JPH0640826B2 - 新規プラスミド及びその構築方法並びにそのプラスミドを含有する新規微生物 - Google Patents

新規プラスミド及びその構築方法並びにそのプラスミドを含有する新規微生物

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JPH0640826B2
JPH0640826B2 JP5097286A JP5097286A JPH0640826B2 JP H0640826 B2 JPH0640826 B2 JP H0640826B2 JP 5097286 A JP5097286 A JP 5097286A JP 5097286 A JP5097286 A JP 5097286A JP H0640826 B2 JPH0640826 B2 JP H0640826B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なプラスミド、さらに詳しくは、CGTase
の菌体外生産に関与する遺伝情報を担うデオキシリボ核
酸(DNA)断片を組み込んだプラスミド、該プラスミドの
構築方法及び該プラスミドを含有する新規微生物に関す
る。
〔従来の技術〕
シクロデキストリンは、6〜8ヶ又はそれ以上のぶどう
糖分子がα−1, 4結合で環状に結合した非還元性の物質
である。シクロデキストリンを生成する酵素であるCGTa
seは、EC2.4.1.16として転移酵素に分類され
る。従来このCGTaseは、バチルス属に属する菌種、例え
ばバチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バチル
ス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・
メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステ
アロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)等
又は、クレブシラ属に属する菌種例えば、クレブシラ・
ニューモア(Klebsiella pneumoniae)等を pH中性ない
し弱酸性の適当な培地で好気的に培養して得る方法
〔「酵素ハンドブック」:赤堀四郎監修、朝倉書店刊
(昭和41年)及び「アミラーゼ」:中村道徳監修、学
会出版センター刊(昭和61年)等参照〕及びバチルス属
に属する好アルカリ性細菌をpHアルカリ性の適当な培
地に好気的に培養して得る方法〔Horikoshi,K.,Akiba,
T.;“Alkalophilic Microorganisms"、学会センター(1
982年)及び特公昭52−93号公報等参照〕があった。
しかし、これらの微生物による酵素の醗酵生産は培養時
間が長く、スケールアップが難しく又酵素の生産量が微
量であり、分離精製が困難であった。一方遺伝子工学を
利用したCGTaseの生産に関する研究は、バチルス・マセ
ランス由来のCGTase をバチルス・ズブチリス(Bacillu
s subtilis)及びエシェリヒア・コリへクローニングし
た研究(高野敏称,山根國男他;昭和59年度第7回日本
分子生物学大会)及びバチルス・マセランス及びバチル
ス・ステアロサーモフィラス由来のCGTaseをバチルス・
ズブチリス及びエシェリヒア・コリへクローニングした
研究(久保田倫夫、辻阪好夫他;昭和60年度日本醗酵工
学大会)が既に発表されているが、バチルス属に属する
好アルカリ性細菌に由来するアルカリ性CGTaseのエシェ
リヒア・コリへのクローニングの研究は、見当たらな
い。更にCGTaseをエシェリヒア・コリ株ヘクローニング
した上記学会報告では形質転換したエシェリヒア・コリ
株が、培養上澄液に大量の酵素を生産するという事実は
示されておらず、形質転換株から産業的に酵素を得るに
は、培養後菌体を集菌し、一度菌体を超音波等の手段に
より破壊して菌体内酵素を分離精製する必要があり、そ
の場合には菌体に由来する細胞性の毒性物質や不溶性粒
子の存在が問題となるため食品・医療品用の酵素として
適さない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上記従来技術の問題点を解決する菌体外生産
能に関与する特定の遺伝情報を担うデオキシリボ核酸
(DNA)を組み込んだ新規プラスミド、及びその構築
方法並びに、該プラスミドによって形質転換した新規微
