JPH0638382B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH0638382B2
JPH0638382B2 JP7178588A JP7178588A JPH0638382B2 JP H0638382 B2 JPH0638382 B2 JP H0638382B2 JP 7178588 A JP7178588 A JP 7178588A JP 7178588 A JP7178588 A JP 7178588A JP H0638382 B2 JPH0638382 B2 JP H0638382B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電解コンデンサ用電解液の改良に関し、さら
に詳しくは、電解コンデンサの良好な特性を維持向上さ
せつつ縮合水を生成する溶質の添加量を低減して耐電圧
性が向上し高温での使用を可能とする電解コンデンサ用
電解液の改良に関する。
〔従来の技術〕
電解コンデンサは小形、大容量、安価で整流出力の平滑
化等に優れた特性を示し各種電気・電子機器の重要な構
成要素の1つであり、一般に表面を電解酸化によって酸
化被膜に変えたアルミニウムフィルムを陽極としこの酸
化被膜を誘電体とし集電陰極との間に電解液を介在させ
て作成される。使用中は常に酸化被膜を再生しているた
め安定であるが、例えば長期間使用しないと再生が不充
分となり劣化する。電解コンデンサは化学反応を行わせ
ながら使用するため、その特性は電解液の性質に大きく
依存する。表面を酸化被膜としたアルミニウム電極と電
解液との間で起こる化学反応の定常状態を維持し、誘電
体とするアルミニウム酸化被膜を良好に保持することが
性能の安定化に重要であり、使用法を誤って例えば過剰
の高電圧負荷等により化学的定常状態が乱れると、アル
ミニウム酸化被膜が破壊されやがては絶縁が破れるに至
るが、そこまで至らずとも使用中に所定の化学反応以外
の不都合な化学反応が進行し、特にガスを逃がす弁を設
けないコンデンサにおいてガス発生を伴う場合はコンデ
ンサの外観不良が著しく、内圧上昇が極度になると爆発
の危険もある。
コンデンサの静電容量は、誘電体の誘電率に比例するた
め高い誘電率の誘電体を用い使用中は誘電体の物理化学
的変化を避け誘電率を高く維持すべきである。充電電流
の位相と外部電解の位相との差である損失角の正接すな
わち誘電正接はコンデンサの消費電力の目安として用い
られ、その値が小さければ消費電力が少ないことを示
す。充電開始後一定値に達した時に流れる電流である漏
れ電流は誘電体の荷電担体の定常的な移動によるもの
で、誘電体中の不純物の解離等によって生じたイオンが
荷電担体の主体をなすと考えられており、漏れ電流の変
化の大小は誘電体の電気化学的状態の安定性を反映す
る。コンデンサの負荷電圧が上昇し高電圧負荷による誘
電体の物性変化が進行し時間的な誘電率の変化が生じる
結果電気化学的状態が動揺する現象をシンチレーション
というが、このような現象が認められる電圧をシンチレ
ーション電圧(火花電圧)としてコンデンサの耐電圧性
の尺度とすることができ、シンチレーション電圧が高い
程コンデンサの耐電圧性が大きいことを示す。電解コン
デンサの外観不良乃至安全弁の開弁は所定の化学反応以
外の不都合な化学反応の進行によるガス発生が主たる原
因であり、化学反応は温度に依存し特に高温では急速に
進行し爆発の危険を伴うこともあるためコンデンサの総
合性能を評価する重要な指標の1つである。
従来の一般的な電解コンデンサ用電解液においては、高
い耐電圧性を必要とする電解液を作成するためには多量
のホウ酸を添加する必要があった。この場合、電解液の
溶媒にはエチレングリコール等のプロトン溶媒を主溶媒
として用いねばならず、ホウ酸はこの種の溶媒と反応し
て多量の縮合水を生成するため、特に縮合水がガス化し
やすい高温で使用すると内圧上昇、開弁不良を招き高温
での使用が困難であった ここに、各種の溶媒の融点を示すが、エチレングリコー
ルやグリセリン等のプロトン溶媒を使用したコンデンサ
は、低温(−40〜55℃)では静電容量がなくなり使
用できず、そのために低温での特性を保つためには、ブ
チロラクトンやジメチルホルムアミド等の非プロトン溶
媒を使用する必要が生じる。
