JPH0654918U - 直動ころがり案内軸受 - Google Patents

直動ころがり案内軸受

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JPH0654918U
JPH0654918U JP240493U JP240493U JPH0654918U JP H0654918 U JPH0654918 U JP H0654918U JP 240493 U JP240493 U JP 240493U JP 240493 U JP240493 U JP 240493U JP H0654918 U JPH0654918 U JP H0654918U
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liner
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボール転動溝の加工が不要でコストの安い直
動ころがり案内軸受を提供すること。 【構成】 直動ころがり案内軸受1は鞍形状の軸受組立
体2を具えている。軸受組立体2は軌道台3の長手方向
の上面3a及び両側面3b,3c上を各々転がる複数の
ボール16を保持するライナ5を上記各面に対向させて
有し軌道台3上に移動自在に跨架されている。ライナ5
はベース板12とケージ板19を有している。ベース板
12の表面には軸受組立体2の移動方向と平行な突条
と、突条の長手方向の一方の側に沿った凹部と、突条の
他方の側に沿ったベース板12の表面と凹部とを接続し
且つ突条の両端に沿った傾斜面とが形成されている。ケ
ージ板19には突条の外周面からボール16の直径より
も離間して外周面を取り囲むボール案内壁が貫通形成さ
れている。突条又はボール案内壁の先端には外周面又は
ボール案内壁と交差する方向に突出したボール保持片が
形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、工作機械、一般産業機械等の直線運動部分に使用される直動ころが り案内軸受のうち、剛性と負荷容量が比較的低いタイプのものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直動ころがり案内軸受には、図18乃至図19に示すエンドキャップ式 直動ころがり案内軸受と称されるものがある。 この種の直動ころがり案内軸受100は、主に、軸受組立体101と軌道台1 02とで構成されている。軌道台102には、軌道台102の長手方向の左右両 側面に上下2条のボール転動溝111,112,113,114が形成され、幅 方向断面形状が略々コ字状の軸受組立体101が軌道台102上に移動自在に跨 るようにして設けられている。
【0003】 軸受組立体101は、軸受本体103と、エンドキャップ104,104とで 構成されている。軸受本体103の左右脚部130,131の内側面の長手方向 には、軌道台102のボール転動溝111,112,113,114に各々対向 するボール転動溝107,108,109,110が形成されている。 さらに、左右脚部130,131の肉厚内には、ボール転動溝107,108 ,109,110に各々対向して平行に貫通するボール戻り通路としての貫通孔 106,106,106,106が形成されている。
【0004】 エンドキャップ104も、コ字状に形成されており、ボール戻り通路とボール 転動溝とを各々連通させてボールの無限循環路を形成するU字形のボール方向変 換路(図示省略)を有し、軸受本体103の前後両端に位置決めして取付けられ ている。
【0005】 そして、互いに対向する両ボール転動溝107,111;108,112;1 09,113;110,114、及び、両ボール転動溝に各々対向するボール戻 り通路106,106,106,106には、それぞれ多数のボール105が転 動自在に装填され、そのボール105の転動を介して、軸受組立体101が軌道 台102上を軌道台102の長手方向に移動するようになっている。
