JPH0651728B2 - 重合体粒子の製造方法 - Google Patents

重合体粒子の製造方法

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JPH0651728B2
JPH0651728B2 JP60056134A JP5613485A JPH0651728B2 JP H0651728 B2 JPH0651728 B2 JP H0651728B2 JP 60056134 A JP60056134 A JP 60056134A JP 5613485 A JP5613485 A JP 5613485A JP H0651728 B2 JPH0651728 B2 JP H0651728B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粒径が1〜100μm程度の範囲にある、比較
的大径の単分散重合体粒子の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
粒径が1〜100μm程度の範囲にある単分散の重合体粒
子は、多くの分野において需要があるにもかかわらず、
これを製造することは一般に極めて困難である。乳化重
合による重合体粒子の製造においては、単分散の重合体
粒子を比較的容易に得ることができるが、通常1μm以
下の小粒径のものしか得られず、特殊な条件下において
も3μmが限界といわれている。一方懸濁重合による重
合体粒子の製造においては、粒径が1〜100μmの比較
的大径の重合体粒子を得ることはできるが、粒径分布が
広く、単分散の重合体粒子を製造することは極めて困難
である。したがつて、単分散の重合体粒子を得ようとす
る場合には、懸濁重合によつて得られた粒子を分級する
必要があり、そのため工程数が多くなつて製造が容易で
なく、また収率が低いという問題点を有する。
比較的大径で単分散な重合体粒子を製造する方法として
は、特開昭54−97582号公報あるいは特開昭54−126288
号公報において開示された技術が知られている。
特開昭54−97582号公報においては、乳化重合中に連鎖
移動剤を添加することにより通常の重合体ラテツクスよ
りはるかに低い分子量の重合体を合成してこれをシード
粒子とし、このシード粒子に水に幾分可溶な不飽和単量
体を吸収させて重合する方法が開示されている。しかし
ながらこの方法においては、通常用いられる油溶性開始
剤あるいは水溶性開始剤を用いると凝固物の発生あるい
は新粒子の発生等の問題を生じ、大粒径で単分散の重合
体粒子を確実に収率よく得ることは難しい。
また、特開昭54−126288号公報においては、第1段階に
おいて、膨潤助剤として機能する水に対する溶解度が10
-2g/H2Oより小さい有機化合物をシード粒子に吸収
させ、その後第2段階において、シード粒子に対し容量
で100倍量程度の水に幾分可溶な単量体を吸収させて単
量体の膨潤粒子を形成した後、重合開始剤として過硫酸
カリウムのような水溶性重合開始剤またはアゾイソブチ
ロニトリル(AIBN)のような油溶性重合開始剤を用
い、粒子形状を保持したまま重合する方法が開示されて
いる。しかしながらこの方法においては、重合開始剤と
して油用性重合開始剤を用いたときには、シード粒子に
吸収されない単量体の分散相までもがそのまま重合され
てしまい、そのため凝固物が多量に生成して収率が低い
欠点がある。また重合開始剤として過硫酸塩のような水
溶性重合開始剤を用いたときには、乳化剤濃度が臨界ミ
セル濃度以下であつても、水相中の生長ラジカルが乳化
剤の働きをし、いわゆるソープフリー乳化重合が一部ま
たは全体において進行し、膨潤した粒子の形態が維持さ
れない欠点がある。さらにこの方法においては、工程の
第1段階においてシード粒子に吸収させる膨潤助剤とし
ての低水溶性有機化合物の作用によつて、得られる重合
体粒子が真球にならずいびつになるといつた問題点もあ
る。
これらの問題点を解決する方法として、膨潤助剤を使用
しないでシード粒子を肥大化させる方法が、文献J.Poly
m.Sci.,Polym.Lett.Ed.,21,937−943(1983)(J.H.Jan
sson,M.C.Wellons,G.W.Poehlein著)において提案され
ている。この方法によれば、単量体と油溶性重合開始剤
とを混合しておき、この混合物を微分散して単量体エマ
ルジヨンを作り、これをシード粒子の分散体(ラテツク
ス)に添加することによつて14:1という高い膨潤比
でシード粒子の肥大化を達成することが可能である。
しかし、この方法においては、前述した特開昭54−1268
