JPH0638184Y2 - 回転差感応型継手 - Google Patents

回転差感応型継手

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JPH0638184Y2
JPH0638184Y2 JP16996487U JP16996487U JPH0638184Y2 JP H0638184 Y2 JPH0638184 Y2 JP H0638184Y2 JP 16996487 U JP16996487 U JP 16996487U JP 16996487 U JP16996487 U JP 16996487U JP H0638184 Y2 JPH0638184 Y2 JP H0638184Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、四輪駆動車等の駆動力配分装置や左右輪の差
動制限装置等として用いられる回転差感応型継手に関す
る。
(先行の技術) 先行の回転差感応型継手としては、例えば、本出願人が
先に提案した特願昭61-246087号の明細書及び図面に記
載されているような継手がある。
この継手は、第8図に示すように、アキュムレーター室
90と返送油路100との間にワンウェイバルブ103が設けら
れ、アキュムレーター室90の内圧が高まった時に、チェ
ックボール103aがチェックスプリング103bの力に打ち勝
って、アキュムレーター室90内の作動油をハウジング30
内に放出するようにしている。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、このような先行継手にあっては、アキュ
ムレーター室90から作動油を放出した後、アキュムレー
ター室90の内圧とワンウェイバルブ103のチェックスプ
リング103bの力とのバランス、即ち、油圧バルブ方式に
よりアキュムレーター室90を閉じるものであった為、作
動油の放出後にアキュムレーター室90の内圧pが低下し
過ぎて、作動回転により生ずる油の流動によるキャビテ
ーションを防ぎ得ない低圧力レベル状態となることがあ
った。
以下、その理由を述べる。
第9図はワンウェイバルブ103がアキュムレーター室90
の内圧pにより開いている状態を示している。
まず、チェックボール103aが閉じた時はローター40の斜
面との当たり角αによって出来るアキュムレーター室90
からの受圧有効径はd0であり、チェックスプリング103b
による力をFsとすると、(π/4)d0 2×p=Fsで釣り合
い、(π/4)d0 2×p>Fsとなるとワンウェイバルブ103
が開き、チェックボール103aは、アキュムレーター室90
からの油の噴流により浮き上がる。
そして、ワンウェイバルブ103が開いた状態でのチェッ
クボール103aの当たり角βによって出来る受圧有効径は
d1(>d0)となり、また、チェックスプリング103bによ
る力はFs+ΔFs(=k・Δx)となる。但し、k;バネ定
数,Δx;開ストローク)である。
従って、(π/4)d1 2×p=Fs+ΔFsで釣り合い、(π/
4)d1 2×p<Fs+ΔFsとなると、ワンウェイバルブ103
が閉じる。
即ち、釣り合い式は、前2式から (π/4){d1 2−d0 2}p=ΔFs と変形出来、内圧pが小さくなるにつれてΔFs(即ち、
Δx)は小さくなって閉じることになり、閉じた状態で
のアキュムレーター室90の内圧pは、チェックボール10
3aが戻るのに時間がかかる為に弁開時の内圧pより低く
なり、特に、チェックスプリング103bのバネ力が弱いと
弁が戻るのに時間がかかり、内圧pの低下が非常に大き
くなる。
一方、アキュムレーター室90の内圧pは、作動回転によ
り生じる油の流動によるキャビテーションを防ぐ為、適
正な内圧の確保が必要、即ち、アキュムレータ室90の内
圧pはあまり小さく出来ない。
そこで、構造的に変えないで行なう対策としては以下に
述べる2通りの対策が考えられる。
開弁時の内圧pを大きくしておき、内圧pが低下して
も十分な内圧pを有しているように、チェックスプリン
グ103bのセット荷重Fsを始めから大きな値とする。
しかしながら、この方式は、アキュムレーター室90の内
圧pを大きくする為、皿バネ94の強度を上げたり、リテ