生物を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
プラスミドは、微生物の細胞内に見出される染色体外遺
伝子で近年、微生物の遺伝子組み換えの手段として利用
され、醗酵工業の分野の研究におけるその重要性は益々
増大して来ている。
近年、アミノ酸やペプチドの例にみられるように、微生
物の生育に必要とする特定の要求性や代謝産物の生産能
に関与する遺伝情報を担うDNAを組み込んだプラスミ
ドについて研究がなされ、また若干のプラスミドが宿主
微生物に導入され、その形質転換株が得られている。
本発明者はバチルス(Bacillus)属に属する微生物の代
謝産物であるアルカリ性CGTaseの菌体外生産に関与する
遺伝情報を担うDNAを組み込んだ新規プラスミドを調
製することに成功し、更に前記プラスミドをエシェリヒ
ア・コリ(Escherichia coli)HB101 株に導入して新規
且つ有用な形質転換株、エシェリヒア・コリ(Escherich
ia coli)HB101(pTUE202)を得ることに成功して本発明を
完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられる宿主微生物は、エシェリヒア
属のプラスミドとして知られるコリシンE因子等の、
培養された細胞内で増殖し得る形質をとるプラスミド
(ベクターDNA)に、外来の遺伝子DNAとしてバチ
ルス属に属する微生物、例えばバチルスsp.#1011
菌(微工研菌寄第8685号)から調製されたDNA断片を
組み込んだプラスミドを含有させ得る、エシェリヒア・
コリによって代表されるエシェリヒア属に属する微生物
である。
本発明に使用される、アルカリ性CGTaseの菌体外生産に
関与する遺伝情報を担うDNAを含有する微生物の例と
しては、バチルスsp.#1011菌(微工研菌寄第8685
号)をあげることができる。バチルスsp.#1011菌
は静岡県袋井市で採取された土壌より分離された微生物
であり、次の菌学的性質を有する。なお、菌学的性質の
試験及び分類方法は、「エアロビック・スポアホーミン
グ・バクテリア」〔“Aerobic Sporeforming Bacteri
a”(United State Department of Agriculture,Nov.195
2 by N.R.Smith,R.E.Gordon &F. E. Clark)〕及び「バ
ージェーズ・マニュアル・オブ・デタミネイティブ・バ
クテリオロジー」〔“Bergry′s Manual of Daterminat
ive Bacteriology"(1957 )〕に基づいて行われた。
(バチルスsp.#1011菌の菌学的性質) イ.形態 1当たりデンプン15g、ポリペプトン10g、イースト
エキス5g、K2HPO41g、MgSO4・7H2O 0.2g、炭酸
ナトリウム10g、寒天15gを含む組成(pH10.0)の平板
寒天培地上で(但し、炭酸ナトリウムは、他の成分と別
にオートクレーブし、その後培地に加える。)、観察さ
れる形態を表1に示す。
ロ.生育状態 #1011菌の各種培地における生育状態を表2に示す なお、培地 pH7.0 ではほとんど生育せず、変化が認め
られなかったので、培地にそれぞれ炭酸ナトリウムを1
%加えて pH10.0とした。
ハ.生理的性質 #1011菌に関し、生理試験用培地にそれぞれ炭酸ナ
トリウムを1%加えて試験した結果を表3-1 〜3-2 に示
す。
バチルスsp.#1011菌は、上記の菌学的諸性質を総
括すると、好気性の有胞子細菌であることから、バチル
ス(Bacillus)属に属する微生物であることは明らかで
あるが、特に生育し得る範囲がpH8〜12である点にお
いて明らかに公知の菌種と区別され、好アルカリ性菌体
の新菌種と認定することが妥当であると結論された。
前記ベクターDNAに組み込まれる。バチルスsp.#1
011菌から調製されたDNA断片は、前記バチルス属
細菌の代謝産物であるCGTaseの菌体外生産に関与する遺
伝情報を担うDNAであり、前記ベクターDNAとして
は、天然に存在するものを抽出したものの他、増殖に必
要な部分以外のDNAの部分が一部欠落しているもので
もよく、例えばColEの系統、pMB9の系統、pBR322の系
統、pSC101の系統等が挙げられる。
また、前記のベクターDNAに前記DNA断片を組み込
む方法は、既知のいずれの方法も適用し得る。例えば、
適当な制限酵素(Endonuclease)を選択、処理してDN
A特定部位で切断し、次いで相補的な塩基配列を切断部
