JPH0641679A - 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 - Google Patents
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管Info
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- JPH0641679A JPH0641679A JP21879992A JP21879992A JPH0641679A JP H0641679 A JPH0641679 A JP H0641679A JP 21879992 A JP21879992 A JP 21879992A JP 21879992 A JP21879992 A JP 21879992A JP H0641679 A JPH0641679 A JP H0641679A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、油井やガス井等湿潤な硫化水素を
含む環境下にて使用される電縫鋼管を提供する。 【構成】 電縫鋼管1の電縫衝合面2を中心として、両
側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断
面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向
の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が
1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、か
つ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測
定値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、か
つ最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内とし
た電縫鋼管1である。 【効果】 pHが低く厳しい環境下においても優れた耐
硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井等で使用される構
造部材として好適な鋼管の提供を可能とする。
含む環境下にて使用される電縫鋼管を提供する。 【構成】 電縫鋼管1の電縫衝合面2を中心として、両
側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断
面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向
の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が
1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、か
つ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測
定値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、か
つ最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内とし
た電縫鋼管1である。 【効果】 pHが低く厳しい環境下においても優れた耐
硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井等で使用される構
造部材として好適な鋼管の提供を可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤な硫化水素を含む
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCと称する)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管
に関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例え
ば油井管やラインパイプとして好適な電縫鋼管に関する
ものである。
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCと称する)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管
に関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例え
ば油井管やラインパイプとして好適な電縫鋼管に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年における油田やガス田の開発におい
ては、急速に増大しつつある需要とそれに応える技術の
進歩によって、従来放置されていたか或いは開発困難で
あったところの、地中深く埋蔵されかつ硫化水素などの
硫化物でかなり汚染されたいわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられて来ている。
ては、急速に増大しつつある需要とそれに応える技術の
進歩によって、従来放置されていたか或いは開発困難で
あったところの、地中深く埋蔵されかつ硫化水素などの
硫化物でかなり汚染されたいわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられて来ている。
【0003】従って石油および天然ガスの生産分野にお
いては、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧
力)、あるいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐え
るとともに、サワー環境下で使用しても充分に所望性能
を発揮できる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性
(以下SSC特性と称する)に優れた鋼の開発が一段と
要望されている。
いては、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧
力)、あるいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐え
るとともに、サワー環境下で使用しても充分に所望性能
を発揮できる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性
(以下SSC特性と称する)に優れた鋼の開発が一段と
要望されている。
【0004】鋼の耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる
手段については、1950年来種々の検討が加えられ、
現在では例えばNACE Standard MR−0
1−75に示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度
を押えることがSSC特性向上に最も有効であるとさ
れ、使用者の要望にこたえるため、これに基ずくL−8
0がAPI規格に加えられている。
手段については、1950年来種々の検討が加えられ、
現在では例えばNACE Standard MR−0
1−75に示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度
を押えることがSSC特性向上に最も有効であるとさ
れ、使用者の要望にこたえるため、これに基ずくL−8
0がAPI規格に加えられている。
【0005】しかしながら、当然上記硬さの上限規制だ
けでSSC特性を向上できるわけではなく、他の要因が
いくつかあることが判っている。このSSC特性向上要
因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。サワー
特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふくれ割
れを低減することであり、この破壊は外部からの負荷応
力がなくとも発生が認められるものである。
けでSSC特性を向上できるわけではなく、他の要因が
いくつかあることが判っている。このSSC特性向上要
因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。サワー
特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふくれ割
れを低減することであり、この破壊は外部からの負荷応
力がなくとも発生が認められるものである。
【0006】サワー環境中で応力がかかった場合、応力
軸と平行にこの水素ふくれ割れが発生し、これらが連結
することによって破壊に到る場合があり、この水素ふく
れ割れの発生を防止することによってSSC特性を向上
するという考え方である。
軸と平行にこの水素ふくれ割れが発生し、これらが連結
することによって破壊に到る場合があり、この水素ふく
れ割れの発生を防止することによってSSC特性を向上
するという考え方である。
【0007】ところで水素ふくれ割れは、環境中から侵
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
【0008】こうした水素ふくれ割れに対する抵抗の高
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の案
が提案されている。それらは例えば、特公昭57−17
065号公報あるいは特公昭57−16184号公報な
どにその代表例が見られるように、CaやCo添加によ
る割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caあるい