ーナ93の強度を向上させる必要があり、設計スペース的
に困難である上、6個のピストン頭部に常に油圧がかけ
られる為、相対回転差によらない伝達トルクの上載せ分
が発生し、音,振動等の原因になり易い。
チェックスプリング103bのバネ定数を上げてやること
により弁が速く戻るようにする。
しかしながら、この方式にすると、チェックスプリング
103bのセット荷重がわずかな撓みで大きく変動する為、
開弁させる内圧pを正確に設定することが困難で実用的
でないと言える。
更に、以上述べたような圧力によるバネ変位を利用して
油を放出する油圧バルブ方式のものは、バルブの弁座部
分に微細なゴミを挟み易い為、アキュムレーター圧を保
持することが出来なくなることもあり、微量の油を放出
する方式としては好ましい方式とは言えない。
尚、油のリークを防止し、弁の閉じ切り特性を向上させ
る点に関しては、第10図に示すように、チェックボール
と馴染みの良い、ロータ母材とは別の物性,材質による
弁座104を設ける案があるが、やはり、抜本的な解決案
とはならない。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、上述のような問題点を解決することを目的と
し、この目的達成のために本考案では、相対回転可能な
入出力軸間に設けられ、前記両軸の回転速度差に応じた
量の流体を流動させる流量発生手段を備え、前記流体の
流動抵抗により前記入出力軸間の伝達トルクが制御され
る回転差感応型継手において、前記流量発生手段は、入
出力軸の一方と一体的に形成され内周部にカム面を有す
るハウジングと、入出力軸の他方と一体的に形成され前
記カム面内に挿入されるローターと、該ローターに支持
されると共に前記カム面と周接しハウジングとローター
の相対回転時に径方向に往復動するシールリングを有す
るピストン式カム体と、該カム体の往復動に伴ない体積
変化する複数のシリンダー室と、前記ローターに形成さ
れ各シリンダー室間をオリフィスを介して連結する流体
路と、該流体路の端部に形成されたアキュムレーター室
と、該アキュムレーター室の容積拡大によるピストン変
位に連動して動く弁によりアキュムレーター室から前記
ハウジング内に向って作動油を逃す返送油路と、を備え
ている事を特徴とする手段とした。
(作用) 従って、本考案の回転差感応型継手では、上述のような
手段としたため、ハウジングとローターとの間に相対回
転が生じると、カム面と周接しているカム体がカム面の
形状に応じて径方向に往復動し、カム体の往復動に伴な
い体積変化する流体室ではオリフィスによる流動抵抗に
より流体圧が発生し、ハウジングとローターとの両回転
部材の相対回転速度差に応じたトルクが一方の軸から他
方の軸へ伝達される。
また、アキュムレーター室が設定圧を越えたらアキュム
レーター室の容積拡大によるピストン変位に連動して動
く弁によりアキュムレーター室から前記ハウジング内に
向って作動油を逃すようにしている為、大幅な内圧低下
を招くことなく、確実な作動で、アキュムレーター室を
含むローター側の内圧上昇が抑えられる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。尚、この
実施例を述べるにあたって、四輪駆動車のエンジン駆動
力伝達系に設けられる回転差感応型継手を例にとる。
まず、実施例の構成を第1図〜第6図に示す図面に基づ
いて説明する。
実施例の回転差感応型継手Aは、第6図に示すように、
前輪駆動をベースにした四輪駆動車の後輪駆動系の途中
に、センターディファレンシャルと、後輪への駆動力配
分制御装置を兼用する継手として設けられている。
実施例継手Aが適用される四輪駆動車の駆動系は、前輪
駆動系として、エンジン1、トランスミッション(クラ
ッチを含む)2、フロントディファレンシャル3、フロ
ントドライブシャフト4,5、フロントドライブシャフト
ジョイント6…、前輪7,8を備えていて、後輪駆動系と
して、トランスファギヤトレーン9、フロントプロペラ
シャフト10、センタプロペラシャフト(入力軸)11、回
転差感応型継手(流量発生手段)A、リヤプロペラシャ
フト(出力軸)12、プロペラシャフトジョイント13…、
センターベアリング14、リヤディファレンシャル15、リ
ヤドライブシャフト16,17、リヤドライブシャフトジョ
