JPH0718377A - 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 - Google Patents
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管Info
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- JPH0718377A JPH0718377A JP16256693A JP16256693A JPH0718377A JP H0718377 A JPH0718377 A JP H0718377A JP 16256693 A JP16256693 A JP 16256693A JP 16256693 A JP16256693 A JP 16256693A JP H0718377 A JPH0718377 A JP H0718377A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、耐硫化物応力腐食割れ性に優れた
電縫鋼管を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.35%、Si:0.50
〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%、Ca:
0.0005〜0.0080%、Al:0.005〜
0.100%を基本組成とし、必要に応じてMo、N
b、V、Ti、B、Cu、Ni、Crの1種または2種
以上を含有する鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝
合面を中心として両側100μm 以内に含まれる酸化物
系介在物のうち、横断面で見た介在物の形状として厚板
方向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径1
0μm 以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個
数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両側3
0mm以内での硬さ測定値がビッカース硬さで250以
下であり、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカー
ス硬さで100以上であることを特徴とする耐硫化物応
力腐食割れ性(耐SSC特性)に優れた電縫鋼管。 【効果】 pHが低く厳しい環境において耐SSC特性
を劣化することのない電縫鋼管を提供できる。
電縫鋼管を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.35%、Si:0.50
〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%、Ca:
0.0005〜0.0080%、Al:0.005〜
0.100%を基本組成とし、必要に応じてMo、N
b、V、Ti、B、Cu、Ni、Crの1種または2種
以上を含有する鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝
合面を中心として両側100μm 以内に含まれる酸化物
系介在物のうち、横断面で見た介在物の形状として厚板
方向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径1
0μm 以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個
数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両側3
0mm以内での硬さ測定値がビッカース硬さで250以
下であり、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカー
ス硬さで100以上であることを特徴とする耐硫化物応
力腐食割れ性(耐SSC特性)に優れた電縫鋼管。 【効果】 pHが低く厳しい環境において耐SSC特性
を劣化することのない電縫鋼管を提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤な硫化水素を含む
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCで表す)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管に
関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例えば
油井管やラインパイプとして好適な上記電縫鋼管に関す
るものである。
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCで表す)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管に
関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例えば
油井管やラインパイプとして好適な上記電縫鋼管に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年における油田やガス田の開発におい
ては、急速に増大しつつある需要と、それに応える技術
の進歩によって、従来放置されていたかあるいは開発困
難であった、地中深く埋蔵され、かつ硫化水素などの硫
化物でかなり汚染された、いわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられて来ている。
したがって、石油および天然ガスの生産分野において
は、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧力)、あ
るいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐えるととも
に、サワー環境下で使用しても充分に所望性能を発揮で
きる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性(以後耐
SSC特性で示す)に優れた鋼の開発が、一段と要望さ
れている。
ては、急速に増大しつつある需要と、それに応える技術
の進歩によって、従来放置されていたかあるいは開発困
難であった、地中深く埋蔵され、かつ硫化水素などの硫
化物でかなり汚染された、いわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられて来ている。
したがって、石油および天然ガスの生産分野において
は、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧力)、あ
るいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐えるととも
に、サワー環境下で使用しても充分に所望性能を発揮で
きる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性(以後耐
SSC特性で示す)に優れた鋼の開発が、一段と要望さ
れている。
【0003】鋼の耐SSC特性を向上させる手段につい
ては、1950年来種々の検討が加えられ、現在では例
えばNACE Standard MR−01−75に
示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度を抑えるこ
とが耐SSC特性向上に最も有効であるとされ、使用者
の要望に応えるため、これに基づくL−80がAPI規
格に加えられている。
ては、1950年来種々の検討が加えられ、現在では例
えばNACE Standard MR−01−75に
示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度を抑えるこ
とが耐SSC特性向上に最も有効であるとされ、使用者
の要望に応えるため、これに基づくL−80がAPI規
格に加えられている。
【0004】しかしながら、当然上記硬さの上限規制だ
けで耐SSC特性を向上できるわけではなく、他の要因
がいくつかあることがわかっている。この耐SSC特性
向上要因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。
サワー特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふ
くれ割れを低減することであり、この破壊は外部からの
負荷応力がなくとも発生が認められるものである。サワ
ー環境中で応力がかかった場合、応力軸と平行にこの水
素ふくれ割れが発生し、これらが連結することによって
破壊に到る場合があり、この水素ふくれ割れの発生を防
止することによって耐SSC特性を向上させるという考
え方である。
けで耐SSC特性を向上できるわけではなく、他の要因
がいくつかあることがわかっている。この耐SSC特性
向上要因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。
サワー特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふ
くれ割れを低減することであり、この破壊は外部からの
負荷応力がなくとも発生が認められるものである。サワ
ー環境中で応力がかかった場合、応力軸と平行にこの水
素ふくれ割れが発生し、これらが連結することによって
破壊に到る場合があり、この水素ふくれ割れの発生を防
止することによって耐SSC特性を向上させるという考
え方である。
【0005】ところで水素ふくれ割れは、環境中から侵
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
【0006】こうした水素ふくれ割れに対する抵抗の高
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の鋼
が提案されている。それらは例えば、CaやCo添加に