8号公報における膨潤助剤を用いる方法と比べ、同一条
件のシード粒子を用いたとしても得られる重合体粒子の
粒径の均一性が劣るという大きな問題点がある。
このような重合体粒子における粒径の不均一性は、以下
の現象によつて生ずるものと考えられる。すなわち、単
量体に油溶性重合開始剤を混合したのちこの単量体混合
物を水分散媒中に分散させることから、分散工程におい
て系に加えられる高いせん断エネルギーによつて生ずる
発熱により単量体の一部が重合し、単量体混合物の液滴
中に少量の重合体が生成する。そしてこの重合体に周囲
の単量体混合物が吸収されてこの単量体混合物の液滴が
安定化するため、シード粒子に吸収されずに分散媒中に
残存する単量体混合物の液滴が多量に存在することとな
る。この結果、重合処理によつて不要な重合体粒子が多
数生成し、得られる重合体粒子の粒径分布の範囲が大き
くなつて多分散となる。
以上において、分散工程における不要な重合体粒子の生
成は、系を冷却してせん断によつて生ずる熱を除去する
ことにより防止することが可能であるが、このような熱
を系全体にわたつて十分に除去することは事実上きわめ
て困難であり、高度の冷却設備によつても上記問題点を
完全に解消することは難しい。
また、この重合体粒子の製造方法においては、単量体と
重合開始剤とを混合状態で用いることから保存安定性が
きわめて低いという問題も有する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、従来技術の有する以下の問題点、 (イ) 粒径分布が広く均一な粒径の重合体粒子を得るこ
とができないこと、 (ロ) 真球の重合体粒子を得ることが困難であること、 等を解決し、単分散性の高い真球状重合体粒子を簡易な
プロセスによつて確実に製造することのできる重合体粒
子の製造方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の問題点は、シード粒子の水性分散体と、以下の2
種の水性分散体、 (a) 重合性不飽和単量体が前記シード粒子より小さい
粒径を有する状態で分散された水性分散体および (b) 油溶性重合開始剤が前記シード粒子より小さい粒
径を有する状態で分散された水性分散体、とを混合し、
シード粒子に重合性不飽和単量体および油溶性重合開始
剤を吸収あるいは吸着させた後に重合を行うことを特徴
とする重合体粒子の製造方法によつて解決される。
すなわち、本発明においては、あらかじめ、重合性不飽
和単量体ならびに油溶性重合開始剤を、それぞれ分散粒
子(油滴)の粒径がシード粒子の粒径より小さくなる状
態で水中に分散させて各々の水性分散体を調製し、つい
でこれらの水性分散体とシード粒子の水性分散体とを混
合して前記重合性不飽和単量体および油溶性重合開始剤
をシード粒子に接触、吸収させ、その後重合を行う点に
特色を有する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明において用いることのできる重合性不飽和単量体
は、水に対する溶解度が0.001〜0.2重量%であるものが
好ましい。単量体の水に対する溶解度が過小であると、
微分散化された重合性不飽和単量体の安定性が良いため
この単量体がシード粒子中へ吸収されるのに著しく時間
がかかり好ましくない。一方、単量体の水に対する溶解
度が過大であると、微分散した単量体の油滴が不安定で
あるためその寿命が著しく短くなり、単量体をシード粒
子よりも小さく分散した状態の水性分散体の調製が困難
となる。
水に対する溶解度が0.001〜0.2 重量%の範囲にあり、
本発明において好適に用いることのできる重合性不飽和
単量体としては、スチレン,α−メチルスチレン,P−
メチルスチレン,ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単
量体、ブチルアクリレート,ブチルメタクリレート,2
−エチルヘキシルアクリレート,2−エチルヘキシルメ
タクリレート,ラウリルアクリレート,ラウリルメタク
リレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート
等のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル、ブ
タジエン,イソプレンなどの共役ジオレフインなどを例
示することができる。これらの単量体はそれらの1種ま
たは2種以上を使用することができる。
水に対する溶解度が 0.2重量%より大きい重量性不飽和
単量体を用いる場合には、この単量体を1μm以下の粒
