JPH0655261B2 - 電気透析槽用ガスケット - Google Patents

電気透析槽用ガスケット

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JPH0655261B2
JPH0655261B2 JP2027148A JP2714890A JPH0655261B2 JP H0655261 B2 JPH0655261 B2 JP H0655261B2 JP 2027148 A JP2027148 A JP 2027148A JP 2714890 A JP2714890 A JP 2714890A JP H0655261 B2 JPH0655261 B2 JP H0655261B2
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gasket frame
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勇 東
誠紀 葉玉
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月星化成株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、締付型電気透析装置用として好適な電気透析
槽用ガスケットに関する。
特に、本発明は、通電部が0.1m2以上であり、かつ工
業的規模で使用され、通電部または通電部および汐道部
スペーサーがガスケット枠に固着され、一体化された電
気透析槽用ガスケットに関する。
(従来の技術) 陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互にガスケット
を介して電極間に多数配列し、締めつけてなる電気透析
槽は、一般に塩類の濃縮、脱塩に広く用いられている。
この際、透析性能をできるだけ高く、また、長期間安定
に保持するために、ガスケットにより形成される透析空
間および室内へ流れる液を均一に分散させることが必要
であり、このために、一般にはガスケット内に網状物よ
りなるスペーサーを挿入する。
このスペーサーの位置を安定に保持し、電気透析時にお
ける供給液の均一な流動状態を保ち、かつ、スペーサー
を単にガスケット枠切欠内に挿入しただけの場合に生ず
るガスケット枠とスペーサーとの隙間への膜の落込みを
防止し、さらに、透析装置の組立および解体作業の効率
化を計るために、ガスケット枠とスペーサーとを一体化
したものが、たとえば特開昭57−171404号公
報、特開昭58−112006号公報、特開昭52−3
8483号公報、実開昭49−99842号公報、実開
昭57−165206号公報、特開昭61−21703
号公報などに種々提案されている。
(発明が解決しようとする課題) 近年、電気透析においても省電力化が望まれている。こ
のため、イオン交換膜および透析室の厚み(すなわち、
通電部スペーサーの厚み)を極力薄くする方向にある。
かかる状況下においては、従来公知の技術でガスケット
枠と通電部、または通電部および汐道部とを一体化させ
た場合には、次のような問題がある。
すなわち、実開昭49−99842号公報、実開昭57
−165206号公報、特開昭61−21703号公報
に示されているエボキシ系接着剤、ゴム系接着剤あるい
はホットメルト型接着剤などの接着剤を用いて固着して
一体化した場合には、接着部の硬化に長時間を要する。
さらに問題なのは、固着部位の硬度が大きいために、締
付けた場合に、固着部位に当たるイオン交換膜を破損さ
せ、さらには液リークなどを生ずる。
また、実開昭57−165206号公報、実開昭49−
99842号公報に示されている熱溶着で固着、一体化
した場合にも、固着部位の硬さ、固着部位の平滑さの悪
さなどに起因するイオン交換膜の破損および液リークが
問題となる。
また、特開昭57−171404号公報、特開昭58−
112006号公報には「加硫ゴムシートよりなるガス
ケット枠−共糊−未加硫ゴム−網状ネットスペーサー」
の構成で、工業的規模で実用に耐え得るガスケット枠と
スペーサーとを固着させて一体化したガスケットが、ま
