JPH0656438B2 - 放射性溶融水冷スラグの固化処理方法 - Google Patents

放射性溶融水冷スラグの固化処理方法

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JPH0656438B2
JPH0656438B2 JP23075886A JP23075886A JPH0656438B2 JP H0656438 B2 JPH0656438 B2 JP H0656438B2 JP 23075886 A JP23075886 A JP 23075886A JP 23075886 A JP23075886 A JP 23075886A JP H0656438 B2 JPH0656438 B2 JP H0656438B2
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尚司 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的
【産業上の利用分野】
本発明は、放射性の溶融水冷スラグを最終貯蔵あるいは
陸地処分に適する形に固化処理する方法の改良に関す
る。
【従来の技術】
たとえば原子力発電所の定期点検に伴って、抵レベルの
放射能をもった種々の固体廃棄物が発生する。これら
は、その放射能が安定なレベルに低下するまで最終貯蔵
し、陸地処分に適した形にする必要がある。 固体廃棄物の中で、放射性廃液の処理に使用したイオン
交換樹脂、HEPAフィルタ、保温材、プラスチック製
パイプといった雑固体廃棄物は、そのまま固化するので
は嵩張って、広大な貯蔵庫を要することになる。そこ
で、これらの雑固体廃棄物のうちの有機物を焼却して減
容、無機化し、他の無機廃棄物とともに溶融安定化する
方法が注目されている。 溶融物の処理方法には、そのまま容器に充填して放冷固
化する方法と、空冷または水冷により粒状化する方法が
ある。前者は溶融物を直接容器に詰めるから、その流動
性をよくするために、高温にするかフラックス成分を添
加するなどの配慮を必要とし、ハンドリングも困難さを
伴う。後者はそのような配慮が不要である代りに、生成
物が粒子状であるために、充填容器破損時の飛散といっ
た輸送上の問題があり、適当なバインダーを用いて固化
しなければならない。 バインダーには、プラスチック、アスファルト、水ガラ
ス、セメントなどがあるが、そのコストや長期安定性と
いった点から、セメントが最適と考えられている。 セメントを用いる固化方法は、廃棄物とセメントモルタ
ルとを外部で混合してドラム缶などの容器に移す、「ア
ウトドラム方式」がある。この方式は、十分な混練によ
り良質な固化体を得ることができるが、ミキサーその他
の装置を必要とする上に、これらの洗浄水(これも放射
性となる)のような二次廃棄物を処理しなければならな
いという、新たな問題が出てくる。 この問題を避ける方法として、ドラム内で混練する「イ
ンドラムミキサー方式」と、セメントモルタルを粒子間
に浸透させる「含浸方式」が考えられる。 このうち、インドラムミキサー方式は、対象物が粒子状
の固体であるから、強力な攪拌を要し、充填効率に難点
があることに加えて、ミキサーの洗浄水による二次廃棄
物の処理という前記と同様の問題が残る。 含浸方式では、対象が粒径の小さい水冷スラグであるた
めに、鉄パイプの切れ端のような大きなものを対象とす
る場合と異なり、セメントモルタルを含浸させるのが容
易でない。従って水冷スラグとバインダーとの充填混合
度が低くなり、固化体に多数の空洞が残存することにな
る。空洞の存在は、クラック発生の起点となって、容器
の腐食、ひいては内容物の浸出などの問題が生じかねな
いから、空洞は極力生じないようにしなければならな
い。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、セメントモルタルまたはペーストを充填した
容器に、粒状のスラグを投入して容器を加振すると、ス
ラグがモルタルまたはペースト中に落下して埋没し、空
洞のない均一な強度の固化体を形成することを見出し
た。 本発明はこの知見を利用してなされたものであって、そ
の目的は低レベルの放射能をもつ溶融水冷スラグを、二
次廃棄物の処理という問題を伴うことなく、有害な空洞
が残存しない状態に、簡単かつ確実に固化できる処理方
法を提供することにある。 発明の構成
【問題点を解決するための手段】 本発明の放射性溶融水冷スラグの固化処理方法は、セメ
