JPH0641684A - 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 - Google Patents
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管Info
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- JPH0641684A JPH0641684A JP21880092A JP21880092A JPH0641684A JP H0641684 A JPH0641684 A JP H0641684A JP 21880092 A JP21880092 A JP 21880092A JP 21880092 A JP21880092 A JP 21880092A JP H0641684 A JPH0641684 A JP H0641684A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、油井やガス井等湿潤な硫化水素を
含む環境下にて使用される電縫鋼管を提供する。 【構成】 電縫鋼管の組成のS,O,Caの含有量が下
記数式を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)
m (Al2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比
がm/n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差が
ビッカース硬さで30以内とした電縫鋼管である。 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5 【効果】 pHが低く厳しい環境下においても優れた耐
硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井等で使用される構
造部材として好適な鋼管の提供を可能とする。
含む環境下にて使用される電縫鋼管を提供する。 【構成】 電縫鋼管の組成のS,O,Caの含有量が下
記数式を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)
m (Al2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比
がm/n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差が
ビッカース硬さで30以内とした電縫鋼管である。 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5 【効果】 pHが低く厳しい環境下においても優れた耐
硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井等で使用される構
造部材として好適な鋼管の提供を可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤な硫化水素を含む
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCと称する)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管
に関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例え
ば油井管やラインパイプとして好適な電縫鋼管に関する
ものである。
環境によって引き起こされる硫化物応力腐食割れ(以下
SSCと称する)に対して高い抵抗性を有する電縫鋼管
に関し、特に油井やガス井で使用される構造部材、例え
ば油井管やラインパイプとして好適な電縫鋼管に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年における油田やガス田の開発におい
ては、急速に増大しつつある需要とそれに応える技術の
進歩によって、従来放置されていたか或いは開発困難で
あったところの、地中深く埋蔵されかつ硫化水素などの
硫化物でかなり汚染されたいわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられてきている。
ては、急速に増大しつつある需要とそれに応える技術の
進歩によって、従来放置されていたか或いは開発困難で
あったところの、地中深く埋蔵されかつ硫化水素などの
硫化物でかなり汚染されたいわゆるサワー環境下にある
油やガスにまで次第に開発の目が向けられてきている。
【0003】従って石油および天然ガスの生産分野にお
いては、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧
力)、あるいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐え
るとともに、サワー環境下で使用しても充分に所望性能
を発揮できる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性
(以下SSC特性と称する)に優れた鋼の開発が一段と
要望されている。
いては、外圧(地層の圧力)や内圧(油やガスの圧
力)、あるいは鋼材の自重による引っ張り荷重等に耐え
るとともに、サワー環境下で使用しても充分に所望性能
を発揮できる、高強度にして耐硫化物応力腐食割れ特性
(以下SSC特性と称する)に優れた鋼の開発が一段と
要望されている。
【0004】鋼の耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる
手段については、1950年来種々の検討が加えられ、
現在では例えばNACE Standard MR−0
1−75に示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度
を押えることがSSC特性向上に最も有効であるとさ
れ、使用者の要望にこたえるため、これに基ずくL−8
0がAPI規格に加えられている。
手段については、1950年来種々の検討が加えられ、
現在では例えばNACE Standard MR−0
1−75に示された硬度(強度)の上限以下に鋼の強度
を押えることがSSC特性向上に最も有効であるとさ
れ、使用者の要望にこたえるため、これに基ずくL−8
