JPH0655105B2 - 流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法 - Google Patents

流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法

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JPH0655105B2
JPH0655105B2 JP59175658A JP17565884A JPH0655105B2 JP H0655105 B2 JPH0655105 B2 JP H0655105B2 JP 59175658 A JP59175658 A JP 59175658A JP 17565884 A JP17565884 A JP 17565884A JP H0655105 B2 JPH0655105 B2 JP H0655105B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法に関
するものである。詳しくは、本発明は流動状態下でも安
定な油中水型の乳化状態を保持しうる油中水型乳化油脂
組成物の製造法に関するもので、本発明の方法によれ
ば、通常不可能とされていた乳化の安定な液状のマーガ
リン様組成物を安定に製造できる。
〔従来の技術〕
マーガリン状の油中水型乳化油脂組成物は製菓製パン用
原材料の他スプレッド用、調理用として広く食品業界で
使用されている。従来、この種のマーガリン状の油中水
型乳化物は、通常可塑性を示す温度範囲で用いられてき
たが、最近の製パン業界におけるバルクハンドリング化
の要望、製菓製パン業界におけるスプレーコーティング
用油中水型乳化物の要望、離型油としての液状の油中水
型乳化物の要望の他、さらにはケーキ練込用油脂として
の液状の油中水型乳化物の要望等により、使用温度で流
動状であるマーガリン状油中水型乳化油脂組成物が強く
要望されてきている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
乳化状態とは熱力学的にいえば本質的には不安定な系で
あり、特に油中水型乳化油脂組成物が流動状の場合即ち
その油中水型乳化油脂組成物の連続相の粘度が低い条件
下ではその乳化粒子が急速に凝縮、かつ合体し、強い攪
拌を加えていない限り水相と油相に分離してしまい実用
に供せないものであった。
このような欠点を解消するものとして乳化剤としてポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用すること
によって攪拌を加えなくても分離しない流動状マーガリ
ンが得られることが分かっている。しかし、このもの
も、たとえば夏期の常温を想定した35℃というような
高温下に数日間放置保存した場合は上層に油層、下層に
水相が分離してくる現象が起こり十分なものではなかっ
た。
この分離現象を防止するためには、連続相の粘度を上げ
ることの他には、分散相の粒径を細かくすることが効果
的であるが、乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレ
イン酸エステルを使用した乳化ではたとえば高圧型ホモ
ジナイザーのような強力な分散機械を使用しても4μ程
度にすることがせいぜいであり、10μ以上の粒径の粒
子が残存することが通常であり、粒径を細かくすること
で乳化の安定性を保つことはできなかった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、油中水型乳化油脂組成物を、製菓製パン
用バルクハンドリング用油脂として、またスプレーコー
ティング用油脂としてまたさらには消泡性を抑えたケー
キ練込用油脂として使用できるようにする目的から流動
化しかつその乳化分離の問題を解決するために、乳化粒
子径をできるだけ細かくするべく鋭意検討を行った結
果、油脂、水及び乳化剤を含有する流動状油中水型乳化
油脂組成物を製造する際に、乳化剤としてポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステルを使用した場合水相にお
ける塩類の存在がその乳化粒子径の微細化に大きな影響
を与えることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明の流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法
は、油脂、乳化剤及び水より流動状油中水型乳化油脂組
成物を製造する際に、乳化剤として、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルを使用し、かつ水相に酢酸ナ
トリウム、塩化ナトリウム又はヘキサメタリン酸ナトリ
ウムを水に対し0.01〜10重量%含有させて、80%以
上の乳化粒子径を2μ以下にすることを特徴とするもの
である。
以下に本発明の流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法
について詳述する。
本発明に用いられる油脂としては、天然の動植物油脂の
他それらにエステル交換、水素添加、弁別等を施した加
工油脂があげられるが、それらを単独もしくは混合して
用いる場合、常温で流動状もしくは半流動状を呈するよ
うな油脂を選定する。