【0006】 そして、この直動ころがり案内軸受100の全てのボール転動溝107,10 8,109,110,111,112,113,114は、焼入硬化された後、 所定のサーキュラーアーク形状に精密研削によって仕上げられている。そして、 転動体としてのボール105は、軌道台102のボール転動溝111,112, 113,114及び軸受本体103のボール転動溝107,108,109,1 10に約45度の接触角度でアンギュラコンタクトしている。又、軌道台102 の片側の上下2条のボール転動溝111,112(又は113,114)とボー ル105との接触線は、軌道台102の軸方向と直角の断面において軌道台10 2の外方で略々直角に交わっている(図示省略)。このため、直動ころがり案内 軸受100は、軸受本体103に作用する上下左右方向からの負荷に対して同一 定格荷重になるとともに、モーメント荷重に対しても安定な状態になるように構 成されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、このような直動ころがり案内軸受が使用される分野が拡大し多岐に わたるにつれて、上記のような高剛性、高負荷容量を有する直動ころがり案内軸 受とは別に、特にコストが安い直動ころがり案内軸受の要望が出てきた。 しかしながら、上記のような従来の直動ころがり案内軸受では次の理由でコス トの低減に限界があり、要望に応えることができないという問題点がある。
【0008】 (1) 材料面において、第1に、軌道台を、ボール転動溝111,112,11 3,114を有し且つ所定の研削代を含む大きさの形成にダイス(図示省略)に よって引抜加工を行なわなければならない点、第2に、軸受本体内側面の形状が 軌道台の形状と比較して複雑であるため、ボール転動溝を有する内側面を引抜加 工で形成することができず、一旦、材料を断面コ字状に引抜いた後に、ブローチ 加工によって研削代を残した内側面を形成しなければならない点等。
【0009】 (2) 機械加工において、所定の加工精度の範囲内で軸受本体103のボール戻 り孔通路106を、軸受本体130の長手方向に貫通形成しなければならない点 等。
【0010】 (3) 熱処理において、第1に、長尺の軌道台102の熱処理における曲り変形 をプレス矯正できるように、軌道台102のボール転動溝111,112,11 3,114が形成される両側面には焼入れ処理を施すが、上面及び底面には焼入 しないようにする必要があり、このため、通常は高周波によって焼入れを行なう が、サイズと軌道台の側面形状に合った高周波コイル(図示省略)を製作しなけ ればならない点、第2に、高周波コイルの段取り替えのロスがある点、第3に、 軸受本体103には一般に浸炭による硬化処理が施されるが、肉厚の薄いものは 焼き割れ防止を施す必要がある点等。
【0011】 (4) ボール転動溝の研削加工において、第1に、軌道台102と軸受本体10 3は、特殊な専用研削盤(図示省略)と、所定のサーキュラーアーク形状を得る ための軌道台と軸受本体の種々のサイズに応じた専用クラッシャー(図示省略) とを必要とする点、第2に、軌道台102と軸受本体103は、左右のボール転 動溝の軸心に対する対称度を所定の加工誤差の範囲内に入れなければならない難 点があり、特に段取り替えの際に時間を要する点等。
【0012】 (5) エンドキャップ104は一般に合成樹脂を射出成形したものが用いられて いるが、サイズの種類に応じた数の金型を製作しなければならず費用がかかる。
【0013】 さらに、直動ころがり案内軸受100は、軌道台102と、その上に跨架され て移動する軸受組立体101との間に生じる隙間に、ゴミ、ほこり、切粉等の異 物が入り込み、ボール転動溝面に付着すると、ボール105の円滑な転動が妨げ られるため、軸受組立体101の前後両端の隙間からの異物の侵入を防ぐ防塵シ ール120,120がエンドキャップ104の外端面に取付けられている。 しかし、防塵シール120を軌道台102の外形に沿って密着するシールリッ プ状に形成するには、軌道台102のボール転動溝面111,112,113, 114と他の部分を同時に密着させなければならず、シールリップ形状の成形に 困難がともなうという問題点も有している。