0がAPI規格に加えられている。
【0005】しかしながら、当然上記硬さの上限規制だ
けでSSC特性を向上できるわけではなく、他の要因が
いくつかあることが判っている。このSSC特性向上要
因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。サワー
特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふくれ割
れを低減することであり、この破壊は外部からの負荷応
力がなくとも発生が認められるものである。
けでSSC特性を向上できるわけではなく、他の要因が
いくつかあることが判っている。このSSC特性向上要
因の1つとしてサワー特性の向上が考えられる。サワー
特性の向上は、硫化水素を含む環境中での水素ふくれ割
れを低減することであり、この破壊は外部からの負荷応
力がなくとも発生が認められるものである。
【0006】サワー環境中で応力がかかった場合、応力
軸と平行にこの水素ふくれ割れが発生し、これらが連結
することによって破壊に到る場合があり、この水素ふく
れ割れの発生を防止することによってSSC特性を向上
するという考え方である。
軸と平行にこの水素ふくれ割れが発生し、これらが連結
することによって破壊に到る場合があり、この水素ふく
れ割れの発生を防止することによってSSC特性を向上
するという考え方である。
【0007】ところで水素ふくれ割れは、環境中から侵
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
入した水素が母材中に存在する圧延方向に長く伸びたM
nS等のA系硫化物系介在物と地鉄の境界に集積してガ
ス化し、そのガス圧によって発生するもので、MnS等
のA系硫化物系介在物を割れの核として板面平行割れに
成長し、この板面平行割れが板厚方向に連結されるもの
である。MnSなどのA系硫化物系介在物は、圧延方向
に長く伸びた形状が鋭い切欠となるため割れの核となり
やすく、この種の破壊に最も有害であるとされている。
【0008】こうした水素ふくれ割れに対する抵抗の高
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の案
が提案されている。それらは例えば、特公昭57−17
065号公報あるいは特公昭57−16184号公報な
どにその代表例が見られるように、CaやCo添加によ
る割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caあるい
は希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するもの
であって、これらの技術によって現在までにかなり厳し
い環境にまで耐え得る鋼が開発されている。
い鋼について、従来から様々な研究がなされ、種々の案
が提案されている。それらは例えば、特公昭57−17
065号公報あるいは特公昭57−16184号公報な
どにその代表例が見られるように、CaやCo添加によ
る割れ防止、極低S化によるMnSの減少、Caあるい
は希土類元素等の添加によるSの固定等を利用するもの
であって、これらの技術によって現在までにかなり厳し
い環境にまで耐え得る鋼が開発されている。
【0009】また例えばCaの添加量に関しては、特開
昭59−76818号公報に見られるように、S,O,
Caの含有量が、『1.0≦(%Ca){1−72(%
O)}/1.25(%S)≦2.5』の式を満足させる
ようなCaの添加が知られている。さらに上記サワー特
性を向上する種々の手段を用いることによって、耐SS
C特性を向上することが可能となっている。
昭59−76818号公報に見られるように、S,O,
Caの含有量が、『1.0≦(%Ca){1−72(%
O)}/1.25(%S)≦2.5』の式を満足させる
ようなCaの添加が知られている。さらに上記サワー特
性を向上する種々の手段を用いることによって、耐SS
C特性を向上することが可能となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電縫鋼管は
ホットコイル等の鋼板を成形し電縫溶接するものであっ
て、言うまでもなく鋼板との決定的な相違は溶接部およ
び溶接熱影響部が存在することである。しかるに、電縫
溶接部周辺部分の耐SSC特性、それもC方向について
検討された例は従来ほとんど見当たらない。
ホットコイル等の鋼板を成形し電縫溶接するものであっ
て、言うまでもなく鋼板との決定的な相違は溶接部およ
び溶接熱影響部が存在することである。しかるに、電縫
溶接部周辺部分の耐SSC特性、それもC方向について
検討された例は従来ほとんど見当たらない。
【0011】これは通常の製造工程においてMnS等の
A系硫化物系介在物が多く存在するのは大型鋼塊では逆
偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中心偏析部で
あって、鋼板のエッジ部には非常に少ないこと、板面平
行割れを助長するMn,Pのミクロ偏析が激しいのもM
nSなどのA系硫化物系介在物が多く存在する部位と同
様の部位であって、エッジ部にはほとんど存在しないこ
となどの理由から、鋼板のエッジ部同志を電縫溶接して
製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性は良好であると理解されてきたからである。
A系硫化物系介在物が多く存在するのは大型鋼塊では逆
偏析部およびV偏析部であり、連鋳片では中心偏析部で
あって、鋼板のエッジ部には非常に少ないこと、板面平
行割れを助長するMn,Pのミクロ偏析が激しいのもM
nSなどのA系硫化物系介在物が多く存在する部位と同
様の部位であって、エッジ部にはほとんど存在しないこ
となどの理由から、鋼板のエッジ部同志を電縫溶接して
製造するいわゆる単幅材では、電縫溶接部周辺部分の耐
SSC特性は良好であると理解されてきたからである。
【0012】また、1つのホットコイルを幅方向に2以
上に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管
では、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中
心偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、