た特開昭52−38483号公報には、「ガスケット枠
−未加硫ゴム−スペーサー」の構成で、通電部スペーサ
ーとガスケット枠との一体化が示されているが、これら
は、いずれもが一体化した部位の固着強度を十分実用に
耐えるものとするため、150℃の高温で加硫をしてい
る。
通常、電気透析に用いられるスペーサーは、一般には厚
さ0.2〜1mmの熱変形温度の低いポリオレフィン系の
網状物である。したがって、特開昭57−171404
号公報、特開昭52−38483号公報に示されている
150℃での加硫条件下では、電気透析時に供給液の均
一な流動状態を確保する機能を持つスペーサーを変形
(シワ)なしに固着する、一体化することはきわめて困
難であった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究した結
果、ソフトセグメントとハードセグメントとからなる化
学構造を有する特定のポリマーからなる熱可塑性エラス
トマーを用いてガスケット枠とスペーサーを固着一体化
すると、固着部位近傍のガスケット枠とスペーサーを固
着一体係すると、固着部位近傍のガスケット枠およびス
ペーサーの変形がなく、固着部位の厚み精度が優れ、か
つ、固着部位の硬度がガスケット枠と同等か、それ以下
の工業的規模の電気透析槽用ガスケットが得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ガスケット枠の通電部または通
電部および汐道部にスペーサーが挿入されたガスケット
であって、該スペーサーはその外周縁がガスケット枠の
内周縁に接触しない大きさであり、ガスケット枠の内周
縁とスペーサーの外周縁の間に介在させた、ソフトセグ
メントとハードセグメントからなる化学構造を有し且つ
スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ
ウレタン系及び1,2−ポリブタジエン系からなる群か
ら選択された熱可塑性エラストマーにより、ガスケット
枠とスペーサーが固着・一体化されている、電気透析用
ガスケットを提供する。
本発明のガスケット枠材としては、当業者においては明
らかであり、ことさら説明を要しないが、天然ゴムおよ
び合成ゴムから作られた加硫ゴム、あるいはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共
重合体、エチレン−酢ビ共重合体などの合成樹脂などが
用いられ、その厚みが0.2〜2mmであり、JIS A
硬度で30〜95度の硬度を有するものが好ましい。
その作り方としては、打抜いてガスケット枠とするか、
またはシートより帯状物を作り、第5図の如く、帯状物
の端面において突き当てて接着等の手段で接合してガス
ケット枠とすることが好ましい。通常、接着剤としては
ゴム系接着剤が用いられる。
本発明において、スペーサーは、従来透析に用いられる
網状スペーサーが好ましい。例えば、格子状、ハニカム
状のあるいはミコシロ織等が好ましく、特に斜交網状の
ものが好ましい。さらに、その材質としては、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の合成樹脂であり、ポリオレフィンを主成分と
するのがよい。厚みが0.2〜2mmで、ロックウエルR
硬度で50〜100度のものが好ましい。
また、通電部と汐道部に用いられるスペーサーは別種の
ものでもよいし、同種の一枚ものでもよいが、製作の容
易さ、取り扱いの点から同種の一枚ものが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマーは、ソフトセグメント
(常温でゴム状態のポリマーブロック)とハードセグメ
ント(ガラス状態か結晶状態のポリマーブロック)とか
らなる化学構造を有し且つスチレン系、ポリエステル
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系及び1,2−ポ
リブタジエン系からなる群から選択されたポリマーを指
す。このような化学構造のポリマーは、ソフトセグメン
トで従来の加硫ゴムと類似したゴム弾性を、ハードセグ
メントで塑性変形防止機能を持つことができ、さらに従
