量を55重量%以下にすることにより、
得られる組成物の耐衝撃性が良好な値を示すようになる
ので、特に好ましい。
【0102】ここで使用するビニル芳香族化合物として
は、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン
およびp-tert-ブチルスチレン等のアルキルスチレン、
パラメトキシスチレン、ならびに、ビニルナフタレン等
を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合
わせて使用することができる。これらの中でもスチレ
ン、p-メチルスチレンが特に好ましい。
【0103】また、共役ジエン化合物としては、ブタジ
エン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、
フェニルブタジエン、3,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエ
ン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン等を挙げることが
できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用する
ことができる。これらの中でもブタジエンおよび/また
はイソプレンが好ましい。
【0104】本発明のスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により測定した数平均分子量が20,000〜5
00,000の範囲であり、分子量分布(重量平均分子
量と数平均分子量の比)が1.01〜10の範囲のもの
である。またこのスチレン系熱可塑性エラストマー(b)
の分子構造は直鎖状、分岐状、放射状またはこれらの組
み合わせなどいずれでもよい。
【0105】また、このスチレン系熱可塑性エラストマ
ー(b)について230℃にて測定したメルトフローレー
トは、通常は0.5〜150g/10分、好ましくは5〜
100g/10分範囲内にある。スチレン系熱可塑性エラ
ストマー(b)は、直鎖状、分岐状、放射状またはこれら
の組み合わせなどいずれの分子構造を有していてもよ
い。
【0106】スチレン系熱可塑性エラストマー(b)にお
いて共役ジエン化合物としてブタジエンもしくはイソプ
レンを用いた場合、このエラストマー中におけるその共
役ジエンの1,2結合量が5〜80モル%、または、3,
4結合量が5〜80モル%の範囲にあることが好まし
い。特にこのスチレン系熱可塑性エラストマー(b)を水
添して用いる場合には、1,2結合量、または、3,4結
合量は、30〜70モル%の範囲内にあることが特に好
ましい。
【0107】上記のような未変性エラストマーは、一般
にはアニオン重合法によりアルキルリチウムおよびアル
キルナトリウム等の触媒を用いてスチレンおよび共役ジ
エンを共重合させることにより得られるが、これらの他
に、公知のいかなる方法で得られたものでも使用可能で
ある。
【0108】さらに本発明では、スチレン系熱可塑性エ
ラストマー(b)として、上記の述べたビニル芳香族化合
物-共役ジエン化合物ブロック共重合体エラストマーの
水素添加物を使用することができる。
【0109】このエラストマーは、ビニル芳香族化合物
-共役ジエン化合物ブロック共重合体エラストマーの共
役ジエン部分の不飽和度が20%を超えない程度まで共
役ジエン部分が選択的に水添されていることが好まし
い。このように選択的な水添物は、公知の方法、例え
ば、特公昭42-8,704号公報に記載の方法で上記エラスト
マーを水添することによって得られる。
【0110】さらに具体的に説明すると、前記のビニル
芳香族化合物-共役ジエン化合物ブロック共重合エラス
トマーを形成する共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックB中に存在する共役ジエン化合物に起因する脂
肪族二重結合のうち、80%以上が水素添加されて、こ
の共役ジエン化合物が水添されることにより形成される
オレフィン化合物を主体とする重合体ブロックの量(即
ち不飽和度)が20%を超えないことが好ましい。
【0111】一方、スチレン化合物を主体とする重合体
ブロック中における芳香族性二重結合の水素添加率につ
いては特に制限はないが、水素添加率を20%以下にす
ることが好ましい。
【0112】この水添されたエラストマーにおけるオレ
フィン化合物を主体とする重合体ブロックの不飽和度
は、赤外吸光分析や核磁気共鳴等を用いた機器分析、ヨ
ウ素滴定法等による滴定分析により測定できる。
【0113】また、本発明で使用されるスチレン系熱可
塑性エラストマー(b)には、その物性を損なわな範囲
で、他のエラストマーを配合することができる。ここで
使用可能な他のエラストマーの具体的な例としては、エ
チレン-プロピレン共重合エラストマー、エチレン-1-ブ
テン共重合エラストマー、エチレン-プロピレン-1-ブテ
ン共重合エラストマー、プロピレン-1-ブテン共重合エ
ラストマー、エチレン−プロピレン-5-エチリデン-2-ノ
ルボルネン共重合エラストマーおよびエチレン-プロピ
レン-ジシクロペンタジエン共重合エラストマー等のオ
レフィン系エラストマーを挙げることができる。
【0114】上記の環状オレフィン系樹脂(a)とスチレ
ン系熱可塑性エラストマー(b)とは、両者の合計重量1
00重量部に対して、環状オレフィン系樹脂(a)を20
〜80重量部、好ましくは30〜70重量部の範囲内の
量で、スチレン系熱可塑性エラストマー(b)を80〜2
0重量部、好ましくは70〜30重量部の範囲内の量で
配合する。
【0115】このような量で環状オレフィン系樹脂(a)