イント18…、後輪19,20を備えている。
前記フロントディファレンシャル3は、トランスミッシ
ョン2の最終段ギヤ21と、前記フロントドライブシャフ
ト4,5との間に介装された前輪7,8の差動装置である。
前記トランスファギヤトレーン9は、前記フロントディ
ファレンシャル3のデフケース22からエンジン駆動力を
後輪19,20側へ取り出す駆動力分割装置で、このトラン
スファギヤトレーン9と前記フロントディファレンシャ
ル3と共にトランスアクスルケース23に納められてい
る。
前記リヤディファレンシャル15は、前記リヤプロペラシ
ャフト12と、リヤドライブシャフト16,17との間に介装
された後輪19,20の差動装置である。
実施例の回転差感応型継手Aの構成を説明する。
実施例継手Aは、第1図〜第5図に示すように、ドライ
ブハウジング(ハウジング)30、ローター40、ドライビ
ングピストン(ピストン式カム体)50、シリンダー室6
0、オリフィス油室70、レギュレーター油路80、アキュ
ムレーター室90、返送油路100を主要な構成としてい
る。
前記ドライブハウジング30は、入力軸であるセンタプロ
ペラシャフト11に対し、ボルト止め等により一体に設け
られる部材で、その内周部には略オニギリ形によるカム
面31が形成されている。
前記ローター40は、前記ドライブハウジング30のカム面
31内に挿入状態で配置され、出力軸であるリヤプロペラ
シャフト12がボルト止め等によって一体に設けられると
共に、前記ドライブハウジング30に対し固定されたスッ
トパプレート41によって相対回転を許容しながら軸方向
に固定状態で設けられている。
尚、このローター40には、前記カム面31に対向する位置
で、放射半径方向に等間隔で12個所にシリンダー穴42…
が形成されている。
前記ドライビングピストン50は、前記シリンダー穴42に
対しシールリング51により油密状態で設けられたピスト
ン式カム体で、前記カム面31に周接するドライビングボ
ール50aと、前記シリンダー室60に臨むピストン50bとに
よって構成され、前記ドライブハウジング30とローター
40との相対回転時に往復動する。
前記シリンダー室60は、前記シリンダー穴42と前記ドラ
イビングピストン50との間に形成された室で、ドライビ
ングピストン50の往復動に伴なって体積変化する。
前記オリフィス油路70は、前記ローター40に形成され、
一端がシリンダー室60に、他端がアキュムレーター室90
に開口された径方向の油路で、このオリフィス油路70の
シリンダー室60側にはオリフィス71が設けられている。
前記レギュレータ油路80は、前記オリフィス油路70と同
様にローター40に形成され、一端がシリンダー室60に、
他端がアキュムレーター室90に開口された径方向の油路
で、このレギュレータ油路80のシリンダー室60側にはア
キュムレーター室90からシリンダー室60への流れのみを
許すボール弁構造のワンウェイバルブ81が設けられてい
る。
尚、前記オリフィス油路70とレギュレータ油路80とは途
中で結合されてY字状油路を構成している。
前記アキュムレーター室90は、前記ローター40の中心軸
部に形成され、作動油の一時的貯留及び放出により油量
の増減吸収を行なう室で、ローター40に往復動可能に油
密状態で設けられたアキュムレータピストン91と、スト
ッパリング92により固定されたリテーナ93と、前記ピス
トン91とリテーナ93との間に介装された皿バネ94とを備
えている。
前記返送油路100は、アキュムレーター室90が設定圧を
越えたらアキュムレーター室90からドライブハウジング
30内に向って作動油を逃す油路で、ローター40の中心軸
部にアキュムレーター室90まで貫通して開穴されたバル
ブ穴101と、ドライブハウジング30とローター40の組み
合せ結合面間に形成される間隙路102によって構成され
ている。
そして、前記バルブ穴101にはピストン91の変位に連動
して開閉するスライドバルブ105が設けられている。
このスライドバルブ105は、前記ピストン91と一体に形
成され、バルブ穴101に挿着されるバルブピン105aと、
バルブ穴101の内面に形成されたリング溝101aに設けら
れたO−リング105bとによって構成されている。