来のプラスチツクと同様の塑性流動性を有するので加工
性も優れていることは広く知られている。
本発明も、この熱可塑性エラストマーの特徴を最大限に
生かしてなし得たものである。
即ち、本発明のようなガスケット枠とスペーサーとの間
にこのように特定の化学構造を有する特定のポリマーか
らなる熱可塑性エラストマーを介在させて固着して一体
化させたガスケットは、エラストマー自身が軟化点の低
い熱可塑性であることと、固着条件下での流動性が大き
いことなどのためか、固着時のエラストマーの流れがス
ムーズであり、そのために介在物が流れる時に発生する
応力が少ない。
また、従来公知の技術、例えば、未加硫ゴムを介在させ
て固着、一体化してなるガスケットよりも低温および低
圧で加工できる。
この2つの理由で、固着部位近傍のスペーサーおよびガ
スケット枠体の変形がなく、かつ、固着部位の厚み精度
が優れている。このために、従来の電気透析槽用ガスケ
ットより低い締結圧力でも液リーク(漏洩)がなく、か
つ、従来公知の方法で固着・一体化したガスケットで問
題となっていた固着部位でのイオン交換膜の損傷がな
く、長期間にわたって安定した電気透析性能が維持でき
る。
さらに、熱可塑性エラストマーの硬度をガスケット枠材
より低くすることにより、より低い締結圧力でも液漏洩
をなくすることができる。その結果として、固着部位で
のイオン交換膜の損傷を、より無くすることができ、本
発明の効果をより一層発揮することができる。
従って、熱可塑性エラストマーの硬度は30〜95°
(JIS A)が好ましい。
本発明の特定の化学構図を有する特定のポリマーからな
る熱可塑性エラストマーとしては、特にガスケット枠材
との相溶性が良いものが選ばれる。例えば、ガスケット
枠材として天然ゴムあるいはスチレン−ブタジエン系ゴ
ムを用いた場合には、スチレンン系の熱可塑性エラスト
マーがガスケット枠と熱可塑性エラストマーとの固着強
度の点から好ましい。さらにソフトセグメントがスチレ
ン・ブタジエン系であり、ハードセグメントがポリスチ
レン系のものが特に好ましい。
熱可塑性エラストマーとスペーサーとの固着・一体化
は、スペーサーが熱可塑性エラストマー中に埋め込まさ
せることで達成される。
さらに、スペーサーが熱変形温度の低いポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の合成樹脂製の薄い網状であるために、使用する特
定の熱可塑性エラストマーとしては固着・一体化させる
ための、加熱、加圧時の樹脂流れの良い、適性なものが
選ばれる。
その目安としては、プラスチツクの加工分野で広く知ら
れている「樹脂フロー特性」がある。
例えば、島津式フローテスターCFT−500型を用い
て、オリフィス;1mmφ×5mmL、荷重;50kgf/c
m2、温度;150℃の条件下での樹脂流量が1×10-3
cm3/sec以上の熱可塑性エラストマーが、ガスケット枠
材と熱可塑性エラストマーとの固着部位近傍のスペーサ
ーの変形を防ぐ点で好ましい。その上限は、特に制限は
ないが、100×10-3cm2/sec程度が選ばれる。
以下に本発明の電気透析槽用ガスケットの製法について
述べる。
熱可塑性エラストマーによりガスケット枠とスペーサー
を固着・一体化させるには、まず、スペーサーをその外
周縁がガスケット枠の内周縁に接触しない大きさとし、
例えばスペーサーの外周縁とガスケット枠の内周縁との
間隔が0.5〜5mm。好ましくは1〜2mmとなるように
して、スペーサーをガスケット枠に挿入する。
一方、熱可塑性エラストマーをシート状に成形し、適当
なサイズ、例えば、5mm巾×1,000mm長さの帯状に
裁断する。この熱可塑性エラストマーの成形厚みは、ガ
スケット枠材厚みに対して−10〜+30%、好ましく
は0〜+15%がい。
次に、熱可塑性エラストマーのセット法について述べ
る。まず、ガスケット枠の内周縁との間隙が0.5〜5
mm、好ましくは1〜2mmとなるように挿入されたスペー
サーの外周縁に、帯状に裁断した熱可塑性エラストマー
を乗せる。その乗せ方は、ガスケット枠と熱可塑性エラ
ストマーとを固着・一体化した時に、少なくとも1つ以
