JPH0649209B2 - ステンレス鋼連鋳スラブの表面手入れ方法 - Google Patents

ステンレス鋼連鋳スラブの表面手入れ方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ステンレス鋼連鋳スラブの表面をシヨツトブ
ラストの如きブラスト処理と熱間圧延を伴う加熱処理と
を組み合せて手入れすることにより、熱間圧延後の圧延
製品の表面品質に影響を及ぼすスラブの表面欠陥、特に
スラブ表面の凹凸状オツシレーシヨンマークの凹部に形
成される肌下欠陥を効率的に除去するステンレス鋼連鋳
スラブの表面手入れ方法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、鋼板,形鋼等は直接にはスラブ等の圧延素材を
圧延して製造されるが、この圧延素材は古くから製鋼工
場で製造される鋼塊を分塊圧延して製造していたが、近
年生産性,作業性,品質及び歩留,製造コスト等の面で
総合的に優れている連続鋳造法による製造(以下、この
ようにして製造されたスラブを連鋳スラブと言う)が主
流となつてきている。
この連続鋳造法は概略次のようである。すなわち、取鍋
からタンデイツシユに移された溶鋼は、冷却水で冷却さ
れている縦長の鋳型にその上方から注入され、鋳型の内
面に接した表層部から順次凝固して鋳型の下部から連続
的に引き出され、続いて水スプレイにより冷却され、更
に放冷帯を経て中心部まで凝固を完了してからスラブに
切断される。このような連続鋳造法により溶鋼を鋳型に
注入し凝固させる過程において、凝固する溶鋼を下方へ
移動促進させるために鋳型の上下振動方式(オツシレー
シヨン方式)が採用されている。
さて、ステンレス鋼連鋳スラブも前述の如き連続鋳造法
によつて製造されるのであるが、この連鋳スラブにはそ
の表面及び表面下(肌下)に種々の欠陥が存在してい
る。例えば第2図に示すように、表面欠陥として前記鋳
型の上下振動(オツシレーシヨン)によつて生じ周期的
な凹凸状(山部1及び谷部2を有する状態)の外観を呈
するオツシレーシヨンマーク(OSMと略記することが
ある)やこれに伴う割れなどがある。また、肌下欠陥と
しては、正常なOSMの山部1に対して谷部2に形成さ
れる成分偏析部3(Ni,Si成分など、特にCr−Ni系ステ
ンレス鋼スラブの場合に顕著)や極部的なミクロクラツ
ク4や後述説明するモールドパウダーの巻き込み部5な
どがある。
このようなステンレス鋼連鋳スラブの表面や肌下欠陥の
発生を抑止するための種々な連続鋳造対策技術が採られ
てきた。すなわち鋳造スラブの化学組成における成分面
での検討対策や、鋳型内面の材質,寸法形状等をはじめ
とする鋳造設備や関連装置などの設備対策や、鋳型内面
−凝固殻間の摩擦減と溶鋼上部の大気酸化防止及び保温
とのために鋳型内溶鋼上に散布する主としてCa,Si,C,Na
から成るモールドパウダー自体の改善とその散布量や散
布方法などの対策や、鋳造温度及び速度,冷却条件,凝
固した熱スラブの表面圧下圧延,鋳型の上下振動のシヨ
ートストローク・ハイサイクル化など連続鋳造条件の対
策技術等々によつて、連鋳スラブを正確に矩形形状化す
るのみならずその表面OSMの山谷の差を極力消失せし
め表面を平滑化して肌下欠陥部の深さを浅くするなどの
対策によつて、連鋳スラブの表面性状は著しく改善され
た。
この改善の結果、連鋳スラブを表面手入れは全くせずに
加熱炉へ直送し、炉で加熱して熱間圧延する方法が一部
で実施されるようになつた。事実、普通鋼等の連鋳スラ
ブでは、従来チツピングやスカーフイングなどの手入れ
が施されていたが、圧延を伴う加熱によるスケールオフ
量(深さ)が肌下欠陥部を含む深さに充分達することか
ら、欠陥の除去を行うこれらの手入れ作業が殆どの場合
不必要となつている。
しかしながら、ステンレス鋼連鋳スラブの場合には、以
下に述べる理由により通常冷間でスラブグラインダの砥
石研削によつたり、あるいはミーリングマシンの刃物研
削による部分手入れ又は全面手入れを行つていた。
イ)ステンレス鋼は耐酸化性に優れているため、加熱炉
での加熱と熱間圧延とによるスケールオフされる層(深
