JPH0656530U - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH0656530U
JPH0656530U JP6714193U JP6714193U JPH0656530U JP H0656530 U JPH0656530 U JP H0656530U JP 6714193 U JP6714193 U JP 6714193U JP 6714193 U JP6714193 U JP 6714193U JP H0656530 U JPH0656530 U JP H0656530U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦面に疑似合金溶射被膜を形成することに
より、製造直後の初期段階における摩擦材の摩擦係数の
向上を図ることを目的としている。 【構成】 摩擦材の摩擦面に2種の金属からなる疑似合
金溶射被膜を形成したことを特徴とする摩擦材である。
また、上記金属のうちの1種を、亜鉛等の鉄の犠牲陽極
となる金属とした摩擦材である。さらに、上記鉄の犠牲
陽極となる金属と他の金属との比率を、3対7ないし7
対3とした摩擦材である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はクラッチフェーシング、ディスクパッド、ブレーキライニング等の摩 擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられている摩擦材として例えばクラッチディスクのクラッチフェーシ ングは、主にアスベスト等の不織布に結合剤となるフェノールレジン等を含浸さ せて加熱加圧成形したものが一般的である。ところがそのような従来のクラッチ フェーシングを使用した場合、製造直後の摩擦面はその全面が必ずしもプレッシ ャープレートやフライホイールに圧接しないので、使用の初期状態においては所 定の摩擦係数を得ることができない。そのため従来のクラッチフェーシングは、 その摩擦面にレジンのコーティングを施す等、手間のかかる方法で初期状態にお ける摩擦係数の保持を図っていた。なお先行技術として特開昭58−81238 があり、鉄の犠牲陽極となりうる金属を摩擦材の表面に0.5mg/cm2〜8 .0mg/cm2溶射、付着させてなる摩擦材が開示されている。しかしその構 造によっても摩擦係数をある程度向上させることは可能であるが、製造直後の摩 擦係数は依然低く、所定の回数だけ使用してから出荷したり或いは上述した処理 方法を施す必要がある。
【0003】
【考案の目的】
本考案は摩擦面に疑似合金溶射被膜を形成することにより、製造直後の初期段 階における摩擦材の摩擦係数の向上を図ることを目的としている。
【0004】
【考案の構成】
本考案は、摩擦材の摩擦面に2種の金属からなる疑似合金溶射被膜を形成した ことを特徴とする摩擦材である。 さらに上記金属のうちの1種は、例えば亜鉛等の鉄の犠牲陽極となる金属が採 用される。 さらに上記鉄の犠牲陽極となる金属と他の金属との比率は、例えば3対7ない し7対3に設定される。
【0005】
【作用】
疑似合金溶射被膜は摩擦材製造直後における初期の摩擦係数を高い所定値に維 持する。
【0006】
【実施例】
本考案の実施例を示す図1において、1は環状の摩擦材で、Cは摩擦材1の軸 線(中心のみ図示)である。2は摩擦材1と同心の大径孔である。3は摩擦材1 の摩擦面で、その外周部分には疑似合金溶射被膜4が全周にわたって形成される 。
【0007】 摩擦材1の材質としては、ガラス繊維やゴムバインダ(アクリロニトリルブタ ジエンゴム(NBR)またはスチレンブタジエンゴム(SBR)にフィラー等の 充填剤を加えたもの)等が採用される。
【0008】 疑似合金溶射被膜4の質量は8mg/cm2から25mg/cm2が好ましい。 ここで疑似合金溶射被膜とは、2種の金属または合金が融合していない状態で溶 射されているため、あたかも合金であるかのように見える溶射被膜をいい、いわ ゆる融点以上に加熱されて融合形成される一般の合金とは区別される。疑似合金 溶射被膜4を構成する金属としては亜鉛、及び黄銅等が採用される。ことに亜鉛 は鉄の犠牲陽極となり得るので2種のうちの1種について亜鉛を採用することが 好ましい。