プロトン溶媒の融点 エチレングリコール −12.6℃ グリセリン −18.2℃ 非プロトン溶媒の融点 ブチロラクトン −44.0℃ ジメチルホルムアミド −60.4℃ ジメチルアセトアミド −20.0℃ アセトニトリル −43.8℃ また、一般に電解コンデンサにおいては、特に低温側で
の誘電正接の増大すなわち消費電力の増加が顕著であ
り、誘電正接を測定すると、一定周波数の場合高温側で
は常温の値と比較して例えば100℃前後でもそれほど
変化しないにも拘らず、低温側では温度低下と共に幾何
級数的に増大し、例えば、−20℃前後では常温の4〜
5倍、−50℃前後では常温の約100倍になり、この
点の改良も望まれていた。
さらに、−55〜130℃の広い温度範囲で非プロトン
溶媒からなる非プロトン系電解液を使用しようとする際
は、コンデンサの内圧上昇を防ぐため縮合水を発生する
ホウ酸等の総溶質量を減す必要があるが、高い耐電圧性
を維持するためにはある程度のホウ酸の添加が不可欠で
あり、縮合水を生成しない量のホウ酸しか添加しないと
コンデンサの特性が著しく低下していた。ある程度の量
のホウ酸の添加が不可欠な従来の電解コンデンサ用電解
液を用いる電解コンデンサは、例えば130℃における
ような高温での使用は困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、電解コンデンサ用電解液の特性を良好に保持
しつつ低温特性を改良すると共に良好な特性の付与に必
要な溶質の添加量を減少させ、溶質と溶媒との間で進行
する使用中の不都合な化学反応を抑制して耐電圧性が向
上し高温での使用も可能で広い温度範囲に渡り良好な特
性を与える電解コンデンサ用電解液を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、アルミニウム電解コンデンサ駆動用の
電解液において、非プロトン溶媒を主溶媒とする溶媒に
エチレンオキサイド変性シリコーンオイル、メチルスチ
レン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイ
ル、アミド変性シリコーンオイル、アルコール変性シリ
コーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ
変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオ
イル並びにオレフィル変性シリコーンオイルよりなる群
から選択される変性シリコーンオイルを添加することを
特徴とする電解コンデンサ用電解液が提供される。
すなわち、本発明の電解コンデンサ用電解液に添加する
シリコーンオイルは、次の式で表されるシロキサン結合
主鎖および側鎖を有する変性シリコーンオイルである: 式中、Rは変性シリコーンオイルの種類により次の構造
を有する置換基である: 本発明の電解コンデンサ用電解液を調製する際は、変性
シリコーンオイルを比較的少量溶解すれば所望の効果を
得ることができる。溶解させる変性シリコーンオイルの
濃度は、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは
0.1%以上であって、10%あれば充分であり、最も
高くても50%より高くする必要はない。なお、最適濃
度は使用する溶媒および他の溶質の種類や量によって多
少異なるが、その値はそれぞれの電解液固有の物性値と
して定めることができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、前記した変性シリ
コーンオイルを非プロトン溶媒を主溶媒とする溶媒に添
加して作成するが、非プロトン溶媒が、γ−ブチロラク
トン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
アセトニトリル、3−メチル−2−オキサゾリジノン並
びにジメチルスルホキシドよりなる群から選択されれば
好適な電解コンデンサ用電解液を得ることができる。
〔作用〕
本発明が開示した変性シリコーンオイルの添加が電解液
中でアルミニウム酸化被膜誘電体に対しどのような作用
をするのか、その作用機構自体は明らかではない。
しかしながら、前記した独特の化学構造を有する変性シ
リコーンオイルは、電解コンデンサに高電圧を負荷した
際の電気化学的状態の動揺を低く抑える特有の作用を持
つと推定される。この作用は、観測できる形態として
は、時間的に負荷電圧が増加した際のシンチレーション
電圧あるいは火花電圧低下効果に最も大きく反映され
