JPH06330170A - マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法Info
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- JPH06330170A JPH06330170A JP11960593A JP11960593A JPH06330170A JP H06330170 A JPH06330170 A JP H06330170A JP 11960593 A JP11960593 A JP 11960593A JP 11960593 A JP11960593 A JP 11960593A JP H06330170 A JPH06330170 A JP H06330170A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】内部欠陥の少ないマルテンサイト系ステンレス
継目無鋼管を製造する。 【構成】鋳片5を圧下比1.3以上に圧延してブルーム
とし、オーステナイト・フェライト2相領域となる温度
に30分以上加熱保持した後丸ビレット10に圧延し、
オーステナイト単相領域となる温度に30分以上保持し
た後マンネスマンピアサー13によって穿孔圧延する。
継目無鋼管を製造する。 【構成】鋳片5を圧下比1.3以上に圧延してブルーム
とし、オーステナイト・フェライト2相領域となる温度
に30分以上加熱保持した後丸ビレット10に圧延し、
オーステナイト単相領域となる温度に30分以上保持し
た後マンネスマンピアサー13によって穿孔圧延する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油井管やラインパイプ
等に用いられるマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管
の製造方法に関する。
等に用いられるマルテンサイト系ステンレス継目無鋼管
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SUS420鋼種で代表されるマルテン
サイト系ステンレス鋼は、CO2 を含む腐食環境下で優
れた耐食性を示すことから、油井管等の材料として多用
されている。ステンレス継目無鋼管製造時には、鋳型も
しくは連続鋳造機にて鋳造された鋳片を加熱し、分塊圧
延さらには孔型圧延によって所定の径に仕上げられた中
実丸ビレットを素材として、マンネスマンピアサーに代
表される傾斜圧延方式によって穿孔圧延されるのが一般
的である。
サイト系ステンレス鋼は、CO2 を含む腐食環境下で優
れた耐食性を示すことから、油井管等の材料として多用
されている。ステンレス継目無鋼管製造時には、鋳型も
しくは連続鋳造機にて鋳造された鋳片を加熱し、分塊圧
延さらには孔型圧延によって所定の径に仕上げられた中
実丸ビレットを素材として、マンネスマンピアサーに代
表される傾斜圧延方式によって穿孔圧延されるのが一般
的である。
【0003】しかし、マルテンサイト系ステンレス鋼は
熱間加工性が悪く、そのため材料にとって苛酷な変形を
強いるマンネスマンピアサーでの穿孔圧延過程で、内表
面に割れやヘゲ等の圧延欠陥が発生し、歩留りや生産性
が著しく阻害されていた。このようなマルテンサイト系
ステンレス鋼のマンネスマンピアサー穿孔圧延時に発生
する内表面の割れやヘゲ等の圧延欠陥は、穿孔圧延時に
丸ビレット中に存在するδフェライトが熱間加工性を低
下させることにより発生することが知られている。
熱間加工性が悪く、そのため材料にとって苛酷な変形を
強いるマンネスマンピアサーでの穿孔圧延過程で、内表
面に割れやヘゲ等の圧延欠陥が発生し、歩留りや生産性
が著しく阻害されていた。このようなマルテンサイト系
ステンレス鋼のマンネスマンピアサー穿孔圧延時に発生
する内表面の割れやヘゲ等の圧延欠陥は、穿孔圧延時に
丸ビレット中に存在するδフェライトが熱間加工性を低
下させることにより発生することが知られている。
【0004】穿孔圧延時の内面の欠陥発生を防止するこ
とを目的として、例えば特開昭63−134630号公
報に開示されているように、穿孔圧延前の丸ビレットを
950℃から1150℃での温度範囲で30分以上、好
ましくは1000℃〜1100℃の温度範囲で1時間以
上均熱保持して丸ビレット中のδフェライトを消失させ
る方法が提案されている。