よる割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caある
いは希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するも
のであって、これらの技術によって現在までにかなり厳
しい環境にまで耐え得る鋼が開発されている。また、上
記サワー特性を向上させる種々の手段を用いることによ
って、耐SSC特性を向上させることが可能となってい
る。
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の鋼
が提案されている。それらは例えば、CaやCo添加に
よる割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caある
いは希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するも
のであって、これらの技術によって現在までにかなり厳
しい環境にまで耐え得る鋼が開発されている。また、上
記サワー特性を向上させる種々の手段を用いることによ
って、耐SSC特性を向上させることが可能となってい
る。
【0007】ところで、電縫鋼管はホットコイル等の鋼
板を成形し電縫溶接するものであって、鋼板との決定的
な相違は言うまでもなく溶接部および溶接熱影響部が存
在することである。しかるに、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性、それもC方向について検討された例は従来
ほとんど見あたらない。これは通常の製造工程において
MnS等のA系硫化物系介在物が多く存在するのは大型
鋼塊では逆偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中
心偏析部であって、鋼板のエッジ部には、非常に少ない
こと、板面平行割れを助長するMn、Pのミクロ偏析が
激しいのもMnSなどのA系硫化物系介在物が多く存在
する部位と同様の部位であってエッジ部にはほとんど存
在しないことなどの理由から、鋼板のエッジ部同士を電
縫溶接して製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周
辺部分の耐SSC特性は良好であると理解されてきたか
らである。また、1つのホットコイルを幅方向に2以上
に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管で
は、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中心
偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、S
SCに対する認識はあった。しかしこの場合にも対策と
しては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減少と
いった母材と同様の対策が施されてきた。
板を成形し電縫溶接するものであって、鋼板との決定的
な相違は言うまでもなく溶接部および溶接熱影響部が存
在することである。しかるに、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性、それもC方向について検討された例は従来
ほとんど見あたらない。これは通常の製造工程において
MnS等のA系硫化物系介在物が多く存在するのは大型
鋼塊では逆偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中
心偏析部であって、鋼板のエッジ部には、非常に少ない
こと、板面平行割れを助長するMn、Pのミクロ偏析が
激しいのもMnSなどのA系硫化物系介在物が多く存在
する部位と同様の部位であってエッジ部にはほとんど存
在しないことなどの理由から、鋼板のエッジ部同士を電
縫溶接して製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周
辺部分の耐SSC特性は良好であると理解されてきたか
らである。また、1つのホットコイルを幅方向に2以上
に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管で
は、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中心
偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、S
SCに対する認識はあった。しかしこの場合にも対策と
しては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減少と
いった母材と同様の対策が施されてきた。
【0008】これに対し、本発明者らは電縫鋼管の電縫
溶接部C方向について耐SSC特性を詳細に調査した結
果、MnS等の硫化物系介在物が存在しない場合でも電
縫溶接部の耐SSC特性の劣化する場合のあることを見
出した。ただし、電縫溶接部の場合には板面垂直型の水
素ふくれ割れがSSCの起点となっていることが母材部
とは異なっており、このため母材部に比較してよりSS
Cを起こしやすいことが懸念される。さらに、この種の
水素ふくれ割れを起点としたSSCは、本質的に鋼板エ
ッジ部にミクロ偏析の少ない単幅材であっても発生する
ことがわかった。この板面に垂直な水素ふくれ割れを起
点とした電縫溶接部のSSCは従来知られていないもの
であって、母材の板面平行の水素ふくれ割れを起点とす
るSSC以上に重大な問題である。しかしこの割れは、
従来の水素ふくれ割れに対する対策鋼を使用した電縫鋼
管でも発生し、従来技術では防止できないことがわかっ
た。
溶接部C方向について耐SSC特性を詳細に調査した結
果、MnS等の硫化物系介在物が存在しない場合でも電
縫溶接部の耐SSC特性の劣化する場合のあることを見
出した。ただし、電縫溶接部の場合には板面垂直型の水
素ふくれ割れがSSCの起点となっていることが母材部
とは異なっており、このため母材部に比較してよりSS
Cを起こしやすいことが懸念される。さらに、この種の
水素ふくれ割れを起点としたSSCは、本質的に鋼板エ
ッジ部にミクロ偏析の少ない単幅材であっても発生する
ことがわかった。この板面に垂直な水素ふくれ割れを起
点とした電縫溶接部のSSCは従来知られていないもの
であって、母材の板面平行の水素ふくれ割れを起点とす
るSSC以上に重大な問題である。しかしこの割れは、
従来の水素ふくれ割れに対する対策鋼を使用した電縫鋼
管でも発生し、従来技術では防止できないことがわかっ
た。
【0009】こうした全く新しいタイプの板面垂直型水
素ふくれ割れを起点とするSSCに対する抵抗の高い鋼
管として、特開平4−218799号公報記載のものが
ある。これは、電縫衝合面に含まれる酸化物系介在物の
うち、延伸した介在物の個数を制限するとともに、電縫
衝合面での硬さ測定値の最大値および最大値と最小値の
差を規定したことに特徴を有する。
素ふくれ割れを起点とするSSCに対する抵抗の高い鋼
管として、特開平4−218799号公報記載のものが
ある。これは、電縫衝合面に含まれる酸化物系介在物の
うち、延伸した介在物の個数を制限するとともに、電縫
衝合面での硬さ測定値の最大値および最大値と最小値の
差を規定したことに特徴を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記特開平4
−218799号公報の発明においては、電縫衝合面で
の硬さの最大値の規定はともかく、最大値と最小値の差
を減少させることは、実操業上かなりの困難を伴う。ま
たビッカース硬さで示される硬さの測定領域には軟化相
も硬化相も含まれるため、緻密な意味での組織を考慮し
た硬さの規定とは言えない。本発明は、これらを解決し
ようとするものである。
−218799号公報の発明においては、電縫衝合面で
の硬さの最大値の規定はともかく、最大値と最小値の差
を減少させることは、実操業上かなりの困難を伴う。ま
たビッカース硬さで示される硬さの測定領域には軟化相
も硬化相も含まれるため、緻密な意味での組織を考慮し
た硬さの規定とは言えない。本発明は、これらを解決し
ようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
問題点を解決すべく研究を続けた結果、電縫衝合面を中
心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビ
ッカース硬さで250以下で、かつその領域での最軟化
相の硬さがビッカース硬さで100以上である必要性を
見出した。硬さの最大値の規制は従来からの知見である
が、最軟化相の硬さの下限値規制の必要性に関しては、
最軟化相での応力集中による割れの発生が耐SSC特性
を劣化するためと考えられる。また本発明者らは、最軟
化相の硬さの下限を規定するための方法を種々検討した
結果、Siの固溶によるフェライト相の硬化が有効であ
ることを見出した。
問題点を解決すべく研究を続けた結果、電縫衝合面を中
心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビ
ッカース硬さで250以下で、かつその領域での最軟化
相の硬さがビッカース硬さで100以上である必要性を
見出した。硬さの最大値の規制は従来からの知見である
が、最軟化相の硬さの下限値規制の必要性に関しては、
最軟化相での応力集中による割れの発生が耐SSC特性
を劣化するためと考えられる。また本発明者らは、最軟
化相の硬さの下限を規定するための方法を種々検討した
結果、Siの固溶によるフェライト相の硬化が有効であ
ることを見出した。
【0012】本発明はこうした知見に基づいてなされた
もので、その要旨とするところは以下のとおりである。 (1)C:0.05〜0.35%、Si:0.50〜
2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加えてCa
を0.0005〜0.0080%とAlを0.005〜
0.100%含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中