SSCに対する認識はあった。しかしこの場合にも、対
策としては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減
少といった母材と同様の対策が施されてきた。
上に分割した上で製造するいわゆる多条取りの電縫鋼管
では、電縫溶接部の一方あるいは両方に逆V偏析部や中
心偏析部等のSSC感受性の高い部分が該当するため、
SSCに対する認識はあった。しかしこの場合にも、対
策としては主としてMnS等のA系硫化物系介在物の減
少といった母材と同様の対策が施されてきた。
【0013】これに対し本発明者は、電縫鋼管の電縫溶
接部C方向について耐SSC特性を詳細に調査した結
果、MnS等の硫化物系介在物が存在しない場合でも電
縫溶接部のSSC特性の劣化する場合のあることを見出
した。ただし、電縫溶接部の場合には板面垂直型の水素
ふくれ割れがSSCの起点となっていることが母材部と
は異なり、このため母材部に比較してよりSSCを起こ
しやすいことが懸念される。
接部C方向について耐SSC特性を詳細に調査した結
果、MnS等の硫化物系介在物が存在しない場合でも電
縫溶接部のSSC特性の劣化する場合のあることを見出
した。ただし、電縫溶接部の場合には板面垂直型の水素
ふくれ割れがSSCの起点となっていることが母材部と
は異なり、このため母材部に比較してよりSSCを起こ
しやすいことが懸念される。
【0014】さらに、この種の水素ふくれ割れを起点と
したSSCは、本質的に鋼板エッジ部にミクロ偏析の少
ない単幅材であっても発生することが判った。この板面
に垂直な水素ふくれ割れを起点とした電縫溶接部のSS
Cは、従来知られていないものであって、母材の板面平
行の水素ふくれ割れを起点とするSSC以上に重大な問
題である。しかしこの割れは、従来の水素ふくれ割れに
対する対策鋼を使用した電縫鋼管でも発生し、従来技術
では防止できないことが判った。
したSSCは、本質的に鋼板エッジ部にミクロ偏析の少
ない単幅材であっても発生することが判った。この板面
に垂直な水素ふくれ割れを起点とした電縫溶接部のSS
Cは、従来知られていないものであって、母材の板面平
行の水素ふくれ割れを起点とするSSC以上に重大な問
題である。しかしこの割れは、従来の水素ふくれ割れに
対する対策鋼を使用した電縫鋼管でも発生し、従来技術
では防止できないことが判った。
【0015】本発明は上記課題に鑑み成されたもので、
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管を提供する。
耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題に対し本発明者
らは、こうした全く新しいタイプの板面垂直型水素ふく
れ割れを起点とするSSCに対する抵抗の高い鋼管を開
発せんとして研究を続けた結果、電縫溶接部のSSCの
起点となる水素ふくれ割れの原因は、電縫衝合部に存在
する板状の酸化物系介在物であることを突き止めた。
らは、こうした全く新しいタイプの板面垂直型水素ふく
れ割れを起点とするSSCに対する抵抗の高い鋼管を開
発せんとして研究を続けた結果、電縫溶接部のSSCの
起点となる水素ふくれ割れの原因は、電縫衝合部に存在
する板状の酸化物系介在物であることを突き止めた。
【0017】さらにこれら板状の酸化物系介在物のう
ち、横断面で見た介在物の形状として板厚方向の長さと
円周方向の長さとの比が2以上でかつ長径10μm以上
の介在物が、水素ふくれ割れ発生の核となり、核発生し
た水素ふくれ割れが相互に結合して巨視的な割れに成長
してSSCを引き起こすことを見出した。
ち、横断面で見た介在物の形状として板厚方向の長さと
円周方向の長さとの比が2以上でかつ長径10μm以上
の介在物が、水素ふくれ割れ発生の核となり、核発生し
た水素ふくれ割れが相互に結合して巨視的な割れに成長
してSSCを引き起こすことを見出した。
【0018】さらに本発明者の研究によれば、これら板
状の酸化物系介在物は、母材中に予め存在した球状に近
い酸化物系介在物が電縫溶接時の熱影響によって鋼の融
点近くまで加熱されたうえ、スクイズロールによって両
側から加圧されるために板状に変形して生成することが
明かとなった。またこの介在物の成分を分析した結果、
CaO・Al2 O3 複合介在物であることが判った。
状の酸化物系介在物は、母材中に予め存在した球状に近
い酸化物系介在物が電縫溶接時の熱影響によって鋼の融
点近くまで加熱されたうえ、スクイズロールによって両
側から加圧されるために板状に変形して生成することが
明かとなった。またこの介在物の成分を分析した結果、
CaO・Al2 O3 複合介在物であることが判った。
【0019】また本発明者らは、上記介在物起因による
水素ふくれ割れ以外にも電縫溶接部のSSC特性を劣化
する要因を詳細に検討した結果、電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下で、かつ最大値と最大値の差がビッ
カース硬さで30以内である必要性を見出した。
水素ふくれ割れ以外にも電縫溶接部のSSC特性を劣化
する要因を詳細に検討した結果、電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下で、かつ最大値と最大値の差がビッ
カース硬さで30以内である必要性を見出した。
【0020】硬さの最大値の規制は従来からの知見であ
るが、硬さ分布規制の必要性に関しては、硬さ分布に差
のある部位での応力集中による割れの発生が、SSC特
性を劣化するためと考えられる。
るが、硬さ分布規制の必要性に関しては、硬さ分布に差
のある部位での応力集中による割れの発生が、SSC特
性を劣化するためと考えられる。
【0021】以上の問題点を解決するために、これまで
にも種々の方法が提案されている。例えば特開昭63−
137144号公報に見られるように、鋼中にZrを添
加して介在物をZrO2 ・Al2 O3 の複合介在物に改
質してその融点を上げ、電縫溶接時に延伸させない方法
がある。ところがこのZr添加は通常の製鋼作業では一
般的でなく、コストが高いうえに、発火性が高いなど作
業に危険が伴う。そこで本発明は、このような特別な元
素を使用することなく、安価にこの問題を解決しようと
するものである。
にも種々の方法が提案されている。例えば特開昭63−
137144号公報に見られるように、鋼中にZrを添