【0014】 本考案は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、従来のものと構造が 異なる、ボール転動溝の加工を必要としないコストの安い直動ころがり案内軸受 を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案は、第1に、軌道台と、前記軌道台の長手 方向の上面及び両側面上を各々転がる複数のボールを保持するライナを前記各面 に対向させて有し前記軌道台上に移動自在に跨架された鞍形状の軸受組立体とを 具え、前記ライナは互いに重なり合うベース板とケージ板とを有し、前記ベース 板の表面には前記軸受組立体の移動方向と平行な突条と、前記突条の長手方向の 一方の側に沿った凹部と、前記突条の他方の側に沿った前記ベース板の表面と前 記凹部とを接続し且つ前記突条の両端に沿った傾斜面とが形成され、前記ケージ 板には前記ベース板に対して垂直な前記突条の外周面から前記ボールの直径より も離間して前記外周面を取り囲むボール案内壁が貫通形成され、さらに、前記突 条又は前記ボール案内壁の先端には前記外周面又は前記ボール案内壁と交差する 方向に突出したボール保持片が形成されている直動ころがり案内軸受によって、 第2に、軌道台と、前記軌道台の長手方向の上面及び両側面上を各々転がる複数 のボールを保持するライナを前記各面に対向させて有し前記軌道台上に移動自在 に跨架された鞍形状の軸受組立体とを具え、前記ライナは互いに重なり合って前 記ボールを保持するベース板とボール保持板とを有し、前記ベース板の表面には 前記軸受組立体の移動方向と平行な細長い凹部と、前記凹部と隣合う前記ベース 板の表面と前記凹部の両端とを接続する傾斜面とが形成され、前記ボール保持板 には前記凹部と前記傾斜面とに対向する凹溝と、前記凹部と隣合う前記ベース板 の表面に対向し且つ前記ボールの直径より狭い長孔とが形成されている直動ころ がり案内軸受によって、前記の課題を解決した。
【0016】
【作用】
第1の直動ころがり案内軸受の軸受組立体は、ボールに支持及び案内されて軌 道台上を移動する。 ボールは、軸受組立体の移動に伴って、突条の外周面とボール案内壁との間に 形成されたボール循環路を循環転動する。このとき、ボールは、ボール保持片に よってボール循環路内部に保持されながら、凹部と傾斜部とベース板の上面とを 循環転動する。 凹部と軌道台との間隔は、ベース板の上面と軌道台との間隔より広いため、凹 部上を転動するボールは無負荷ボールとなり、ベース板の上面を転動するボール は負荷ボールとなる。 このように、ボールは、突条の外周面とボール案内壁との間に形成されたボー ル循環路を循環転動する。 従って、軸受組立体と軌道台とには、従来、必要とされていたボール転動溝を 形成する必要がない。
【0017】 第2の直動ころがり案内軸受の軸受組立体も、ボールに支持及び案内されて軌 道台上を移動する。 ボールは、軸受組立体の移動に伴って、凹溝と長孔とによって形成されたボー ル循環路を循環転動する。このとき、ボールは、長孔によってボール循環路内に 保持されながら、凹部と傾斜部とベース板の上面とを循環転動する。 凹部と軌道台との間隔は、ベース板の上面と軌道台との間隔より広いため、凹 部上を転動するボールは無負荷ボールとなり、ベース板の上面を転動するボール は負荷ボールとなる。 このように、ボールが、凹溝と長孔とによって形成されたボール循環路を循環 転動するため、軸受組立体と軌道台とには、従来、必要とされていたボール転動 溝を形成する必要がない。
【0018】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図1乃至図17に基づいて説明する。 図1乃至図13において、直動ころがり案内軸受1は、主に、軸受組立体2と 軌道台3とで構成されている。 長尺の軌道台3は4角柱状に形成されており、ボール転走面となる上面3a、 及び両側面3b,3c、並びに底面3dは、浸炭又は高周波焼入れにより焼入硬 化した後、汎用の平面研削盤で研削仕上げされている。軌道台3の底面3dには 、軌道台3を基台(図示省略)にボルト(図示省略)で固定するためのねじ孔4 3(図2、図3参照)が等間隔に形成されている。
【0019】 軸受組立体2は、軌道台3の上面3a及び両側面3b,3cに対向するライナ 5を各内面8a,8b,8cに具えた軸受本体4と、この軸受本体4の移動方向 の両端部4d,4eに取付けられた防塵シール6,6と、防塵シール6,6の外 側に取付けられたスクレーパ7,7とで構成されている。
【0020】 軸受本体4は、図4に示すように、軌道台3の上方部分に遊嵌する凹所8を有 し、幅方向断面形状が略々コ字状に形成されている。そして、凹所8を形成する 3つの内面8a,8b,8cにはライナ5を取付けるための研削加工が施されて いる。上面4a及び両側面4b,4cに各々2ヵ所ずつに形成されたねじ挿通孔 9は、ライナ5を軸受本体4に固着する取付ボルト50(図3参照)用の貫通孔 である。また、上面4aの4ヵ所に形成されたねじ孔10は、軸受組立体2をテ ーブル等(図示省略)に固着するためのものである。 軸受組立体2(図4参照)の移動方向の両端部4d,4eに各々4ヵ所ずつ形 成されたねじ孔11は、防塵シール6とスクレーパ7を軸受本体4に取付けるた めのボルト51(図1参照)がねじ込まれる孔である。
