JPH0639324B2 - ふつ素雲母系粘土の合成方法 - Google Patents

ふつ素雲母系粘土の合成方法

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JPH0639324B2
JPH0639324B2 JP2596587A JP2596587A JPH0639324B2 JP H0639324 B2 JPH0639324 B2 JP H0639324B2 JP 2596587 A JP2596587 A JP 2596587A JP 2596587 A JP2596587 A JP 2596587A JP H0639324 B2 JPH0639324 B2 JP H0639324B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電機絶縁材料、無機ゾル、無機フィルム、無
機多孔体、マシナブルセラミックス、イオン交換体、触
媒、吸着材、担体、フィラー等に適用される非膨潤性又
は膨潤性のふっ素雲母系粘土の合成方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、この種の合成方法として、SiO2,MgO,MgF2,K2C
O3,Na2SiF6,Al2O3等の固体原料を所定の組成になるよ
うに配合し、これらを混合、粉砕してつくられた調合原
料を1400℃〜1500℃に加熱して溶融した後、冷却してふ
っ素雲母系粘土結晶を析出させる溶融法がある。この溶
融法は加熱方式により、外熱溶融法と内熱溶融法の二つ
に分けられる。
外熱溶融法は調合原料を入れたるつぼを炉内に設置し
て、このるつぼを外側から電気、ガス等で加熱する方法
である。また内熱溶融法は、例えば特公昭57-8764号公
報に示されるように、黒鉛電極に接続した黒鉛棒が差込
まれた炉内に、黒鉛棒全体を覆うように調合原料を入
れ、黒鉛電極に通電して黒鉛棒を発熱させ、黒鉛棒の周
囲の原料を溶融させた後、溶融原料自身も発熱体となっ
てその周囲の原料の溶融を促進していく方法である。現
在は熱効率がよいことから工業的には殆ど内熱溶融法が
採用されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記溶融法は外熱法及び内熱法とも調合原料の
溶融を容易にするために配合した固体原料をボールミル
等で十分に混合、粉砕する必要があり、また加熱温度も
1400℃以上の高温を要し、エネルギコストが高い欠点が
あった。更に溶融中に溶融物からのふっ素の揮散が起こ
り、溶融物の均質性が低下し、その結果、種々の不純物
が共析したり、得られる結晶の形状や粒子径が不揃いと
なる欠点があった。
また内熱溶融法は、単一の炉において調合原料の投入工
程、加熱工程、及び溶融物取出し工程を繰返すバッチ方
式であるため、連続生産が不可能なうえ、調合原料の投
入時と溶融物取出し時には溶融物周囲の固い瀕溶層を電
気ドリル等で破砕する必要があった。更に内熱溶融法
は、溶融物中の共析不純物や溶融物取出し時に混入する
未溶融の調合原料を除去しなければならず、煩わしい作
業の多いしかも生産効率の悪い問題点があった。
本発明の目的は、不純物が少なく均質性に優れたふっ素
雲母系粘土を、簡単なプロセスで効率良くかつ少ないエ
ネルギ消費で安価に合成することができるふっ素雲母系
粘土の合成方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上述した従来のふっ素雲母系粘土の合成
方法の種々の欠点を解消するために鋭意研究を重ねた結
果、出発原料として固体原料を使用せず、ふっ素雲母系
粘土の構成元素を含む水溶液又は有機溶媒溶液を調製し
て、これら溶液間の反応により生じる難溶性の沈殿物を
分離、乾燥すれば、簡単にしかも非常に微細で均質性に
優れた調合原料を得ることができ、その後の加熱処理温