加して介在物をZrO2 ・Al2 O3 の複合介在物に改
質してその融点を上げ、電縫溶接時に延伸させない方法
がある。ところがこのZr添加は通常の製鋼作業では一
般的でなく、コストが高いうえに、発火性が高いなど作
業に危険が伴う。そこで本発明は、このような特別な元
素を使用することなく、安価にこの問題を解決しようと
するものである。
【0022】本発明者らは、これらを解決するためにさ
らに調査を進めた。まずCaを添加したものの中でもS
SC特性のレベルに差異のあることから、複合介在物の
成分を調べた。その結果、電縫溶接部で板状となる介在
物が、(CaO)m ・(Al2 O3 )n 分子比でm/n
≧1であることが判った。つまり介在物中Al2 O3よ
りも多く存在する状態である。
らに調査を進めた。まずCaを添加したものの中でもS
SC特性のレベルに差異のあることから、複合介在物の
成分を調べた。その結果、電縫溶接部で板状となる介在
物が、(CaO)m ・(Al2 O3 )n 分子比でm/n
≧1であることが判った。つまり介在物中Al2 O3よ
りも多く存在する状態である。
【0023】また(CaO)m ・(Al2 O3 )n の分
子比でm/n<1の介在物では板状になっておらず、そ
のためSSC特性の劣化のないことを突き止めた。Ca
OとAl2 O3 の平衡状態図を見ると、(CaO)m ・
(Al2 O3 )n 分子比でm/n≧1の場合、融点は約
1360℃であり、電縫溶接部近傍で延伸することが充
分考えられる。
子比でm/n<1の介在物では板状になっておらず、そ
のためSSC特性の劣化のないことを突き止めた。Ca
OとAl2 O3 の平衡状態図を見ると、(CaO)m ・
(Al2 O3 )n 分子比でm/n≧1の場合、融点は約
1360℃であり、電縫溶接部近傍で延伸することが充
分考えられる。
【0024】一方(CaO)m ・(Al2 O3 )n 分子
比でm/n<1の場合は、その融点が1600℃以上と
なり、電縫溶接部近傍での延伸を回避することができる
と考えられる。つまりCa添加により耐サワー性を向上
させて、かつ板状介在物を起点とした水素ふくれ割れ起
因によるSSC特性の劣化を回避するためには、脱酸生
成物の組成を(CaO)m ・(Al2 O3 )n 分子比で
m/n<1に制御すればよいことが判明した。
比でm/n<1の場合は、その融点が1600℃以上と
なり、電縫溶接部近傍での延伸を回避することができる
と考えられる。つまりCa添加により耐サワー性を向上
させて、かつ板状介在物を起点とした水素ふくれ割れ起
因によるSSC特性の劣化を回避するためには、脱酸生
成物の組成を(CaO)m ・(Al2 O3 )n 分子比で
m/n<1に制御すればよいことが判明した。
【0025】ところで耐サワー性を改善する手段とし
て、本発明ではCa添加を採用している。それは水素ふ
くれ割れの発生起点となるMnSを消滅させるために、
S量を極限まで低減させるよりもCaを添加してMnS
の形態制御による無害化のほうが工業的規模の生産工程
においては有利であるとの考え方、および実験結果によ
るものである。
て、本発明ではCa添加を採用している。それは水素ふ
くれ割れの発生起点となるMnSを消滅させるために、
S量を極限まで低減させるよりもCaを添加してMnS
の形態制御による無害化のほうが工業的規模の生産工程
においては有利であるとの考え方、および実験結果によ
るものである。
【0026】つまりS,O,Caの含有量を、『1.0
≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)
≦2.5』の式に満足させるようなCaの添加である。
これは、CaがSよりも酸素との親和力が強いことか
ら、酸素と結合したCaを差し引いた残りのCa(有効
Ca)がSと原子量比で結合し、S量に見合うだけの有
効Ca量があればMnSは完全に形態制御されているこ
とを示すものである。またこの式は、Caを過剰に添加
するとクラスター状介在物が多く生成して有害となり、
目的を達成し得ないことも示している。
≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)
≦2.5』の式に満足させるようなCaの添加である。
これは、CaがSよりも酸素との親和力が強いことか
ら、酸素と結合したCaを差し引いた残りのCa(有効
Ca)がSと原子量比で結合し、S量に見合うだけの有
効Ca量があればMnSは完全に形態制御されているこ
とを示すものである。またこの式は、Caを過剰に添加
するとクラスター状介在物が多く生成して有害となり、
目的を達成し得ないことも示している。
【0027】つまり上式で示される有効Ca量を、Mn
Sを形態制御させるための下限と、クラスター状介在物
を生成させないための上限の間にコントロールし、それ
によって耐サワー性を確保しようとするものである。
Sを形態制御させるための下限と、クラスター状介在物
を生成させないための上限の間にコントロールし、それ
によって耐サワー性を確保しようとするものである。
【0028】本発明は以上の知見に基ずいてなされたも
ので、その要旨とするところは、以下の通りである。
ので、その要旨とするところは、以下の通りである。
【0029】第1の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、残部Fe
からなる鋼で製造した電縫鋼管において、S,O,Ca
の含有量が下記数5を満足したうえで、脱酸生成物を
(CaO)m (Al2 03 )n の複合介在物とし、その
分子構成比がm/n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面
を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値
がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大値と最
小値の差がビッカース硬さで30以内であることを特徴
とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管であ
る。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、残部Fe
からなる鋼で製造した電縫鋼管において、S,O,Ca
の含有量が下記数5を満足したうえで、脱酸生成物を