【0009】 本実施例においては外周から大径孔2までの摩擦面3の半径方向の長さをA、 外周側の疑似合金溶射被膜4が形成される範囲の長さをBとすると、長さBは長 さAの1/3から2/3迄の範囲に設定されている。この構造を採用すると、図 2に示すように特にプレッシャープレート20の外周部がフライホイール21側 に傾斜している場合であっても、疑似合金溶射被膜4の部分が軸線C方向に張出 しているため、片当りによって摩耗を低減するのに有効である。無論摩擦面3の 全面にわたって疑似合金溶射被膜4を形成してもよい。但しその場合には総質量 が若干増加する。なお疑似合金溶射被膜4を形成する範囲を摩擦面3の外周から 半径方向の大径孔2に至る間の長さAの少なくとも1/3の長さの外周側(長さ B)に設定すれば、いわゆる鳴きも少なくなる。これは疑似合金溶射被膜4が軸 線C方向に張出しているためまず外周部分がプレッシャープレート20やフライ ホイール21に挟持されることによりクラッチの振動を低減できるからである。 この鳴きを低減するためには、9.0mg/cm2以下の疑似合金溶射被膜4を 用いればよいが、付着量が0.4mg/cm2以下の場合には、耐錆性が低下す るので好ましくない。
【0010】 また外周側から1/3の範囲に限定した場合には、まず外周部分がプレッシャ ープレート20やフライホイール21に挟持されるため摩擦面3全面にわたって 溶射した場合に比べて比較的少ない溶射材で本考案の効果を奏することができ、 しかも摩擦材1全体の質量を低減できるので、イナージャが増加する恐れもない 。
【0011】 図3は摩擦材1の加工方法を示している。 5は溶射用トーチで、アーク式のものを採用している。溶射材6はトーチ5の 溶射口7から摩擦材1の摩擦面3に溶射される。溶射材6としては上述した亜鉛 及び黄銅が採用される。なお溶射用トーチとしてはアーク式以外のものを採用し てもよい。
【0012】 (測定結果) 図4は、本考案を採用した場合の摩擦係数μとクラッチ接続遮断サイクル数C yとの関係を示すグラフであり、図5は図4の初期サイクル数Cyにおける摩擦 係数μの値を拡大して示したグラフである。図4、図5中、X1及びX2は本考 案による疑似合金溶射被膜を有する摩擦材を採用した場合の測定結果を示してお り、Y1は溶射被膜を形成していない従来の摩擦材、Y2は亜鉛のみを溶射して 形成した摩擦材による測定結果を比較したグラフである。
【0013】 なおこの測定結果は以下の条件下で行なわれた。 クラッチサイズ(MM):225(外径) :150(内径) 摩 擦 材 の 材 質:F202 イナーシャ(KG.M.S2) :0.118 回 転 数 (RPM):1750 取付荷重 (KG)初期:495 試験後:474
【0014】 (1) 従来例の測定結果 溶射被膜を形成していない摩擦材の場合: 図4のY1で示すように、サイクル数Cyの値が2〜18の間は摩擦係数μが 0.3を越えており良好な状態を示しているが、図5に示すようにサイクル数C yの値が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.20であり、初期の摩擦係数μの値 が低くなっている。従ってこの摩擦材をそのまま使用すると、車両運転初期時の トルク伝達が不十分となる恐れがある。
【0015】 亜鉛のみを溶射して形成した摩擦材の場合: 図5のY2で示すように、サイクル数Cyの値が1の時の摩擦係数μの値はほ ぼ0.22であり、上記Y1の値に比べて若干向上するものの依然初期摩擦係数 が低い。従って溶射被膜を形成していない摩擦材をそのまま使用すると、上記と 同様に車両運転初期時のトルク伝達が不十分となる。
【0016】 (2) 本考案の測定結果 8mg/cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成した摩擦材の場合: 図4のX1で示すように、サイクル数Cyの値が2〜17の間は摩擦係数μの 値が0.25以上であるのみならず、図5に示すように初期サイクル数Cyの値 が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.25であり、運転初期の摩擦係数μの値も 比較的高いことがわかった。従って亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を摩擦面に形成 することにより、運転初期時の摩擦係数μを高い値に保持することができる。