は希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するもの
であって、これらの技術によって現在までにかなり厳し
い環境にまで耐え得る鋼が開発されている。また、上記
サワー特性を向上する種々の手段を用いることによっ
て、耐SSC特性を向上することが可能となっている。
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の案
が提案されている。それらは例えば、特公昭57−17
065号公報あるいは特公昭57−16184号公報な
どにその代表例が見られるように、CaやCo添加によ
る割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caあるい
は希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するもの
であって、これらの技術によって現在までにかなり厳し
い環境にまで耐え得る鋼が開発されている。また、上記
サワー特性を向上する種々の手段を用いることによっ
て、耐SSC特性を向上することが可能となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電縫鋼管は
ホットコイル等の鋼板を成形し電縫溶接するものであっ
て、言うまでもなく鋼板との決定的な相違は溶接部およ
び溶接熱影響部が存在することである。しかるに、電縫
溶接部周辺部分の耐SSC特性、それもC方向について
検討された例は従来ほとんど見当たらない。
ホットコイル等の鋼板を成形し電縫溶接するものであっ
て、言うまでもなく鋼板との決定的な相違は溶接部およ
び溶接熱影響部が存在することである。しかるに、電縫
溶接部周辺部分の耐SSC特性、それもC方向について
検討された例は従来ほとんど見当たらない。
【0010】これは通常の製造工程においてMnS等の
A系硫化物系介在物が多く存在するのは大型鋼塊では逆
偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中心偏析部で
あって、鋼板のエッジ部には非常に少ないこと、板面平
行割れを助長するMn,Pのミクロ偏析が激しいのもM
nSなどのA系硫化物系介在物が多く存在する部位と同
様の部位であって、エッジ部にはほとんど存在しないこ
となどの理由から、鋼板のエッジ部同志を電縫溶接して
製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性は良好であると理解されてきたからである。
A系硫化物系介在物が多く存在するのは大型鋼塊では逆
偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中心偏析部で
あって、鋼板のエッジ部には非常に少ないこと、板面平
行割れを助長するMn,Pのミクロ偏析が激しいのもM
nSなどのA系硫化物系介在物が多く存在する部位と同
様の部位であって、エッジ部にはほとんど存在しないこ
となどの理由から、鋼板のエッジ部同志を電縫溶接して
製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性は良好であると理解されてきたからである。
【0011】また、1つのホットコイルを幅方向に2以
上に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管
では、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中
心偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、
SSCに対する認識はあった。しかしこの場合にも、対
策としては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減
少といった母材と同様の対策が施されてきた。
上に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管
では、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中
心偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、
SSCに対する認識はあった。しかしこの場合にも、対
策としては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減
少といった母材と同様の対策が施されてきた。
【0012】本発明は上記課題に鑑み成されたもので、
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管を提供する。
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題に対し本発明者
は、電縫鋼管の電縫溶接部C方向について耐SSC特性
を詳細に調査した結果、MnS等の硫化物系介在物が存
在しない場合でも電縫溶接部のSSC特性の劣化する場
合のあることを見出した。ただし、電縫溶接部のの場合
には板面垂直型の水素ふくれ割れがSSCの起点となっ
ていることが母材部とは異なっており、このため母材部
に比較してよりSSCを起こし易いことが懸念される。
は、電縫鋼管の電縫溶接部C方向について耐SSC特性
を詳細に調査した結果、MnS等の硫化物系介在物が存
在しない場合でも電縫溶接部のSSC特性の劣化する場
合のあることを見出した。ただし、電縫溶接部のの場合
には板面垂直型の水素ふくれ割れがSSCの起点となっ
ていることが母材部とは異なっており、このため母材部
に比較してよりSSCを起こし易いことが懸念される。
【0014】さらに、この種の水素ふくれ割れを起点と
したSSCは、本質的に鋼板エッジ部にミクロ偏析の少
ない単幅材であっても発生することが判った。この板面
に垂直な水素ふくれ割れを起点とした電縫溶接部のSS
Cは、従来知られていないものであって、母材の板面平
行の水素ふくれ割れを起点とするSSC以上に重大な問
題である。しかしこの割れは、従来の水素ふくれ割れに
対する対策鋼を使用した電縫鋼管でも発生し、従来技術
では防止できないことが判った。
したSSCは、本質的に鋼板エッジ部にミクロ偏析の少
ない単幅材であっても発生することが判った。この板面
に垂直な水素ふくれ割れを起点とした電縫溶接部のSS
Cは、従来知られていないものであって、母材の板面平
行の水素ふくれ割れを起点とするSSC以上に重大な問
題である。しかしこの割れは、従来の水素ふくれ割れに
対する対策鋼を使用した電縫鋼管でも発生し、従来技術
では防止できないことが判った。
【0015】本発明者らは、こうした全く新しいタイプ
の板面垂直型水素ふくれ割れを起点とするSSCに対す
る抵抗の高い鋼管を開発せんとして研究を続けた結果、
図1に模式的に示す電縫鋼管1の電縫溶接部のSSCの
起点となる水素ふくれ割れの原因は、電縫衝合部2及び
その両側のZ1及びZ2が100μm以内の熱影響部3
に存在する板状の酸化物系介在物であることを突き止め
た。
の板面垂直型水素ふくれ割れを起点とするSSCに対す
る抵抗の高い鋼管を開発せんとして研究を続けた結果、
図1に模式的に示す電縫鋼管1の電縫溶接部のSSCの
起点となる水素ふくれ割れの原因は、電縫衝合部2及び
その両側のZ1及びZ2が100μm以内の熱影響部3
に存在する板状の酸化物系介在物であることを突き止め
た。
【0016】さらにこれら板状の酸化物系介在物のう
ち、図1に示される電縫鋼管1の衝合部2の両側Z1=
Z2=100μm以内の横断面で見た介在物の形状とし
て、板厚方向の長さと円周方向の長さとの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が、水素ふくれ割れ発生
の核となること、板厚方向の長さと円周方向の長さとの
比が2以上で、かつ長径10μm以上の介在物が1mm
2 あたりの横断面中に5個を越えて存在するような酸化
物系介在物の密度となるときには、核発生した水素ふく
れ割れが相互に結合して巨視的な割れに成長してSSC
を引き起こすことを見出した。
ち、図1に示される電縫鋼管1の衝合部2の両側Z1=
Z2=100μm以内の横断面で見た介在物の形状とし
て、板厚方向の長さと円周方向の長さとの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が、水素ふくれ割れ発生
の核となること、板厚方向の長さと円周方向の長さとの
比が2以上で、かつ長径10μm以上の介在物が1mm
2 あたりの横断面中に5個を越えて存在するような酸化
物系介在物の密度となるときには、核発生した水素ふく
れ割れが相互に結合して巨視的な割れに成長してSSC
を引き起こすことを見出した。
【0017】さらに本発明者の研究によれば、これら板
状の酸化物系介在物は、母材中に予め存在した球状に近
い酸化物系介在物が電縫溶接時の熱影響部3の影響によ
って鋼の融点近くまで加熱されたうえ、スクイズロール
によって両側から加圧されるために、板状に変形して生
成することが明かとなった。加えて酸化物系介在物中に
Caを含有するなど、複合系の酸化物系介在物である場
合に著しく変形し易いことをも見出した。
状の酸化物系介在物は、母材中に予め存在した球状に近
い酸化物系介在物が電縫溶接時の熱影響部3の影響によ
って鋼の融点近くまで加熱されたうえ、スクイズロール
によって両側から加圧されるために、板状に変形して生
成することが明かとなった。加えて酸化物系介在物中に
Caを含有するなど、複合系の酸化物系介在物である場
合に著しく変形し易いことをも見出した。
【0018】また本発明者らは、上記介在物起因による
水素ふくれ割れ以外にも電縫溶接部のSSC特性を劣化
する要因を詳細に検討した結果、電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下で、かつ最大値と最小値の差がビッ