【0021】 次に、ライナ5の構成を説明する。 図5に示すように、ライナ5は、ボール16を保持する部品であり、互いに重 なり合う長方形状のベース板12と、ケージ部材(ケージ板)とで構成されてい る。 ベース板12に形成された一対の平行なスロット15,15には長尺のガイド 部材(突条)20,20が嵌合するようになっている。ボール16は、ガイド部 材20を包囲してベース板12とケージ部材19とによって保持され、2列長円 形に配列されている。
【0022】 ベース板12(図6乃至図9参照)の上面12aには、長手方向に、両端が半 円形の一対の平行なスロット15,15と、スロット15,15に挟まれて2つ のスロット15,15の幅の半分を含み上面12aよりC(図9参照)だけ深い 凹部13と、これ等スロット15,15及び凹部13の両端を挟み、ベース板1 2の厚み方向に角度α(図8参照)を有して傾斜する一対の傾斜部(傾斜面)1 4,14とが形成されている。又、ベース板12は、ボール16の転動による摩 耗を考慮して、焼入可能な材料が用いられ、浸炭等の手段により焼入硬化された 後、その上面12a及び凹部13、並びに底面12bに研削加工が施されている 。なお、各傾斜部14,14に設けられたねじ孔17,17は、ライナ5(図3 参照)を軸受本体4の各内面8a,8b,8cに固着するための取付ボルト50 がねじ込まれる孔である。
【0023】 ガイド部材20は、材料に耐摩耗性を有する砲金等が用いられ、その両端は半 円形に形成されている。そして、ガイド部材20,20は、ベース板12の上面 12aに形成された平行な2つのスロット15,15に嵌合され、ボール16の 長円状の配列の中央部分に装着されている。 なお、ボールは2列長円形状に配列されているが、スロット15とガイド部材 20を1つにして1列だけ配列してもよい。
【0024】 ガイド部材20と同じく砲金等を材料に用いたケージ部材19には、2つの長 円形の開口部21,21が形成されている。ケージ部材19の開口部21,21 は、ピン24,24をケージ部材19に設けたピン孔23,23とベース板12 に設けたピン孔18,18とに嵌合することによって、ベース板12に正確に位 置決めされるようになっている。そして、ベース板12の上面12aに嵌合固定 されたガイド部材20の外周面(突条の外周面)20aとケージ部材19の開口 部21,21の壁(ボール案内壁)21aは協働して、ベース板12とケージ部 材19との間に2列のボール循環路60,60を形成している。外周面20aと 壁21aの間隔はボール16の直径より広く設定されている。ボール16は開口 部21の縁(ボール保持片)22とガイド部材20とによってボール循環路60 内に保持される。 なお、縁22は、ガイド部材20の先端に形成してもよい。
【0025】 軸受組立体2が移動すると、各ボール循環路60,60内にそれぞれ保持され ている多数のボール16は、ガイド部材20の周囲を移動する。ガイド部材20 同士の間にあるボール16は、ベース板12の凹部13上を移動するので、凹部 13と軌道台3の上面3a又は側面3b,3cとの両方に同時に接触するような ことが無く、無負荷ボールとして機能する。 一方、ガイド部材20の外側を移動するボール16は、ベース板12の上面1 2a上を移動するので、軌道台3の上面3a又は側面3b,3cと接触して転動 することになり、負荷ボールとして機能する。 なお、ベース板12の傾斜部14は、ボール16が負荷状態から無負荷状態に 変わるときは圧力解放の機能を有するとともに、逆に、ボール16を無負荷状態 から負荷状態へ導き入れる機能を有する。
【0026】 次に、防塵シール6とスクレーパ7について説明する。 図12と図13に示されるように、防塵シール6は、補強材としての金属板( 図示省略)と、その表面側に焼き付け等により固着されたゴム等のシール部材と で構成されており、中央部に軌道台3を通す開口部25が設けられていて全体が 略々コ字状に形成されている。すなわち、開口部25は、幅方向断面形状が略々 方形状の軌道台3の輪郭と相補い合う形状をしており、外向きに傾斜したリップ 部29を有している。このリップ部29は、軌道台3の上面3a及び両側面3b ,3cと適当な締めしろを有して摺接し、軌道台3の外面(上面3a及び両側面 3b,3c)に付着するゴミ、ほこり、切粉等の異物を払拭することができる。