【0017】 12mg/cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成した摩擦材の場合 : 図4のX2で示すように、サイクル数Cyの値が2〜100の間は摩擦係数μ の値が概ね0.30以上ときわめて良好であるのみならず、図5のX2で示すよ うに、初期サイクル数Cyの値が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.27であり 、運転初期の摩擦係数μの値がさらに高くなることがわかった。従って12mg /cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成することにより一層運転初期時の 摩擦係数μを高い値に保持することができる。 なお、上記の疑似合金溶射被膜の亜鉛と黄銅の比率は1:1であるが、こ の比率については3〜7:7〜3の比率にまで設定することが可能である。
【0018】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、摩擦材の摩擦面に2種の金属からなる疑似合金 溶射被膜を形成したことを特徴としているので、初期の摩擦トルクμを所定値に 維持することができる。従って本考案を採用した摩擦材を車両に使用すると、運 転初期時においても良好な伝達トルクを得ることができる。従って製品納入後摩 擦材のユーザは摩擦トルクを調整することなく直ちに車両に使用することができ る。
【0019】 すなわち本考案によると単に高い摩擦係数が得られるだけでなく、疑似合金溶 射被膜を採用することによってサイクル数の初期状態において従来構造にはない 良好な摩擦係数を得ることができるのである。無論本考案を採用することによっ て長期にわたって摩擦係数が安定することはいうまでもない。 さらに、疑似合金溶射被膜4を形成することにより摩擦面の摩耗を低減できる ので摩擦面の錆を防止することができる。
【提出日】平成6年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はクラッチフェーシング、ディスクパッド、ブレーキライニング等の摩 擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられている摩擦材として例えばクラッチディスクのクラッチフェーシ ングは、主にアスベスト等の不織布に結合剤となるフェノールレジン等を含浸さ せて加熱加圧成形したものが一般的である。ところがそのような従来のクラッチ フェーシングを使用した場合、製造直後の摩擦面はその全面が必ずしもプレッシ ャープレートやフライホイールに圧接しないので、使用の初期状態においては所 定の摩擦係数を得ることができない。そのため従来のクラッチフェーシングは、 その摩擦面にレジンのコーティングを施す等、手間のかかる方法で初期状態にお ける摩擦係数の保持を図っていた。なお先行技術として特開昭58−81238 があり、鉄の犠牲陽極となりうる金属を摩擦材の表面に0.5mg/cm2〜8 .0mg/cm2溶射、付着させてなる摩擦材が開示されている。しかしその構 造によっても摩擦係数をある程度向上させることは可能であるが、製造直後の摩 擦係数は依然低く、所定の回数だけ使用してから出荷したり或いは上述した処理 方法を施す必要がある。
【0003】
【考案の目的】
本考案は摩擦面に疑似合金溶射被膜を形成することにより、製造直後の初期段 階における摩擦材の摩擦係数の向上を図ることを目的としている。
【0004】
【考案の構成】
本考案は、環状の摩擦材1の摩擦面3に鉄の犠牲陽極となる金属と非犠牲陽極 となる金属を3対7ないし7対3の比率で含む疑似合金溶射被膜4を摩擦面3の 半径方向長さAの外周部の長さB、但し1/3・A≦B≦2/3・Aに形成して 初期域の高い摩擦係数を確保するようにしたことを特徴とする摩擦材摩擦材であ る。
【0005】
【作用】
疑似合金溶射被膜は摩擦材製造直後における初期の摩擦係数を高い所定値に維 持する。
【0006】
【実施例】
本考案の実施例を示す図1において、1は環状の摩擦材で、Cは摩擦材1の軸 線(中心のみ図示)である。2は摩擦材1と同心の大径孔である。3は摩擦材1 の両側にある摩擦面で、その外周部分には疑似合金溶射被膜4が全周にわたって 形成される。
【0007】 摩擦材1の材質としては、ガラス繊維やゴムバインダ(アクリロニトリルブタ ジエンゴム(NBR)またはスチレンブタジエンゴム(SBR)にフィラー等の 充填剤を加えたもの)等が採用される。
【0008】 疑似合金溶射被膜4の質量は8mg/cm2から25mg/cm2が好ましい。 ここで疑似合金溶射被膜とは、2種の金属または合金が融合していない状態で溶 射されているため、あたかも合金であるかのように見える溶射被膜をいい、いわ ゆる融点以上に加熱されて融合形成される一般の合金とは区別される。疑似合金 溶射被膜4を構成する金属としては亜鉛、及び黄銅等が採用される。ことに亜鉛 は鉄の犠牲陽極となり得るので2種のうちの1種について亜鉛を採用することが 好ましい。