カース硬さで30以内である必要性を見出した。
水素ふくれ割れ以外にも電縫溶接部のSSC特性を劣化
する要因を詳細に検討した結果、電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下で、かつ最大値と最小値の差がビッ
カース硬さで30以内である必要性を見出した。
【0019】硬さの最大値の規制は従来からの知見であ
るが、硬さ分布規制の必要性に関しては、硬さ分布に差
のある部位での応力集中による割れの発生がSSC特性
を劣化するためと考えられる。
るが、硬さ分布規制の必要性に関しては、硬さ分布に差
のある部位での応力集中による割れの発生がSSC特性
を劣化するためと考えられる。
【0020】本発明は以上の知見に基づいてなされたも
ので、その要旨とするところは、以下の通りである。
ので、その要旨とするところは、以下の通りである。
【0021】第1の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、残部Fe
からなる鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を
中心として両側100μm以内に含まれる酸化物系介在
物のうち横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長
さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以
上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以
下であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以
内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以
下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬さで
30以内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ
性に優れた電縫鋼管である。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、残部Fe
からなる鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を
中心として両側100μm以内に含まれる酸化物系介在
物のうち横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長
さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以
上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以
下であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以
内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以
下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬さで
30以内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ
性に優れた電縫鋼管である。
【0022】第2の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにM
o:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15%,
V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜0.0
50%,B:0.0003〜0.0040%のうち1種
または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製造した
電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両側100
μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた
介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の長さの
比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が1mm2
あたりの横断面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝
合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最
大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大値
と最小値の差がビッカース硬さで30以内であることを
特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管で
ある。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにM
o:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15%,
V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜0.0
50%,B:0.0003〜0.0040%のうち1種
または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製造した
電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両側100
μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた
介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の長さの
比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が1mm2
あたりの横断面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝
合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最
大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大値
と最小値の差がビッカース硬さで30以内であることを
特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管で
ある。
【0023】第3の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにC
u:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.5%,C
r:0.1〜3.0%のうち1種または2種以上を含
み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管において、
電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含まれる
酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状として
板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長
径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切
る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両
側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬
さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッ
カース硬さで30以内であることを特徴とする耐硫化物
応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管である。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにC
u:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.5%,C
r:0.1〜3.0%のうち1種または2種以上を含
み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管において、
電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含まれる
酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状として
板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長
径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切
る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両
側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬
さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッ
カース硬さで30以内であることを特徴とする耐硫化物