度も調合原料の溶融点以下の低い温度にすることができ
る点に着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水又は有機溶媒に可溶であってか
つアルカリ金属,アルカリ土類金属,Al,Fe,Co,Ni,Mn,Z
n,Cu,Cr,Si,Ge又はBから選ばれた元素を1又は2以上
含む1又は2以上の物質と、水又は有機溶媒に可溶な1
又は2以上のF化合物とを水又は有機溶媒に溶解して2
以上の原料溶液を調製する調製工程と;前記原料溶液を
混合かつ反応させて難溶性の沈殿物を生成する混合反応
工程と;前記沈殿物を前記原料溶液から分離して乾燥す
る乾燥工程と;乾燥した沈殿物を400℃〜1400℃の温度
で加熱することにより X0.31.02〜310………(1) なるふっ素雲母系粘土を得る加熱工程とを含むふっ素雲
母系粘土の合成方法である。
前記(1)式において、Xはアルカリ金属又はアルカリ土
類金属の中から選ばれた1又は2以上の金属陽イオン;
YはMg,Al,Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Cu,Cr,又はLiから選ばれた
1又は2以上の金属陽イオン;ZはSiもしくはGeの陽イ
オン、又はSiもしくはGeの一部をAl,Fe,又はBで置換し
た陽イオンであり;Xは配位数12、Yは配位数6、Zは
配位数4である。
本発明のふっ素雲母系粘土の結晶構造は、上記Zと酸素
からなる四面体層2枚の間にY、酸素、及びFからなる
八面体層が挟まれた形の三層格子が積重なった構造であ
り、この三層格子中の陽電荷不足を補償する形でXが三
層格子と三層格子の間に層間イオンとして配位してい
る。
Xは、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオン
であるが、アルカリ金属イオン、特にLi+,Na+,K+が一般
的な陽イオンである。
Yは、Mg2+,Al3+,Fe3+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Mn2+,Zn2+,C
u2+,Cr3+又はLi+であるが、特にMg2+,Al3+又はLi+が一
般的な陽イオンである。
Zは、Si4+もしくはGe4+の陽イオン、又はSi4+もしくは
Ge4+の一部をAl3+,Fe3+,又はB3+で置換した陽イオンで
あるが、特にSi4+又はAl3+が一般的な陽イオンである。
上記X,Y,及びZにおける各イオンの組合せを変える
ことにより多種類の同型置換体が得られる他、陽電荷不
足の位置や層間イオンであるXの種類により、三層格子
と三層格子の間に水を引入れる性質、すなわち膨潤性
や、Xが他の陽イオンと交換するイオン交換性が付与さ
れるようになる。
陽電荷不足の位置が三層格子の中央の八面体層、すなわ
ちYにある場合や、Xがイオン半径が小さくかつ水和性
の強いLi+やNa+である場合には膨潤性やイオン交換性が
付与されやすい。
このような膨潤性ふっ素雲母系粘土としては、例えば、
NaMg2.5Si4O10F2(ナトリウム型四けい素ふっ素雲
母)、NaMg2LiSi4O10F2(ナトリウムテニオライト)、L
i1/3Mg8/3Li1/3Si4O10F2(リチウムヘクトライト)等が
挙げられる。また非膨潤性ふっ素雲母系粘土としては、
例えばKMg3Si3AlO10F2(ふっ素金雲母)、KMg2LiSi4O10
F2(テニオライト)、又はKMg2.5Si4O10F2(四けい素ふ
っ素雲母)等が挙げられる。
〈出発原料と原料溶液調製工程〉 本発明の出発原料は、水又は有機溶媒に可溶であってか
つアルカリ金属,アルカリ土類金属,Al,Fe,Co,Ni,Mn,Z
n,Cu,Cr,Si,Ge又はBから選ばれた元素を1又は2以上
含む物質及び水又は有機溶媒に可溶なふっ素化合物であ
って、前記物質及び前記F化合物を液相反応させたとき
に難溶性の沈殿物を生成するものである。