位に形成する制限酵素で処理したベクターDNAを混合
し、リガーゼによって再結合する方法が用いられる。こ
のようにして得られた前記DNA断片とベクターDNA
の結合物を、形質転換法によって受容菌であるエシェリ
ヒア属の微生物の菌体に導入し、遺伝形質として安定す
るまで増殖すると、所望の遺伝形質とベクターDNAの
形質を併せもつ形質転換株が得られる。
後述の実施例において得られる形質転換株は、次の2段
階の操作により創製される。但し、の操作は省略可能
で、バチルスsp.#1011菌から調製されたDNA断
片を直接pBR322等のベクターDNAへ組み込んで行うこ
とも可能である。
バクテリオファージベクターDNAとしてλD69ファ
ージのDNA〔 Silhavy T.J., Berman M.L.,Enquist
L.W.:Experiments with Gene Fusions "(Cold Spring
Harbar Laboratory (1984)p. 247参照,これは制限 end
onuclease BamHI による切断サイトを1ヶ所持つ 38.8k
b のDNAである。制限酵素切断地図を第4図に示
す。〕を用い、これにバチルスsp.#1011菌から調
製されたDNA断片を組み込んでイン・ビトロ・パッケ
ージング法〔(Horn,B.,Murray,K.:Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S., 74.3259 (1977)〕により得られた新規形質導入フ
ァージ粒子λD69-TU110を調製する。
プラスミドベクターDNAとしてpBR322を用い、これ
に前記形質導入ファージ粒子から調製されたDNA断片
を組み込んで得られた新規pTUE202 プラスミドを、エシ
ェリヒア・コリHB101 株(エシェリヒア・コリ12株と
エシェリヒア・コリB株のハイブリッド株)に導入して
形質転換反応により新規微生物を創製し、これはエシェ
リヒア・コリHB 101(pHUE 202)〔Escherichia coli H
B101 (pTUE 202)〕と呼称される。前記エシェリヒア・
コリHB101(pTUE 202)のpTUE202 プラスミドの制限酵
素切断地図は、第3図に示すとおりである。
第3図から明らかなように、このプラスミドは、pBR322
プラスミドDNAの制限サイトのBamHIサイトに前記バ
チルスsp.#1011菌のアルカリ性CGTaseの菌体外生
産に関与する遺伝情報を担うアルカリ性CGTaseDNA断
片が組み込まれているDNA円形分子であり、即ちpBR3
22プラスミドDNAと約4,700 の塩基対のDNAから成
る9.1Kb の新規なDNA円形分子である。
次に、前記エシェリヒア・コリHB 101 (pTUE 202)の
菌学的性質は、DNA受容菌であるエシェリヒア・コリ
HB 101株の性質と、アンピシン耐性、アルカリ性CGTa
se生産性を除いて、同一であるが〔Molecular Cloning
A Laboratory Manual ,p. 504 (1982)参照、遺伝形質:
F-hsdS20(r ,m ),rec A13,ara-14,proA2, lacY
1, galK2,rpsL20(Smr),xyl-5,mtl-1,supE44, λ-〕、他
の特性として、pTUE 202プラスミドの特性、即ちアルカ
リ性CGTase生産能の遺伝情報を担うpTUE202 プラスミド
によってCGTaseを菌体外に生産し、蓄積せしめる特性を
附加して成る点がその特徴である。
エシェリヒア・コリHB 101 (pHUE 202)によるアルカ
リ性CGTaseの菌体外生産は、後述の実施例で示されるよ
うに、培養開始後約12時間で認められ、且つ時間その生
産量が持続される(第1図参照)これに対し、前記バチ
ルスsp.#1011菌によるアルカリ性CGTaseの菌対外
生産は、第2図に示すように、培養開始3日後に最高に
達する。従って、本発明は、前記エシェリヒア・コリH
B 101 (pTUE 202)、すなわち、従来皆無であった酵素
蛋白の菌体外生産能を有し且つ、CGTaseを極めて有利に
生産し得る微生物を創製、提供する点において、新規性
と有用性を具備するものである。
これは、本発明によって得られるpTUE 202プラスミドに
含まれる約4,700 の塩基対のDNAが、代謝産物の菌体
外生産能を宿主に付与していることを意味するものであ
る。
以下に、本発明のプラスミドの構築方法と該プラスミド