心として両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物
のうち横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さ
と円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上
の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下
であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内
での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下
であり、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース
硬さで100以上であることを特徴とする耐硫化物応力
腐食割れ性の優れた電縫鋼管。
もので、その要旨とするところは以下のとおりである。 (1)C:0.05〜0.35%、Si:0.50〜
2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加えてCa
を0.0005〜0.0080%とAlを0.005〜
0.100%含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中
心として両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物
のうち横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さ
と円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上
の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下
であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内
での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下
であり、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース
硬さで100以上であることを特徴とする耐硫化物応力
腐食割れ性の優れた電縫鋼管。
【0013】(2)C:0.05〜0.35%、Si:
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにMo:0.1
〜2.0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.0
1〜0.30%、Ti:0.001〜0.050%、
B:0.0003〜0.0040%のうち1種または2
種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心とし
て両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち
横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在
物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さ
で100以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性の優れた電縫鋼管。
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにMo:0.1
〜2.0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.0
1〜0.30%、Ti:0.001〜0.050%、
B:0.0003〜0.0040%のうち1種または2
種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心とし
て両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち
横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在
物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さ
で100以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性の優れた電縫鋼管。
【0014】(3)C:0.05〜0.35%、Si:
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにCu:0.1
〜2.0%、Ni:0.1〜9.5%、Cr:0.1〜
3.0%のうち1種または2種以上を含み、残部Feお
よび不可避的不純物からなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含
まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状
として板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断
面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心と
して両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカ
ース硬さで250以下であり、かつその領域での最軟化
相の硬さがビッカース硬さで100以上であることを特
徴とする耐硫化物応力腐食割れ性の優れた電縫鋼管。
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにCu:0.1
〜2.0%、Ni:0.1〜9.5%、Cr:0.1〜
3.0%のうち1種または2種以上を含み、残部Feお
よび不可避的不純物からなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含
まれる酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状
として板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上で
かつ長径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断
面を切る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心と
して両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカ
ース硬さで250以下であり、かつその領域での最軟化
相の硬さがビッカース硬さで100以上であることを特
徴とする耐硫化物応力腐食割れ性の優れた電縫鋼管。
【0015】(4)C:0.05〜0.35%、Si:
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにMo:0.1
〜2.0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.0
1〜0.30%、Ti:0.001〜0.050%、
B:0.0003〜0.0040%のうち1種または2
種以上およびCu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜
9.5%、Cr:0.1〜3.0%のうち1種または2
種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心とし
て両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち
横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在
物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さ
で100以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性の優れた電縫鋼管。
0.50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に
加えてCaを0.0005〜0.0080%とAlを
0.005〜0.100%含有し、さらにMo:0.1
〜2.0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.0
1〜0.30%、Ti:0.001〜0.050%、
B:0.0003〜0.0040%のうち1種または2
種以上およびCu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜
9.5%、Cr:0.1〜3.0%のうち1種または2
種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心とし
て両側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち
横断面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在
物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さ
で100以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性の優れた電縫鋼管。
【0016】
【作用】以下に作用とともに本発明を詳細に説明する。
まず本発明は、耐SSC特性に優れた電縫鋼管全般を対
象とするものであるが、上記成分を規定する理由は以下
のとおりである。Cは鋼材の強度を高める作用があり、
0.05%以上添加されるが、0.35%を超えて添加
されると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.