上の網目が完全に熱可塑性エラストマーで充填できるよ
うに、スペーサー外周縁に乗っかるようにセットする。
また、この時ガスケット枠内周縁と熱可塑性エラストマ
ーとは、ガスケット枠内周縁(切欠断面)と、これに相
対する熱可塑性エラストマーの断面の1部、好ましくは
20%以上が接するように指先などで、熱可塑性エラス
トマーを押さえるようにセットすることが、ガスケット
枠と熱可塑性エラストマーとの固着強度を向上させる点
で望ましい。
次に、セットした熱可塑性エラストマーの面積より大き
いプレス面をもつプレス機により加熱プレスを行う。
この時の温度は、用いる熱可塑性エラストマーの軟化点
以上で、且つ、用いるスペーサーが合成樹脂製で厚み
0.2〜2mmの網状の熱変形を受け易いものなので、固
着部位近傍のスペーサー変形が発生しないことを目安と
して選定される。
圧力は、用いる熱可塑製袋エラストマーの「樹脂フロー
特性」及びスペーサーの「材質」、「形状」などで異な
るが、固着部位での面圧で0.5〜10kg/cm2、好ま
しくは2〜5kg/cm2が固着部位の厚み精度と固着部位
近傍スペーサーの変形(網目変形、厚み不同など)を防
ぐ点で望ましい。
一定の時間の設定は、ガスケット枠の内周縁とスペーサ
ーの外周縁との間隙(0.5〜5mm、好ましくは1〜2
mm)とスペーサーの網目に、加熱プレスによって軟化
し、流れ込む熱可塑性エラストマーの量をコントロール
する。ガスケット枠内周縁(切欠断面)への熱可塑性エ
ラストマーの廻り込みの量及び、その均一さがガスケッ
ト枠と熱可塑性エラストマーとの固着強度に大きな影響
を与えるのでシビアな管理が要る。また時間が長過ぎる
とスペーサーが熱変形を受ける。これらを考慮して、通
常、数秒〜数分間が望ましい。
この時に必要により、前処理としてガスケット枠の内周
縁に適当なプライマー例えば、ノーテープ工業(株)製
のプライマーURなどを塗布することは、接着強度を上
げる面からも好ましい。
固着する部位は、ガスケット枠の内周縁全辺でもよい
し、あるいは一部でもよい。ただし、ガスケットの組立
および解体、洗浄時などの取扱性から考えると、好まし
くは20%以上、より好ましくは全辺固着が望ましい。
また、固着した部位の厚みは、ガスケット枠厚みに対し
て−10〜+10%、好ましくは−5〜+5%であるの
がよい。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は、これに限
定されるものではない。
実施例1 JIS A硬度80度、厚み0.5mmの加硫されたスチ
レン−ブタジエン系合成ゴム(日本エラストマー(株)
製ソルプレン1204)シートを、巾30mm×長さ69
8mmおよび巾67mm×長さ356mmの帯状体に1:1の
枚数比で裁断した。ついで、第2図の破線で示す位置
で、ゴム系接着剤((株)スリーボンド製スリーボンド
1521)でつなぎ合わせ、面積20.6dm2の額縁状
ガスケット枠を作った。
次に、その上下の巾広帯状部に直径22mmの丸穴3と、
一辺39mmの角穴3′を交互に7個、穴中央間隔が均等
になるようにあけた。さらに、39mmの角穴3′をあけ
た部分については、ガスケット枠内側方向へ39mm巾に
切欠きし、第3図のような切欠ガスケット枠1を作っ
た。
次に、厚さ0.52mm、網目ピッチがタテ5mm×ヨコ3
mm、ロックウェルR硬度90度のポリプロピレン製斜交
網状スペーサーを、この切欠ガスケット枠内に1mmの隙
間を待つように裁断し、挿入した。
裁断したスペーサー2は、第4図に示すような形状であ
る。第4図において、5で示す、ガスケット形成時に汐
道となる汐道スペーサー7個の突出部の巾中央部位置に
は、このスペーサーをガスケット枠に挿入した時に、ガ
スケット枠1の上下の巾広帯部にあけてある3個あるい
は4個の径22mmの穴3の中心位置と、横一線となる位
置を穴中心とする径22mmの穴3を、上下合計7個を前
もってあけておいた。
次いで、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー(日本合成ゴム(株)製 JSR RB830)のペ
レットを伝熱ロールを用いてカレンダ−リングして作成