【0009】 本実施例においては外周から大径孔2までの摩擦面3の半径方向の長さをA、 外周側の疑似合金溶射被膜4が形成される範囲の長さをBとすると、長さBは長 さAの1/3から2/3迄の範囲に設定されている。この構造を採用すると、図 2に示すように特にプレッシャープレート20の外周部がフライホイール21側 に傾斜している場合であっても、疑似合金溶射被膜4の部分が軸線C方向に張出 しているため、片当りによって摩耗を低減するのに有効である。なお疑似合金溶 射被膜4を形成する範囲を摩擦面3の外周から半径方向の大径孔2に至る間の長 さAの少なくとも1/3の長さの外周側(長さB)に設定すれば、いわゆる鳴き も少なくなる。これは疑似合金溶射被膜4が軸線C方向に張出しているためまず 外周部分がプレッシャープレート20やフライホイール21に挟持されることに よりクラッチの振動を低減できるからである。この鳴きを低減するためには、9 .0mg/cm2以下の疑似合金溶射被膜4を用いればよいが、付着量が0.4 mg/cm2以下の場合には、耐錆性が低下するので好ましくない。長さBを2 /3・Aまでふやしても、ほぼ同等の効果が得られる。
【0010】 また外周側から1/3の範囲に限定した場合には、まず外周部分がプレッシャ ープレート20やフライホイール21に挟持されるため摩擦面3全面にわたって 溶射した場合に比べて比較的少ない溶射材で本考案の効果を奏することができ、 しかも摩擦材1全体の質量を低減できるので、イナーシャが増加する恐れもない 。
【0011】 図3は摩擦材1の加工方法を示している。5は溶射用トーチで、アーク式のも のを採用している。溶射材6はトーチ5の溶射口7から摩擦材1の摩擦面3に溶 射される。溶射材6としては上述した亜鉛及び黄銅が採用される。なお溶射用ト ーチとしてはアーク式以外のものを採用してもよい。
【0012】 (測定結果) 図4は、本考案を採用した場合の摩擦係数μとクラッチ接続遮断サイクル数C yとの関係を示すグラフであり、図5は図4の初期サイクル数Cyにおける摩擦 係数μの値を拡大して示したグラフである。図4、図5中、X1及びX2は本考 案による疑似合金溶射被膜を有する摩擦材を採用した場合の測定結果を示してお り、Y1は溶射被膜を形成していない従来の摩擦材、Y2は亜鉛のみを溶射して 形成した摩擦材による測定結果を比較したグラフである。
【0013】 なおこの測定結果は以下の条件下で行なわれた。 クラッチサイズ(MM):225(外径) :150(内径) 摩 擦 材 の 材 質:F202 イナーシャ(KG.M.S2) :0.118 回 転 数 (RPM):1750 取付荷重 (KG)初期:495 試験後:474
【0014】 (1) 従来例の測定結果 溶射被膜を形成していない摩擦材の場合: 図4のY1で示すように、サイクル数Cyの値が2〜18の間は摩擦係数μが 0.3を越えており良好な状態を示しているが、図5に示すようにサイクル数C yの値が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.20であり、初期の摩擦係数μの値 が低くなっている。従ってこの摩擦材をそのまま使用すると、車両運転初期時の トルク伝達が不十分となる恐れがある。
【0015】 亜鉛のみを溶射して形成した摩擦材の場合: 図5のY2で示すように、サイクル数Cyの値が1の時の摩擦係数μの値はほ ぼ0.22であり、上記Y1の値に比べて若干向上するものの依然初期摩擦係数 が低い。従って溶射被膜を形成していない摩擦材をそのまま使用すると、上記と 同様に車両運転初期時のトルク伝達が不十分となる。
【0016】 (2) 本考案の測定結果 8mg/cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成した摩擦材の場合: 図4のX1で示すように、サイクル数Cyの値が2〜17の間は摩擦係数μの 値が0.25以上であるのみならず、図5に示すように初期サイクル数Cyの値 が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.26であり、運転初期の摩擦係数μの値も 比較的高いことがわかった。従って亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を摩擦面に形成 することにより、運転初期時の摩擦係数μを高い値に保持することができる。