さ)が浅くて表面や肌下の欠陥部が除去されていないで
残り、これらが熱間圧延後の圧延鋼帯表面に肌ムラや肌
荒れ、OSMに起因する模様,ヘゲ疵などの表面模様や
表面疵として残ること、 ロ)このような圧延鋼帯はそのまま製品にならず、また
このような圧延鋼帯を素材として最終冷延鋼帯や鋼板を
製造するときは厳しい表面品質の要求を満たすことがで
きないので、製造途中に表面模様や疵を除去するために
やむを得ずエンドレス状の研削ベルトを使用するコイル
グラインダーによる鋼帯表面研削の手入れを行わざるを
得なかつた。
前記の連鋳スラブの部分手入れは、表面割れやOSMが
乱れて生じる肌荒れなどのマクロ欠陥のみを除去する方
法であるが、この方法は後述する全面手入れに比べて幾
分歩留の向上は図れても表面のOSMに伴つて生じてい
るモールドパウダーの巻き込み部,極部的なミクロクロ
ツク,成分偏折部などの肌下欠陥が残存しこれをそのま
ま放置して製造すれば最終冷延鋼板においても表面疵や
模様として表われ、要求される表面品質を満足できない
欠陥がある。
また全面手入れはこれらの肌下欠陥をも総て除去するこ
とはできるが、肌下欠陥の殆どはOSM谷部で発生して
いるものであるから、山部の健全な部分から谷部の肌下
欠陥の存在する深さ以上に大量に研削除去してしまうの
で、表面品質の要求に対しては満足できても手入れによ
る歩留の低下などによる製造原価の高騰を招く欠点があ
つた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記の如く種々の欠点を有する従来の手入れ
方法に代えて、手入れによる製造歩留の低下を極力少な
くして熱間圧延後の各圧延製品の表面品質に影響を及ぼ
す表面及びその肌下の欠陥、特に表面のオツシレーシヨ
ンマークの谷部に形成される肌下欠陥を効率的に除去す
ることができるようにステンレス鋼連鋳スラブの表面手
入れ方法を構成することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
シヨツトブラストなどのブラスト処理は、一般にデスケ
ーリング用,エツチング用,ピーニング用,研掃用,一
般清掃用などに用いられ、またスラブに関しては従来グ
ラインダー手入れ後の表面研削目をならして平滑化する
表面粗度の調整のために行われたことがあるだけで、連
鋳スラブの表面や肌下の欠陥自体の除去法としては実施
されたことがない。本発明者らは種々検討した結果、こ
のようなブラスト処理により表面に一定深さ以上のミク
ロクラツク加工層を生ぜしめ、次いで特定温度以上で加
熱した後に熱間圧延してスケールオフさせることによつ
て手入れによつて生じる製造歩留の低下を少なくして各
欠陥を除去できることを究明して本発明を完成した。
以下、本発明に係るステンレス鋼連鋳スラブの表面手入
れ方法を図面によつて詳細に説明する。
第1図〜第5図の各図はステンレス鋼連鋳スラブの表面
部の鋳造方向に沿う断面説明図であつて、第1図は本発
明方法によりスケールオフされる表面部の断面説明図、
第2図は肌下欠陥の発生状況を示す断面説明図、第3図
は無手入れで加熱してスケールオフされる表面部の断面
説明図、第4図はスラブグラインダー研削などの後に加
熱してスケールオフされる表面部の断面説明図である。
第5図はブラスト処理後に加熱したときの加熱温度と表
面部の状況との関係を示し、(イ)は加熱前の,(ロ)は900
℃での加熱後の,(ハ)は1100℃以上での加熱後の各状態
を示す断面説明図であり、第6図はブラスト処理の投射
条件とミクロクラツク加工層の深さと圧延後の圧延製品
表面の残存疵程度との関係を示す図である。
表面欠陥の主要なものであるOSM及びそれに伴つて発
生している肌下欠陥の発生状況は第2図に示す如くであ
る。OSMの山部1と谷部2との高さの差すなわちOS
Mの深さは通常150〜600μmであり、谷部2には成分偏
析部3(Niがあれば顕著に表われることが多い)が100
〜300μmの深さの範囲にバラついて生じており、また
ミクロクラツク4やモールドパウダーの巻込み部5も50
〜300μmの深さの範囲にバラついて発生している。こ
