JPH0638286B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JPH0638286B2
JPH0638286B2 JP5743184A JP5743184A JPH0638286B2 JP H0638286 B2 JPH0638286 B2 JP H0638286B2 JP 5743184 A JP5743184 A JP 5743184A JP 5743184 A JP5743184 A JP 5743184A JP H0638286 B2 JPH0638286 B2 JP H0638286B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエチレンテレフタレート(PET)フイル
ム等の可撓性を有する支持基板にNiFe合金薄膜等の軟磁
性層とCoCr合金薄膜等の垂直磁気異方性層を順次積層し
た二層構造を有する垂直磁気記録媒体に関し、特にフロ
ツピーデイスク等のデイスク型記録媒体に好適なもので
ある。
〔従来技術〕
従来の強磁性微粉末をバインダー樹脂中に分散せしめた
記録層を有する塗布型磁気記録媒体にかわり、近年、高
密度記録への要望にともない、垂直磁気記録方式の媒体
がさかんに研究されており、特にフロツピーデイスクへ
の応用が期待され、中でも上述の2層構造の垂直磁気記
録媒体が注目されている。(特公昭58−91号公報,
日経エレクトロニクス 1982年10月25日号p.141等参
照) 上述の垂直磁気記録媒体の基本構成は、特公昭58−9
1号公報等で公知の通り、支持基板上にスパツタ等の手
段で作製される磁束集中層として作用する0.2〜1.0μm
程度の厚さのNiFe合金薄膜等からなる軟磁性層と記録層
として作用する0.1〜0.7μm程度の厚さのCoCr合金薄膜
等からなる垂直磁気異方性層を順次積層したもので、高
感度,高密度記録が可能である。
〔問題点〕
ところで前述の2層構造の垂直磁気記録媒体は、支持基
板を回転させながら作製したフロツピーデイスクでは問
題とならなかつたが、長尺のフイルムを連続的に送行さ
せながら作製しドーナツ状に打抜いたフロツピーデイス
クでは再生出力が同一トラツク内の一周期で変化するこ
とがわかり、それが軟磁性層の面内磁気異方性に基づく
ものであることがわかつた。
すなわち、第1図に示した様な面内磁気異方性(MD:
基板移送方向,TD:基板移送方向と直交する巾方向)
を有する薄膜を軟磁性層とする垂直磁気記録媒体のフロ
ツピーデイスクにおいては、ヘッドがTD方向に通過す
る時は出力電圧が高く、MD方向に通過する時は出力電
圧が低くなり、ヘツドがトラツクを一周する間に再生出
力のエンベロープに山が2つ、谷が2つ存在することが
観察された。これは、JIS C 6290のモジユレーシ
ヨンが10%以下という規定からも大きな問題である。
本発明は、2層構造の垂直磁気記録媒体においてフロツ
ピーデイスクに適した上記のような問題のない垂直磁気
記録媒体を目的としたもので、面内磁気異方性に基づく
再生出力の変化が実用に供し得る変化幅にある垂直磁気
記録媒体を目的としたものである。
〔発明の構成及び作用効果〕
上述の目的は、以下の本発明により達成される。すなわ
ち、本発明は、前述の可撓性基板上に軟磁性層と垂直磁
気異方性層を形成した垂直磁気記録媒体において、前記
軟磁性層が少なくとも正の磁歪誘導磁気異方性を示す層
と負の磁歪誘導磁気異方性を示す層とからなる積層膜で
あることを特徴とする垂直磁気記録媒体である。
上述の本発明は軟磁性層の面内磁気異方性の方向と程度
が軟磁性層を構成する合金の元素組成,軟磁性層をスパ
ツタ等の手段で形成する時の基板温度及び基板移送時の
張力等により変化すること、すなわち磁歪誘導磁気異方
性に基づくものであることを見い出し、該合金の元素組
成を軟磁性層の厚さ方向に調節することによりモジユレ
ーシヨンが良好になることを見い出してなされたもので
ある。
以下、本発明に至つた経緯と、本発明を詳細に説明す
る。
本発明者らは、後述の第8図に概略図を示した巻取式ス
パツタ装置を用い、支持基板の長尺のPETフイルムを
支持ロール(キヤン)に沿つて連続的に移送させながら
スパツタ法によりNiFeMo合金よりなる軟磁性層とCoCr合
金よりなる垂直磁気異方性を有する記録層を順次積層