径となるよう微分散化を行うことが著しく困難であるの
で、重合性不飽和単量体100 重量部に対して 0.1重量部
以上の分散助剤を添加することが好ましい。
上記分散助剤として、水に対する溶解度が0.001重量%
以下の親油性物質であればよく、n−ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、1−クロルドデカン、アジピン酸ジオク
チルの他、ステアリルビニルエーテル、ステアリルメタ
クリレートのような重合性不飽和単量体を例示すること
ができる。
水に対する溶解度が0.2重量%より大きい重合性不飽和
単量体としては、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、塩化ビニリデン、エチルメタクリレート、エチ
レングリコール、ジアクリレート、エチレングリコージ
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタク
リルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアリルフタレー
ト、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などを例
示することができる。
水に対する溶解度が0.001重量%より小さい重合性不飽
和単量体を用いる場合には、これを水中に微分散したあ
とシード粒子に吸収あるいは吸着させる際に、水溶性の
有機溶剤を添加して微分散された液滴を不安定化するこ
とによつてシード粒子への吸収あるいは吸着を促進させ
ることが好ましい。このために使用できる水溶性の有機
溶剤としてはアセトン、メタノール、エタノール、ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフランなどを例示する
ことができる。
水に対する溶解度が0.001重量%より小さい重合性不飽
和単量体としては、ステアリルビニルエーテル、ステア
リルメタクリレートなどを例示することができる。
本発明においては、重合中における水相での新粒子の発
生を防ぐという点より、重合性不飽和単量体の少なくと
も一部に、重合転化速度の大きい単量体、たとえばジビ
ニルベンゼン、アクリロニトリルまたは塩化ビニルなど
を用いることが好ましい。
重合性不飽和単量体が複数種の場合には、複数の単量体
を混合してからこれを微分散して水性分散体を調製して
もよく、またそれぞれの単量体を単独で微分散して水性
分散体を調製してもよい。それぞれの単量体を単独で微
分散した水性分散体を用いる場合には、単量体の水に対
する溶解度の小さい順に単量体の水性分散体とシード粒
子の水性分散体とを混合し、該単量体をシード粒子に吸
収または吸着させることが好ましい。
本発明において用いることのできるシード粒子として
は、重合性不飽和単量体を吸収して膨潤するものが好ま
しく、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体
等のスチレン共重合体、アクリルエステル系重合体、酢
酸ビニル重合体などの重合体を例示することができる。
これらのシード粒子は水系のラテツクス、エマルジヨン
などの分散体の状態で使用される。また膨潤性のない組
成の重合体、高架橋性重合体さらには表面を親油化処理
された無機物の水性分散体も使用することができる。
シード粒子の粒径は、最終的に得られる重合体粒子の粒
径を均一なものとするために均一であることが好まし
い。またシード粒子の粒径は、得られる重合体粒子の用
途等によつて適宜選択されるが、通常1μm以下、好ま
しくは0.2〜0.9μmの範囲とされる。また、本発明で得
られたポリマー粒子を次工程のシード粒子として使用
し、さらに大きな粒子を製造することもできる。
本発明において用いることのできる油溶性重合開始剤
は、水に対する溶解度が 0.001〜0.2 重量%の範囲であ
るものが好ましい。油溶性重合開始剤の水に対する溶解
度が過小であると、微分散化された油溶性重合開始剤の
安定性が良いためこの重合開始剤がシード粒子中へ吸収
されるのに著しく時間がかかり好ましくない。一方、油
溶性重合開始剤の水に対する溶解度が過大であると、微
分散した重合開始剤の油滴が不安定であるためその寿命
が著しく短くなり、重合開始剤をシード粒子よりも小さ
く微分散した状態の水性分散体の調製が困難となる。
水に対する溶解度が 0.001〜0.2 重量%の範囲にあり、
本発明において好適に用いることのできる油溶性重合開
始剤としては、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシ 2エチルヘキサ