とを目的として、例えば特開昭63−134630号公
報に開示されているように、穿孔圧延前の丸ビレットを
950℃から1150℃での温度範囲で30分以上、好
ましくは1000℃〜1100℃の温度範囲で1時間以
上均熱保持して丸ビレット中のδフェライトを消失させ
る方法が提案されている。
【0005】しかしながら上記のような穿孔圧延前の丸
ビレットを高温で長時間均熱する方法では、製管ライン
の加熱炉での在炉時間が長くなって製管での生産性が低
下し、スケールロスや燃料原単位が上昇するばかりでな
く、丸ビレット外表面の脱炭が進行し、かえって外表面
へのδフェライト析出が促進されて熱間加工性が低下
し、外表面のヘゲや割れ等の圧延欠陥の発生により大幅
に歩留りが低下するという問題点を有している。
ビレットを高温で長時間均熱する方法では、製管ライン
の加熱炉での在炉時間が長くなって製管での生産性が低
下し、スケールロスや燃料原単位が上昇するばかりでな
く、丸ビレット外表面の脱炭が進行し、かえって外表面
へのδフェライト析出が促進されて熱間加工性が低下
し、外表面のヘゲや割れ等の圧延欠陥の発生により大幅
に歩留りが低下するという問題点を有している。
【0006】そこで本発明者等は、マンネスマンピアサ
ー穿孔圧延時の内表面の欠陥の発生を完全に回避し、高
い生産性、低コスト、かつ高歩留りで製造し得るマルテ
ンサイト系ステンレス鋼丸ビレットの製造方法を提供す
ることを目的として、特開平2−182825号公報に
開示される方法、即ち丸ビレットの素材である鋳片を分
塊圧延等の一次圧延によって、中心部を圧延組織にした
後、再び平衡状態図上のδフェライト析出温度以下で均
熱保持し、通常のビレット圧延で丸ビレットに仕上げる
ことにより効果的にδフェライトを消去する方法を提案
した。
ー穿孔圧延時の内表面の欠陥の発生を完全に回避し、高
い生産性、低コスト、かつ高歩留りで製造し得るマルテ
ンサイト系ステンレス鋼丸ビレットの製造方法を提供す
ることを目的として、特開平2−182825号公報に
開示される方法、即ち丸ビレットの素材である鋳片を分
塊圧延等の一次圧延によって、中心部を圧延組織にした
後、再び平衡状態図上のδフェライト析出温度以下で均
熱保持し、通常のビレット圧延で丸ビレットに仕上げる
ことにより効果的にδフェライトを消去する方法を提案
した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、ビレット中のδフェライトを皆無にすること
が不可能なため、造管時のストレッチレデューサでの絞
り変形量が大きいサイズの製品では、極微量のδフェラ
イトの残存量でも内面欠陥につながる。さらに丸ビレッ
トの素材である鋳片のCr、P等の中心偏析が顕著な場
合、効果的にδフェライトを消失させるためにはビレッ
ト圧延前の加熱時の均熱保持時間を長時間にする必要が
あり、丸ビレット製造時の生産性を低下させるという問
題点を有していた。本発明は、上記のような事情に鑑み
てなされたものであって、マンネスマンピアサー穿孔圧
延時の内表面の欠陥の発生を完全に回避し、高い生産
性、低コスト、かつ高歩留りで製造し得るマルテンサイ
ト系ステンレス継目無鋼管の製造方法を提供することを
目的とする。
方法では、ビレット中のδフェライトを皆無にすること
が不可能なため、造管時のストレッチレデューサでの絞
り変形量が大きいサイズの製品では、極微量のδフェラ
イトの残存量でも内面欠陥につながる。さらに丸ビレッ
トの素材である鋳片のCr、P等の中心偏析が顕著な場
合、効果的にδフェライトを消失させるためにはビレッ
ト圧延前の加熱時の均熱保持時間を長時間にする必要が
あり、丸ビレット製造時の生産性を低下させるという問
題点を有していた。本発明は、上記のような事情に鑑み
てなされたものであって、マンネスマンピアサー穿孔圧
延時の内表面の欠陥の発生を完全に回避し、高い生産
性、低コスト、かつ高歩留りで製造し得るマルテンサイ
ト系ステンレス継目無鋼管の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の穿孔圧延直前の丸ビレット中に析
出しているδフェライト量と鋳片の中心偏析量、ブルー
ム圧延、ビレット圧延、穿孔圧延前の加熱条件との関係
を鋭意調査・研究を重ねた結果、δフェライトの消失に
は鋼中に偏析した主にCr、Pのフェライトフォーマー
元素の拡散・均質化が重要であることを見出した。さら
にブルーム圧延で中心部を圧延組織にしたブルームをオ
