JPH0653676B2 - インターフェロンの相乗効果 - Google Patents

インターフェロンの相乗効果

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JPH0653676B2
JPH0653676B2 JP58199889A JP19988983A JPH0653676B2 JP H0653676 B2 JPH0653676 B2 JP H0653676B2 JP 58199889 A JP58199889 A JP 58199889A JP 19988983 A JP19988983 A JP 19988983A JP H0653676 B2 JPH0653676 B2 JP H0653676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインターフエロンの相乗効果に関するものであ
る。より詳細に述べると、本発明は、ヒトのガンマー
(γ)インターフエロン(IFN−γ)(これはヒトの
免疫性インターフエロンと呼ばれることもある)を、ヒ
トのアルフアー(α)インターフエロン群(IFN−
α)、そのハイブリツド(雑種)およびヒトのベーター
(β)インターフエロン(IFN−β)のいづれかと組
み合せると、単独で試験した時のそれぞれの活性に基づ
いて公正に予想し得る活性より遥かに高い生物活性が得
られるという知見に基づくものである。この実験結果
は、これまで組み換えDNA技術を用いる以外は得るこ
とのできなかつた、あらゆる意味において、それぞれの
インターフエロンだけを含有している非常に純粋な製剤
を使用したので、インターフエロン蛋白質自体の真の協
力作用であることを示している。
本発明の背景、特に実例を示し、その実際について更に
詳細な情報を提供するために本明細書で引用した刊行物
は、本明細書の末尾に番号を付してまとめた。
ヒトのインターフエロンは、観察された生物学的性質お
よび分子構造の違いに基づいて3つのグループに分類さ
れている。例えば、ヒトのα−インターフエロンは、そ
のアミノ酸配列のほぼ80〜85%が相同である一群の
蛋白質群である。このα−系列の蛋白質は、抗ウイルス
作用および細胞増殖阻止作用の両方を持つていることが
知られている(文献1〜10)。同様に、IFN−α群
に共通の相同性の約25〜30%しか持たないIFN−
βも生物学的活性を示す(文献11)。最近まで最もつ
かみどころのなかつたインターフエロンであるIFN−
γは、他の系列のインターフエロンと本質的に相同する
ところはないが、それでも他の2系列のインターフエロ
ンが示す活性と、その性質を異にしない活性を示す(文
献12)。
IFN−αおよびIFN−βインターフエロンは、ウイ
ルスにさらした細胞により生産され、それから単離され
ている。IFN−γインターフエロンは、特異な細胞分
裂刺激に応じてリンパ球内で誘発される。天然の資源か
ら得られたインターフエロン製剤は、生物学的活性を比
較する研究に使用されて来た(文献13−16)。これ
らの研究は、哺乳動物(マウス)の蛋白質系に基づくも
のではあるが、その結果を、ヒトのインターフエロン製
剤を用いて実施することのできる対応する研究に、その
まま示唆を与えるものではない。更に、これらの研究
は、やむなく比較的不純な製剤を用いて行なわれたの
で、得られた結果がインターフエロンとしてのインター
フエロンによるのか、他の干渉性の不純物(蛋白性の不
純物またはその他のもの、例えば各種のリンホカイン)
によるのか、あるいはその混合物の組合せの効果による
のか、という解釈上の混乱が生じる。更に、これらの比
較的不純な製剤を得るのに使用した細胞は、細胞変性効
果を持つていることが知られており、このことも事態を
更に複雑にしている。
組み換えDNA技術によつてヒトのインターフエロンが
生産されるまで(文献1、11、12、18)、天然の
ヒトのインターフエロンの生物学的性質の確定的な決定
は、純粋な物質を得るのが困難であるが故に混乱してい
た。インターフエロンは強力な活性を有するが故に、そ
の様な不純な製剤でも生物学的な分析が可能であつた
が、その結果がどの程度、全部があるいは一部が、不純
物の存在によるものかが不明であつた(文献19、2