尚、前記バルブピン105aの先端部は、第1図に示すよう
に、ピストン91の図面左方向への最大ストローク領域で
O−リング105bとの間に隙間が出来る先細り形状となっ
ている。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)回転速度差ΔNの発生がない時 乾燥アスファルト路等を低・中速で直線走行する場合等
であって、前後輪に回転速度差ΔNが発生しない時は、
ドライブハウジング30とローター40とに相対回転がな
く、ドライビングピストン50が径方向に往復動しない
為、回転差感応型継手Aによる後輪19,20側への伝達ト
ルクΔTの発生がなく、エンジン駆動力は前輪7,8のみ
に伝達される前輪駆動状態となる。
しかしながら、前後輪に回転速度差ΔNが発生しない時
であっても、高速道路を高速直進走行する場合には、後
輪19,20の回転に伴なって高速回転するローター40に設
けられているドライビングピストン50には遠心力Fcが作
用し、この遠心力Fcによってドライビングピストン50が
カム面31に押し付けられることになり、この遠心力Fcに
より、第7図に示すように、伝達トルクΔTcoが発生す
ることになる。尚、遠心力Fcは、 m;質量(ドライビングピストン) r;回転中心軸から質量重心までの距離 v;ローター回転速度 であり、回転速度v、すなわち車速Vの2乗に比例して
発生する。
従って、高速道路等での高速直進走行時には、後輪19,2
0側への伝達トルクΔTcoが発生して4輪駆動状態とな
り、高速直進安定性を高めることができる。
(ロ)回転速度差ΔNの発生時 アクセルペダルを急踏みしての発進時や加速時、あるい
は雨路や雪路や泥ねい地等での走行時であって、駆動輪
である前輪7,8がスリップし、前後輪に回転速度差ΔN
を生じた場合には、ドライブハウジング30とローター40
とに相対回転が発生し、この相対回転によりカム面31に
周接するドライビングピストン50は径方向に往復動し、
この往復動のうち回転軸中心に向かうことでシリンダー
室60の容積を縮小させようとする時には、オリフィス71
による流動抵抗でシリンダー室60内の圧力が高まり、こ
の発生油圧とピストン50の受圧面積とを掛け合せた油圧
力がドライビングピストン50をカム面31に押し付ける力
となり、この押し付け力によって後輪19,20側への伝達
トルクΔTが発生する。
尚、後輪19,20側への伝達トルクΔTは、回転速度差Δ
Nが大きければ大きい程、オリフィス62の前後圧力差も
大きくなることから、第7図の実線に示すように、2次
関数曲線であらわされる伝達トルク特性を示し、車速V
が高い程、遠心力による伝達トルクΔTcが付加された特
性を示す。
従って、前輪7,8がスリップした場合には、前輪7,8のス
リップ度合に応じて、自動的に前輪駆動状態から4輪駆
動状態へと駆動力配分が制御されることになり、発進性
や加速性の向上、雨路や雪路での走破性向上、及び泥ね
い地での脱出性向上を図ることができる。
また、低速での小旋回時にも前後輪の旋回走行軌跡の差
で、前後輪にわずかの回転速度差ΔNが生じるが、この
時には後輪19,20側への伝達トルクΔTが小さな状態で
ある為、前後輪の回転速度差ΔNは回転差感応型継手A
で吸収され(センタディファレンシャル機能)、タイト
コーナブレーキ現象の発生が防止される。
また、高速旋回時においては、前後輪に大きな回転速度
差ΔNが生じ、後輪19,20側への伝達トルクΔTが高い
4輪駆動状態となる為、駆動力とコーナリングフォース
との関係から限界旋回性能(コーナリング時の限界速
度)が高まる。
そして、前述のような回転速度差ΔNの発生時における
作動油の移動作用を述べると、まず、圧力を受けながら
ドライビングピストン50がシリンダー室60の中に押し込
められる工程の時は、シリンダー内圧の為にシールリン
グ51はシリンダー穴42の内壁にピッタリと押し付けられ
て移動し、シールリング51が通過した後のシリンダー穴
42の内壁に残された油膜は極めて薄いものになる。
一方、ドライビングピストン50が外方に向かう伸び工程
の時は、シリンダー室60の内圧は低圧となる為に、ワン
ウェイバルブ81を通って作動油がシリンダー室60内へ入
ってくるが、シールリング51のシリンダー穴42の内壁へ