とスチレン系熱可塑性エラストマー(b)とを配合するこ
とにより、両者の樹脂の特性が減失することなく、組成
物から形成される成形体に両者の樹脂の優れた特性を顕
在化することができる。
【0116】[変性剤(ii)]上記の環状オレフィン系樹
脂(a)とスチレン系熱可塑性エラストマー(b)とを変性す
る変性剤(ii)は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸、
その酸無水物およびエチレン性不飽和基含有カルボン酸
ヒドロキシアルキルエステルよりなる群から選ばれる少
なくとも一種類の変性剤(ii)である。
【0117】ここでエチレン性不飽和基含有カルボン酸
またはこれらの酸無水物としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ノルボル
ネンジカルボン酸およびビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン
-5,6-ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸またはこれら
の酸無水物を挙げることができる。
【0118】さらに、エチレン性不飽和基含有カルボン
酸ヒドロキシアルキルエステルの具体的な例としては、
2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル
メタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、
2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3-クロロ-2-ヒドロキシアクリレート、3-クロロ-
2-ヒドロキシメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノ
キシプロピルアクリレートおよび2-ヒドロキシ-3-フェ
ノキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
【0119】これらの中でも好ましいのは、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等である。これ
らの変性剤は、単独で使用することもできるし、さらに
組み合わせて使用することもできる。
【0120】この変性剤(ii)は、環状オレフィン系樹脂
(a)とスチレン系熱可塑性エラストマー(b)との合計重量
100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部の量で使用される。
【0121】上記の変性剤(ii)で上記(a)成分および(b)
成分を変性するに際しては、ラジカル開始剤を使用する
ことが好ましい。ラジカル開始剤としては、通常は、有
機過酸化物またはアゾ化合物等が用いられる。
【0122】ここで使用される有機過酸化物の具体的な
例としては、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-ト
リメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オ
クタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)パラ
レートおよび2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等の
パーオキシケタール類;ジ-t-ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイ
ド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオ
キシ)ヘキサンおよび2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチル
パーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm-
トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキ
シイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキ
サノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイ
ソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイックアシ
ッド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートお
よびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステ
ル類;ならびに、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-
ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3-テトラメチル
ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類を挙げることができる。
【0123】この中で好ましいものは、1,1-ビス(t-ブ
チルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ
-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘ
キシン-3である。