05〜0.35%とした。
まず本発明は、耐SSC特性に優れた電縫鋼管全般を対
象とするものであるが、上記成分を規定する理由は以下
のとおりである。Cは鋼材の強度を高める作用があり、
0.05%以上添加されるが、0.35%を超えて添加
されると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.
05〜0.35%とした。
【0017】Siは固溶体強化作用があり、鋼材の強度
および延性を改善する作用がある。特にフェライトの硬
さを向上させるためには、0.50%以上添加する必要
があるが、2.50%を超えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.50〜2.50%と
した。MnもCと同様、鋼材の強度を高める作用があ
り、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.0
0%を超えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく、溶接性を損害することから、その含有量を
0.30〜2.00%とした。
および延性を改善する作用がある。特にフェライトの硬
さを向上させるためには、0.50%以上添加する必要
があるが、2.50%を超えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.50〜2.50%と
した。MnもCと同様、鋼材の強度を高める作用があ
り、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.0
0%を超えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく、溶接性を損害することから、その含有量を
0.30〜2.00%とした。
【0018】Caは硫化物系介在物の形態制御により、
SSCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中介
在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量を
0.0005〜0.0080%とした。Alは製鋼段階
の脱酸のために必要であり、その下限を0.005%と
した。また0.100%を超えて添加されると介在物の
量が増加して鋼の清浄性が失われること、および製鋼作
業に支障をきたすことなどから、その範囲を0.005
〜0.100%とした。
SSCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中介
在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量を
0.0005〜0.0080%とした。Alは製鋼段階
の脱酸のために必要であり、その下限を0.005%と
した。また0.100%を超えて添加されると介在物の
量が増加して鋼の清浄性が失われること、および製鋼作
業に支障をきたすことなどから、その範囲を0.005
〜0.100%とした。
【0019】Moは強度上昇に有用で、フェライトの硬
さを向上させるために0.10%以上添加されるが、多
くなると溶接性を阻害するため、その範囲を0.10〜
2.0%とした。Nbはオーステナイト粒の細粒化や強
度上昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなる
と溶接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.1
5%とした。
さを向上させるために0.10%以上添加されるが、多
くなると溶接性を阻害するため、その範囲を0.10〜
2.0%とした。Nbはオーステナイト粒の細粒化や強
度上昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなる
と溶接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.1
5%とした。
【0020】Vは析出強化に有用で0.01%以上添加
されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲
を0.01〜0.30%とした。Tiはオーステナイト
粒の細粒化に有用で、0.001%以上添加されるが、
多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を0.00
1〜0.050%とした。
されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲
を0.01〜0.30%とした。Tiはオーステナイト
粒の細粒化に有用で、0.001%以上添加されるが、
多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を0.00
1〜0.050%とした。
【0021】Bは微量の添加によって鋼の焼入れ性を著
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。Cuは強度上昇、耐食性向上に有効で0.1%以上
添加されるが、2.0%を超えて添加しても強度の上昇
代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1〜2.0
%とした。
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。Cuは強度上昇、耐食性向上に有効で0.1%以上
添加されるが、2.0%を超えて添加しても強度の上昇
代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1〜2.0
%とした。
【0022】Niは低温靱性の改善に有効で0.1%以
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。Crは強度上昇や耐食性向上
に有効で0.1%以上添加されるが、多くなると低温靱
性、溶接性を阻害するため、その範囲を0.1〜3.0
%とした。またPは母材の水素ふくれ割れを伝播しやす
くする元素であり、0.03%以下とすべきである。
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。Crは強度上昇や耐食性向上
に有効で0.1%以上添加されるが、多くなると低温靱
性、溶接性を阻害するため、その範囲を0.1〜3.0