このために、前記物質及び前記F化合物は、加水分解に
より難溶性の水酸化物を形成するか、又は前記物質及び
前記F化合物が互いに反応して難溶性の化合物を形成す
る性質のものをそれぞれ選ぶことが望ましい。
有機溶媒は溶解する前記物質又は前記F化合物の種類に
応じて選定される。有機溶媒の具体例としてはアルコー
ル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン等が挙げられる
が、水と混ざり合うこと並びに経済的な観点からアルコ
ール類が特に好ましい。
前記物質を前記(1)式のX,Y及びZに関連させて説明
する。
前記(1)式のXを含む水に可溶なアルカリ金属化合物と
しては、例えばNa化合物を挙げれば、NaOH,Na2CO3,NaNO
3,NaF,NaHF2等の無機化合物の他、CH3COONa,HCOONa,Na2
C2O4等の有機化合物が挙げられる。また有機溶媒に可溶
なNa化合物とその有機溶媒の組合せの具体例としては、
NaOCH3−メタノール、NaCH3COCHCOCH3−アセトン等が挙
げられる。これらのNa化合物はいずれも他の化合物、例
えばSi化合物やF化合物と反応して難溶性のけいふっ化
ナトリウムを生じる。また前記Na化合物の中でNaOH,Na2
CO3の水溶液はアルカリ性を呈し、他の成分、例えばSi,
Al或いはMg化合物の加水分解を促進する効果があるので
好ましい。NaOCH3は加水分解によりNaOHとメタノールに
分解してアルカリ性を呈するため、上述と同じ理由によ
り好ましい。
前記(1)式のYを含む水に可溶なアルカリ土類金属化合
物としては、例えばMg化合物を挙げれば、Mg(NO3)2,MgC
l2,MgSO4等の無機塩類の他、Mg(CH3COO)2,Mg(HCOO)2
の有機塩類が挙げられる。また有機溶媒に可溶なMg化
合物とその有機溶媒の組合せの具体例としてはMg(OCH3)
2−メタノール、Mg(CH3COCHCOCH3)2−アセトン等が挙げ
られる。これらのMg化合物はいずれも、加水分解により
難溶性の水酸化マグネシウムを形成し、またF化合物と
反応して難溶性のふっ化マグネシウムを形成する。とり
わけ、Mg(OCH3)2はアルカリの添加なしに加水分解が起
きるので好ましい。
前記(1)式のZを含む化合物の中で、例えばSi化合物は
水溶液では不安定で、直ちに加水分解されやすい化合物
であるため、有機溶媒の溶液として使用することが望ま
しい。
有機溶媒に可溶なSi化合物とその有機溶媒の組合せの具
体例としてはSiCl4−ベンゼン、(CH3)2SiCl2−エチルエ
ーテル、Si(OC2H5)4−エタノール、Si(CH3COCHCOCH3)3C
l・HCl−アセトン等が挙げられる。なお、有機けい素化
合物の中にはSi(OC2H5)4のようにそれ自身液状のものも
多いが、この場合、有機溶媒に溶解することなく、その
まま原料溶液として使えるのはいうまでもない。前記Si
化合物の中でSi(OC2H5)4が緻密な沈殿を形成させるた
め、好ましい。
水に可溶なふっ素(F)化合物の具体例としてはHF,NH4
F,NaHF2,NH4HF2,NaF等が挙げられる。これらのF化合物
は、Mg化合物と反応して難溶性のふっ素マグネシウムを
形成し、またNa化合物やSi化合物と反応して難溶性のけ
いふっ化ナトリウムを形成する。
原料溶液は、前記物質及び前記F化合物を水又は有機溶
媒に常温大気圧下で溶解させて2以上調製される。ここ
で、前記物質及び前記F化合物をそれぞれ単独に含むよ
うに各原料溶液を調製してもよい。また互いに反応して
難溶性の化合物を形成しない限り、2以上の前記物質、
2以上の前記F化合物、或いは前記物質と前記F化合物
を含むように各原料溶液を調製してもよい。
2以上の原料溶液は混合したときに生じる難溶性の沈殿
物の組成が前記(1)式で示される所望のふっ素雲母系粘
土の化学組成となるように、前記物質及び前記F化合物
