JPH0635654B2 - 雰囲気変動に対する薄膜磁気特性の安定度の高いタ−ゲツト材 - Google Patents

雰囲気変動に対する薄膜磁気特性の安定度の高いタ−ゲツト材

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JPH0635654B2
JPH0635654B2 JP17800785A JP17800785A JPH0635654B2 JP H0635654 B2 JPH0635654 B2 JP H0635654B2 JP 17800785 A JP17800785 A JP 17800785A JP 17800785 A JP17800785 A JP 17800785A JP H0635654 B2 JPH0635654 B2 JP H0635654B2
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喜久男 鈴木
正照 野瀬
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 利用産業分野 この発明は、薄膜ヘッド等に使用されるFe-Ni系軟磁性
薄膜用の対雰囲気変動高安定型ターゲット材に係り、ス
パッタ薄膜の被着形成時の雰囲気に対して極めて高い安
定性を有し、形成後のスパッタ薄膜の軟磁気特性のばら
つきがなく、すぐれた軟磁気特性を発現するスパッタ雰
囲気変動に対する安定度の極めて高いターゲット材に関
する。
背景技術 Fe-Ni系軟磁性薄膜、例えば、約80%Ni-Feを主成分とす
るパーマロイからなる軟磁性薄膜は、垂直磁気記録媒体
の裏打ち層や磁気記録用薄膜ヘッドのコアやヨーク等に
用いられており、Moを含むMoパーマロイあるいはMo及び
Cuを含むMo-Cuパーマロイが多用されている。
この薄膜の形成方法には、通常、スパッタ法が多用され
ている。このスパッタ法は、下地材料の陽極と所要組成
のパーマロイ薄膜と同材質のターゲット材の陰極間に電
圧を印加し、陽イオンによってターゲット表面原子をた
たき出し、下地材料や所要表面に被着させてパーマロイ
薄膜を形成する方法である。
いずれの組成のパーマロイ薄膜も、薄膜形成時のスパッ
タ雰囲気条件に極めて敏感であり、すぐれた軟磁性を有
する薄膜を得るには、薄膜形成時のスパッタ雰囲気条件
を厳しく管理する必要があり、到達真空度は、2×10-6
Torr以下、望ましくは1×10-6Torr以下の高真空度を保
持する必要がある。
高真空度を保持するために、真空槽内壁に付着したガ
ス,水分等を放出する目的で、内壁を加熱したり、ある
いは前スパッタと称し、目的の基板に薄膜を形成する以
前に、シャッター等の他の目標物に薄膜を付着させる操
作を長時間行なう必要があった。
しかしながら、上記のように極めて厳格に雰囲気管理を
行なっても、作業時の外気湿度に影響されたり、極僅か
なリークが発生しても、該パーマロイ薄膜の磁気特性が
著しく劣化したり、作業条件毎に特性のばらつきが発生
する問題があった。
また、長尺のフィルム等に、連続的にパーマロイ薄膜を
形成する場合には、得られる磁気特性の時間依存性が大
きく、長時間連続して薄膜形成しても、一定の特性値に
なかなか収束し難いという問題があった。
一方、パーマロイ薄膜を得るためのターゲット材は、こ
れまで主にスパッタ能率の改善のため、冷却効率を向上
させたり、材料の利用効率を向上させる目的の改良が加
えられてきたが、スパッタ雰囲気の変動に対する安定度
を考慮したターゲット材は提案されていない。
また、特公昭47-290690号公報には、高硬度を目的にNi-
Fe合金にNbを添加した高透磁率高硬度の磁気録音及び再
生ヘッド用磁性合金が提案されているが、上記の磁性合
金を始め、前述の公知の薄膜及びターゲット材は、スパ
ッタ雰囲気の変動や圧下と、形成されたスパッタ薄膜の