【0027】 金属板からなるスクレーパ7は防塵シール6と同形状で、開口部26の形状だ けが異なる。開口部26は、軌道台3の外面(上面3a及び両側面3b,3c) との間に摩擦を生じないように軌道台3の外形形状よりDだけ大きく形成され、 隙間Sが形成されている。スクレーパ7は、防塵シール6のリップ部29では払 拭できない軌道台3の外面に付着した異物を掃掻き落として、防塵シール6を保 護することができる。 なお、取付ボルト51(図2参照)は、スクレーパ7(図12参照)に穿設さ れ貫通孔28、及び防塵シール6に穿設され貫通孔27を貫通して軸受本体4( 図4参照)の移動方向の両端部4d,4eのねじ孔11に螺合され、防塵シール 6及びスクレーパ7を軸受本体4に固着している。
【0028】 次に、直動ころがり案内軸受の組み立て順序を説明する。 前述のように組み立てられたライナ5(図3参照)を、軸受本体4の各内面8 a,8b,8cに取付ボルト50を用いて固着する。ライナ5に組み込まれるボ ール16の寸法公差は、ライナ5を各内面8a,8b,8cに一体的に固着させ た軸受本体4を軌道台3に差し込み摺動させた際、遊び(ガタ)がなく所定の予 圧が得られるように選定されている。 ライナ5を軸受本体4に一体的に固着させて軌道台3に差し込んだ後、軸受本 体4の移動方向の両端部4d,4eに防塵シール6,6とスクレーパ7,7が固 着される。
【0029】 次に、図14乃至図15に基づいて、他の形状のライナについて説明する。 この第2実施例のライナ45は、ベース板30とボール案内保持器(ボール保 持板)32とで構成されている。 ベース板30は、前述した第1実施例のライナ5のベース板12と同様に、図 14、図15の左右方向の中央で且つベース板12の長手方向に凹部31と、こ の凹部31の両端を挟みベース板12の厚み方向に所定の角度を有して傾斜する 一対の傾斜部(傾斜面)46が上面30aに形成されている。この傾斜部46は 、第1実施例のライナ5の傾斜部14に相当する部分である。
【0030】 この第2実施例のライナ45は、一対の平行なスロットの形成が不要である点 と、凹部31の上部30aからの深さが第1実施例のライナ5よりもやや深い点 で、第1実施例のベース板12と異なっているが、他の構成は同じである。
【0031】 プレスによって成型されたボール案内保持器32は、このボール案内保持器3 2の長手方向の左右に2列のボール無限軌道33,33を有し、ベース板30と の間にボール無限循環路61,61を形成している。ベース板30の上面30a と対向するボール案内保持器32の上面には、ボール案内保持器32に挿入され るボール16の一部が突出する切欠窓(長孔)34,34が形成されている。切 欠窓のないボール案内保持器の上面35,35は切欠窓34,34から突出する ボール16の面よりやや低くなっている。なお、ボール案内保持器32はベース 板30に取付ボルト54によって固着されているが、スポット溶接によって固着 してもよい。
【0032】 このようにして、ボール16は、切欠窓34,34においては一部が突出しな がら、ボール案内保持器32の凹部31内にあっては掩蔽されたまま転動する。 すなわち、ボール16の切欠窓34,34より突出する部分は軌道台3の外面 と接触して転動する負荷ボールとなり、ボール案内保持器32内にあって掩蔽さ れた部分は無負荷ボール軌道になる。上面35の内側の面は無負荷ボールの転動 を案内する凹溝47になっている。
【0033】 第2実施例のライナ45は上記のように構成したので、第1実施例のライナ5 より部品点数及び加工工数が少なく、さらにボール案内保持器32はプレス成型 により大量生産が可能であるので、さらなるコストダウンが図れる。
【0034】 前述した第1実施例の軌道台3は、図2、図3に示すように、軌道台3を基台 (図示省略)に固着するためのねじ孔12を底面3dに設けたものであるが、図 16乃至図17に示されるような形状にしてもよい。 すなわち、軌道台36の上面36aからこの軌道台36を基台42に固着する ためのボルト52の挿通孔(ボルト貫通孔)37を長手方向に等間隔に形成する とともに、ボルト挿通孔37の上部に長手方向の凹溝38を形成する。この凹溝 38に上面がボール転走面となる軌道板40を嵌着する。