し、2層構造の垂直磁気記録媒体を作製してきたが、得
られる軟磁性層の面内磁気異方性の為にモジユレーシヨ
ンが不良となることを見い出した。以下、具体的に実験
例を示す。
〔実験例1〕 第8図は、特開昭58−158380号公報等で公知の対向タ
ーゲツト方式のスパツタ装置であり、図の10は真空
槽,20は排気ポンプ,30はArガス導入系,40はDC
電源,11は温度コントロール可能な回転キヤン,1
2,13は巻出しと巻取りロール,Fは支持基板となる
フイルム、50,51はターゲツトT1,T2を有する対向
ターゲツトカソード,52,53はプラズマ捕捉用の磁
界を発生する永久磁石である。なお、54a,54b,55a,5
5bは冷却用の配管,56,57は電気絶縁部材,58,
59はシールドである。支持基板となるフイルムFは巻
出しロールにより、キヤン11の回転に沿つて巻取りロ
ール13に巻取られる。この間に対向ターゲツトT1,T2
間で薄膜が連続的に形成される。
なお、対向ターゲツト式スパツタ法は前述の通り公知で
あり、そのスパツタ作用の説明は省略する。
本装置を用い、まずターゲツトT1,T2をNiFeMo合金(Ni
79.3%wt%,Fe15.4wt%,Mo5wt%)とし、50
μm厚さのPETフイルム上にNiFeMo合金薄膜の軟磁性
層を形成した。次いでターゲツトT1,T2をCoCr合金(Cr
20wt%)に交換し該軟磁性層上にCoCr合金薄膜の垂直
磁気異方性層を積層し2層構造の垂直磁気記録媒体(以
下2層媒体と云う。)を作製した。作製時(スパツタ製
膜時)のフイルム張力はいずれも0.2Kg/mm2であり、キ
ヤン温度は軟磁性層形成時は60℃,垂直磁気異方性層
形成時は100℃とした。
得られた軟磁性層の振動試料型磁力計により測定した磁
化曲線(飽和M−H曲線)を第1図に示した。第1図に
おいてMD方向とは第2図に示した様に媒体Rの基板移
送方向MDに磁界を加えて測定したものであり、TD方
向とは図のMD方向に直交する方向TD(いずれも面
内)に測定したものである。第1図で明らかな様に本実
験例の軟磁性層はMD方向を磁化容易軸としTD方向を
磁化困難軸とする面内磁気異方性を示した。該軟磁性層
のその他の特性を表−1に示した。表−1においてHce
は磁化容易軸方向の保磁力であり、Hchは磁化困難軸方
向の保磁力である。該軟磁性層上に形成した垂直磁気異
方性層の特性を表−2に示した。
表−2において保磁力の垂直とは媒体膜面に垂直方向の
保磁力を、水平とは媒体膜面に平行方向の保磁力を示
す。なお、保磁力の測定は二層膜媒体の軟磁性層を分離
して行つた。Δθ50はX線回折の六方最密構造(hc
p)の(002)面のロツキング曲線の半値巾であり、
二層媒体のまま測定した。
電磁変換特性:表−1,2の特性を有する二層膜媒体に
ついて、第3図(a)に示すように、媒体RのMD方向,
TD方向に長方形のサンプルを切り出して、それぞれの
電磁変換特性を評価した。表−3に測定条件を、表−4
と第4図に測定結果を示した。
表−4に示す如く、軟磁性層の磁化困難軸方向に記録・
再生することにより、磁化容易軸方向の場合と比較し
て、再生出力が1.3〜1.5倍と大きくなつていることが判
つた。
また、第4図は第3図(b)に示す媒体Rからの切り出し
方向θを変えたサンプルの、50KFRPI及び100KFRPIの
再生出力Epを示したものである。すなわち、磁化困難軸
方向(TD方向)で再生出力Epが最も大きく、切り出し
方向θにより単調に減少し、磁化容易軸方向(MD方
向)で再生出力Epは最低となつた。このような媒体を円
形に打抜きフロツピーデイスクとした時は同一トラツク
内で再生出力に極大値が2つ、極小値が2つ存在し、モ
ジユレーシヨンはきわめて不要であつた。
〔実験例2〕 次に実験例1と同様の作製方法で作製した種々の2層媒
体について、軟磁性層の特性と再生出力との関係を調べ
た。すなわち、CoCr合金薄膜層の特性を表−5に示すほ
ぼ一定とし、厚さ0.44μmの種々の特性のNiFeMo合
金薄膜層を有する2層媒体を作製し、表−3の条件下で
電磁変換特性を調べた。2KFRPIと45KFRPIの再生出力Ep
と軟磁性層の保磁力Hcとの関係を第5図に示した。
第5図において、データーのバラツキ範囲を斜線部で示
