JPH0653762B2 - ヒドロキシエチルセルロ−スの精製方法 - Google Patents

ヒドロキシエチルセルロ−スの精製方法

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JPH0653762B2
JPH0653762B2 JP60172089A JP17208985A JPH0653762B2 JP H0653762 B2 JPH0653762 B2 JP H0653762B2 JP 60172089 A JP60172089 A JP 60172089A JP 17208985 A JP17208985 A JP 17208985A JP H0653762 B2 JPH0653762 B2 JP H0653762B2
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三菱油化株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ヒドロキシエチルセルロース(以下HECとい
う)の精製方法に関するものである。詳しくは、該セル
ロースを酸性アルキル燐酸エステルを含む有機溶剤は有
機溶剤と水との混合溶媒で処理することにより該セルロ
ース中のアルカリ金属分を除去する方法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
HECは、非イオン性の水溶性高分子で、その水溶液は粘
性を有し、pH安定性・塩との相溶性に優れている。
また、その水溶液は低温でも高温でもゲル化することな
く安定で、保護コロイドとなる性質を持つ。更に、HEC
水溶液は、皮膜形成性があり、得られた皮膜は透明且つ
柔軟で、しかもべたつきがない。
この様な優れた性質を利用し、HECは、水溶性増粘剤、
分散剤、バインダーなどとして広く使われている。
HECと同様な、水溶性セルロースエーテルであるメチル
セルロースや、エチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどは、水溶液中で加熱するとゲル化する
為、セルロースエーテル中に含まれるセルロースのエー
テル化反応の際触媒として使ったNa又はK等のアルカリ
金属分を容易に除去することが出来る。しかしながらHE
Cは熱水に対しても可溶な為に、製品中に含まれるNa又
はK塩を除去することが非常に困難である。この為、HE
C中に含まれるNa又はK塩を除去する方法が数多く提案
されている。
例えば、特公昭37−848号公報には、反応生成物を
プロピオン酸、又は安息香酸又は酢酸と硝酸で中和し、
70〜90%の親水性溶剤(イソ−プロパノール,t−
ブタノール,sec−ブタノール,ジオキサン)の水溶液
とを組合せて洗浄する方法が提案されている。
また、特開昭50−83427号公報には、陽イオン交換樹
脂を用いてHEC中に含まれる灰分を除去する方法が述べ
られている。
一方、特公昭44−13159号公報にはHECを酸性領域下で
グリオキザールを用いて処理し、その後水で水洗する方
法が提案されている。更に、特公昭58−43402号公報
には、グリオキザールで処理したHECを40〜80℃で
乾燥し、次いでこのグリオキザール化HECを10℃以下
の水で洗浄し、再び乾燥する方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、特公昭37−848号公報の方法は洗浄
に多量の溶剤を必要とするばかりか更に洗浄を繰り返し
ても高純度のHECを得ることは困難である。また、特開
昭50−83427号公報の方法では、HEC水溶液の増粘性の
ためイオン交換樹脂の効率が低い上、その再生が極めて
困難である。一方、特公昭44−13159号公報の方法に
よってはHEC中の灰分を充分に除去することが困難であ
る。更に、特公昭58−43402号公報の方法も操作が複
雑で、且つHECのロスが多い。
HEC中に含まれるNa又はK塩は、本来水溶性であり、有
機溶媒には殆んど溶解しない。その為HEC中のNa又はK
塩を除去する為には、水又は水性の有機溶剤で洗うこと
が考えられるが、HEC自身も水溶性である為に水性有機
溶剤による洗浄はどうしてもHECのロスを避けることが
できない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、NaOH又はNa塩
又はKOH又はK塩が、炭素数4〜18のアルキル基を1
コ又は2コ含む酸性リン酸エステルと、非極性有機溶剤
及び/又は極性有機溶剤及び/又は水を混ぜた混合溶媒
に対し、極めて大きな溶解度を持つことを見い出し本発
明に至った。
(発明の構成) 即ち、本発明は、 (1) ヒドロキシエチルセルロースの精製方法におい
て、該セルロースを酸性アルキル燐酸エステルを含む極
性有機溶剤と非極性有機溶剤との混合溶媒或いは該燐酸
エステルを含む極性有機溶剤又は/及び非極性有機溶剤
と水との混合溶媒にて処理することにより該セルロース
中に含まれるアルカリ金属分を除去することを特徴とす