の種類と量が選定されて調製される。
原料溶液を混合したときの全溶媒中に占める水分量は、
加水分解に必要最少限の水分量を含んでいなければなら
ない。この水分量があまりに多過ぎると、生成する沈殿
が水を多く含んだ粘稠なゲール状態となり、後述の沈殿
分離処理や乾燥処理において作業能率が低下するため、
水分量は極力少なくし、代わりに有機溶媒の共存量を増
やすことが望ましい。
〈混合反応工程〉 上述のように調製した原料溶液の混合は常温大気圧下で
行われる。その混合方法は1つの原料溶液を攪拌しなが
ら他の原料溶液を添加する方法でもよいし、或いは各原
料溶液中の溶媒と親和性の良好な有機溶媒を攪拌しなが
ら、この有機溶媒に各原料溶液を同時に等量ずつ添加す
る方法でもよい。後者の方法は前者の方法に比べ、より
均質性の高い沈殿が得られる。
また、原料溶液を混合する際に、必要ならば加水分解反
応を促進させるために、酸触媒又は塩基触媒を添加して
もよい。このための触媒としては、加熱により消散する
酢酸、アンモニア水等が好適である。また酸触媒又は塩
基触媒は、難溶性の沈殿を生成しない限り、予め原料溶
液中に配合しておいてもよい。
上述の方法により原料溶液を混合すると、加水分解によ
り難溶性の水酸化物が形成され、或いは前記物質及び前
記F化合物同士の反応により難溶性の化合物が形成さ
れ、所望のふっ素雲母系粘土を構成するに必要なX,
Y,Z及びFの元素を含有する沈殿物ができる。
〈乾燥工程〉 沈殿物は過、遠心分離等の適当な方法により母液から
分離される。母液中には沈殿物を形成する反応の際に副
生するNH4Cl等の水又は有機溶媒に可溶な塩類を含むこ
とがある。この場合には沈殿物を水又は水と有機溶媒を
混合した溶媒で数回洗浄することが好ましい。但し出発
原料として有機酸塩、アルコキシド等の有機化合物、硝
酸塩、或いはアンモニウム塩等を使用した場合には、後
述の加熱処理により容易に副生物が消散するため特に洗
浄を行う必要はない。
沈殿物の乾燥は、減圧下又は大気圧下、100℃前後の条
件下で沈殿物の表面に付着した溶液がほぼ蒸発するまで
行われる。
〈加熱工程〉 次に、乾燥した沈殿物を大気圧下、400〜1400℃の温度
で加熱処理することにより、ふっ素雲母系粘土の粉体が
得られる。加熱温度が400℃未満ではふっ素雲母系粘土
が生成されず、また1400℃を上回ると、上記粉体が溶融
し始め、不純物が生成され、しかもFの揮散が激しくな
り、ともに好ましくない。このように広い温度範囲でふ
っ素雲母系粘土の合成が可能であるが、エネルギコスト
や生成したふっ素雲母系粘土の結晶の状態から判断する
と、600〜1000℃の温度で加熱処理することが好まし
い。加熱処理時間は1〜10時間程度が適当である。しか
しこの加熱温度と加熱時間は所望するふっ素雲母系粘土
の粒径によって主に決定され、加熱温度が低いか、又は
加熱時間が短い場合には比較的小さな粒径の粉体が得ら
れ、加熱温度が高いか、又は加熱時間が長い場合には比
較的大きな粒径の粉体が得られる。
加熱炉はマッフル炉でもよく、或いはトンネルキルン、
ロータリキルンのような連続式焼成炉でもよい。後者の
炉を用いれば、より効率良く大量に合成することができ
る。
また、乾燥後の沈殿物を一旦300℃程度の低温で仮焼
し、沈殿物中の水分やその他の消散物を消散させた後、
加圧成型或いは造粒処理等の手段により仮焼物を圧密化
してから再度前述の温度で本焼成を行えば更に結晶性の
良いふっ素雲母系粘土を得ることができる。
[発明の効果] 以上述べたように、従来、固体原料を使うためエネルギ
コストの高い原料混合粉砕工程や高温度での溶融処理工
程が必要であったものが、本発明によれば、固体原料を
使わずに、ふっ素雲母系粘土の構成元素を含む原料溶液
同士を混合して液相反応にて形成させた難溶性の沈殿物
を母液から分離し、これを乾燥した乾燥物を加熱処理す
ることにより、不純物が少なく、均質性に優れたふっ素
