JPH06340514A - 表面処理された抗菌剤 - Google Patents

表面処理された抗菌剤

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JPH06340514A
JPH06340514A JP15280693A JP15280693A JPH06340514A JP H06340514 A JPH06340514 A JP H06340514A JP 15280693 A JP15280693 A JP 15280693A JP 15280693 A JP15280693 A JP 15280693A JP H06340514 A JPH06340514 A JP H06340514A
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JP
Japan
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antibacterial
ion
antibacterial agent
resin
agent
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Application number
JP15280693A
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English (en)
Inventor
Koji Sugiura
晃治 杉浦
Hideki Kato
秀樹 加藤
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長時間防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させる
ことができる抗菌剤であり、特に樹脂中へ均一に分散さ
せることが容易であり、またアルカリ水溶液と接触させ
ても、着色を起こさない抗菌剤を提供する。 【構成】下記一般式〔1〕の抗菌剤を、該抗菌剤の10
0重量部当たり0.01〜5重量部のカップリング剤で
被覆してなる抗菌剤。 M1aAb M2c(PO4 )d ・nH2 O 〔1〕 [M1 :抗菌性金属イオン(イオン価:l)、A:アル
カリ金属イオン等のイオン(イオン価:m)、M2 :4
価金属、la+mb=1の時、c=2、d=3であり、
la+mb=2の時、c=1、d=2である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀、銅、亜鉛、錫、水
銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、砒素、ア
ンチモン、ビスマス、カドミウム及びクロム等の防か
び、抗菌性及び防藻性を示す金属イオンを有する特定の
リン酸塩系化合物からなる抗菌剤に関するものであり、
各種結合剤と混合した塗料等の抗菌性組成物として、或
は繊維、フィルム、紙、セラミックス及びプラスチック
等の担体に担持させて抗菌性成型加工物として使用する
ことが可能なものである。
【0002】
【従来の技術】銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバ
ルト、ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマ
ス、バリウム、カドミウム及びクロム等は、防かび、抗
菌性及び防藻性を示す金属(以下、抗菌性金属イオンと
略称する)として古くから知られており、特に、銀は消
毒作用及び殺菌作用を有する硝酸銀水溶液として広く利
用されている。しかしながら、上記の防かび、抗菌性及
び防藻性を示す金属イオンは、人体に有毒である場合が
多く、使用方法、保存方法及び廃棄方法等において種々
の制限があり、用途も限定されていた。
【0003】防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させるに
は、適用対象に対して微量の抗菌性金属イオンを作用さ
せれば充分であることが、近年明かとなり、防かび、抗
菌性及び防藻性を具備する抗菌剤として、抗菌性金属イ
オンをイオン交換樹脂又はキレート樹脂に担持させた有
機系抗菌剤、及び抗菌性金属イオンを粘土鉱物、無機イ
オン交換体或いは多孔質体に担持させた無機系抗菌剤が
提案されている。
【0004】上記各種抗菌剤において、無機系抗菌剤は
有機系のものに比べて一般に安全性が高いうえ、抗菌効
果の持続性が長く、しかも耐熱性に優れる特徴を有して
いる。無機系抗菌剤の一つとして、モンモリロナイト及
びゼオライト等の粘土鉱物中のナトリウムイオン等のア
ルカリ金属イオンと銀イオンをイオン交換させた抗菌剤
があるが、これは粘土鉱物自体の骨格構造が耐酸性に劣
るため、例えば酸性溶液中では容易に銀イオンが溶出
し、抗菌効果の持続性がない。また、銀イオンは熱及び
光の暴露に対して不安定であり、すぐ金属銀に還元され
てしまい、着色を起こす等、長期間の安定性に欠けてい
る。
【0005】また、銀イオンの安定性をあげるため、ゼ
オライトに銀イオンとアンモニウムイオンをイオン交換
により共存させて担持したものがあるが、着色の防止は
実用レベルには至らず、根本的な解決には至っていな
い。更にまた、他の無機系抗菌剤として、吸着性を有す
る活性炭に抗菌性金属イオンを担持させた抗菌剤がある
が、溶解性の抗菌性金属塩を物理的に吸着或は付着させ
ているため、水分と接触させると抗菌性金属イオンが急
速に溶出してしまい、抗菌効果の持続性がない。
【0006】抗菌剤を各種の繊維に担持させて、抗菌性
繊維を得る試みがなされているが、繊維の処理工程に
は、各種の処理液と抗菌性繊維を接触させる工程があ