【0035】 この軌道板40は、ボールの転走による摩耗を考慮して焼入硬化処理が施され ている。そして、軌道板40は、底面36d及びボールの転走面となる両側面3 6b,36cを焼入硬化した後に研削仕上げした軌道台36の凹溝38に取付ボ ルト53を用いて固定され、所定の高さになるまで上面36aと共に研削加工が 施される。このようにして、軌道板40の上面は凹凸のない平坦なボール転走面 に形成される。 なお、符号39は、取付ボルト53が螺合するねじ孔を示し、符号41は、軌 道板40を軌道台36の凹溝38に嵌着するための取付ボルト53のザグリ孔を 示す。
【0036】 以上の実施例において、軸受組立体の予圧は、軸受本体の各内面に固着された ライナに組み入れられたボールの寸法公差により調節されるものを例示したが、 次のようにすることによっても可能である。 すなわち、軸受本体の内面の両側面のうちの一方の側面に凹部(図示省略)を 形成し、この凹部にライナを嵌合する。この場合、他方の内側面には実施例のよ うにライナが取付ボルトにより固着されている。そして、この凹部に嵌合したラ イナの底面(ベース板底面)を、凹部側の側面肉厚内に設けたねじ孔にねじを螺 合させて押圧し、軸受組立体の予圧を調節してもよい。
【0037】 なお、本考案の直動ころがり案内軸受は、市販のキー材を軌道台に用いたミニ チュアサイズの場合に好適である。
【0038】
【考案の効果】
請求項1,2の直動ころがり案内軸受は、ボールをライナで保持しているため 、次の効果を奏する。 (1) 軌道台、軸受組立体ともボール転動溝の加工が不要になり、軸受組立体の ブローチ加工を省けるとともに、ボール転動溝を形成するための特殊な専用研削 盤及び専用クラッシャーが不要になる。すなわち、汎用の平面研削盤で全ての研 削加工を行なえるようになるとともに、研削のための加工工数を大幅に削減する ことができる。 (2) 熱処理において、焼入硬化を要するものは実質、ライナのベース板、軌道 台のみで、軸受組立体自体の焼入れは行なわなくても済むようになる。 (3) さらに、熱処理において、軌道台の幅方向断面形状が方形であるので、ボ ール転動溝を両側面に有する軌道台を高周波焼入れする従来必要とされていた専 用の高周波コイルが不要になる。 (4) また、熱処理において、軌道台の幅方向断面形状が方形であるので、軌道 台の曲り変形をプレス矯正する際、応力集中による折損の危険を著しく減少させ ることができる。 (5) 軸受組立体に、ボール戻り孔としての貫通孔を形成する必要がなくなり、 軸受組立体の加工工数を削減することができる。 (6) さらに、エンドキャップも不要で、部品点数が少なくなる。 (7) 上記(1)乃至(6)の効果によって、従来の直動ころがり案内軸受と比較して 、コストを大幅に低減することができる。 (8) ボールを組み込んだライナを軸受本体各内面に固着するだけでよく、組み 立てが簡単になり、ライナだけの交換が可能になる。 (9) さらに、請求項2の直動ころがり案内軸受のように、ライナにプレス成型 されたボール案内保持器を用いると、ライナの部品点数及び加工工数を少なくす ることができるとともに、コストダウンを図ることができる。 請求項3の直動ころがり案内軸受のように、防塵シールとスクレーパを設ける と、軌道台の形状が単純であるので、シールのリップ部を完全に軌道台の外面に 密着させることができ、異物の付着を防止することができる。 請求項4の直動ころがり案内軸受のように、突条をスロットに嵌合させてベー ス板に取付けると、ベース板の加工が容易になるとともに、突条の交換が可能に なる。 請求項5の直動ころがり案内軸受のように、軌道台の長手方向の外周に焼入硬 化処理を施すと、ボール転走面となる上面及び/又は両側面、並びに底面に擦傷 や打ち傷(いわゆる打痕)がつきにくくなるようにすることができる。 そして、請求項6の直動ころがり案内軸受のように、軌道台の上面に長手方向 に延びる凹溝を形成し、この凹溝にボール転走面となる焼入硬化された軌道板を 嵌着すると、軌道台の上面からも軌道台を基台に固着することができるようにな る。