ントモルタルまたはペーストを充填したドラム缶や角型
容器などの容器に、放射性廃棄物を溶融し水冷して得た
粒状のスラグを投入し、容器に振動を与えることにより
スラグをモルタルまたはペースト中に落下充填させたの
ち固化させることからなる。 溶融水冷スラグは、前記したように低レベルの放射性を
もつ可燃性雑固体を、鉄屑、コンクリート、保温材その
他の廃棄物とともに1200〜1500℃の温度で溶融
し、これを水冷固化したもので、平均粒径数mm程度のも
のである。本発明で処理するには、粒径が2〜3mmのも
のが50%以上を占めるスラグが好ましい。 セメントモルタルまたはペースト(以下、場合により
「ペースト」で代表させる)の調製には、普通ポルトラ
ンドセメントをはじめとするセメントを任意に選んで使
用することができる。発熱によるクラックの発生や水の
蒸発と凝縮によるドラム缶の腐食を防止するうえで、低
発熱タイプのセメント、たとえば高炉セメントやフライ
アッシュセメントなどを使用することが好ましい。 スラグをペースト中に円滑に沈降させるためには、なる
べく高い流動性をもたせることが肝要である。実験によ
れば、スラグをペースト中に速やかに落下させて密に充
填するためには、ペーストのフロー値がJ10ロート法で
40秒以下、好ましくは35秒以下にすればよいことが
判明した。もちろん、流動性を増すためには、水/セメ
ントの比を大きくすればよいが、ペースト強度の低下お
よびブリージングによる容器の腐食を防止するという観
点から水/セメント比は40%以下、好ましくは35%
以下とし、前記フロー値を満足するように選ぶ。 流動性を高めるために、土木または建築工事におけるコ
ンクリートやモルタルの施工、とくにグラウト材の注入
に際して添加使用する減水剤が有用である。この減水剤
の使用により混水量が減少し、遊離水の発生を抑えるこ
とで、ペーストの強度低下および腐食発生を防止すると
いう二重の効果が得られる。なお、ペーストの流動性お
よび固化体の強度を損なわない限り、他の水硬性物質や
砂などの骨材を添加することができることはいうまでも
ない。 ペーストに投入、充填するスラグの量は、ペースト10
0容量部に対して50〜80容量部、好ましくは60〜
70容量部である。50容量部以下ではスラグに対する
ペーストの量が多くて経済的に不利である。また、80
容量部を超えると、実質的にスラグがペースト中に落下
しなくなるから、均一な強度の固化体が得られなくな
る。 スラグの投入に際して、または投入に続いて行なう加振
は、スラグをペースト中にできるだけ早く落下(沈降)
させ、かつスラグの間隙で有害な空洞を形成する気泡を
追い出す作業であるから、スラグがペースト上に均一に
行きわたるように投入するなどの配慮をして、当初から
充填しやすい条件を選ぶとよい。 振動を加えるには、振動モータやエアバイブレータなど
の適宜の振動発生手段を使用する。大量のスラグを処理
するには、専用の加振台を用意して、容器全体を振動さ
せるようにすべきである。対象が少量であれば、容器の
底や側壁に振動を加えることによってもよい。振動数や
振幅もまた、実施に当って、個々の条件に適するように
決定すればよい。一般には、振動数1,000〜10,
000vpm 、振幅0.5〜3mmが適当である。 大量のスラグを処理する場合、スラグおよびペーストの
充填量は、それぞれ容器(たとえばドラム缶)が定まれ
ばそれによって規定されるから、定容量(または定重
量)ホッパーを用いることにより、固化処理を自動化す
ることができる。 図面は、このような固化処理装置の一例を示すものであ
って、1はセメントと水の混練機、2は重量計、3は水
冷スラグの定容量ホッパーである。ホッパー3の下部に
はロータリーバルブ4を介して供給コンベヤ5が水平に
設けられ、その先端にスラグを均一に分散供給するため
のコーン型の分配器6が配置してある。7は充填容器V
を搬送移動させるベルトコンベヤ、8は加振台である。 この装置の使用には、セメントと水をそれぞれ所定量は
かりとり、必要量のセメントペーストを充填容器Vに注
入する。セメントペーストの比重や充填密度は予めわか
っているから、重量計2による測定でその容量を確認で
きる。 次いで、ペーストを充填した容器Vをコンベヤ7で輸送
し、スラグの投入位置に置く。ここで、ロータリーバル
ブ4からスラグを一定量ずつ抜き出し、供給コンベヤ5
で送り、分配器6によりスラグがペースト上に均一に投
入されるようにする。 操作は、既知のシーケンス制御により、すべて自動的に