したが、これは各試料の軟磁性層の面内磁気異方性の程
度と各試料の切り出し方向θによるバラツキである。第
5図から判明する様に、再生出力Epの大なる媒体を得る
には軟磁性層の保磁力Hcは小である必要がある。すなわ
ちHcは15Oe(エルステッド)以下、好ましくは10Oe
以下が良く、さらに可能な限り小さい方が良いことがわ
かる。しかしながら保磁力Hcの小さい軟磁性層では第5
図よりもわかるように、また軟磁性材料の一般的傾向と
して低保磁力材料程磁気異方性が発現し易い点からも首
肯されるように、再生出力Epの方向差が大きくなる。
従つて、再生出力の大なる媒体を得る為に軟磁性層の保
磁力を小さくし、かつ再生出力のMD方向とTD方向の
方向差を減少させるという二律背反する要求を満足させ
る必要がある。本発明者らはかかる問題の解決を目標に
鋭意研究を重ね、まず、軟磁性層の面内磁気異方性の発
現原因について種々検討し、磁歪誘導磁気異方性が主原
因であるとの結論を得た。
例えば、種々の条件下で作製した軟磁性層の飽和M−H
ループの形状は、NiFeMo合金組成,スパツタによる膜作
製中のPETフイルムの温度(支持キヤン温度),張
力,及びその他のスパツタ条件により大きく変化するこ
と、そして使用するPETフイルムの物性(厚さ,ヤン
グ率,熱収縮率等)によつても変化することが判明し
た。またPETフイルム上にすでに形成された軟磁性層
も、後で加熱すれば、その温度と張力と時間等のある条
件下でM−Hループが変化することも判明した。すなわ
ち、軟磁性層上に記録層をスパツタする時の温度とフイ
ルム張力により軟磁性層の記録特性が変化することが十
分に推察される。
実際に、ベースフイルムの表裏に各々軟磁性層と記録層
の2層を積層した両面フロツピーデイスクにおいては、
表裏の計4層の積層順序によつても軟磁性層の面内磁気
異方性が変化することが観察された。すなわち、2層構
造の垂直磁気記録媒体では下層の軟磁性層の磁気特性
は、上層の垂直磁気異方性層を製膜することによつて変
化し、たとえ製膜条件が同じであつても上層の有無で異
なつた値を示すことを見出した。
このような現象は、いずれもNiFeMo組成の磁歪の正,負
に対応した磁歪誘導磁気異方性で説明可能であつた。そ
してかかる軟磁性層の磁気特性(異方性)の激しい変化
はヤング率が金属に比べはるかに小さいPETフイルム
の様な可撓性を有する支持基板を用いる限りさけられな
い問題がある。
以上の知見に基いて種々検討の結果、本発明者らは軟磁
性層を正の磁歪誘導磁気異方性を示す層と負の磁歪誘導
磁気異方性を示す層との積層体とする構成、好ましくは
第6図に示す様に、その異方性の方向を互いに約90゜
違えて積層する構成に想到し、これら構成により2層媒
体の再生出力の方向差を減少さすことに成功した。な
お、第6図において、S1は正の磁歪誘導磁気異方性を示
す層、S2は負の磁歪誘導磁気異方性を示す層で、e1は層
S1,e2は層S2の磁化容易軸、h1は層S1,h2は層S2の磁化
困難軸であり、軟磁性層Sは層S1,S2の積層体となつて
いる。
ところで、本発明に云うところの正の磁歪誘導磁気異方
性を示す層とは、面内に張力を加えた時に、張力を加え
た方向が磁化容易軸となる性質を有する製膜層であり、
負の磁歪誘導磁気異方性を示す層とは張力を加えた方向
が磁化困難軸となる性質を有する薄膜層である。その全
体の膜層は通常0.2〜1.0μm程度であり、各層の膜厚は
その磁気特性、すなわち飽和磁化や磁歪定数の大小によ
り適宜選択すべきである。
なお、本発明の構成の軟磁性層は、例えば1つの支持ロ
ール(回転キヤン)に臨設してフイルム送行方向に並べ
た2つのスパツタゾーンを有するスパツタ装置を用い、
1つ目のスパツタゾーンでは磁歪が正なる組成のターゲ
ツトを設置し、次のスパツタゾーンでは磁歪が負なる組
成のターゲツトを設置することにより連続的に生産でき
る。そして、このような構成においては、スパツタ製膜
時のフイルム温度と張力により発生する面内磁気異方性
の方向が、例えば1つの層がMD方向に磁化容易軸を有
すならば、2つ目の層はTD方向に磁化容易軸を有す
る、というようにその異方性軸の方向を互いに約90゜
違えた積層膜とすることができる。すなわち、このよう
な効果により製膜時のフイルム温度と張力の許容幅を大