ノエート、ジ−t−ブチル パーオキサイドなどの有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシク
ロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物を例示する
ことができる。
油溶性重合開始剤の状態が粉末等の固体状である場合に
は、これをトルエンやシクロヘキサンのような不活性有
機溶媒に溶解した後使用することが好ましい。
水に対する溶解度が0.2重量%より大きい油溶性重合開
始剤を用いる場合には、これらを微分散化することが困
難であるため、分散助剤を重合開始剤100重量部に対し
て0.1重量部以上添加することが必要である。このよう
な分散助剤としては、水に対する溶解度が0.001重量%
以下の不活性な油溶性物質であれば良く、n−ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、1−クロルドデカンアジピン
酸ジオクチル等を使用することができる。
水に対する溶解度が0.2重量%より大きい油溶性開始剤
としては、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピ
バレート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどを
例示することができる。
次に本発明の製造方法のプロセスについて具体的に説明
する。
本発明においては、重合性不飽和単量体ならびに油溶性
重合開始剤を効率的かつ確実にシード粒子に吸収あるい
は吸着させ、不要な新粒子の生成を抑制して単分散性を
高めるために、これら重合性不飽和単量体ならびに油溶
性重合開始剤をそれぞれ反応系に添加する前にあらかじ
め水性分散体とし、しかもこれらの分散油滴の粒径をシ
ード粒子の粒径より小さくすることが重要である。
シード粒子に単量体を吸収させると、シード粒子の粒径
は通常膨潤によつて大きくなるが、その後に、さらに微
分散された単量体または重合開始剤を加えるときの単量
体または重合開始剤の粒径は、膨潤による増大後のシー
ド粒子の粒径より小さければ、本発明の方法の範囲内で
ある。しかし、その場合はシード粒子への単量体または
重合開始剤の吸収に要する時間が大となる。
重合性不飽和単量体ならびに油溶性重合開始剤の油滴を
微分散するためには、分散体に高せん断力を作用させる
ことが必要であり、そのためには例えば高圧下において
せん断を行なうマントンガウリンホモジナイザーを用い
る手段あるいは超音波を用いる手段などを採用すること
ができる。これらの手段においてはせん断による発熱を
避けるために冷却操作を行なうことが必要である。
また、分散体の調製においては分散性を高めるために界
面活性剤を用いる。このような界面活性剤としては通常
のものを用いることができ、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホル
マリン縮合物などのアニオン系乳化剤を例示することが
でき、更にポリオキシエチレンノニルフエノールエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビ
タンモノステアレートなどの非イオン系界面活性剤を併
用することも可能である。
シード粒子の水性分散体に対する、重合性不飽和単量体
および油溶性重合開始剤の各水性分散体の添加順序は特
に制限されるものではなく、単量体の次に重合開始剤あ
るいはその逆の順序で順次添加してもよく、また両者を
同時に添加してもよい。また各水性分散体の添加は連続
的であつても間欠的であつてもよい。
例えば具体的には、まず、シード粒子の水性分散体に油
溶性重合開始剤の水性分散体を添加し、重合開始剤の油
滴がシード粒子中に完全に吸収されるまで系を通常1時
間以上にわたつてゆつくり撹拌し、ついで重合性不飽和
単量体の水性分散体を添加し、この単量体の油滴がシー
ド粒子中に完全に吸収されるまで通常1時間以上にわた
つてゆつくり撹拌する。
このような吸収操作においては、微分散された油滴のシ
ード粒子への吸収を速めるために、水溶性の有機溶剤あ
るいは水溶性の塩を添加することも可能である。しか
し、この際シード粒子が不安定化して凝集し、得られる
重合体粒子の粒径分布が広くなる場合があるので注意が
必要である。
以上の吸収操作によつて微分散された油滴が消失しシー
ド粒子への吸収が終了した後、系の温度を上昇させて重
合を行なう。重合温度は通常40〜90℃、好ましくは50〜
