JPH0637642B2 - 容易に彫刻や切削等の細工が可能な美術工芸用の金属材料、および前記金属材料を用いた焼結製品の製造法 - Google Patents

容易に彫刻や切削等の細工が可能な美術工芸用の金属材料、および前記金属材料を用いた焼結製品の製造法

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JPH0637642B2
JPH0637642B2 JP62137503A JP13750387A JPH0637642B2 JP H0637642 B2 JPH0637642 B2 JP H0637642B2 JP 62137503 A JP62137503 A JP 62137503A JP 13750387 A JP13750387 A JP 13750387A JP H0637642 B2 JPH0637642 B2 JP H0637642B2
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淳二郎 武川
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株式会社東伸精工
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、従来素人には困難とされていた、金属材料を
用いた彫刻、レリーフ、版画、装飾品、身飾品、等の金
属加工製品を、一般の人でも簡単に細工できる様にする
とともに、それを熱処理仕上げすることにより、金属特
有の強度や光沢あるいは質感をもった燒結製品を手軽に
製造できるようにする技術に関する。
「従来の技術」 従来より金属としては比較的柔らかで取り扱い易いとさ
れている銅板などを用いてレリーフを作製することが行
なわれているが、このような場合でも、金属工作用の特
殊な道具と熟練が必要であり、一般の人が手軽に行なえ
るようなものではなかった。まして、より硬い各種金属
材料を用いて、これを彫刻したり切削や加工を施して美
術品や工芸品を作製するのは、更に難しく、その作業が
出来るのは極一部の専門家に限られているのが現状であ
る。
本発明者は、上記のような現状を改善し、木や粘土、
蝋、石等を材料としたときと同じように、容易に彫刻や
切削等の細工が出来る金属材料を開発提供し、これによ
って、広く一般の人でも金属製の美術品や、工芸品、装
飾品等の創作活動を楽しめるようにするとともに、本発
明による熱処理技術により、創作加工されたものを燒結
製品として仕上げ、金属の持つ独特の光沢や、色、質感
等を味わい楽しんでもらうことを目的とするものであ
る。
「発明が解決しようとする問題点」 発明者は、利用分野の異なる技術として、鉄系金属微粉
やセラミック粉と有機バインダーの混練物を成形したう
え熱処理の工程により、精密機械部品を製作する技術を
研究しているうち、その中間工程段階に出来る混練物の
成形性や切削性が良いことに着目し、彫刻や切削加工性
が良く上記目的の使用に適した新規な金属材料とするこ
と、および熱処理仕上げ後の製品が創作者のイメージを
保ち、しかも外観的に美麗である様に改良したものであ
る。即ち、上記精密機械部品を製作する技術は、平均粒
径5μm以下の金属微粉を用いているので、熱処理によ
る線収縮が15%〜20%と大きいため、美術品として
の創作者のイメージを大きく変えてしまう難点があっ
て、本発明に当該技術をそのまま応用して燒結製品を作
製するには適していない。なぜなら、精密機械部品製作
用の混練物は成形性が中心で、彫刻や切削加工性につい
ては考慮されておらず、一般にグーン体(成形体)保形
性や接着性が弱い、また原料も外観美を重視した材料に
限定されていない等の欠点がある。そこで、これら欠点
を解消するように改良し、彫刻や切削加工性が良く素人
でも簡単に加工処理が出来、しかも熱処理によって美し
い金属の持つ独特の光沢や、色、質感等をもった燒結製
品の製造が出来る方法を提供せんとするものである。
「問題点を解決する手段」 まず、第1発明は、容易に彫刻や切削等の細工が可能な
美術工芸用の金属材料についてである。
それは、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、
鉄等の単体あるいは2種以上の混合物またはそれらの合
金よりなる平均粒径5μm〜40μmの金属粉92%〜
96%(重量比)を主材とし、これに少なくとも接着剤
として高密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニール共
重合体を混練し、可塑剤としてマイクロクリスタリンワ
ックス及びパラフィンワックスを混練するように成し、
更に必要に応じてポリプロピレン、カルナバワックス、
ステアリン酸などを混練した数種の有機バインダー8%
〜4%(重量比)を混練したうえ、適宜の形状に成形し
て混練成形体となしたことを特徴とする容易に彫刻や切
削等の細工が可能な美術工芸用の金属材料である。
即ち、原料は、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜
鉛、錫、鉄等の単体でも、これら金属の2種以上の混合