【0124】また、ラジカル開始剤として使用されるア
ゾ化合物の具体的な例としては、アゾイソブチロニトリ
ル等を挙げることができる。このようなラジカル開始剤
は、単独あるいは組合せて使用することができる。
【0125】ラジカル開始剤は、環状オレフィン系樹脂
(a)とスチレン系熱可塑性エラストマー(b)との合計重量
100重量部に対して、通常は0.005〜10重量
部、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。
【0126】さらに本発明では、上記変性剤(ii)と環状
オレフィン系樹脂(a)とスチレン系熱可塑性エラストマ
ー(b)とを、分子内にラジカル重合性の官能基を2個以
上有する化合物の共存下に接触させることが好ましい。
この分子内にラジカル重合性の官能基を2個以上有する
化合物は架橋助剤であり、このような化合物を併用する
ことにより架橋構造が形成される。ここでラジカル重合
性の官能基を分子内に2個以上有する化合物の例として
は、ジビニルベンゼンおよび(メタ)アクリル酸ビニル
などを挙げることができる。このような架橋助剤を併用
する場合、この架橋剤は、環状オレフィン系樹脂(a)お
よびスチレン系熱可塑性エラストマー(b)の合計重量1
00重量部に対して、通常は0.005〜10重量部の
量で使用することが好ましく、さらに0.05〜5重量
部の量で使用することが特に好ましい。
【0127】上記環状オレフィン系樹脂(a)、スチレン
系熱可塑性エラストマー(b)および変性剤(ii)との接触
反応物である変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]
は、公知の方法を利用して製造することができる。例え
ば、環状オレフィン系樹脂(a)およびスチレン系熱可塑
性エラストマー(b)と、変性剤(ii)とをラジカル開始剤
の存在下に溶融混練する方法、環状オレフィン系樹脂
(a)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(b)とを予め
有機溶媒に溶解もしくは分散させた溶液(あるいは分散
液)を調製し、ここに変性剤とラジカル開始剤とを添加
し加熱する方法などを挙げることができる。
【0128】さらに、この変性環状オレフィン系樹脂組
成物[A]の製造方法には、具体的には、環状オレフィ
ン系樹脂(a)とスチレン系熱可塑性エラストマー(b)との
混合物を溶融混練し、さらにこの混練物に変性剤(ii)、
ラジカル開始剤および必要により架橋助剤を配合して混
練する方法、環状オレフィン系樹脂(a)とスチレン系熱
可塑性エラストマー(b)との混合物を溶融混練し、さら
にこの混練物に変性剤(ii)およびラジカル開始剤を配合
して混練し、さらにこの混練物にラジカル開始剤、必要
により架橋助剤を配合して混練する方法、環状オレフィ
ン系樹脂(a)、スチレン系熱可塑性エラストマー(b)、変
性剤(ii)およびラジカル開始剤を一括で溶融混練し、さ
らにこの混練物にラジカル開始剤、架橋助剤を配合して
混練する方法、環状オレフィン系樹脂(a)、スチレン系
熱可塑性エラストマー(b)との混合物を溶融混練し、さ
らにこの混練物にラジカル開始剤および必要により架橋
助剤を溶融混練し、さらにこの混練物に変性剤(ii)およ
びラジカル開始剤を配合して溶融混練する方法、環状オ
レフィン系樹脂(a)、スチレン系熱可塑性エラストマー
(b)、変性剤(ii)、ラジカル開始剤および必要により架
橋助剤を一括で溶融混練する方法があり、いずれの方法
を採用することもできる。
【0129】また、上記のようにして製造される変性環
状オレフィン系樹脂組成物[A]は、グラフト量が上記
の範囲内になるように変性剤(ii)と未変性の環状オレフ
ィン系樹脂組成物との配合量を調製して製造することも
できるし、また、例えば変性剤(ii)の配合量を多くして
グラフト量の高い変性環状オレフィン系樹脂組成物を調
製し、次いでグラフト量が上記範囲内になるように未変
性の環状オレフィン系樹脂組成物を配合して希釈するこ
とにより調製することもできる。
【0130】[ポリオレフィン樹脂[B]]次に、上記
の変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]と共に本発明
の樹脂組成物を形成するポリオレフィン系樹脂[B]に
ついて説明する。
【0131】ポリオレフィン樹脂[B]は、特定の結晶
化度を有する結晶性のポリオレフィンである。すなわ
ち、ポリオレフィン樹脂[B]としては、X線回折法に
よって測定した結晶化度が30%を超え、好ましくは結
晶化度が40%以上、さらに好ましくは50%以上のポ
リオレフィンが使用される。同時に、この結晶性のポリ
オレフィン[B]としては、23℃における引張モジュ
ラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィンが使用
され、特にこの引張モジュラスが、好ましくは2000
kg/cm2を超え30000kg/cm2以下、さらに好ましく
は3000〜20000kg/cm2の範囲内にあるポリオ
レフィン[B]が使用される。
【0132】このような結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンが
好ましく使用される。ここで使用されるポリエチレンと
しては、エチレンから誘導される繰り返し単位を通常は
50モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するポ
リエチレンであり、またポリプロピレンとしては、プロ
ピレンから誘導される繰り返し単位を通常は70モル%