ーステナイト−フェライト2相領域となる高温の温度領
域で偏析元素であるCr、Pの拡散を進行させ、ビレッ
ト圧延で丸ビレットに仕上げ、この丸ビレットをオース
テナイト単相領域となる温度に加熱し、この温度に30
分以上保持した後穿孔圧延することにより、鋳片の中心
偏析が顕著であっても効果的にδフェライトを消去し、
内面欠陥の無い継目無鋼管を製造できることを見出し本
発明をなすに至ったのである。
イト系ステンレス鋼の穿孔圧延直前の丸ビレット中に析
出しているδフェライト量と鋳片の中心偏析量、ブルー
ム圧延、ビレット圧延、穿孔圧延前の加熱条件との関係
を鋭意調査・研究を重ねた結果、δフェライトの消失に
は鋼中に偏析した主にCr、Pのフェライトフォーマー
元素の拡散・均質化が重要であることを見出した。さら
にブルーム圧延で中心部を圧延組織にしたブルームをオ
ーステナイト−フェライト2相領域となる高温の温度領
域で偏析元素であるCr、Pの拡散を進行させ、ビレッ
ト圧延で丸ビレットに仕上げ、この丸ビレットをオース
テナイト単相領域となる温度に加熱し、この温度に30
分以上保持した後穿孔圧延することにより、鋳片の中心
偏析が顕著であっても効果的にδフェライトを消去し、
内面欠陥の無い継目無鋼管を製造できることを見出し本
発明をなすに至ったのである。
【0009】即ち本発明は、マルテンサイト系ステンレ
ス継目無鋼管を製造するに際し、(1)鋳片を圧下比
1.3以上にて圧延して中間製品のブルームとして中心
部の鋳込み組織を圧延組織に変化させ、(2)オーステ
ナイト−フェライト2相領域となる温度に加熱し、この
温度に30分以上保持してCr、Pを拡散させ、(3)
ビレット圧延にて所定の外径の丸ビレットに仕上げ圧延
を行い、(4)この丸ビレットをオーステナイト単相領
域となる温度に加熱し、この温度に30分以上保持した
後穿孔圧延すること、(5)更に、効果的にδフェライ
トを消去するために、ブルーム圧延に先立つ鋳片の加熱
をオーステナイト−フェライト2相領域となる温度に加
熱し、この温度に1時間以上保持してCr、Pを拡散さ
せることにより、上記目的を達成するものである。
ス継目無鋼管を製造するに際し、(1)鋳片を圧下比
1.3以上にて圧延して中間製品のブルームとして中心
部の鋳込み組織を圧延組織に変化させ、(2)オーステ
ナイト−フェライト2相領域となる温度に加熱し、この
温度に30分以上保持してCr、Pを拡散させ、(3)
ビレット圧延にて所定の外径の丸ビレットに仕上げ圧延
を行い、(4)この丸ビレットをオーステナイト単相領
域となる温度に加熱し、この温度に30分以上保持した
後穿孔圧延すること、(5)更に、効果的にδフェライ
トを消去するために、ブルーム圧延に先立つ鋳片の加熱
をオーステナイト−フェライト2相領域となる温度に加
熱し、この温度に1時間以上保持してCr、Pを拡散さ
せることにより、上記目的を達成するものである。
【0010】
【作用】以下本発明における加熱条件、加工条件を前述
のように限定した理由について説明する。 (ブルーム圧延条件)加熱後の鋳片を圧下比1.3以上
にブルーム圧延して中間製品のブルームとすることは以
下の理由による。
のように限定した理由について説明する。 (ブルーム圧延条件)加熱後の鋳片を圧下比1.3以上
にブルーム圧延して中間製品のブルームとすることは以
下の理由による。
【0011】ブルーム圧延後の再加熱時に平衡状態図上
でオーステナイト−フェライト2相領域となる温度範囲
に保持したときに、ブルーム圧延によって鋳片中心部が
鋳込み組織から圧延歪みの加わった圧延組織へと変化し
た部分が再結晶を開始し、この際結晶によりCr、Pの
拡散が促進される。ここで、ブルーム圧延材の中心部が
圧延組織となり、その後の再加熱で容易に再結晶するた
めには、素材である鋳片からブルーム圧延材に分塊圧延
する際の圧下比は1.3以上が必要であり、好ましくは
2.0以上とれると効果的である。
でオーステナイト−フェライト2相領域となる温度範囲
に保持したときに、ブルーム圧延によって鋳片中心部が
鋳込み組織から圧延歪みの加わった圧延組織へと変化し
た部分が再結晶を開始し、この際結晶によりCr、Pの
拡散が促進される。ここで、ブルーム圧延材の中心部が
圧延組織となり、その後の再加熱で容易に再結晶するた
めには、素材である鋳片からブルーム圧延材に分塊圧延
する際の圧下比は1.3以上が必要であり、好ましくは
2.0以上とれると効果的である。