物でもよいし、またはそれらの合金でもよいが、それら
は平均粒径5μm〜40μmの金属粉が主材であること
が必要である。当該主要金属粉の平均粒径が5μmより
小さいと、成形性は良いが、彫刻や切削加工性が悪くな
り、しかも線収縮率が大きくなるので、熱処理仕上げ時
の形の歪が大きくなってイメージが失われてしまう。ま
た、主材となる金属粉の平均粒径が40μm以上になる
と、成形性が悪くなるだけでなく、彫刻や切削加工性も
切削面が粗くなって美観に欠ける欠点が生じる。なお、
本発明においては、平均粒径が5μm以下の金属粉が意
識的に又は無意識的に少量混練されていても良いこと勿
論である。
また、前記バインダーは、少なくとも接着剤的効果の高
い高密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニール共重合
体を混練し、可塑材としてマイクロクリスタリンワック
ス及びパラフィンワックスを混練するようになす。これ
らは、比較的接着性の強いバインダーで、混練成形体の
金属材料として、彫刻したり、切削加工したりする際に
不用意に割れたり、欠けたりしない適度の保形力を確保
するために必要である。更に、混練物に適当な流動性を
与えるようなポリプロピレン、カルナバワックス、潤滑
材としてステアリン酸などを混練するようにしても良
い。
次に、金属粉と有機バインダーとの混合比率であるが、
主材となる平均粒径5μm〜40μmの金属粉が92%
〜96%(重量比)に対して、数種の有機バインダーは
8%〜4%(重量比)を混練すると、その混練成形体は
人力による彫刻、切削加工性が丁度良い硬さ状態の美術
工芸品用の金属材料になる。
第2発明は、前記美術工芸用の金属材料を用いた加工品
を燒結製品にする製造法である。
まず最初に、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、
錫、鉄等の単体あるいは2種以上の混合物またはそれら
の合金よりなる平均粒径5μm〜40μmの金属粉92
%〜96%(重量比)を主材とし、これに少なくとも接
着剤として高密度ポエチレン及びエチレン酢酸ビニール
共重合体を混練し、可塑剤としてマイクロクリスタリン
ワックス及びパラフィンワックスを混練するように成
し、更に必要に応じてポリプロピレン、カルナバワック
ス、ステアリン酸などを混練した数種の有機バインダー
8%〜4%(重量比)を混練したうえ、適宜の形状に成
形して混練成形体に形成した容易に彫刻や切削等の細工
が可能な美術工芸用の金属材料を用意する。
これに任意の彫刻や切削等の細工が施された後、線収縮
を10%におさえる条件で脱脂と燒結をする熱処理をほ
どこして仕上げるようにした燒結製品の製造法である。
脱脂と燒結をする熱処理については、具体的な原料や有
機バインダーの種類によって異なるが、一般的に脱脂処
理は、230℃〜300℃程度で4〜6時間大気中で加
熱処理することにより行い、また、燒結処理は、700
℃〜1000℃の高温で2〜3時間、加熱処理すること
により行う。
「実施例」 <実施例1> 平均粒径37μm以下の球状の銅粉と、高密度ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニール共重合体、マイクロクリス
タリンワックス、パラフィンワックスなどからなる有機
バインダーとを、重量比で95:5の割合で混合したも
のを、約140℃で2時間混練し、生成物を直径40m
m、厚さ5mmのメダル状に成形して混練成形体とな
す。
この混練成形体は、非常に切削し易すく、普通の彫刻刀
あるいはナイフで簡単に彫刻することが出来、その切削
面も非常に美しく、精美な細工も可能である。
また、当該混練成形体はボール盤により簡単に穴あけす
ることも出来、その際に破断する等の不都合も生じなか
った。次に、彫刻や切削等の細工を施した当該レリーフ
付メダルを、約250℃で5時間大気中で脱脂した後、
水素気流中において1000℃で2時間の燒結を行なっ
た。その際の線収縮は、約4%であった。燒結後、メダ
ルは通常の金属に近い充分な強度を有し、研磨紙などに
よる簡単な研磨により、銅の金属光沢をもつレリーフ付
メダルが製作出来た。
<実施例2> 平均粒径37μm以下の球状の銅粉と、平均粒径5μm
以下のニッケル粉を重量比で9:1の割合で混合したも
のを金属粉として、これに上記と同じ構成の有機バイン
ダーを重量比で95:5の割合で混合したものを約14
0℃で2時間混練し、生成物を直径40mm、厚さ5m
mのメダル状に成形して混練成形となす。この混練成形
体も、第1実施例と同様に非常に切削し易すく、普通の
彫刻刀あるいはナイフを用いて人力により簡単に彫刻す
ることが出来た。そのときの切削面は非常に美しく、素
人でも精美な細工が簡単に出来る。
そのようにして彫刻や切削等の細工を施したレリーフメ
ダルを約250℃で5時間、大気中で脱脂し、その後、
水素気流中で1000℃、2時間の燒結を行ない、その
後研磨紙などにより簡単な研磨をしたところ線収縮が約
4%の美しい金色状の金属光沢を持ったレリーフ付メダ
ルが作製出来た。
<実施例3> 粒径37μm以下の球状銅粉と平均粒径5μmのニッケ