0)。蛋白質の相互作用および混合活性は、よく知られ
てはいないが、あり得る現象である。従つて、この様な
比較的不純な製剤からは、明確な生物活性の結果を予測
し得ない。事実、更に純度の良い製剤を得ようと試みた
結果、もつと不純な製剤について観察されたものとは異
なるレベルの活性が得られたという報告がある(文献1
9)。
比較的不純な物質を用いて行なわれたインターフエロン
製剤(マウスについては文献14、15、ヒトについて
は17)を混合した時の増強効果を調べる為に行なわれ
た研究から、原因と結果について憶測を超えた結論を出
すことは、科学的に根拠のないことであろう。これらの
研究は、増強についての憶測の基礎を提供したけれど
も、実際の増強効果があつたという証拠は明らかにされ
なかつた(文献14)。
本発明は、不純な物質を用いて行なわれる研究に付随す
る問題に対処するものであり、インターフエロンによる
インターフエロンの相乗効果を証明するために必要な証
拠を提供するものである。組み換えDNA技術の出現に
より、遺伝子的に変換した宿主培養物から、ヒトのイン
ターフエロンを多量に、そして従来得られなかつた純度
で生産、単離することができる様になつた(文献1、1
1、12、18)。従つて、各種のヒトのインターフエ
ロンが互いに及ぼし合う真の効果についての仮説を試験
することができることとなつた。本発明は、この様な試
験の結果、完成されたものである。
本発明の第1の目的は、ヒトのα−インターフエロン
(IFN−α)、そのハイブリツドおよびヒトのβ−イ
ンターフエロン(IFN−β)からなる群から選ばれる
インターフエロンと、ヒトのγ−インターフエロン(I
FN−γ)との、相乗効果的な、薬学的に純粋な混合物
からなる組成物を提供することにある。第2の目的は、
IFN−α、そのハイブリツドおよびIFN−βと組み
合わせるとIFN−γの生物学的活性が相加的にではな
く、相乗的に増大するという注目すべき発見に基づい
て、1)薬学的に純粋な、相乗効果を発揮する量の該イン
ターフエロン群を混合することにより相乗効果を生ぜし
める方法および、2)薬学的に純粋な、相乗効果を発揮す
る該インターフエロンの組み合せ物を、そのままで、あ
るいは通常の薬学的に許容し得る賦形剤または担体と混
合して使用することによりヒトを治療する方法、を提供
するものである。更に本発明の目的は、上記のインター
フエロン組み合せ物を含有する医薬組成物の製造法およ
び相乗的な生物学的効果を得る目的で該医薬組成物をヒ
トに投与する方法を提供することにある。
本発明の思想は、薬学的に純粋なヒトのα−、β−およ
びγ−インターフエロン組み合せ物は、生物学的活性が
相乗的に増大するという点にあり、従つて本発明は、本
明細書中に具体的にあるいは示唆的に記載された特定の
態様だけに関するものではない。
本発明における2種の試剤を組み合せた時の応答を効果
的に図式的に分析する為に、各試剤を別々に、そして組
み合せて使用した時の効果を示すデータを利用してイソ
ボログラム(isobologram)を作成する(文献21〜2
4)。この方法は例えばIFN−αA、IFN−β1
およびIFN−γの抗増殖作用を分析するのに用いられ
て来た。ここに記載されている1つの実験に使用された
ヒトIFN、IFN−αA(以前はLeIF−Aまたは
IFN−α2と呼ばれた)、IFN−β1およびIFN−
γは、E.coli(大腸菌)中で合成され(文献1、11、
12、18)、これら3つのインターフエロンは、SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動およびHPLC分析
によれば、純度95%以上で用いられた初めてのもので
あつた(文献7)。この程度の純度のハイブリツドIF
N−αもまた入手可能である(文献3、25)。IFN
の比較は、IFN−αAおよびIFN−γはNIHヒト
白血球標準(G023−901−527)、IFN−β
1はNIHヒト線維芽細胞標準(G023−902−5
27)に対して標準化し、水疱性口内炎ウイルスをチヤ
レンジしたHeLa細胞で生物検定した抗ウイルス単位に基
づいて行なつた。対照標準は、Antiviral Substance Pr
ogram of the National Institute of Allergy and Inf