%とした。またPは母材の水素ふくれ割れを伝播しやす
くする元素であり、0.03%以下とすべきである。
【0023】またSはMnと結合して母材部の水素ふく
れ割れの起点となるMnSをつくるので、0.005%
以下に抑えるべきである。次に、前述のとおり電縫衝合
面を中心として両側100μm以内に含まれる酸化物系
介在物のうち、横断面でみた介在物の形状として板厚方
向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10
μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数
が5以下とする必要があるが、これは次に基づくもので
ある。
れ割れの起点となるMnSをつくるので、0.005%
以下に抑えるべきである。次に、前述のとおり電縫衝合
面を中心として両側100μm以内に含まれる酸化物系
介在物のうち、横断面でみた介在物の形状として板厚方
向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10
μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数
が5以下とする必要があるが、これは次に基づくもので
ある。
【0024】まず、介在物を規定する範囲を電縫衝合部
を中心として両側100μm以内に定めたのは、電縫衝
合面を含む試験片での数多くの耐SSC試験と詳細な観
察の結果、SSC発生の起点となる水素ふくれ割れの発
生しているのは、電縫衝合部の中心から両側100μm
以内であり、その起点となる板状の酸化物系介在物も1
00μm以内にほとんど集合しているからであり、10
0μmを超える範囲には非常に希にしか存在せず、割れ
が核発生しても連結しないので巨視的な割れには成長し
得ないからである。
を中心として両側100μm以内に定めたのは、電縫衝
合面を含む試験片での数多くの耐SSC試験と詳細な観
察の結果、SSC発生の起点となる水素ふくれ割れの発
生しているのは、電縫衝合部の中心から両側100μm
以内であり、その起点となる板状の酸化物系介在物も1
00μm以内にほとんど集合しているからであり、10
0μmを超える範囲には非常に希にしか存在せず、割れ
が核発生しても連結しないので巨視的な割れには成長し
得ないからである。
【0025】次に、対象とする介在物として酸化物系介
在物に着目したのは、前述のごとく酸化物系介在物は溶
接の熱影響とスクイズ・ロールによる加圧によって変形
し、水素ふくれ割れの原因となるからである。ここで、
本発明でいう酸化物系介在物とは、酸化物および酸化物
を主体として少量の硫化物を含む複合物からなる介在物
を指す。なお参考までに付け加えるならば、本発明はも
とより母材部の耐サワー性確保のため硫化物系介在物量
を著しく減少させた鋼が主たる対象となっているもので
あるから、酸化物系介在物量に着目したものである。
在物に着目したのは、前述のごとく酸化物系介在物は溶
接の熱影響とスクイズ・ロールによる加圧によって変形
し、水素ふくれ割れの原因となるからである。ここで、
本発明でいう酸化物系介在物とは、酸化物および酸化物
を主体として少量の硫化物を含む複合物からなる介在物
を指す。なお参考までに付け加えるならば、本発明はも
とより母材部の耐サワー性確保のため硫化物系介在物量
を著しく減少させた鋼が主たる対象となっているもので
あるから、酸化物系介在物量に着目したものである。
【0026】介在物の形状として板厚方向の長さと円周
方向の長さとの比を2以上としたのは、詳細な観察の結
果このような板状に変形した介在物が割れの核発生に対
し起点となること、逆に板厚方向の長さと円周方向の長
さとの比が2未満の介在物は割れ発生に対しては有害で
ないことが実験の結果明らかになったためである。な
お、本発明においては酸化物系介在物の変形の方向性を
板厚方向と円周方向について規定しているが、介在物の
変形が溶接加熱時の加熱によって生ずることから、酸化
物系介在物は必ずしも正しく板厚方向に伸びているわけ
ではなく、いくらか斜めになっているものもあるが、も
ちろん少々斜めになっていても割れの起点となることに
全く変わりはないのである。本発明では、このような介
在物については斜めとなった最長方向の長さとそれに直
角な方向の長さとの比が2以上のものについて考える。
また、長径10μm以上の介在物としたのは、長さ比が
2以上であっても長径が10μm未満の微細な介在物は
割れの起点とならないことを実験によって見出したこと
に基づくものである。
方向の長さとの比を2以上としたのは、詳細な観察の結
果このような板状に変形した介在物が割れの核発生に対
し起点となること、逆に板厚方向の長さと円周方向の長
さとの比が2未満の介在物は割れ発生に対しては有害で
ないことが実験の結果明らかになったためである。な
お、本発明においては酸化物系介在物の変形の方向性を
板厚方向と円周方向について規定しているが、介在物の
変形が溶接加熱時の加熱によって生ずることから、酸化
物系介在物は必ずしも正しく板厚方向に伸びているわけ
ではなく、いくらか斜めになっているものもあるが、も
ちろん少々斜めになっていても割れの起点となることに
全く変わりはないのである。本発明では、このような介
在物については斜めとなった最長方向の長さとそれに直
角な方向の長さとの比が2以上のものについて考える。
また、長径10μm以上の介在物としたのは、長さ比が
2以上であっても長径が10μm未満の微細な介在物は
割れの起点とならないことを実験によって見出したこと
に基づくものである。
【0027】さらに本発明において、これらの介在物が
1mm2 あたりの横断面を切る個数を5以下としたの
は、前述のような形状および寸法の介在物が1mm2 あ
たり5個を超えて横断面を切る場合に、核発生した水素
ふくれ割れが相互に連結されることを実験によって見出
したことに基づくものである。以上のような要件を満足
させるためには、例えば以下に述べるような技術を適用
することによって達成が可能である。まず溶鋼の脱酸、
脱硫あるいはCa添加などの処理後に残留する酸化物系
介在物を徹底的に除去することが有効であり、これは例
えば溶鋼容器の底からの不活性ガスの吹き込みによって
溶鋼介在物の浮上を促進することによって実現できる。
また例えばAlやTiのような高融点酸化物を形成する
元素を多量に添加して、鋼中の酸化物系介在物を単一成
分かつ高融点の化合物に変化させて、溶接時に変形しに
くくすることも有効である。
1mm2 あたりの横断面を切る個数を5以下としたの