り、この工程において、抗菌性繊維が着色しやすいとい
う問題がある。この着色は、抗菌剤自身の着色によるも
のと繊維を構成する樹脂の着色がある。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、日光や高
温雰囲気に曝したり或いは酸性溶液と接触させたりす
る、厳しい環境下においても、抗菌性が劣化せず、長時
間防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させることができる
抗菌剤であり、且つ特に樹脂中へ均一に分散させること
が容易であり、また繊維の製造工程で使用される処理液
(繊維処理液と略称する。)と接触させても、着色を起
こさない抗菌剤を提供することを課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、抗菌性金属イオ
ンを有する特定のリン酸塩系化合物をカップリング剤で
被覆することにより、非常に優れた化学的及び物理的安
定性を有し、かつ樹脂への分散性及び繊維処理液と接触
させたときの耐久性が優れた抗菌剤を得ることができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は下記一般式〔1〕で示される抗菌剤を、該抗菌剤の
100重量部当たり0.01〜5重量部のカップリング
剤で被覆してなることを特徴とする抗菌剤である。 M1aAb M2c(PO4 )d ・nH2 O 〔1〕 [M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム及びクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり(イオン価をlとする。)、A
はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素
イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも
1種のイオン(イオン価をmとする。)であり、M2
4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、a
及びbはいずれも正数であり、c及びdはla+mb=
1の時、c=2、d=3であり、la+mb=2の時、
c=1、d=2である。]
【0009】以下、本発明に用いる抗菌剤及びその処理
方法について説明する。 ○リン酸塩 本発明に用いる抗菌剤は、下記一般式〔1〕で示される
リン酸塩である。 M1aAb M2c(PO4 )d ・nH2 O 〔1〕 [M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム及びクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり(イオン価をlとする。)、A
はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素
イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも
1種のイオン(イオン価をmとする。)であり、M2
4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、a
及びbはいずれも正数であり、c及びdはla+mb=
1の時、c=2、d=3であり、la+mb=2の時、
c=1、d=2である。]
【0010】上記一般式〔1〕で示されるリン酸塩は、
la+mb=1の時、c=2、d=3の各係数を有す
る、アモルファス又は空間群R3cに属する結晶性化合物
であり、各構成イオンが3次元網目状構造を作る化合物
を表し、la+mb=2の時、c=1、d=2の各係数
を有する、アモルファス又は各構成イオンが層状構造を
作る化合物を表す。本発明に用いるリン酸塩としては、
日光に暴露したときの変色が少ないことから、la+m
b=1及びc=2、d=3の各係数を有する、アモルフ
ァス又は3次元網目状構造を有する化合物が好ましく、
更に結晶性化合物が好ましい。
【0011】上記一般式〔1〕におけるM1 は、いずれ
も防かび、抗菌性及び防藻性を示す金属として知られた
ものであり、これらの中で銀は、安全性の他、防かび、
抗菌性及び防藻性を高めることができる金属として特に
有効である。
【0012】上記一般式〔1〕におけるAは、アルカリ
金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオン及び
アンモニウムイオンから選ばれる少なくとも一種のイオ
ンであり、好ましい具体例には、リチウム、ナトリウム
及びカリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム又
はカルシウム等のアルカリ土類金属イオンがあり、これ
らの中では、化合物の安定性及び安価に入手できる点か
ら、リチウムイオン、ナトリウムイオン、水素イオン及
びアンモニウムイオンが好ましいイオンである。
【0013】上記一般式〔1〕におけるM2 は、4価金
属であり、好ましい具体例には、ジルコニウム、チタン
又は錫があり、化合物の安全性を考慮すると、ジルコニ
ウム及びチタンは、特に好ましい4価金属である。
【0014】上記一般式〔1〕のリン酸塩の具体例とし
て、以下のものがある。 Ag0.005 Li0.995 Zr2 (PO4 )3 Ag0.01(NH4 )0.99Zr2 (PO4 )3 Ag0.05Na0.95Zr2 (PO4 )3 Ag0.2 K0.8 Ti2 (PO4 )3 Ag0.005 Li0.505 H0.49Zr2 (PO4 )3 ・1.