ectious Diseases,National Institutes of Health,
ワシントンDCから自由に入手できる。ヒトの黒色腫セ
ルライン、Hs294TはCell Culture Department,Nav
al Biosciences Laboratory,OaklandCAで着手、クロ
ーンされ、Biological Carcinogenesis Branch of Nati
onal Cancer Institute of the National Institutes o
f Health,Bethesda,Marylandから入手できる。このセ
ルラインの起源、特性および細胞遺伝学については既に
報告されている(文献26、27)。これらの細胞の増
殖は部分的に純化されたヒトの白血病IFNにより阻止
されること、およびこの阻止によつて、細胞の生活能力
は衰えないことがわかつている(文献27)。
本明細書に於いて、「遺伝子的に変換した宿主細胞」と
は、それ自体(内性)の過程での固有の生産物ではない
ポリペプチド(外来性ポリペプチド)を生産せしめる様
に、人為的に挿入されたDNA配列を含有している微生
物、または哺乳動物の培養物(カルチヤー)を包含す
る、その他の細胞培養物を意味する。組み換えDNA技
術の最近の精密さにより、例えばE.coliに哺乳動物の蛋
白質を生産せしめるべく、DNA配列を操作することが
可能となつた。宿主細胞の遺伝子的変換によつてもたら
されるこの様な生産も、上記の用語を、その効果の面で
定義づけている。
また、組み換えDNA技術により、外来性ポリペプチ
ドを実質的に純粋な形で生産することができる。という
のは、宿主細胞によつて同様の起源の他の蛋白質が生産
されることがなく、他の宿主細胞物質からの生成物の分
離が容易だからである。組み換えDNA技術により、最
近、少なくとも約95%以上の純度の外来性蛋白質を生
産することができる様になつた。この限度を、本明細書
では「実質的に不純物を含まない」と定義する。この限
度は、天然から得られる、リンホカインや細胞変性物質
の様な他の干渉物質を含んでいないインターフエロン製
剤より大きい等級量の活性レベルに相当するものであ
る。例えば、組み換えヒト白血球インターフエロン(I
FN−α)および線維芽細胞インターフエロン(IFN
−β)の比活性は、約1×108単位/総蛋白質(mg)
と計算されており、ヒトのγ−インターフエロン(IF
N−γ)のそれは、少なくとも106単位/mgのオーダ
ーである。
本発明で使用される組み換えIFNを、例えば細菌から
純化することができる1つの方法を、IFN−γを例に
とつて以下の一般的手順に示す。
1.高圧でホモジナイザを通過させ、流出液を氷浴で冷却
することによる、高電導率の溶菌緩衝液(約pH8)中の
細胞の抽出。
2.攪拌下、例えば4℃でのポリエチレン−イミン添加に
よるDNAの沈殿化。
3.細菌性蛋白質のpH沈殿、再びIFN−γを溶液中に保
持。
4.4℃で遠心分離して固形物を分離。
5.限外過による、pH再調節の後の上澄液の濃縮。
6.低電導率緩衝液に対する濃縮物の透析。
7.遠心分離による固形物の分離とIFN−γの溶液中へ
の残留。
8.カルボキシメチルセルロースでのイオン交換クロマト
グラフイー、イオン強度を増大させるグラジエント法で
溶出。
9.燐酸カルシウムゲルでのクロマトグラフイー、イオン
強度を増大させるグラジエント法で溶出。
10.弱い変性条件下でのカルボキシメチルセルロースで
のイオン交換クロマトグラフイー、イオン強度を増大さ
せるグラジエント法で溶出。
11.ゲル過クロマトグラフイーによる分離。
以上の方法で純度95%以上の物質が得られる。
本明細書に於いて「薬学的に純粋」なる用語は、組み換
えDNA技術により調製し得る、信頼のおける生物学的
試験および例えばヒトの治療のために投与するのに適し
た、上で定義したインターフエロンの製剤を意味する。
相乗効果的混合物は、それに従えば各薬物のMIC(最
小阻止濃度)の4分の1またはそれ以下の組み合せで、
所望の観察された効果が得られるという、標準的な、認
められた根本的原理で定義される(文献24)。その様
にインターフエロンを各種の比率で試験し、イソボログ
ラム(後述)を作成すると、相乗効果は、少なくとも0.