以上、好ましくは80モル%以上含有するポリプロピレ
ンである。
【0133】このポリエチレンは、エチレンの単独重合
体であっても、また少量の他のα-オレフィンとの共重
合体であってもよい。エチレンと共重合する他のα-オ
レフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテンおよび
1-ヘキセンのような炭素数3〜20のα-オレフィンを
挙げることができる。
【0134】本発明で使用することができる結晶性ポリ
エチレンの具体的な例としては、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)を挙げることができる。このような結晶性ポ
リエチレンは通常は0.82〜0.96g/cm3程度の密度
を有しており、さらに135℃のデカリン中で測定した
極限粘度[η]は、通常は1〜5dl/gの範囲内にあ
る。
【0135】また、この結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]として、ポリプロピレンを使用する場合、プロピ
レンの単独重合体およびプロピレンと他のα-オレフィ
ンとの共重合体を使用することができる。プロピレンと
共重合する他のα-オレフィンの例としては、エチレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-
メチル-1-ブテンおよび1-ヘキセンのような炭素数2〜
20のα-オレフィン(プロピレンを除く)を挙げるこ
とができる。このような結晶性ポリプロピレン樹脂
[B]は通常は0.88〜0.92g/cm3程度の密度を有
しており、さらに135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]は、通常は1〜10dl/gの範囲内にある。
【0136】また、この結晶性ポリオレフィン樹脂
[B]として、上記の未変性の結晶性ポリオレフィン樹
脂を、エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物
およびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシア
ルキルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種
類の変性剤で変性した変性ポリオレフィン樹脂を使用す
ることもできる。
【0137】なお、上記結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]は、結晶性を損なわない範囲内で鎖状非共役ジエ
ンから誘導される繰り返し単位および/または環状非共
役ジエンから誘導される繰り返し単位を有していてもよ
い。
【0138】結晶性ポリオレフィン樹脂[B]における
このような非共役ジエンから誘導される繰り返し単位の
含有率は、通常は20モル%以下、好ましくは10モル
%以下である。
【0139】本発明のオレフィン系重合体組成物は、上
記のような変性環状オレフィン樹脂組成物[A]と結晶
性ポリオレフィン樹脂[B]とを、1/99〜99/1
の重量比で含有している。特に両者の配合比率を10/
85〜73/30の範囲内にすることにより、機械的特
性および被塗装性に優れた成形体を得ることができる。
なお、本発明のオレフィン系重合体組成物は、変性環状
オレフィン樹脂組成物[A]と結晶性ポリオレフィン樹
脂[B]との配合比率がおおよそ35/65を境にして
[A]成分の多い領域では環状オレフィン樹脂の特性が
比較的表在化した成形体を得易く、他方[B]成分の多
い領域では、結晶性ポリオレフィン樹脂[B]の特性が
表在化した成形体を得易くなる傾向がある。従って、本
発明のオレフィン系重合体組成物では、上記範囲内にお
いて変性環状オレフィン樹脂組成物[A]と結晶性ポリ
オレフィン樹脂[B]との配合比率を調製することによ
り、極めて多種多彩な成形体を製造することができる。
そして、このような成形体は機械的特性に優れると共
に、被塗装性に優れているとの特性を有している。
【0140】本発明の環状オレフィン系重合体組成物に
は、さらに、上記の成分の他に充填剤、充填剤、熱安定
剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、造核剤、スリップ防止
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染
料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤が配合さ
れていてもよい。
【0141】ここで使用される充填剤の具体的な例とし
ては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、塩基
性炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウム、カオリン、クレー、パイロ
フェライト、セリサイト、タルク、ケイ酸カルシウム
(ウォラストナイト、ゾーノトライト、花弁状ケイ酸カ
ルシウム)、珪藻土、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ
酸、含水ケイ酸、マイカ、ケイ酸マグネシウム(アスベ
スト、PFM(Processed Mineral Fiber)、セピオライ
ト)、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏セン
イ、ガラスバルン、シリカバルン、フライアッシュバル
ン、シラスバルン、カーボン系バルン、フェノール樹
脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、サラン樹脂等の有機系
バルン、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファ
イト、ガラス繊維(チョップドストランド、ローピン
グ、ミルドガラス繊維、ガラスフレーク等)、カットフ
ァイバー、ロックファイバー、ミクロファイバー、炭素
繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、
クマロンインデン樹脂および石油樹脂等を挙げることが
できる。
【0142】この環状オレフィン系重合体組成物は、公
知の方法を利用して製造することができる。例えば、
[A]成分と[B]成分を溶融混練する方法を挙げるこ
とができる。混練は非開放型の装置中で行うことが好ま
しく、窒素または炭酸ガス等の不活性が雰囲気下で行う
ことが好ましい。その温度は使用ラジカル開始剤の半減
期が1分間となる温度、通常150〜280℃、好まし
くは170〜240℃、混練時間は通常1〜20分間、
好ましくは1〜10分間である。
【0143】混練装置としては、ミキシングロール、イ
ンテンシブミキサー、例えばバンバリーミキサー、ニー
ダー、一軸または二軸押出機を用いることができるが、
非開放型のものが望ましい。
【0144】このようにして得られる組成物は通常ペレ
ット状に成形され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野にお
いて一般に行われている射出成形法、押出成形法等の成
形方法によって所望の成形物に製造される。
【0145】本発明のオレフィン系重合体組成物から形
成される成形体の塗装にはウレタン系塗料、アミノ系塗
料等に対する塗装性に優れている。上記のような塗料の
うち、例えばウレタン樹脂系塗料を用いた塗装方法につ
いて一例を挙げて説明すると、本発明のオレフィン系重
合体組成物から形成された成形体を、水洗および一般的
な工業用洗浄剤を用いた洗浄を少なくともそれぞれ一回
ずつ行い、さらに水洗した後加熱乾燥させる。すなわ
ち、本発明の重合体組成物から形成された成形体に塗装
する場合には、従来から行われていた塩素系溶剤を用い
た蒸気洗浄を行うことを必ずしも必要としない。このよ
うにして乾燥された成形体に、ウレタン系塗料を塗布
し、必要に応じて加熱することにより、成形体表面にウ
レタン樹脂塗膜を形成することができる。こうして形成
された塗膜は、塩素系溶剤蒸気を用いた洗浄(表面処
理)を行っていないにも拘らず、成形体に対して非常に
良好な密着性を有している。
【0146】このようにして得られた本発明のオレフィ
ン系重合体組成物は、成形性に優れており、通常の熱可
塑性プラスチックで使用されている装置で成形でき、押
出成形、カレンダー成形、射出成形等に適している。
【0147】以上のような特性を利用して、本発明の樹
脂組成物は、自動車部品、オートバイ部品、電気機器部
品、日用品、土木建築材料、一般工業材料、事務情報機
器、包装材料、スポーツ用具および医療用具など、その
表面に塗装を施される用途に広く使用することができ
る。
【0148】
【発明の効果】本発明のオレフィン系重合体組成物は、
特定の環状オレフィン系樹脂(a)、スチレン系熱可塑性
エラストマー(b)とを、特定の変性剤(ii)で変性した変
性環状オレフィン系樹脂組成物[A]、および結晶性ポ
リオレフィン樹脂[B]を、特定の割合で含有している
ので、この組成物から形成された成形体は、機械的特性
に優れると共に、ウレタン塗料およびメラミン塗料など
の塗装塗膜との密着性が非常に優れている。従って、従
来のように成形体の表面を塩素系有機溶剤蒸気で処理す
るなどの前処理を行わなくとも、直接この成形体の表面
にウレタン塗料またはメラミン塗料等を塗布することが
できる。
【0149】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0150】本発明における組成物等の諸特性は次のよ
うにして測定した。 (1)極限粘度([η]) デカリン溶液、135℃で測定した。 (2)軟化温度(TMA) デュポン社製 Thermo Mechanical Analyzer を用いて
厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シ−ト上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5
℃/分の速度で昇温してゆき、針がシートに0.635m
m侵入した温度をTMAとした。 (3)曲げ弾性率 ASTM D−790に準拠し、23℃で測定した。 (4)アイゾット衝撃試験 ASTM D−256に準拠し、−30℃で測定した。 (5)塗装試験 ・試験片の作成 50トン射出成形機にて成形した角板に次の塗料を塗布
した。なお、下記塗料塗布前に角板表面をエアブローし
た。 ・塗装 メラミン塗料およびウレタン塗料を乾燥膜厚が60μm
になるようにエアガンにて塗装した。焼き付けをそれぞ
れ120℃で30分、100℃で30分で行った。 ・碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法
に準じて、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロハン粘
着テープ(ニチバン(株)製、商品名:セロテープ)を
試験片に張り付けた後これを速やかに90゜ の方向に引
っ張って剥離させ、碁盤目の数を数え付着性の指標とし
た。 ・剥離強度試験 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に刃