【提出日】平成5年12月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 (2)機械加工において、所定の加工精度の範囲内で軸受本体103のボール 戻り孔通路106を、軸受本体103の長手方向に貫通形成しなければならない 点等。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 (3)熱処理において、第1に、長尺の軌道台102の熱処理における曲り変 形をプレス矯正できるように、軌道台102のボール転動溝111,112,1 13,114が形成される両側面には焼入れ処理を施すが、上面及び底面には焼 入しないようにする必要があり、このため、通常は高周波によって焼入れを行な うが、サイズと軌道台の側面形状に合った高周波コイル(図示省略)を製作しな ければならない点、第2に、高周波コイルの段取り替えのロスがある点、第3に 、軸受本体103には一般に浸炭による硬化処理が施されるが、肉厚の薄い部分 は焼き割れ防止を施す必要がある点等。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図1乃至図17に基づいて説明する。 図1乃至図13において、直動ころがり案内軸受1は、主に、軸受組立体2と 軌道台3とで構成されている。 長尺の軌道台3は4角柱状に形成されており、ボール転走面となる上面3a、 及び両側面3b,3c、並びに底面3dは,浸炭又は高周波焼入れにより焼入硬 化した後、汎用の平面研削盤で研削仕上げされている。軌道台3の底面3dには 、軌道台3を基台(図示省略)にボルト(図示省略)で固定するためのねじ孔4 3(図2、図3参照)が等間隔に形成されている。なお、軌道台3は、アルミ製、成いはプラスチック製の4角柱材の表面に、焼入 された鉄板を取付けた構成にするよ、軽量化を図ることができる。 又、底面3dのねじ孔43は、底面3dに熱処理が施される前に形成される場合 と、熱処理が施された後に形成される場合とがある。 底部の熱処理前に形成されたねじ孔43は、熱処理によって変形し、ボルトが入 らなくなる恐れがある。 このため、浸炭による熱処理の場合、ねじ孔に浸炭防止剤を予め塗布してねじ孔 の部分だけ熱処理が施されないようにしてから熱処理を行い、熱処理後にねじ孔 をさらう必要がある。 又、高周波焼入れの場合、ねじ孔に熱処理防止用のボルトをねじ込こみ、ねじ孔 に熱処理が施されないようにしてから熱処理を行い,熱処理後にそのボルトを外 さなければならない。 底部の熱処理後にねじ孔を形成する場合には雌ねじを形成する前の下孔の近傍を 除く部分に熱処理を行なった後に、その下孔に雌ねじを形成してねじ孔に仕上げ る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 軸受組立体2は、軌道台3の上面3a及び両側面3b,3cに対向するライナ 5を各内面8a,8b,8cに具えた軸受本体4と、この軸受本体4の移動方向 の両端部4d,4eに取付けられた防塵シール6,6と、防塵シール6,6の外 側に取付けられたスクレーパー,7とで構成されている。なお、軸受本体は、アルミ製、或いはプラスチック製にすると、軽量化を図るこ とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の直動ころがり軸受の全体斜視図であ
る。
【図2】図1の側面図であり、一部分断面で表わした図
である。
【図3】図2中3−3矢視断面図である。
【図4】軸受本体の斜視図である。
【図5】ライナの分解斜視図である。
【図6】ライナのベース板の平面図である。
【図7】図6の手前側側面図である。
【図8】図7のベース板の部分拡大図である。
【図9】図6中9−9矢視断面図である。
【図10】軸受組立体のケージ部材の平面図である。
【図11】図10中11−11矢視断面図である。
【図12】防塵シールとスクレーパを重ね合わせた図で
ある。
【図13】図12の防塵シールとスクレーパを軸受本体
に取付けた図であり、軸受組立体の移動方向に沿った断
面図である。
【図14】他の実施例のライナの平面図である。
【図15】図14中15−15矢視断面図である。
【図16】他の実施例の軌道台の正面図であり、軌道台
の幅方向の断面図である。
【図17】図16の軌道台の斜視図である。
【図18】従来の直動ころがり案内軸受の全体斜視図で
ある。
【図19】図18中19−19矢視断面図である。
【符号の説明】