のような肌下欠陥のあるステンレス鋼連鋳スラブを無手
入れで加熱(例えば1230℃で1時間)すると、第3図に
示す如く表面部分が酸化スケール層6となりこれを熱間
圧延すると剥離すなわちスケールオフするが、ステンレ
ス鋼の場合にこの酸化スケール層6の厚さは100〜300μ
mであつて薄いので、図示する如くミクロクラツク4や
モールドパウダーの巻込み部5の一部が残存して圧延後
の圧延製品に表面疵となつて残ることが多い。また、前
記従来技術の如くステンレス鋼連鋳スラブの表面にスラ
ブグラインダー研削を施して先ずミクロクラツク4やモ
ールドパウダーの巻込み部5の大部分を含むように研削
除去し(この部分を第4図では研削部7として示す)、
次いでこれを加熱すると、第4図に示す如く更に酸化ス
ケール層6を生じ、熱間圧延をすることによりこの酸化
スケール層6が剥離して表面疵は残存しないが、手入れ
及び酸化スケールによる製造歩留の低下は大きい。
本発明方法は、先ずステンレス鋼連鋳スラブの表面に鉄
製のシヨツトやグリツトやカツトワイヤなどの投射材を
投射するブラスト処理を施し表面に深さ50μm以上のミ
クロクラツク4′を生じさせ、次いで1100℃以上に加熱
された当該スラブを熱間圧延してスケールオフさせるの
である。
このような方法により各欠陥が全面的に除去される理由
は次のようである。ブラスト処理により第1図に示す如
く表面に沿つてほぼ均一且つ無数のミクロクラツク4′
の発生したミクロクラツク加工層8が形成され、次いで
これを加熱するとこのミクロクラツク加工層8ではミク
ロクラツク4′を伝わつて酸化が急速に進んで酸化層
(以下、ミクロクラツク酸化層8′と言う)が形成さ
れ、更に深部に向かつて無手入れやスラブグラインダー
研削の場合の加熱と同様の酸化が進行して酸化スケール
層6とサブスケール層6′が形成される。従つてこのよ
うに本発明方法によつて形成される酸化スケール層9は
ミクロクラツク酸化層8′と酸化スケール層6とから成
り、その厚さはミクロクラツク加工層8が形成されてい
ない場合に比べてミクロクラツク酸化層8′にほぼ相当
するミクロクラツク加工層8の厚さだけ厚くなり、そし
てこの増えた厚さが肌下欠陥の最も深い部分をも含むの
に充分な厚さであることにより、酸化スケール層9がス
ケールオフされたときはステンレス鋼連鋳スラブの表面
部から各欠陥がきれいに除去され、しかもこのようなス
ケールオフによる手入れ方法によれば歩留の低下も少な
いのである。
この酸化スケール層9の厚さを前記の如く充分に増加さ
せるために、ミクロクラツク加工層8を構成するミクロ
クラツク4′の深さが50μm以上必要であることは次の
ようにして判明した。ブラスト処理により生じるミクロ
クラツク4′の深さは、ブラスト処理の強さに影響され
る。このブラスト処理の強さは、投射材の初速度V(m
/秒)と平均粒径D(mm)との積Wで表わし、この値Wを
種々に変えてブラスト処理を行つて種々な深さのミクロ
クラツク4′のミクロクラツク加工層8が形成されたス
テンレス鋼連鋳スラブを得て更に1230℃に加熱した後に
熱間圧延してスケールオフした後、得られた圧延鋼帯を
素材として冷間圧延し、得られた各冷間圧延ステンレス
鋼板の表面残存疵を検査した結果を示したのが第6図で
ある。なお、上記ブラスト処理の投射密度は100kg/m2
で行つた。第6図に示されているように、冷間圧延ステ
ンレス鋼板の表面にステンレス鋼連鋳スラブからの残存
疵の発生を防止するには、ステンレス鋼連鋳スラブの表
面に深さ50μm以上のミクロクラツク4′を生じさせる
ことが必要である。そしてブラスト処理の投射条件がW
≧50の場合には、ミクロクラツク4′の深さを50μm以
上にさせることができることが判る。
またステンレス鋼連鋳スラブにブラスト処理を施した後
の加熱の程度が酸化スケール層9の形成に及ぼす影響を
調べた。
ブラスト処理後の加熱温度が1100℃以上の条件では、第
5図(イ)の如くミクロクラツク4′が生じているミクロ
クラツク加工層8は、同図(ロ)に示す如く総てミクロク
ラツク酸化層8′となり、その下層に酸化スケール層6
が形成されている。また酸化スケール層6の下層に形成