油脂及び水の含有量は特に限定されないが、油中水型乳
化の安定性の面から水に対する油脂の重量比率は1.2
以上であることが好ましい。
本発明に用いられるポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステルとはポリグリセリン縮合リシノレイン酸とのエ
ステルであり、通常、グリセリン重合度2〜3のポリグ
リセリンとリシノール酸の縮合度3〜5の縮合リシノレ
イン酸とのモノもしくはジエステルの混合物が用いられ
る。
上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの添加
量は通常油脂に対し、0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である。
本発明では必須成分として塩類を用いるが、この塩類と
しては、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム又はヘキサメ
タリン酸ナトリウムが用いられる。この塩類を含まない
場合は、油中水型乳化油脂組成物の乳化粒子径を、たと
えば高圧型ホモジナイザーのような強力な乳化機を用い
たとしても目的の2μ以下にすることはできないが、上
記塩類を、水に対し0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜3重量%を含有させれば、容易に目的の乳化油
脂組成物が得られるものである。
本発明に係る流動状油中水型乳化油脂組成物には、本発
明の目的を損なわない範囲で、水相又は油相の副成分と
して、他の乳化剤、糖類、着香料、着色料の他、粉末状
のグリセリン脂肪酸エステル、粉末状のでんぷん等の多
糖類を含有させることができる。
また、本発明の流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法
においては、油中水型乳化油脂組成物の80%以上の乳
化粒子径を2μ以下にするが、この乳化方法は、大部分
の乳化粒子径が2μ以下になるものであれば特に限定さ
れず、通常、各種の乳化機が用いられ、好ましくは高圧
型のホモジナイザーを用いる。
次に、本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造法の好ま
しい実施態様について説明すると、まず油脂及び乳化剤
を常温もしくは加熱下に混合溶解させて均一な油相を調
製し、一方水に塩類、さらには目的に応じた副成分を溶
解させて水相を調製する。次いで水相と油相を加熱せず
にもしくは加熱しながら油中水型に混合乳化させる。次
いで得られた乳化物を均質機にかけて均質化処理を行
い、大分部の乳化粒子径を2μ以下とし、目的とする本
発明に係る油中水型乳化油脂組成物を得る。この際、8
0%以上、好ましくは90%以上の乳化粒子の粒径が2
μ以下になっていることが望ましい。
〔実施例〕
以下に実施例をあげてさらに本発明を詳しく説明する。
実施例1 大豆油60部(重量部、以下同じ)とポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリン重合度3、
リシノレイン酸縮合度5、ポリグリセリン/縮合リシノ
レイン酸のモル比1/2)2部を混合槽に入れ、50℃
前後に加熱溶解させて油相を調製する。一方、水40部
に酢酸ナトリウム0.3部を溶解させ、50℃前後に加温
して水相を調製する。上記油相を攪拌しながら該油相に
上記水相を加え、油中水型予備乳化物を得る。次いで、
この油中水型予備乳化物を高圧型ホモジナイザー(三和
機械製2ステージ型ホモジナイザー)で均質圧力、1段
目0kg/cm2,2段目50kg/cm2で均質化処理をした
後、別の混合槽に受ける。この混合槽のジャケットに冷
却水を通し25℃前後まで冷却し、本発明に係る流動状
油中水型乳化油脂組成物を得た。
この流動状油中水型乳化油脂組成物は90%以上の乳化
粒子の粒径が0.5〜2μであり、35℃で2週間の静置
保存テストにおいて上層における油相分離、下層におけ
る水相分離(水滴の形成、水層の形成)が見られず、良
好な油中水型乳化安定性を示すものであった。
実施例2 米ヌカ油65部とポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル(実施例1で用いたものと同じ1.5部を混合槽に
入れ、50℃前後に加熱溶解させて油相を調製する。一
方、水35部にヘキサメタリン酸ナトリウム0.5部を
加え、50℃前後に加温溶解させて水相を調製する。上
記油相に上記水相を加え、油中水型予備乳化物を得る。
次いで、この油中水型予備乳化物を高圧型ホモジナイザ
ー(実施例1で用いたものと同じ)で均質圧力、1段目
50kg/cm2,2段目50kg/cm2で均質化処理をし、9
0%以上の乳化粒子の粒径を2μ以下にして本発明に係
る流動状油中水型乳化油脂組成物を得た。
この流動状油中水型乳化油脂組成物は35℃で2週間の
静置保存テストにおいて上層における油相分離、下層に
おける水相分離が見られず、良好な油中水型乳化安定性
を示すものであった。
実施例3 上昇融点23℃のパーム軟質油60部とポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル(実施例1で用いたものと
同じ)2部を混合槽に入れ、60℃前後に加熱溶解させ
て油相を調製する。一方、水40部に塩化ナトリウム0.