磁気特性の安定化とを、伴に考慮したものではなく、い
ずれも上述の問題点を解決できず、得られた薄膜の軟磁
気特性を安定して得るには、極めて厳格な薄膜形成時の
雰囲気管理を必要とした。
発明の目的 この発明は、比較的低い到達真空度あるいは短時間の前
スパッタ等の前処理操作しか行なわない雰囲気条件下で
も、すぐれた特性の軟磁性薄膜が得られるスパッタリン
グ用ターゲット材を目的とし、特に、該雰囲気条件の極
僅かな変動に対しても、磁気特性の大幅な劣化や大きな
ばらつきを発生する従来のターゲット材の欠点を解決
し、すぐれた軟磁性特性を発現する薄膜を安定して得ら
れる対雰囲気変動高安定型の軟磁性薄膜用ターゲット材
を目的としている。
発明の構成と効果 この発明は、すぐれた軟磁気特性が安定して得られる軟
磁性薄膜用ターゲット材を目的に種々検討した結果、Ni
およびFeを主成分とするいわゆるパーマロイ成分組成
に、V、Nb、Ta、Ti、Si、Alのいずれか1種または2種以上
を特定量含有させることにより、スパッタリング雰囲気
条件の変化あるいは比較的条件においても左右されるこ
となく、著しく高い安定性を有し、かつすぐれた軟磁気
特性を有する軟磁性薄膜が得られることを知見し完成し
たものである。
すなわち、この発明は、Ni40原子%〜90原子%、Fe10原
子%〜50原子%を主成分とし、V、Nb、Ta、Ti、Si、Alのう
ち少なくとも1種を0.5原子%〜15原子%含有したこと
を特徴とするスパッタ雰囲気変動に対する薄膜磁気特性
の安定度の高いターゲット材を要旨とする。
また、この発明は、Ni40原子%〜90原子%、Fe10原子%
〜50原子%の主成分と、副成分としてMo,W,Co,Cuのうち
少なくとも1種を15原子%以下含有し、さらにV、Nb、T
a、Ti、Si、Alのうち少なくとも1種を0.5原子%〜15原子
%含有したことを特徴とするスパッタ雰囲気変動に対す
る薄膜磁気特性の安定度の高いターゲット材である。
この発明による軟磁性薄膜用ターゲット材は、その固有
の組成に特徴を有し、特定組成であれば、下記する効果
を有する。すなわち、実施例に明らかなように、得られ
た薄膜は従来のパーマロイ,Moパーマロイに比べ、すぐ
れた磁気特性を有し、さらに、スパッタ時の雰囲気条件
に鈍感であり、より低い真空度やより短い前スパッタ時
間であっても、得られる軟磁性薄膜の保磁力,透磁率等
の磁気特性の劣化が少なく、スパッタ時の雰囲気に対し
て極めて高い安定性を有しており、得られた薄膜は薄膜
形成後の熱処理を得たのちでも同様である。また、極め
て厳格なスパッタ時の雰囲気管理を行なった場合は、よ
りすぐれた磁気特性が安定して得られる事は言うまでも
ないことである。
従って、工業的量産規模において、スパッタ時の雰囲気
管理が容易になり、長時間操業や例えばフィルム等に連
続スパッタする場合のロット内あるいはロット間の雰囲
気条件の変化に対しても、磁気特性のばらつきの少ない
薄膜が安価に得られる効果を有する。
この発明において、ターゲット材は、予め所要組成に合
金化したものを用いるが、合金化が困難であったり、圧
延が困難で所要形状に形成できない場合には、2元系あ
るいは副成分を含有するパーマロイ合金ターゲット上
に、前記添加元素の金属または合金チップを載置あるい
は埋め込む等の手段を施した実施例のごとき複合ターゲ
ット材とするのもよい。
さらに、得られたこの発明によるターゲット材によって
得られた軟磁性薄膜は、通常のパーマロイ薄膜と同様に
熱処理によって、磁気特性の向上を計ることができ、60
0℃以下の温度で保持または徐冷する場合は、Ni3Feの規
則格子の生成を抑制できる遷移元素が含まれていること
が望ましい。
発明の限定理由 この発明の軟磁性薄膜用ターゲット材は、Ni及びFeを主
成分とし、V、Nb、Ta、Ti、Si、Alのうち少なくとも1種を0.