25FIC(フラクシヨナル阻止濃度)点に達するくぼん
だ曲線によつて示すことができる。従つて、この基準を
参照すると、試験した組み合せのMICを知ることがで
き、相乗効果的混合を達成するのに必要な各成分のMI
Cがわかる。
Hs294Tセルラインについてここに記載した如く行な
つた生物検定に基づき、IFN−γとIFN−αの有効
的な相乗効果量は、IFN−γが約0.5〜約7.7μg/m
l、IFN−αは約2.5〜約0.3μg/mlの範囲とするこ
とができる、と結論し得る。同様の計算から、IFN−
γの量が約2〜約45μg/mlであり、IFN−βが約
0.07〜約0.008μg/mlであるという結論も得られる。
実際の使用量は、上の計算に固有の制限により、比較的
広い範囲で変えることができる。しかし、本明細書の記
載に基づき、本発明の相乗効果を発揮させ得る活性成分
の量をもつと正確に決定することは、当業者の通常の技
術範囲で行なうことができる。
添付の第1図は、細胞の増殖に及ぼすIFN−γおよび
IFN−αAの効果を示すものである。ヒトの黒色腫細
胞(Hs294T)は、10%の牛胎児血清を加えたDulb
ecco改良のEagle培地(Gibco)中、単層として増殖させ
た。(a)投与量−応答曲線、細胞を植え付けてから(1
×105細胞/35mmの容器)24時間後に、培養液
を、増加濃度のIFN−γ またはIFN−αA を含有している新しい培地で置き換えた。IFN添加9
6時間後に生存細胞を数え、対照細胞(IFN処置を受
けないもの)の%で表わした。(b)(i)IFN−γおよび
IFN−αA単独(●);(ii)一定量のIFN−αA
(50、100、150単位/ml)と増加する濃度のI
FN−γとの組み合せ(○);(iii)一定量のIFN−
γ(25単位/ml)と増加する濃度のIFN−αAとの
組み合せ(○)、の投与量−応答曲線から得られる50
%細胞増殖阻止濃度から描いたイソボログラム。値はフ
ラクシヨナル阻止濃度(FIC)で表わしてある。IF
N−γについては、1.0のFICは35単位/mlを表わ
し、IFN−αAについては1.0のFICは500単位
/mlを表わす。( )内の値は、明細書に記載した様な
各組み合せのFICインデツクスを表わす。
第2図は細胞増殖に及ぼすIFN−γおよびIFN−β
1の効果を示している。この実験の筋書きは第1図の説
明に記載してある。(a)IFN−γ およびIFN−β1 の投与量−応答曲線。(b)(i)IFN−γ単独およびIF
N−β1単独(●);(ii)一定量のIFN−γ(10、
25または50単位/ml)と増加濃度のIFN−β1
の組み合せ(○);および(iii)一定量のIFN−β
1(5、10または15単位/ml)と増加濃度のIFN
−γとの組み合せ、の投与量−応答曲線から得た50%
細胞増殖阻止濃度に基づいて描いたイソボログラム。第
1図(b)と同様、値はFICで表わしてある。IFN−
γについては、1.0のFICは200単位/ml、IFN
−β1については、1.0のFICは16単位/mlを表わ
す。
第3図は細胞増殖に及ぼすIFN−αAおよびIFN−
β1の効果のイソボログラムである。この実験の筋書き
は第1図の説明に記載してある。値はフラクシヨナル阻
止濃度に標準化し、代表的実験からの結果を表わしてい
る:実験1(●);実験2(○);実験3(▲)。細胞
増殖を50%阻止したIFN−αA単独およびIFN−
β1単独の濃度はそれぞれ800〜2000単位/ml、
および10〜32単位/mlであつた。これらの値はFI
C1.0に標準化された(●)。
IFN−γとIFN−αAの相互作用の分析は第1図
に、IFN−γとIFN−β1のそれは第2図に示し
た。実験の組み立ては両データとも同じである。Hs29
4T細胞を増加する濃度の1つのクラスのIFN(IF
N1)単独、もう1つのクラスのIFN(IFN2)単
独、または両IFNの組み合せ物と共にインキユベート
した。組み合せ物は、一定の準阻止量のIFN2と混合
した増加濃度のIFN1、および準阻止量のIFN1と
混合した増加濃度のIFN2からなつている。生存細胞
の数はIFNの添加96時間後に測定し、2−3ダブリ
ングを通過した対照細胞(IFN処置を受けなかつたも
の)の%で表わした。細胞増殖を50%阻止するのに必
要なIFNの濃度をそれぞれのイソボログラムに示す。
細胞増殖を50%阻止するのに必要な各IFN単独の濃
度は、実験ごとに変動した。このことは、IFN分析
(アツセイ)に於ける偏差もあろうが、細胞過程におけ
る、IFNによりひき起される細胞増殖阻止効果に対す
る細胞の感受性が変化することを示している。従つて、
この種の実験において本質的な一貫性を得るためには、