【0012】しかし、余り大きな圧下比をとると、圧延
での負荷が増大してパス数が増え、かえってブルーム圧
延での表面欠陥が多発するので圧下比10以下とするの
が現実的である。 (再加熱条件)ブルーム圧延後のブルームをオーステナ
イト−フェライト2相領域となる温度に加熱・均熱保持
することは以下の理由による。
での負荷が増大してパス数が増え、かえってブルーム圧
延での表面欠陥が多発するので圧下比10以下とするの
が現実的である。 (再加熱条件)ブルーム圧延後のブルームをオーステナ
イト−フェライト2相領域となる温度に加熱・均熱保持
することは以下の理由による。
【0013】図2はFe−Cr−Cの三元系平衡状態図
の0.2重量%Cの切断図である。例えばマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の代表的鋼種であるSUS420J
1、13%Cr−0.2%C鋼では1250℃以上でオ
ーステナイト−フェライト2相領域が現われ初め、95
0℃から1250℃の温度範囲ではオーステナイト単相
領域である。
の0.2重量%Cの切断図である。例えばマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の代表的鋼種であるSUS420J
1、13%Cr−0.2%C鋼では1250℃以上でオ
ーステナイト−フェライト2相領域が現われ初め、95
0℃から1250℃の温度範囲ではオーステナイト単相
領域である。
【0014】しかしながらブルーム圧延後のブルーム中
心偏析部では部分的にフェライトフォーマーであるC
r、P濃度が高い領域が存在し、平衡状態図上でオース
テナイト単相領域となる温度に保持しても、これら偏析
したCr、Pの拡散速度が非常に遅いため局部的にフェ
ライトが析出する。これら析出フェライトを消失するた
めには偏析したCr、Pを高温で長時間保持しながら拡
散させることが必要であるが、これら元素の拡散は保持
温度が高いほど速く、さらにオーステナイト中よりもフ
ェライト中の方が速い。
心偏析部では部分的にフェライトフォーマーであるC
r、P濃度が高い領域が存在し、平衡状態図上でオース
テナイト単相領域となる温度に保持しても、これら偏析
したCr、Pの拡散速度が非常に遅いため局部的にフェ
ライトが析出する。これら析出フェライトを消失するた
めには偏析したCr、Pを高温で長時間保持しながら拡
散させることが必要であるが、これら元素の拡散は保持
温度が高いほど速く、さらにオーステナイト中よりもフ
ェライト中の方が速い。
【0015】そこで、偏析元素の拡散を促進させるため
に、より高温であるオーステナイト−フェライト2相領
域の温度に加熱・均熱し、Cr、P濃度が高い偏析部分
をフェライトに変態させる。偏析が拡散するためには少
くとも30分以上、好ましくは2時間以上の均熱・保持
が必要であるが、10時間を過ぎるとかえって表面の脱
炭が起こり、ビレット圧延時の表面欠陥が発生するおそ
れがあるため、上限を10時間とすることが望ましい。
に、より高温であるオーステナイト−フェライト2相領
域の温度に加熱・均熱し、Cr、P濃度が高い偏析部分
をフェライトに変態させる。偏析が拡散するためには少
くとも30分以上、好ましくは2時間以上の均熱・保持
が必要であるが、10時間を過ぎるとかえって表面の脱
炭が起こり、ビレット圧延時の表面欠陥が発生するおそ
れがあるため、上限を10時間とすることが望ましい。
【0016】(穿孔圧延前の加熱条件)穿孔圧延前の加
熱では、ビレット仕上げ圧延前のオーステナイト−フェ
ライト2相領域となる温度に加熱・均熱したときに析出
したものも含めてビレット中に析出している全てのフェ
ライトをオーステナイトへ変態させるために、新たにフ
ェライトが析出しない温度で、かつオーステナイトが安
定して存在する温度領域に均熱・保持することが必要で
ある。オーステナイト単相となる温度範囲で再加熱・均
熱保持することにより、析出しているフェライトを容易
にオーステナイトに変態させることができる。フェライ
トをオーステナイトに変態させるためには少なくとも3
0分以上の均熱・保持が必要であるが、3時間を過ぎる
とかえって表面の脱炭が起り、造管時に表面欠陥が発生
する恐れがあるばかりでなく、生産性を著しく低下させ
るため、上限を3時間とすることが望ましい。
熱では、ビレット仕上げ圧延前のオーステナイト−フェ
ライト2相領域となる温度に加熱・均熱したときに析出