応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管である。
【0024】また第4の本発明は、C:0.05〜0.
35%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30
〜2.00%に加えてCaを0.0005〜0.008
0%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらに
Mo:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15
%,V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜
0.050%、B:0.0005〜0.0040%のう
ち1種または2種以上およびCu:0.1〜2.0%,
Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0%のう
ち1種または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製
造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両側
100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断面
でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の
長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が1
mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、かつ
電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定
値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ
最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内である
ことを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫
鋼管である。
35%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30
〜2.00%に加えてCaを0.0005〜0.008
0%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらに
Mo:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15
%,V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜
0.050%、B:0.0005〜0.0040%のう
ち1種または2種以上およびCu:0.1〜2.0%,
Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0%のう
ち1種または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製
造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両側
100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断面
でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の
長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が1
mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、かつ
電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定
値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ
最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内である
ことを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫
鋼管である。
【0025】
【作用】以下に作用とともに本発明を詳細に説明する。
【0026】先ず本発明は、耐硫化物応力腐食特性に優
れた電縫鋼管全般を対象とするものであるが、上記成分
を規定する理由は以下の通りである。
れた電縫鋼管全般を対象とするものであるが、上記成分
を規定する理由は以下の通りである。
【0027】Cは鋼材の強度を高める作用があり、0.
05%以上添加されるが、0.35%を越えて添加され
ると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.05
〜0.35%とした。
05%以上添加されるが、0.35%を越えて添加され
ると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.05
〜0.35%とした。
【0028】Siは固溶体強化作用があり、鋼材の強度
および延性を改善する作用があり、0.02%以上添加
されるが、0.50%を越えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.02〜0.50%と
した。
および延性を改善する作用があり、0.02%以上添加
されるが、0.50%を越えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.02〜0.50%と
した。
【0029】MnもCと同様鋼材の強度を高める作用が
あり、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.
0%を越えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく溶接性を阻害することから、その含有量を0.
30〜2.0%とした。
あり、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.
0%を越えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく溶接性を阻害することから、その含有量を0.
30〜2.0%とした。
【0030】Caは硫化物系介在物の形態制御によりS
SCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で、0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中
介在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量
を0.0005〜0.0080%とした。
SCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で、0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中
介在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量
を0.0005〜0.0080%とした。
【0031】Alは製鋼段階の脱酸のために必要であ
り、その下限を0.005%とした。また0.10%を
越えて添加されると、介在物の量が増加して鋼の清浄性
が失われること、および製鋼作業に支障をきたすことな
どから、その範囲を0.005〜0.10%とした。
り、その下限を0.005%とした。また0.10%を
越えて添加されると、介在物の量が増加して鋼の清浄性
が失われること、および製鋼作業に支障をきたすことな
どから、その範囲を0.005〜0.10%とした。
【0032】Moは強度上昇に有用で0.10%以上添
加されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範
囲を0.10〜2.0%とした。
加されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範
囲を0.10〜2.0%とした。
【0033】Nbはオーステナイト粒の細粒化や強度上
昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなると溶
接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.15%
とした。
昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなると溶
接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.15%
とした。
【0034】Vは析出強化に有用で0.1%以上添加さ
れるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を
0.01〜0.30%とした。
れるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を
0.01〜0.30%とした。
【0035】Tiはオーステナイト粒の細粒化に有用で
0.001%以上添加されるが、多くなると溶接性を阻
害するため、その範囲を0.001〜0.050%とし
た。
0.001%以上添加されるが、多くなると溶接性を阻
害するため、その範囲を0.001〜0.050%とし
た。
【0036】Bは微量の添加によって鋼の焼入れ性を著
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。
【0037】Cuは強度上昇、耐食性向上に有効で0.