1つのイソボログラムに使用する全ての点を同じ実験か
ら得ることが必要であつた。即ち、複製培養を同時にI
FN1、IFN2およびIFN1およびIFN2の組み
合せ物で処理し、組み合せ物で使用した各IFNの濃度
を間違いなく全て準阻止的とした。
第1図(a)の投与量−応答曲線からわかる様に、500
単位/mlのIFN−αAまたは35単位/mlのIFN−
γにより細胞増殖が50%阻止される。IFN−γおよ
びIFN−αA単独および組み合せ物の50%阻止点か
ら描いたイソボログラムを第1図(b)に示す。横座標お
よび縦座標の点は、細胞増殖の50%阻止に必要なそれ
ぞれIFN−αA単独およびIFN−γ単独の、1.0の
フラクシヨナル阻止濃度(FIC)値に標準化された量
を表わしている。これらの点の間に引かれた線上の、組
み合せ処置により得られる点は、相加効果を表わすこと
になる。この線より左にくぼんだ曲線を形成する点は相
加以上の応答、即ち相乗的応答を示し、一方この線より
右側のくぼんだ曲線を形成する点は、阻止あるいは拮抗
作用を意味する準−相加応答(sub-additive respons
e)を表わすことになる。第1図(b)に示す様に、IFN
−αAおよびIFN−γの混合物を使つて得た50%点
は、相加直線の左にくぼんだ曲線を形成し、相乗応答の
基準に適うものであつた。
IFN−γおよびIFN−β1の効果を第2図に示す。
細胞を200単位/mlのIFN−γまたは16単位/ml
のIFN−β1で処理すると、細胞の増殖は50%阻止
される(第2図a)。IFN−γ単独、IFN−β1
独およびIFN−γとIFN−β1の組み合せの50%
阻止点から描いたイソボログラムを第2図(b)に示す。
第1図と同様に、全ての点はフラクシヨナル阻止濃度で
表わされており、得られたくぼんだ曲線は超相加的な、
即ち相乗的な応答を表わしている。
この細胞系における、IFN−αAとIFN−β1を組
み合せた時の相互作用も調べた。第1図および第2図の
様に、各種濃度のIFN−αAおよびIFN−β1単独
および組み合せ物で細胞を処理した。この様な実験で得
られた結果は第3図に示す様に一貫性のないものであ
り、ある組み合せでは相乗作用の定義に合致し、ある組
み合せでは拮抗的であるらしいことがわかつた。これ
は、IFN−γとIFN−αAまたはIFN−β1との
組み合せで処理した場合、再現性よく、第1図および第
2図に示す様な相乗的応答が得られたことと著しい対照
をなすものであつた。第3図に示したデータは、IFN
−αAとIFN−β1の相互作用は、IFN−γとIF
N−αAあるいはIFN−β1とのそれよりも複雑であ
ることを示している。
相加性と相乗性を区別するのに、各組み合せで使用した
個々の試剤のFIC値の総計に等しいフラクシヨナル阻
止濃度(FIC)を利用することができる。相乗的な応
答は、FICインデツクスが0.5より小さいことで定義
される:即ち、各試剤のFICの1/4またはそれ以下の
組み合せで50%の阻止が達成される場合である。FI
Cインデツクスが1というのは相加的応答である。第1
図(b)および第2図(b)のイソボログラムの点の( )内
に示したFICインデツクスは0.5以下であり、相乗的
応答の定義に合致するものである。例えば、第1図(b)
に示す様に、細胞増殖の50%阻止は、50単位/mlの
IFN−αAと8単位/mlのIFN−γの組み合せ量で
達成された(FICインデツクスは0.3)。同様に、第
2図(b)に示す様に、4単位/mlのIFN−β1と10単
位/mlのIFN−γとの組み合せ量で50%の細胞増殖
阻止がみられた(FICインデツクスは0.3)。この様
にして実験データを調べることにより、IFN群間の活
性の程度を決定することができる。即ち、FICインデ
ツクスが約0.3であるということは、IFN−γとIF
N−αAまたはIFN−β1との相乗性の程度がこの細
胞系では同じであることを示している。
以上の結果から、ヒトの組み換えIFN−αA、IFN
−β1またはIFN−γの高度に純化された製剤は、そ
れぞれヒトの黒色腫細胞の複製を阻止することができ、
細胞増殖の50%阻止は、IFN−αAまたはIFN−
γより、低い濃度のIFN−β1で達成されることがわ
かる。
具体的な態様では、IFN−γとIFN−αAまたはI
FN−β1との組み合せの高純度の製剤でヒトの黒色腫
細胞を処理すると、各IFN単独の場合に必要とされる
濃度より遥かに低い濃度で細胞増殖の50%阻止が達成
されることがわかつた。抗増殖活性および抗ウイルス活
性は両者とも、1個のIFN分子の本質的な性質の例で
あるので、異なつたタイプの純化IFNの組み合せで処
置すると、その抗ウイルス活性に於いても同様の活性化