したものも含めてビレット中に析出している全てのフェ
ライトをオーステナイトへ変態させるために、新たにフ
ェライトが析出しない温度で、かつオーステナイトが安
定して存在する温度領域に均熱・保持することが必要で
ある。オーステナイト単相となる温度範囲で再加熱・均
熱保持することにより、析出しているフェライトを容易
にオーステナイトに変態させることができる。フェライ
トをオーステナイトに変態させるためには少なくとも3
0分以上の均熱・保持が必要であるが、3時間を過ぎる
とかえって表面の脱炭が起り、造管時に表面欠陥が発生
する恐れがあるばかりでなく、生産性を著しく低下させ
るため、上限を3時間とすることが望ましい。
【0017】(鋳片の加熱条件)ブルーム圧延に先立
ち、鋳片をオーステナイト−フェライト2相領域となる
温度に加熱・均熱保持することは以下の理由による。前
述のように、偏析元素の拡散を促進させるために、より
高温であるオーステナイト−フェライト2相領域の温度
に加熱・均熱し、Cr、P濃度が高い偏析部分をフェラ
イトに変態させる必要がある。
ち、鋳片をオーステナイト−フェライト2相領域となる
温度に加熱・均熱保持することは以下の理由による。前
述のように、偏析元素の拡散を促進させるために、より
高温であるオーステナイト−フェライト2相領域の温度
に加熱・均熱し、Cr、P濃度が高い偏析部分をフェラ
イトに変態させる必要がある。
【0018】しかし、圧延後のブルームと異なり、鋳込
ままの鋳片には微細な欠陥が存在するため、圧延組織に
比べて拡散速度が著しく遅い、従って、偏析拡散の効果
を得るためには少くとも1時間以上、好ましくは3時間
以上の均熱・保持が必要であるが、20時間を過ぎると
かえって表面の脱炭が起こり、ブルーム圧延時の表面欠
陥が発生するおそれがあるため、上限を20時間とする
ことが好ましい。
ままの鋳片には微細な欠陥が存在するため、圧延組織に
比べて拡散速度が著しく遅い、従って、偏析拡散の効果
を得るためには少くとも1時間以上、好ましくは3時間
以上の均熱・保持が必要であるが、20時間を過ぎると
かえって表面の脱炭が起こり、ブルーム圧延時の表面欠
陥が発生するおそれがあるため、上限を20時間とする
ことが好ましい。
【0019】
【実施例】図1に実施例のマルテンサイト系ステンレス
継目無鋼管の製造工程を模式的に示した。転炉1で精練
されたステンレス鋼は連続鋳造機2で連続鋳造されるか
又はインゴット3に鋳造され分塊圧延機4を経て鋳片5
Aとなる。鋳片5Aは加熱炉6で加熱され、分塊圧延機
7で分塊され、ブルーム5Bとなり、さらにビレット圧
延機9で丸ビレット10となり、回転路床式加熱炉11
で加熱された後、マンネスマンピアサー13によって穿
孔され、ホロー14となる。ホロー14はマンドレルミ
ル16にて、マンドレルバー17を挿入してマンドレル
ミルロール18によってシェル15を圧延され、次いで
再加熱炉19で再加熱されストレッチレデューサ20に
よって仕上成形され仕上り管21となる。
継目無鋼管の製造工程を模式的に示した。転炉1で精練
されたステンレス鋼は連続鋳造機2で連続鋳造されるか
又はインゴット3に鋳造され分塊圧延機4を経て鋳片5
Aとなる。鋳片5Aは加熱炉6で加熱され、分塊圧延機
7で分塊され、ブルーム5Bとなり、さらにビレット圧
延機9で丸ビレット10となり、回転路床式加熱炉11
で加熱された後、マンネスマンピアサー13によって穿
孔され、ホロー14となる。ホロー14はマンドレルミ
ル16にて、マンドレルバー17を挿入してマンドレル
ミルロール18によってシェル15を圧延され、次いで
再加熱炉19で再加熱されストレッチレデューサ20に
よって仕上成形され仕上り管21となる。
【0020】表1に示す成分組成を有する13%Cr鋼
を表2に示す各断面の鋳片素材に製造した。本成分の鋼
は図2に示すように、1250〜1430℃の範囲でオ
ーステナイト−フェライト2層組織、950〜1250
℃の範囲でオーステナイト単相組織となる。この鋳片を
図1に示す製造工程に従って、表2に示す条件にてそれ
ぞれ175mmφのビレットに仕上げ、マンネスマン−
マンドレルミル方式によりストレッチレデューサでの絞
り変形量が比較的に大きい73.0mmφ×5.51m
mtの継目無鋼管に製造した。
を表2に示す各断面の鋳片素材に製造した。本成分の鋼
は図2に示すように、1250〜1430℃の範囲でオ
ーステナイト−フェライト2層組織、950〜1250