1H2 0 Ag0.01(NH4 )0.59H0.40Zr2 (PO4 )3 ・
1.2H2 O Ag0.05H0.95Zr2 (PO4 )3 ・1.5H2 O Ag0.05Na0.50H0.45Zr2 (PO4 )3 ・1.1H
2 O Ag0.05Na0.60K0.11H0.24Zr2 (PO4 )3 ・
1.2H2 O Ag0.05Ca0.10H0.75Zr2 (PO4 )3 ・1.2H
2 O Ag0.10Na0.50H0.40Zr2 (PO4 )3 ・1.1H
2 O Ag0.20Na0.30H0.50Zr2 (PO4 )3 Ag0.001 Li1.999 Zr(PO4 )2 Ag0.01Na1.99Zr(PO4 )2 Ag0.01K1.99Sn(PO4 )2 ・1. 2H2 O Ag0.1 (NH4 )1.9 Ti(PO4 )2 ・4H2 O Ag0.005 Li0.505 H0.49Zr2 (PO4 )3 ・1.
1H2 0 Ag0.01(NH4 )0.59H0.40Zr2 (PO4 )3 ・
1.2H2 O 又、上記化合物1モル当たりの銀イオンの電荷量と同じ
電荷量になるようにしながら、上記各式におけるAgを
Zn、Mn、Ni、Pb、Hg、Sn、またはCuと置
換した化合物がある。
【0015】本発明に用いるリン酸塩を合成する方法に
は、乾式法、湿式法及び水熱法等があり、例えば以下の
ようにして容易に得ることができる。 ・網目状構造リン酸塩の合成 乾式法により合成する場合、炭酸リチウム(Li2CO3)又
は炭酸ナトリウム(Na2CO3)等のアルカリ金属を含有す
る化合物、酸化ジルコニウム(ZrO2)等のジルコニウム
を含有する化合物及びリン酸二水素アンモニウム(NH4H
2PO4)等のリン酸基を含有する化合物を、モル比で約
1:4:6となるように混合し、これを1100〜1400℃で
焼成することにより、一般式〔2〕で示される化合物を
得る。 Ax Zr2 (PO4 )3 〔2〕 (Aは上記と同じ意味であり、xはAが1価であるとき
は1であり、Aが2価であるときは1/2である) これを、室温〜100 ℃において、適当な濃度で抗菌性金
属イオンを含有する水溶液中に浸漬することにより、一
般式〔1〕で示されるリン酸塩を得る。また、湿式法に
より合成する場合、オキシ硝酸ジルコニウム及び硝酸ナ
トリウムの水溶液を攪拌しながら、この中にシュウ酸を
加え、さらにリン酸を加える。苛性ソーダ水溶液にて反
応液のpHを3.5に調整し、78時間加熱還流後、沈
澱物を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコ
ニウム[NaZr2 (PO4 )3 ]を得る。これを適当
な濃度で抗菌性金属イオンを含有する水溶液中に浸漬す
ることにより、一般式〔1〕で示される抗菌剤を得る。
【0016】・層状構造リン酸塩の合成 濃厚なリン酸水溶液中に、オキシ塩化ジルコニウム、オ
キシ塩化チタン或いはオキシ塩化スズ等のジルコニウ
ム、チタン或いはスズ等の4価金属を構成元素とするオ
キシ塩化物を添加し、24時間加熱還流後、沈澱物を濾
過、水洗、乾燥、粉砕し、リン酸ジルコニウム〔Zr(HPO
4)2 ・H2O 〕等のリン酸塩を得、これをアルカリ金属等
の硝酸 塩水溶液に添加し、攪拌、水洗、乾燥及び粉砕
することにより、一般式〔3〕で示される化合物を得
る。 A2xZr(PO4 )2 ・nH2 O 〔3〕 (A、x及びnは上記と同じ意味である) これを適当な濃度で抗菌性金属イオンを含有する水溶液
中に浸漬することにより、一般式〔1〕で示される抗菌
剤を得る。
【0017】なお、一般式〔1〕におけるaの値は、上
記一般式〔2〕又は〔3〕で表される化合物を浸漬する
水溶液における銀の濃度、その水溶液に一般式〔2〕又
は〔3〕で表される化合物を浸漬する時間又は温度等を
調整することにより、必要とする特性及び使用条件等に
応じて、適宜調整することができる。
【0018】防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させるに
は、一般式〔1〕におけるaの値は大きい方がよいが、
aの値が0. 001以上であれば、充分に防かび、抗菌
性及び防藻性を発揮させることができる。しかし、aの
値が0. 01未満であると、防かび、抗菌性及び防藻性
を長時間発揮させることが困難となる恐れがあること
と、経済性を考慮すると、aの値を0. 01以上0. 5