1%以上添加されるが、2.0%を越えて添加しても強
度の上昇代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1
〜2.0%とした。
1%以上添加されるが、2.0%を越えて添加しても強
度の上昇代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1
〜2.0%とした。
【0038】Niは低温靱性の改善に有効で0.1%以
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。
【0039】Crは強度上昇や耐食性向上に有効で0.
1%以上添加されるが、多くなると低温靱性、溶接性を
阻害するため、その範囲を0.1〜3.0%とした。
1%以上添加されるが、多くなると低温靱性、溶接性を
阻害するため、その範囲を0.1〜3.0%とした。
【0040】またPは母材の水素ふくれ割れを伝播しや
すくする元素であり、0.03%以下とすべきである。
またSはMnと結合して母材部の水素ふくれ割れの起点
となるMnSをつくるので、0.005%以下に抑える
べきである。
すくする元素であり、0.03%以下とすべきである。
またSはMnと結合して母材部の水素ふくれ割れの起点
となるMnSをつくるので、0.005%以下に抑える
べきである。
【0041】次に、本発明の最大の骨子とするところ
は、前述の通り電縫衝合面を中心として両側100μm
以内に含まれる酸化物系介在物のうち、横断面でみた介
在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の長さの比
が2以上で、かつ長径10μmの介在物が1mm2 あた
りの横断面を切る個数が5以下とすることにあるが、こ
れは次の理由に基づくものである。
は、前述の通り電縫衝合面を中心として両側100μm
以内に含まれる酸化物系介在物のうち、横断面でみた介
在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の長さの比
が2以上で、かつ長径10μmの介在物が1mm2 あた
りの横断面を切る個数が5以下とすることにあるが、こ
れは次の理由に基づくものである。
【0042】先ず介在物を規定する範囲を、電縫衝合部
を中心として両側100μm以内に定めたのは、電縫衝
合部を含む試験片での数多くの耐SSC試験と詳細な観
察の結果、SSC発生の起点となる水素ふくれ割れの発
生しているのは、100μm以内であり、その起点とな
る板状の酸化物系介在物も100μm以内にほとんど集
合しているからであり、100μmを越える範囲には非
常に稀にしか存在せず、割れが核発生しても連結しない
ので、巨視的な割れには成長し得ないからである。
を中心として両側100μm以内に定めたのは、電縫衝
合部を含む試験片での数多くの耐SSC試験と詳細な観
察の結果、SSC発生の起点となる水素ふくれ割れの発
生しているのは、100μm以内であり、その起点とな
る板状の酸化物系介在物も100μm以内にほとんど集
合しているからであり、100μmを越える範囲には非
常に稀にしか存在せず、割れが核発生しても連結しない
ので、巨視的な割れには成長し得ないからである。
【0043】次に対象とする介在物として酸化物系介在
物に着目したのは、前述のごとく酸化物系介在物は溶接
の熱影響とスクイズ・ロールによる加圧によって変形
し、水素ふくれ割れの原因となるからである。
物に着目したのは、前述のごとく酸化物系介在物は溶接
の熱影響とスクイズ・ロールによる加圧によって変形
し、水素ふくれ割れの原因となるからである。
【0044】ここで、本発明でいう酸化物系介在物と
は、酸化物及び酸化物を主体として少量の硫化物を含む
複合物からなる介在物を指す。なお参考までに付け加え
るならば、もとより母材部の耐サワー性確保のため硫化
物系介在物量は著しく減少された鋼が主たる対象となっ
ているものであるから、酸化物系介在物量に着目したも
のである。
は、酸化物及び酸化物を主体として少量の硫化物を含む
複合物からなる介在物を指す。なお参考までに付け加え
るならば、もとより母材部の耐サワー性確保のため硫化
物系介在物量は著しく減少された鋼が主たる対象となっ
ているものであるから、酸化物系介在物量に着目したも
のである。
【0045】介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さとの比を2以上としたのは、詳細な観察の結
果このような板状に変形した介在物が割れの核発生に対
し起点となること、逆に板厚方向の長さと円周方向の長
さとの比が2未満の介在物は、割れ発生に対しては有害
でないことが実験の結果明かになったためである。
方向の長さとの比を2以上としたのは、詳細な観察の結
果このような板状に変形した介在物が割れの核発生に対
し起点となること、逆に板厚方向の長さと円周方向の長
さとの比が2未満の介在物は、割れ発生に対しては有害
でないことが実験の結果明かになったためである。
【0046】なお本発明においては、酸化物系介在物の
変形の方向性を板厚方向と円周方向について規定してい
るが、介在物の変形が溶接加熱時の加熱によって生ずる
ことから、酸化物系介在物は必ずしも正しく板厚方向に
伸びているわけではなく、いくらか斜めになっているも
のもあるが、もちろん少々斜めになっていても割れの起
点となることに全く変わりはないのである。
変形の方向性を板厚方向と円周方向について規定してい
るが、介在物の変形が溶接加熱時の加熱によって生ずる
ことから、酸化物系介在物は必ずしも正しく板厚方向に
伸びているわけではなく、いくらか斜めになっているも
のもあるが、もちろん少々斜めになっていても割れの起
点となることに全く変わりはないのである。
【0047】本発明では、このような介在物については
斜めとなった最長方向の長さと、それに直角な方向の長
さとの比が2以上のものについて考える。また長径10
μm以上の介在物としたのは、長さ比が2以上であって
も、長径が10μm未満の微細な介在物は割れの起点と
ならないことを実験によって見出したことに基づくもの
である。
斜めとなった最長方向の長さと、それに直角な方向の長
さとの比が2以上のものについて考える。また長径10
μm以上の介在物としたのは、長さ比が2以上であって
も、長径が10μm未満の微細な介在物は割れの起点と
ならないことを実験によって見出したことに基づくもの
である。
【0048】さらに本発明において、これら介在物が1
mm2 当たりの横断面を切る個数を5以下としたのは、