1 直動ころがり案内軸受 2 軸受組立体 3,36 軌道台 4 軸受本体 5,45 ライナ 6 防塵シール 7 スクレーパ 12,30 ベース板 13,31 凹部 14,46 傾斜部(傾斜面) 15 スロット 16 ボール 19 ケージ部材(ケージ板) 20 ガイド部材(突条) 20a ガイド部材の外周面(突条の外周面) 21 ボールの案内壁 22 縁(ボール保持片) 29 リップ部 32 ボール案内保持器(ボール保持板) 34 切欠窓(長孔) 37 挿通孔(ボルト貫通孔) 38 軌道台の凹溝 40 軌道台板 47 凹溝

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道台と、前記軌道台の長手方向の上面
    及び両側面上を各々転がる複数のボールを保持するライ
    ナを前記各面に対向させて有し前記軌道台上に移動自在
    に跨架された鞍形状の軸受組立体とを具え、前記ライナ
    は互いに重なり合うベース板とケージ板とを有し、前記
    ベース板の表面には前記軸受組立体の移動方向と平行な
    突条と、前記突条の長手方向の一方の側に沿った凹部
    と、前記突条の他方の側に沿った前記ベース板の表面と
    前記凹部とを接続し且つ前記突条の両端に沿った傾斜面
    とが形成され、前記ケージ板には前記ベース板に対して
    垂直な前記突条の外周面から前記ボールの直径よりも離
    間して前記外周面を取り囲むボール案内壁が貫通形成さ
    れ、さらに、前記突条又は前記ボール案内壁の先端には
    前記外周面又は前記ボール案内壁と交差する方向に突出
    したボール保持片が形成されていることを特徴とする、
    直動ころがり案内軸受。
  2. 【請求項2】 軌道台と、前記軌道台の長手方向の上面
    及び両側面上を各々転がる複数のボールを保持するライ
    ナを前記各面に対向させて有し前記軌道台上に移動自在
    に跨架された鞍形状の軸受組立体とを具え、前記ライナ
    は互いに重なり合って前記ボールを保持するベース板と
    ボール保持板とを有し、前記ベース板の表面には前記軸
    受組立体の移動方向と平行な細長い凹部と、前記凹部と
    隣合う前記ベース板の表面と前記凹部の両端とを接続す
    る傾斜面とが形成され、前記ボール保持板には前記凹部
    と前記傾斜面とに対向する凹溝と、前記凹部と隣合う前
    記ベース板の表面に対向し且つ前記ボールの直径より狭
    い長孔とが形成されていることを特徴とする、直動ころ
    がり案内軸受。
  3. 【請求項3】 前記軸受組立体の移動方向の両端には前
    記軌道台の長手方向の上面及び両側面に接触するリップ
    部を有する防塵シールと、前記上面及び両側面との間に
    隙間を有するスクレーパとが前記スクレーパを外側にし
    て重ね合わせて取付けられている、請求項1又は2記載
    の直動ころがり案内軸受。
  4. 【請求項4】 前記突条は前記ベース板の表面に前記軸
    受組立体の移動方向と平行に形成されたスロットに嵌合
    している、請求項1又は3記載の直動ころがり案内軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記軌道台の長手方向の外周には焼入硬
    化処理が施されている、請求項1,2,3又は4記載の
    直動ころがり案内軸受。
  6. 【請求項6】 前記軌道台は前記軌道台の長手方向の上
    面に形成された凹溝と、前記凹溝と前記軌道台の長手方
    向の底面とを貫通するボルト貫通孔と、前記凹溝に組込
    まれ前記ボルト貫通孔に挿入されたボルトを覆う軌道板
    とを有し、前記軌道台の長手方向の両側面と前記軌道板
    には焼入硬化処理が施されている、請求項1,2,3又
    は4記載の直動ころがり案内軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0842567A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Nippon Bearing Kk 直線摺動用スライドガイド
KR102824228B1 (ko) * 2024-09-05 2025-06-24 주식회사 오병 일체화 구조를 갖는 물품이송용 모노캐리어장치

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