以下の値とすることが好ましい。
【0019】本発明で用いられるリン酸塩は熱及び光の
暴露に対して安定であり、500℃、場合によっては8
00℃〜1100℃での加熱後であつても構造及び組成
が全く変化せず、紫外線の照射によっても何等変色を起
こさない。又、酸性溶液中でも骨格構造の変化がみられ
ない。従って、各種成型加工物を得る際の加工及び保
存、さらには従来の抗菌剤のように、使用時において、
加熱温度あるいは遮光条件等の制約を受けることがな
い。
【0020】○カップリング剤 本発明の抗菌剤は、その表面をカップリング剤で被覆処
理したものであり、この処理により、抗菌剤を樹脂中へ
均一に分散させることができ、また繊維処理液と接触さ
せても、変色しないようにすることができる。抗菌剤の
表面処理に用いることができるカップリング剤の種類に
特に制限はなく、無機系紛体の凝集性を低下させ、無機
系紛体を樹脂中へ分散させるために従来より表面処理剤
として使用されているものをいずれも使用可能である。
好ましい具体例として下記一般式で表される化合物があ
る。 Xp −M−(OY)q (5) (但し、Mの価数をrとするとき、p及びqは、p+q
=rを満たし、且つpは0叉は正の整数であり、qは1
以上の正の整数であり、Mはアルミニウム、シリコン、
チタン、ジルコニウムから選ばれる金属であり、Xは置
換基を有するか又は有しないアルキル基、アリル基、ア
リール基、ハロゲン原子、アルキレン基、(メタ)アク
リロイル基、グリシジル基から選ばれる少なくとも一種
であり、Yは置換基を有するか又は有しないアルキル
基、アルキレン基から選ばれる少なくとも一種であ
る。)上記一般式(5)で表されるカップリング剤の好
ましい具体例として、以下の化合物がある。有機アルミ
ニウム化合物として、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート、モノs−ブトキシアルミニウムジイ
ソプロピレート、アルミニウムエチラート、アルミニウ
ムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミ
ニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウ
ムビスエチルアセチルアセテートモノアセチルアセトネ
ート等がある。有機珪素化合物として、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系化
合物;N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン等のアミノ系化合物;3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエ
ポキシ系化合物;3−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリ
メチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチル
トリクロロシラン等のクロル系化合物;3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロキシ系
化合物;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等
のメルカプト系化合物;N−[2−(ビニルベンジルア
ミノ)エチル]−3−、アミノプロピルトリメトキシシ
ラン・塩酸塩等のカチオン系化合物;ヘキサメチルジシ
ラザン等のシラザン系化合物等がある。有機チタン化合
物として、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−
ブトキシチタン、テトラステアロキシチタン、アルコキ
シポリチタニルアシレート、ジイソプロポキシ−ビス
(アセチルアセトナト)チタン、ヒドロキシ−ビス(ラ
クタト)チタン、イソプロピルトリイソステアロイソチ
タネート等がある。本発明における好ましいカップリン
グ剤は、樹脂への分散性を高めるため、上記一般式
(5)における係数pが1以上の化合物がより好まし
い。
【0021】上記一般式(1)で表されるリン酸塩の表
面をカップリング剤で処理する際、リン酸塩の100重
量部当たり0.01〜5重量部のカップリング剤で被覆
する必要がある。カップリング剤を特定の割合で被覆す