の押し付け力が弱くドライブハウジング30内の油を表面
に付けたまま移動し、シールリング51が通過した後のシ
リンダー穴42の内壁に残された油膜は押し込み工程の時
より厚くなる。
従って、ドライブハウジング30内の作動油が少しずつロ
ーター40側へ浸入してゆくことになる。
これに対し、アキュムレーター室90は、作動油の熱膨張
と各シリンダー室60の体積変化を吸収する為、アキュム
レータピストン91と強力な皿バネ94とによって大気圧よ
り高く予圧がかけられているが、ドライブハウジング30
内の作動油が徐々にローター40内に浸入すると遂には所
期の設定圧を越えようとする。
しかしながら、アキュムレーター室90が設定圧を越える
と、第2図に示すようにスライドバルブ105が開き、ア
キュムレーター室90内の作動油を間隙路102を経過して
ドライブハウジング30内に戻す為、アキュムレーター室
90の内圧は設定圧以下に抑えられる。
このスライドバルブ105の作用を更に詳しく述べると、
第1図に示す状態では、バルブピン105aの先端部とO−
リング105bとは隙間が出来ており、油及び微細なゴミも
合わせて流出状態になっている。そして、アキュムレー
ター室90の容積が油の流出により減じると、アキュムレ
ータピストン91は皿バネ94により押されて第2図に示す
ようになる。この際、微細なゴミが多少O−リング105b
等に付着していても強大な皿バネ94の力によりO−リン
グ105bのゴムの中に押し込んでしまうことが出来る。
尚、第2図に示す状態はシール方式として完壁であり、
油漏れは完全に防ぐことが出来る。尚、このバルブ機能
は、本継手の特性を発揮する上で極めて重要である。
以上説明してきたように、実施例の回転差感応型継手A
にあっては、以下に述べるような効果が得られる。
カム面31に対し径方向内側からドライビングピストン
50が接触するように配置されている為、ローター40が高
回転する時に前記ドライビングピストン50に作用する遠
心力Fcで、前後輪に回転速度差ΔNの発生がない時でも
高車速時には所定の伝達トルクΔTcoが発生して高速走
行安定性が高まるし、回転速度差ΔNの発生時には伝達
トルクΔTcが付加されたトルク伝達特性、すなわち回転
速度差ΔNと車速Vとに対応したトルク伝達特性(第7
図)を得ることができる。
相対回転する回転部材のうち、内側に配置されるロー
ター40に油室60及び油路61が形成されている為、ロータ
ー40が高回転する時に各油路70,80及びアキュムレータ
ー室90を流通する作動油に対する遠心力影響がほとんど
発生せず、安定したトルク伝達特性が得られると共に、
振れ回りの原因となることもなく、各油路70,80がコン
パクトにローター40の回転軸部に形成される。
構造的にショックアブソーバタイプでありシリンダー
室60のシール性は、シールリング51だけで油のリークを
防止する高いシール性が確保される為、低い回転速度差
ΔNの領域でもトルク伝達特性に従って伝達トルクΔT
を発生させることができる。
カム面31をドライブハウジング30の内周部に形成させ
ている為、カム面31の全体の径を大きくとることがで
き、これによってカム面31を精度良く加工できると共
に、カム面31の凹凸がなめらかになるので、回転速度差
ΔNが大であってもカム面31とドライビングピストン50
の衝突音発生を防止できる。
各油路70,80の端部は、アキュムレーター室100に導か
れている為、油量変動吸収と共に、トルク伝達系に生じ
る衝撃的なトルクのダンパーとなるし、ドライビングピ
ストン50その他各部の摺動部分の耐久による摩耗等の補
正手段としても作用する。
ワンウェイバルブ81を径方向(ラジアル方向)に配置
した為、アキシャル方向に配置した場合のように、バル
ブボールに対する遠心力影響でバルブボールがバルブシ
ートから外れっぱなしとなり(バルブスプリングは比較
的にバネ力が弱い)、アキュムレーター室90の内圧が高
い時に回転差に起因しない伝達トルクの発生が防止され
る。
アキュムレーター室90の内圧が設定圧を越えると作動
油をドライブハウジング30側に戻す返送油路100を設け
た為、ローター40側の内圧の異常な上昇によりカム面31
とドライビングピストン50との接触面のヘルツ応力が上
昇し、転走面の疲労破壊を早めてしまうようなことがな