した厚み0.55ミリメートルのシートを裁断して5mm
巾の紐状物とした。この紐状物の硬度は、JIS A硬
度で70度であった。
また、「樹脂フロー特性」は島津式フローテスターCF
T−500型を用いて、オリフィス;1mmφ×5mmL,
荷重;50kgf/cm2、温度;150℃の条件下での樹脂
流量で55.1×10-3cm3/secであった。
この紐状の熱可塑性エラストマーを、その片面をガスケ
ット枠切欠断面(内周縁)に接して、かつ、ガスケット
枠切欠と、その切欠内に挿入したスペーサーの外周縁と
の隙間を覆うように全長にわたって配置し(この状態
で、熱可塑性エラストマーは第5図の様な形状である。
又、この状態で熱可塑性エラストマーは、4mm巾でスペ
ーサーに乗っている)、110℃×2分間×3kg/cm2
で加熱プレスを行い、熱可塑性エラストマーをスペーサ
ーの網目の中に埋め込ませ、かつ、加硫ゴムガスケット
枠の切欠断面に固着して、ガスケット枠とスペーサーを
一体化させることにより、通液巾26mmの汐道を7個持
ち、厚み0.5mm、有効通電面積19.6dm2の電気透
析槽用ガスケットを300枚作った。
でき上がったガスケットの熱可塑性エラストマーの充
填、固着した部位の平均厚みは、0.512mmであっ
た。でき上がったガスケットを第1図に示す。
第1図において、1aは加硫ゴムよりなるガスケット本
体、2aは全縁部をガスケットと固着、一体化したスペ
ーサー、3aは希釈液流および濃縮液流の連通孔、4a
は熱可塑性エラストマーの充填、固着した部位を示す。
以上の方法で作ったガスケット150枚を3穴入口4穴
出口の形で希釈室用とし、同じく150枚を4穴入口3
穴出口の形で濃縮室用とし、旭化成アシプレックス K
−182(陽イオン交換膜)150枚とA−182(陰
イオン交換膜)150枚とを用いて、電気透析槽を構成
する順に組上げ、締結枠で仮締めをした。この組上げに
要した時間は、2人で8時間であった。
次いで、組上げたものをフィルタープレス型電気透析槽
に装着し、油圧プレスで締結した後、濃縮室へ0.5cm
/sec、希釈室へ5cm/secの線速度で海水を流したが、
透析槽から外部へ液漏れ(以下、槽外リークと云う)が
あったので、油圧プレスで増締めをして槽外リーク
「0」とした。この時の圧力は、有効通電面積当たりで
1.0kg/cm2Gであった。
次に希釈室への供給を0.2cm/secとし、濃縮室への
供給をストップし、この状態で濃縮室への海水の漏れ
(以下、槽内リークと云う)を測定したところ、一室当
たり1.0cc/分であった。
次いで希釈室への供給を5cm/sec、濃縮室への供給を
0.5cm/secとし、この状態で直流電圧を印加し、7
9Ampで10日間連続運転を行った。その濃縮液の平均
食塩濃度は203g/lであった。
この後、解体したが、ガスケットの固着部の外れ、膜の
変形はなかった。
さらに、再度組上げ槽外リーク「0」となる締結圧力お
よび槽内リークを測定した後、10日運転し解体すると
いう運転を4回繰り返した。
各10日ごとの成績は下記表第1表のとおりであった。
5回目運転終了後、解体した結果、ガスケットの固着部
位の外れ、スペーサーの変形はなかった。また、膜にも
シワ、キレツ、ピンホールなどはなかった。
実施例2 実施例1において、ガスケット枠材としてEEA(エチ
レン−エチレンアクリレート共重合樹脂,日本ユニカー
(株)製 WN−930)製の0.5mm厚みのシートを
用いて、実施例1と同様の方法で、通液巾26mmの汐道
7個を待つ、厚み0.5mmの有効通電面積19.6dm2
の電気透析槽用ガスケット300枚を作った。でき上が
ったガスケットの熱可塑性エラストマーの充填、固着し
た部位の平均厚みは0.525mmであった。でき上がっ
たガスケットは第1図と同様である。
但し、第1図において、1aはEEAシートからなるガ
スケット本体である。
以上の方法で作ったガスケットと実施例1で用いたのと
同一種の膜により、同様の方法で組上げた。組上げに要
した時間は2人で8時間であった。
次いで、実施例1と同様の方法で槽外リーク「0」とな
る締結圧力を測定したところ、有効通電面積当たり1.