行なうことができる。
【作 用】
ペースト上に投入された粒状のスラグは、容器および内
容物に加えられる振動によって、流動性のあるペースト
中を沈降し、密に充填した状態となる。各スラグの周囲
はペーストにより被覆され、空洞が実質上存在せず、混
合度合が一定の、すなわち均一な圧縮強度をもつセメン
ト固化体が得られる。
【実施例1】 可燃物、コンクリート、鉄屑、保温材およびHEPAフ
ィルタの混合物を、約1300℃で溶融して水冷によ
り、平均粒径2.8mmの水冷スラグを得た。一方、セメ
ントペーストとして、C種高炉セメント:水:減水剤=
75.0:23.9:1.1の重量比で混練し、J10ロ
ート値27秒としたものを調製した。 上記のセメントペースト55(140kg)を200
ドラム缶に投入後、粒状スラグ420kg(200)
を、ドラム缶を振動させながら20分間で投入し、投入
後さらに10分間振動を続けた。 粒状スラグはセメントペーストの中に完全に埋没し、ス
ラグの上の約1cmのペースト層が形成されていた。 4週間の養生後、ドラム缶の中心からほぼ等しい円周上
5カ所でコアボーリングを行ない、さらに各コアの縦方
向に5個、計25個のサンプルを採取した。その比重お
よび圧縮強度を測定した結果、各々±5%の誤差範囲内
で一致し、スラグの充填混合度は均一であった。また、
目視観察においても空隙は認められなかった。
【比較例1】 実施例1とは逆に、200ドラム缶にまず粒状スラグ
420kg(200)を投入し、振動を与えながら上か
らセメントペーストを徐々に流し込んだ。この作業を3
0分間行なったが、ペーストは約12(約31kg)し
か入らなかった。すなわち、ペーストはスラグ表面から
約30cm浸透したに止まり、それより下は粒状スラグの
ままであった。
【比較例2】 200ドラム缶の中心に、内径100mm、外径120
mmのパイプであって下端に高さ50mm、幅50mmの切欠
を4方向に設けたパイプを入れ、その周囲に粒状スラグ
400kgを投入し、振動を加えながら、パイプを通して
セメントペーストを徐々に流し込んだ。 この作業を3分間行なったところ、ほとんどそれ以上ペ
ーストが入って行かなくなったので、作業を中止した。
ペーストは約17(約43g)が入っただけであっ
た。パイプ内の容積が約9あるから、粒状スラグの空
隙へは、僅かに8しか充填されなかったことになる。
事実、ペーストはパイプの周囲に、直径250mm、高さ
約200mmの範囲に入ったに過ぎないことがわかった。 発明の効果 本発明の溶融水冷スラグ固化処理方法は、その実施に、
セメントモルタルまたはペーストの混練機、定量ホッパ
ー、振動機といった簡単な装置があれば足り、設備費が
あまりかからないうえ、混練機は放射性のスラグを扱わ
ないから、メンテナンスは容易であり、混練機の洗浄水
の処理は、それが非放射性であって、いわゆる二次廃棄
物の問題がなく、全体として処理コストを低くおさえる
ことができる。 溶融水冷スラグは、セメントモルタルまたはペースト中
に落下し、充填することによって、有害な空洞が実質的
に存在しない状態で確実に固化されるから、安全に貯蔵
することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の固化処理法を実施するための装置の一
例を示す説明図である。 1……混練機、5……供給コンベヤ 2……重量計、6……分配器 3……定容量ホッパー、7……ベルトコンベヤ 4……ロータリーバルブ、8……加振台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントモルタルまたはペーストを充填し
    た容器に、放射性廃棄物を溶融し水冷して得た粒状のス
    ラグを投入し、容器に振動を与えることによりスラグを
    モルタルまたはペースト中に落下充填させたのち固化さ
    せることからなる放射性溶融水冷スラグの固化処理方
    法。
  2. 【請求項2】セメントモルタルまたはペーストのJ10ロ
    ート値が30秒以下のものを用いて実施する特許請求の
    範囲第1項の固化処理方法。
  3. 【請求項3】セメントとして、高炉セメント、フライア
    ッシュセメントなどの低発熱タイプのセメントを用いて
    実施する特許請求の範囲第1項の固化処理方法。
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