く、転走面の疲労破壊寿命を大幅に延長出来る。
アキュムレーター室90から返送油路100への逃がし
を、容積ストローク方式によるスライドバルブ105によ
り行なうようにした為、正確な油量管理が出来ると共
に、強力な皿バネ94の力を使う為、多少のゴミ等に対し
ても目的がみだされない確実な機能を発揮出来るし、皿
バネ94の設計に当たり、従来の様にチェックスプリング
の使用を考慮せずに済み、設計が容易となる。
以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考
案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があって
も本考案に含まれる。
例えば、本考案の回転差感応型継手は、実施例で示した
適用例に限られるものではなく、後輪駆動ベースの四輪
駆動車の前輪側プロペラシャフトの途中に設けること
も、また左右輪の作動制限手段として適用することもで
きる。
また、本実施例は、ピストン式カム体の例としてドライ
ビングボールとピストンとの組み合せの例を示したが、
本出願人が先に提案した特願昭61-129424号に記載した
ような一体型ドライビングピストンであってもよい。
(考案の効果) 以上説明してきたように、本考案の回転差感応型継手に
あっては、流体路の端部に形成されたアキュムレーター
室の容積拡大によるピストン変位に連動して動く弁によ
りアキュムレーター室からハウジング内に向って作動油
を逃す返送油路とを備えている手段とした為、ローター
側の内圧の異常な上昇によるカム面とピストン式カム体
との接触面のヘルツ応力上昇がなく、転走面の疲労破壊
寿命を大幅に延長出来る共に、多少のゴミ等に対しても
目的がみだされない確実な機能を発揮しながら容易に正
確な油量管理が出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案実施例の回転差感応型継手を示す縦断側
面図、第2図は実施例継手のスライドバルブ部を示す作
用説明断面図、第3図は第1図I-I線による断面図、第
4図は第3図のB方向矢視図、第5図は実施例継手の要
部拡大図、第6図は実施例継手を適用したエンジン駆動
系を示す概略図、第7図は実施例継手でのトルク伝達特
性図、第8図は先行継手の縦断側面図、第9図は先行継
手のワンウェイバルブ部を示す作用説明断面図、第10図
は先行継手のワンウェイバルブの改良案の断面図であ
る。 A……回転差感応型継手 (流量発生手段) 11……センタプロペラシャフト (入力軸) 12……リヤプロペラシャフト (出力軸) 30……ドライブハウジング (ハウジング) 40……ローター 50……ドライビングピストン (ピストン式カム体) 60……シリンダー室 70……オリフィス油路 71……オリフィス 80……レギュレーター油路 90……アキュムレーター室 100……返送油路 105……スライドバルブ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記両軸の回転速度差に応じた量の流体を流動させる流量
    発生手段を備え、前記流体の流動抵抗により前記入出力
    軸間の伝達トルクが制御される回転差感応型継手におい
    て、 前記流量発生手段は、入出力軸の一方と一体的に形成さ
    れ内周部にカム面を有するハウジングと、入出力軸の他
    方と一体的に形成され前記カム面内に挿入されるロータ
    ーと、該ローターに支持されると共に前記カム面と周接
    しハウジングとローターの相対回転時に径方向に往復動
    するシールリングを有するピストン式カム体と、該カム
    体の往復動に伴ない体積変化する複数のシリンダー室
    と、前記ローターに形成され各シリンダー室間をオリフ
    ィスを介して連結する流体路と、該流体路の端部に形成
    されたアキュムレーター室と、該アキュムレーター室の
    容積拡大によるピストン変位に連動して動く弁によりア
    キュムレーター室から前記ハウジング内に向って作動油
    を逃す返送油路と、を備えている事を特徴とする回転差
    感応型継手。
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