が得られることになる。
本発明に係る組み合せ物は、同様の活性を示す薬剤の投
与法として認められているいかなる方法によつても投与
することができる。例えば経口、非経口、局所投与など
が挙げられ、全身投与剤型であつてもよいが、局所的ま
たは静脈内注射が好ましい。
投与方法に応じて、本発明の組成物は固状、半固状、ま
たは液状の投与形態、例えば錠剤、ピル剤、カプセル
剤、粉末、液剤、懸濁剤などとすることができる。正確
な投与量を1回投与する為の単位投与形態にするのが好
ましい。この組成物は通常の薬学的担体、賦形剤を含ん
でいてもよく、更に他の医薬、薬学的試剤、担体、補助
剤などを含んでいてもよい。この様な賦形剤として他の
蛋白質、例えばヒトの血清アルブミンまたは血漿製剤を
含んでいてもよい。
投与される活性物質の量は、治療しようとする患者、疾
患の重さ、投与方法および担当医の判断に応じて変わ
る。
固状組成物の為の通常の非毒性固状担体としては、薬学
的等級のマンニツト、ラクトース、スターチ、ステアリ
ン酸マグネシウムなどが挙げられる。薬学的に投与し得
る液状組成物は、例えば水、食塩水、水性デキストロー
ス、グリセロール、エタノールなどの担体に溶解または
分散して、溶液または懸濁液の形で調製することができ
る。所望により、投与しようとする医薬組成物は、少量
の非毒性補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤な
ど、具体的には酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラ
ウレートなどを含んでいてもよい。この様な投与剤型を
製造する実際の方法は当業者にはよく知られているかあ
るいは、容易に推測できる(例えばRemington's Pharma
ceutical Sciens,Mack Publishing Company,Easton,Pen
nsylvania,15版、1975参照)。投与する組成物
あるいは製剤は、いづれも、治療しようとする患者に所
望の治療効果を与えるのに有効な量の活性成分を含んで
いる。
以下に本明細書で引用した文献を列挙する。
1.Goeddel et al.,Nature 287,411(1980). 2.Yelverton et al.,Nucleic Acids Research 9,731(19
81). 3.Weck et al.,Nucleic Acids Research 9,6153(1981). 4.Weck et al.,J.Gen.Virol.57,233(1981). 5.Lee et al.,Cancer Research 42,1312(1982). 6.Weck et al.,Infect.Immun.35,660(1982). 7.Wetzel et al.,J.Interferon Research 1,381(1981). 8.Weck et al.,Injection and Immunity,印刷中. 9.Smolin et al.,Arch.Ophthalmol.100,481(1982). 10.Masucci,et al.,Science 209,1431(1980). 11.Goeddel et al.,Nucleic Acids Research 8,4057(19
80) 12.Gray et al.,Nature 295,503(1982). 13.Crane et al.,J.Nat.Canc.Inst.61,871(1978). 14.Fleischmann et al.,Inject.and Immunity 26,248(1
979). 15.Fleischmann,Cancer Research 42,869(1982). 16.Ankel et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77,2528(19
80). 17.Fleischmann,"Interferon Potentiation:Antiviral
and Antitumor Studies,"Interferon Properties,Mode
of Action,Production,Clinical Application,Eds.Mun
k and Kirchner,S.Karger,Basel,p.53以下。
18.Goeddel et al.,Nature 290,20(1981). 19.Blalock et al.,Cellular Immunology 49,390(198