るヒドロキシエチルセルロースの精製方法、 (2) 酸性アルキル燐酸エステルのアルキル基が炭素数
4ないし18である特許請求の範囲第1項記載の方法、 (3) 酸性アルキル燐酸エステルが該セルロース中のア
ルカリ金属イオン1モルに対して0.4〜2モルである
特許請求の範囲第1項記載の方法、 (4) 混合溶媒が該セルロースに対して1〜200 重量倍
である特許請求の範囲第1項記載の方法、 である。
(発明の具体的説明) (1) HEC 本発明に於て使用するHECは、従来から知られている方
法で調製された物がそのまま使用でき、また、その製造
方法も何等限定されない。例えば、イソプロピルアルコ
ール、t−ブタノールなどの低級脂肪族アルコールと、
水、アルカリの混合液スラリー中で、セルロースをアル
カリと反応させてアルカリセルロースとし、引き続きEO
を加え、アルカリセルロースとEOとを反応させてHECと
なす方法などである。また、溶剤を使わない合成方法で
も差支えない。
なお、HEC中に含まれているアルカリ金属分とは、HECの
製造に使用されて残存している苛性ソーダ、苛性カリ等
のアルカリの他、これらのアルカリの中和塩(例えば食
塩,酢酸ナトリウム,塩化カリウム,酢酸カリウム)等
を指す。
(2) 酸性アルキル燐酸エステル 本発明に用いられる酸性アルキル燐酸エステルは、その
アルキル基が炭素数4ないし18のものであるが、この
中、炭素数が4ないし8のものが好ましい。このような
エステルとしては、例えば、燐酸ジイソプロピルエステ
ル,燐酸ジブチルエステル,燐酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)エステル,燐酸ジフェニルエステル,燐酸メチルエ
ステル,燐酸エチルエステル,燐酸イソデシルエステ
ル,燐酸2−エチルヘキシルエステル,亜燐酸ジブチル
エステル,亜燐酸ジドデシルエステル,亜燐酸ジフェニ
ルエステル等があるが、この中、燐酸ジブチルエステル
と燐酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルが好ましい。
これらの燐酸エステルはHEC中に残存している苛性アル
カリを中和すると共に、中和後の塩及びHEC中に含まれ
ているアルカリ金属塩を有機溶媒に可溶化せしめるため
に用いられるものである。
なお、燐酸エステルの使用量は、HEC中に残存している
アルカリを除去するのに充分なだけ必要であるが、その
量は通常はHEC中のアルカリ金属イオン1モルに対して
0.4〜3モルであり、好ましくは、0.6〜1.2モ
ルである。
(3) 有機溶剤 本発明に用いられる有機溶剤には極性有機溶剤と非極性
有機溶剤とがあるが、極性有機溶剤としては、例えば、
メタノール,エタノール,イソプロパノール,1−ブタ
ノール,t−ブタノール,アミルアルコール,2−エチ
ルヘキサノール,シクロヘキサノール,ベンジルアルコ
ール等のアルコール類、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル
のような酢酸エステル,酪酸エステル,プロピオン酸エ
ステル,義酸エステルのようなエステル類がある。この
中、メタノール,t−ブタノール,酢酸エチル等が特に
好ましい。
また、非極性有機溶剤としては、例えば、ペンタン,ヘ
キサン,ヘプタン,ベンジン,ミネラルスピリット,デ
カリン,テトラリン,p−シメン等の脂肪族炭化水素
類、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素
類がある。この中、ヘキサン、トルエン等が特に好まし
い。
有機溶媒の使用量は、特に制限はないが、HECに対して
1〜200重量倍用いることが好ましい。使用量が1重
量部より少ないと洗浄効果が充分でなく、又、200重
量部を越えると溶媒の回収等の面で経済的に不利とな
る。
なお、極性溶剤と非極性溶剤を組合せて使用する場合、
その組合せ及びその混合割合に格別な制限はないが、メ
タノール,t−ブタノール等とヘキサン,トルエン等の
組合せが特に好ましい。
(4) 水 本発明の方法においては、有機溶媒の他に水を併用する
ことが必要な場合があるが、洗浄水としては純水な水が
使用され、例えば脱イオン水、蒸留水等を挙げることが
出来る。その使用量は特に制限はないが通常は有機溶媒
100容量部に対して0.5〜15vol.%であり、好ま
しくは1〜10vol.%である。なお、場合によっては水
はなくてもよいが水を多量に使用した場合にはアルカリ
金属分を除去する効果はあるが、HECのロスが大きく経
済的でない。
(5) 洗浄処理条件 本発明におけるHECの洗浄処理温度は10〜110℃
で、好ましくは20〜70℃である。洗浄温度が低過ぎ
るとアルカリ金属分の溶解に時間がかかり、洗浄効果が
充分でなく、又、洗浄温度が高過ぎると有機溶剤の蒸気
が発生し、好ましくない。
なおHECに溶剤を添加して混合処理する時間について
は、用いる装置、原料の仕込み量、溶剤の種類と量、温