が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、そ
の剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180゜の
方向に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測定し
た。
【0151】
【実施例1】環状オレフィンランダム共重合体(a-1)ペ
レット(エチレンと1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,
8a-オクタヒドロナフタレン(DMON)とのランダム
共重合体、エチレン含有率:73モル%、極限粘度
[η]=0.6dl/g、MFR260℃=25g/分、TM
A=115℃)4.8kgと、スチレン系熱可塑性エラスト
マー(b)(スチレン−ブタジエン−スチレントリブロッ
ク共重合体の水素添加物、スチレン含量30重量%、G
PCにて測定した数平均分子量=80,000、分子分布
(重量平均分子量/数平均分子量比)1.1)3.2kgと
を混合した後、二軸押出機(スクリュー径 30mm、L
/D=42)により、シリンダー温度250℃で溶融ブ
レンドし、ペレタイザーを用いてペレット化した。
【0152】得られたペレット6kgに対して、2-ヒドロ
キシエチルアクリレート(ii)(以下、HEAと略す):
60g、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)
ヘキシン-3(以下、POと略す):6gおよびジビニルベ
ンゼン(以下、DVBと略す):6gを添加し、充分混合
した。この混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレン
ドし、ペレタイザーを用いてペレット化した。
【0153】上記ペレット[A]3.6kgと無水マレイ
ン酸(以下、MAHと略す)変性ホモポリプロピレン
[B]2.4kgとを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。
【0154】なお、上記のMAH変性ホモポリプロピレ
ン[B]は、以下のようにして製造した。ホモポリプロ
ピレン(MFR230℃ 0.5g/分)2kg、MAH:
23g、PO:1gを混合した。この混合物を二軸押出機
により、シリンダ温度200℃で溶融ブレンドし、ペレ
タイザーを用いてペレット化した。このようにして製造
したマレイン化ポリプロピレンのMFR230℃は、1
4g/分、MAHの赤外吸光分析によって測定したグラ
フト量は、0.14重量%であった。
【0155】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0156】
【実施例2】実施例1の際に用いた環状オレフィンラン
ダム共重合体(a-1):2.4kgとスチレン系熱可塑性エラ
ストマー(b):5.6kgとを充分混合した後、二軸押出機
により、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、得
られたペレット6kgに対して、HEA(ii):60g、P
O:6gおよびDVB:6gを添加し、充分混合した。この
混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレンドし、ペレ
タイザーを用いてペレット化した。
【0157】上記ペレット[A]2.0kgとMAH変性
ホモポリプロピレン[B]2.0kgとを混合した後、二
軸押出機により、シリンダー温度250℃で溶融ブレン
ドし、ペレタイザーを用いてペレット化した。
【0158】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0159】
【実施例3】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体(a-1):4.0kgとスチレン系熱可塑性エラスト
マー(b):4.0kgとを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、得られ
たペレット6kgに対して、HEA(ii):60g、PO:6g
およびDVB:6gを添加し、充分混合した。この混合物
を上記と同様の条件で再度溶融ブレンドし、ペレタイザ
ーを用いてペレット化した。
【0160】上記ペレット[A]2.7kgとMAH変性
ホモポリプロピレン[B]のペレット1.3kgとを充分
混合した後、二軸押出機により、シリンダー温度250
℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化
した。
【0161】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0162】
【実施例4】実施例1において、結晶性ポリオレフィン
樹脂[B]としてMAH変性ホモポリプロピレンの代わ
りに、ホモポリプロピレン(MFR230℃:7.0g/
10分)を用いたこと以外はすべて実施例1と同様にペレ
ットを製造した。
【0163】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0164】
【実施例5】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体(a-1)ペレット4.8kgとスチレン系熱可塑性エ
ラストマー(b)3.2kgとを混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。得られたペレット6kg