前述のような形状および寸法の介在物が1mm2 あたり
5個を超えて横断面を切る場合に、核発生した水素ふく
れ割れが相互に連結されることを実験によって見いだし
たことに基づくものである。
mm2 当たりの横断面を切る個数を5以下としたのは、
前述のような形状および寸法の介在物が1mm2 あたり
5個を超えて横断面を切る場合に、核発生した水素ふく
れ割れが相互に連結されることを実験によって見いだし
たことに基づくものである。
【0049】以上のような要件を満足させるためには、
例えば以下に述べるような技術を適用することによって
達成が可能である。まず溶鋼の脱酸,脱硫あるいはCa
添加などの処理後に残留する酸化物系介在物を徹底的に
除去することが有効であり、これは例えば溶鋼容器の底
からの不活性ガスの吹き込みによって、溶鋼介在物の浮
上を促進することによって実現できる。
例えば以下に述べるような技術を適用することによって
達成が可能である。まず溶鋼の脱酸,脱硫あるいはCa
添加などの処理後に残留する酸化物系介在物を徹底的に
除去することが有効であり、これは例えば溶鋼容器の底
からの不活性ガスの吹き込みによって、溶鋼介在物の浮
上を促進することによって実現できる。
【0050】また、例えばAlやTiにような高融点酸
化物を形成する元素を多量に添加して、鋼中の酸化物系
介在物を単一成分かつ高融点の化合物に変化させて、溶
接時に変形しにくくすることも有効である。
化物を形成する元素を多量に添加して、鋼中の酸化物系
介在物を単一成分かつ高融点の化合物に変化させて、溶
接時に変形しにくくすることも有効である。
【0051】あるいは電縫溶接時のスクイズ・ロールに
よる加圧力を低下して、酸化物系介在物の変化を防止、
あるいは減少させることも極めて有効である。ただしこ
の場合、電縫溶接欠陥を生じないような溶接条件および
加圧力の制御が必要であることは言うまでもない。
よる加圧力を低下して、酸化物系介在物の変化を防止、
あるいは減少させることも極めて有効である。ただしこ
の場合、電縫溶接欠陥を生じないような溶接条件および
加圧力の制御が必要であることは言うまでもない。
【0052】その他様々な技術を適用することができる
が、要するに板状の介在物の原因となる母材中の酸化物
系介在物を減少させておくか、溶接時に変形しにくい組
成の介在物を積極的に形成するか、あるいは電縫溶接時
の変形の少ない溶接とするかなどによって、本発明の要
件を満足させることが可能である。
が、要するに板状の介在物の原因となる母材中の酸化物
系介在物を減少させておくか、溶接時に変形しにくい組
成の介在物を積極的に形成するか、あるいは電縫溶接時
の変形の少ない溶接とするかなどによって、本発明の要
件を満足させることが可能である。
【0053】本発明の鋼の製造工程としては熱間圧延ま
までも良く、あるいは圧延材を焼準,焼戻しまたは焼入
れ焼戻しする工程を適用することもできる。また電縫溶
接後、電縫溶接部近傍のみあるいは鋼管全体を焼準,焼
戻し、または焼入れ焼戻しする工程を適用しても良い。
までも良く、あるいは圧延材を焼準,焼戻しまたは焼入
れ焼戻しする工程を適用することもできる。また電縫溶
接後、電縫溶接部近傍のみあるいは鋼管全体を焼準,焼
戻し、または焼入れ焼戻しする工程を適用しても良い。
【0054】その際前述のように硬さ分布に差のある部
位での応力集中による割れ発生を防止するために、電縫
衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の
最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大
値と最小値の差がビッカース硬さで30以内とする必要
がある。なお鋼あるいは鋼管に熱処理を施すか否かは、
上述の硬さの要求以外に強度,靱性等他の機械的性質確
保の必要に応じて決定すればよい。
位での応力集中による割れ発生を防止するために、電縫
衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の
最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大
値と最小値の差がビッカース硬さで30以内とする必要
がある。なお鋼あるいは鋼管に熱処理を施すか否かは、
上述の硬さの要求以外に強度,靱性等他の機械的性質確
保の必要に応じて決定すればよい。
【0055】
【実施例】以下本発明の効果を実施例によりさらに詳細
に説明する。表1は電縫鋼管を製作した鋼の組成を示
し、また表2は試験結果を示す。
に説明する。表1は電縫鋼管を製作した鋼の組成を示
し、また表2は試験結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】なお表2において、 注1)電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あたり
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2以
上かつ長径10μm以上の介在物数 注2)電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あたり
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2以
上かつ長径10μm未満の介在物数 注3)電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あたり
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2未
満の介在物数 注4)Hvmax −Hvmin 注5)単位はKgf/mm2 注6)表中Qは電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処理し
たもの,QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理したも
の,Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの,またFB
Nは電縫溶接後管体をノルマ処理したものである。
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2以
上かつ長径10μm以上の介在物数 注2)電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あたり