℃の範囲でオーステナイト単相組織となる。この鋳片を
図1に示す製造工程に従って、表2に示す条件にてそれ
ぞれ175mmφのビレットに仕上げ、マンネスマン−
マンドレルミル方式によりストレッチレデューサでの絞
り変形量が比較的に大きい73.0mmφ×5.51m
mtの継目無鋼管に製造した。
【0021】穿孔圧延直前のビレット中のδ中心偏析部
近傍のフェライト量と、圧延後の管を目視検査及び超音
波探傷検査を実施して内面欠陥の発生率を調査した結果
を表2に併せて示す。比較法の内、No.7とNo.9
はビレット圧延前の加熱時にオーステナイト−フェライ
ト2層組織領域ではなく、オーステナイト単相組織領域
であるそれぞれ1230℃、1200℃に加熱保持した
もの、No.8、No.10は穿孔圧延前の加熱時にオ
ーステナイト単相組織領域ではなく、オーステナイト−
フェライト2相組織領域である1280℃に加熱したも
の、No.11はブルーム圧延時の圧下比を1.18と
したものである。No.12は鋳片をオーステナイト−
フェライト2相組織領域である1280℃に加熱した
後、ブルーム圧延し、再加熱無しで直ちにビレット圧延
したものである。
近傍のフェライト量と、圧延後の管を目視検査及び超音
波探傷検査を実施して内面欠陥の発生率を調査した結果
を表2に併せて示す。比較法の内、No.7とNo.9
はビレット圧延前の加熱時にオーステナイト−フェライ
ト2層組織領域ではなく、オーステナイト単相組織領域
であるそれぞれ1230℃、1200℃に加熱保持した
もの、No.8、No.10は穿孔圧延前の加熱時にオ
ーステナイト単相組織領域ではなく、オーステナイト−
フェライト2相組織領域である1280℃に加熱したも
の、No.11はブルーム圧延時の圧下比を1.18と
したものである。No.12は鋳片をオーステナイト−
フェライト2相組織領域である1280℃に加熱した
後、ブルーム圧延し、再加熱無しで直ちにビレット圧延
したものである。
【0022】この表から明らかなように、本発明により
製造された丸ビレットを使用した管は、従来法により製
造された丸ビレットを使用した管に比べて内面欠陥の発
生率が大幅に減少していることが分かる。
製造された丸ビレットを使用した管は、従来法により製
造された丸ビレットを使用した管に比べて内面欠陥の発
生率が大幅に減少していることが分かる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば穿孔圧延時
の内面欠陥の発生率を低減し、手入れ工数の減少、生産
性の向上、コストの削減が可能となり、良質なマルテン
サイト系ステンレス継目無鋼管を安価に製造することが
できる。
の内面欠陥の発生率を低減し、手入れ工数の減少、生産
性の向上、コストの削減が可能となり、良質なマルテン
サイト系ステンレス継目無鋼管を安価に製造することが
できる。
【図1】マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管を製造
するための本発明の製造工程を模式的に示す概念図であ
る。
するための本発明の製造工程を模式的に示す概念図であ
る。
【図2】Fe−Cr−Cの三元系平衡状態図の0.2%
のC切断面を示す特性図である。
のC切断面を示す特性図である。
1 転炉 2 連続鋳造
機 3 インゴット 4 分塊圧延
機 5A 鋳片 5B ブルーム 6 加熱炉 7 分塊圧延
機 8 再加熱炉 9 ビレット
圧延機 10 丸ビレット 11 回転炉床
式加熱炉 13 マンネスマンピアサー 14 ホロー 15 シェル 16 マンドレ
ルミル 17 マンドレルバー 18 マンドレ
ルミルロール 19 再加熱炉 20 ストレッ
チレデューサ 21 仕上り管
機 3 インゴット 4 分塊圧延
機 5A 鋳片 5B ブルーム 6 加熱炉 7 分塊圧延
機 8 再加熱炉 9 ビレット
圧延機 10 丸ビレット 11 回転炉床
式加熱炉 13 マンネスマンピアサー 14 ホロー 15 シェル 16 マンドレ
ルミル 17 マンドレルバー 18 マンドレ
ルミルロール 19 再加熱炉 20 ストレッ
チレデューサ 21 仕上り管
Claims (2)
- 【請求項1】 マルテンサイト系ステンレス鋼の鋳片を
圧下比1.3以上に圧延して中間製品のブルームとし
て、次いで該ブルームをオーステナイト−フェライト2
相領域となる温度に加熱し、該温度に30分以上保持