度等により異なるが、要するに、HECからのアルカリ金
属分の除去が充分に行われることが必要であり、少なく
とも1分以上、通常は3分以上行なうことが望ましい。
本発明の実施プロセスは基本的に、溶剤の混合洗浄工
程、HECの分離工程、溶剤の回収工程から成る。
混合工程においては、オートクレーブ中に原料と酸性燐
酸エステルと溶剤を所定の重量比でフイードし、所定の
温度下で十分混合する。この時の圧力は下限が、その温
度に於て溶剤が気化しない圧力と定められ、一般に好ま
しくは常圧〜10kg/cm2である。混合はミキサー等を使
って行うこともできる。目的とするアルカリ金属分が溶
解した後、スラリーを分離工程に供給する。
分離工程では、スラリーを過装置又は遠心分離機等に
よりHECと液に分離する。ポリマーは所定のリンス液
で、所定の温度下で洗浄される。
リンスされたHECは、乾燥N2等により溶剤を除去し乾燥
パウダーとなる。
一方、液及びリンスに使用した溶剤は溶剤回収工程で
通常の蒸留操作又はフラッシィングにより溶剤とオイル
に分離された低粘度オイルが得られる。又、液とリン
スに使用した溶剤をあらかじめ区分し、リンスに使用し
た液はHEC洗浄用の混合溶剤として、一部又は全部を使
用し、液のみを溶剤回収工程にかけることができる。
溶剤と酸性リン酸エステルも回収再使用する。
また、洗浄処理後のHECについては乾燥し粉砕すると純H
EC製品となる。
また、精製物を乾燥しないで所定量の水を加え、20℃
以上に加温すると溶解し透明な粘稠液となり、これをそ
のままバインダー等として使用することも出来る。
〔実施例〕
以下実施例を以って本発明の内容を更に具体的に説明す
る。
実施例1 未中和のNaOHを含むt−BuOH中のHEC 60g(灰分約15
%)に対し、ヘキサン500ccに溶かした燐酸ジ−2エ
チルヘキシルを加えNaOHを中和した。ケーキをろ過分離
した後、トルエン500cc、水200ccを加え上澄みを除
去した。更に、トルエン500cc、水100ccを加えよ
く撹拌した後、上澄みを除去した。更にトルエン500c
c、水50ccを加え撹拌後上澄みを除去した。次にアセ
トン1000ccを使いHECを洗浄、ろ過し水分を除いた後、
脱水し、減圧にて乾燥した。
得られた精製HEC中の灰分は0.05%であった。
実施例 2 未中和のNaOHを含むt−BuOH中のHEC 60g(灰分約2
0%)に対し、ヘキサン500ccに溶かした燐酸ジ2エチ
ルヘキシル約60gを加えて中和し、その後過した。
得られたケーキをt−BuOH/ヘキサン=1/10の混合
液275ccを用い洗浄、ろ過を2回行なった。
ケーキの半分を分析用に取り、残りのHECに対し燐酸ジ
−2−エチルヘキシル2g、t−BuOH25cc、ヘキサン
250ccを加え洗浄し溶媒を過した。更にt−BuOH/
ヘキサン=1/10の混合液275ccを用いて2回洗浄を
行なった。減圧乾燥後、HECの灰分を測定した所それぞ
れ0.28%、0.066%であった。
実施例 3 市販のHEC(灰分約21%)10gに対し10%の燐酸
ジ−2−エチルヘキシルを含む10%メタノール/ヘキ
サン混合液を加え、よく撹拌を行なった後ろ過を行ない
ケーキを分離した。更に3%の燐酸ジ−2−エチルヘキ
シルを含む5%メタノール/ヘキサン混合液100ccを加
え、よく撹拌を行なった後ろ過を行なった。得られたケ
ーキをヘキサン150ccを使い洗浄を行なった。ろ過に
よりヘキサンを除いた後、減圧にて乾燥した。
精製HEC中の灰分は3.97%であった。
〔発明の効果〕
本発明の精製方法によれば、HECをロスすることなく、H
EC中に含まれているアルカリ金属分を効率良く効果的に
除去することが出来る。そして本発明の方法により精製
されたHECは例えばバインダーとして、セラミックやけ
い光管、塗料に有利に使用出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシエチルセルロースの精製方法に
    おいて、該セルロースを酸性アルキル燐酸エステルを含
    む極性有機溶剤と非極性有機溶剤との混合溶媒或いは該
    燐酸エステルを含む極性有機溶剤又は/及び非極性有機
    溶剤と水との混合溶媒にて処理することにより該セルロ
    ース中に含まれるアルカリ金属分を除去することを特徴
    とするヒドロキシエチルセルロースの精製方法。
  2. 【請求項2】酸性アルキル燐酸エステルのアルキル基が
    炭素数4ないし18である特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】酸性アルキル燐酸エステルが該セルロース
    中のアルカリ金属イオン1モルに対して0.4〜2モル
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】混合溶媒が該セルロースに対して1〜200
    重量倍である特許請求の範囲第1項記載の方法。
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