る。
前記した変性シリコーンオイルを含有する本発明の電解
コンデンサ用電解液では、電解液の良好な特性の付与に
必要な溶質の添加量を減少させて、主溶媒を非プロトン
溶媒とすることと併せて縮合水の生成を促進するホウ酸
等の添加量を大幅に減少させることができ、溶質と溶媒
との間で進行する特にガス発生を伴う使用中の不都合な
化学反応の進行を抑制することができる。この作用は、
観測できる形態としては、例えば水の沸点に近い高温下
で長時間電解コンデンサを使用した際の外観不良発生あ
るいは開弁の有無には最も大きく反映される。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、プロトン溶媒に較
べると格段に凝固点が低い非プロトン溶媒を使用し、さ
らに前記した変性シリコーンオイルとの協同作用が行わ
れることにより低温特性が改良され、低温でも安定した
動作を行うことができる。この作用は、観測できる形態
としては、特に低温側での静電容量変化率の安定化、誘
電正接増大の抑制に最も大きく反映される。
〔発明の効果〕
本発明の電解コンデンサ用電解液を用いて作成した電解
コンデンサは、有機変性シリコーンオイルの添加により
耐電圧性を維持・向上させつつホウ酸等の総溶質量を減
少させることができ130℃にも及ぶ高温での使用が可
能となると共に、低温でのホウ酸等の溶質の析出や電解
液の凝固が起こらず−55℃に至るまで使用が可能とな
った。
〔実施例〕
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではな
い。
実施例1 55×4000mmの面積を有するエッチド箔をホウ酸溶
液中450Vで化成した。これを陽極箔とし紙と陰極箔
とで巻き回して素子とした。この素子の定格は250
V、880μF、サイズは50φ×80であった。こ
の素子と下記組成の電解液(実施例1、比較例1aまた
は比較例1b)とを用いて電解コンデンサを作成した。
なお、実施例1、比較例1aおよび比較例1bの比抵抗
Rsは、それぞれ900Ωcm、1300Ωcm、800Ω
cmであった。
これらの電解液を用いる電解コンデンサの高温試験の結
果を第1表に、シンチレーションカーブを第1図に、温
度特性を第2図に示す。
本発明の電解液を用いる電解コンデンサは、130℃で
1000時間使用しても静電容量の損失(Δcap)はほ
とんどなく、誘電正接(tanδ)の増大は僅かであり、
漏れ電流(LC)も大きく変化しないのに対し、従来の
電解液を用いる電解コンデンサは外観不良発生が著し
く、試験途中で開弁した。
実施例1、比較例1aおよび比較例1bのシンチレーシ
ョン電圧(Vs)は、それぞれ520V、500V、3
90Vであり、ホウ酸量の少ない比較例1bよりホウ酸
量の多い比較例1aの方がVsが高く、本発明のシリコ
ーンオイルを添加した実施例1の電解液はホウ酸量が少
なくても高いVsを示した。
ホウ酸量の少ない比較例1bの電解液を用いた電解コン
デンサは実施例1のものとほぼ同等の低温特性(第2図
に示す低温での静電容量変化率および損失角の正接)を
示したが、ホウ酸量の多い比較例1aのものは低温特性
の低下を避けられなかった。
すなわち、本発明の変性シリコーンオイルを添加する電
解コンデンサ用電解液を用いた実施例1の電解コンデン
サと比較すると、比較例1aはVsは比較的高いがホウ
酸が多いため低温特性および130℃での寿命試験で劣
り、ホウ酸量の少ない比較例1bはVsが低く130℃
での寿命試験で劣る。
実施例2〜8 下記の組成の電解液を用いる以外は実施例1と略同様に
して電解コンデンサを作成し、試験を行った。電解液の
組成および試験結果を以下に示す。
電解液の組成(重量%) 実施例2 比較例2 ジメチルホルムアミド 86.6 90.3 フタル酸アンモニウム 8.2 8.3 ホウ酸 1.2 1.4 エチレンオキサイド変性 4.0 − シリコーンオイル 試験結果 実施例2 比較例2 比抵抗(Ωcm) 180 170 火花電圧(V) 150 80 電解液の組成(重量%) 実施例3 比較例3 ジメチルアセトアミド 83.3 87.3 フタル酸 7.9 7.9 ホウ酸 1.6 1.6 トリエチルアミン 3.2 3.2 エチレンオキサイド変性 4.0 − シリコーンオイル 試験結果 実施例3 比較例3 比抵抗(Ωcm) 258 245 火花電圧(V) 150 100 電解液の組成(重量%) 実施例4 比較例4 アセトニトリル 90.1 91.0 テトラフルオロホウ酸 9.0 9.0 ルチジン塩 エチレンオキサイド変性 0.9 − シリコーンオイル 試験結果 実施例4 比較例4 比抵抗(Ωcm) 50 40 火花電圧(V) 75