されたサブスケール層6′は粒界酸化部と金属/酸化物
混合部から成つており、その厚さは30μm以下であるこ
とは無手入れやスラブグラインダー研削後に加熱した場
合に生じるサブスケール層6′と同様であり、熱間圧延
中に酸化を受けながら圧延製品表面のスケールと化す。
そして前記ミクロクラツク酸化層8′と酸化スケール層
6とで肌下欠陥をきれいに除去する剥離し易い酸化スケ
ール層9を構成している。
これに対し加熱温度が1100℃以下の場合には、第5図
(ハ)に示すように、ミクロクラツク酸化層8′は薄く酸
化スケール層6は殆ど発達形成されず、ミクロクラツク
4′に沿つてサブスケール層6′が疎らに発達して剥離
する厚さは薄くなり本発明方法の効果が表われない。
ミクロクラツク4′自体の密度は充分な方が良いが、密
度が非常に低い場合はミクロクラツク4′の深さが所定
長あつて且つ加熱温度が1100℃以上であつても、結果的
に第5図(ハ)の場合と類似の状態となる場合がある。こ
の点について種々試験をした結果、投射密度が100kg/m
2以下ではミクロクラツク4′の充分な密度が得られ難
く、1000kg/m2位でその効果が変わらなくなり、好まし
い投射密度の範囲は100〜800kg/m2である。
前記の如くにして得られた酸化スケール層9は、極めて
脆弱であるため、温度1050〜750℃程度、圧下率数%以
上で激しくスラブ表面のスケールを除去しながら行われ
る熱間圧延で容易に剥離且つ除去され、圧延後の圧延鋼
帯表面の模様とか疵とかにならないのである。
〔実施例〕
本発明方法による実施例(1〜8)とその比較例(1〜
8)を以下に詳述するように実施し、その結果をまとめ
て次表に示す。
先ずオーステナイト系ステンレス鋼の代表鋼種であるSU
S304の溶鋼を連続鋳造して寸法200mm(厚)×1050mm
(幅)×9000mm(長さ)の連鋳スラブを多数製造した。
これらの連鋳スラブに関して、次表の比較例1のものは
鋳造されたままの無手入れの状態で加熱後に熱間圧延し
たものであり、比較例2のものは従来通りスラブグライ
ンダーによりスラブ表面全面を深さ1mm(1000μm)程
度研削してから加熱且つ熱間圧延したものである。そし
て、残りの実施例1〜8のものと比較例3〜8のものは
総て以下に記す条件下にブラスト処理工程に通板して処
理し、スラブエンド部よりサンプリングした。
ブラスト処理条件: (A)投射機:平均粒径が0.2〜2.0mmの範囲にある鉄鋼グ
リツト(投射機)。
(B)投射機の初速度(V):70及び100m/秒。
(C)投射密度:50,100及び200kg/m2(連鋳スラブの通
板速度の調整による) 次いで総ての連鋳スラブを加熱温度1230,1130,1080及
び1050℃に加熱し、圧延温度範囲1200〜800℃且つ1パ
ス当りの圧下率5〜40%の条件下で熱間圧延して板厚約
4mmの熱間圧延鋼帯にした。かかる鋼帯を素材とし、更
に熱処理→酸洗→冷延→熱処理→酸洗→剪断工程を経
て、板厚2.0mmの冷延鋼板を得た。
前記におけるステンレス鋼連鋳スラブの表面手入れの効
果を表わすものとして、手入れ後の表面や肌下の欠陥の
残存状態の直接評価に代わり、得られた冷延ステンレス
鋼板の表面における模様や疵の残存状態により評価し
た。冷延ステンレス鋼板の表面模様や表面疵の残存有無
の評価は、連鋳スラブの手入れ区分毎に得られた圧延総
枚数に対する表面模様や表面疵が認められた板枚数の比
率を次のように区分し記号により表示することにより行
つた。
○:比率3%未満(発生ナシ) △:比率3%以上15%未満(一部発生) ×:15%以上(発生) また、ブラスト処理後に採取したサンプルについて、ミ
クロクラツク4′の深さ(ミクロクラツク加工層の深
さ)を測定すると共に、熱間圧延する連鋳スラブの上に
載せて加熱炉へ装入して加熱し加熱後これらのサンプル
は熱間圧延することなく冷却し、表層部に生じた酸化ス
ケール層の厚さを測定した。なお、比較例1の無手入れ
の連鋳スラブ及び比較例2のスラブグラインダー研削に
より表面の全面研削を行つた連鋳スラブについても同様
に測定した。
前記表から、本発明方法に定める条件下にブラスト処理