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2以
上かつ長径10μm未満の介在物数 注3)電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あたり
の横断面を切る介在物数(個)のうち長径/短径比2未
満の介在物数 注4)Hvmax −Hvmin 注5)単位はKgf/mm2 注6)表中Qは電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処理し
たもの,QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理したも
の,Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの,またFB
Nは電縫溶接後管体をノルマ処理したものである。
【0059】表1に示す組成の鋼を13mm厚の鋼板に
熱間圧延後、従来の工程にて電縫鋼管とした。特に鋼番
号A,B,Cは不活性ガス吹き込みによって溶鋼中の介
在物の除去を充分に行なったものであり、鋼番号D,
E,FはAlを多量に添加することによって鋼中の介在
物をほぼ完全にAl2 O3 としたものである。
熱間圧延後、従来の工程にて電縫鋼管とした。特に鋼番
号A,B,Cは不活性ガス吹き込みによって溶鋼中の介
在物の除去を充分に行なったものであり、鋼番号D,
E,FはAlを多量に添加することによって鋼中の介在
物をほぼ完全にAl2 O3 としたものである。
【0060】次にこれらの電縫鋼管の電縫溶接部C方向
から、図2に示す採取要領で定荷重方式の硫化物応力腐
食試験片5を採取した。その際、電縫溶接部がサンプル
の中央部を横切るようにした。
から、図2に示す採取要領で定荷重方式の硫化物応力腐
食試験片5を採取した。その際、電縫溶接部がサンプル
の中央部を横切るようにした。
【0061】耐硫化物応力腐食特性を評価する試験とし
ては、NACE TM−01−77標準試験法により試
験し、電縫溶接部C方向の降伏強度(σy)に対する限
界応力(σth)の比で評価し、σth/σy ≧0.75で
あれば良好であるとした。
ては、NACE TM−01−77標準試験法により試
験し、電縫溶接部C方向の降伏強度(σy)に対する限
界応力(σth)の比で評価し、σth/σy ≧0.75で
あれば良好であるとした。
【0062】表2に示す試験結果において、A1,B
1,C1,D1,E1,F1が本発明鋼であり、介在物
1で表す電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2以上かつ長径10μm以上の介在物数が5以下であ
り、△Hvが30以内であるため、良好な耐硫化物応力
腐食割れ特性(σth/σy ≧0.75)を示している。
1,C1,D1,E1,F1が本発明鋼であり、介在物
1で表す電縫衝合部から100μm以内の1mm2 あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2以上かつ長径10μm以上の介在物数が5以下であ
り、△Hvが30以内であるため、良好な耐硫化物応力
腐食割れ特性(σth/σy ≧0.75)を示している。
【0063】それに対し、A2,B2,C2,D2,E
2,F2は介在物1は5以下であるが、△Hvが30を
越えているため、耐硫化物応力腐食割れ特性の劣化が見
られる。またG1,H1,I1,J1,K1は△Hvが
30以内であるが、介在物1が5を越えているために、
耐硫化物応力腐食割れ特性の劣化が見られる。
2,F2は介在物1は5以下であるが、△Hvが30を
越えているため、耐硫化物応力腐食割れ特性の劣化が見
られる。またG1,H1,I1,J1,K1は△Hvが
30以内であるが、介在物1が5を越えているために、
耐硫化物応力腐食割れ特性の劣化が見られる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電縫鋼管
は、pHが低く厳しい環境下においても高強度にして優
れた耐硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井やガス井で
使用される管材,構造部材として、好適な鋼管の提供を
可能とするものである。
は、pHが低く厳しい環境下においても高強度にして優
れた耐硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井やガス井で
使用される管材,構造部材として、好適な鋼管の提供を
可能とするものである。
【図1】電縫鋼管の衝合部とその両側の酸化物系介在物
量を制限する領域を示す模式図である。
量を制限する領域を示す模式図である。
【図2】実施例における試験片の採取要領を示す図面で
ある。
ある。
1 電縫鋼管 2 衝合部 3 熱影響部 4 溶接方向 5 試験片
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、残部Feからなる鋼で製造
した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両側1
00μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断面で
みた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向の長
さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が1m
m2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、かつ電
縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定値
の最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ最
大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内であるこ
とを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼
管。 - 【請求項2】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%,Nb:0.01〜0.15%,V:0.01〜
0.30%,Ti:0.001〜0.050%,B:
0.0003〜0.0040%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含
まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状
として板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断
面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心と
して両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカ
ース硬さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差
がビッカース硬さで30以内であることを特徴とする耐
硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管。 - 【請求項3】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにCu:0.1〜2.
0%,Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0
%のうち1種または2種以上を含み、残部Feからなる
鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心とし
て両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち
横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在
物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以
内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優
れた電縫鋼管。 - 【請求項4】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%,Nb:0.01〜0.15%,V:0.01〜
0.30%,Ti:0.001〜0.050%、B:
0.0005〜0.0040%のうち1種または2種以
上およびCu:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.
5%,Cr:0.1〜3.0%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含
まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状
として板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断
面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心と
して両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカ
ース硬さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差
がビッカース硬さで30以内であることを特徴とする耐
硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21879992A JPH0641679A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21879992A JPH0641679A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0641679A true JPH0641679A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16725548
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21879992A Pending JPH0641679A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0641679A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001300730A (ja) * | 2000-04-17 | 2001-10-30 | Kawasaki Steel Corp | 油井用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管の接続方法 |
| CN102296233A (zh) * | 2010-06-23 | 2011-12-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 高频电阻焊石油套管用钢及其制造方法 |
| CN119710491A (zh) * | 2023-09-26 | 2025-03-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强度无缝管及其制造方法 |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP21879992A patent/JPH0641679A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001300730A (ja) * | 2000-04-17 | 2001-10-30 | Kawasaki Steel Corp | 油井用高強度マルテンサイト系ステンレス鋼管の接続方法 |
| CN102296233A (zh) * | 2010-06-23 | 2011-12-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 高频电阻焊石油套管用钢及其制造方法 |
| CN119710491A (zh) * | 2023-09-26 | 2025-03-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强度无缝管及其制造方法 |
| CN119710491B (zh) * | 2023-09-26 | 2026-01-16 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强度无缝管及其制造方法 |
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