40 電解液の組成(重量%) 実施例5 比較例5 3−メチル−2− 83.0 87.0 オキサゾリジノン ボロジサリチル酸 13.0 13.0 アンモニウム エチレンオキサイド変性 4.0 − シリコーンオイル 試験結果 実施例5 比較例5 比抵抗(Ωcm) 215 140 火花電圧(V) 203 80 電解液の組成(重量%) 実施例6 比較例6 3−メチル−2− 85.1 87.0 オキサゾリジノン ボロジサリチル酸 13.0 13.0 アンモニウム α−メチルスチレン変性 1.9 − シリコーンオイル 試験結果 実施例6 比較例6 比抵抗(Ωcm) 210 205 火花電圧(V) 140 80 電解液の組成(重量%) 実施例7 比較例7 アセトニトリル 89.1 91.0 テトラフルオロホウ素 9.0 9.0 ルチジン塩 フッ素変性 1.9 − シリコーンオイル 試験結果 実施例7 比較例7 比抵抗(Ωcm) 50 40 火花電圧(V) 75 40 電解液の組成(重量%) 実施例8 アセトニトリル 91.0 テトラフルオロホウ素 9.0 ルチジン塩 アミド変性 1.9 シリコーンオイル 試験結果 実施例8 比抵抗(Ωcm) 50 火花電圧(V) 80 なお、以上の実施例は非プロトン系溶媒での実施例であ
り、−55℃で使用するためには低m.p.の溶媒(非
プロトン系)を使用しなければならない。これらの溶媒
はホウ酸の溶解度が低く、濃度限界が低い。これらにシ
リコーンオイルを添加することによりホウ酸添加の必要
をなくし、あるいは増量することなしに使用電圧の上昇
が可能となり電解液としてのメリットが生れる。これら
は130℃での使用がすべて可能ではないが、耐圧上昇
のメリットが失われることはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電解液を用いる電解コンデンサと従来
の電解液を用いる電解コンデンサとを比較したシンチレ
ーションカーブ、第2図は本発明の電解液を用いる電解
コンデンサと従来の電解液を用いる電解コンデンサとを
比較した温度特性(静電容量変化率および損失角の正接
(誘電正接)の温度依存性)を示す図である。 第1図は、プレーン箔Vs(未エッチド、未化成)、電
極面積1cm2、電流密度10mA/cm2で測定したもので
ある。第2図は、初期値20℃、120Hz、W.V.
で設定3分後に測定したものである。第2図中、×は実
施例1のもの、○は比較例1aのもの、●は比較例1b
のものを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム電解コンデンサ駆動用の電解
    液において、非プロトン溶媒を主溶媒とする溶媒にエチ
    レンオキサイド変性シリコーンオイル、メチルスチレン
    変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、
    アミド変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコー
    ンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性
    シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル
    並びにオレフィル変性シリコーンオイルよりなる群から
    選択される変性シリコーンオイルを添加することを特徴
    とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 【請求項2】非プロトン溶媒が、γ−ブチロラクトン、
    ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセト
    ニトリル、3−メチル−2−オキサゾリジノン並びにジ
    メチルスルホキシドよりなる群から選択される請求項1
    記載の電解コンデンサ用電解液。
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