4kg/cm2Gであり、槽内リークは1.4cc/分・室で
あった。
さらに、実施例1と同様の方法で通液、通電をし、10
日間の連続運転を行ったが、その濃縮液の平均食塩濃度
は198g/lであった。
その後、解体をしたが、ガスケットの固着部位の外れ、
膜およびスペーサーの変化はなかった。
実施例3 実施例1において、ガスケット枠とスペーサーを一体化
するに用いる部材を、1,2−ポリブタジエン系熱可塑
性エラストマーからスチレン系でソフトセグメントがポ
リブタジエン、ハードセグメントがポリスチレンの熱可
塑性エラストマー(旭化成工業(株)タフプレン31
5)に替えてガスケットを300枚作った。
ここで用いた熱可塑性エラストマーの硬度は、JIS
A硬度で60度、また「樹脂フロー特性」は実施例1と
同様の方法で測定したところ5.2×10-3cm3/secで
あった。
出来上がったガスケットの固着部位の平均厚みは0.5
2mmであった。
以上の方法で作ったガスケットと実施例1で用いたのと
同一種の膜により、同様の方法で組上げた。組上げに要
した時間は、2人で8時間であった。
次いで、実施例1と同様の方法で槽外リーク「0」とな
る締結圧力を測定したところ、有効通電面積当たり1.
3kg/cm2Gであり、槽内リークは1.2cc/分・室で
あった。
さらに、実施例1と同様の方法で通液、通電をし、10
日間の連続運転を行ったが、その濃縮液の平均食塩濃度
は202g/lであった。
その後、解体をしたが、ガスケットの固着部位の外れ、
膜およびスペーサーの変化ではなかった。
実施例4 実施例1において、熱可塑性エラストマーで汐道スペー
サー5のみをガスケット枠切欠断面に固着して、ガスケ
ット枠とスペーサーを一体化させたガスケットを300
枚作った。
出来上がったガスケットの熱可塑性エラストマーの固着
部位の平均厚みは0.510mmであった。出来上がった
ガスケットを第7図に示す。
第7図において、1bは加硫ゴムよりなるガスケット本
体、2bは、外周縁の一部分をガスケットと固着・一体
化したスペーサー、3bは希釈液流および濃縮液流の連
通孔、4bは熱可塑性エラストマーの固着した部位、5
bは汐道スペーサーを示す。
以上の方法で作ったガスケットと実施例1で用いたのと
同一種の膜により、同様の方法で組上げた。組上げに要
した時間は、2人で8時間であった。
次いで、実施例1と同様の方法で槽外リーク「0」とな
る締結圧力を測定したところ、有効通電面積当たり1.