【0017】 12mg/cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成した摩擦材の場合 : 図4のX2で示すように、サイクル数Cyの値が2〜100の間は摩擦係数 μの値が概ね0.30以上ときわめて良好であるのみならず、図5のX2で示す ように、初期サイクル数Cyの値が1の時の摩擦係数μの値は概ね0.28であ り、運転初期の摩擦係数μの値がさらに高くなることがわかった。従って12m g/cm2の亜鉛−黄銅疑似合金溶射被膜を形成することにより一層運転初期時 の摩擦係数μを高い値に保持することができる。 なお、上記の疑似合金溶射被膜の亜鉛と黄銅の比率は1:1であるが、こ の比率については3〜7:7〜3の比率にまで設定することが可能である。
【0018】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、環状の摩擦材1の摩擦面3に鉄の犠牲陽極とな る金属と非犠牲陽極となる金属を3対7ないし7対3の比率で含む疑似合金溶射 被膜4を摩擦面3の半径方向長さAの外周部の長さB、但し1/3・A≦B≦2 /3・Aに形成して初期域の高い摩擦係数を確保するようにしたことを特徴とし ているので、初期の摩擦トルクμを高い所定値に維持することができる。従って 本考案を採用した摩擦材を車両に使用すると、運転初期時においても良好な伝達 トルクを得ることができる。従って製品納入後摩擦材のユーザは摩擦トルクを調 整することなく直ちに車両に使用することができる。
【0019】 すなわち本考案によると単に高い摩擦係数が得られるだけでなく、疑似合金溶 射被膜を採用することによってサイクル数の初期状態において従来構造にはない 良好な摩擦係数を得ることができるのである。無論本考案を採用することによっ て長期にわたって摩擦係数が安定することはいうまでもない。 さらに、疑似合金溶射被膜4を摩擦面3の外周部のみに形成したので、クラッ チ接続時にまず外周部分がプレッシャープレート20やフライホイール21に挾 持されることになり、伝達トルクを確保しながら摩擦係数の増大に有効であり、 摩擦面の摩耗を低減できるので摩擦面の錆を防止することができる。摩擦面3全 面にわたって溶射する場合に比べて比較的少ない溶射材で本考案の効果を奏する ことができ、しかも摩擦材1全体の質量を低減できるので、イナーシャが増加す る恐れも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の摩擦材の正面図である。
【図2】 クラッチとプレッシャープレート、フライホ
イールの縦断面部分略図である。
【図3】 本考案の摩擦材の製造方法を示すアーク式溶
射用トーチと摩擦材の縦断面である。
【図4】 本考案と従来の摩擦材における初期状態の摩
擦係数を比較した結果を示すグラフである。
【図5】 図4の初期サイクル数における摩擦係数の値
を拡大して示したグラフである。
【符号の説明】
1 摩擦材 2 大径孔 3 摩擦面 4 疑似合金溶射被膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 摩擦材
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の摩擦材の正面図である。
【図2】 クラッチとプレッシャープレート、フライホ
イールの縦断面部分略図である。
【図3】 本考案の摩擦材の製造方法を示すアーク式溶
射用トーチと摩擦材の縦断面である。
【図4】 本考案と従来の摩擦材における初期状態の摩
擦係数を比較した結果を示すグラフである。
【図5】 図4の初期サイクル数における摩擦係数の値
を拡大して示したグラフである。
【符号の説明】 1 摩擦材 2 大径孔 3 摩擦面 4 疑似合金溶射被膜
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦材の摩擦面に2種の金属からなる疑
    似合金溶射被膜を形成したことを特徴とする摩擦材。
  2. 【請求項2】 上記金属のうちの1種は、亜鉛等の鉄の
    犠牲陽極となる金属である請求項1記載の摩擦材。
  3. 【請求項3】 上記鉄の犠牲陽極となる金属と他の金属
    との比率は、3対7ないし7対3である請求項2記載の
    摩擦材。
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