を含有する前記形質転換株、エシェリヒア・コリHB 1
01(pTUE 202)の製方法並びに前記形質転換株による効
果について、実施例により説明する。
実施例 〔実施例 1〕 (1)アルカリ性CGTase生産能の遺伝情報をもつ染色体D
NAの調製 アルカリ性CGTaseを菌体外に生成、蓄積する能力を有す
る好アルカリ性のバチルスsp.#1011菌(微工研菌
寄第8685号)を培地〔1当りデンプン15g、ペプトン
10g、イーストエキス5g、K2HPO41g、MgSO4・7H2O
0.2gを含み炭酸ナトリウム10gでpH10.0に調整し
た組成〕中、40℃で12時間振盪培養を行い、対数増殖後
期の菌体を集菌後、Saito, Miura法(Saito, H.,Miura,
K.:Biochem.Biophys. Acta,72,619,(1964))によるD
NA抽出法によってDNAを抽出、精製し、染色体DN
A約5mgを得た。
(2)染色体DNA断片のファージDNAへの挿入 前記(1)で得た染色体DNA300μgをとり、制限エンド
ヌクレアーゼSau3AI(宝酒造(株)製)を加え、0℃で30
分反応させて部分的に切断した。更に、蔗糖密度勾配超
遠心法にて、約7〜12Kbの染色体DNA断片を分離精製
してDNA断片を調製した。バクテリオファージλD
69のDNA(東京大学医科学研究所より分譲)20μgを
制限エンドヌクレアーゼBamHI(宝酒造(株)製)で完全に
分解してその一部と、前記DNA断片を混合しT4フ
ァージ由来のDNAリガーゼ(宝酒造(株)製)によって
10℃、24時間DNA鎖の連結反応を行い、イン・ビトロ
・パッケージング・キット(Amersham International社
製)を使用して、形質導入ファージ粒子とした。1%デ
ンプンを含むλ培地〔1当りバクトトリプトン(Difc
o)10g、NaCl2.5gを含む組成〕寒天平板上にエシェ
リヒア・コリSM32株(東京大学医科学研究所により分
譲,遺伝形質:SA500, his,pyrD,lons 100, gal,str
A)を37℃にて生育させ、これに前記形質導入ファージ
粒子を感染させて得た多数のプラーク(溶菌斑)の中か
らアルカリ性CGTase活性を有する形質導入ファージλD
69-TU110粒子を得た。1のλ培地でエシェリヒア・コ
リSM32株とともにこの形質導入ファージ粒子を培養し
た後 PEG6000法〔K.R.Yamamoto,B.M alberto,R.Benzing
er,L,Low horne & G.Treiber:Virolgy,
,734 (1970)〕により形質導入ファージD
NAを抽出、精製し約50KbのDNAを約150μg得た。
(3)形質導入ファージDNA断片のプラスミドベクター
への挿入 前記(2)で得たDNA50μgをとり、Sau3AIを加え、0
℃で30分反応させて部分的に切断した。更に蔗糖密度勾
配超遠心法にて約2〜9Kbの形質導入ファージDNA
断片を分離精製してDNA断片を調製した。一方プラ
スミドベクターとして用いられるテトラサイクリン抵抗
性(Tetr)とアンピシリン抵抗性(Ampr)をもつpBR322
プラスミドDNA(Bethesda Research Laboratories 社
(米国)製)をBam H I で完全に分解して65℃、10分の
熱処理をしてBAP(;Bacterial Alkaline Phosphatase)
処理後前記DNA断片と混合し、T4DNAリガーゼ
によって10℃、24時間DNA鎖の連結反応を行い、DN
A断片を組み込んだプラスミドDNAを構築した。
(4)アルカリ性CGTaseの菌体外生産遺伝子を担うプラス
ミドによる形質転換 エシェリヒア・コリK−12株とエシェリヒア・コリB株
のハイブリッド株であるエシェリヒア・コリHB 101株
をL培地(1当たりトリプトン(Difco )10g、イース
トエキス(Difco)5g、NaCl 5gを含み、pH 7.0に調整し
たもの)50 mlに接種し、37℃で振盪培養を行い、対
数増殖後期まで生育させた後に集菌した。これを氷冷
下、最終濃度で0.1M CaCl2の溶液に順次懸濁させてコン
ピテントな細胞とした。この細胞懸濁液に(3)で得たプ
ラスミドDNAの溶液を加えて氷冷下で30分反応させ、
42℃、2分間、ヒートショックを与えて前記プラスミ
ドDNAを細胞内に取り込ませた。次いで、この細胞懸
濁液を別途、前記L培地に接種し、37℃、60分間振盪培
養して形質転換反応〔Lederberg, E.M.,Cohen,S.N.;J.