(CaO)m (Al2 03 )n の複合介在物とし、その
分子構成比がm/n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面
を中心として両側30mm以内での硬さ測定値の最大値
がビッカース硬さで250以下であり、かつ最大値と最
小値の差がビッカース硬さで30以内であることを特徴
とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管であ
る。
【0030】
【数5】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5
【0031】第2の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにM
o:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15%,
V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜0.0
50%,B:0.0003〜0.0040%のうち1種
または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製造した
電縫鋼管において、S,O,Caの含有量が下記数6を
満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m (Al2 0
3 )n の複合介在物とし、その分子構成比がm/n<1
の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30m
m以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで25
0以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬
さで30以内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性に優れた電縫鋼管である。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにM
o:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15%,
V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜0.0
50%,B:0.0003〜0.0040%のうち1種
または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製造した
電縫鋼管において、S,O,Caの含有量が下記数6を
満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m (Al2 0
3 )n の複合介在物とし、その分子構成比がm/n<1
の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心として両側30m
m以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで25
0以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬
さで30以内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食
割れ性に優れた電縫鋼管である。
【0032】
【数6】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5
【0033】第3の本発明は、C:0.05〜0.35
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにC
u:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.5%,C
r:0.1〜3.0%のうち1種または2種以上を含
み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管において、
S,O,Caの含有量が下記数7を満足したうえで、脱
酸生成物を(CaO)m (Al2 03 )n の複合介在物
とし、その分子構成比がm/n<1の範囲であり、かつ
電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定
値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ
最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内である
ことを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫
鋼管である。
%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30〜
2.00%に加えてCaを0.0005〜0.0080
%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらにC
u:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.5%,C
r:0.1〜3.0%のうち1種または2種以上を含
み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管において、
S,O,Caの含有量が下記数7を満足したうえで、脱
酸生成物を(CaO)m (Al2 03 )n の複合介在物
とし、その分子構成比がm/n<1の範囲であり、かつ
電縫衝合面を中心として両側30mm以内での硬さ測定
値の最大値がビッカース硬さで250以下であり、かつ
最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以内である
ことを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫
鋼管である。
【0034】
【数7】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5
【0035】また第4の本発明は、C:0.05〜0.