は、前述のような形状および寸法の介在物が1mm2 あ
たり5個を超えて横断面を切る場合に、核発生した水素
ふくれ割れが相互に連結されることを実験によって見出
したことに基づくものである。以上のような要件を満足
させるためには、例えば以下に述べるような技術を適用
することによって達成が可能である。まず溶鋼の脱酸、
脱硫あるいはCa添加などの処理後に残留する酸化物系
介在物を徹底的に除去することが有効であり、これは例
えば溶鋼容器の底からの不活性ガスの吹き込みによって
溶鋼介在物の浮上を促進することによって実現できる。
また例えばAlやTiのような高融点酸化物を形成する
元素を多量に添加して、鋼中の酸化物系介在物を単一成
分かつ高融点の化合物に変化させて、溶接時に変形しに
くくすることも有効である。
【0028】あるいは電縫溶接時のスクイズ・ロールに
よる加圧力を低下して、酸化物系介在物の変化を防止す
るか、あるいは減少させることも極めて有効である。た
だしこの場合、電縫溶接欠陥を生じないような溶接条件
および加圧力の制御が必要であることは言うまでもな
い。その他様々な技術を適用することができるが、要す
るに板状の介在物の原因となる母材中の酸化物系介在物
を減少させておくか、溶接時に変形しにくい組成の介在
物を積極的に形成するか、あるいは電縫溶接時の変形の
少ない溶接とするかなどによって本発明の要件を満足さ
せることが可能である。
よる加圧力を低下して、酸化物系介在物の変化を防止す
るか、あるいは減少させることも極めて有効である。た
だしこの場合、電縫溶接欠陥を生じないような溶接条件
および加圧力の制御が必要であることは言うまでもな
い。その他様々な技術を適用することができるが、要す
るに板状の介在物の原因となる母材中の酸化物系介在物
を減少させておくか、溶接時に変形しにくい組成の介在
物を積極的に形成するか、あるいは電縫溶接時の変形の
少ない溶接とするかなどによって本発明の要件を満足さ
せることが可能である。
【0029】本発明の鋼の製造工程としては、熱間圧延
ままでもよく、あるいは圧延材を焼準、焼戻しまたは焼
入れ焼戻しする工程を適用することもできる。また電縫
溶接後、電縫溶接部近傍のみか、あるいは鋼管全体を焼
準、焼戻し、または焼入れ焼戻しする工程を適用しても
良い。その際前述のように硬さ分布に差のある部位での
応力集中による割れ発生を防止するために、電縫衝合面
を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値
がビッカース硬さで250以下であり、かつその領域で
の最軟化相の硬さをビッカース硬さで100以上とする
必要がある。通常シーム熱処理された電縫溶接部の最軟
化相はフェライトであるが、管体の熱処理によっては焼
戻しマルテンサイトの場合もある。その際、最軟化相の
硬さの測定方法としては、粒内の硬さを正確に測定する
ために、荷重を1.0gf以下とすることが望ましい。
なお、鋼あるいは鋼管に熱処理を施すか否かは、上述の
硬さの要求以外に、強度、靱性等他の機械的性質確保の
必要に応じて決定すればよい。
ままでもよく、あるいは圧延材を焼準、焼戻しまたは焼
入れ焼戻しする工程を適用することもできる。また電縫
溶接後、電縫溶接部近傍のみか、あるいは鋼管全体を焼
準、焼戻し、または焼入れ焼戻しする工程を適用しても
良い。その際前述のように硬さ分布に差のある部位での
応力集中による割れ発生を防止するために、電縫衝合面
を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値
がビッカース硬さで250以下であり、かつその領域で
の最軟化相の硬さをビッカース硬さで100以上とする
必要がある。通常シーム熱処理された電縫溶接部の最軟
化相はフェライトであるが、管体の熱処理によっては焼
戻しマルテンサイトの場合もある。その際、最軟化相の
硬さの測定方法としては、粒内の硬さを正確に測定する
ために、荷重を1.0gf以下とすることが望ましい。
なお、鋼あるいは鋼管に熱処理を施すか否かは、上述の
硬さの要求以外に、強度、靱性等他の機械的性質確保の
必要に応じて決定すればよい。
【0030】以下本発明の効果を実施例によりさらに詳
細に説明する。
細に説明する。
【0031】
【実施例】表1に示す組成の鋼を13mm厚の鋼板に熱
間圧延後、通常の工程にて電縫鋼管とした。特にA〜C
は不活性ガス吹き込みによって溶鋼中の介在物の除去を
充分に行なったものであり、D〜FはAlを多量に添加
することによって鋼中の介在物をほぼ完全にAl2 O3
としたものである。
間圧延後、通常の工程にて電縫鋼管とした。特にA〜C
は不活性ガス吹き込みによって溶鋼中の介在物の除去を
充分に行なったものであり、D〜FはAlを多量に添加
することによって鋼中の介在物をほぼ完全にAl2 O3
としたものである。
【0032】次にこれらの電縫鋼管の電縫溶接部C方向
から、図2に示す要領で定荷重方式のSSC試験片を採
取した。その際、電縫溶接部がサンプルの中央部を横切
るようにした。耐SSC特性を評価する試験としては、
NACE TM−01−77標準試験法により試験し、
限界応力(σth)の絶対値と電縫溶接部C方向の降伏
強度(σy)に対する限界応力(σth)の比で評価
し、σth≧358N/mm2 とσth/σy≧0.7
5の両方を満足すれば良好であるとした。σth≧35
8N/mm2 は、API5LX65の規格降伏強度下限
の80%から算出した。
から、図2に示す要領で定荷重方式のSSC試験片を採
取した。その際、電縫溶接部がサンプルの中央部を横切
るようにした。耐SSC特性を評価する試験としては、
NACE TM−01−77標準試験法により試験し、
限界応力(σth)の絶対値と電縫溶接部C方向の降伏
強度(σy)に対する限界応力(σth)の比で評価
し、σth≧358N/mm2 とσth/σy≧0.7
5の両方を満足すれば良好であるとした。σth≧35
8N/mm2 は、API5LX65の規格降伏強度下限
の80%から算出した。
【0033】表2中に上記試験結果を示す。A1、B
1、C1、D1が本発明鋼であり、介在物1(電縫衝合
部から100μm以内の1mm2 あたりの横断面を切る
介在物数(個)のうち、長径/短径比2以上かつ長径1
0μm以上の介在物数)が5以下であり、Hvの最大値
が250以下であり、最軟化相の硬さが100以上であ
るため、良好な耐SSC特性(σth/σy≧0.7
5)を示している。これに対し、A2、B2、C2、D
2は介在物1は5以下であり、かつ最軟化相の硬さが1