0). 20.Deley et al.,Eur.J.Immun.10,877(1980). 21.Steel,G.G.et al.Int.J.Radiation Oncology Biol.P
hys.5,85(1979). 22.Redpath,J.L.Int.J.Radiation Biol.,38,355(1980). 23.Wilson,G.S.et al.,Principles of Bacteriology,Vi
rology and Immunity(Topley and Wilson,ed)Vol I.Wil
liams and Wilkens,Baltimore,Md.,(1975) 24.Goodman,A.,et al.,The Pharmacological Basis of
Therapeutics Macmillan Publishing Co.,Inc.,N.Y.,(1
980). 25.European Patent Application Publication No.0051
873(19 May 1982). 26.Creasey,A.A.et al.,In Vitro 15,342(1979). 27.Creasey,A.A.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.(USA)77,14
71(1980). 28.Gresser,I.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.(USA)66,1052
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19(1981).
【図面の簡単な説明】
第1図は細胞増殖に及ぼすIFN−γおよびIFN−α
Aの効果を示すグラフ、第2図は細胞増殖に及ぼすIF
N−γおよびIFN−β1の効果を示すグラフ、第3図
は細胞増殖に及ぼすIFN−αAおよびIFN−β1
効果のイソボログラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エルンスト・ハ−・リンダ−クネヒト アメリカ合衆国カリフオルニア94070サ ン・カルロス・バウア−・ドライブ812番 (56)参考文献 特開 昭55−98118(JP,A) 特開 昭55−154919(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組み換えDNA技術によって製造され、不
    純物を実質的に含まないように精製された、ヒトのγ−
    インターフェロンとヒトのα−インターフェロンおよび
    ヒトのβ−インターフェロンからなる群から選ばれた第
    2のインターフェロンを含有し、γ−インターフェロン
    とα−インターフェロンの場合には1:5〜26:1
    (重量/重量)の範囲で、そしてγ−インターフェロン
    とβ−インターフェロンの場合には28:1〜560
    0:1(重量/重量)の範囲で混合された、該γ−イン
    ターフェロンと該第2のインターフェロンの相互作用の
    結果である相乗的な生物学的作用を有する細胞増殖阻止
    剤組成物。
  2. 【請求項2】各インターフェロン成分の純度が総蛋白質
    の95重量%以上である第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】組み換えDNA技術によって製造され、不
    純物を実質的に含まないように精製された、ヒトのγ−
    インターフェロンとヒトのα−インターフェロンおよび
    ヒトのβ−インターフェロンからなる群から選ばれた第
    2のインターフェロンを、γ−インターフェロンとα−
    インターフェロンの場合には1:5〜26:1(重量/
    重量)の範囲で、そしてγ−インターフェロンとβ−イ
    ンターフェロンの場合には28:1〜5600:1(重
    量/重量)の範囲で混合することからなる、該γ−イン
    ターフェロンと該第2のインターフェロンの相互作用の
    結果である相乗的な生物学的作用を有する細胞増殖阻止
    剤組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】各インターフェロン成分の純度が総蛋白質
    の95重量%以上である第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】該インターフェロンを通常の薬学的担体と
    混合する追加の工程をさらに含有する第4項に記載の方
    法。
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