3kg/cm2Gであり、槽内リークは1.5cc/分・室で
あった。
さらに、実施例1と同様の方法で通液、通電をし、10
日間の連続運転を行ったが、その濃縮液の平均食塩濃度
は197g/lであった。
その後、解体をしたが、ガスケットの固着部位の外れ、
膜およびスペーサーの変化はなかった。
比較例1 実施例1において、ガスケット枠とスペーサーを一体化
するに用いる部材を、熱可塑性エラストマーから未加硫
スチレン・ブタジエン系合成ゴム(旭化成工業(株)製
ソルプレン1240)に替えてガスケットを300枚
作った。
この時のガスケット枠とスペーサーを一体化させる方法
は、以下のとおりである。
すなわち、ガスケット枠材と同一組成の未加硫ゴムにチ
ウラム系加硫促進剤(住友化学(株)製 ソクシノール
PZ)を1%添加して、60℃で圧延して厚み0.5mm
のシートを作り、さらに、裁断して5mm巾の紐状物を作
った。
次に、実施例1と同様に、内側にスペーサーを挿入して
あるガスケット枠の切欠断面の全長にわたって共糊(先
に作った5mm巾の紐状物の未加硫ゴムをMEKに溶解さ
せたもの)を塗布した後、この部と先に裁断した5mm巾
の紐状未加硫ゴムの片側断面とを、軽く指で突き当てな
がら仮づけし、さらに、この部位を150℃×5分間×
5kg/cm2 加熱プレスを行い、スペーサーに未加硫ゴムを埋め込ま
せ、かつ、成型、加硫することによりガスケット枠とス
ペーサーを固着・一体化させ、通液巾26mmの汐道を7
個持つ、厚み0.5mmの有効通電面積19.6dm2の電
気透析槽用ガスケット300枚作った。
出来上がったガスケットの未加硫ゴムの加硫した部位の
平均厚みは0.55mmであったが、300枚のうち8枚
のガスケット10箇所の固着部位のスペーサーに変形
(シワ)があった。出来上がったガスケットを第8図に
示す。
第8図において、1cは加硫ゴムシートよりなるガスケ
ット枠、2cはガスケット枠と一体化させたスペーサ
ー、3cは濃縮液流および希釈液流の連通孔、4cは未
加硫ゴムの加硫、固着させた部位を、5cは汐道スペー
サーを示す。
以上の方法で作ったガスケットと実施例1と同一種の膜
を用い、実施例1と同様に組み上げた。
次いで、実施例1と同様の方法で槽外リーク「0」とな
る締結圧力および槽内リークを測定したところ、それぞ
れ1.8kg/cm2G、2cc/分・室であった。
実施例1と同様の方法、条件で通液、通電をし、10日
間の連続運転を行ったが、その濃縮液の平均食塩濃度は
191g/lであった。
その後、解体をしたが、製作したときに確認された“固
着部位のスペーサーのシワ”が当たる部位の膜にクラッ
クが見られた。また、その部位の膜面が僅かであるが盛
上がっている感じがあった。
さらに、実施例1と同様に運転−解体を繰り返した結果
は、以下のとおりであった。
さらに、5回目運転終了後に解体した結果、製作したと
きに確認された“固着部位のスペーサーのシワ”が当た
る部位の膜にクラックが多数見られ、4枚の膜にはピン
ホールが発生していた。また、膜の固着部位が当たる箇
所に膨らみがあり、その膨らみは、膜を平板上に置いた
とき1枚当たりで0.1〜0.2mmほど盛上がってい
た。
比較例2 実施例1において、第3図のような切欠つきガスケット
内に、実施例1に使用したものと同仕様のスペーサーを
1mmの隙間をあけて挿入した。
次いで、チバ・ガイギー社製のエポキシ系接着剤“アラ
ルダイト スタンダード”を用いて9箇所接着し(第9
図の4d)、ガスケット枠とスペーサーとを一体化さ
せ、通液巾26mmの汐道7個を持つ電気透析槽用ガスケ
ットを30枚作った。なお、接着部の大きさは1個当た
り約15mmφであった。
でき上がったガスケットの接着した部位の平均厚みは
0.6mmであったが、バラツキが大きく、最小部で0.