Bacteriol.119, 1072(1974)〕を行って、得られた形質
転換株をLSAmp 寒天平板(1当りトリプトン(Difco)10
g, イーストエキス(Difco)5g,デンプン10g,NaCl5g,アン
ピシリン50mg,寒天15g の組成)上で37℃にて培養し、
アンピシリン耐性で且つアルカリ性CGTase活性を有する
エシェリヒア・コリHB 101(pTUE 202)を得た。
〔実施例 2〕 実施例1の(4)で得られた形質転換株、エシェリヒア・
コリHB 101 (pTUE 202)をLAmp培地〔1当たりトリ
プシン(Difco) 10g 、イーストエキス(Difco) 5g、 NaCl
5g 、アンピシリン50mgを含む組成〕100 mlを含む500
ml容坂口フラスコで37℃にて振盪培養した。細胞の生育
(菌体量)は660nmの吸光度(OD)で、測定した。アルカリ
性CGTaseの酵素活性は、酵素液0.05 mlにM/10グリ
シン-NaCl 緩衝液(pH10.5)に溶解した1%可溶性デン
プン液0.5mlを加えて40℃にて2時間反応した後、酢
酸でpHをK性にし、100 ℃で10分間加熱した。これに50
μgのグルコアミラーゼを加えて、40℃で1時間未反応
のデンプンを分解した後、生じたグルコースの量をジニ
トロサリチル酸法で測定した。また、対照として酵素液
のかわりに水を加えたものを上記と全く同様に処理し、
この両者の差をもってシクロデキストリンの生成量とし
た。ここで1単位とは上記の方法で1mg のシクロデキス
トリンを生成する酵素量をいう(特公昭52−93号公報参
照)。
形質転換株の菌体量は培養開始後12時間で最大に達し
(第1 図に示す)、菌体外アルカリ性CGTase の活性
は、ほぼ24時間で最大に達した。生産されたアルカリ性
CGTaseは非常に安定である。
比較として、DNA供与菌である前記好アルカリ性バチ
ルスsp.#1011菌(微工研菌寄第8685号)を培養し
て、アルカリ性CGTase活性を測定した。1当たりデン
プン 15g、ポリペプトン10g、イーストエキス 5g、H2HP
o1g、MgSO4・7H2O 0.2g、炭酸ナトリウム10g を含む
培地(pH10.0)に接種し、40℃にて振盪培養した。
菌体量は培養開始後24時間で最大に達し、(第2図に示
す)菌体外アルカリ性CGTaseの活性は、接種後24時間で
徐々に活性が上がり、72時間に至ってやっと活性は最高
に達した。
〔実施例 3〕 形質転換株、エシェリヒア・コリHB101 (pTUE 202)を実
施例2と同様な操作にて培養開始後24時間の培養液を
遠心分離し、除菌して調整した培養澄液100 mlに硫酸ア
ンモニウムを加えて塩析した後、沈澱を水に溶かして一
夜流水で透析し、アルカリ性CGTase酵素液とした。フラ
スコにN/10グリシン-NaCl 緩衝液にてpH10.5に調製し
た 5%のデンプン糊化液(CaCl2を10mM含む)1を入
れ、上記酵素液25ml加えて65℃にて6 時間酵素反応し
た。反応終了後遠心分離して沈澱物を除き、トリクロル
エチレンを加えて生成物を沈澱させ、沈澱物を水で洗條
後、トリクロルエチレンを加熱して除き、60%プロピル
アルコール水溶液から再結晶して白色の結晶約18gを得
た。アビセル薄層クロマトグラフィーにより前記結晶を
分析したところ、n−ブタノール:プロパノール:水
(3:5:4)の展開液で2回上昇法にて分離した後1
%ヨウ素メタノール溶液を雰霧して、試薬のRf値と一致
するα−及びβ−シクロデキストリン特有の呈色を示す
スポットを認めた。
更に高速液体クロマトグラフィーによりシリカ系ODS-NH
樹脂を充填したカラム(8φ×250 mm)を使用し、ア
セトニトリル:水(65:35)の溶離液にて分離し示差屈
折計で検出したところ試薬のα−,β−及びγ−シクロ
デキストリンのリテンションタイムと一致して生成物を
同定した。
〔発明の効果〕
本発明のCGTaseの菌体外生産に関与する遺伝情報を担う
DNA断片を組み込んだプラスミドは、これを遺伝子工
学的手法によりエシェリヒア属に属する微生物に含有さ
せて形質転換させることにより、短い培養時間でCGTase
を生産するエシェリヒア属に属する新規微生物を創製す
ることができ、しかも前記微生物はCGTaseを菌体外に大
量に生産するので、この微生物を使用することにより、
工業的かつ効率的に大量のCGTaseを生産することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法で用いたエシェリヒア・コリHB
101 (pTUE 202)による菌体外アルカリ性CGTase生産活
性を、第2図は、バチルスsp.#1011菌による菌体
外アルカリ性CGTase生産活性をそれぞれ示すグラフであ
る。第3図は、エシェリヒア・コリHB 101 (pTUE 20
2)のプラスミド(pTUE 202)の制限酵素切断地図であ
り、白ぬきの部分はpBR322プラスミドDNA由来、黒塗
りの部分はバチルスsp.#1011菌染色体DNA断片
(アルカリ性CGTaseDNA断片)を示す。 第4図は、バクテリオファージλD69の制限酵素切断地
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:19)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エシェリヒア(Escherihia)属に属する宿主
    に菌体外生産能を与えるプラスミドであって、バチルス
    (Bacillus)属に属する微生物のシクロマルトデキストリ
    ン グルカノトランスフェラーゼ(Cyclomaltodextrin g