幅に広くすることが可能となる訳である。さらに本発明
の積層膜の軟磁性層は、後加熱(例えばCoCr合金薄膜を
スパツタ製膜する時や、媒体のカールを後加熱で矯正す
る時、等)においても、その時の条件が軟磁性層を例え
ば伸長さすような場合には、正の磁歪誘導磁気異方性を
示す層は張力方向が磁化容易軸となる変化を示し、負の
磁歪磁気異方性を示す層は張力方向が磁化困難軸となる
変化を示す為に積層膜全体としての磁気的性質に大きな
方向差が発生せず再生出力エンベロープが変化しないと
いう特徴を有している。よつて、後加熱条件を軟磁性層
の磁気特性の変化を気にせずに任意に選択できることに
なる。この軟磁性層の後加熱による磁気的性質の変化が
小さいという効果は軟磁性層が前述の本発明の積層膜で
あれば発現され、たとえ積層膜の2つの層の磁化容易軸
が同一方向となる様に積層されている場合(この場合、
再生出力のモジユレーシヨンはやや悪くなるが)におい
てもそのまま発現されることになるのは言うまでもない
ことである。
上述の説明においては代表的に2つの層を有する積層膜
としたが、本発明の趣旨よりすれば2つの層を交互に多
数回積層したものでも、又それぞれ異る組成を有する多
数層の積層膜であつてもよいのは明らかである。さら
に、例えばNiの濃度を軟磁性層の厚さ方向に連続的に変
えて、正の磁歪誘導磁気異方性を示す部分から負の磁歪
誘導磁気異方性を示す部分が連続的に軟磁性層の厚さ方
向に形成された積層構造であつてもよい。
ところで、本発明の垂直磁気記録媒体は特公昭58−9
1号で開示されている2層媒体であり、記録層は通常Cr
を10〜25重量%含有するCoCr合金薄膜が使用されるが、
他にバリウムフエライト薄膜やCo−Mnメツキ膜やバリウ
ムフエライト微粉末の塗布膜であつてもかまわない。
又、軟磁性層は通常NiFe系合金(一般にパーマロイとい
われる)薄膜が一般に用いられ、本発明においても、廉
価な材料であること、及びスパツタ用ターゲツトとして
加工にすぐれ経済的であることによりNiFe系合金薄膜が
好ましいが、他にCo,Feをベースとし、Zr,Nb,Ta,
W,B,Si等を添加したアモルフアス合金膜等も使用さ
れ得る。要は保磁力の小さい材料(かつ、適当な飽和磁
化Msを有する)であればよく、更に透磁率の大きいもの
が好ましく用いられる。
本発明の支持基板は金属に比べヤング率の小さい可撓性
を有するものが使用される。通常は10μm〜500μ
m程度の厚さの有機高分子フイルムが廉価であること、
表面性が良いこと、連続生産に適していることにより使
用される。ポリエステルフイルム,ポリイミドフイルム
等が使用されるが、廉価で、表面性が良く、機械的特性
の良いポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエ
チレンナフタレートフイルムが特に好ましく使用され
る。そして、かかるポリエチレンテレフタレート,ポリ
エチレンナフタレートフイルムの様にガラス転移温度の
低いフイルムでは特に本発明の効果が発揮される。
本発明におけるPVD法とは蒸着,スパツタ,イオンプ
レーテインングの様な,気体状の金属原子,分子,クラ
スターを支持基板上に堆積させる方法である。PVD法
においては凝着原子の潜熱等で基板は加熱されるので、
高速連続製膜の為には、支持基板であるフイルムを冷却
キヤン(又は適度に加熱されたキヤン)に所定張力で密
着させながら膜作製する必要があり、本発明の構成の軟
磁性層は必要不可欠である。
以下に実施例,比較例を示す。
〔実施例,比較例〕
実験例1と同様に第8図に示した巻取式スパツタ装置に
より50μm厚さのPETフイルム上にNiFeMo合金薄膜よ
りなる軟磁性層とCoCr(Cr20wt%)合金薄膜よりなる
垂直磁気異方性層を積層した2層媒体を作製した。NiFe
Mo合金薄膜はNi79.3wt%,Fe15.4wt%,Mo5wt%
の組成(A)を有するものと、Ni81.7wt%,Fe13.5
wt%,Mo4.5wt%の組成(B)を有するものを用い、表−
6の様にそれぞれの単独の層より成る軟磁性層を有する
比較例の2層媒体(試料番号1,5;すなわち比較例
1,2)とA組成/B組成の両者を積層した本発明の実
施例の2層媒体(試料番号2,3,4;すなわち実施例
1,2,3)を作製した。軟磁性層の厚さはいずれも0.