るには、所定量のカップリング剤をリン酸塩に直接被覆
しても良いし、また所定量のカップリング剤を有機溶媒
または水で希釈したものを用いてリン酸塩を被覆しても
良い。被覆方法には特に制限はなく、従来より無機系紛
体の表面処理方法として知られている如何なる方法を実
施してもよく、例えば乾式法、湿式法、スプレー法及び
ガス化法等がある。これらの方法の概略は以下の通りで
ある。乾式法は、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー等
の混合機でリン酸塩を撹拌しながら、所定量のカップリ
ング剤を直接添加するか又は有機溶剤等の希釈剤と共に
添加する方法である。湿式法は、リン酸塩を水に分散さ
せてスラリー状にした後、これに溶液または分散液状に
したカップリング剤を所定量添加しながら混合して、撹
拌後静置してリン酸塩を沈降分離して、乾燥する方法で
ある。スプレー法は、カップリング剤と溶媒又は分散媒
を混合して調製した、溶液又は分散液を、予め加熱した
リン酸塩にスプレーし、カップリング剤の被覆と乾燥を
同時に行う方法である。ガス化法は、坩堝の底部にカッ
プリング剤を小量滴下した後、その上から所定量のリン
酸塩を充填し、適当な温度に坩堝を加熱することによ
り、カップリング剤をガス化させて、リン酸塩の表面を
被覆する方法である。
【0022】上記のようにして得た抗菌剤は、その表面
を特定の割合でカップリング剤で被覆したものであるた
め、各種の樹脂中に均一に分散させることが容易である
と同時に、また繊維処理液と接触させても何等変色を起
こさないという特長を有するものである。特に、濃いア
ルカリ水溶液からなる処理液と接触させる処理は抗菌性
繊維にとって過酷な工程であり、従来は変色を殆ど防止
することができなかったが、本発明の抗菌剤を用いて抗
菌性繊維を製造すれば、この変色の問題も解消されると
いう予想外の効果が認められた。
【0023】本発明の抗菌剤は、上記のように樹脂への
分散が良好であるため、これを配合して抗菌性樹脂組成
物とすることができる。樹脂には特に制限はなく、天然
樹脂、半合成樹脂及び合成樹脂のいずれであってもよ
く、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであって
もよい。具体的な樹脂としては、プラスチック、繊維及
びゴムのいずれであってもよく、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、
ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリ
スチレン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリ
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリ
エステルエラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四
ふっ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂等のプラスチ
ック;ナイロン、ポリエチレン、レーヨン、アセテー
ト、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレ
ン、キュプラ、トリアセテート、ビニリデン等の繊維;
天然ゴム及びシリコーンゴム、SBR(スチレン・ブタ
ジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPM(エ
チレン・プロピレンゴム)、FPM(フッ素ゴム)、N
BR(ニトリルゴム)、CSM(クロルスルホン化ポリ
エチレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR(合成
天然ゴム)、IIR(ブチルゴム)、ウレタンゴム及び
アクリルゴム等の合成ゴムがある。
【0024】本発明の抗菌剤が配合された抗菌性樹脂組
成物は、上記一般式〔1〕で表される抗菌剤と上記樹脂
を、用いる樹脂の特性に合わせて、適当な温度又は圧力
で混合、混入又は混練りの方法によって容易に調製する
ことができ、それらの具体的操作は常法により行えば良
く、種々の形態に成形することができる。
【0025】抗菌剤の好ましい配合割合は、抗菌性樹脂
組成物100重量部(以下、単に部という)当たり0.