80℃とされる。
重合の際、分散粒子の安定性を増すために分散安定剤を
用いることが必要である。このような分散安定剤として
は、通常用いられるものでよく、アニオン系、ノニオン
系の界面活性剤あるいは有機系または無機系の懸濁保護
剤が用いられる。好ましい分散安定剤としては、ケン化
度75〜55%、重合度500〜3,000のポリビニルアルコール
を用いることができる。
なお、重合の際、モノマー組成によつては水相において
シード粒子とは無関係に粒子が発生、成長する場合があ
り、これを抑制するために塩化第二鉄、亜硫酸ソーダ、
ハイドロキノンなどの水溶性の重合禁止剤を添加するこ
ともできる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。以下の記載において
「部」および「%」は、おのおの重量部および重量%を
表わす。
実施例1 t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート「パー
ブチル0」(日本油脂社製)2部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.15部、および水20部を超音波により撹拌して乳化
し、パーブチル0の油滴の粒径が0.5μm以下となるよ
うに微分散した。この分散体を、粒径0.80μmの単分散
ポリスチレンラテツクス(固形分濃度5%)40部に添加
し、温度30℃で12時間にわたり系をゆつくり撹拌し、
パーブチル0の油滴をシード粒子であるポリスチレン粒
子中に吸収させた。
次にスチレン90部とジビニルベンゼン10部との単量
体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム2.85部および水342
部を超音波により撹拌して乳化し、スチレンとジビニル
ベンゼンの単量体混合物を油滴の粒径が0.5μm以下と
なるように微分散し、得られた分散体を先のシード粒子
の分散体中に添加した。そして温度30℃で12時間にわ
たり系をゆつくり撹拌し、シード粒子中に単量体を吸収
させた。
その後ポリビニルアルコール「ゴーセノールGH20」
(日本合成化学(株)製)の10%水溶液100部を添加
し、温度を80℃に上昇させ重合を開始した。重合は4
時間でほぼ完結した。そして凝固物の発生はほとんどな
く、水相における新粒子の発生は全くなかつた。得られ
た重合体粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、粒
子はほぼ真球であり、平均粒径2.8μm、粒径の偏差値
5%のきわめて均一な粒径を有するものであることが確
認された。第1図はこの重合体粒子を表わす電子顕微鏡
写真である。
比較例1 パーブチルO2部、スチレン90部、ジビニルベンゼン
10部、ラウリル硫酸ナトリウム3部および水400 部を
超音波により乳化し、油滴の粒径が0.5μm以下となる
ように微分散した。この分散体を粒径0.80μmの単分散
ポリスチレンラテツクス(固型分濃度5%)2部(固形
分換算)に添加し、温度30℃で24時間にわたりゆつく
り撹拌してシード粒子中に単量体と重合開始剤の油滴を
吸収させたが、油滴が消失せず、さらに48時間撹拌し
ても油滴が消失しなかつた。その後ポリビニルアルコー
ルの10%水溶液100部を添加し、系を80℃に昇温
し、4時間にわたつて反応を行つたところで重合がほぼ
完結した。得られた重合体粒子を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、この粒子は、約2.7μmの均一な粒径を
有する粒子と0.5〜2μmの不均一な粒径を有する粒子
の混合体であつた。第2図はこの重合体粒子を表わす顕
微鏡写真である。
実施例2 3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド
「パーロイル355」(日本油脂社製)20部、ラウリル
硫酸ナトリウム0.5部および水100部を超音波を用い
て乳化し、油滴の粒径が0.6μm以下となるように微分
散した。この分散体を、粒径0.9μmのポリスチレンの
水性分散体(固形分濃度2%)50部中に添加し、30
℃で24時間にわたつてゆつくり撹拌しながらシード粒
子であるポリスチレンにパーロイル355を吸収させた。
スチレン300部、ラウリル硫酸ナトリウム3.75部および
水500部をマントンガウリンホモジナイザーを用い、油
滴の粒径が0.8μm以下となるように微分散し、この分
散体を先のシード粒子の分散体中に添加し、30℃で1
0時間にわたつてゆつくりと撹拌してシード粒子中にス