雲母系粘土を簡単な合成プロセスで、かつ少ないエネル
ギ消費で効率よく安価に合成することができる優れた効
果がある。
[実施例] 次に本発明の具体的態様を示すために、本発明を実施例
によりさらに詳しく説明するが、以下に示す例はあくま
でも一例であって、これにより本発明の技術的範囲を限
定するものではない。
〈実施例1〉 KMg3Si3AlO10F2(ふっ素金雲母)合成: Mg(NO3)2・6H2O 0.3モル及びAl(NO3)3・6H2O 0.1モルを常
温の水−エタノール混合溶媒(水:エタノール=1:
1)300mに溶解して溶液を調製した。次にKOH 0.1
モル、NH4F 0.2モル、及び28%アンモニア水50mを常
温の水−エタノール混合溶媒(水:エタノール=1:
1)250mに溶解して溶液を調製した。更にSiCl4
0.4モルを常温のアセトン300m中に溶解して溶液を
調製した。
次いで、溶液を攪拌しながら溶液及び溶液を約10
0m/時の滴下速度で同時に添加したところ沈殿が生
じた。生成した沈殿物を遠心分離機により母液から分離
した後、水−エタノール混合溶媒(水:エタノール=
3:7)で3回洗浄し、大気圧下、80℃で乾燥した。こ
の乾燥物を電気マッフル炉にて850℃で3時間加熱し、
ふっ素金雲母KMg3Si3AlO10F2の粉体を得た。
X線回折により、底面間隔d(001)は9.9Åであり、また
ふっ素金雲母以外の生成物は認められなかった。電子顕
微鏡による雲母粒子の粒径は8.3〜24.0μm(平均15.3
μm)であり、均質性に優れていた。
このふっ素金雲母の粉体に結合剤として20重量%のりん
酸カルシウムを添加し、アルミナボールミルにて30分混
合した後、減圧下で成型圧2000kgf/cm2で成型し、次い
で1150℃の温度で4時間焼成を行い、厚さ約2mmの円板
状の焼結体を得た。この焼結体の相対湿度63%における
体積抵抗率は3.0×1014Ωcm、絶縁破壊電圧は21.3KV/m
mであり、良好な絶縁材料となることが示された。
〈実施例2〉 NaMg2.5Si4O10F2(ナトリウム型四けい素ふっ素雲母)
の合成: 常温のメチルアルコール400m中に金属マグネシウム
0.25モルを添加し、60℃で加熱、還流してMg(OCH3)2
メタノール溶液を調製した後、これにSi(OCH2H5)4 0.4
モルを混合した溶液と、常温の水200m中にNaHF2
0.1モルを溶解した溶液をそれぞれ調製した。
別に用意したメタノール300mを攪拌しながら溶液
を約100m/時の滴下速度で、また溶液を約50m
/時の滴下速度で、同時に添加したところ沈殿が生じ
た。生成した沈殿物を遠心分離機により母液から分離し
た後、そのまま大気圧下、80℃で乾燥した。この乾燥物
を電気マッフル炉にて一旦300℃で2時間仮焼した後、
仮焼物を常圧下、1000kgf/cm2で加圧成型を行い、ペレ
ット状とした。次いで800℃で3時間本焼成を行い、ナ
トリウム型四けい素ふっ素雲母NaMg2.5Si4O10F2を得
た。
この焼成後のペレットを水中に投入すると、膨潤してゾ
ル状態となった。このときゾル化した雲母の割合は、全
体の95重量%であり、不純物の生成が少ないことが示さ
れた。このゾルを40℃で乾燥した。乾燥物は、X線回折
により底面間隔d(001)は12.3Åであり、一水層型とな
っていることが確認された。また電子顕微鏡による上記
雲母粒子の粒径は4.8〜7.6μm(平均6.4μm)であ
り、均質性に優れていた。
更に上記雲母5.0gを0.1NのNiCl2水溶液1000m中に
添加し、室温で20時間攪拌してから、遠心分離機によ
り母液から分離し、次いで5回洗浄した後、大気圧下、
80℃で乾燥した。乾燥物は化学分析により4.3重量%のN
iが含まれている他、X線回折による底面間隔d(001)は
14.7Åに拡がっており、イオン交換性があることが示さ
れた。