05〜50部であり、抗菌効果及び経済性を考慮すると
より好ましくは0.5〜10部である。
【0026】この様にして得られた抗菌性樹脂組成物
は、その成分である抗菌剤が化学的および物理的に優れ
た安定性を有しており、酸性溶液中でも抗菌性金属イオ
ンを溶出せず、吸湿性も有していないため、極めて加工
性に優れる。その上、抗菌剤と樹脂との混合時、及びそ
の後の抗菌性樹脂組成物の保存時又は使用時に、変色や
抗菌性の低下等の劣化がなく、厳しい環境下においても
長期間防かび、抗菌性及び防藻性を有する。
【0027】抗菌性樹脂組成物は、防かび、防藻及び抗
菌性を必要とする種々の分野で、各種の形態に成形して
利用することができ、特に水分が多量に存在する環境下
で使用する用途に有効である。具体的用途しては、例え
ばプラスチック製品では食品用容器、まな板、冷蔵庫、
医療器具、各種包材、ブラシ類及び水周り品等;繊維製
品ではシーツ、タオル、おしぼり、マスク、靴下及び手
袋等;ゴム製品では各種チューブ、パッキン及びベルト
等がある。
【0028】本発明の抗菌剤をする使用する形態には、
特に制限がなく、用途に応じて適宜他の成分と混合させ
たり、他の材料と複合させる事ができる。例えば、粉
末、粉末含有分散液、粉末含有粒子、粉末含有塗料、粉
末含有繊維、粉末含有紙、粉末含有フィルム、粉末含有
エアーゾル等の種々の形態で用いることができ、更に必
要に応じて、消臭剤、防炎剤、防食、肥料及び建材等の
各種の添加剤あるいは材料と併用することもできる。
【0029】本発明の抗菌剤は、銀イオン等の抗菌性金
属イオンが有効に作用するかび、菌類及び藻類について
は、如何なる用途に対しても防かび、抗菌性及び防藻性
を発揮するが、例えば、以下の用途に対して有効に用い
ることができる。作業着、医療用着衣、医療用寝具、ス
ポーツ着、包帯、漁網、カーテン、カーペット、下着
類、エアーフィルター等の繊維類;壁紙等の紙類;食品
包装フィルム、医療用フィルム、合成皮革等の膜類;滅
菌装置壁塗料、防腐塗料、防かび塗料等の塗料類;農業
用土壌等の粉末類;シャンプー等の液状組成物。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0031】参考例1 オキシ塩化ジルコニウム(0.2モル)の水溶液を攪拌
しながら、この中にシュウ酸(0.1モル)を加え、さ
らにリン酸(0.3モル)を加える(リン酸イオンの1
当量当たりのジルコニウムイオンの当量は0.67)。
苛性カリ水溶液にて反応液のpHを3.5に調整し、9
5℃で20時間加熱還流後、沈澱物を濾過、水洗、乾
燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウムカリウム[KZ
2 (PO4 3 ・1.2H2 O]を得た(K型リン酸
ジルコニウム塩。平均粒径:0.4μm)。
【0032】参考例2 同様に、オキシ塩化ジルコニウム(0.2モル)の水溶
液を攪拌しながら、この中に塩化アンモニウム、シュウ
酸(0.1モル)を加え、さらにリン酸(0.3モル)
を加える。アンモニア水溶液にて反応液のpHを4.0
に調整し、95℃で48時間加熱還流後、沈澱物を濾
過、水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウムア
ンモニウム[NH4 Zr2 (PO4 3 ・1.1H
2 O]を得た(NH4 型リン酸ジルコニウム塩。平均粒
径:0.7μm)。
【0033】参考例3 オキシ塩化ジルコニウム(0.2モル)の水溶液を攪拌
しながら、この中にシュウ酸(0.1モル)を加え、さ
らにリン酸(0.3モル)を加える。苛性ソーダ水溶液
にて反応液のpHを3.5に調整し、95℃で20時間
加熱還流後、沈澱物を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、網目
状リン酸ジルコニウムナトリウム[NaZr2 (P