00以上であるが、Hvの最大値が250超であるため
に、σth/σy<0.75となっている。またE1、
F1は、鋼中Si添加量が0.50%未満であるために
最軟化相であるフェライトの硬さが100未満となり、
σth<358N/mm2 となっている。またG1、H
1、I1、J1、K1は、Hvの最大値が250以下で
あり、最軟化相の硬さが100以上であるが、介在物1
が5個を超えているために、σth/σy<0.75と
なっている。
1、C1、D1が本発明鋼であり、介在物1(電縫衝合
部から100μm以内の1mm2 あたりの横断面を切る
介在物数(個)のうち、長径/短径比2以上かつ長径1
0μm以上の介在物数)が5以下であり、Hvの最大値
が250以下であり、最軟化相の硬さが100以上であ
るため、良好な耐SSC特性(σth/σy≧0.7
5)を示している。これに対し、A2、B2、C2、D
2は介在物1は5以下であり、かつ最軟化相の硬さが1
00以上であるが、Hvの最大値が250超であるため
に、σth/σy<0.75となっている。またE1、
F1は、鋼中Si添加量が0.50%未満であるために
最軟化相であるフェライトの硬さが100未満となり、
σth<358N/mm2 となっている。またG1、H
1、I1、J1、K1は、Hvの最大値が250以下で
あり、最軟化相の硬さが100以上であるが、介在物1
が5個を超えているために、σth/σy<0.75と
なっている。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】注1):電縫衝合部から100μm以内の
1mm2あたりの横断面を切る介在物数(個)のうち、
長径/短径比2以上かつ長径10μm以上の介在物数。 注2):電縫衝合部から100μm以内の1mm2あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2以上かつ長径10μm未満の介在物数。 注3):電縫衝合部から100μm以内の1mm2あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2未満の介在物数。 注4)電縫衝合面を中心として両側30mm以内での、
荷重500gのビッカース硬さの最大値。 注5):荷重0.5gで測定した最軟化相のビッカース
硬さ。 注6):単位は、N/mm2。 注7):表中Qは、電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処
理したもの。QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理を
したもの。Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの。ま
たFBNは、電縫溶接後管体をノルマ処理したもの。
1mm2あたりの横断面を切る介在物数(個)のうち、
長径/短径比2以上かつ長径10μm以上の介在物数。 注2):電縫衝合部から100μm以内の1mm2あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2以上かつ長径10μm未満の介在物数。 注3):電縫衝合部から100μm以内の1mm2あた
りの横断面を切る介在物数(個)のうち、長径/短径比
2未満の介在物数。 注4)電縫衝合面を中心として両側30mm以内での、
荷重500gのビッカース硬さの最大値。 注5):荷重0.5gで測定した最軟化相のビッカース
硬さ。 注6):単位は、N/mm2。 注7):表中Qは、電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処
理したもの。QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理を
したもの。Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの。ま
たFBNは、電縫溶接後管体をノルマ処理したもの。
【0037】
【発明の効果】前記の試験結果からわかるとおり、本発
明はpHが低く厳しい環境においても耐SSC特性を劣
化することのない電縫鋼管を提供することを可能とした
ものであり、産業の発展に貢献するところ極めて大なる
ものがある。
明はpHが低く厳しい環境においても耐SSC特性を劣
化することのない電縫鋼管を提供することを可能とした
ものであり、産業の発展に貢献するところ極めて大なる
ものがある。
【図1】電縫鋼管の衝合部とその両側の酸化物系介在物
量を制限する領域を示す模式図である。
量を制限する領域を示す模式図である。
【図2】実施例における試験片の採取要領を示す図であ
る。
る。
1 電縫鋼管 2 衝合部 3 熱影響部 4 溶接方向 5 試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/16
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.35%、Si:0.
50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼で製造した電縫鋼管において、電縫衝合
面を中心として両側100μm以内に含まれる酸化物系
介在物のうち横断面でみた介在物の形状として板厚方向
の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長径10μ
m以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切る個数が
5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30m
m以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで25
0以下であり、かつその領域での最軟化相の硬さがビッ
カース硬さで100以上であることを特徴とする耐硫化
物応力腐食割れ性の優れた電縫鋼管。 - 【請求項2】 C:0.05〜0.35%、Si:0.
50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.01〜
0.30%、Ti:0.001〜0.050%、B:
0.0003〜0.0040%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼で
製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両