51mm、最大部で0.72mmもあった。でき上がったガ
スケットの形状を第9図に示す。
第9図において、1dは加硫ゴムシートからなるガスケ
ット本体、2dはスペーサー、3dは濃縮液流および希
釈液流の連通孔、4dは“アラルダイト スタンダー
ド”を用いてガスケット枠とスペーサーを接着した部
位、5dは汐道スペーサーを示す。
以上の方法で作ったガスケットを実施例1と同様の方法
で組上げ、槽外リーク「0」となる締結圧力および槽内
リークを測定したところ、それぞれ2kg/cm2G、5cc
/分・室であった。槽内リークが多かったので、これを
解体したところ、エポキシ樹脂が当たる部位の膜に多数
のクラック、ピンホールが発生していた。
(発明の効果) 本発明において、ガスケット枠とスペーサーとの間に熱
可塑性エラストマーを介在させて固着し、一体化された
ガスケットは、熱可塑性エラストマーを用いることによ
り、従来公知の技術、例えば、未加硫ゴムを介在させて
固着、一体化したガスケットよりも低温および低圧で加
圧できるために、固着部位近傍のスペーサーおよびガス
ケット枠体の変形がなく、かつ固着部位の厚み精度が優
れている。
このために、従来の電気透析槽用ガスケットより低い締
結圧力でも液漏洩がなく、かつ、従来公知の方法で固
着、一体化したガスケットで問題となっていた固着部位
でのイオン交換膜の損傷がなく、長期間にわたって安定
した電気透析性能が維持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で作成したガスケットの正面図であ
る。 第2図は、ゴムシートを額縁状に継ぎ合わせたガスケッ
ト枠の正面図である。 第3図は、額縁状ガスケット枠を裁断して作成した、切
欠きつきガスケット枠の正面図である。 第4図は、切欠きつきガスケット枠内に挿入するスペー
サーの正面図である。 第5図は、実施例1でガスケット枠本体とスペーサーを
固着・一体化するのに用いた、紐状熱可塑性エラストマ
ーの正面図である。 第6図は第1図に示される実施例1で作成したガスケッ
トのX−X′線の部分断面図である。 第7図は、実施例4で作成したガスケットの正面図であ
る。 第8図は、比較例1で作成したガスケットの正面図であ
る。 第9図は、比較例2で作成したガスケットの正面図であ
る。 第10図は、締付型電気透析槽の構成を示す模式図であ
る。 第11図は、締付型電気透析槽を構成するスタック内の
ガスケット枠とイオン交換膜の組合せを示す模式図であ
る。 1(1a,1b,1c,1d)、19、20……ガスケ
ット枠 2(2a,2b,2c,2d)、21、22……スペー
サー 3(3a,3b,3c,3d)、23……希釈液流およ
び濃縮液流連通孔(丸穴) 3′……角孔 4a,4b……熱可塑性エラストマーで固着させた部位 4c……未加硫ゴムで固着させた部位 4d……接着剤で接着させた部位 5(5a,5b,5c,5d)……汐道部スペーサー 11……陽電極枠 12……給液枠 13……締結枠 14……スタック 15……陰電極枠 16a……プレス固定板 16b……プレス可動板 17……アニオン交換膜 18……カチオン交換膜 D……希釈液 C……濃縮液

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスケット枠の通電部または通電部および
    汐道部にスペーサーが挿入されたガスケットであって、
    該スペーサーはその外周縁がガスケット枠の内周縁に接
    触しない大きさであり、ガスケット枠の内周縁とスペー
    サーの外周縁の間に介在させた、ソフトセグメントとハ
    ードセグメントとからなる化学構造を有し且つスチレン
    系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン
    系及び1,2−ポリブタジエン系からなる群から選択さ
    れた熱可塑性エラストマーにより、ガスケット枠とスペ
    ーサーが固着・一体化されていることを特徴とする電気
    透析用ガスケット。
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