4 3 ・1.1H2 O]を得た(Na型リン酸ジルコ
ニウム塩。平均粒径:0.8μm)。
【0034】合成例1 上記参考例1で調製したK型のリン酸ジルコニウム塩の
粉末を、銀イオンを含有する1N硝酸溶液に添加し、6
0℃で10時間攪拌した。その後、これらのスラリーを
濾過した後、純水で充分水洗した。さらに、110℃に
て一晩加熱乾燥後、750℃で4時間焼成することによ
り、抗菌剤を得た(サンプルNo. 1の抗菌剤)。
【0035】合成例2 上記参考例2で調製したNH4 型リン酸ジルコニウム塩
の粉末を、700℃で4時間焼成することにより、水素
型リン酸ジルコニウム塩[HZr2 (PO4 3 ]を得
た後、これを、銀イオンを含有する1N硝酸溶液に添加
し、60℃で10時間攪拌した。その後、これらのスラ
リーを濾過した後、純水で充分水洗した。さらに、11
0℃にて一晩加熱乾燥後、750℃で4時間焼成するこ
とにより、抗菌剤を得た(サンプルNo. 2の抗菌剤)。
【0036】合成例3 上記参考例3で調製したNa型のリン酸ジルコニウム塩
の粉末を、銀イオンを含有する1N硝酸溶液に添加し、
60℃で10時間攪拌した。その後、これらのスラリー
を濾過した後、純水で充分水洗した。さらに、110℃
にて一晩加熱乾燥後、750℃で4時間焼成することに
より、抗菌剤を得た(サンプルNo. 3の抗菌剤)。
【0037】合成例4 上記合成例3で用いた、銀イオンを含有する硝酸溶液の
濃度を、1Nから0.1Nに変更した以外は全く同様に
して抗菌剤を得た(サンプルNo. 4の抗菌剤)。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1 合成例1〜4にて調製した抗菌剤の各々に対して、カッ
プリング剤としてビニルトリメトキシシランを用いて、
以下のように被覆処理することにより、表面処理された
抗菌剤を得た。ビニルトリメトキシシランのエタノール
溶液(30重量%)を0.33g坩堝の底に秤取し、そ
の上から100gの抗菌剤を軽く充填した。その後、坩
堝に蓋をして、120℃で1時間加熱することにより、
ビニルトリメトキシシランをガス化させて、抗菌剤の表
面を被覆した。
【0040】試験例1(抗菌性試験) 実施例1で調製した各種抗菌剤の抗菌性を以下のように
して評価した。即ち、先ずラボプラストミルを用いて、
ABS樹脂100重量部当たり5重量部の抗菌剤を含有
する抗菌性ABS樹脂ペレットを作製した。このペレッ
トとABS樹脂を用いて、抗菌性ABS樹脂組成物を調
製した。即ち、組成物におけるABS樹脂100重量部
当たり抗菌剤の濃度が1重量部の割合になる量の上記抗
菌性ABS樹脂ペレットをABS樹脂と混練した。この
組成物を名機製作所株式会社製M−50AII−DMに
よって220℃で射出成形し、10cm×10cm×2
mmの抗菌性プレートを作製した。又、比較のため、カ
ップリング剤であるビニルトリメトキシシランで表面処
理せずに、参考例3において得たままの抗菌剤を用い
て、同様にして抗菌性ABS樹脂組成物による抗菌性プ
レートを作製した(ブランク)。上記のようにして作製
した各種抗菌性プレートの抗菌力を、以下の方法により
評価した。なお、プレートNo.は抗菌剤No.と同じ
である。被検菌には大腸菌を用い、抗菌性プレートの3
cm×3cm当りの菌数が104 〜105 個となるよう
に菌液を表面に一様に接種し、27℃で保存した。保存
開始から0時間後(理論添加菌数)及び3時間保存した
後に、菌数測定用培地(SCDLP液体培地)で供試品
片上の生残菌を洗い出し、この洗液を試験液とした。こ
の試験液について、菌数測定用培地を用いる混釈平板培
養法(37℃2日間)により生菌数を測定して、抗菌性
プレートの3cm×3cm当りの生菌数に換算した。上
記のようにして得られた抗菌性試験の結果を下記表2に
示した。なお、抗菌剤を含有せず、ABS樹脂のみを射
出成形したプレートの3cm×3cm当たりの生菌数