側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断
面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向
の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が
1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、か
つ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測
定値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、か
つその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さで10
0以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性
の優れた電縫鋼管。 - 【請求項3】 C:0.05〜0.35%、Si:0.
50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにCu:0.1〜2.
0%、Ni:0.1〜9.5%、Cr:0.1〜3.0
%のうち1種または2種以上を含み、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼で製造した電縫鋼管において、
電縫衝合面を中心として両側100μm以内に含まれる
酸化物系介在物のうち横断面でみた介在物の形状として
板厚方向の長さと円周方向の長さの比が2以上でかつ長
径10μm以上の介在物が1mm2 あたりの横断面を切
る個数が5以下であり、かつ電縫衝合面を中心として両
側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬
さで250以下であり、かつその領域での最軟化相の硬
さがビッカース硬さで100以上であることを特徴とす
る耐硫化物応力腐食割れ性の優れた電縫鋼管。 - 【請求項4】 C:0.05〜0.35%、Si:0.
50〜2.50%、Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%、Nb:0.01〜0.15%、V:0.01〜
0.30%、Ti:0.001〜0.050%、B:
0.0003〜0.0040%のうち1種または2種以
上およびCu:0.1〜2.0%、Ni:0.1〜9.
5%、Cr:0.1〜3.0%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼で
製造した電縫鋼管において、電縫衝合面を中心として両
側100μm以内に含まれる酸化物系介在物のうち横断
面でみた介在物の形状として板厚方向の長さと円周方向
の長さの比が2以上でかつ長径10μm以上の介在物が
1mm2 あたりの横断面を切る個数が5以下であり、か
つ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測
定値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、か
つその領域での最軟化相の硬さがビッカース硬さで10
0以上であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性
の優れた電縫鋼管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16256693A JPH0718377A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16256693A JPH0718377A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0718377A true JPH0718377A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15757028
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16256693A Withdrawn JPH0718377A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0718377A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101008174B1 (ko) * | 2007-09-20 | 2011-01-13 | 주식회사 포스코 | Sohic 저항성이 우수한 강재 |
| JP2012246550A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の成形性、低温靭性および耐疲労特性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 |
| JP2012246548A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の耐hic性と低温靭性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16256693A patent/JPH0718377A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101008174B1 (ko) * | 2007-09-20 | 2011-01-13 | 주식회사 포스코 | Sohic 저항성이 우수한 강재 |
| JP2012246550A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の成形性、低温靭性および耐疲労特性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 |
| JP2012246548A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の耐hic性と低温靭性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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