5原子%〜15原子%含有させることを特徴とし、工業的
量産規模において、スパッタ時の雰囲気管理が容易にな
り、雰囲気条件の変化に対しても、磁気特性のばらつき
の少ない薄膜が安価に得られる効果を有する。この効果
が得られる機構については、不明な点が多いが、およそ
以下の如く考えられる。
一般に、スパッタ時の雰囲気中に含まれる酸素または水
から分解された酸素が、膜内に入り込みパーマロイの磁
気特性を劣化させていることは知られている。この酸素
がどのような形で膜内に存在するのかは明らかにされて
いないが、この発明の薄膜では、Ni及びFeよりも酸素と
の親和力の大きい上記の添加元素の存在により、膜内に
含まれる酸素が、Ni及びFeに直接影響を及ぼすことな
く、本来のパーマロイ薄膜の磁気特性を発現させるもの
と考えられる。
しかし、2元パーマロイあるいは副成分としてMo,W,Co,
Cu等のNi及びFeと比較して、高温での酸素との親和力に
差がないかあるいは逆に親和力の低い元素しか含まない
従来のターゲット材は、上記の酸素の影響を受けやす
く、雰囲気の僅かな悪化に対しても、敏感に反応し、磁
気特性の劣化が起るものと考えられる。
従って、この発明において、上記元素の効果を得るため
には、V、Nb、Ta、Ti、Si、Alのうち少なくとも1種を0.5原
子%以上含有させる必要があり、望ましくは、2原子%
以上、さらに望ましくは4原子%以上の含有がよい。し
かし、上記元素を15原子%を越えて含有させると、飽和
磁束密度が著しく低下するため好ましくなく、15原子%
以下の含有、望ましくは12原子%以下、さらに望ましく
は10原子%以下の含有がよい。また、含有量は、飽和磁
束密度や所望磁気特性の薄膜形成雰囲気に対する安定性
などを考慮して適宜選定するとよい。
上記添加元素は、パーマロイ基本成分であるNi及びFe
が、Ni40原子%〜90原子%、Fe10原子%〜50原子%の範
囲の薄膜において効果を発揮するが、副成分としてMo,
W,Co,Cuのいずれかを含有する薄膜においても、上述の
如く同効果を発揮する。
この発明によるターゲット材で得られる軟磁性薄膜の磁
気特性は、保磁力100e以下、である。
実施例 実施例1 薄膜形成のため、下記の3種類のターゲットを用意し
た。以下組成はwt%で示す。
(1)79.7Ni-5Mo-Fe(直径100mm,厚み3.5mm) (2)第1図に示す如く、(1)と同じ79.7Ni-5Mo-Feターゲ
ット材(10)上にSiチップ(11)(厚み0.6mm×5mm×5m
m)を放射状に9枚配置した複合ターゲット (3)79.9Ni-4.9Nb-2.1Si-Fe(直径100mm,厚し3.5mm) 上記ターゲット材の(1)は従来組成の比較用であり、(2)
(3)のターゲット材がこの発明によるものである。
スパッタ装置には、RFマグネトロンスパッタ装置を用
い、基板には、室温付近での熱膨脹係数が98×10-7
℃、厚み0.9mm×25mm×25mm寸法のガラスを用い、基板
ホルダーを水冷して、基板の最高温度をいずれのスパッ
タの場合も50℃〜55℃に保持した。
スパッタ条件は、高真空度(A)と低真空度(B)の2
通り下記第1表の条件で行ない、得られた各種の薄膜の
容易磁化軸の保磁力をBHトレーサーを用いて調べ第2
表の結果を得た。
第2表において、のa,c,eが高真空度(A)の場合
で、b,d,fが低真空度(B)の場合であり、a,b
が(1)のターゲット材による比較例薄膜で、c,dが(2)
の複合ターゲット材によるこの発明明薄膜、e,fが
(3)のターゲット材によるこの発明薄膜の場合である。
第2表において、a〜fに2段併記する組成式は、上段
がターゲット材で、下段が薄膜組成である。薄膜組成
は、X線マイクロアナライザーで調べたもので、±0.5
%程度の誤差が見込まれるため、同一ターゲット材で形
成された薄膜間に成分組成の大きなずれはないものと判
断される。
比較例薄膜は、薄膜形成条件が高真空のaの場合と低真
空bの場合では、磁気特性に著しい差があり、aでは保
磁力が0.90e程度であったのが、bでは1208と13倍以上
の保磁力の増加を示しており、薄膜形成時の雰囲気の僅
かな悪化が磁気特性に著しい劣化をもたらしていること
が分る。
これに対して、この発明による薄膜の場合は、薄膜形成
条件が高真空と低真空との間には、比較例よりはるかに
少ない差しかない。すなわち、cとdとの比較では、c
の保磁力0.80eからdの20eの僅か2.5倍程度の増加でし
かなく、さらに、eとfとでは、薄膜形成雰囲気の悪化
に関わらず、両者の保磁力にほとんど差がなく、いずれ
も0.308であった。
第2表から明らかなように、SiあるいはNb及びSiを含有