及び熱間圧延を伴う加熱を行つたステンレス鋼連鋳スラ
ブからは表面模様や表面疵の殆どない冷延ステンレス鋼
板を得ることができることが判る。これに対し、無手入
れ連鋳スラブは勿論、ブラスト処理及び熱間圧延を伴う
加熱を行つてもそれらの条件が本発明方法に定める範囲
外の場合は表面模様や疵のない冷延ステンレス鋼板は得
られない。このことから、本発明方法によれば、ステン
レス鋼連鋳スラブの表面欠陥は勿論、その肌下欠陥をほ
ぼ完全に除去できることが判る。なお、スラブグライン
ダー研削を実施した場合には、表面模様や疵の発生はな
くなるが、研削及びスケールオフの両者による合計損失
厚さが約1250μmに達して製造歩留の低下の大きいこと
が判る。
以上に、鋼種SUS304連鋳スラブの本発明に係る表面手入
れ方法の実施例について説明したが、本発明方法に定め
る条件範囲内の表面手入れ方法を実施すれば、この鋼種
の連鋳スラブに限らず、同様なOSM表面欠陥及びその
肌下欠陥を有するフエライト系やマルテンサイト系ステ
ンレス鋼(具体的にはSUS430やSUS410等)の連鋳スラブ
に対しても同様に良好な評価と結果が得られるのであ
る。
〔発明の効果〕
以上に詳述した本発明に係るステンレス鋼連鋳スラブの
表面手入れ方法は、以下に述べる効果により、作業性,
生産性及び特に製造歩留とコスト面で問題がある従来の
スラブグラインダーやミーリングマシンを用いた砥石研
削や刃物研削による手入れ方法によつて代わることがで
き、しかも完全無手入れで加熱炉へ直送し炉内で加熱し
た後に熱間圧延する理想方法に近づいたものとして、そ
の工業的価値は非常に大きなものである。
イ)連鋳スラブのOSM表面欠陥のみならずその各種肌
下欠陥をも、作業性良く、生産性も良好に(従来の1/
15の処理時間で)、特に従来の研削手入れ方法より1%
近く歩留が上がりほぼ無手入れに近い製造歩留を確保
し、そのため従来の1/20の製造コストで効果的に除去
することができる。
ロ)そして、手入れ後、加熱且つ熱間圧延されてから得
られる圧延製品の表面品質も従来の手入れされたものと
同等に良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図の各図はステンレス鋼連鋳スラブの表面
部の鋳造方向に沿う断面説明図であつて、第1図は本発
明方法によりスケールオフされる表面部の断面説明図、
第2図は肌下欠陥の発生状況を示す断面説明図、第3図
は無手入れで加熱してスケールオフされる表面部の断面
説明図、第4図はスラブグラインダー研削などの後に加
熱してスケールオフされる表面部の断面説明図である。
第5図はブラスト処理後に加熱したときの加熱温度と表
面部の状況との関係を示し、(イ)は加熱前の,(ロ)は900
℃での加熱後の,(ハ)は1100℃以上での加熱後の各状態
を示す断面説明図であり、第6図はブラスト処理の投射
条件とミクロクラツク加工層の深さと圧延後の圧延製品
表面の残存疵程度との関係を示す図である。 図面中 1……オツシレーシヨンマークの山部 2……オツシレーシヨンマークの谷部 3……成分偏析部 4,4′……ミクロクラツク 5……モールドパウダーの巻込み部 6……酸化スケール層 6′……サブスケール層 7……研削部 8……ミクロクラツク加工層 8′……ミクロクラツク酸化層 9……本発明方法による酸化スケール層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼連鋳スラブの表面にブラスト
    処理により深さ50μm以上のミクロクラツク加工層を生
    じさせ、次いで1100℃以上に加熱された当該スラブを熱
    間圧延してスケールオフさせることを特徴とするステン
    レス鋼連鋳スラブの表面手入れ方法。
  2. 【請求項2】ブラスト処理を下記の条件 (i)投射材の初速度V(m/秒)と平均粒径D(mm)
    との積Wが W≧50 (ii)投射密度が100〜800kg/m2 の下に行う請求項1に記載のステンレス鋼連鋳スラブの
    表面手入れ方法。
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