〈実施例3〉 Li1/3Mg8/3Li1/3Si4O10F2(リチウムヘクトライト)の
合成: Mg(CH3COO)2・4H2O 2.67モルを常温の水−エタノール混
合溶媒(水:エタノール=1:1)2000mに溶解して
溶液を調製した。またNH4HF 2モルを常温の水−エ
タノール混合溶媒(水:エタノール=1:1)1000m
に溶解して溶液を調製した。次いでLiOH 0.67モル及
び28%アンモニア水350mを常温のメタノール650m
に溶解して溶液を調製した。更にSi(OC2H5)4 4モル
と常温のメタノール200mの混合溶液を調製した。
溶液を攪拌しながら、溶液、、及びをそれぞれ
100m/時の滴下速度で同時に添加したところ沈殿が
生じた。生成した沈殿物をフィルタプレスにより大部分
の母液を除去してケーキ状とした後、そのまま大気圧
下、80℃で乾燥した。この乾燥物を500℃の温度ゾーン
が2m、続いて900℃の温度ゾーンが4mに設定された
トンネルキルンの中に1m/時の速度で連続的に通して
加熱することにより、リチウムヘクトライトLi1/3Mg8/3
Li1/3Si4O10F2を得た。
このリチウムヘクトライトは、水中に投入すると、懸濁
してゾル状態となり膨潤性が示された。このゾルをエバ
ポレータにて50℃で減圧濃縮して約5%のゾルとした
後、ドクタブレード法にて表面が平滑なガラス板上に展
延して自然乾燥させることにより、厚さ約60μmのシー
トを作製した。このシートの波長580nmにおける光透過
率を分光光度計にて測定したところ、I/I=78%で
あった。比較のために溶融法で合成した市販のリチウム
ヘクトライトについて同様なシート化処理を施し、光透
過率を測定したところ、I/I=46%であった。すな
わち本発明により合成したふっ素雲母系粘度は均質性、
緻密性に優れているため、シート化した場合に良好な透
明性が付与されるといえる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水又は有機溶媒に可溶であってかつアルカ
    リ金属,アルカリ土類金属,Al,Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Cu,Cr,
    Si,Ge又はBから選ばれた元素を1又は2以上含む1又
    は2以上の物質と、水又は有機溶媒に可溶な1又は2以
    上のF化合物とを水又は有機溶媒に溶解して2以上の原
    料溶液を調製する調製工程と; 前記原料溶液を混合かつ反応させて難溶性の沈殿物を生
    成する混合反応工程と; 前記沈殿物を前記原料溶液から分離して乾燥する乾燥工
    程と; 乾燥した沈殿物を400℃〜1400℃の温度で加熱すること
    により X0.31.02〜310 なるふっ素雲母系粘土を得る加熱工程と を含むふっ素雲母系粘土の合成方法。 但し、Xはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の中から
    選ばれた1又は2以上の金属陽イオン;YはMg,Al,Fe,C
    o,Ni,Mn,Zn,Cu,Cr,又はLiから選ばれた1又は2以上の
    金属陽イオン;ZはSiもしくはGeの陽イオン、又はSiも
    しくはGeの一部をAl,Fe,又はBで置換した陽イオンであ
    り;Xは配位数12、Yは配位数6、Zは配位数4であ
    る。
  2. 【請求項2】前記物質及び前記F化合物は、混合反応工
    程で加水分解して難溶性の水酸化物を形成する特許請求
    の範囲第1項に記載のふっ素雲母系粘土の合成方法。
  3. 【請求項3】前記物質及び前記F化合物は、混合反応工
    程で互いに反応して難溶性の化合物を形成する特許請求
    の範囲第1項に記載のふっ素雲母系粘土の合成方法。
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