チレンをさらに吸収させた。
次に、ブチルアクリレート300 部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム3.75 部および水500部をマントンガウリンホモジナ
イザーを用い、油滴の粒径が0.8μm以下になるように
微分散し、この分散体をシード粒子の分散体中にさらに
添加し、30℃で5時間にわたつてゆつくりと撹拌して
シード粒子中にブチルアクリレートを吸収させた。
そしてさらに、アクリロニトリル400部、ラウリル硫酸
ナトリウム7.5部、水1000部およびn−ヘキサン40部
を乳化し、マントンガウリンホモジナイザーによつて微
分散して油滴の粒径を0.5μm以下にしたものを添加
し、30℃で42時間にわたつてゆつくりと撹拌してシ
ード粒子中にアクリロニトリルを吸収させた。
このようにして得られた均一な粒径の膨潤シード粒子の
大きさは約9μmであつた。この分散体中にポリビニル
アリコールの10%水溶液を1000部添加し、70℃に昇
温して重合した。重合は6時間でほぼ完結した。得られ
た重合体粒子を光学顕微鏡で観察したところ、この重合
体は平均粒径8.6μm、粒径の標準偏差7%のほぼ真球
状粒子であることが確認された。
実施例3 t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート「パー
ブチルO」(日本油脂社製)30部、ラウリル硫酸ナト
リウム2部および水150部をマントンガウリンホモジ
ナイザーを用いて油滴の粒径が0.5μm以下になるよう
に微分散した。この分散体を直ちに粒径0.83μmの単分
散ポリスチレンラテツクス(固形分濃度2%)50部の
なかに添加し、20℃で24時間ゆつくり撹拌してパー
ブチルOの油滴をシード粒子に吸収させた。
次に、スチレン700部、ラウリル硫酸ナトリウム8部お
よび水1000 部を、マントンガウリンホモジナイザーで
油滴の粒径が0.5μm以下となるように微分散した。こ
の分散体を先のシード粒子の分散体に2回に分けて添加
し、各々12時間にわたつて撹拌しスチレンの油滴をシ
ード粒子に吸収させた。
次にアクリロニトリル800部と1−クロルドデカン20
部の混合物、ラウリル硫酸ナトリウム10部および水20
00部をマントンガウリンホモジナイザーで微分散し、油
滴が0.7μm以下の粒径に微分散されたことを確認しつ
つ、これを4等分して先のシード粒子の分散体に添加
し、各々12時間かけて4回の吸収操作を行なつた。こ
の吸収操作の後、光学顕微鏡で観察すると、分散された
膨潤シード粒子よりなる油滴はほぼ9μmの均一な粒径
を有するものであることが認められた。
この分散体にポリビニルアルコール「ゴーセノールGH
20」(日本合成化学(株)製)の10%水溶液1500
部および塩化第二鉄の10%水溶液5部を加え、80℃
で10時間反応させた。得られた重合体粒子は、平均粒
径9.2μm、粒径の標準偏差3%の均一な粒径を有する
真球状の粒子であつた。
実施例4 マグネタイト「EPT500」(戸田工業(株)製)20部を
0.005モル/の塩化第二鉄水溶液60部中に分散し、
マグネタイト粒子の表面に正の電荷を与えた。次にこの
分散体に濃度10%のオレイン酸ナトリウム水溶液40
部加えてオレイン酸を吸着させた後、希塩酸でPHを6
〜7にして余分のオレイン酸を除去し、親油化処理した
マグネタイトを得た。このマグネタイト20部をシード
粒子として用い、これを5%のポリビニルアルコール
「ゴーセノールGH20」水溶液200 部中に分散し、粒
径0.3〜0.5μmのシード粒子の分散体を得た。
この分散体に、スチレン80部、水200部およびラウ
リル硫酸ナトリウム1.5部をマントンガウリンホモジナ
イザーによつてスチレンの液滴が0.1μm以下になるま
で乳化分散した分散体を添加し、18時間にわたつてゆ
つくり撹拌してマグネタイト表面にスチレンを吸着させ
た。
さらにこの分散体に、アゾビスイソブチロニトリル1
部、トルエン10部、水50部おびラウリル硫酸ナトリ
ウム0.3部を液滴の粒径が0.1μm以下となるように乳化
分散したものを加え、マグネタイトの表面に液滴を吸着
させた。
これを70℃で10時間にわたつて重合し、粒径範囲が
2〜7μm、磁性体の含有量が23%のマグネタイト含
有重合体粒子を得た。
比較例2 パーブチルO2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.15部、お
よび水20部をホモミキサーにより乳化し、パーブチル
Oの油滴の粒径が0.8〜5μmの範囲に入るように微分