    lucanotransferase,以下、CGTaseという。)の菌体外生
    産に関与する遺伝情報を担い、下記の制限酵素地図を有
    するバチルスsp.#1011菌(微工研菌寄第868
    5号)由来のデオキシリボ核酸(DNA)断片をその制
    限サイトに組み込んだプラスミド。
  2. 【請求項2】プラスミドがpTUE202 であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のプラスミド。
  3. 【請求項3】プラスミドのベクターがpBR322プラスミド
    のDNAであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のプラスミド。
  4. 【請求項4】エシェリヒア属に属する宿主がエシェリヒ
    ア・コリ(Escherichia coli)であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のプラスミド。
  5. 【請求項5】制限サイトがBamHI サイトであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラスミド。
  6. 【請求項6】CGTaseがアルカリ性CGTaseであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラスミド。
  7. 【請求項7】バチルス属に属する微生物が好アルカリ性
    細菌に属する微生物であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のプラスミド。
  8. 【請求項8】好アルカリ性細菌に属する微生物がバチル
    スsp.#1011菌(微工研菌寄第8685号)であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載のプラス
    ミド。
  9. 【請求項9】CGTaseの菌体外生産能を与え、下記の制限
    酵素地図を有するバチルスsp.#1011菌(微工研
    菌寄第8685号)由来のDNA断片を制限酵素を用い
    て調製すること、前記調製されたDNA断片のCGTaseの
    菌体外生産に関与する遺伝情報を妨害しない制限酵素を
    用いてプラスミドのベクターDNAを制限すること、制
    限された前記プラスミドのベクターDNAの制限サイト
    に前記DNA断片を組み換えること及び組み換えられた
    プラスミドを抽出することからなる、CGTaseの菌体外生
    産に関与する遺伝情報を担い、下記の制限酵素地図を有
    するバチルスsp.#1011菌由来のDNA断片を組
    み込んだプラスミドの構築方法。
  10. 【請求項10】プラスミドがpTUE202 プラスミドである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のプラスミ
    ドの構築方法。
  11. 【請求項11】プラスミドのベクターDNAとしてpBR3
    22プラスミドのDNAを用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第9項記載のプラスミドの構築方法。
  12. 【請求項12】制限サイトとしてBamHI サイトを用いる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のプラスミ
    ドの構築方法。
  13. 【請求項13】CGTaseがアルカリ性CGTaseであることを
    特徴とする特許請求の範囲第9項記載のプラスミドの構
    築方法。
  14. 【請求項14】DNA断片を調製する制限酵素(Endonuc
    lease)として、Sau3AIを用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第9項記載のプラスミドの構築方法。
  15. 【請求項15】CGTaseの菌体外生産能を与え、下記の制
    限酵素地図を有するバチルスsp.#1011菌(微工
    研菌寄第8685号)由来のDNA断片を、前記細菌の
    DNAを制限酵素で分解することにより直接調製するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のプラスミド
    の構築方法。
  16. 【請求項16】CGTaseの菌体外生産能を与え、下記の制
    限酵素地図を有するバチルスsp.#1011菌(微工
    研菌寄第8685号)由来のDNA断片を、前記細菌の
    DNAを制限酵素で分解して得たDNA断片を一旦λD
    69バクテリオファージDNAへ組み換えてCGTase生産能
    を有する形質導入ファージ粒子を調製した後、そのDN
    Aを前記制限酵素で分解することにより調製することを
    特徴とする特許請求の範囲第9項記載のプラスミドの構
    築方法。
  17. 【請求項17】CGTaseの菌体外生産に関与する遺伝情報
    を担うバチルスsp.#1011菌(微工研菌寄第86
    85号)由来のDNA断片を組み込んだ、下記の制限酵
    素地図によって特徴づけられるプラスミドpTUE202 を含
    有し、CGTaseの菌体外生産能を有するエシェリヒア・コ
    リHB101(pTUE 202)[Escherichia coli HB101 (pT
    UE 202)]。
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