に対して、HEA(ii):60g、PO:6gおよびDVB:
6gを添加し、充分混合した。この混合物を上記と同様
の条件で再度溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペ
レット化した。
【0165】上記ペレット[A]2.7kgとMAH変性
ホモポリプロピレン[B]のペレットを1.3kg、そし
て、タルク:1kgを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。
【0166】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0167】
【比較例1】実施例1の際に用いた環状オレフィンラン
ダム共重合体(a-1)4.8kgとスチレン系熱可塑性エラス
トマー(b)3.2kgを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダー温度250℃で溶融ブレンドし、得られ
たペレット4kgに対して、HEA(ii):40g、PO:4g
およびDVB:4gの割合で添加し、充分混合した。この
混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレンドし、ペレ
タイザーを用いてペレット化した。
【0168】得られた組成物の機械物性および塗装性を
表1に示す。
【0169】
【比較例2】比較例1において、2-ヒドロキシエチルア
クリレート(HEA)(ii)を添加しなかったこと以外は
すべて比較例1と同様にしてペレットを製造した。
【0170】
【表1】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](i)(a)エチレンと次式[I]または
    [II]で表わされる環状オレフィンとのランダム共重合
    体(a-1)、次式[I]または[II]で表わされる環状オレ
    フィンの開環重合体または開環共重合体(a-2)および該
    開環重合体または開環共重合体の水添物(a-3)よりなる
    群から選ばれる少なくとも1種類の環状オレフィン系樹
    脂(a)80〜20重量部と、(b)スチレン系熱可塑性エラ
    ストマー(b)20〜80重量部とからなる環状オレフィ
    ン系樹脂組成物(i)100重量部に対して、 (ii)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
    よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
    キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種類
    の変性剤(ii)0.1〜10重量部を、接触させることに
    より得られる変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]
    と、 [B]結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引
    張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィ
    ン樹脂[B]とからなり、 [A]/[B]の重量比が99/1〜1/99の重量比
    で含有し、かつ、上記(a)成分が、(a)成分、(b)成分お
    よび[B]成分の合計100重量部に対して、5〜48
    重量部で存在することを特徴とするオレフィン系重合体
    組成物; 【化1】 ・・・[I] [上記式[I]中、nは0または1であり、mは0また
    は正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18
    およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
    ン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子も
    しくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい]; 【化2】 ・・・[II] [上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、 R1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、 R9またはR10が結合している炭素原子と、R13が結合
    している炭素原子またはR11が結合している炭素原子と
    は直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介し
    て結合していてもよく、 また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19
    は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
    いてもよい]。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂[B]が、高密
    度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
    エチレン、ポリプロピレンおよびそれらの無水マレイン
    酸の変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の