35%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30
〜2.00%に加えてCaを0.0005〜0.008
0%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらに
Mo:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15
%,V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜
0.050%,B:0.0005〜0.0040%のう
ち1種または2種以上およびCu:0.1〜2.0%,
Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0%のう
ち1種または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製
造した電縫鋼管において、S,O,Caの含有量が下記
数8を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m (A
l2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比がm/
n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心として両側
30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さ
で250以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカ
ース硬さで30以内であることを特徴とする耐硫化物応
力腐食割れ性に優れた電縫鋼管である。
35%,Si:0.02〜0.50%,Mn:0.30
〜2.00%に加えてCaを0.0005〜0.008
0%とAlを0.005〜0.100%含有し、さらに
Mo:0.1〜2.0%,Nb:0.01〜0.15
%,V:0.01〜0.30%,Ti:0.001〜
0.050%,B:0.0005〜0.0040%のう
ち1種または2種以上およびCu:0.1〜2.0%,
Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0%のう
ち1種または2種以上を含み、残部Feからなる鋼で製
造した電縫鋼管において、S,O,Caの含有量が下記
数8を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m (A
l2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比がm/
n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心として両側
30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さ
で250以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカ
ース硬さで30以内であることを特徴とする耐硫化物応
力腐食割れ性に優れた電縫鋼管である。
【0036】
【数4】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5
【0037】
【作用】以下作用とともに本発明を詳細に説明する。
【0038】先ず本発明は、耐硫化物応力腐食特性に優
れた電縫鋼管全般を対象とするものであるが、上記成分
を規定する理由は以下の通りである。
れた電縫鋼管全般を対象とするものであるが、上記成分
を規定する理由は以下の通りである。
【0039】Cは鋼材の強度を高める作用があり、0.
05%以上添加されるが、0.35%を越えて添加され
ると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.05
〜0.35%とした。
05%以上添加されるが、0.35%を越えて添加され
ると靱性を著しく劣化するため、その含有量を0.05
〜0.35%とした。
【0040】Siは固溶体強化作用があり、鋼材の強度
および延性を改善する作用があり、0.02%以上添加
されるが、0.50%を越えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.02〜0.50%と
した。
および延性を改善する作用があり、0.02%以上添加
されるが、0.50%を越えて添加されると鋼材の靱性
を劣化するため、その含有量を0.02〜0.50%と
した。
【0041】MnもCと同様鋼材の強度を高める作用が
あり、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.
0%を越えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく溶接性を阻害することから、その含有量を0.
30〜2.0%とした。
あり、0.30%以上添加されるが、その含有量が2.
0%を越えると製鋼作業を困難として経済的でないばか
りでなく溶接性を阻害することから、その含有量を0.
30〜2.0%とした。
【0042】Caは硫化物系介在物の形態制御によりS
SCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で、0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中
介在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量
を0.0005〜0.0080%とした。
SCの起点となる水素ふくれ割れを防止するのに有効
で、0.0005%以上添加されるが、多くなると鋼中
介在物を形成し鋼の性質を悪化させるため、その含有量
を0.0005〜0.0080%とした。
【0043】Alは製鋼段階の脱酸のために必要であ
り、その下限を0.005%とした。また0.10%を
越えて添加されると、介在物の量が増加して鋼の清浄性
が失われること、および製鋼作業に支障をきたすことな
どから、その範囲を0.005〜0.10%とした。
り、その下限を0.005%とした。また0.10%を
越えて添加されると、介在物の量が増加して鋼の清浄性
が失われること、および製鋼作業に支障をきたすことな
どから、その範囲を0.005〜0.10%とした。
【0044】Moは強度上昇に有用で0.10%以上添
加されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範
囲を0.10〜2.0%とした。
加されるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範
囲を0.10〜2.0%とした。
【0045】Nbはオーステナイト粒の細粒化や強度上
昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなると溶
接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.15%
とした。
昇に有用で0.01%以上添加されるが、多くなると溶
接性を阻害するため、その範囲を0.01〜0.15%
とした。
【0046】Vは析出強化に有用で0.1%以上添加さ
れるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を
0.01〜0.30%とした。
れるが、多くなると溶接性を阻害するため、その範囲を
0.01〜0.30%とした。
【0047】Tiはオーステナイト粒の細粒化に有用で
0.001%以上添加されるが、多くなると溶接性を阻
害するため、その範囲を0.001〜0.050%とし
た。
0.001%以上添加されるが、多くなると溶接性を阻
害するため、その範囲を0.001〜0.050%とし
た。
【0048】Bは微量の添加によって鋼の焼入れ性を著
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。
しく高める効果を有する。この効果を有効に得るために
は少なくとも0.0003%のBが必要であるが、過多
に添加するとB化合物を形成して鋼の靱性を劣化させる
ので、その範囲を0.0003〜0.0040%とし
た。
【0049】Cuは強度上昇、耐食性向上に有効で0.