するこの発明のパーマロイ薄膜用ターゲット材は、従来
のMoパーマロイ薄膜用ターゲット材に比べて、スパッタ
時の雰囲気条件に鈍感であり、より低い真空度やより短
いスパッタ時間であっても、得られる軟磁性薄膜の保磁
力,透磁率等の磁気特性の劣化が少なく、スパッタ時の
雰囲気に対して極めて高い安定性を有していることが分
る。
実施例2 79Ni-4.5Nb-Fe、 79Ni-7Nb-Fe、 79.7Ni-5Mo-Fe82Ni-2Al-Fe、 79.7Ni-5Mo-3Si-Fe、 79Ni-4Ti-Feの6種の合金ターゲット材を用いて、実
施例1と同一のスパッタ装置を使用し、第1表と同様条
件でスパッタして、この発明による10種の薄膜と従来の
Moパーマロイ薄膜を作製した。
得られた一部の薄膜の成分組成をX線マイクロアナライ
ザーでで測定し、熱処理を加えない状態での容易磁化軸
の保磁力をBHトレーサーを用いて測定し、さらに困難
磁化軸の透磁率を8字コイルを用いて測定し、到達真空
度と前スパッタ時間のスパッタ条件とともに第3表に示
す。なお、透磁率は最高値で示している。また、得られ
たスパッタ薄膜組成は製造条件等で異なるが、Niはター
ゲット組成の±1%以内、他は約±30%以内の組成であ
った。
第3表にから明らかな如く、約6%Nbを含有するこの発
明ターゲット材による薄膜は、到達真空度が、5×10-6
Torr程度の悪い雰囲気で作製されても、1×10-6Torr真
空の場合と比較して、保磁力,透磁率の劣化がほとんど
ない。
また、約8%Nbを含有するこの発明ターゲット材による
薄膜は、到達真空度が、5.3×10-6Torr程度の悪い雰囲
気でかつ前スパッタ時間を半分の25分にして作製して
も、比較例よりもすぐれた磁気特性を有していることが
分かる。また、上述のNbの同族元素であるV,Taの場合も
Nbと同様効果が得られることを確認し、さらにTi,Al,Si
の場合もNbと同様効果が得られることが分かる。
したがって、この発明ターゲット材による薄膜は、従来
ターゲット材による薄膜と比較して、すぐれた磁気特性
を有するとともに、薄膜形成雰囲気条件が広範囲に変化
しても、上記のすぐれた特性が安定して得られることが
明らかである。
実施例3 実施例1で得られた第2表に示すa,b,c,dの薄膜を用い
て、1×10-4Torrの真空中にて、500℃×1時間の加熱
を行ない、その後徐冷する加熱処理を施し、困難磁化軸
の透磁率(10MHz)を8字コイルを用いて測定した。第
4表に測定結果(最高値)を示す。
比較例のMoパーマロイ薄膜の場合、低真空の悪い雰囲気
条件で作製した薄膜bの透磁率は、高真空度で作製した
薄膜aの透磁率の1/6でしかない。
しかし、この発明によるSiを含有したターゲット材より
得られた薄膜では、雰囲気条件の悪い場合の薄膜dは、
高真空のよい雰囲気条件で作製した薄膜cの約1/2もの
透磁率を示し、熱処理後の特性においても、スパッタ時
の雰囲気条件の影響を受け難いことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1における複合ターゲット材の説明図
である。 10……79.7Ni-5Mo-Feターゲット材、11……Siチップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−46341(JP,A) 特開 昭51−94413(JP,A) 特開 昭57−101633(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni40原子%〜90原子%、Fe10原子%〜50原
    子%を主成分とし、V、Nb、Ta、Ti、Si、Alのうち少なくと
    も1種を0.5原子%〜15原子%を含有したことを特徴と
    するスパッタ雰囲気変動に対する薄膜磁気特性の安定度
    の高いターゲット材。
  2. 【請求項2】Ni40原子%〜90原子%、Fe10原子%〜50原
    子%の主成分と、副成分としてMo、W、Co、Cuのうち少なく
    とも1種を15原子%以下含有し、さらにV、Nb、Ta、Ti、S
    i、Alのうち少なくとも1種を0.5原子%〜15原子%含有
    したことを特徴とするスパッタ雰囲気変動に対する薄膜
    磁気特性の安定度の高いターゲット材。
JP17800785A 1985-08-13 1985-08-13 雰囲気変動に対する薄膜磁気特性の安定度の高いタ−ゲツト材 Expired - Lifetime JPH0635654B2 (ja)

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