後、丸ビレットに圧延し、該丸ビレットをオーステナイ
ト単相領域となる温度範囲に加熱し、該温度範囲に30
分以上保持した後穿孔圧延することを特徴とするマルテ
ンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法。 - 【請求項2】 鋳片をオーステナイト−フェライト2相
領域となる温度に加熱し、該温度に1時間以上保持した
後、圧延して中間製品のブルームとすることを特徴とす
る請求項1記載のマルテンサイト系ステンレス継目無鋼
管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11960593A JPH06330170A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11960593A JPH06330170A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06330170A true JPH06330170A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14765541
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11960593A Withdrawn JPH06330170A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06330170A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1288316A1 (en) * | 2001-08-29 | 2003-03-05 | Kawasaki Steel Corporation | Method for making high-strength high-toughness martensitic stainless steel seamless pipe |
| WO2006046702A1 (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-04 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 継目無鋼管の製造方法 |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP11960593A patent/JPH06330170A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1288316A1 (en) * | 2001-08-29 | 2003-03-05 | Kawasaki Steel Corporation | Method for making high-strength high-toughness martensitic stainless steel seamless pipe |
| US6846371B2 (en) | 2001-08-29 | 2005-01-25 | Jfe Steel Corporation | Method for making high-strength high-toughness martensitic stainless steel seamless pipe |
| WO2006046702A1 (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-04 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 継目無鋼管の製造方法 |
| EP1820576A4 (en) * | 2004-10-28 | 2008-08-27 | Sumitomo Metal Ind | METHOD OF MANUFACTURING SEAMLESS STEEL TUBE |
| US8091399B2 (en) | 2004-10-28 | 2012-01-10 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Process for manufacturing a seamless tube |
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