1%以上添加されるが、2.0%を越えて添加しても強
度の上昇代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1
〜2.0%とした。
1%以上添加されるが、2.0%を越えて添加しても強
度の上昇代がほとんどなくなるので、その範囲を0.1
〜2.0%とした。
【0050】Niは低温靱性の改善に有効で0.1%以
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。
上添加されるが、高価な元素であるために、その範囲を
0.1〜9.5%とした。
【0051】Crは強度上昇や耐食性向上に有効で0.
1%以上添加されるが、多くなると低温靱性、溶接性を
阻害するため、その範囲を0.1〜3.0%とした。
1%以上添加されるが、多くなると低温靱性、溶接性を
阻害するため、その範囲を0.1〜3.0%とした。
【0052】またPは母材の水素ふくれ割れを伝播しや
すくする元素であり、0.03%以下とすべきである。
またSはMnと結合して母材部の水素ふくれ割れの起点
となるMnSをつくるので、0.005%以下に抑える
べきである。
すくする元素であり、0.03%以下とすべきである。
またSはMnと結合して母材部の水素ふくれ割れの起点
となるMnSをつくるので、0.005%以下に抑える
べきである。
【0053】
【実施例】以下本発明の効果を実施例によりさらに詳細
に説明する。表1は電縫鋼管を製作した鋼の組成を示
し、また表2は試験結果を示す。
に説明する。表1は電縫鋼管を製作した鋼の組成を示
し、また表2は試験結果を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】なお表2において、 注1)A値=(%Ca){1−72(%O)}/1.2
5(%S) 注2)介在物構成比は:CaO:Al2 O3 の分子構成
比を示す 注3)Hvmax −Hvmin 注4)単位はKgf/mm2 注5)表中Qは電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処理し
たもの,QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理したも
の,Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの,またFB
Nは電縫溶接後管体をノルマ処理したものである。
5(%S) 注2)介在物構成比は:CaO:Al2 O3 の分子構成
比を示す 注3)Hvmax −Hvmin 注4)単位はKgf/mm2 注5)表中Qは電縫溶接後電縫溶接部のみ焼入れ処理し
たもの,QTは電縫溶接部のみ焼入れ焼戻し処理したも
の,Nは電縫溶接部のみノルマ処理したもの,またFB
Nは電縫溶接後管体をノルマ処理したものである。
【0057】表1に示す組成の鋼を13mm厚の鋼板に
熱間圧延後、従来の工程にて電縫鋼管とした。
熱間圧延後、従来の工程にて電縫鋼管とした。
【0058】次に図1に示す採取要領で、電縫鋼管1の
電縫溶接部2のC方向から定荷重方式の硫化物応力腐食
試験片4を採取した。その際、電縫溶接部がサンプルの
中央部を横切るようにした。
電縫溶接部2のC方向から定荷重方式の硫化物応力腐食
試験片4を採取した。その際、電縫溶接部がサンプルの
中央部を横切るようにした。
【0059】耐硫化物応力腐食特性を評価する試験とし
ては、NACE TM−01−77標準試験法により試
験し、電縫溶接部C方向の降伏強度(σy)に対する限
界応力(σth)の比で評価し、σth/σy ≧0.75で
あれば良好であるとした。
ては、NACE TM−01−77標準試験法により試
験し、電縫溶接部C方向の降伏強度(σy)に対する限
界応力(σth)の比で評価し、σth/σy ≧0.75で
あれば良好であるとした。
【0060】表2に示す試験結果において、A1,B
1,C1,E1,F1は本発明鋼であり、良好な電縫溶
接部SSC特性を示している。
1,C1,E1,F1は本発明鋼であり、良好な電縫溶
接部SSC特性を示している。
【0061】これに対して、比較鋼では電縫溶接部SS
C特性が劣化している。このうちA2,B2,C2は△
Hvが30を越えているために電縫溶接部SSC特性が
劣化している。またD1はA値が1以下のためCa添加
量が不足のためMnSの形態制御が不十分で電縫溶接部
SSC特性が劣化している。
C特性が劣化している。このうちA2,B2,C2は△
Hvが30を越えているために電縫溶接部SSC特性が
劣化している。またD1はA値が1以下のためCa添加
量が不足のためMnSの形態制御が不十分で電縫溶接部
SSC特性が劣化している。
【0062】E2,F2は硬さ測定値の最大値が250
を越えているため電縫溶接部SSC特性が劣化してい
る。さらにG1,H1,I1,J1,K1は、介在物の
分子構成比がm/nが1を越えているため電縫溶接部S
SC特性が劣化している。
を越えているため電縫溶接部SSC特性が劣化してい
る。さらにG1,H1,I1,J1,K1は、介在物の
分子構成比がm/nが1を越えているため電縫溶接部S
SC特性が劣化している。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電縫鋼管
は、pHが低く厳しい環境下においても高強度にして優
れた耐硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井やガス井で
使用される管材,構造部材として、好適な鋼管の提供を
可能とするものである。
は、pHが低く厳しい環境下においても高強度にして優
れた耐硫化物応力腐食割れ特性を有し、油井やガス井で
使用される管材,構造部材として、好適な鋼管の提供を
可能とするものである。
【図1】実施例における試験片の採取要領を示す図面で
ある。
ある。
1 電縫鋼管 2 衝合部 3 溶接方向 4 試験片
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、残部Feからなる鋼で製造
した電縫鋼管において、S,O,Caの含有量が下記数
1を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m (Al
2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比がm/n
<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心として両側3
0mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで
250以下であり、かつ最大値と最小値の差がビッカー
ス硬さで30以内であることを特徴とする耐硫化物応力
腐食割れ性に優れた電縫鋼管。 【数1】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5 - 【請求項2】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%,Nb:0.01〜0.15%,V:0.01〜
0.30%,Ti:0.001〜0.050%,B:
0.0003〜0.0040%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、S,O,Caの含有量が下記数2を満足したうえ
で、脱酸生成物を(CaO)m (Al2 03 )n の複合
介在物とし、その分子構成比がm/n<1の範囲であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以
内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優
れた電縫鋼管。 【数2】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5 - 【請求項3】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにCu:0.1〜2.
0%,Ni:0.1〜9.5%,Cr:0.1〜3.0
%のうち1種または2種以上を含み、残部Feからなる
鋼で製造した電縫鋼管において、S,O,Caの含有量
が下記数3を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)
m (Al2 03 )n の複合介在物とし、その分子構成比
がm/n<1の範囲であり、かつ電縫衝合面を中心とし
て両側30mm以内での硬さ測定値の最大値がビッカー
ス硬さで250以下であり、かつ最大値と最小値の差が
ビッカース硬さで30以内であることを特徴とする耐硫
化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管。 【数3】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5 - 【請求項4】 C:0.05〜0.35%,Si:0.
02〜0.50%,Mn:0.30〜2.00%に加え
てCaを0.0005〜0.0080%とAlを0.0
05〜0.100%含有し、さらにMo:0.1〜2.
0%,Nb:0.01〜0.15%,V:0.01〜
0.30%,Ti:0.001〜0.050%,B:
0.0005〜0.0040%のうち1種または2種以
上およびCu:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜9.
5%,Cr:0.1〜3.0%のうち1種または2種以
上を含み、残部Feからなる鋼で製造した電縫鋼管にお
いて、S,O,Caの含有量が下記数4を満足したうえ
で、脱酸生成物を(CaO)m (Al2 03 )n の複合
介在物とし、その分子構成比がm/n<1の範囲であ
り、かつ電縫衝合面を中心として両側30mm以内での
硬さ測定値の最大値がビッカース硬さで250以下であ
り、かつ最大値と最小値の差がビッカース硬さで30以
内であることを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優
れた電縫鋼管。 【数4】 1.0≦(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦2.5
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21880092A JPH0641684A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21880092A JPH0641684A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0641684A true JPH0641684A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16725563
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21880092A Pending JPH0641684A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた電縫鋼管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0641684A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013007112A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の耐サワー特性に優れた高強度厚肉電縫鋼管 |
| EP2412839A4 (en) * | 2009-03-25 | 2017-03-01 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Electric resistance welded steel pipe having excellent workability and excellent post-quenching fatigue properties |
| JP2017179482A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 新日鐵住金株式会社 | ラインパイプ用電縫鋼管及びその製造方法 |
| WO2021161366A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 日本製鉄株式会社 | ラインパイプ用電縫鋼管 |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP21880092A patent/JPH0641684A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2412839A4 (en) * | 2009-03-25 | 2017-03-01 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Electric resistance welded steel pipe having excellent workability and excellent post-quenching fatigue properties |
| JP2013007112A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Jfe Steel Corp | 電縫溶接部の耐サワー特性に優れた高強度厚肉電縫鋼管 |
| JP2017179482A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 新日鐵住金株式会社 | ラインパイプ用電縫鋼管及びその製造方法 |
| WO2021161366A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | 日本製鉄株式会社 | ラインパイプ用電縫鋼管 |
| KR20220105166A (ko) | 2020-02-10 | 2022-07-26 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 라인파이프용 전봉 강관 |
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