    ポリオレフィンであることを特徴とする請求項第1項記
    載のオレフィン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】 前記環状オレフィン系樹脂(a)の軟化温
    度が70℃以上であり、かつ135℃デカリン中で測定
    した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項第1項記載のオレフィン系重
    合体組成物。
  4. 【請求項4】 環状オレフィン系樹脂(a)と、スチレン
    系熱可塑性エラストマー(b)と、変性剤(ii)とを、分子
    内にラジカル重合性の官能基を2個以上有する化合物の
    共存下に接触させることを特徴とする請求項第1項記載
    のオレフィン系重合体組成物。
  5. 【請求項5】[A](i)(a)エチレンと次式[I]または
    [II]で表わされる環状オレフィンとのランダム共重合
    体(a-1)、次式[I]または[II]で表わされる環状オレ
    フィンの開環重合体または開環共重合体(a-2)および該
    開環重合体または開環共重合体の水添物(a-3)よりなる
    群から選ばれる少なくとも1種類の環状オレフィン系樹
    脂(a)80〜20重量部と、(b)スチレン系熱可塑性エラ
    ストマー(b)20〜80重量部とからなる環状オレフィ
    ン系樹脂組成物(i)100重量部に対して、 (ii)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
    よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
    キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種類
    の変性剤(ii)0.1〜10重量部を、接触させることに
    より得られる変性環状オレフィン系樹脂組成物[A]
    と、 [B]結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引
    張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィ
    ン樹脂[B]とからなり、 [A]/[B]の重量比が99/1〜1/99の重量比
    で含有し、かつ、上記(a)成分が、(a)成分、(b)成分お
    よび[B]成分の合計100重量部に対して、5〜48
    重量部で配合して溶融混練することを特徴とするオレフ
    ィン系重合体組成物の製造方法; 【化3】 ・・・[I] [上記式[I]中、nは0または1であり、mは0また
    は正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18
    およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
    ン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子も
    しくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい]; 【化4】 ・・・[II] [上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、 R1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、 R9またはR10が結合している炭素原子と、R13が結合
    している炭素原子またはR11が結合している炭素原子と
    は直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介し
    て結合していてもよく、 また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19
    は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
    いてもよい]。
  6. 【請求項6】 前記ポリオレフィン樹脂[B]が、高密
    度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
    エチレン、ポリプロピレンおよびそれらの無水マレイン
    酸の変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の
    ポリオレフィンであることを特徴とする請求項第5項記
    載のオレフィン系重合体組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記環状オレフィン系樹脂(a)の軟化温
    度が70℃以上であり、かつ135℃デカリン中で測定
    した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項第5項記載のオレフィン系重
    合体組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 環状オレフィン系樹脂(a)と、スチレン
    系熱可塑性エラストマー(b)と、変性剤(ii)とを、分子
    内にラジカル重合性の官能基を2個以上有する化合物の
    共存下に溶融混練することを特徴とする請求項第5項記
    載のオレフィン系重合体組成物の製造方法。
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