5μm一定とした。垂直磁気異方性層の特性は表−7に
示した様に、いずれもほぼ同一特性であつた。
比較例1の試料番号1(A組成)の軟磁性層はHce=1.9
Oe,Hch=1.5Oeで、MD方向が磁化容易軸であつた。比
較例2の試料番号5(B組成)はHce=2.5Oe,Hch=2.3
Oeで、TD方向が磁化容易軸であつた。すなわち、A組
成(磁歪λ>0),B組成(磁歪λ<0)に対応したそ
れぞれの磁歪誘導磁気異方性を示した。
電磁変換特性:得られた媒体をMD方向,TD方向に切
り出して、それぞれの電磁変換特性を評価した。測定は
主磁極をCoNbZr(Bs〜12000G)とした以外は表−3と
同じ条件で行つた。2KFRPIと60KFRPIにおける再生出力E
pを表−6及び第7図に示した。
表−6及び第7図より判るように、本実施例において
は、例えば60KFRPIという高密度記録時のMD方向とT
D方向の再生出力差を見ると、いずれも概略±10%以
内であり良好なレベルにある。しかしながら比較例にお
いてはいずれも再生出力の方向差が大きく、かかる媒体
をフロツピーデイスクとした時のモジユレーシヨンは不
良であつた。
第7図より特に磁歪λが正である組成(A)のNiFeMo合金
薄膜を、磁歪λが負である組成(B)のNiFeMo合金薄膜と
約4対3の割合の膜厚比で積層したものが低記録密度か
ら高記録密度まで、再生出力の方向差が非常に小さくす
ぐれている。またかかる構成の軟磁性層を有する2層媒
体を張力下後加熱しても再生出力エンベロープに変化は
発生しなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は面内磁気異方性を有する軟磁性層の代表的な磁
化曲線(飽和M−H曲線)のグラフである。Mは磁化,
Hは印加磁場である。 第2図,第3図は、長尺媒体のMD/TD方向の説明図
及び電特評価試料の切り出し方向θの説明図である。 第4図は実験例1の結果で、試料の切り出し方向θによ
る再生出力電圧Epの変化を示すグラフである。 第5図は実験例2の結果で、軟磁性層の保磁力Hcによる
再生出力Epの変化を示すグラフである。 第6図は本発明の軟磁性層の代表的な構成例を示した説
明図で、この図では磁歪λが正の層S1と負の層S2が、そ
の磁化容易軸e1,e2を直交させて積層された構成となつ
ている。 第7図は実施例,比較例の結果であり、積層構造の軟磁
性層の1つの組成(B)の厚さに対する2KFRPIと60KFRPIの
記録密度におけるMD方向とTD方向の再生出力を示し
たグラフである。 第8図は本発明の実施に用いた巻取式の対向ターゲツト
式スパツタ装置の概略図で、10は真空槽,11,12,1
3,はフイルム(F)の走行系,20は排気ポンプ、30は
Arガスの導入系、40はDC電源、50,51はターゲ
ツトT1,T2を有する対向ターゲツトの一対のカソードで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性基板上に軟磁性層と垂直磁気異方性
    層を形成した垂直磁気記録媒体において、前記軟磁性層
    が少なくとも正の磁歪誘導磁気異方性を示す層と負の磁
    歪誘導磁気異方性を示す層とからなる積層膜であること
    を特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記正の磁歪誘導磁気異方性を示す層の磁
    化容易軸と前記負の磁歪誘導磁気異方性を示す層の磁化
    困難軸とが同一方向になる様に積層された特許請求の範
    囲第1項記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記軟磁性層の各層が互いに組成が異なる
    合金薄膜層である特許請求の範囲第1項若しくは第2項
    記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記軟磁性層の各層がNiとFeを主成分
    とする保磁力が15エルステッド以下の合金薄膜層であ
    る特許請求の範囲第3項記載の垂直磁気記録媒体。
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