ル粉を重量比で8:2に混合したものを金属粉として、
これを混練する高密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
ール共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフ
ィンワックスなどからなる有機バインダー量を、重量比
で3〜10%の範囲で変化させて作製した混練成形体の
切削性と、同一条件で熱処理した際の脱脂性、燒結性等
について検討した結果を表1に示す。
この実施例について検討した結果、次のようなことが判
明した。混練する有機バインダーの適量は、望ましくは
5%〜7%と判断されるが、より微粉のニッケル粉の混
合比を増加すると、それにしたがって適量を示す有機バ
インダーの量が増加し、逆に当該微粉の混合比を減少す
ると、必要な有機バインダーの量が減少する傾向があ
る。このため、本発明にかかる容易に彫刻や切削等の細
工が可能な金属材料を作製するのに適した、混練する有
機バインダー量は、4%〜8%(重量比)が許容範囲に
なる。
「効 果」 本発明は美術工芸品用の金属材料として平均粒径5μm
〜40μmの金属粉を主材として、これに数種の有機バ
インダーとを混練したうえ、適宜の形状に成形して混練
成形体となし、容易に彫刻や切削等の細工が可能な美術
工芸品用の金属材料を提供したものである。
この新規な金属材料は、有機バインダーを介して、金属
粉が適度な硬さと保形力を有しているだけである。この
ため、当該金属材料は成形された形を保ちながら彫刻や
切削等の細工が容易であるといった特性が生じる。その
結果、従来、素人には困難とされていた金属材料の彫刻
や切削加工作業等を木、粘土、蝋、石などを材料とした
ときと同じように手軽に人力によって出来ることとなっ
た。
しかも、これを後に脱脂、燒結すれば、簡単に燒結製品
となって、手作りの彫刻やデザインや美術作品を金属特
有の光沢、質感、及び光などで楽しむことができる。
以上のように、本発明に係る美術工芸品用の金属材料
は、成形性、切削性に優れているので、容易に彫刻や切
削等の細工が可能となり、誰でも簡単に創作作品を造る
ことができるようになったし、その作品は熱処理によっ
て簡単に燒結製品に仕上げることができるので、従来専
門的な道具や設備を持った専門家しか出来ないといわれ
ていた金属製のレリーフ、彫刻、工芸品、装飾品、身飾
品等を手軽に素人でも楽しむことができることとなっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、
    錫、鉄等の単体あるいは2種以上の混合物またはそれら
    の合金よりなる平均粒径5μm〜40μmの金属粉92
    %〜96%(重量比)を主材とし、これに少なくとも接
    着剤として高密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニー
    ル共重合体を混練し、可塑剤としてマイクロクリスタリ
    ンワックス及びパラフィンワックスを混練するように成
    し、更に必要に応じてポリプロピレン、カルナバワック
    ス、ステアリン酸などを混練した数種の有機バインダー
    8%〜4%(重量比)を混練したうえ、適宜の形状に成
    形して混練成形体となしたことを特徴とする容易に彫刻
    や切削等の細工が可能な美術工芸用の金属材料。
  2. 【請求項2】銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、
    錫、鉄等の単体あるいは2種以上の混合物またはそれら
    の合金よりなる平均粒径5μm〜40μmの金属粉92
    %〜96%(重量比)を主材とし、これに少なくとも接
    着剤として高密度ポリエチレン及びエチレン酢酸ビニー
    ル共重合体を混練し、可塑剤としてマイクロクリスタリ
    ンワックス及びパラフィンワックスを混練するように成
    し、更に必要に応じてポリプロピレン、カルナバワック
    ス、ステアリン酸などを混練した数種の有機バインダー
    8%〜4%(重量比)を混練したうえ、適宜の形状に成
    形して混練成形体に形成した容易に彫刻や切削等の細工
    が可能な美術工芸用の金属材料を用意し、 これに任意の彫刻や切削等の細工が施された後、線収縮
    を10%におさえる条件で脱脂と燒結をする熱処理をほ
    どこして仕上げるようにしたことを特徴とする前記金属
    材料を用いた燒結製品の製造法。
JP62137503A 1987-05-30 1987-05-30 容易に彫刻や切削等の細工が可能な美術工芸用の金属材料、および前記金属材料を用いた焼結製品の製造法 Expired - Lifetime JPH0637642B2 (ja)

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渡辺▲こう▼尚著"新版粉末冶金"(株)技術書院(昭和51年)P17

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