5部を溶解させて水相を調製する。上記油相に上記水相
を加え、油中水型予備乳化物を得る。次いで、この油中
水型予備乳化物を高圧型ホモジナイザーを通し90%以
上の乳化粒子の粒径を2μ以下にする。次いで、プレー
ト式熱交換機に通し25℃まで冷却した後、別の混合槽
に受ける。この25℃まで冷却した油中水型乳化物を攪
拌しながら該乳化物に粉末状グリセリン脂肪酸エステル
(粒径が300μ以下のグリセリンモノ脂肪酸エステ
ル、結合脂肪酸;ステアリン酸65%、パルミチン酸2
5%)3部を加え、よく攪拌し、本発明に係る流動状油
中水型乳化油脂組成物を得た。
この流動状油中水型乳化油脂組成物は、広い温度範囲で
長期に安定した流動性を有し、しかも安定した油中水型
乳化状態を保持し、すぐれた製パン改良効果を奏するも
のであった。
比較例1 実施例1の配合処方から酢酸ナトリウムを除いた処方
(即ち水相に酢酸ナトリウムを加えない処方)とした以
外は実施例1と同じ方法で油中水型予備乳化物を得る。
次に、この油中水型予備乳化物を高圧型ホモジナイザー
(実施例1で用いたものと同じ)で均質圧力を50kg/
cm2、100kg/cm2、150kg/cm2、200kg/cm2
及び250kg/cm2(1段目はいずれも0kg/cm2で、2
段目のみで加圧した)に変えてそれぞれ均質化処理し、
流動状油中水型乳化油脂組成物をそれぞれ得た。
これらの流動状油中水型乳化油脂組成物は、その乳化粒
子の粒径が表1に示すようにいずれも2μを越える大き
なものを多量に含み、35℃で2週間の静置保存テスト
において、上層に約30%(全体の容積に対する比率)
の油相分離、及び下層に直径1〜10mmの水滴もしくは
水玉の発生が見られ、全く乳化が不安定なものであっ
た。
〔発明の効果〕 本発明の製造法によれば、流動状下で、保存、流通、使
用した場合に乳化の破壊による油相、水相の分離現象の
起こらない、乳化の安定な流動状油中水型乳化油脂組成
物を製造することができ、従って、今まで不可能であっ
た含水タイプのスポンジケーキ練込用油脂や含水タイプ
の製パン用バルクハンドリング用油脂が実用化される。
また、製パン用バルクハンドリング用油脂は従来無水の
ショートニングタイプだけであったが、本発明の方法を
応用することによって、豊かな風味付けの可能な含水の
マーガリンタイプのバルクハンドリング用油脂の製造が
可能となる。また更には、呈味性物質を水相に封じ込め
た形態のスプレーコーティング用油脂の製造も可能とな
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−170432(JP,A) 特開 昭59−210972(JP,A) 特開 昭59−196036(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂、乳化剤及び水より流動状油中水型乳
    化油脂組成物を製造する際に、乳化剤として、ポリグリ
    セリン縮合リシノレイン酸エステルを使用し、かつ水相
    に酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム又はヘキサメタリン
    酸ナトリウムを水に対し0.01〜10重量%含有させて、
    80%以上の乳化粒子の粒径を2μ以下にすることを特
    徴とする流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法。
JP59175658A 1984-08-23 1984-08-23 流動状油中水型乳化油脂組成物の製造法 Expired - Fee Related JPH0655105B2 (ja)

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