は、保存開始後3時間後において、2.4×106 であ
り、菌液の生菌数は、保存開始後0時間後及び24時間
後において各々、2.8×105 及び2.9×105
あった。
【0041】
【表2】
【0042】上記表2の結果からわかるように、カップ
リング剤で表面処理された抗菌剤は、樹脂中へ均一に分
散できるため、高い抗菌性を発揮するが、表面処理して
いない場合は、十分な抗菌性を発揮することができな
い。
【0043】試験例2(着色性試験) 実施例1で調製した各種抗菌剤の各々について、以下の
ようにして、着色性を評価した。即ち、10gの表面処
理された抗菌剤を、300mlの苛性ソーダ水溶液(3wt
%)中に入れ、室内で放置し、表面処理された抗菌剤の
色の変化を目視により観察した。その結果、表面処理さ
れた抗菌剤の場合は、いずれも24時間後においても色
の変化がなかったが、表面処理していない抗菌剤は、3
0分後に灰色に着色した。
【0044】
【発明の効果】本発明は、日光や高温雰囲気に曝したり
或いは酸性溶液と接触させたりする、厳しい環境下にお
いても、抗菌性が劣化せず、長時間防かび、抗菌性及び
防藻性を発揮させることができる抗菌剤であり、且つ樹
脂中へ均一に分散させることが容易であり、また繊維の
製造工程で使用される処理液、特にアルカリ水溶液と接
触させても、着色を起こさない抗菌剤として極めて有用
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕で示される抗菌剤を、該
    抗菌剤の100重量部当たり0.01〜5重量部のカッ
    プリング剤で被覆してなることを特徴とする表面処理さ
    れた抗菌剤。 M1aAb M2c(PO4 )d ・nH2 O 〔1〕 [M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
    ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
    リウム、カドミウム及びクロムから選ばれる少なくとも
    1種の金属イオンであり(イオン価をlとする。)、A
    はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素
    イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも
    1種のイオン(イオン価をmとする。)であり、M2
    4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、a
    及びbはいずれも正数であり、c及びdはla+mb=
    1の時、c=2、d=3であり、la+mb=2の時、
    c=1、d=2である。]
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08325435A (ja) * 1995-05-31 1996-12-10 Noritake Co Ltd 抗菌性メラミン樹脂成形粉並びにその成形品
JP2008024345A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Yoshino Kogyosho Co Ltd チューブ容器
JP2010523344A (ja) * 2007-04-04 2010-07-15 パーレン コンヴァーティング アクチェンゲゼルシャフト 抗菌性材料
CN108862225A (zh) * 2018-07-26 2018-11-23 绵竹耀隆化工有限公司 一种批量制备纳米级α-ZrP晶体的方法
CN109988490A (zh) * 2019-04-18 2019-07-09 佛山市南海嘉多彩粉末涂料有限公司 一种抗菌升华转印木纹粉末涂料组合物

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