散した。またスチレン90部、ジビニルベンゼン10
部、ラウリル硫酸ナトリウム2.85 部および水342 部を
ホモミキサーにより乳化し、油滴の粒径が0.8〜5μm
の範囲に入るように微分散した。
以上の分散体を粒径0.80μmの単分散ポリスチレンラテ
ツクス(固形分濃度5%)2部(固形分換算)に添加
し、温度30℃で72時間にわたりゆつくり撹拌して吸
収させた。ついでポリビニルアルコールの10%水溶液
100部を添加し、系を80℃に昇温し、4時間にわたつ
て反応を行なつた。
得られた重合体粒子を光学顕微鏡で観察したところ、粒
子径が1〜50μmの広い範囲にわたつて分散した粒子
であることがわかつた。
(発明の効果) 本発明によれば、油溶性重合開始剤および重合性不飽和
単量体を別個に微分散して水性分散体を調製し、これら
の分散体とシード粒子の分散体とを混合撹拌して前記重
合開始剤と単量体とをシード粒子にそれぞれ吸収させる
ことにより、微分散の操作中に生ずる発熱による重合が
回避され、その結果単量体のほとんどが確実にシード粒
子中に吸収され、不要な新粒子の生成が防止され、した
がつて単分散性の良好な重合体粒子を確実に製造するこ
とができる。
またシード粒子として親油化処理された無機物を用いる
ことにより、シード粒子の表面を重合体によつて均一に
被覆してなる複合粒子を得ることができる。
このようにして製造された重合体粒子は、微小粒子がな
く単分散性に優れ、また製造において膨潤助剤を使用し
ていないので重合体粒子がいびつになることがなく、真
球状であるという特徴を有する。
本発明の製造方法によつて得られる重合体粒子の用途と
しては、顕微鏡検査用の標準資料、分離,流体流,遠心
分離,拡散率測定およびダスト研究等のモデル系用材
料、生体医学診断薬用担体、固定化酵素担体、粉末イン
ク、静電現像用トナー、塗料、粉末潤滑剤、マイクロカ
プセル、感圧複写紙のマイクロカプセル保護用スペーサ
ー材料、液晶セル用スペーサー、塗工紙用プラスチック
ピグメント、粘着剤用プラスチックピグメント、セラミ
ックス用バインダー、耐衝撃樹脂用ベースポリマー粒
子、化粧品用プラスチックピグメント、イオンクロマト
グラフィー用カラム充填剤などを挙げることができ、多
種の分野においてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は実施例および比較例に係る重合体
粒子の構造を表わす走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シード粒子の水性分散体と、以下の2種の
    水性分散体、 (a) 重合性不飽和単量体が前記シード粒子より小さい
    粒径を有する状態で分散された水性分散体、および (b) 油溶性重合開始剤が前記シード粒子より小さい粒
    径を有する状態で分散された水性分散体、とを混合し、
    シード粒子に重合性不飽和単量体および油溶性重合開始
    剤を吸収あるいは吸着させた後に重合を行うことを特徴
    とする重合体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】重合性不飽和単量体が、水に対し0.001〜
    0.2重量%の溶解度を有する特許請求の範囲第1項記載
    の重合体粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】油溶性重合開始剤が、水に対し0.001〜0.2
    重量%の溶解度を有する特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の重合体粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】重合性不飽和単量体が水に対し0.2重量%
    より大きい溶解度を有し、該重合性不飽和単量体100
    重量部に対し、水に対する溶解度が0.001重量%以下の
    高親油性物質が0.1重量部以上添加される特許請求の範
    囲第1項記載の重合体粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】油溶性重合開始剤が水に対し0.2重量%よ
    り大きい溶解度を有し、該油溶性重合開始剤100重量部
    に対し、水に対する溶解度が0.001重量%以下の高親油
    性物質が0.1重量部以上添加される特許請求の範囲第1
    項または第4項記載の重合体粒子の製造方法。
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